JP2006094622A - 回転電機の固定子コイルの固定方法 - Google Patents

回転電機の固定子コイルの固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熟練した経験に基づく作業を殆ど必要としないで固定子コイルを容易に、かつ確実に固定し、作業効率を高めることができ、コイル導体に発生した熱による固定子コイルの温度上昇を防止し、固定子コイルと固定子鉄心スロット間でのスロット放電を防止する回転電機の固定子コイルの固定方法を提供すること目的とする。
【解決手段】L字形積層板30の周囲を液状のゴム弾性部材層31を介して半導電シート32で覆って形成された半導電性固定用部材13を固定子鉄心スロット12内に配置した後、固定子コイル10a、10bを挿入し、ゴム弾性部材層31を硬化させて固定子コイル10a、10bを固定子鉄心スロット12内に固定する。これによって、固定子コイル10a、10bの固定を容易に行うことができ、コイル導体14に発生した熱を効率良く固定子鉄心11へ伝導し放熱することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、タービン発電機などの回転電機のコイル固定方法に係り、特に固定子コイルを鉄心スロット内に挿入して固定子鉄心で支持して固定する回転電機の固定子コイルの固定方法に関する。
タービン発電機等の回転電機では、固定子鉄心の鉄心スロット内に挿入配置された固定子コイルが、そのコイル導体自身に流れる電流と、固定子鉄心を磁路とした磁束の内のスロットを横切る成分との相互作用により、機械軸の半径方向に発生する電源周波数の2倍の電磁力を受けて振動する。そのため、この電磁振動を抑制するための固定子コイルの固定方法が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。この従来の固定子コイルの固定方法の一例を図8を参照して説明する。
図8に示すように、断面矩形状の固定子鉄心スロット200内の上下に、コイル導体201の外周部を絶縁層202を介して低抵抗コロナ防止層203で覆う断面矩形状の2つの固定子コイル204a、204bが、コイル間スペーサを205を介して積層されている。また、下側の固定子コイル204bは、コイル底スペーサ206上に配置され、上側の固定子コイル204aの上部には、楔下スペーサ207が設置され、その楔下スペーサ207を介して固定子鉄心スロット200の開口部に楔208が堅く打ち込まれている。さらに、図8に示すように、固定子鉄心スロット200の内側面と固定子コイル204a、204bの側面との隙間には、図9に示すような半導電性の波形積層板209が打ち込まれている。なお、波形積層板209の替わりに、半導電性の平板積層板が打ち込まれることもある。
このような回転電機では、コイル間スペーサを205、コイル底スペーサ206、楔下スペーサ207などのスペーサ、および楔208を使用して、2つの固定子コイル204a、204bを固定子鉄心スロット200内の上下方向の所定位置に固定するとともに、その両固定子コイル204a、204bを波形積層板209により固定子鉄心スロット200の内側面に押し付け、そのばね力と圧接面の摩擦力とを用いて上記した半径方向の振動を抑制し、固定子コイル204a、204bと固定子鉄心スロット200との間のスロット放電を防止している。
特開平6−237549号公報
しかしながら、上述した従来の回転電機のコイル固定方法では、固定子鉄心スロット200の内側面と固定子コイル204a、204bとの間に半導電性の波形積層板209を打ち込むには、熟練した経験が必要であるため、必ずしも作業効率が良いものではなく、特に慣れていない場合には作業に長時間を要してしまうことがあった。また、固定子コイル204a、204bと固定子鉄心スロット200の内側面との間には熱伝導性の悪い空気層が形成され、固定子鉄心スロット200内の熱放散が悪くなり、運転中のコイル温度により長期間にコイルの馴染みや、楔および積層板などの有機材料に枯れが生じ、電磁振動の抑制効果が低下することがあった。これにより、固定子コイル204a、204bの低抵抗コロナ防止層203の摩耗が進行し、固定子コイル204a、204bと固定子鉄心スロット200間でスロット放電が発生して、固定子コイル204a、204bが損傷を受け、絶縁特性を低下させるなどの問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、特に熟練した経験に基づく作業を殆ど必要としないで固定子コイルを容易に、かつ確実に固定し、作業効率を高めることができ、コイル導体に発生した熱による固定子コイルの温度上昇を防止し、固定子コイルと固定子鉄心スロット間でのスロット放電を防止する回転電機の固定子コイルの固定方法を提供すること目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の回転電機の固定子コイルの固定方法は、回転電機の固定子鉄心に設けられた鉄心スロット内に固定子コイルを固定する固定子コイルの固定方法において、L字形積層板の周囲