JP2006087720A - 簡易便器の便容器 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、簡易便器内に出し入れ可能に装着される便容器を持運ぶ際、内容物がこぼれないようにすることを課題とする。
【解決手段】便容器３の容器本体３１に被着する蓋３２をロック機構３４によって該容器本体３１にロックし、持運び中にずれたりすることを防止する。
【選択図】 図１

Description

本発明は病人、老人、身体障害者等が主として室内で使用する簡易便器の便容器に関するものである。

図９に示すように、この種の簡易便器は、便器本体１上面開口部２から該容器本体１内に便容器３を挿入懸架し、更に該便器本体１の上面には便座４を載置し、該便座４の上側から便蓋５を被着した構成のものである。該便座４と該便蓋５とは後端を該便器本体１の上面後端にヒンジ６を介して跳ね上げ可能に枢着されている。
該便容器３は容器本体３１と、該容器本体３１に被着される蓋３２と、把手３３とからなる（例えば特許文献１参照）。

特許第３０３８４３４号公報

上記簡易便器にあっては、使用後便容器３に蓋３２を被着して便器本体１から取り出し、常設便所まで便容器３内の汚物を捨てる。

上記簡易便器を使用する場合、通常室内に便臭が漏れないように便容器３にあらかじめ適量の水を入れておき、便を該水中に沈ませて臭いを水封する。
しかしながら便容器３に水を入れておくと、該便容器３を常設便所まで運ぶ際、内容物が多いと蓋３２を被着してあっても、内容物が該便容器３からこぼれて周りを汚してしまうおそれがある。

本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、簡易便器本体１内に出し入れ可能に装着される便容器３であって、該便容器３は容器本体３１と該容器本体３１に被着される蓋３２と、該蓋３２を該容器本体３１にロックするロック機構３４とからなる簡易便器の便容器３を提供するものである。
該ロック機構３４の望ましい態様としては、該容器本体３１の上端開口部周縁には段面コの字形の折り曲げ部３１Ａが形成されており、該蓋３２の周縁には該容器本体３１の折り曲げ部３１Ａに外側適嵌する段面コの字形の折り曲げ部３２Ｂが形成されており、該ロック機構３４は把手部３４Ａと、該把手部３４Ａの根端に設けられている軸着部３４Ｂと、該軸着部３４Ｂより該把手部３４Ａとは反対側に差出され先端部が段面コの字形であるフック部３４Ｃとからなるロック部材３４であって、該ロック部材３４は該軸着部３４Ｂを介して該蓋３２の折り曲げ部３２Ｂ外周に少なくとも左右一個ずつ設けられているロック部材取付部３５に回動自在に取付けられており、ロック状態では該ロック部材３４のフック部３４Ｃが該蓋３２の折り曲げ部３２Ｂ下縁と該容器本体３１の折り曲げ部３１Ａ下縁とを外側から挟持する態様があり、更に上記態様にあっては、該ロック部材３４の軸着部３４Ｂの両端からは軸ピン３４Ｄが差出され、該軸ピン３４Ｄが該蓋３２の折り曲げ部３２Ｂ外周に設けられているロック部材取付部３５の一対の軸受けブラケット３６の軸孔３６Ａにそれぞれ嵌合されることによって、該ロック部材３４は該蓋３２の折り曲げ部３２Ｂ外周に該軸ピン３４Ｄを回動中心にして回転自在に取付けられていることが望ましい。そして該軸受けブラケット３６は弾性材料からなり、該ロック部材３４の一対の軸ピン３４Ｄ端面は相互逆向きに傾斜している斜面３４１Ｄとされていることが望ましい。

