JP2006091417A - 液晶表示装置の検査装置及び検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示画面のむらやしみ等の検出に適し、しかも自動検出が可能な液晶表示装置の検査装置及び検査方法を提供すること。
【解決手段】TFT素子を有した素子基板1とこれに対向した対向基板2間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子8と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子9を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査装置であって、前記第1の端子8に通常の駆動信号を供給する手段と、前記第2の端子9に一定の直流電圧を供給する手段と、液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子9の電圧を監視し、液晶表示パネルの良否を電気信号の不均一性の大小として判定する判定手段11と、を備えたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】TFT素子を有した素子基板1とこれに対向した対向基板2間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子8と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子9を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査装置であって、前記第1の端子8に通常の駆動信号を供給する手段と、前記第2の端子9に一定の直流電圧を供給する手段と、液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子9の電圧を監視し、液晶表示パネルの良否を電気信号の不均一性の大小として判定する判定手段11と、を備えたものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液晶パネルに表示される画面のむらやしみを検出し、不均一性の大小と
して判定する液晶表示装置の検査装置及び検査方法に関する。
して判定する液晶表示装置の検査装置及び検査方法に関する。
従来、液晶表示装置の製造工程における表示画面の欠陥やむらなどは目視による検査を行なったり、或いは表示画面をカメラによって撮影し、その撮影画面の良否を判定することによって行っていた。
従来の液晶表示装置の検査装置としては、例えば特許文献1,2に記載されているものがある。
特許文献1には、液晶表示器の透明電極端子部の反対側の端子部を延長して適宜のピッチで検査端子部を配列し、この配列した検査端子部に検査用プローブのピンを接触させ、各端子部の駆動信号をスキャナーで順次取り込み、アナロクファンクションテスターで標準波形と比較して表示品位をチェックすることが記載されている。
また、特許文献2には、極性反転前後の表示映像を画面の表示部の中央に向かって移動させ、極性反転前の表示映像と極性反転後の表示映像とをその画面の中央部分で突き合わせることにより、目視でそのコントラストを比較して画面のコントラストむらを検査することが記載されている。
特開平6−58972号公報
特開平6−102838号公報
しかしながら、従来の目視検査は不正確であったり人手を要し、またカメラ撮影画面での良否判定には高価な光学系を必要としていた。
特許文献1は、駆動信号を検査に用いている為微妙な変化量を検出しにくく、むらやしみ等の微妙な変化の検出に用いることは適当ではない。
また、特許文献2については、目視による検出のため正確さに欠けたり、作業時間を要したりする。
そこで、本発明は、上記の点に鑑み、表示画面のむらやしみ等の検出に適し、しかも自動検出が可能な液晶表示装置の検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
本発明による液晶表示装置の検査装置は、TFT素子を有した素子基板とこれに対向した対向基板間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査装置であって、前記第1の端子に通常の駆動信号を供給する手段と、前記第2の端子に一定の直流電圧を供給する手段と、液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧の波形変化を基にして、液晶パネルの良否を判定するための判定手段と、を備えたものである。