を液状のゴム弾性部材層を介して半導電シートで覆って形成されたL字形の半導電性固定用部材を、前記鉄心スロットの開口部からL字形の短辺部の底面が前記鉄心スロットの底面に接し、L字形の長辺部の外側面が前記鉄心スロットの一方の内側面に接するように前記鉄心スロット内に挿入する固定用部材挿入工程と、1つのまたはスペーサを介して複数積層された固定子コイルを、前記半導電性固定用部材のL字形の長辺部の内側面と前記鉄心スロットの他方の内側面に摺接させ、前記ゴム弾性部材層を前記半導電シートを介して押圧し変形させながら押入して、前記半導電性固定用部材のL字形の短辺部の上面上に設置する固定子コイル設置工程と、前記鉄心スロットの開口部に、前記固定子コイルおよび前記半導電性固定用部材上に設置されたスペーサを介して、楔を打ち込む楔打ち込み工程と、前記半導電性固定用部材のゴム弾性部材層を硬化させ、前記固定子コイルを前記鉄心スロット内に密着固定させる弾性部材層硬化工程とを具備することを特徴とする。
この回転電機の固定子コイルの固定方法によれば、半導電性固定用部材を鉄心スロット内に配置した後、固定子コイルを挿入し、ゴム弾性部材層を硬化させて固定子コイルを鉄心スロット内に固定するため、熟練した経験や、作業に長時間を要せず、固定子コイルの固定を容易に行うことができる。また、半導電性固定用部材のゴム弾性部材層が液状であるため、固定子コイルの形状、並びに鉄心スロットの内側面と固定子コイルとの間に生じる隙間に近い形状に半導電シートを変形して密接することができるので、固定子コイルと鉄心スロットの内側面との間に、熱伝導性の悪い空気層が形成されるのを抑制することができる。これによって、固定子コイルのコイル導体に発生した熱を効率良く固定子鉄心へ伝導し放熱することができる。
また、本発明の回転電機の固定子コイルの固定方法は、回転電機の固定子鉄心に設けられた鉄心スロット内に固定子コイルを固定する固定子コイルの固定方法において、L字形積層板の長辺部の外側面に、1つまたは複数の半導電性粘弾性体を固着して形成される半導電性固定用部材を、前記鉄心スロットの開口部からL字形の短辺部の底面が前記鉄心スロットの底面に接し、前記半導電性粘弾性体が前記鉄心スロットの一方の内側面に接するように前記鉄心スロット内に挿入する固定用部材挿入工程と、1つのまたはスペーサを介して複数積層された固定子コイルを、前記半導電性固定用部材のL字形の長辺部の内側面と前記鉄心スロットの他方の内側面に摺接させ、前記半導電性粘弾性体を前記L字形積層板を介して押圧し変形させながら押入して、前記半導電性固定用部材のL字形の短辺部の上面上に設置する固定子コイル設置工程と、前記鉄心スロットの開口部に、前記固定子コイルおよび前記半導電性固定用部材上に設置されたスペーサを介して、楔を打ち込む楔打ち込み工程とを具備することを特徴とする。
この回転電機の固定子コイルの固定方法によれば、半導電性粘弾性体を押圧し変形させながら固定子コイルを押入することができるので、熟練した経験や、作業に長時間を要せず、固定子コイルの固定を容易に行うことができる。さらに、半導電性粘弾性体は、押圧されて変形し、鉄心スロットの内側面に密接することができるので、固定子コイルの側面と鉄心スロットの内側面との間に、熱伝導性の悪い空気層が形成されるのを抑制することができる。これによって、固定子コイルのコイル導体に発生した熱を効率良く固定子鉄心へ伝導し放熱することができる。
さらに、本発明の回転電機の固定子コイルの固定方法は、回転電機の固定子鉄心に設けられた鉄心スロット内に固定子コイルを固定する固定子コイルの固定方法において、前記鉄心スロットの底面に底スペーサを設置し、前記底スペーサ上に、前記鉄心スロット内のどちらか一方の内側面に、一方の側面が接するように、1つのまたはスペーサを介して複数積層された固定子コイルを設置する固定子コイル設置工程と、前記固定子コイルの側面と前記鉄心スロットの内壁面との間隙に、半導電性の波形積層板の両面に形成される凹部に粘弾性部材層を設けて一体的に形成された波形固定用部材を嵌入する固定用部材嵌入工程と、前記鉄心スロットの開口部に、前記固定子コイルおよび前記波形固定用部材上に設置されたスペーサを介して、楔を打ち込む楔打ち込み工程とを具備することを特徴とする。
この回転電機の固定子コイルの固定方法によれば、粘弾性部材層を押圧し変形させながら固定子コイルを押入することができるので、熟練した経験や、作業に長時間を要せず、固定子コイルの固定を容易に行うことができる。さらに、粘弾性部材層は、押圧されて変形し、鉄心スロットの内側面または固定子コイルの側面に密接することができ、さらに、波形積層板も押圧されて変形し、鉄心スロットの内側面または固定子コイルの側面に密接することができるので、固定子コイルの側面と鉄心スロットの内側面との間に、熱伝導性の悪い空気層が形成されるのを抑制することができる。これによって、固定子コイルのコイル導体に発生した熱を効率良く固定子鉄心へ伝導し放熱することができる。
