JP2006086867A - 高周波能動装置,高周波モジュール及び通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 DC電極内の帯域外信号を抑圧して寄生発振を防止することにより、動作特性の向上を図った高周波能動装置,高周波モジュール及び通信装置を提供する。
【解決手段】 入力側及び出力側スロットライン3,4と第1及び第2DCカットライン5−1,5−2,6−1,6−2とが基板1上に形成されて、第1及び第2のDC電極5,6とグランド電極34とが画成されている。トランジスタ2は第1及び第2のDC電極5,6とグランド電極34にそれぞれフリップチップ接続されている。また、第1及び第2DCカットライン5−1,5−2,6−1,6−2は、ショートスタブ55,65とテーパ部56,66を有する。そして、第1及び第2のDC電極5,6が、高インピーダンスのインダクタ部51,61をその中途部に有している。
【選択図】図1

Description

この発明は、ミリ波帯又はマイクロ波帯に用いられる高周波能動装置,高周波モジュール及び通信装置に関するものである。
近年、この種の高周波能動装置において、スロットラインを用いると、半導体素子などとの接続が容易であり且つバランスのとれた高周波信号を伝搬することができることなどから、スロットラインを高周波信号の入出力ラインやモジュールの一部に使用するようになってきている(例えば特許文献1)。
図20は、特許文献1の高周波能動装置を示す概略平面図である。
図20に示すように、この高周波能動装置は高周波増幅器であり、高周波の伝送信号を入出力するためのスロットライン100,101上に、FET200を実装した構成になっている。
具体的には、スロットライン100,101が直列に配され、平行なスロットライン100′,101′が、これらスロットライン100,101の端部に直角に連結されて、伝送信号Mの波長の1/4の長さまで延出している。そして、これらスロットライン100′,101′の延長上に、DC(直流)カット回路110が形成されている。DCカット回路110は、スロットライン100′,101′からそれぞれ延出した一定幅の細いDCカットライン111,112とこれらDCカットライン111,112に形成された略円形のスタブ113,114とでなり、これらのラインによって、基板300が、グランド電極301とゲート電極302とドレイン電極303とに分離されている。FET200は、ソース端子Sをグランド電極301に、ゲート端子Gをゲート電極302に、ドレイン端子Dをドレイン電極303にそれぞれ接続した状態で、基板300上に実装され、直流のバイアス電圧がゲート電極302,ドレイン電極303からゲート端子G,ドレイン端子Dに供給されるようになっている。
かかる構成により、MをFET200がスロットライン100から入力した高周波信号を増幅して、スロットライン101から出力する。そして、DCカット回路110のスタブ113,114が、伝送信号Mのスロットライン100′,101′側への漏洩を阻止している。
特開2002−280847号公報
しかし、上記した高周波能動装置では、次のような問題がある。
スロットライン100,101を伝搬する伝送信号Mは、DCカット回路110によってスロットライン100′,101′側に漏洩することを阻止されるが、伝送信号M以外の周波数、即ち1/4波長のスタブ113,114の帯域外の高周波信号はスロットライン100′,101′側に流れ込む。このとき、DCカットライン111,112が電極を形成するマイクロストリップラインやコプレーナラインである場合には、帯域外信号の電磁波は電極上を伝搬する。したがって、基板300の端部にDC供給線が接続されていれば、DCカットライン111,112が当該基板縁部で急激にオープンに見えることはない。
しかしながら、DCカットライン111,112は、スロットラインであり、帯域外信号の電磁波がゲート電極302とドレイン電極303との間の溝内に伝搬するので、基板端部にDC供給線が接続されていても、DCカットライン111,112の開口端111a,112aが急激にオープンに見えてしまう。すなわち、DCカットライン111,112側から見て、開口端111a,112aのインピーダンスが急激に増加した状態になってしまう。このため、高周波のうち比較的周波数が低い帯域外信号がDCカットライン111,112を伝搬して開口端111a,112aにおいて反射し、寄生発振を起こすおそれがあった。
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、DC電極内の帯域外信号を抑圧して寄生発振を防止することにより、動作特性の向上を図った高周波能動装置,高周波モジュール及び通信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、基板縁から中央部に向かう入力側スロットラインと、この入力側スロットラインの閉端部の近傍から基板縁に向かう出力側スロットラインと、入力側スロットラインの閉端部側において分岐し且つ基板の縁で開口して第1のDC電極を画成する一対の第1DCカットラインと、出力側スロットラインの閉端部側において分岐し且つ一対の第1DCカットラインとは逆側の基板の縁で開口して第2のDC電極を画成する一対の第2DCカットラインと、ゲートを第1のDC電極に接続すると共にドレインを第2のDC電極に接続し、且つソースをこれら第1及び第2のDC電極以外の電極に接続したトランジスタとを具備する高周波能動装置であって、一対の第1DCカットラインは、入力側スロットラインとの分岐箇所をショートとすると共に、伝送信号の波長の4分の1だけ分岐点から第1DCカットライン内に入った箇所をオープンとし、一対の第2DCカットラインは、出力側スロットラインとの分岐箇所をショートとすると共に、伝送信号の波長の4分の1だけ分岐点から第2DCカットライン内に入った箇所をオープンとし、第1のDC電極は、入力側スロットラインの閉端部から基板の縁に至る中途部に、インダクタ部を有し、第2のDC電極は、出力側スロットラインの閉端部から基板の縁に至る構成とした。