この発明の構成によれば、表示画面のむらやしみのような微妙な変化量を電気信号の不均一成分の大小として判別することが可能となる。
本発明による液晶表示装置の検査装置は、TFT素子を有した素子基板とこれに対向した対向基板間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査装置であって、前記第1の端子に検査用の駆動信号を供給する手段と、前記第2の端子に一定の直流電圧を供給する手段と、液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に積分し、その積分値を液晶パネルの走査期間毎の不均一性の大小として判定する判定手段と、を備えたものである。
このような構成によれば、表示むらやしみのような面積的には大きいが、周囲との変化量が微小な場合でも、1走査期間分のコモン電圧につきその変化量を積分すれば、電気的に目立った大きさの信号として検出でき、従って表示むらやしみの検出が可能となる。
本発明の上記液晶表示装置の検査装置において、前記判定手段は、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に積分した値を、異常のない走査期間の平均的な積分値を基準値として、相対的に不均一成分を判別することが好ましい。
このように基準値との比較により、‘0’,‘1’による良否判定が可能となり、面積的に広い表示むらなどの検査作業を自動化することが可能となる。
本発明による液晶表示装置の検査装置は、TFT素子を有した素子基板とこれに対向した対向基板間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査装置であって、前記第1の端子に検査用の駆動信号を供給する手段と、前記第2の端子に一定の直流電圧を供給する手段と、液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に微分し、その微分値を液晶パネルの走査期間毎の不均一性の大小として判定する判定手段と、を備えたものである。
このような構成によれば、液晶パネルの配向膜の傷など(或いは異物の存在など)に起因したスジ状のむらのように面積的に小さいが非常に急峻な異常がある場合でも、1走査期間分の期間のコモン電圧につき微分すれば、電気的に目立った大きさの信号として検出でき、従ってキズ状のむらや傷などの検出が可能となる。
本発明の上記液晶表示装置の検査装置において、前記判定手段は、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に微分した値を、異常のない走査期間の平均的な微分値を基準値として、相対的に不均一成分を判別することが好ましい。
このように基準値との比較により、‘0’,‘1’による良否判定が可能となり、キズ状の表示欠陥の検査作業を自動化することが可能となる。
本発明による液晶表示装置の検査装置は、TFT素子を有した素子基板とこれに対向した対向基板間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査装置であって、前記第1の端子に検査用の駆動信号を供給する手段と、前記第2の端子に一定の直流電圧を供給する手段と、液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に積分し、その積分値を液晶パネルの走査期間毎の不均一性の大小として判定する第1の判定手段と、液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に微分し、その微分値を液晶パネルの走査期間毎の不均一性の大小として判定する第2の判定手段と、を備えたものである。
このような構成によれば、表示むらやしみのような面積的には大きいが、周囲との変化量が微小な場合でも、また液晶パネルの配向膜の傷など(或いは異物の存在など)に起因したスジ状のむらのように面積的に小さいが非常に急峻な異常がある場合でも、積分による第1の判定手段と、微分による第2の判定手段との2つの判定手段を有しているので、1走査期間分のコモン電圧につきその変化量を積分することによって、面積的に大きいが微小な変化に対しても電気的に目立った大きさの信号として検出でき、また、1走査期間分の期間のコモン電圧につき微分することによって、面積的に小さい急峻な異常に対しても電気的に目立った大きさの信号として検出でき、従って表示むらや傷などの検出が可能となる。
本発明の上記液晶表示装置の検査装置において、前記第1の判定手段は、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に積分した値を、異常のない走査期間の平均的な積分値を基準値として、相対的に不均一成分を判別し、前記第2の判定手段は、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に微分した値を、異常のない走査期間の平均的な微分値を基準値として、相対的に不均一成分を判別することが好ましい。