〔作用〕
［請求項１］
便容器３の蓋３２は、容器本体３１にロック機構３４によってロックされているので、該便容器３を持運ぶ際に該蓋３２がずれることなく該容器本体３１を閉鎖し、該容器本体３１内の内容物がこぼれることを防止する。
［請求項２］
該蓋３２の周縁折り曲げ部３２Ｂが該容器本体３１の上端周縁の折り曲げ部３１Ａに外側適嵌し、更にロック部材３４のフック部３４Ｃが、該蓋３２の折り曲げ部３２Ｂ下縁と該容器本体３１の折り曲げ部３１Ａ下縁とを合せて外側から挟持するので、蓋３２の密着性が向上し、該容器本体３１内の内容物のこぼれは確実に防止される。
［請求項３］
該ロック部材３４の軸着部３４Ｂの軸ピン３４Ｄ，３４Ｄを該蓋３２の軸受けブラケット３６，３６の軸孔３６Ａ，３６Ａにそれぞれ嵌合することによって、該ロック部材３４は該蓋３２に簡単に回動自在に取付けられる。
［請求項４］
該軸受けブラケット３６を弾性材料によって構成し、該ロック部材３４の一対の軸ピン３４Ｄ，３４Ｄの端面を相互逆向きに傾斜している斜面３４１Ｄ，３４１Ｄとすることによって、一対の軸受けブラケット３６間に該ロック部材３４の軸着部３４Ｂを挿入する時、該軸ピン３４Ｄ，３４Ｄの斜面３４１Ｄ，３４１Ｄがそれぞれ内側に閉じるような角度で傾斜している側から挿入すると、該軸ピン３４Ｄ，３４Ｄの斜面３４１Ｄ，３４１Ｄのくさび効果によって該軸受けブラケット３６，３６が外側に押しのけられ、該軸受けブラケット３６，３６間に該ロック部材３４の軸着部３４Ｂを挿入し取付けることが容易に行なうことが出来、また該ロック部材３４の軸着部３４Ｂを上記挿入方向とは逆方向に軸受けブラケット３６，３６間から引抜こうとしても、この場合は該軸着部３４Ｂの軸ピン３４Ｄ，３４Ｄの斜面３４１Ｄ，３４１Ｄが引抜き方向に対しては外側に開くような角度に傾斜していることになり、引抜きは容易に出来ない。したがって該ロック部材３４の軸着部３４Ｂは該軸受けブラケット３６，３６間に強固に取付けられていることになる。

〔効果〕
本発明では簡易便器本体内に出し入れ可能に装着される便容器の蓋をロックするので、該便容器を持運ぶ際に該容器本体内の内容物がこぼれることが防止され、室内において取扱いが容易になる。

本発明を図１〜図８に示す一実施例によって説明すれば、図１に示す便容器３は合成樹脂を材料とし、容器本体３１と、該容器本体３１の上端開口部に被着される蓋３２と、該容器本体３１の上端部に枢着されているコの字形の把手３３と、該蓋３２の左右に一個ずつ設けられているロック機構３４，３４とからなる。

該蓋３２の中央部には把手３２Ａが隆起形成されており、周縁には図２に示すように段面コの字形の折り曲げ部３２Ｂが形成されており、該ロック機構であるロック部材３４，３４は該蓋３２の折り曲げ部３２Ｂの外周に設けられているロック部材取付部３５の一対の軸受けブラケット３６，３６に回動自在に取付けられる。

図３および図４に示すように、該蓋３２のロック部材取付部３５の軸受けブラケット３６，３６には軸孔３６Ａ，３６Ａがそれぞれ設けられており、該軸孔３６Ａ，３６Ａの下側部分３６Ｂ，３６Ｂはそれぞれ内側に凹陥した状態に設定されている。そして該ロック部材取付部３５において該蓋３２の折り曲げ部３２Ｂ外周には凹陥部３２Ｃが形成されることによって、該ロック部材取付部３５に取付けられるロック部材３４と該折り曲げ部３２Ｂとの干渉を防いでいる。

更に該蓋３２のロック部材取付部３５，３５の後側には、該容器本体３１に取付けられている把手３３との干渉を避けるため、折り曲げ部３２Ｂ外周を切欠いて切欠き部３２Ｄが形成されている。

該ロック部材３４は図５、図６に示すように、把手部３４Ａと、該把手部３４Ａの根端に屈曲形成されている軸着部３４Ｂと、該軸着部３４Ｂより該把手部３４Ａとは反対側に差出されているフック部３４Ｃとからなり、該フック部３４Ｃは段面コの字形をしており、該軸着部３４Ｂの両側から軸ピン３４Ｄ，３４Ｄが差出されている。

図７に示すように、該軸ピン３４Ｄ，３４Ｄの端面は斜面３４１Ｄ，３４１Ｄとされており、該斜面３４１Ｄ，３４１Ｄは該把手部３４Ａの両側縁に対してそれぞれ＋θ，−θの角度で対称的に傾斜している。こゝに＋θ，−θの角度とは、各斜面３４１Ｄ，３４１Ｄが把手部３４Ａの先端方向（上方）に対して相互外側に開くような角度、逆に云えばフック部３４Ｃの先端方向（下方）に対して相互内側に閉じるような角度を云う。

上記ロック部材３４を蓋３２の外周ロック部材取付部３５に取付けるには、図４に示すように該ロック部材３４の軸着部３４Ｂを上方から一対の軸受けブラケット３６，３６間に嵌入する。この時該軸着部３４Ｂの軸ピン３４Ｄ，３４Ｄの端面（斜面３４１Ｄ，３４１Ｄ）は上記したようにそれぞれ下方に対して内側に閉じるような角度で対称的に傾斜しているから、該軸ピン３４Ｄ，３４Ｄはその斜面３４１Ｄ，３４１Ｄのくさび効果によって、弾性材料である合成樹脂からなる該一対の軸受けブラケット３６，３６を外側に押しのけつゝ該軸孔３６Ａ，３６Ａに嵌合する。

