JP2006090107A - 地震により玄関扉が開かなくなった時に迅速かつ確実に脱出できる脱出口付玄関扉 - Google Patents

Abstract

【課題】 従来の遮音性、断熱性、耐震性、防犯性等の性能を損なうことなく、地震により出入口の玄関扉が万一開かなくなった時に女性や子供等の弱者でも容易かつ確実に脱出ができ、しかも既存の建物にも普及できる玄関扉を開発することである。
【解決手段】玄関扉２の下部に、大人が楽に出入りできる程度の大きさの脱出口５を設けた集合住宅の玄関扉。
【選択図】図２

Description

発明の詳細な説明

本発明は、マンション等集合住宅の各戸に設置してある出入口の玄関扉が地震による建物のゆがみ等により万一開かなくなったときでも容易かつ確実に外に脱出できる玄関扉に関する。

マンション等集合住宅の各戸に設置してある出入口の玄関扉については、遮音性、断熱性、防犯性、耐震性等の向上のため、一般的にはスチール、アルミ等の金属と断熱・遮音材を使用した扉が多く見受けられるが、地震により出入口の扉が建物のゆがみ等により開かなくなった場合、室内にいる人は容易に外に出られなくなってしまう。（集合住宅については、ベランダから隣へ避難路が確保されていることになっているが、実際にはベランダに物を置いてある場合が多く、万一の時に迅速かつ確実に避難できるか疑わしい。）また、近年の犯罪の増加に対処するため、外部から容易に侵入できないよう窓に防犯用の格子を施した部屋も多く見られるようになってきたことから、一層外部への脱出は困難となってきている。更に、女性、子供、お年寄り等の弱者が部屋の中に取り残された場合は、脱出が極めて困難と言わざるを得ない。

このため、従来は建物自体の耐震性を向上させるようにしてきたが、これには建物全体の耐震補強工事または建物自体の立て替えしかなく、マンション等の集合住宅では全員または多数の同意を得て対策を講じることは現実的にはなかなかできないため、既存の建物については十分な対策がなされていないのが現状である。

発明が解決しようとする課題

従来の遮音性、断熱性、耐震性、防犯性等の性能を損なうことなく、地震により出入口の玄関扉が万一開かなくなった時に女性や子供等の弱者でも容易かつ確実に脱出ができ、しかも既存の建物にも普及できる玄関扉を開発することである。

課題を解決するための手段

従来の遮音性、断熱性、耐震性、防犯性等の性能を損なうことなく、マンション等集合住宅の各戸で見られる出入口の玄関扉が地震により開かなくなった時でも大人が楽に出入りできる程度の大きさの脱出口を設けた玄関扉を開発し、既存マンションの場合は扉の取り替え、新設マンションについては新たに設置する。

発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
まず図１は本玄関扉を表側から見た図面である。一般的に玄関扉は縦１８０ｃｍ、横８０ｃｍ程度の大きさになっていることを踏まえ、本玄関扉は、従来の玄関扉枠１、玄関扉２、玄関扉蝶番３、扉開閉のぶ４からなる既存玄関扉の下部に、室内に閉じこめられた人が外部に脱出できるよう縦６０ｃｍ、横５０ｃｍ程度の大きさの脱出口５及びそれを取り付けるための脱出口取付枠７等からなる。また、マンション等集合住宅の玄関扉であることを踏まえ、外見上はほとんど従来の玄関扉と変わらない構成となっている。

次に図２は本玄関扉を裏側から見た図面である。脱出口取付枠７は地震による建物のゆがみにより玄関扉２に荷重がかかっても脱出口５の開閉に支障がでないようスチール製とし、玄関扉２と溶接等により一体構造にして耐震強度を持たせ、この枠に脱出口５を脱出口開閉蝶番６を介して開閉可能になるように取り付け、脱出口開閉レバー回転軸９を中心に脱出口開閉レバー８を下向き（女性や子供等力の弱い人でも、下向きであれば足でレバーを踏んで体重をかければ容易にレバーを回すことができる）に回すことにより脱出口取付枠７との引っかかりがはずれ脱出口５が外側に開く構造となっている。なお、脱出口開閉レバー８はピッキング等の犯罪防止の観点から、玄関扉２の裏側のみに取り付けてある。

最後に図３は本扉の側面断面図である。従来の遮音性、断熱性を損なわないようにするため、脱出口５と脱出口取付枠７とのあたり面にはゴムパッキン１０を取り付けるとともに、玄関扉２及び脱出口５の内部には遮音・断熱材１１を充填してある。

なお、一般的に玄関扉には新聞等の挿入口が付いていることから、必要に応じて脱出口５に新聞等の挿入口及び受台を取り付けるとよい。また、本玄関扉はマンション等集合住宅について述べてきたが、もちろん一戸建ての住宅や事務所等の玄関扉に取り付けてもよい。

次に、具体的な機能・作用を説明すると、本玄関扉は普段は従来の玄関扉とまったく同様に使用し、地震による建物のゆがみ等により万一扉が開かなくなった時でも、脱出口開閉レバー８を下に回してロックを解除して脱出口５を外側に開いて脱出をするという至って簡単な機能・作用となっている。

ただし、本玄関扉については、従来の遮音性、断熱性、耐震性、防犯性等の性能を損なわないよう、脱出口５と脱出口取付枠７とのあたり面にはゴムパッキン１０を取り付け、脱出口開閉レバー８は脱出口取付枠７とのひっかかり面をテーパ状にすることにより、上向きに回すほど脱出口５が脱出口取付枠７に強く押しつけられるようになるとともに、ピッキング等の犯罪防止の観点から脱出口５は玄関扉の内側の脱出口開閉レバー８のみにより開閉が可能としてある。

本玄関扉の表側正面図である。 本玄関扉の裏側正面図である。 本玄関扉の断面図である。

符号の説明

１．玄関扉枠
２．玄関扉
３．玄関扉蝶番
４．玄関扉開閉のぶ
５．脱出口
６．脱出口開閉蝶番
７．脱出口取付枠
８．脱出口開閉レバー
９．脱出口開閉レバー回転軸
１０．ゴムパッキン
１１．遮音・断熱材

Claims (2)

1. 地震により出入口の玄関扉が建物のゆがみ等により開かなくなった場合、室内にいる人が容易かつ確実に外に出られるよう玄関扉の下部に脱出口を有するマンション等集合住宅の玄関扉
2. 脱出口５と脱出口取付枠７のあたり面に遮音性、断熱性を確保するためのゴムパッキン１０、ピッキング等の犯罪防止の観点から脱出口５を内側からのみ開閉できる脱出口開閉レバー８、耐震強度を確保するための脱出口取付枠７等を有する請求項１記載のマンション等集合住宅の玄関扉

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