本発明の回転電機の固定子コイルの固定方法によれば、特に熟練した経験に基づく作業を殆ど必要としないで固定子コイルを容易に、かつ確実に固定し、作業効率を高めることができ、コイル導体に発生した熱による固定子コイルの温度上昇を防止し、固定子コイルと固定子鉄心スロット間でのスロット放電を防止することができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態について図1および2を参照して説明する。
図1は、固定子コイル10a、10bおよび固定子鉄心11を備えた回転電機の一部の断面図を示している。また、図2は、固定子鉄心スロット12内に固定子コイル10a、10bを固定するための半導電性固定用部材13の断面図を示している。
図1に示すように、L字形の半導電性固定用部材13は、L字形の短辺部の底面13aが、固定子鉄心11内に形成した断面矩形状の固定子鉄心スロット12の底面12aに接し、L字形の長辺部の外側面13bが固定子鉄心スロット12の一方の内側面12bに接するように固定子鉄心スロット12内に設置されている。また、コイル導体14を絶縁層15を介して低抵抗コロナ防止層16で覆う断面矩形状の2つの固定子コイル10a、10bがコイル間スペーサ17を介して積層された状態で、半導電性固定用部材13のL字形の短辺部の上面13c上に設置され、かつ固定子コイル10a、10bの側面は、半導電性固定用部材13のL字形の長辺部の内側面13dと固定子鉄心スロット12の内側面12cとの間に、それぞれの内側面13d、12cに接して設置されている。さらに、固定子鉄心スロット12の開口部には、固定子コイル10aおよび半導電性固定用部材13上に設置された楔下スペーサ18を介して、楔19が打ち込まれている。
ここで、L字形の半導電性固定用部材13の構成について図2を参照して説明する。
半導電性固定用部材13は、L字形積層板30の周囲を液状のゴム弾性部材層31を介して半導電シート32で覆って形成されている。また、半導電性固定用部材13におけるL字形の長辺部の長さは、図1に示すように、固定子鉄心スロット12内に固定子コイル10a、10bを設置した状態で、固定子コイル10aの上面と同位置か、若干高くなる程度に形成される。また、半導電性固定用部材13におけるL字形の長辺部の幅(M)は、固定子鉄心スロット12内に固定子コイル10a、10bを設置した状態で、固定子鉄心スロット12の内側面12cに、固定子コイル10a、10bの側面を所定の圧力で押圧できる程度に形成され、例えば、L字形積層板30のL字形の長辺部の幅や、L字形積層板30と半導電シート32と間に介在するゴム弾性部材層31を構成するゴム弾性部材の量などによって調整される。
L字形積層板30は、カ−ボン粉を所定量配合した、高耐熱性で熱硬化性のエポキシ樹脂組成物(例えば、DEN438、エピコート1001、橋本化成製BF3−400)を、ガラス繊維織布(例えば、日東紡績社製WE26−104)に含浸し半硬化状したシート材を積層して、金型でL字形に加熱硬化成形したものである。このL字形積層板30では、表面抵抗が10〜10Ω程度になるように、カ−ボン粉の含有量が調整されている。
なお、使用される熱硬化性の樹脂は、エポキシ樹脂に限らず、例えば不飽和ポリエステル樹脂またはポリイミド樹脂などを用いてもよい。さらに、カ−ボン粉を含有した熱硬化性樹脂を含浸させる材料として、アルミナ繊維織布、アルミナまたはガラス繊維不織布などを用いてもよい。また、カ−ボン粉を含有した熱硬化性樹脂に、さらに熱伝導率が1W/(K・m)以上の無機充填材(例えば、太平洋ランダム社製のLA2000またはLA4000アルミナ粉末)を配合してもよい。
ゴム弾性部材層31には、室温硬化型のシリコーンゴム(例えば、GE東芝シリコーン社製のTSE382)に、熱伝導率が1W/(K・m)以上の無機充填材(例えば、太平洋ランダム社製のLA2000またはLA4000アルミナ粉末)とカーボン粉末を所定量配合して、表面抵抗が10〜10Ω程度に調整されたものが用いられている。なお、液状のゴム弾性部材層31は、L字形積層板30の表面に塗布などによって付着される。なお、ゴム弾性部材層31は、室温硬化型以外にも、例えば、室温よりも高い所定の温度で硬化するシリコーンゴムを用いてもよい。
半導電シート32は、高耐熱性の加熱硬化型のシリコ−ンゴム(例えば、GE東芝シリコーン製TSE3431−H)にカーボン粉末を配合し、厚さが0.1mmのポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布シート材に含浸し硬化させて、表面抵抗が10〜10Ω程度に調整されたものを用いた。なお、カーボン粉末を含有したシリコ−ンゴムを含浸させるシート材は、無機繊維からなる不織布、高分子繊維または無機繊維からなる織布などでもよい。
ここで、上記したL字形積層板30、ゴム弾性部材層31、半導電シート32における表面抵抗を10〜10Ω程度に調整しているのは、10Ωよりも表面抵抗が小さい場合、渦電流の発生による温度上昇があり、10Ωよりも表面抵抗が大きい場合には、固定子鉄心11間との接触抵抗が問題となるからであり、試験結果等から最適な表面抵抗として前述した数値を用いた。また、無機充填材の熱伝導率を1W/(K・m)以上としたのは、熱伝導率が1W/(K・m)より小さい場合には、固定子コイル10a、10bからの熱放散が低下するからである。
