JP2006088539A - 集塵容器付き丸鋸 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 集塵容器3を有する集塵容器付き丸鋸1であって、集塵容器3は、第一の集塵室3aとサイクロンユニット3cと第二の集塵室3bを有している。第一の集塵室3aは、空気とともに鋸刃14側から吹き上げられてきた切粉を重力にて落下させ、落下させた切粉を貯める構成になっている。
サイクロンユニット3bは、第一の集塵室3a内にて落下せず第一の集塵室3a側から空気とともに送られてきた切粉を壁面に沿って回転させて落下させるサイクロン本体36と、サイクロン本体36の下方にて第二の集塵室3bに向けて切粉を排出する切粉排出口36dと、サイクロン本体36の上方にて空気を排気する排気口37b1を有している。
【選択図】 図1
Description
特許文献1に係る丸鋸は卓上丸鋸であって、鋸刃を覆う鋸刃カバーと、その鋸刃カバーに配管接続される案内管と、その案内管の先端に取付けられる布製の集塵袋とを有している。そして案内管には、ファンが内設されていた。
したがって鋸刃側に生じた切粉は、ファンの力と鋸刃の回転による吹き上げ力とによって集塵袋に向けて送られる構成になっていた。そして集塵袋内に送り込まれた切粉と空気は、切粉が集塵袋の布目に引っ掛かり、空気が布目を通り抜けることによって分離され、切粉が集塵袋内に集められる構成になっていた。
そこで本発明は、鋸刃の回転によって吹き上げられた空気の流れを低下させることなく、鋸刃にて生じた切粉を効率良く集めることのできる集塵容器付き丸鋸を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明によると、集塵容器は、吹き上げられてきた空気と切粉とを分離するために、第一の集塵室とサイクロンユニットと第二の集塵室とを有している。第一の集塵室は、空気とともに鋸刃側から吹き上げられてきた切粉を重力にて落下させ、落下させた切粉を貯める構成になっている。サイクロンユニットは、第一の集塵室内にて落下せず第一の集塵室側から空気とともに送られてきた切粉を壁面に沿って回転させて落下させるサイクロン本体と、そのサイクロン本体の下方にて第二の集塵室に向けて切粉を排出する切粉排出口と、サイクロン本体の上方にて空気を排気する排気口とを有している。そして切粉と空気が第一の集塵室とサイクロンユニットとによって分離され、集塵容器には、切粉と空気とを分離するための布製のフィルターが設けられていない。
したがって角度調整器によって集塵容器の角度を好適な角度に調整することができる。例えば、サイクロンユニットの性能が好適となるような角度に集塵容器の角度を調整することができる。
一方、鋸刃カバーを下位置にした際には、集塵容器が鋸刃カバーに対する角度が広くなる。このため集塵容器の地面に対する角度変化が、鋸刃カバーの地面に対する角度変化よりも小さくなる。したがってサイクロンユニットが地面に対して大きく傾くことが防止されている。その結果、サイクロンユニットが大きく傾き、サイクロンユニットによる切粉と空気との分離能力が低下する現象を防止することができる。
したがって一の蓋を開けることによって第一の集塵室内と第二の集塵室内とに貯められた切粉を一度に廃棄することができる。
実施の形態1を図1〜15にしたがって説明する。
実施の形態1に係る丸鋸は、図1に示すようにスライド丸鋸1である。
スライド丸鋸1は、図1,2に示すように床面に載置されるベース10と、ベース10に対して面方向に回転可能に取付けられるテーブル11と、テーブル11に対して図1,2左右方向にスライド可能に取付けられる第一のスライド体12と、第一のスライド体12に対して左右方向にスライド可能に取付けられる第二のスライド体13とを有している。そして第二のスライド体13の左側端部には、丸鋸本体2が傾動可能に取付けられており、丸鋸本体2には集塵容器3が取付けられている。
スライド本体部12aは、アーム12cによってテーブル11に対して図2左右方向にスライド可能に支持されている。揺動部12bは、軸部材12dによってスライド本体部12aに対して図1紙面厚み方向に揺動可能に取付けられている。
スライド本体部12aと揺動部12bの間には、揺動部12bをスライド本体部12aに対して所定角度位置にて位置決め固定する角度固定装置が設けられており、角度固定装置は、ハンドル12eにて操作される構成になっている。
アーム13a,13bの右端部間には、図2に示すようにアームホルダ13cが取付けられており、左端部間には、アームホルダ13dが取付けられている。そしてアームホルダ13dに丸鋸本体2が上下方向に傾動可能に取付けられている。