このように基準値との比較により、‘0’,‘1’による良否判定が可能となり、表示画面のむらを含む各種の表示欠陥の検査作業を自動化することが可能となる。
本発明の上記液晶表示装置の検査装置において、液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧を前記判定手段に導出する際には、前記第2の端子の電圧を所定値以上の高抵抗を介して前記判定手段に導くことが好ましい。
このような構成によれば、判定手段は高抵抗を介して共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子に電気的に接続しているので、判定系が駆動系であるコモン電圧供給手段に影響を与えることを無くすことができる。
本発明の上記液晶表示装置の検査装置において、前記判定手段は、前記駆動信号を供給する手段を制御して、走査期間の駆動時間を通常の駆動時間より長くする手段を有することが好ましい。
このように走査期間の駆動時間を通常の駆動時間より長くする手段を備えることにより、スキャンスピードが遅くなるので、垂直方向に並んだ走査期間のうちどの走査期間の異常を判定しているのかという走査期間の選択性が可能となる。走査期間の駆動時間即ち1水平時間を長くしてゆっくりとスキャンさせると、今どの走査期間をスキャンしているのかが観察者の目にも分ることになり、欠陥ラインを特定することが可能になる。
本発明の上記液晶表示装置の検査装置において、前記判定手段は、前記駆動信号を供給する手段を制御して、画面上の位置に対応したスタート信号と同期させながら走査期間の駆動時間を通常の駆動時間より長くする手段を有することが好ましい。
このように画面上の位置に対応したスタート信号と同期させながら走査期間の駆動時間を通常の駆動時間より長くする手段を備えることにより、スキャンしながらも画面のどこにむらがあるかを知ることが可能となる。
本発明による液晶表示装置の検査方法は、TFT素子を有した素子基板とこれに対向した対向基板間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査方法であって、前記第1の端子に通常の駆動信号を供給し、前記第2の端子に一定の直流電圧を供給し、液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧の波形変化を基にして、液晶パネルの良否を判定することを特徴とする。
この発明の方法によれば、表示画面のむらやしみのような微妙な変化量を電気信号の不均一成分の大小として判別することが可能となる。
本発明による液晶表示装置の検査方法は、TFT素子を有した素子基板とこれに対向した対向基板間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査方法であって、前記第1の端子に検査用の駆動信号を供給し、前記第2の端子に一定の直流電圧を供給し、液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に積分又は微分し、その積分値又は微分値を液晶パネルの走査期間毎の不均一性の大小として判定することを特徴とする。
このような方法によれば、積分又は微分による判定手段を有しているので、表示むらやしみのような面積的には大きいが、周囲との変化量が微小な場合、或いは液晶パネルの配向膜の傷など(或いは異物の存在など)に起因したスジ状のむらのように面積的に小さいが非常に急峻な異常がある場合、1走査期間分のコモン電圧につきその変化量を積分又は微分することによって、面積的に大きいが微小な変化に対しても電気的に目立った大きさの信号として検出でき、或いは、1走査期間分の期間のコモン電圧につき微分することによって、面積的に小さい急峻な異常に対しても電気的に目立った大きさの信号として検出できる。
本発明の査装置及び検査方法によれば、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子の電圧を監視することで、液晶パネルの良否判定が可能なようにコモン電圧波形を表示したり或いは1枚の液晶パネルの中での正常部分か異常部分かの判定を電気信号の不均一性として検出したりできる。液晶パネル画面上の微妙な変化量を電気的に目立たせて計測でき、液晶画面のむらやしみ等の検出が容易となり、しかも自動的な検出が可能となる。