なお、第1の実施の形態では、固定子鉄心スロット12内に2つの固定子コイルが固定される場合について示しているが、固定子鉄心スロット12内に1つまたは3つ以上の固定子コイルが固定されてもよい。
次に、第1の実施の形態の回転電機の固定子コイル10a、10bの固定方法について説明する。
まず、固定子鉄心スロット12の開口部から、上記したL字形の半導電性固定用部材13を、L字形の短辺部の底面13aが固定子鉄心スロット12の底面12aに接し、L字形の長辺部の外側面13bが固定子鉄心スロット12の一方の内側面12bに接するように固定子鉄心スロット12内に挿入する。
続いて、コイル間スペーサ17を介して積層された固定子コイル10a、10bを、半導電性固定用部材13のL字形の長辺部の内側面13dと固定子鉄心スロット12の内側面12cに摺接させ、ゴム弾性部材層31を半導電シート32を介して押圧し変形させながら押入して、半導電性固定用部材13の短辺部の上面13c上に設置する。
この際、短辺部のゴム弾性部材層31は、固定子コイル10bの底部によって押圧され、そのゴム弾性部材層31を形成するゴム弾性部材の一部が長辺部に移動する。長辺部では、短辺部から移動したゴム弾性部材を受け入れ、半導電シート32が、接触する固定子コイル10a、10bの側面形状に対応して変形し、固定子コイル10a、10bと密に接触する。また、半導電性固定用部材13の短辺部の底面13aが、固定子鉄心スロット12の底面12aに密接し、半導電性固定用部材13の長辺部の外側面13bが固定子鉄心スロット12の一方の内側面12bに密接する。その結果、半導電性固定用部材13の短辺部の底面13aと固定子鉄心スロット12の底面12a、および半導電性固定用部材13の長辺部の外側面13bと固定子鉄心スロット12の内側面12bとの間に空気層が殆ど存在しない状態となる。
続いて、固定子コイル10aおよび半導電性固定用部材13上に楔下スペーサ18を設置し、この楔下スペーサ18を介して、固定子鉄心スロット12の開口部に楔を打ち込み、固定子コイル10a、10bと半導電性固定用部材13とを固定子鉄心スロット12内の上下方向の所定位置に支持する。
ここで、ゴム弾性部材層31のゴム弾性部材として、上記した無機充填材とカーボン粉末を含有した室温硬化型のシリコーンゴムが用いられる場合には、半導電性固定用部材13を固定子鉄心スロット12に挿入する前に液状であったシリコーンゴムは、上記した楔を打ち込んだ状態で、室温で所定時間放置することで硬化し、固定子コイル10a、10bが固定子鉄心スロット12内に強固に固定される。なお、ゴム弾性部材層31のゴム弾性部材に、室温よりも高い所定の温度で硬化するシリコーンゴムを使用した場合には、シリコーンゴムがその所定の温度になるように固定子鉄心11を加熱する。
上記した第1の実施形態によれば、半導電性固定用部材13を固定子鉄心スロット12内に配置した後、固定子コイル10a、10bを挿入し、ゴム弾性部材層31を硬化させて固定子コイル10a、10bを固定子鉄心スロット12内に固定するため、熟練した経験や、作業に長時間を要せず、固定子コイル10a、10bの固定を容易に行うことができる。これによって、従来の固定子コイルの固定方法よりも作業効率を大幅に向上させることができる。
また、半導電性固定用部材13のゴム弾性部材層31が液状であるため、固定子コイル10a、10bの形状、並びに固定子鉄心スロット12の内側面と固定子コイル10a、10bとの間に生じる隙間に近い形状に半導電シート32を変形して密接することができるので、固定子コイル10a、10bと固定子鉄心スロット12の内側面との間に、熱伝導性の悪い空気層が形成されるのを抑制することができる。これによって、コイル導体14に発生した熱を効率良く固定子鉄心11へ伝導し放熱することができる。また、高熱伝導性の無機充填材や繊維材が、半導電性固定用部材13の構成部材に使用されているので、熱を効率良く伝導し放熱することができる。
さらに、半導電性固定用部材13のゴム弾性部材層31は、硬化後に弾性を示すため運転中の電磁振動を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について図3および4を参照して説明する。なお、第2の実施の形態の構成と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を簡略または省略する。
図3は、固定子コイル10a、10bおよび固定子鉄心11を備えた回転電機の一部の断面図を示している。また、図4は、固定子鉄心スロット12内に固定子コイル10a、10bを固定するための半導電性固定用部材40の断面図を示している。
