JP2006091215A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡素かつコンパクトな構造でありながら、像ぶれを抑制することが可能な防振装置を提供する。
【解決手段】 筐体1に対する相対位置が可変となるように保持基板3を保持すると共に、粘性流体2Dを有し、この粘性流体2Dの粘性抵抗を利用することによりレンズ鏡筒4および保持基板3を慣性系に対して静止させるように姿勢制御を行うダンパ2と、このダンパ2の動きを制止およびその解除を行うための板ばね6A,6Bと、この板ばね6A,6Bを駆動してダンパ2の動きの制止およびその解除を行わせるソレノイド7とを備える。これにより、撮影者の手ぶれなどにより筐体1に振動が加えられた場合であっても、レンズ鏡筒4および保持基板3へ伝達する振動を低減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 筐体1に対する相対位置が可変となるように保持基板3を保持すると共に、粘性流体2Dを有し、この粘性流体2Dの粘性抵抗を利用することによりレンズ鏡筒4および保持基板3を慣性系に対して静止させるように姿勢制御を行うダンパ2と、このダンパ2の動きを制止およびその解除を行うための板ばね6A,6Bと、この板ばね6A,6Bを駆動してダンパ2の動きの制止およびその解除を行わせるソレノイド7とを備える。これにより、撮影者の手ぶれなどにより筐体1に振動が加えられた場合であっても、レンズ鏡筒4および保持基板3へ伝達する振動を低減することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、カメラ等の撮像装置において撮影時の振動に起因する像ぶれを防ぐための防振装置に係わり、例えばコンパクトカメラや携帯電話に搭載されるモジュールカメラにおいて好適な防振装置に関する。
従来より、露出の選択やピント合わせ、またはシャッタースピードなど、撮影をおこなう際の重要な条件(撮影条件)の設定作業をほぼ全て自動で行うことのできる一眼レフカメラやコンパクトカメラが一般的に使用されている。近年、このような撮影条件設定の自動化を図るだけでなく、撮影時におけるカメラ自体の振動に起因する像ぶれを防止するための防振装置を備えるようにしたカメラが種々開発されてきている。
防振装置としては、例えば特許文献1および2に記載されたものがある。これらの防振装置では、振動センサによりカメラの振動を検出し、その検出情報に基づいて補正光学手段を電気的に駆動させることにより、撮影光軸を偏心させて像ぶれを抑制している。一方、このような電気制御による補正とは異なり、機械制御により補正をおこなうものもある(例えば特許文献3参照。)。
特開平6−281990号公報
特開平8−43871号公報
特開平10−73859号公報
ところで、最近のコンパクトデジタルカメラや携帯電話に搭載されるモジュールデジタルカメラ(以下、小型デジタルカメラ等という。)においては、高画素化が著しく進んでおり、例えば100万画素を超えるようなCCD(電荷結合素子)を搭載したものも開発されている。これに伴い、撮像光学系における光学性能の高度化も進んでいる。さらに、小型デジタルカメラ等においては、上記の光学性能の高度化と併せて全体のコンパクト性についても要求が強く、軽量化や寸法の縮小化が図られてきている。ところが、このようにコンパクト性が向上したことにより、撮影時において、撮影者の手ぶれによる像ぶれが発生し易くなってしまった。特に、光軸方向への手ぶれに関しては、撮像レンズの最も物体側の面から、例えば数メートル程度の距離にある被写体を撮影する場合にはそれほど影響のないものの、例えば数センチメートル程度の距離にある被写体を撮影する(マクロ撮影する)場合には非常に大きな像ぶれとして現れることとなる。こうしたことから、小型デジタルカメラ等においても防振装置の適用が望まれることとなった。
しかしながら、上記特許文献1〜3に示された防振装置は複雑な構成であるため、コンパクト性を確保することが困難である。加えて、部品点数も多いことから部品コストや製造コストが高く、結果として防振装置やそれが用いられたカメラは高価なものとなってしまう。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その目的は、簡素かつコンパクトな構造でありながら、像ぶれを抑制することが可能な防振装置を提供することにある。