液晶画面上の微妙な変化量を電気的に目立たせて計測することが可能であるため、液晶パネル間での良否判定を容易に行え、1枚の液晶パネルでの異常部分と正常部分との判別を速やかに行え、液晶表示装置の製造工程における工程管理に応用することも可能である。
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る液晶表示装置の検査装置を説明する図であり、図2は図1のA−A線断面図である。
これらの図に示すように、液晶表示装置は、TFT素子4を有した素子基板1とこれに対向した対向基板2との間にシール材5を用いて液晶3が配された状態で、素子基板1と対向基板2とが貼り合わされている。液晶表示装置は、素子基板1における対向基板2との重なり合わない部分(張出し領域)に、TFT素子4のソース電極及びゲート電極(いずれも図示せず)に対して駆動信号を供給する駆動回路としてのドライブ用IC6と、さらに、このドライブ用IC6に前記駆動信号の元となる映像信号,タイミング制御パルス及びドライブ用電源電圧を供給する例えばフレキシブルプリント基板で構成される外部入力用基板7と、この外部入力用基板7に設けた駆動信号入力用の複数の端子8と、前記対向基板2の内面に配された共通電極2aにコモン電圧を供給する端子9と、を有している。端子8,9は駆動系回路の端子と呼ぶことができる。
なお、TFT素子4を含む半導体層の表面にはドレインに接続した画素電極4aが形成されている。対向基板2の内面に形成された共通電極2aの表面には配向膜(図示せず)が形成されており、前記画素電極4aの表面を含みシール材5で囲まれた領域内に配向膜(図示せず)が形成されている。
また、図1及び図2の符号2b,2c,2dにて示される配線は、対向基板2の共通電極2aとコモン電圧の端子9とを電気的に接続する配線を示している。ドライブ用IC6の入力側配線と駆動信号入力用の複数の端子8とを電気的に接続する配線については、図示を省略してある。
液晶表示装置は、素子基板1と対向基板2を含む液晶パネル部分と、これに電気的に接続した外部入力用基板7とで構成される。
検査装置は、図示しない駆動信号供給手段及びコモン電圧供給手段を備えた駆動系回路と、判定手段11とで構成される。
外部入力用基板7に設けた駆動信号入力用の複数の端子8には、図示しない駆動信号供給手段からTFT素子4のソース電極及びゲート電極(図示せず)に通常の駆動信号又は検査用の駆動信号が供給される。通常の駆動信号とは、通常の表示用同期信号を備えた映像信号であり、検査用の駆動信号とは特定のパターン(白黒信号パターンも含む)の検査に適した映像信号或いは通常より周期の長い同期信号を備えた映像信号である。また、対向基板2の内面に設けた前記共通電極2aと電気的に接続するコモン電圧の前記端子9には、図示しないコモン電圧供給手段から一定の直流電圧が供給される。
コモン電圧の端子9は、図示しないコモン電圧供給手段に接続される一方、所定値以上の高い抵抗値を有する抵抗10を介して判定手段11に接続されている。抵抗10の抵抗値は、例えば1MΩ以上である。抵抗10は、液晶パネルの良否を判定可能なようにコモン電圧波形を表示したり、或いは1枚の液晶パネルの中での正常部分か異常部分かの判定を電気信号の不均一性として検出するための判定手段11が、駆動信号及びコモン電圧を供給する前記駆動系回路に影響を与えないように高抵抗とされる。
なお、図1では、駆動回路としてのドライブ用IC6が素子基板1の張出し領域に配置された状態を示しているが、ドライブ用IC6が素子基板1上に配設される前の(即ちドライブ用IC6がない)液晶パネルに対して、ドライブ用IC6で生成するのと同様な駆動信号を発生する駆動信号供給手段を用いて前記液晶パネルを駆動してもよい。
図3乃至図5は本発明の実施例1の液晶表示装置の検査装置を説明する図である。図3は図1のB−B線断面図に相当している。
図3において、符号Dは液晶パネルを構成する基板間に欠陥が存在又は発生していることを示し、この欠陥Dが対向基板2の共通電極2aに容量的な変化としての影響を与えることを模式的に示している。そこで、共通電極2aの電圧を端子9から高抵抗10を介して取り出して、判定手段11に供給する構成としている。欠陥Dとしては、素子基板1と対向基板2間に存在する異物や、素子基板1と対向基板2の互いに対向する各内面に形成される配向膜(直接に液晶3と接する膜)面に生じる塗布むら又は傷などがある。