モータハウジング21には、電動モータ22と冷却ファン23が内装されている。そしてモータハウジング21が本体ハウジング24の作業者右手側面に固定されている。
本体ハウジング24は、図2に示すように切断作業時に把持されるハンドル24aと補助ハンドル24bとを有している。
鋸刃カバー20は、図2に示すように鋸刃14を覆う構成になっており、円盤状の鋸刃14の上側約半分を収容する中空部20aを有している。また鋸刃カバー20には、鋸刃14によって中空部20aに吹き上げられた切粉を吐出する吐出口20bが形成されている。
吐出口20bは、中空部20aと鋸刃カバー20の外周面の上方後側部(図2上方右側部)とを貫通する貫通孔を有しており、吐出口20bは、切粉が吹き上げられる方向に延出している。そして吐出口20bの先端部には、集塵容器3が配管接続される。
集塵容器3は、図9に示すように第一の外壁部材30、中間壁部材31、第二の外壁部材32および蓋34を有している。
第一の集塵室3aは、第一の外壁部材30と中間壁部材31の間において中空室状に形成され、第二の集塵室3bは、中間壁部材31と第二の外壁部材32の間において中空室状に形成される(図7参照)。
中間壁部材31には、図9に示すように出口孔31cが形成されている。出口孔31cは、一端が第一の集塵室3aに開口し、他端がサイクロンユニット3cに配管接続される。したがって出口孔31cによって第一の集塵室3aとサイクロンユニット3cとが配管接続される。なお出口孔31cは、取込口部材33よりも高い位置に形成されている。
サイクロン本体36は、円筒状の上側筒部36aと、上側筒部36aから下方に向けて除々に径が細くなる筒状の下側筒部36bとを一体に有している。
取込口36cは、上側筒部36aの軸心から偏心した位置に設けられており、略水平方向でかつ、上側筒部36aの外周面接線方向に延出している。そのため取込口36cから送り込まれた空気と切粉は、上側筒部36aの壁面に沿って周方向に回転する(図4参照)。そして切粉は、回転しながら徐々に落下し、下側筒部36bの下端部に形成された切粉排出口36dから第二の集塵室3bに向けて排出される(図9参照)。
円盤部37aは、図5に示すように上側筒部36aの上側開口部を覆うように取付けられる。排気管部37bは、サイクロン本体36の軸中心に軸方向に延出するように配設される。そして排気管部37bは、上端部に排気口37b1を有し、下端部に取込口37b2を有している。したがってサイクロン本体36内に送り込まれた空気は、サイクロン本体36の軸中心を通ってサイクロン本体36の上部の排気口37b1から排気される。
排気管部37bの上端寄りには、いたずら防止用の金網37cが設けられている。金網37cは、排気管部37bに異物が挿入されることを防止する部材であって、空気の流れの抵抗とならない程度に十分に大きな網目を有している。
第二の外壁部材32には、図9に示すように取込口32aが形成されている。取込口32aは、一端が第二の集塵室3bに開口し、他端がサイクロン本体36の切粉排出口36dと配管接続される。したがってサイクロンユニット3c内において空気と分離された切粉は、取込口32aから第二の集塵室3b内に排出される。
取込口32aに取付けられたサイクロンユニット3cは、図3に示すように鉛直線から約25°(例えば25°±10°)傾いた状態にて取付けられる。したがって取込口32aの下側には、切粉が排出される十分なスペースが確保される。
蓋34は、図7に示すように第一の集塵室3aと第二の集塵室3bとに跨って延出しており、第一の集塵室3aと第二の集塵室3bの底面一部を形成する。
蓋34は、図9に示すように一端縁側に回動軸部34aを有しており、回動軸部34aが第一の外壁部材30と第二の外壁部材32に対して回動可能に取付けられる。
掛止部材35の下端部には、爪部35aが形成されており、爪部35aは、図5に示すように蓋34の下面に掛け止められる。図9に示すように掛止部材35の上端部と第一の外壁部材30の間には、掛止部材35を付勢する弾性部材38(例えばコイルバネ)が設けられており、弾性部材38によって爪部35aが蓋34に対して掛け止められる方向に付勢されている。
角度調整器は、図9に示すように取込口部材33と第一の外壁部材30の間、および取込口部材33と中間壁部材31の間に設けられている。取込口部材33には、回動軸部33aが設けられており、回動軸部33aには、回動規制部33bが設けられている。一方、第一の外壁部材30と中間壁部材31には、回動支持部30a,31aと力受部30b,31bが設けられている。