本発明による防振装置は、撮像光学系を有するレンズ鏡筒と、この撮像光学系によって結像された画像を取得する撮像素子を保持する保持基板とが筐体の内部に配置された撮像装置に適用されるものであって、以下の(A)〜(C)に示す各構成要素を備えるようにしたものである。
(A)筐体に対する相対位置が可変となるように保持基板を保持すると共に、粘性流体を有し、この粘性流体の粘性抵抗を利用することにより、レンズ鏡筒および保持基板が慣性系に対して静止するように姿勢制御を行う姿勢制御機構
(B)姿勢制御機構の動きを制止およびその解除を行うための制止機構
(C)制止機構を駆動して姿勢制御機構の動きの制止およびその解除を行わせる駆動機構
(A)筐体に対する相対位置が可変となるように保持基板を保持すると共に、粘性流体を有し、この粘性流体の粘性抵抗を利用することにより、レンズ鏡筒および保持基板が慣性系に対して静止するように姿勢制御を行う姿勢制御機構
(B)姿勢制御機構の動きを制止およびその解除を行うための制止機構
(C)制止機構を駆動して姿勢制御機構の動きの制止およびその解除を行わせる駆動機構
本発明による防振装置では、姿勢制御機構が、粘性流体の粘性抵抗を利用することにより、レンズ鏡筒および保持基板が慣性系に対して静止するように姿勢制御を行うようにしたので、筐体に対して振動が加わったとしてもレンズ鏡筒および保持基板へ伝達される振動が低減される。
本発明による防振装置では、さらに、操作部を有するレリーズ手段を備えており、その操作部の操作により駆動機構が起動するように構成されていることが望ましい。また、姿勢制御機構が、撮像光学系の光軸方向における相対位置が可変となるように保持基板を保持すると共にレンズ鏡筒および保持基板を慣性系における光軸方向と平行な軸方向に対して静止させるように制御するようにしてもよい。その場合、レリーズ手段の操作部が光軸方向に沿って移動するように操作されると共に、姿勢制御機構が、筐体の内面に設けられ内部に粘性流体が封入されたシリンダと、光軸方向に移動可能となるようにシリンダの内部に収容されたピストンと、保持基板の上に立設され、かつ、保持基板とは反対側の端部がピストンと連結されたロッドとを有し、シリンダの内部におけるピストンのストロークにより粘性抵抗を利用した姿勢制御を行うようにしてもよい。ここでいう、ストロークとは、光軸方向の移動動作を意味する。
本発明による防振装置によれば、姿勢制御機構を設け、粘性流体の粘性抵抗を利用してレンズ鏡筒および保持基板が慣性系に対して静止するように姿勢制御を行うようにしたので、筐体に振動が加えられた場合であっても、レンズ鏡筒および保持基板へ伝達する振動を低減することができる。このため、簡素かつコンパクトな構造でありながら、撮影者の手ぶれ等による像ぶれを抑制することができ、より良好な画像を比較的容易に得ることができる。
特に、操作部を有するレリーズ手段を備え、その操作部の操作により駆動機構の起動を行うようにすれば、撮影のタイミングに合わせて姿勢制御機構の解除を行うことができ、より確実に像ぶれの発生を回避することができる。
また、姿勢制御機構が、撮像光学系の光軸方向における相対位置が可変となるように保持基板を保持すると共にレンズ鏡筒および保持基板を慣性系における光軸方向と平行な軸方向に対して静止させるように制御するようにした場合には、光軸方向への像ぶれが抑制されるので、特にマクロ撮影を行う際に有効である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1〜図3を参照して、本実施の形態に係る防振装置を備えたカメラの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る防振装置における斜視構成を示したものである。図2(A)は、図1におけるII(A)矢視方向から眺めた、保持基板3の平面構成を示したものである。図2(B)は、図1に示したレンズ鏡筒4を、光軸Z1と直交する方向から眺めた外観構成と光軸Z1を含む断面構成とを併せて示したものである。さらに、図3は、本実施の形態の防振装置における要部構成を表す拡大図であり、図1に示したレンズ鏡筒4を、光軸Z1と直交する方向から眺めた外観構成と光軸Z1を含む断面構成とを併せて示したものである。各図では、物体側を符号Zobjで表し、像側を符号Zimgで表す。