判定手段11は、共通電極2aに電気的に接続する端子9のコモン電圧波形を表示器に表示し、検査者が表示異常の有無や程度(レベル)を見ることで、液晶パネルの良否を判定するテスターとして機能する。端子9のコモン電圧の変動(変化量)が予め定めた許容範囲内か否かによって良否を判定することができる。ここで、許容範囲は、例えば製造ロットごとの所定数の液晶パネルについて検出したコモン電圧変動の平均的な値の範囲とすることができる。或いは、1日の製造パネル数ごとのコモン電圧変動の平均的な値の範囲であってもよいし、1週間或いは1か月の製造パネル数ごとのコモン電圧変動の平均的な値の範囲であってもよい。このように、測定している液晶パネルのコモン電圧の変化値が基準値を越えたか否かを判定することによって、液晶パネル間での良品,不良品の検出を行うことが可能である。
図4は図1における判定手段11の一実施例を説明するもので、判定手段11にて観測(検出)される欠陥発生時のコモン電圧波形を示している。判定手段11では、図示しない駆動信号供給手段から通常の駆動信号が供給され、図示しないコモン電圧供給手段から一定の直流電圧が供給された場合の液晶表示装置の通常の駆動状態において、前記コモン電圧の端子9の電圧を高抵抗10を介して取り出すことによって、コモン電圧の波形変化を基にして、液晶パネルの良否を判定することができる。すなわち、欠陥が検出される場合のコモン電圧VCOMは、一定の直流電圧に交流的に振動する歪成分が乗った波形W1となっている。従って、コモン電圧の波形変化を表示したり、コモン電圧の波形変化を数値で捕らえたりして、液晶パネルの良否を判定することができる。
従って、検査者は、判定手段11は、端子9で検出したコモン電圧の変動を、例えば製造時のロットに含まれる所定数の液晶表示装置について計測したコモン電圧変動の平均的な値と比較して判定することができる。
この場合、測定したコモン電圧が予め定めた許容範囲内か否かによって液晶パネル間の良否判定が可能となり、検査作業を簡略化することが可能となる。
図5は上記欠陥Dに基づいて表示画面に現れる表示むらを示している。図5(a)は配向膜の面に存在する塗布むらに起因した表示むら(配向膜面の膜質の不均一又は膜厚の不均一等)を示し、図5(b)は配向膜の面に存在する傷(配向膜面の膜厚の不均一等)に起因した表示むらを示している。
図6は本発明の実施例2の液晶表示装置の検査装置を説明する図である。
図6では、図示しない駆動信号供給手段から通常の駆動信号が供給され、図示しないコモン電圧供給手段から一定の直流電圧が供給された場合の液晶表示装置の通常の駆動状態において、図3及び図4で説明したコモン電圧の波形変化を観察することによって、液晶パネル間の良否判定を簡略化することができる。なお、図6では、駆動信号供給手段からの駆動信号供給を示す部分は省略してある。
さらに、図6では、液晶表示装置の検査用の駆動状態(駆動信号供給手段から検査用の駆動信号が供給されている状態)で、前記コモン電圧の端子9の電圧を高抵抗10を介して積分回路12及び/又は微分回路14に供給し、それらの積分値,微分値をそれぞれコンパレータ13,15で各基準値Vref1,Vref2と比較し、電気的に良否判定を自動的に行えるようにしてある。
すなわち、積分回路12からの積分値をコンパレータ13で基準値Vref1と比較し、電気的に良否判定を自動的に行える一方、微分回路14からの微分値をコンパレータ15で基準値Vref2と比較し、電気的に良否判定を自動的に行える。
そして、判定手段11は、端子9で検出したコモン電圧を走査期間毎に積分,微分した値を、異常のない走査期間の平均的な積分値,微分値を基準値Vref1,Vref2として、相対的に不均一成分を判別すればよい。このように基準値Vref1,Vref2との比較により、‘0’,‘1’による良否判定が可能となり、面積的に広い表示むらや、キズ状の表示欠陥の検査作業を自動化することが可能となる。微妙な変化量を電気的に目立たせて計測することができるので、液晶パネル製造時の工程管理にも利用することが可能である。
図7は図6の積分系の動作を説明する図である。
図示しない駆動信号供給手段から検査用の駆動信号が供給され、図示しないコモン電圧供給手段から一定の直流電圧が供給された場合の液晶表示装置の検査用の駆動状態において、前記コモン電圧の端子9の電圧を高抵抗10を介して取り出し、積分回路12にてコモン信号を走査期間毎に積分する。そして、その走査期間毎に積分したコモン信号の積分値を、コンパレータ13にて異常のない走査期間でのコモン信号の平均的な積分値を基準値Vref1として比較することによって、基準値Vref1を越えるものについては、ライン毎に異常(NG)とし、基準値Vref1を越えないものについては、正常(OK)として、液晶パネルのライン毎に相対的に不均一成分を判別することが可能となる。図7で(1),(2),…(7)は表示画面上の走査期間を示し、(1)’,(2)’,…(7)’は走査期間(1),(2),…(7)の各ラインごとに検出したコモン電圧の波形を示し、(1)″,(2)″,…(7)″はコモン電圧(1)’,(2)’,…(7)’をライン毎に積分回路12を通して積分した波形を示している。
