JP2011033981A - 光学機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光学機器は、ベース部材3と、防振レンズ1を保持し、ベース部材に対して光軸に直交する方向にシフト可能なシフト部材2と、該シフト部材を光軸方向におけるベース部材側に付勢する付勢手段11と、光軸方向において、シフト部材に対してベース部材とは反対側に配置され、光量を調節する絞り5とを有する。絞りは、シフト部材の絞り側への変位を阻止するように該シフト部材に当接する変位阻止部5aを有する。
【選択図】図3
Description
特許文献1にて開示された光学機器では、防振レンズがベース部材に対してばね付勢されていることから、カメラに対して衝撃が加わった場合に防振レンズがばねを変形させながらベース部材側とは反対側(例えば、前方)に変位する可能性がある。このとき、変位した防振レンズが、その変位方向に配置された他のレンズに対して衝突するおそれがある。
このような衝撃による防振レンズの変位や他のレンズとの衝突を回避できるようにした光学機器が、特許文献2にて開示されている。特許文献2にて開示された光学機器では、光学機器の非使用時に、係止機構によって防振レンズを所定位置で係止することで、衝撃が加わっても防振レンズが変位しない構成を有する。
従来の光学機器では、防振レンズを保持する保持部材に突起部を形成し、衝撃によって防振レンズ(保持部材)が前方に変位すると、防振レンズよりも前方に配置された他のレンズに対して突起部が突き当たるようにすることが多い。これにより、レンズ同士が直接衝突するのを防止して、レンズ面に傷がつかないようにしている。
しかし、防振レンズの前方に絞りが配置されている場合(防振レンズと絞りとが隣り合って配置されている場合)には、絞り羽根が存在する関係で防振レンズを保持する保持部材に前述した突起部を設けることが困難である。
本発明は、衝撃や外力の作用による防振レンズの変位を阻止できるようにした光学機器を提供する。
カメラ18の前面には、ファインダ対物窓16、測光/測距用の補助光発光窓15、ストロボ(フラッシュ)17およびレンズ鏡筒19が設けられている。レンズ鏡筒19は、図4に示すようにカメラ本体内に収納されたり、図5に示すようにカメラ本体から突出したりすることができる。レンズ鏡筒は、カメラ本体から突出した状態で伸縮することでズーム動作を行う。
また、カメラ18の上面には、レリーズスイッチ12、電源スイッチ14およびズームスイッチ13が設けられている。カメラ18内には、図4および図5中には示されていないが、撮像素子や、電源(バッテリ)や、半導体メモリ等の記録媒体が収容されている。また、カメラ18の背面には、図4および図5中には示されていないが、電子ファインダ画像や撮影画像を表示するディスプレイや各種操作スイッチが設けられている。
駆動回路43は、CPU46からの指令に基づいて、ズームモータ駆動回路30、フォーカスモータ駆動回路31、防振駆動回路32、絞り駆動回路34、撮像素子36およびストロボ17を動作させる。ズームモータ駆動回路30は、ズームモータMZを駆動してレンズ鏡筒19を伸縮させ、該レンズ鏡筒19内の撮影光学系の焦点距離を変化させる。フォーカスモータ駆動回路31は、フォーカスモータMFを駆動して、レンズ鏡筒19内の撮影光学系に含まれるフォーカスレンズ48を光軸方向に移動させてフォーカス動作を行わせる。
防振駆動回路32は、手振れ等のカメラ振れ(機器振れ)に起因する像振れを低減(補正)するための防振ユニット20を動作させる。絞り駆動回路34は、光量を調節するための絞りユニット5の絞り羽根を開閉方向に駆動して、絞り開口径を変化させる。
撮像素子36は、CCDセンサやCMOSセンサにより構成され、レンズ鏡筒19内に収容された撮影光学系により形成された被写体像を光電変換して、撮像信号を出力する。アナログ信号である撮像信号は、アナログ信号処理回路37を通じてA/D変換部38に出力され、A/D変換部38でデジタル信号に変換される。デジタル信号に対してデジタル信号処理回路39にて各種画像処理を行うことで、デジタル画像データ(電子ファインダ画像又は撮影画像)が生成される。デジタル画像データは、メモリ40を通じて、ディスプレイ21に表示されたり、圧縮伸張回路41で圧縮された後、記録媒体ドライブ42を通じて記録媒体に記録されたりする。