本実施の形態の防振装置は、CCD(Charged Coupled Device:電荷結合素子)などの撮像素子を用いた携帯用モジュールカメラや小型デジタルカメラ等に適用されるものである。
このカメラは、筐体1の内部に、撮像光学系を有するレンズ鏡筒4と、撮像光学系によって結像された画像を取得するCCD5を保持する保持基板3とが配置されたものである。ここで、撮像光学系は固定焦点レンズであり、レンズ鏡筒4と保持基板3とは固定されている。さらに、このカメラは、筐体1と保持基板3とを繋ぎつつ、筐体1に対する相対位置が可変となるように保持基板3を保持する姿勢制御機構としてのダンパ機構2と、このダンパ機構2の動きを制止し、かつその解除を行うための制止機構としての板ばね6A,6Bと、この板ばね6A,6Bを駆動させる駆動機構としてのソレノイド7とを備えている。
ダンパ機構2は、保持基板3上の4箇所に設けられている。ダンパ機構2は、それぞれ、シリンダ2Aと、ピストン2Bとロッド2Cとを有している(図3参照)。シリンダ2Aは、筐体1の内面に固設され、かつ、内部に粘性流体2Dが封入されている。ピストン2Bは、シリンダ2Aの内部に収容され、光軸Z1方向に移動可能となるように構成されている。ピストン2Bの一部には連通孔2Hが形成されており、連通孔2Hを通じて粘性流体2Dが移動するようになっている。さらに、ロッド2Cは、保持基板3の上に立設され、かつ、保持基板3とは反対側の端部がピストン2Bと連結されるようになっている。このような構成により、シリンダ2Aの内部におけるピストン2Bのストローク(光軸Z1方向に沿った移動動作)によって粘性流体2Dの粘性抵抗が発生することとなる。ここで、保持基板3が板ばね6A,6Bによって制止された状態において、ピストン2Bは、シリンダ2Aにおける内壁2S1と内壁2S2とのほぼ中間に位置するようになっている。
粘性流体2Dは、例えばシリコーンオイルなどの、水よりも粘度の高い流体である。シリコーンオイルは、耐熱性および耐寒性に優れているうえ、鉱物性または植物性の油脂と比べて温度変化による粘度変化が小さく、耐酸化性や耐腐食性の面においても安定している。また、組成を調整することにより粘度を変化させることができるので、シリコーンオイルは粘性流体2Dとして好適である。
板ばね6Aは、例えばステンレス板を折り曲げ加工した弾性部材であり、固定端61と開放端62とを有している。固定端61は筐体1の内面1Sに固定されている。一方の開放端62の近傍には把持部63が形成され、非撮影時において保持基板3の端縁を把持し、自身の付勢力によって保持基板3をY方向へ向けて付勢するように構成されている。板ばね6Bは、内面1S上の、保持基板3を挟んで板ばね6Aと対向する位置に設けられており、板ばね6Aと同様の構造をなしている。ただし、板ばね6Bの把持部63(図示せず)は、非撮影時において保持基板3の端縁を把持し、自身の付勢力によって保持基板3を−Y方向へ向けて付勢するように構成されている。
板ばね6A,6Bの開放端62にはそれぞれソレノイド7が接続されており、このソレノイド7によって、それぞれ付勢する方向とは反対方向へ引っ張られると(すなわち、板ばね6Aの開放端62は−Y方向へ引っ張られ、板ばね6Bの開放端62は+Y方向へ引っ張られると)開放端62は保持基板3の端縁から離れることとなり、保持基板3の制止状態が解除されるようになっている。
ソレノイド7は、筐体1の内面1Sとは反対側の面上に設けられたレリーズ8と、制御部9を介して接続されている。レリーズ8は、Z軸に沿って移動可能な操作ボタン8Aを備えており、撮影時においてこれを撮影者が+Z方向へ押し込むことによりシャッターの開閉操作を行うようになっている。具体的には、図4に示したように、操作ボタン8AのZ軸方向における位置によって初期状態P1(図4(A))と、半押し状態P2(図4(B))と、全押し状態P3(図4(C))との3つの状態を取り得るものである。図4は、レリーズ8の各モードを表す概念図である。レリーズ8は、非撮影時においては初期状態P1となっており、所定の外力を+Z方向へ加えると半押し状態P2となり、さらに大きな外力を+Z方向へ加えると全押し状態P3となる。半押し状態P2および全押し状態P3において外力を取り去ると(撮影者が手を離すと)初期状態P1に戻るようになっている。