積分回路12は、抵抗とコンデンサと1水平期間ごとにコンデンサの蓄積電荷をリセットするリセット手段を備えており、リセット後コンデンサに時間経過に従って蓄積された電荷を1水平期間保持した後、再びリセットし、次の1走査期間以降においても同様に蓄積及びリセットを繰り返す動作を行う。
判定手段11内の表示器には異常であれば異常であることを示すハイレベルを示す信号を表示したり、判定結果を示す良又は否の表示を出すことで、検査者に知らせることができる。
例えば、図5(a)のようにむらが面積的な大きさを持ったものであれば、コモン信号の変化量が僅かであっても水平1周期分積分することによって、電気的に大きな変化として検出し、良否を判定することが可能となる。
図8は図6の微分系の動作を説明する図である。
図示しない駆動信号供給手段から検査用の駆動信号が供給され、図示しないコモン電圧供給手段から一定の直流電圧が供給された場合の液晶表示装置の検査用の駆動状態において、前記コモン電圧の端子9の電圧を高抵抗10を介して取り出し、微分回路14にてコモン信号を走査期間毎に微分する。そして、その走査期間毎に微分したコモン信号の微分値を、コンパレータ15にて異常のない走査期間でのコモン信号の平均的な微分値を基準値Vref2として比較することによって、基準値Vref2を越えるものについては、ライン毎に異常(NG)とし、基準値Vref1を越えないものについては、正常(OK)として、液晶パネルのライン毎に相対的に不均一成分を判別することが可能となる。図8で(1),(2),…(7)は表示画面上の走査期間を示し、(1)’,(2)’,…(7)’は走査期間(1),(2),…(7)の各ラインごとに検出したコモン電圧の波形を示し、(1)″,(2)″,…(7)″はコモン電圧(1)’,(2)’,…(7)’をライン毎に微分回路14を通して微分した波形を示している。但し、図では、(2),(4),(6)のラインのみにつき、コモン電圧波形、及びその微分波形を示し、他のラインでの波形を省略してある。
微分回路14は、コンデンサと抵抗を備えており、電気的に非常に急峻な変化があれば微分することによってその変化を目立たせることができる。
判定手段11内の表示器には異常であれば異常であることを示すハイレベルを示す信号を表示したり、判定結果を示す良又は否の表示を出すことで、検査者に知らせることができる。
例えば、図5(b)のようにむらが面積的に小さくても不均一成分が急峻なものであれば、コモン信号の変化量が急峻となり水平1周期微分することによって、電気的に大きな変化として検出し、良否を判定することが可能となる。
なお、本実施例2における液晶表示装置の検査装置において、判定手段11は、前記駆動信号供給手段(図示せず)を制御して、走査期間の駆動時間を通常の駆動時間より長くする手段を更に備えることが好ましい。具体的には、通常の駆動時間の例えば5〜10倍とする。
このように駆動信号供給手段を制御して走査期間の駆動時間を通常の駆動時間より長くする手段、換言すれば、駆動信号供給手段を制御して走査期間のスキャンスピードを遅くする手段を備えることにより、スキャンスピードが遅くなるので、垂直方向に並んだ走査期間のうちどの走査期間の異常を判定しているのかという走査期間の選択性が可能となる。つまり、1フレームを1/30secとし1フレームの走査期間数を525とすると、通常の1走査期間は、約63.5μsecと非常に速いスピードでスキャンすることになるが、走査期間の駆動時間即ち1走査時間を例えば5〜10倍に長くしてゆっくりとスキャンさせると、今どの走査期間をスキャンしているのかが観察者の目にも分ることになり、欠陥ラインを特定することが可能になる。
また、判定手段11は、図示しない駆動信号供給手段を制御して、画面上の位置に対応したスタート信号と同期させながら走査期間の駆動時間を通常の駆動時間より長くする手段を更に備えることが好ましい。
このように駆動信号供給手段を制御して画面上の位置に対応したスタート信号と同期させながら走査期間の駆動時間を通常の駆動時間より長くする手段を備えることにより、スキャンしながらも画面のどこにむらがあるかを知ることが可能となる。
図9は液晶表示装置における液晶パネルを製造する工程の一部を説明する図である。