次に、レンズ鏡筒19の構成について、図1、図2および図3を用いて説明する。図1および図2はそれぞれ、図4および図5に示した非使用状態および使用状態でのレンズ鏡筒19の構成を示している。図3は、レンズ鏡筒19内に配置された絞りユニット5と防振ユニット20を示している。
防振ユニット20は、ベース部材であるシフトベース3と、撮影光学系の一部を構成する防振レンズ1と、該防振レンズ1を保持し、シフトベース3に対して撮影光学系の光軸に直交する方向にシフト可能なシフト枠(シフト部材)2とを有する。シフト枠2とシフトベース3との間には複数のボール4が配置されている。シフト枠2は、シフトベース側(ベース部材側)3にばね(付勢手段)11によって付勢されている。このため、シフト枠2は、ボール4を介してシフトベース3に押し付けられ、ボール4の転動によって光軸に直交する方向(上下方向であるピッチ方向と左右方向であるヨー方向)にガイドされる。
シフト枠2における光軸回りでの位相が90度異なる2箇所には、不図示の2つのマグネットが固定されている。また、シフトベース3におけるこれらマグネットに対向する位置には、不図示の2つのコイルが固定されている。一方のマグネットとこれに対向する一方のコイルとによりシフト枠2をシフトベース3に対してピッチ方向にシフトさせるピッチシフトアクチュエータが構成される。また、他方のマグネットとこれに対向する他方のコイルとによりシフト枠2をシフトベース3に対してヨー方向にシフトさせるヨーシフトアクチュエータが構成される。
図6に示す振れセンサ25は、角速度センサ等により構成され、カメラ18のピッチ方向およびヨー方向の振れを検出する。CPU46は、該振れセンサ25からの出力に基づいてピッチシフトアクチュエータおよびヨーシフトアクチュエータのコイルへの通電を制御する。これにより、シフト枠2が防振レンズ1とともにピッチ方向およびヨー方向にシフトして像振れを補正する。
図1および図2において、防振レンズ1よりも物体側(前側)には、第1レンズ6が配置されている。第1レンズ6は、第1レンズ保持鏡筒7によって保持されている。
第1レンズ保持鏡筒7とシフトベース3は、案内筒8に光軸方向に延びるように形成された直進溝部(図示せず)に係合している。第1レンズ保持鏡筒7の外周にはカム筒9が光軸回りで回転可能に配置されている。カム筒9の内周に形成されたカム溝部9aには、第1レンズ保持鏡筒7とシフトベース3の外周に設けられたカムフォロア(図示せず)が係合している。このため、カム筒9の回転に伴って、第1レンズ保持鏡筒7とシフトベース3(つまりは第1レンズ6と防振ユニット20)は光軸方向に移動する。
カム筒9は、回転しながら、さらにその外周に設けられた固定筒10の内周に形成されたカム溝部(図示せず)によって光軸方向に移動される。このため、第1レンズ6と防振ユニット20は、カム筒9のカム溝部による移動量とカム筒9が固定筒10のカム溝部によって移動される量との合成移動量だけ光軸方向に移動される。このようにして、レンズ鏡筒19は、図1に示す非使用状態と図2に示す使用状態(ワイド状態)との間で伸縮し、さらに使用状態においてワイド状態とテレ状態との間で伸縮してズーム動作を行う。
また、レンズ鏡筒19内において、絞りユニット5は、シフト枠2に対してシフトベース3とは反対側(言い換えれば、ばね11によるシフト枠2の付勢方向とは反対方向の側)に配置されている。つまり、絞りユニット5は、光軸方向における第1レンズ6と防振ユニット20との間に配置されている。
前述したように、防振レンズ1を保持するシフト枠2は、ばね11の付勢力によってシフトベース3に押し付けられている。しかし、カメラ18に衝撃や大きな外力が作用すると、シフト枠2がばね11の付勢力に抗してシフトベース3から離れるように前側に変位する可能性がある。この場合に、レンズ鏡筒19が図1に示す非使用状態にあると、シフト枠2が絞りユニット5の絞り羽根5bに衝突したり、シフト枠2とともに前側に変位した防振レンズ1が第1レンズ6に衝突したりするおそれがある。