このカメラは、レリーズ8のシャッター開閉操作と連動して、保持基板3の制止状態を解除する解除動作および保持基板3を制止状態とする制止動作が行われるように構成されている。具体的には、レリーズ8の操作ボタン8Aを半押し状態P2とすると、撮影準備を指示する信号SW1が制御部9へ出力される。信号SW1を受けた制御部9は、制止解除信号SD1をソレノイド7へ出力し、ソレノイド7を駆動させ、保持基板3の制止状態を解除させるようになっている。これと同時に、制御部9は、測光手段、測距手段およびレンズ合焦手段(いずれも図示せず)に対して、それぞれ測光、測距および合焦動作を指示する信号を出力するようになっている。さらに、レリーズ8の操作ボタン8Aを完全に押し切る(全押し状態P3とする)と撮影実行を指示する信号SW2が制御部9へ出力される。信号SW2を受けた制御部9は、シャッター(図示せず)の開閉操作を指示すると共に、上記の測光手段による測光値により求めたシャッタースピードに応じた時間の経過後、制止信号SD2をソレノイド7へ出力し、ソレノイド7を駆動させ、解除状態にある保持基板3を制止するようになっている。ここで、保持基板3が解除状態となるのに十分な一定時間が経過するまでは、操作ボタン8Aの押し切り操作ができないようになっている。なお、制御部9は、本実施の形態の防振装置を備えたカメラ全体の動作を制御するものであり、CPU(中央演算処理装置;Central Processing Unit)、タイミング制御回路、メモリ、A/D変換器およびD/A変換器等の制御デバイスを含んで構成されている。
続いて、図1〜図4に加え、図5を参照して、本実施の形態の防振装置における動作について説明する。図5は、本体電源が投入された状態において、ソレノイド7を用いて保持基板3の制止解除および制止を行う制御部9の一連の動作を表すものである。
まず、使用者により本体電源(図示せず)が投入されると、制御部9が通電される。なお、この時点では、非撮影状態であるので、ダンパ機構2は、板ばね6A,6Bによって動きが制止された状態、すなわち、保持基板3が板ばね6A,6Bの付勢力により係止された状態となっている。
ここで、制御部9は、操作ボタン8Aが半押し状態P2か否かを判断する(S101)。この判断は、操作ボタン8Aからの信号SW1の有無に基づいて行われる。すなわち、撮影者が被写体の撮影を行うため、レリーズ8の操作ボタン8Aを半押しすると信号SW1が制御部9へ出力される。制御部9は信号SW1を受ける(ステップS101;Y)と、制止解除信号SD1をソレノイド7へ出力する(ステップS102)と共に前出の測光手段、測距手段およびレンズ合焦手段に対して、それぞれ測光、測距および合焦動作を指示する信号を出力する。制止解除信号SD1を受けたソレノイド7は、板ばね6Aの開放端62を−Y方向へ引き上げると共に板ばね6Bの開放端62を+Y方向へ引き上げるように駆動する。これにより、保持基板3の端縁から板ばね6A,6Bのそれぞれの開放端62を離し、保持基板3を制止状態から開放することができる。一方、ステップS101において信号SW1が検出されない場合(ステップS101;N)には、撮影を準備する状態にはないと判断してステップS101へ戻り、引き続き、信号SW1の有無検出を行う。
ダンパ機構2の作用により、すなわち、シリンダ2Aに充填された粘性流体2Dの粘性抵抗により、筐体1の光軸Z1方向における振動が吸収されるので、制止状態から開放された保持基板3は、慣性系における光軸Z1方向と平行な軸方向に対して静止するように制御される。