図9において、(a)では2枚の大版のマザーガラス基板20,21を用意し、多数の液晶パネルを形成できるように、一方の大版のガラス基板20には、各々の液晶パネルの区画に対してTFT素子,画素電極,透明導電パターン及び配向膜等を形成して素子基板とし、他方の大版のガラス基板21にも各々の液晶パネルに対応して共通電極及び配向膜等を形成して対向基板とする。次に、大版の素子基板には各々の液晶パネルに対応して四角い閉ループ形状のシール材22を液晶パネルごとに形成した後、液晶パネルそれぞれのシール材22の閉ループ内に液晶を充填した状態で大版の対向基板を貼り合わせる。(b)は(a)で貼り合わせた大判の液晶パネル基板を一点鎖線にて示す部分でカッティングし、その後さらに2点鎖線にて示すラインI―Iで対向基板側のみをカッティングして張出し領域(斜線にて示す)を形成した状態を示している。(c)は(b)の側面図を示している。(b)及び(c)に示す状態を‘短冊’と呼んでいる。この短冊の状態では、2点鎖線にて示すラインの図示右側は素子基板のみの張出し領域(斜線部分)であり、この領域には各液晶パネルごとのドライブ用配線パターンが形成されており且つこのパターンに電気的に接続する複数の電極端子が素子基板の表面(斜線部分)に導出されている。なお、この短冊の状態から各液晶パネルを切り離したものが(d)に示す単品の液晶パネルとなる。
ところで、(b)及び(c)に示す短冊状態においても、分離前の各液晶パネルについて各液晶パネルの電極端子に駆動信号及びコモン電圧を供給することにより、短冊状態で各液晶パネルを駆動して表示させ、表示品位を検査することが可能である。その方法は、図1乃至図8で説明した方法と同様にして行えばよい。
本発明は、液晶パネル及び該液晶パネルを搭載した各種の液晶表示装置並びにその応用機器に対して適用可能であり、或いは駆動回路としてのドライブ用ICなどを搭載する前の液晶パネルに対しても適用することが可能である。また、液晶画面上の微妙な変化量を電気的に目立たせて計測することが可能であるため、液晶パネル間の良否や1枚の液晶パネルでの異常部分と正常部分との判別が時々刻々に知ることが可能であり、液晶表示装置の製造工程における工程管理に利用することができる。
1…素子基板、2…対向基板、3…液晶、4…TFT素子、5…シール材、6…ドライブ用IC、7…外部入力基板、8…駆動する為の信号を供給する複数の端子(第1の端子)、9…コモン電圧を供給する端子(第2の端子)、11…判定手段。
Claims (12)
- TFT素子を有した素子基板とこれに対向した対向基板間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査装置であって、
前記第1の端子に通常の駆動信号を供給する手段と、
前記第2の端子に一定の直流電圧を供給する手段と、
液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧の波形変化を基にして、液晶パネルの良否を判定するための判定手段と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置の検査装置。 - TFT素子を有した素子基板とこれに対向した対向基板間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査装置であって、
前記第1の端子に検査用の駆動信号を供給する手段と、
前記第2の端子に一定の直流電圧を供給する手段と、
液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に積分し、その積分値を液晶パネルの走査期間毎の不均一性の大小として判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置の検査装置。 - 前記判定手段は、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に積分した値を、異常のない走査期間の平均的な積分値を基準値として、相対的に不均一成分を判別することを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置の検査装置。
- TFT素子を有した素子基板とこれに対向した対向基板間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査装置であって、
前記第1の端子に検査用の駆動信号を供給する手段と、
前記第2の端子に一定の直流電圧を供給する手段と、
液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に微分し、その微分値を液晶パネルの走査期間毎の不均一性の大小として判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置の検査装置。 - 前記判定手段は、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に微分した値を、異常のない走査期間の平均的な微分値を基準値として、相対的に不均一成分を判別することを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置の検査装置。
