JP2006093096A - 電池容器用めっき鋼板、その電池容器用めっき鋼板を用いた電池容器およびその電池容器を用いた電池 - Google Patents

電池容器用めっき鋼板、その電池容器用めっき鋼板を用いた電池容器およびその電池容器を用いた電池 Download PDF

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栄治 山根
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Abstract

【課題】 電池容器に成形加工する際に、めっき層に微小クラックが発生してアルカリ電池の正極合剤との密着性が高まるが、微小クラックが鋼素地に達することがなく、電解液の耐漏液性が高まるとともに、保存後の放電特性が向上する電池容器用めっき鋼板、その電池容器用めっき鋼板を用いた電池容器、およびその電池容器を用いた電池を提供する。
【解決手段】 鋼板の電池容器内面となる側にニッケルめっきを施し、次いでその上にニッケル−コバルト−リン三元合金めっきを施し、さらにその上に銀めっきを施した後に拡散熱処理することにより、鋼板上に鉄−ニッケル合金層、その上にニッケル層または/および鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層または/およびニッケル−コバルト−リン合金層を形成させ、さらにその上に銀層を形成させて電池容器用めっき鋼板とし、それを電池容器に成形加工して電池に適用する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電池容器用めっき鋼板、その電池容器用めっき鋼板を用いた電池容器およびその電池容器を用いた電池に関する。
近年、オーディオ機器やモバイル電話など、多方面において携帯用機器が用いられ、その作動電源として一次電池であるアルカリ電池、二次電池であるニッケル水素電池、リチウムイオン電池などが多用されている。これらの電池においては、高出力化および長寿命化など、高性能化が常時求められており、正極および負極活物質を充填する電池容器も電池の重要な構成要素としての性能の向上が求められている。例えば、プレス絞りしごき加工してなる缶を用いた電池において、電池の内部抵抗を減少させるために、缶内面となる側にニッケルめっきし次いでコバルトめっきを施した後、熱処理する方法(特許文献1)、あるいは鋼板に硬質なニッケル−コバルト合金めっきを被覆し、その上に必要に応じ、銀めっきなどを被覆する方法(特許文献2)などが提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、アルカリ電解液中においてコバルトにより抵抗を低く保持することを目的としたものであり、熱処理によってコバルトとニッケルの拡散層を形成しているが、電池缶内面側の表面のコバルトの被覆率は熱処理条件によって左右され、安定した電池性能が得られにくい。また、めっき層が再結晶して軟化するため、正極合剤との十分な密着性が得られず、長期保存後の電池性能において十分に性能を発揮することができない。一方、特許文献2に記載の方法は、硬質なニッケル−コバルト合金めっきであるために電池缶に成型加工した際に合金めっき層にクラックが生じて鋼素地が露出し、アルカリ電解液と鋼素地が電気化学的に反応して水素ガスが発生して電池缶の内圧が高まることにより、アルカリ電解液が漏洩するおそれがある。
本出願に関する先行技術文献情報として次のものがある。
特許公告公報 特公平03−017916号公報 特許公開公報 特開平09−306439号公報
本発明においては、絞り加工や絞りしごき加工を施して電池容器に成形加工する際に、めっき層に微小クラックが発生してアルカリ電池の正極合剤との密着性が高まるが、微小クラックが鋼素地に達することがなく、鋼素地の露出が抑制されて電解液の耐漏液性が高まるとともに、長期保存後の放電特性がを向上する電池容器用めっき鋼板、その電池容器用めっき鋼板を用いた電池容器、およびその電池容器を用いた電池を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するため、本発明の電池容器用めっき鋼板は、鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、鉄−ニッケル合金層、ニッケル層、ニッケル−コバルト−リン合金層、銀層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板(請求項1)、または 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、鉄−ニッケル合金層、ニッケル−コバルト−リン合金層、銀層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板(請求項2)、または
鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、鉄−ニッケル合金層、鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層、銀層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板(請求項3)、または
鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、鉄−ニッケル合金層、鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層、ニッケル−コバルト−リン合金層、銀層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板(請求項4)である。
また本発明の電池容器は、上記(請求項1〜4)のいずれかの電池容器用めっき鋼板を有底の筒型形状に成形加工してなる電池容器(請求項5)である。
そして本発明の電池は、上記(請求項5)の電池容器を用いてなる電池(請求項6)である。
本発明の電池容器用めっき鋼板は、鋼板の電池容器内面となる側にニッケルめっきを施し、次いでその上にニッケル−コバルト−リン三元合金めっきを施し、さらにその上に銀めっきを施した後に拡散熱処理することにより、鋼板上に鉄−ニッケル合金層、その上にニッケル層または/および鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層または/およびニッケル−コバルト−リン合金層を形成させ、さらにその上に導電性に優れた銀層を形成させたものである。このように構成される電池容器用めっき鋼板は、鋼板の直上に形成する鉄−ニッケル合金層が展延性に富み、かつその上に形成するニッケル層、または/および鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層または/およびニッケル−コバルト−リン合金層との密着性に優れているので、絞り加工や絞りしごき加工を施して電池容器に成形加工する際に硬質な鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層やニッケル−コバルト−リン合金層の表面に微小クラックが生じても、軟質な鉄−ニッケル合金層やニッケル層にはクラックが生じにくいので鋼素地の露出が抑制される。また、ニッケル−コバルト−リン三元合金めっきを施して熱処理することにより、ニッケルとリンおよびコバルトとリンによる微細で硬質の析出化合物が形成されることも、絞り加工や絞りしごき加工を施した際の微小クラックの発生の一因となっている。このようにして電池容器内面の表面に微小クラックが生成することにより、充填する正極合剤との密着性が高まる。さらに、最表面にフラッシュめっきにより銀層を形成することにより、熱処理により生成した鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層またはニッケル−コバルト−リン合金層の表面に生成する不働態皮膜による接触抵抗がもたらす電池性能の低下が抑止されるとともに、銀層の最表面の銀酸化物によりガス発生が抑制され、電池容器の内圧が高まることがないので、アルカリ電解液の耐漏液性が向上する。
以下、本発明の内容を説明する。本発明の電池容器用めっき鋼板の基板となる鋼板としては、汎用の低炭素アルミキルド鋼(炭素量0.01〜0.15重量%)、またはニオブやチタンを添加した非時効性の極低炭素アルミキルド鋼(炭素量0.01重量%未満)を用いる。これらの鋼の熱間圧延板を酸洗して表面のスケールを除去した後、冷間圧延し次いで電解洗浄、焼鈍、調質圧延したものを基板(A)として用いる。冷間圧延して電解洗浄後、焼鈍を施さずに基板(B)としてめっきを施し、その後に拡散熱処理と鋼板の軟質化を兼ねる焼鈍を行ってもよい。
基板(A)を用いる場合は、基板である鋼板の両面に、まず無光沢めっき浴または半光沢めっき浴を用いてニッケルめっきを施す。硫黄成分を含む光沢剤を用いる光沢めっき浴で光沢めっきを施した場合は、めっき後の熱処理により、硫黄成分によるめっき皮膜の脆化が生じて耐食性が劣化するので好ましくない。ニッケルめっきのめっき量としては、電池容器の外面となる側については5〜30g/mであることが好ましい。めっき量が5g/m未満である場合は容器外面としての耐食性が十分ではなく、30g/mを超えても耐食性の向上効果は飽和して、経済的に有利でなくなる。電池容器の外面となる側のめっき量については5〜25g/mであることが好ましい。5g/m未満であると電池容器に成形加工した際に鋼素地が露出して電池性能が劣化するおそれがある。一方25g/mを超えても電池性能の向上効果は飽和して、経済的に有利でなくなる。