このカメラでは、操作ボタン8Aの移動方向が光軸Z1方向と一致しているので、撮影者が操作ボタン8Aを半押しした際の手ぶれにより、筐体1が光軸Z1方向に大きな振動を生じることが多い。筐体1が光軸Z1方向へ振動すると、シリンダ2Aも光軸Z1方向へ移動することとなるが、粘性流体2Dの粘性抵抗により、ピストン2Bは慣性系に対してその場に留まろうとする。このとき、粘性流体2Dは、連通孔2Hを通じてピストン2Bの物体側および像側の空間を行き交うこととなる。したがって、ピストン2Bがシリンダ2Aの内壁2S1,2S2と衝突しない範囲(ダンパ2のストロークの範囲)であれば、像ぶれを引き起こすような光軸Z1方向における筐体1の振動が吸収される。よって、保持基板3に保持されたレンズ鏡筒4およびCCD5は安定した状態となる。
制御部9は、制止解除信号SD1をソレノイド7へ出力したのち、タイマー(図示せず)をスタートさせる(ステップS103)。そののち、タイムアップしたか否かを判断し(ステップS104)、制止解除信号SD1がソレノイド7へ出力されてから所定時間が経過し、保持基板3が制止状態から完全に開放されたことを確認したのち(ステップS104;Y)、操作ボタン8Aが初期状態P1にあるかどうかを判断する(ステップS105)。なお、タイムアップしていない場合には(ステップS104;N)、所定時間が経過するまでこのステップS104を繰り返す。
ステップS105において、初期状態P1へ戻っていた場合には(ステップS105;Y)、撮影を取りやめたものと判断し、即時、制止信号SD2をソレノイド7へ出力する(ステップS109)。これにより、保持基板3が制止状態となる。一方、初期状態P1へ戻っていない場合には(ステップS105;N)、続いて、操作ボタン8Aが全押し状態P2に有るかどうかを判断する(ステップS106)。この判断は、操作ボタン8Aからの信号SW2の有無に基づいて行われる。
すなわち、撮影者が被写体の撮影を行うためにレリーズ8の操作ボタン8Aを全押しすると信号SW2が制御部9へ出力されることとなる。制御部9は、信号SW2を受けた場合には(ステップS106;Y)、タイマー(図示せず)をスタートさせると共にシャッターの開閉動作を指示する(ステップS107)。このように、操作ボタン8Aを半押し状態P2から全押し状態P3とすることにより、レンズ鏡筒4およびCCD5が慣性系に対して安定化した状態においてシャッターが開閉され、撮影(画像取得)がおこなわれることとなる。したがって、像ぶれが低減された良好な画像を得ることができる。一方、ステップS106において全押し状態P2となっていない場合(ステップS106;N)には、シャッターの開閉動作が未実施であると判断してステップS106へ戻り、引き続き、再度、信号SW2の有無検出を行う。
そののち、タイムアップしたか否かを判断し(ステップS108)、撮影条件に応じた所定時間が経過したことを確認すると(ステップS108;Y)、制止信号SD2をソレノイド7へ出力する(ステップS109)。なお、上記の所定時間が経過していない場合には(ステップS108;N)、所定時間が経過するまでこのステップS108を繰り返す。制止信号SD2を受けたソレノイド7は、板ばね6Aの開放端62を+Y方向へ戻すと共に板ばね6Bの開放端62を−Y方向へ戻すように駆動する。これにより、解除状態にある保持基板3が板ばね6A,6Bによって挟みつけられ、再度、制止状態へ戻ることとなる。
以上により、防振装置の一連の動作が完了する。
以上のように、本実施の形態の防振装置によれば、ダンパ機構2が、筐体1に対する相対位置が可変となるように保持基板3を保持すると共に、粘性流体2Dを有し、この粘性流体2Dの粘性抵抗を利用することにより、レンズ鏡筒4および保持基板3を慣性系に対して静止させるように姿勢制御を行うようにしたので、撮影者の手ぶれなどにより筐体1に振動が加えられた場合であっても、レンズ鏡筒4および保持基板3へ伝達する振動を低減することができる。このため、簡素かつコンパクトな構造でありながら、像ぶれを抑制することができ、より良好な画像を比較的容易に得ることができる。特に、ダンパ機構2が、撮像光学系の光軸Z1方向における相対位置が可変となるように保持基板3を保持すると共に、レンズ鏡筒4および保持基板3を慣性系における光軸Z1方向と平行な軸方向に対して静止させるように制御するので、撮像光学系の最も物体側の面から被写体までの距離が例えば数センチメートル程度となるマクロ撮影を行う場合に好適である。