このようにして該ロック部材３４，３４は蓋３２の外周ロック部材取付部３５に容易に取付けられるが、該ロック部材３４を上方に引抜こうとしても、該ロック部材３４の軸着部３４Ｂの軸ピン３４Ｄ，３４Ｄの斜面３４１Ｄ，３４１Ｄは前記したように相互外側に開くような角度で対称的に傾斜しているから、該軸ピン３４Ｄ，３４Ｄは軸受けブラケット３６，３６から容易にははずれないようになっている。

このようにしてロック部材３４，３４を取付けた該蓋３２は該容器本体３１の上端開口部に被着されるが、該容器本体３１の上端開口部周縁には該蓋３２の周縁折り曲げ部３２Ｂが外側適嵌する段面コの字形の折り曲げ部３１Ａが形成されている。

そして図８イに示すアンロック状態から、把手部３４Ａを介してロック部材３４を軸ピン３４Ｄ，３４Ｄを中心として矢印方向に回動させると、図８ロに示す中間状態から図８ハに示すロック状態になる。該ロック状態では該容器本体３１の上端開口部の折り曲げ部３１Ａの下縁と該蓋３２の折り曲げ部３２Ｂの下縁とを合せて、該ロック部材３４のフック部３４Ｃによってきつく挟持され、蓋３２は該容器本体３１を密閉する。したがって便容器３を持運ぶ時、内容物が多くてもこぼれる心配がない。

本発明は上記実施例によって限定されるものではなく、ロック部材３４の軸着部３４Ｂの軸ピン３４Ｄの端面の傾きを上下逆にしてもよく、この場合には、該ロック部材３４の軸着部３４Ｂを該軸受けブラケット３６，３６間に下方から挿入する。
またロック部材に代えて該容器本体３１の折り曲げ部３１Ａ下縁と該蓋３２の折り曲げ部３２Ｂとを合せてクリップで挟圧してもよい。

本発明の便容器は蓋が密閉状態でロックされるので、持運んでも内容物がこぼれないから、室内で使用する簡易便器に適用して極めて便利である。

図１〜図８は本発明の一実施例を示すものである。
斜視図 便容器上部側断面図 蓋のロック部材取付部斜視図 蓋のロック部材取付部の説明正面図 ロック部材の表側斜視図 ロック部材の裏側斜視図 ロック部材の正面図 イ．アンロック状態説明図 ロ．中間状態説明図 ハ．ロック状態説明図 従来例の説明斜視図

符号の説明

１ 便器本体
３ 便容器
３１ 容器本体
３１Ａ 折り曲げ部
３２ 蓋
３２Ａ 把手
３２Ｂ 折り曲げ部
３２Ｃ 凹陥部
３２Ｄ 切欠き部
３３ 把手
３４ ロック部材（ロック機構）
３４Ａ 把手部
３４Ｂ 軸着部
３４Ｃ フック部
３４Ｄ 軸ピン
３４１Ｄ 斜面
３５ 取付部
３６ 軸受けブラケット
３６Ａ 軸孔

Claims (4)

1. 簡易便器本体内に出し入れ可能に装着される便容器であって、該便容器は容器本体と該容器本体に被着される蓋と、該蓋を該容器本体にロックするロック機構とからなることを特徴とする簡易便器の便容器。
2. 該容器本体の上端開口部周縁には段面コの字形の折り曲げ部が形成されており、該蓋の周縁には該容器本体の折り曲げ部に外側適嵌する段面コの字形の折り曲げ部が形成されており、該ロック機構は把手部と、該把手部の根端に設けられている軸着部と、該軸着部より該把手部とは反対側に差出され先端部が段面コの字形であるフック部とからなるロック部材であって、該ロック部材は該軸着部を介して該蓋の折り曲げ部外周に少なくとも左右一個ずつ設けられているロック部材取付部に回動自在に取付けられており、ロック状態では該ロック部材のフック部が該蓋の折り曲げ部下縁と該容器本体の折り曲げ部下縁とを外側から挟持する請求項１に記載の簡易便器の便容器。
3. 該ロック部材の軸着部の両端からは軸ピンが差出され、該軸ピンが該蓋の折り曲げ部外周に設けられているロック部材取付部の一対の軸受けブラケットの軸孔にそれぞれ嵌合されることによって、該ロック部材は該蓋の折り曲げ部外周に該軸ピンを回動中心にして回転自在に取付けられている請求項２に記載の簡易便器の便容器。
4. 該軸受けブラケットは弾性材料からなり、該ロック部材の一対の軸ピン端面は相互逆向きに傾斜している斜面とされている請求項３に記載の簡易便器の便容器。

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