回動規制部33bは、回動軸部33aの外周面の一部から突出状に形成されており、回動軸部33aが軸回転することによって第一の外壁部材30に形成された力受部30bと、中間壁部材31に形成された力受部31bに対して当接・離間する。
なお力受部30b,31bは、回動支持部30a,31aを切欠くことによって形成されている。
先ず、丸鋸本体2を図13に示すように約40°持上げる(上位置にする)。その状態にてテーブル11の上面に切断材Wをセットする。なお集塵容器3は、第二のスライド体13に当接しているために略水平状態に保持される。
次に、鋸刃14を電動モータ22によって矢印R方向に回転させる。そして丸鋸本体2を図13の状態から約15°だけ下方に傾動させ、丸鋸本体2を図14に示すように水平線から約25°傾斜した状態にする。
これによって取込口部材33は、図11に状態から反時計回りに約15°傾動する。そして取込口部材33に設けられた回動規制部33bが力受部30bに当接する。
第一の集塵室3a内には、図8に示すように切粉が取込口36cに送られることを防ぐ壁部31dが設けられている。この壁部31dは、中間壁部材31に形成されており、取込口36cの下方に張出している。したがって大きな切粉は、壁部31dによって取込口36cに送られてしまうことが抑制される。
なおサイクロンユニット3cは、鉛直に近い状態において切粉と空気とを効率良く分離する構成になっており、切断時には鉛直に近い状態にて保持されている。
図1に示すように切断材Wが鋸刃14に比べて大きい場合には、丸鋸本体2を図1右側に向けて押す。これにより丸鋸本体2が第一のスライド体12と第二のスライド体13とによって図1右側にスライドし、鋸刃14によって切断材Wを切断することができる。
すなわち集塵容器3は、図1に示すように第一の集塵室3aとサイクロンユニット3cと第二の集塵室3bを有している。第一の集塵室3aは、空気とともに鋸刃14側から吹き上げられてきた切粉を重力にて落下させ、落下させた切粉を貯める構成になっている。
サイクロンユニット3cは、第一の集塵室3a内にて落下せず第一の集塵室3a側から空気とともに送られてきた切粉を壁面に沿って回転させて落下させるサイクロン本体36と、サイクロン本体36の下方にて第二の集塵室3bに向けて切粉を排出する切粉排出口36dと、サイクロン本体36の上方にて空気を排気する排気口37b1とを有している。そして切粉と空気が第一の集塵室3aとサイクロンユニット3cによって分離され、集塵容器3には、切粉と空気とを分離するための布製のフィルターが設けられていない。
したがって角度調整器によって集塵容器3の角度を好適な角度に調整することができる。例えば、サイクロンユニット3cの効率が好適となるような角度に集塵容器3の角度を調整することができる。
一方、鋸刃カバー20を下位置にした際には、集塵容器3が鋸刃カバー20に対する角度が広くなる。このため集塵容器3の地面に対する角度変化が、鋸刃カバー20の地面に対する角度変化よりも小さくなる。具体的には、鋸刃カバー20の角度変化が40°±5°に対して集塵容器3の角度変化は、25°±5°になっている。したがってサイクロンユニット3cが地面に対して大きく傾くことが防止されている。その結果、サイクロンユニット3cが大きく傾き、サイクロンユニット3cによる切粉と空気との分離能力が低下する現象を防止することができる。
したがって一の蓋34を開けることによって第一の集塵室3aと第二の集塵室3b内に貯められた切粉を一度に廃棄することができる。
実施の形態2を図16〜20にしたがって説明する。
実施の形態2は、実施の形態1とほぼ同様に形成されているが、図1に示す集塵容器3に代えて図16に示す集塵容器4を有している。集塵容器4は、実施の形態1に係る集塵容器3とほぼ同様に形成されているが、蓋の位置などが異なっている。以下、異なる点を中心に実施の形態2に係る集塵容器4について説明する。
第一の集塵室4aと第二の集塵室4bは、それぞれ図17,20に示すようにブロー成形等にて有底筒状に形成された第一の筒部材40、第二の筒部材42によって形成されている。そして第一の筒部材40の右側開口部と第二の筒部材42の右側開口部は、インジェクション成形にて板状に形成された一つの蓋44によって開閉可能に覆われている。
また蓋44には、図16に示すように取付開口部44aが形成されている。取付開口部44aは、第一の集塵室4aに開口しており、図4に示す鋸刃カバー20に配管接続される。