さらに、レリーズ8を備え、これを操作することによりソレノイド7を駆動させ、撮影のタイミングに合わせてダンパ機構2による保持基板3の解除を行うことができ、より確実に像ぶれの発生を回避することができる。
また、撮影終了後(シャッターの開閉動作ののち)、再度、制止状態とするようにしたので、次の撮影機会において所望の被写体を迅速に捉えて画面内の所望の位置に配置することができ、スムーズな撮影動作が可能となる。仮に、板ばね6を設けないようにした場合には、手ぶれによる筐体1の振動を抑制することはできるものの、保持基板3に保持されたレンズ鏡筒4およびCCD5の初期位置が一定ではないので、撮影直前のカメラの姿勢によっては被写体を画面内に捉えるまでに多くの時間を要することとなり、撮影機会を逃すこともあり得る。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、ダンパ機構2を4箇所に設けるようにしたが、これに限らず、3箇所以下、または5箇所以上に設けるようにしてもよい。また、光軸方向に沿った振動を吸収可能なように配置したが、これに加え、光軸と直交する方向の振動を吸収可能なように別のダンパを設けるようにしてもよい。
1…筐体、2…ダンパ機構、2A…シリンダ、2B…ピストン、2C…ロッド、2D…粘性流体、3…保持基板、4…レンズ鏡筒、5…固体撮像素子(CCD)、6A,6B…板ばね、7…ソレノイド、8…レリーズ、8A…操作ボタン。
Claims (4)
- 撮像光学系を有するレンズ鏡筒と、前記撮像光学系によって結像された画像を取得する撮像素子を保持する保持基板とが筐体の内部に配置された撮像装置に適用される防振装置であって、
前記筐体に対する相対位置が可変となるように前記保持基板を保持すると共に、粘性流体を有し、この粘性流体の粘性抵抗を利用することにより、前記レンズ鏡筒および保持基板を慣性系に対して静止させるように姿勢制御を行う姿勢制御機構と、
前記姿勢制御機構の動きを制止およびその解除を行うための制止機構と、
前記制止機構を駆動して前記姿勢制御機構の動きの制止およびその解除を行わせる駆動機構と
を備えたことを特徴とする防振装置。 - さらに、操作部を有するレリーズ手段を備えており、前記操作部の操作により前記駆動機構が起動するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の防振装置。 - 前記姿勢制御機構は、
前記撮像光学系の光軸方向における相対位置が可変となるように前記保持基板を保持すると共に、
前記レンズ鏡筒および保持基板を、慣性系における前記光軸方向と平行な軸方向に対して静止させるように制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の防振装置。 - 前記レリーズ手段の操作部は、前記光軸方向に沿って移動するように操作されると共に、
前記姿勢制御機構が、
前記筐体の内面に設けられ、内部に前記粘性流体が封入されたシリンダと、
前記光軸方向に移動可能となるように前記シリンダの内部に収容されたピストンと、
前記保持基板の上に立設され、かつ、前記保持基板とは反対側の端部が前記ピストンと連結されたロッドと
を有し、
前記シリンダの内部における前記ピストンのストロークにより、前記粘性抵抗を利用した前記姿勢制御を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の防振装置。
Priority Applications (1)
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2008281949A (ja) * | 2007-05-14 | 2008-11-20 | Canon Inc | 振れ補正装置および撮像装置 |
JP2008286929A (ja) * | 2007-05-16 | 2008-11-27 | Canon Inc | 振れ補正装置および撮像装置 |
JP2008292900A (ja) * | 2007-05-28 | 2008-12-04 | Canon Inc | 振れ補正装置および撮像装置 |
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