次いで電池容器の内面となる片面にのみニッケル−コバルト−リン合金めっきを施す。電気めっき法、無電解めっき法のいずれのめっき法を用いてめっきしてもよいが、浴の管理やめっき量の調整が容易な電気めっき法を用いることが好ましい。めっき量は(Ni+Co)量として0.5〜5g/mであることが好ましく、1〜2g/mであることがより好ましい。0.5g/m未満では電池容器に成形加工した際に形成される微小クラックの深さが小さく、充填する正極合剤との密着性の向上効果に乏しい。一方、5g/mを超えると微小クラックの深さが大きくなり、鉄−ニッケル合金層が薄い場合にはクラックが鋼素地に達して電池性能の劣化をきたすことがある。また蛍光X線法を用いて測定されるニッケル−コバルト−リン合金めっき中のリン含有率は、2〜10%であることが好ましい。リン含有率はめっき浴中の亜リン酸の濃度、めっき浴のpH、電流密度、浴温を適宜選択することにより調整することができる。ニッケル−コバルト−リン合金めっき中のコバルト含有率は、蛍光X線法による測定で5〜50%であることが好ましく、20〜40%であることがより好ましい。コバルト含有率はめっき浴中のコバルトイオンの濃度、ニッケルイオン濃度および亜リン酸イオン濃度との比率、めっき浴のpH、電流密度、浴温を適宜選択することにより調整することができる。
引き続いて、ニッケル−コバルト−リン合金めっきの上に銀をフラッシュめっきする。銀めっきはシアン浴または非シアン浴のいずれを用いて施してもよいが、毒性の観点から非シアン浴を用いてめっきすることが好ましい。めっき量としてはフラッシュめっきする程度で良好な電気伝導性の向上効果をもたらすことが可能であり、0.05〜1.0g/mであることが好ましい。0.05g/m未満では電気伝導性が十分にの向上せず、1.0g/mを超えても電気伝導性の向上効果が飽和し、経済的に有利でなくなる。
以上のようにして、鋼板の両面にめっき層を形成した後、箱形焼鈍法または連続焼鈍法を用いて保護ガス雰囲気中で拡散熱処理を施す。拡散熱処理の温度条件としては、ニッケル−コバルト−リン合金めっき皮膜中に加熱によってNiPやCoPの組成の析出物が形成してめっき皮膜が硬化し、併せてニッケル−コバルト−リン合金めっきの下層のニッケルめっき層が再結晶して軟質化するか、またはニッケルめっき層の一部または全部が鉄−ニッケル拡散層に変換する450〜650℃に加熱することが好ましく、500〜600℃に加熱することがより好ましい。450℃未満ではニッケルめっき層が再結晶しにくく十分に軟化せず、鉄−ニッケル拡散層も生成しない。一方、650℃を超えると鉄−ニッケル拡散層は十分に生成するものの、ニッケル−コバルト−リン合金めっきまたは/および加熱によって生成する鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層が軟質化して、電池容器に成形加工した際に十分な量の微小クラックが生成しなくなる。拡散熱処理を箱形焼鈍法を用いて行う場合は450〜550℃の温度で1〜6時間均熱加熱することが好ましく、連続焼鈍法を用いる場合は550〜650℃の温度で1〜5分間加熱することが好ましい。
鋼板の直上に形成したニッケルめっき層が鉄−ニッケル合金層に変換する量は、ニッケルめっき量および拡散熱処理条件により、適宜選択することができる。またニッケルめっき層上に形成したニッケル−コバルト−リン三元めっき層が鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層に変換する量は、ニッケル−コバルト−リン三元めっき量および拡散熱処理条件により、適宜選択することができる。またニッケル−コバルト−リン三元めっき層上に形成した銀層は、上記の450〜550℃の温度範囲でニッケルおよびコバルトと互いに溶解する溶解度を有していないのでニッケルおよびコバルトと合金化することがなく、銀は薄層の銀層または銀酸化物層として最表面に存在するので、熱処理後も優れた電気伝導性と低接触抵抗が保持される。
また、鋼板の両面にニッケルめっきを施し、次いで電池容器内面となる側にのみニッケル−コバルト−リン三元めっきを施した後、上記の拡散熱処理を実施し、その後その上に銀めっきを施して銀層を形成させてもよい。
このようにして、鋼板の電池容器の外面となる片面に鉄−ニッケル合金層、または鉄−ニッケル合金層上にニッケル層が形成されてなり、電池容器の内面となる他の片面に下記のA)〜D)のいずれかの層、すなわち鋼板側から順に
A)鉄−ニッケル合金層、ニッケル層、ニッケル−コバルト−リン合金層、銀層、
B)鉄−ニッケル合金層、ニッケル−コバルト−リン合金層、銀層、
C)鉄−ニッケル合金層、鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層、銀層、