図3に示すように、L字形の半導電性固定用部材40は、L字形の短辺部の底面40aが、固定子鉄心11内に形成した断面矩形状の固定子鉄心スロット12の底面12aに接し、L字形の長辺部の外側面40bが固定子鉄心スロット12の一方の内側面12bに接するように固定子鉄心スロット12内に設置されている。また、コイル導体14を絶縁層15を介して低抵抗コロナ防止層16で覆う断面矩形状の2つの固定子コイル10a、10bがコイル間スペーサ17を介して積層された状態で、半導電性固定用部材40のL字形の短辺部の上面40c上に設置され、かつ固定子コイル10a、10bの側面は、半導電性固定用部材40のL字形の長辺部の内側面40dと固定子鉄心スロット12の内側面12cとの間に、それぞれの内側面40d、12cに接して設置されている。さらに、固定子鉄心スロット12の開口部には、固定子コイル10aおよび半導電性固定用部材40上に設置された楔下スペーサ18を介して、楔19が打ち込まれている。
ここで、L字形の半導電性固定用部材40の構成について図4を参照して説明する。
半導電性固定用部材40は、L字形半導電性積層板41のL字形の長辺部の外側面に、断面形状がほぼ矩形を有し、外側面の中央部に対応する部分が若干盛り上がった形状を有する半導電性粘弾性体42を外側面のほぼ全面にわたって接着して構成されている。また、半導電性固定用部材40におけるL字形の長辺部の長さは、図3に示すように、固定子鉄心スロット12内に固定子コイル10a、10bを設置した状態で、固定子コイル10aの上面と同位置か、若干高くなる程度に形成される。また、半導電性固定用部材40におけるL字形の長辺部の幅(M)は、固定子鉄心スロット12内に固定子コイル10a、10bを設置した状態で、固定子鉄心スロット12の内側面12cに、固定子コイル10a、10bの側面を所定の圧力で押圧できる程度に形成され、例えば、L字形半導電性積層板41のL字形の長辺部の幅や、半導電性粘弾性体42の厚さなどによって調整される。
L字形半導電性積層板41は、カ−ボン粉を所定量配合した、高耐熱性で熱硬化性のエポキシ樹脂組成物(例えば、DEN438、エピコート1001、橋本化成製BF3−400)を、高熱伝導性のアルミナ繊維不織布(例えば、ニチビ社製S−1920D−G2)に含浸し半硬化状したシート材を積層して、金型でL字形に加熱硬化成形したものである。このL字形半導電性積層板41では、表面抵抗が10〜10Ω程度になるように、カ−ボン粉の含有量が調整されている。
なお、使用される熱硬化性の樹脂は、エポキシ樹脂に限らず、例えば不飽和ポリエステル樹脂またはポリイミド樹脂などを用いてもよい。さらに、カ−ボン粉を含有した熱硬化性樹脂を含浸させる材料として、ガラス繊維不織布、アルミナまたはガラス繊維織布などを用いてもよい。また、カ−ボン粉を含有した熱硬化性樹脂に、さらに熱伝導率が1W/(K・m)以上の無機充填材(例えば、太平洋ランダム社製のLA2000またはLA4000アルミナ粉末)を配合してもよい。
半導電性粘弾性体42は、シリコーンゲル(例えば、GE東芝シリコーン社製TSE3070)にカーボン粉末を所定量配合して、表面抵抗が10〜10Ω程度になるように調整し、さらに、熱伝導率が1W/(K・m)以上の無機充填材(例えば、太平洋ランダム社製のLA2000またはLA4000アルミナ粉末)を配合して形成されている。なお、ここで使用されるシリコーンゲルは、例えば、無充填時の硬化後の伸びが1500%程度と高伸長のものを使用することが好ましい。これは、目的とする表面抵抗や熱伝導率を達成するには、前述の無機充填材やカーボン粉末を高充填する必要があるが、逆に伸びは大きく低下するため、狭い隙間での体積変化に追随できなくなるからである。
ここで、上記したL字形半導電性積層板41、半導電性粘弾性体42における表面抵抗を10〜10Ω程度に調整しているのは、10Ωより表面抵抗が小さい場合、渦電流の発生による温度上昇があり、10Ωより表面抵抗が大きい場合には、固定子鉄心11間との接触抵抗が問題となるからであり、試験結果等から最適な表面抵抗として前述した数値を用いた。また、無機充填材の熱伝導率を1W/(K・m)以上としたのは、熱伝導率が1W/(K・m)より小さい場合には、固定子コイル10a、10bからの熱放散が低下するからである。
なお、半導電性固定用部材40の構成は、上記した構成に限るものではなく、例えば、図5に示すような構成にしてもよい。
図5に示した半導電性固定用部材50は、L字形半導電性積層板41のL字形の長辺部の外側面に、断面形状がほぼ矩形を有し、中央部が若干盛り上がった形状を有する半導電性粘弾性体51を複数個、所定の間隔をあけて接着して構成されている。この半導電性粘弾性体51は、L字形半導電性積層板41の長辺部の外側面のほぼ全面にわたって所定の配列に基づいて接続されることが好ましい。
なお、第2の実施の形態では、固定子鉄心スロット12内に2つの固定子コイルが固定される場合について示しているが、固定子鉄心スロット12内に1つまたは3つ以上の固定子コイルが固定されてもよい。
次に、第2の実施の形態の回転電機の固定子コイル10a、10bの固定方法について説明する。
まず、固定子鉄心スロット12の開口部から、上記したL字形の半導電性固定用部材40を、L字形の短辺部の底面40aが固定子鉄心スロット12の底面12aに接し、半導電性粘弾性体42の外側面が固定子鉄心スロット12の一方の内側面12bに接するように固定子鉄心スロット12内に挿入する。