- TFT素子を有した素子基板とこれに対向した対向基板間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査装置であって、
前記第1の端子に検査用の駆動信号を供給する手段と、
前記第2の端子に一定の直流電圧を供給する手段と、
液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に積分し、その積分値を液晶パネルの走査期間毎の不均一性の大小として判定する第1の判定手段と、
液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に微分し、その微分値を液晶パネルの走査期間毎の不均一性の大小として判定する第2の判定手段と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置の検査装置。 - 前記第1の判定手段は、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に積分した値を、異常のない走査期間の平均的な積分値を基準値として、相対的に不均一成分を判別し、
前記第2の判定手段は、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に微分した値を、異常のない走査期間の平均的な微分値を基準値として、相対的に不均一成分を判別することを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置の検査装置。 - 液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧を前記判定手段に導出する際には、前記第2の端子の電圧を所定値以上の高抵抗を介して前記判定手段に導くことを特徴とする請求項1乃至7に記載の液晶表示装置の検査装置。
- 前記判定手段は、前記駆動信号を供給する手段を制御して、走査期間の駆動時間を通常の駆動時間より長くする手段を有したことを特徴とする請求項2乃至8に記載の液晶表示装置の検査装置。
- 前記判定手段は、前記駆動信号を供給する手段を制御して、画面上の位置に対応したスタート信号と同期させながら走査期間の駆動時間を通常の駆動時間より長くする手段を有したことを特徴とする請求項4乃至9に記載の液晶表示装置の検査装置。
- TFT素子を有した素子基板とこれに対向した対向基板間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査方法であって、
前記第1の端子に通常の駆動信号を供給し、
前記第2の端子に一定の直流電圧を供給し、
液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧の波形変化を基にして、液晶パネルの良否を判定する
ことを特徴とする液晶表示装置の検査方法。 - TFT素子を有した素子基板とこれに対向した対向基板間に液晶を配し、前記TFT素子のソース電極及びゲート電極を駆動する為の信号を供給する複数の第1の端子と、共通電極にコモン電圧を供給する第2の端子を有した液晶表示装置の表示状態を検査する検査方法であって、
前記第1の端子に検査用の駆動信号を供給し、
前記第2の端子に一定の直流電圧を供給し、
液晶表示装置の駆動状態で、前記第2の端子の電圧を走査期間毎に積分又は微分し、
その積分値又は微分値を液晶パネルの走査期間毎の不均一性の大小として判定する
ことを特徴とする液晶表示装置の検査方法。
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JP2004276597A JP2006091417A (ja) | 2004-09-24 | 2004-09-24 | 液晶表示装置の検査装置及び検査方法 |
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JP2011111028A (ja) * | 2009-11-26 | 2011-06-09 | Denso Corp | 車載用表示システム |
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- 2004-09-24 JP JP2004276597A patent/JP2006091417A/ja not_active Withdrawn
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