上側筒部46aと第一の筒部材40の間には、これらを配管接続する配管部材41が形成されている。配管部材41の一端部は、第一の筒部材40の上寄り位置に配管接続されている。
またサイクロンユニット4cは、図16に示すように第二の筒部材42に対して傾斜した状態で取付けられており、鋸刃本体を下位置にした際に略鉛直(例えば90°±5°)になる(図2参照)。
円盤部47aは、上側筒部46aの上側開口部を覆うように取付けられる。排気管部47bは、サイクロン本体46の軸中心に軸方向に延出するように配設される。そして上端部に排気口47b1を有し、下端部に取込口47b2を有している。
本発明は、実施の形態1,2に限定されず、以下の形態であってもよい。
(1)すなわち実施の形態1,2に係る丸鋸は、スライド丸鋸であって、丸鋸本体がベースに対して水平方向に移動し、かつ上下方向に傾動し得る構成になっていた。しかし丸鋸本体が水平方向にスライドせず、ベースに対して上下方向に傾動する卓上丸鋸であって、その卓上丸鋸の丸鋸本体に実施の形態1,2に係る集塵容器が取付けられる形態であっても良い。あるいはベースやテーブルを有さない携帯丸鋸であって、該丸鋸に実施の形態1,2に係る集塵容器が取付けられる形態であっても良い。
(2)実施の形態1に係る角度調整器は、集塵容器が図3,11に示すように水平状態において回動規制部と力受部とが離間し、空周りする構成になっていた。しかし角度調整器が、丸鋸本体を上方に傾動させた際に集塵容器と丸鋸本体との相対角度を徐々に小さくする構成になっていても良い。
(3)実施の形態1に係る角度調整器は、集塵容器に設けられていた。しかし角度調整器が鋸刃カバー側あるいは丸鋸本体側に設けられる形態であっても良い。
2…丸鋸本体
3,4…集塵容器
3a,4a…第一の集塵室
3b,4b…第二の集塵室
3c,4c…サイクロンユニット
10…ベース
11…テーブル
14…鋸刃
20…鋸刃カバー
30…第一の外壁部材
30b,31b…力受部(角度調整器)
31…中間壁部材
32…第二の外壁部材
33…取込口部材
33b…回動規制部(角度調整器)
34,44…蓋
35…掛止部材
36,46…サイクロン本体
36d,46d…切粉排出口
37,47…排気口部材
37a,47a…円盤部
37b…排気管部
37b1,47b1…排気口
W…切断材
Claims (4)
- 鋸刃を覆う鋸刃カバーと、その鋸刃カバーに配管接続される集塵容器とを有しており、円盤状の鋸刃の回転によって切粉が前記集塵容器に向けて吹き上げられて前記集塵容器内に集められる集塵容器付き丸鋸であって、
前記集塵容器は、吹き上げられてきた空気と切粉とを分離するために、第一の集塵室とサイクロンユニットと第二の集塵室とを有しており、
前記第一の集塵室は、空気とともに前記鋸刃側から吹き上げられてきた切粉を重力にて落下させ、落下させた切粉を貯める構成になっており、
前記サイクロンユニットは、前記第一の集塵室内にて落下せず前記第一の集塵室側から空気とともに送られてきた切粉を壁面に沿って回転させて落下させるサイクロン本体と、そのサイクロン本体の下方にて前記第二の集塵室に向けて前記切粉を排出する切粉排出口と、前記サイクロン本体の上方にて空気を排気する排気口とを有しており、
切粉と空気が前記第一の集塵室と前記サイクロンユニットとによって分離され、前記集塵容器には、切粉と空気とを分離するための布製のフィルターが設けられていないことを特徴とする集塵容器付き丸鋸。 - 請求項1に記載の集塵容器付き丸鋸であって、
鋸刃カバーと集塵容器との間には、前記集塵容器の前記鋸刃カバーに対する相対角度を調整する角度調整器が設けられていることを特徴とする集塵容器付き丸鋸。 - 請求項2に記載の集塵容器付き丸鋸であって、
鋸刃カバーが、ベースの上方にて該ベースに対して上下方向に傾動可能に取付けられており、前記鋸刃カバーを上位置にした際の前記鋸刃カバーと集塵容器との相対角度が、角度調整器によって前記鋸刃カバーを下位置にした際の前記相対角度よりも小さくなるように調整される構成になっていることを特徴とする集塵容器付き丸鋸。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の集塵容器付き丸鋸であって、
集塵容器は、第一の集塵室と第二の集塵室とに跨って延出する一の蓋を有しており、該一の蓋を開けることによって前記両集塵室内の切粉を廃棄できる構成になっていることを特徴とする集塵容器付き丸鋸。
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