続いて、コイル間スペーサ17を介して積層された固定子コイル10a、10bを、半導電性固定用部材40のL字形の長辺部の内側面40dと固定子鉄心スロット12の内側面12cに摺接させ、半導電性粘弾性体42をL字形半導電性積層板41を介して押圧し変形させながら押入して、半導電性固定用部材40の短辺部の上面40c上に設置する。
この際、半導電性粘弾性体42は、押圧されて変形し、固定子鉄心スロット12の内側面12bに密接する。その結果、半導電性粘弾性体42の外底面と固定子鉄心スロット12の内側面12bとの間に空気層が殆ど存在しない状態となる。ここで、半導電性粘弾性体42の中央部を若干盛り上げて形成することにより、例えば、押圧されて変形する際に、他の部分に比べて薄くなる部分が生じても、この中央部の過剰な分によって補填され、全体的に均一な層を形成することができる。
続いて、固定子コイル10aおよび半導電性固定用部材40上に楔下スペーサ18を設置し、この楔下スペーサ18を介して、固定子鉄心スロット12の開口部に楔を打ち込み、固定子コイル10a、10bと半導電性固定用部材40とを固定子鉄心スロット12内の上下方向の所定位置に支持し固定する。また、固定子コイル10a、10bは、この上下方向の固定とともに、上記したように半導電性固定用部材40と固定子鉄心スロット12の内側面12cとによって図面の左右方向にも固定され、固定子鉄心スロット12内に強固に固定される。
上記した第2の実施形態によれば、半導電性粘弾性体42に、変形可能で高張力を有するシリコーンゲルを用いるため、熟練した経験や、作業に長時間を要せず、固定子コイル10a、10bの固定を容易に行うことができる。これによって、従来の固定子コイルの固定方法よりも作業効率を大幅に向上させることができる。
さらに、半導電性粘弾性体42は、押圧されて変形し、固定子鉄心スロット12の内側面12bに密接することができるので、固定子コイル10a、10bの側面と固定子鉄心スロット12の内側面12bとの間に、熱伝導性の悪い空気層が形成されるのを抑制することができる。これによって、コイル導体14に発生した熱を効率良く固定子鉄心11へ伝導し放熱することができる。また、高熱伝導性の無機充填材や繊維材が、半導電性固定用部材40の構成部材に使用されているので、熱を効率良く伝導し放熱することができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態について図6および7を参照して説明する。なお、第1または2の実施の形態の構成と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を簡略または省略する。
図6は、固定子コイル10a、10bおよび固定子鉄心11を備えた回転電機の一部の断面図を示している。また、図7は、固定子鉄心スロット12内に固定子コイル10a、10bを固定するための波形固定用部材60の断面図を示している。
図6に示すように、断面矩形状の固定子鉄心スロット12内の上下に、コイル導体14を絶縁層15を介して低抵抗コロナ防止層16で覆う断面矩形状の2つの固定子コイル10a、10bがコイル間スペーサ17を介して積層されている。また、下側の固定子コイル10bは、コイル底スペーサ61上に配置され、上側の固定子コイル10aおよび波形固定用部材60上には、楔下スペーサ18が設置され、その楔下スペーサ18を介して固定子鉄心スロット12の開口部に楔19が堅く打ち込まれている。さらに、固定子鉄心スロット12の内側面と固定子コイル10a、10bの側面との隙間には、図7に示すような半導電性の波形固定用部材60が打ち込まれている。なお、ここでは、固定子コイル10a、固定子コイル10bに対して、波形固定用部材60が打ち込まれている側が異なっているが、勿論同じ側に打ち込まれてもよい。
ここで、波形固定用部材60の構成について図7を参照して説明する。
波形固定用部材60は、波形半導電性積層板62の両面に形成される凹部に粘弾性部材層63を接着して一体的に形成されている。また、波形半導電性積層板62の長さは、図6に示すように、各固定子コイル10a、10bの縦方向(固定子鉄心スロット12の深さ方向)の長さにほぼ対応して形成される。また、波形半導電性積層板62の幅(M)は、固定子鉄心スロット12内に固定子コイル10a、10bを設置した状態で、波形半導電性積層板62が打ち込まれてない側の固定子鉄心スロット12の内側面に、固定子コイル10a、10bの側面を所定の圧力で押圧できる程度に形成され、例えば、波形半導電性積層板62の波部の高さや粘弾性部材層63の厚さなどによって調整される。
波形半導電性積層板62は、カ−ボン粉を所定量配合した、高耐熱性で熱硬化性のエポキシ樹脂組成物(例えば、DEN438、エピコート1001、橋本化成製BF3−400)を、ガラス繊維織布(例えば、日東紡績社製WE26−104)に含浸し半硬化状したシート材を積層して、金型で波形に加熱硬化成形したものである。この波形半導電性積層板62では、表面抵抗が10〜10Ω程度になるように、カ−ボン粉の含有量が調整されている。