特に本実施例では、非使用状態におけるレンズ鏡筒19の光軸方向の長さをできるだけ短くするために、以下のような構成を採用している。すなわち、非使用状態において、絞りユニット5の複数の絞り羽根5bによって形成される絞り開口を、撮影のために光学的に使用される絞り開口の最大径よりも大きくして、防振レンズ1の前部を該絞り開口の内側に入り込ませるようにしている。つまり、収納状態と撮影可能状態とに切り替え可能なカメラにおいて、防振レンズ1と絞りユニット5が光軸方向において重なるようにしている。
このような構成では、カメラ18に衝撃等が作用した場合に、前側に変位したシフト枠2が絞り羽根5bに衝突したり防振レンズ1が第1レンズ6に衝突したりする可能性が高い。
そこで、本実施例では、図3に示すように、絞りユニット5の周方向(光軸回り方向)の3箇所に、シフト枠2の絞りユニット5側(絞り側)への変位を阻止するようにシフト枠2に当接する変位阻止部としての突起部5aを設けている。また、シフト枠2における防振レンズ1の周囲3箇所には、該突起部5aが挿入される溝部2aが形成されている。該溝部2aの内面のうち光軸方向端面に上記突起部5aが当接してシフト枠2の前側への変位が阻止される。また、突起部5aが溝部2aに周方向にて係合することで、シフト枠2の光軸回りでの変位も阻止される。
このような構成により、衝撃等によるシフト枠2および防振レンズ1の前側への変位を阻止し、シフト枠2の絞り羽根5bへの衝突や防振レンズ1の第1レンズ6への衝突を防止することができる。したがって、耐衝撃性が高いカメラを実現することができる。
なお、シフト枠2に形成された溝部2aは、シフト枠2に防振レンズ1を組み込む際に該防振レンズ1のシフト枠2に対する偏芯を補正する(光軸に直交する方向での位置を調整する)ための工具を挿入する部分でもある。このような溝部2aを突起部5aが挿入される部分としての利用することで、シフト枠2の形状を複雑にすることなくシフト枠2の前側や光軸回りでの変位を阻止することができる。
また、シフト枠2には、防振レンズ1の偏芯補正を行った後に該防振レンズ1を接着固定するための接着保持部2bも周方向3箇所に設けられている。
また、図2に示す使用状態では、絞りユニット5と防振ユニット20は光軸方向にて離れ、防振レンズ1が絞り開口の外側(後側)に出るので、絞り羽根5bを絞り込むことが可能となる。
以上説明したように、本実施例によれば、衝撃や外力によるシフト枠2および防振レンズ1の光軸方向への変位を阻止することができる。したがって、非使用状態において絞り開口の内側に防振レンズ1を入り込ませるタイプのカメラにおいても、シフト枠2および防振レンズ1の絞り羽根5bや他のレンズ(第1レンズ6)に対する衝突を防止することができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
2 シフト枠
3 シフトベース
5 絞りユニット
5a 突起部(変位阻止部)
5b 絞り羽根
Claims (3)
- ベース部材と、
防振レンズを保持し、前記ベース部材に対して光軸に直交する方向にシフト可能なシフト部材と、
該シフト部材を光軸方向における前記ベース部材側に付勢する付勢手段と、
前記光軸方向において、前記シフト部材に対して前記ベース部材とは反対側に配置され、光量を調節する絞りとを有し、
前記絞りは、前記シフト部材の該絞り側への変位を阻止するように該シフト部材に当接する変位阻止部を有することを特徴とする光学機器。 - 該光学機器は収納状態と撮影可能状態とに切り替え可能であり、少なくとも前記収納状態において前記絞りの開口の内側に前記防振レンズが入り込み、
該収納状態において前記変位阻止部が前記シフト部材に当接することを特徴とする請求項1に記載の光学機器。 - 前記シフト部材に、前記防振レンズの該シフト部材に対する光軸に直交する方向での位置を調整するための溝部が形成されており、
前記変位阻止部は、前記溝部に挿入されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学機器。
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