D)鉄−ニッケル合金層、鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層、ニッケル−コバルト−リン合金層、銀層
のいずれかの層が形成されてなるめっき鋼板が得られる。このめっき鋼板をストレッチャーストレインの発生を防止するため、1〜1.5%の圧延率で調質圧延し、本発明の電池容器用めっき鋼板とする。なお、鋼板の電池容器の外面となる片面に、鉄−ニッケル合金層、または鉄−ニッケル合金層上にニッケル層を形成させることに替えて、電池容器の内面となる他の片面に形成させる上記のA)〜D)の各層を形成させてもよい。
本発明の電池容器は、上記の電池容器用めっき鋼板を、絞り加工法、絞りしごき加工法(DI加工法)、絞りストレッチ加工法(DTR加工法)、または絞り加工後ストレッチ加工としごき加工を併用する加工法を用いて、有底の筒型形状に成形加工して得られる。筒型形状としては、底面が円、楕円、または長方形や正方形などの多角形の形状であり、用途に応じて側壁の高さを適宜選択した筒型形状に成形加工する。このようにして得られる電池容器に正極合剤、負極活物質等を充填して電池とする。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
[電池容器用めっき鋼板の作成]
基板として、表1に化学組成を示す低炭素アルミキルド鋼(I)および極低炭素アルミキルド鋼(II)の冷間圧延版を用い、以下に示す1)または2)の工程を経て電池容器用めっき鋼板を作成した。
1)冷間圧延→電解洗浄→焼鈍(箱形焼鈍または連続焼鈍)→(調質圧延)→ニッケル めっき→ニッケル−コバルト−リン合金めっき→銀めっき→拡散熱処理(箱形焼鈍ま たは連続焼鈍)→調質圧延
2)冷間圧延→電解洗浄→焼鈍(箱形焼鈍または連続焼鈍)→(調質圧延)→ニッケル めっき→ニッケル−コバルト−リン合金めっき→拡散熱処理(箱形焼鈍または連続焼 鈍)→調質圧延→銀めっき
焼鈍は低炭素アルミキルド鋼(I)の場合は箱形焼鈍により640〜680℃で8時間均熱し、極低炭素アルミキルド鋼(II)の場合は連続焼鈍により780℃で1分間加熱して実施した。
Figure 2006093096
上記の1)または2)に示した工程におけるニッケルめっき、ニッケル−コバルト−リン合金めっき、銀めっきは以下に示す条件で行った。
<ニッケルめっき>
浴組成 硫酸ニッケル 300g/L
塩化ニッケル 40g/L
ホウ酸 40g/L
ピット抑制剤(ラウリル硫酸ナトリウム) 0.4mL/L
陽極 ニッケルペレット(チタンバスケットに充填)
撹拌 空気撹拌
pH 4〜4.6
浴温 55〜60℃
電流密度 20A/dm
<ニッケル−コバルト−リン合金めっき>
浴組成 硫酸ニッケル 240g/L
硫酸コバルト 5〜50g/L
亜リン酸 5〜25g/L
ホウ酸 35g/L
陽極 ニッケルペレット(チタンバスケットに充填)
撹拌 空気撹拌
pH 1.5〜2.5
浴温 40〜60℃
電流密度 5〜15A/dm
<銀めっき>
浴組成 銀含有有機酸塩(ダインシルバーNEC(大和化成研究所(株)製))
200g/L
有機酸(錯塩)(ダインシルバーAGI(大和化成研究所(株)製))
500g/L
有機添加剤(平滑剤)(ダインシルバーAGH(大和化成研究所(株)製))
25g/L
陽極 銀板
撹拌 めっき浴の循環
浴温 35〜40℃
電流密度 1A/dm
Figure 2006093096
以上のようにして表2に示す電池容器用めっき鋼板の試料(試料番号1〜6)を作成した。また、比較用に銀めっきを施さない試料(試料番号7)、およびニッケルめっきのみを施した試料(試料番号8)も作成した。
[電池容器の作成]
これらの試料番号1〜8の試料から57mm径でブランクを打ち抜いた後、鉄−ニッケル合金層とニッケル層のみを設けた側が容器外面となるようにして、10段の絞り加工により、外径13.8mm、高さ49.3mmの円筒形のLR6型電池(単三型電池)容器に成形加工した。
[電池の作成]
この電池容器を用いて、以下のようにしてアルカリマンガン電池を作成した。二酸化マンガンと黒鉛を10:1の比率で採取し、水酸化カリウム(10モル)を添加混合して正極合剤を作成した。次いでこの正極合剤を金型中で加圧して所定寸法のドーナツ形状の正極合剤ペレットに成形し、上記の電池容器に圧挿入した。なお、一部の電池容器は、内面に黒鉛粉末を主成分とする塗料を塗布したものを用いた。次に、負極集電棒をスポット溶接した負極板を電池容器に装着した。次いで、電池容器に圧挿入した正極合剤ペレットの内周に沿うようにしてビニロン製織布からなるセパレータを挿入し、亜鉛粒と酸化亜鉛を飽和させた水酸化カリウムからなる負極ゲルを電池容器内に充填した。さらに、負極板に絶縁体のガスケットを装着して電池容器内に挿入した後、カシメ加工してアルカリマンガン電池を作成した。