なお、使用される熱硬化性の樹脂は、エポキシ樹脂に限らず、例えば不飽和ポリエステル樹脂またはポリイミド樹脂などを用いてもよい。さらに、カ−ボン粉を含有した熱硬化性樹脂を含浸させる材料として、アルミナまたはガラス繊維不織布、アルミナ繊維織布などを用いてもよい。また、カ−ボン粉を含有した熱硬化性樹脂に、さらに熱伝導率が1W/(K・m)以上の無機充填材(例えば、太平洋ランダム社製のLA2000またはLA4000アルミナ粉末)を配合してもよい。
粘弾性部材層63は、シリコーンゲル(例えば、GE東芝シリコーン社製TSE3070)にカーボン粉末を所定量配合して、表面抵抗が10〜10Ω程度になるように調整し、さらに、熱伝導率が1W/(K・m)以上の無機充填材(例えば、太平洋ランダム社製のLA2000またはLA4000アルミナ粉末)を配合して形成されている。なお、ここで使用されるシリコーンゲルは、例えば、無充填時の硬化後の伸びが1500%程度と高伸長のものを使用することが好ましい。これは、目的とする表面抵抗や熱伝導率を達成するには、前述した無機充填材やカーボン粉末を高充填する必要があるが、逆に伸びは大きく低下するため、狭い隙間での体積変化に追随できなくなるからである。
ここで、上記した波形半導電性積層板62、粘弾性部材層63における表面抵抗を10〜10Ω程度に調整しているのは、10Ωより表面抵抗が小さい場合、渦電流の発生による温度上昇があり、10Ωより表面抵抗が大きい場合には、固定子鉄心11間との接触抵抗が問題となるからであり、試験結果等から最適な表面抵抗として前述した数値を用いた。また、無機充填材の熱伝導率を1W/(K・m)以上としたのは、熱伝導率が1 W/(K・m)より小さい場合には、固定子コイル10a、10bからの熱放散が低下するからである。
次に、第3の実施の形態の回転電機の固定子コイル10a、10bの固定方法について説明する。
まず、固定子鉄心スロット12の底面にコイル底スペーサ61を設置する。続いて、固定子鉄心スロット12の開口部から、コイル間スペーサ17を介して積層された固定子コイル10a、10bをコイル底スペーサ61上に設置する。この際、固定子鉄心スロット12内のどちらか一方の内側面に、固定子コイル10a、10bの一方の側面が接するように設置する。
続いて、固定子コイル10a、10bの側面と固定子鉄心スロット12の内側面との間隙に、波形固定用部材60を打ち込む。この際、粘弾性部材層63は、押圧されて変形し、固定子鉄心スロット12の内側面または固定子コイル10a、10bの側面に密接する。さらに、波形半導電性積層板62も押圧されて変形し、固定子鉄心スロット12の内側面または固定子コイル10a、10bの側面に密接する。その結果、固定子コイル10a、10bと固定子鉄心スロット12の内側面との間に空気層が殆ど存在しない状態となる。
続いて、固定子コイル10aおよび波形固定用部材60上に楔下スペーサ18を設置し、この楔下スペーサ18を介して、固定子鉄心スロット12の開口部に楔を打ち込み、固定子コイル10a、10bを固定子鉄心スロット12内の上下方向の所定位置に支持し固定する。また、固定子コイル10a、10bは、この上下方向の固定とともに、上記したように波形固定用部材60と固定子鉄心スロット12の内側面とによって図面の左右方向にも固定され、固定子鉄心スロット12内に強固に固定される。
上記した第3の実施形態によれば、粘弾性部材層63に、変形可能で高張力を有するシリコーンゲルを用いるため、熟練した経験や、作業に長時間を要せず、固定子コイル10a、10bの固定を容易に行うことができる。これによって、従来の固定子コイルの固定方法よりも作業効率を大幅に向上させることができる。
さらに、粘弾性部材層63は、押圧されて変形し、固定子鉄心スロット12の内側面または固定子コイル10a、10bの側面に密接することができ、さらに、波形半導電性積層板62も押圧されて変形し、固定子鉄心スロット12の内側面または固定子コイル10a、10bの側面に密接することができるので、固定子コイル10a、10bの側面と固定子鉄心スロット12の内側面との間に、熱伝導性の悪い空気層が形成されるのを抑制することができる。これによって、コイル導体14に発生した熱を効率良く固定子鉄心11へ伝導し放熱することができる。また、高熱伝導性の無機充填材や繊維材が、波形固定用部材60の構成部材に使用されているので、熱を効率良く伝導し放熱することができる。
第1の実施の形態における固定子鉄心の一部を示す断面図。 第1の実施の形態における半導電性固定用部材の断面図。 第2の実施の形態における固定子鉄心の一部を示す断面図。 第2の実施の形態における半導電性固定用部材の断面図。 第2の実施の形態における他の半導電性固定用部材の断面図。 第3の実施の形態における固定子鉄心の一部を示す断面図。 第3の実施の形態における波形固定用部材の断面図。 従来の固定子鉄心の一部を示す断面図。 従来の波形積層板の断面図。
符号の説明
10a,10b…固定子コイル、11…固定子鉄心、12…固定子鉄心スロット、13…半導電性固定用部材、14…コイル導体、15…絶縁層、16…低抵抗コロナ防止層、17…コイル間スペーサ、18…楔下スペーサ、19…楔。

Claims (9)

  1. 回転電機の固定子鉄心に設けられた鉄心スロット内に固定子コイルを固定する固定子コイルの固定方法において、
    L字形積層板の周囲を液状のゴム弾性部材層を介して半導電シートで覆って形成されたL字形の半導電性固定用部材を、前記鉄心スロットの開口部からL字形の短辺部の底面が前記鉄心スロットの底面に接し、L字形の長辺部の外側面が前記鉄心スロットの一方の内側面に接するように前記鉄心スロット内に挿入する固定用部材挿入工程と、
    1つのまたはスペーサを介して複数積層された固定子コイルを、前記半導電性固定用部材のL字形の長辺部の内側面と前記鉄心スロットの他方の内側面に摺接させ、前記ゴム弾性部材層を前記半導電シートを介して押圧し変形させながら押入して、前記半導電性固定用部材のL字形の短辺部の上面上に設置する固定子コイル設置工程と、
    前記鉄心スロットの開口部に、前記固定子コイルおよび前記半導電性固定用部材上に設置されたスペーサを介して、楔を打ち込む楔打ち込み工程と、
    前記半導電性固定用部材のゴム弾性部材層を硬化させ、前記固定子コイルを前記鉄心スロット内に密着固定させる弾性部材層硬化工程と
    を具備することを特徴とする回転電機の固定子コイルの固定方法。
  2. 前記ゴム弾性部材層を形成するゴム弾性部材は、カ−ボン粉および熱伝導率が1W/(K・m)以上の無機充填材を所定量配合した室温または所定の加熱温度で硬化するシリコーンゴムで構成され、表面抵抗率が10〜10Ωであることを特徴とする請求項1記載の回転電機の固定子コイルの固定方法。
  3. 前記半導電シートは、カ−ボン粉を所定量配合した加熱硬化型のシリコ−ンゴムを含浸した、高分子繊維または無機繊維からなる織布または不織布のシート材で構成され、表面抵抗率が10〜10Ωであることを特徴とする請求項1または2記載の回転電機の固定子コイルの固定方法。
  4. 回転電機の固定子鉄心に設けられた鉄心スロット内に固定子コイルを固定する固定子コイルの固定方法において、
    L字形積層板の長辺部の外側面に、1つまたは複数の半導電性粘弾性体を固着して形成される半導電性固定用部材を、前記鉄心スロットの開口部からL字形の短辺部の底面が前記鉄心スロットの底面に接し、前記半導電性粘弾性体が前記鉄心スロットの一方の内側面に接するように前記鉄心スロット内に挿入する固定用部材挿入工程と、
    1つのまたはスペーサを介して複数積層された固定子コイルを、前記半導電性固定用部材のL字形の長辺部の内側面と前記鉄心スロットの他方の内側面に摺接させ、前記半導電性粘弾性体を前記L字形積層板を介して押圧し変形させながら押入して、前記半導電性固定用部材のL字形の短辺部の上面上に設置する固定子コイル設置工程と、
    前記鉄心スロットの開口部に、前記固定子コイルおよび前記半導電性固定用部材上に設置されたスペーサを介して、楔を打ち込む楔打ち込み工程と
    を具備することを特徴とする回転電機の固定子コイルの固定方法。
  5. 前記半導電性粘弾性体は、カ−ボン粉および熱伝導率が1W/(K・m)以上の無機充填材を所定量配合したシリコーンゲルで構成され、表面抵抗率が10〜10Ωであることを特徴とする請求項4記載の回転電機の固定子コイルの固定方法。
  6. 前記L字形積層板は、少なくともカ−ボン粉を所定量配合した熱硬化性樹脂を含浸させた、アルミナ繊維またはガラス繊維の織布または不織布を複数枚積層してL字形に成形してなり、表面抵抗率が10〜10Ωであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の回転電機の固定子コイルの固定方法。
  7. 回転電機の固定子鉄心に設けられた鉄心スロット内に固定子コイルを固定する固定子コイルの固定方法において、
    前記鉄心スロットの底面に底スペーサを設置し、前記底スペーサ上に、前記鉄心スロット内のどちらか一方の内側面に、一方の側面が接するように、1つのまたはスペーサを介して複数積層された固定子コイルを設置する固定子コイル設置工程と、
    前記固定子コイルの側面と前記鉄心スロットの内壁面との間隙に、半導電性の波形積層板の両面に形成される凹部に粘弾性部材層を設けて一体的に形成された波形固定用部材を嵌入する固定用部材嵌入工程と、
    前記鉄心スロットの開口部に、前記固定子コイルおよび前記波形固定用部材上に設置されたスペーサを介して、楔を打ち込む楔打ち込み工程と
    を具備することを特徴とする回転電機の固定子コイルの固定方法。
  8. 前記波形積層板は、少なくともカ−ボン粉を所定量配合した熱硬化性樹脂を含浸させた、アルミナ繊維またはガラス繊維の織布または不織布を複数枚積層してL字形に成形してなり、表面抵抗率が10〜10Ωであることを特徴とする請求項7記載の回転電機の固定子コイルの固定方法。
  9. 前記粘弾性部材層を形成する粘弾性部材は、カ−ボン粉および熱伝導率が1W/(K・m)以上の無機充填材を所定量配合したシリコーンゲルで構成され、表面抵抗率が10〜10Ωであることを特徴とする請求項7または8記載の回転電機の固定子コイルの固定方法。
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