[特性評価]
以上のようにして試料番号1〜8の試料から作成した電池容器を用いて作成した電池の特性を、以下のようにして評価した。
<短絡電流>
電池を80℃で3日間放置した後、電池に電流計を接続して閉回路を設けて電流値を測定し、これを短絡電流とした。短絡電流が大であるほど特性が良好であることを示す。
<放電特性>
電池を80℃で3日間放置した後、電池を1.5Aの一定電流に放電し、電圧が0.9Vに到達するまでの時間を放電時間として測定した。放電時間が長いほど放電特性が良好であることを示す。
<間歇放電特性>
間歇放電の評価として、2Aで0.5秒放電した後に0.25Aで29.5秒放電する操作を1サイクルとして、このサイクルを繰り返し、電圧が1.0Vに到達するまでのサイクル数を測定した。サイクル数が多いほど間歇放電特性が良好であることを示す。
<ガス発生量>
電池を一部放電(3.9Ω、1.5時間)し、次いで70℃で2週間放置した後、電池を水中に浸漬したまま開封し、電池内部に発生して滞留していたガスを目盛り付きビュレットに捕集し、ガス発生量を測定した。これらの評価結果を表3に示す。
Figure 2006093096
表3に示すように、本発明の電池容器用めっき鋼板は、銀めっきを施さない電池容器用めっき鋼板、ニッケルめっきのみを施した電池容器用めっき鋼板に比べて短絡電流、放電特性、間歇放電特性のいずれにも優れている。また本発明の電池容器用めっき鋼板を用いた電池容器内面に黒鉛塗料を塗布した場合は、さらに短絡電流、放電特性、間歇放電特性が向上した。
本発明の電池容器用めっき鋼板は、鋼板の電池容器内面となる側にニッケルめっきを施し、次いでその上にニッケル−コバルト−リン三元合金めっきを施し、さらにその上に銀めっきを施した後に拡散熱処理することにより、鋼板上に鉄−ニッケル合金層、その上にニッケル層または/および鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層または/およびニッケル−コバルト−リン合金層を形成させ、さらにその上に導電性に優れた銀層を形成させたものであり、絞り加工や絞りしごき加工を施して電池容器に成形加工する際に硬質な鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層やニッケル−コバルト−リン合金層の表面に微小クラックが生成することにより、充填する正極合剤との密着性が高まるとともに、最表面に形成された銀層により、熱処理により生成した鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層またはニッケル−コバルト−リン合金層の表面に生成する不働態皮膜による接触抵抗がもたらす電池性能の低下が抑止され、さらに銀層の最表面の銀酸化物によりガス発生が抑制され、電池容器の内圧が高まることがなく、アルカリ電解液の耐漏液性が向上する。また、従来の容器内面に黒鉛塗料を塗布した容器よりも優れた電池特性を示すので、黒鉛塗料を塗布し乾燥させる工程を省略することが可能となり、低コストで高性能電池を製造することができる。

Claims (6)

  1. 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、鉄−ニッケル合金層、ニッケル層、ニッケル−コバルト−リン合金層、銀層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板。
  2. 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、鉄−ニッケル合金層、ニッケル−コバルト−リン合金層、銀層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板。
  3. 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、鉄−ニッケル合金層、鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層、銀層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板。
  4. 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、鉄−ニッケル合金層、鉄−ニッケル−コバルト−リン合金層、ニッケル−コバルト−リン合金層、銀層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電池容器用めっき鋼板を有底の筒型形状に成形加工してなる電池容器。
  6. 請求項5に記載の電池容器を用いてなる電池。

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