かかる構成により、第1及び第2のDC電極に直流バイアス電圧を印加して、トランジスタを作動状態にすることができる。かかる状態で、伝送信号が入力側スロットラインを伝送し、入力側スロットラインの閉端部側に至ると、一対の第1DCカットラインがそこに存在するので、伝送信号はこれら一対の第1DCカットライン内に入り込もうとする。すなわち、伝送信号が第1DCカットライン側に漏洩するおそれがある。しかし、これら一対の第1DCカットラインにおいては、入力側スロットラインとの分岐箇所がショートで、当該伝送信号の波長の4分の1だけ分岐点から第1DCカットライン内に入った箇所がオープンとなっているので、伝送信号が一対の第1DCカットライン内に入り込むことはない。この結果、伝送信号は、ゲートからトランジスタ内に入り、増幅されてドレインから出力用スロットラインの閉端部側に出力される。このとき、一対の第2DCカットラインがそこに存在し、トランジスタから出力された伝送信号はこの一対の第2DCカットラインに入り込もうとする。しかし、一対の第2DCカットラインにおいても、出力側スロットラインとの分岐箇所がショートで、伝送信号の波長の4分の1だけ分岐点から第2DCカットライン内に入った箇所がオープンとなっているので、伝送信号は一対の第2DCカットライン内に入り込むことはなく、出力用スロットラインを伝わって基板縁に向い、出力される。ところが、伝送信号と異なる周波数の高周波信号即ち帯域外信号が入力用スロットラインや出力用スロットラインを伝搬した場合には、第1及び第2DCカットライン内に入り込み、その帯域外信号の電流が第1及び第2のDC電極上を伝搬するおそれがある。当該電流は、第1及び第2のDC電極上において、入力側及び出力側スロットラインの閉端部から基板の縁に向かって伝搬しようとする。しかしながら、第1及び第2のDC電極は、入力側及び出力側スロットラインの閉端部から基板の縁に至る中途部に、インダクタ部を有しているので、このインダクタ部が高周波電流に対して高インピーダンスを持つ。このため、帯域外信号の電磁波が第1及び第2DCカットライン内を伝搬することが抑制されることとなる。すなわち、帯域外信号の電磁波が第1及び第2DCカットライン内に入り込んで、寄生発振を発生させるという確率が減少し、直流のバイアス信号のみを第1及び第2のDC電極に供給することができることとなる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の高周波能動装置において、第1及び第2のDC電極のインダクタ部は、中途部を幅方向に絞って形成した所定長さで狭幅の直状ラインである構成とした。
かかる構成により、第1及び第2のDC電極のインダクタ部に高インピーダンスを得ることができる。
請求項3の発明は、請求項1に記載の高周波能動装置において、第1及び第2のDC電極のインダクタ部は、メアンダ状のコイルである構成とした。
かかる構成により、第1及び第2のDC電極のインダクタ部が、メアンダ状のコイル構造になっているので、誘導性が増加してインピーダンスがさらに増加する。しかも、線路長が長く、帯域外信号の伝搬長が長くなる。
請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載の高周波能動装置において、伝送信号の波長の4分の1の長さのショートスタブを分岐点から第1及び第2DCカットライン内に波長の4分の1だけ入った箇所に設けることによって、当該箇所をオープンにすると共に、当該オープンの箇所から基板の縁に向かう部分を略テーパ状に拡開させた構成とする。
かかる構成により、ショートスタブがあるオープンの箇所から基板の縁に向かう部分が略テーパ状にそれぞれ拡開しているので、帯域外信号等がこのオープンの箇所で反射し、第1及び第2DCカットラインの開口部分に至ることはない。しかも、このオープンの箇所とトランジスタとの距離が短いので、高周波のうち比較的周波数が低い帯域外信号即ち波長の長い帯域外信号がこのオープンの箇所とトランジスタとの間で寄生発振を起こすおそれはない。また、高周波のうち比較的周波数が高いミリ波帯の帯域外信号に対しては、トランジスタの利得が低いので、このミリ波帯の帯域外信号がこのオープンの箇所とトランジスタとの間で寄生発振を起こす確率は非常に低い。
請求項5の発明は、請求項4に記載の高周波能動装置において、略テーパ状部分の側壁に、寄生発振が予想される周波数の波長の4分の1の幅の凹部を当該波長の4分の1の間隔で複数設けることにより、高周波チョーク部を形成した構成とする。
かかる構成により、一対の第1及び第2DCカットラインにおいて、略テーパ状の部分の側壁に沿って伝搬するモードの発生が高周波チョーク部によって抑制される。
請求項6の発明は、請求項2または請求項3に記載の高周波能動装置において、分岐点から第1及び第2DCカットライン内に伝送信号の波長の4分の1だけ入った箇所を略180度拡開させることにより、当該箇所をオープンにすると共に、当該オープンの箇所から基板の縁に向かう部分を略矩形状に形成した構成とする。
かかる構成により、オープンの箇所から基板の縁に向かって略矩形状に拡開しているので、帯域外信号などの大部分がこのオープンの箇所で反射され、しかも、このオープンの箇所とトランジスタとの距離が短いので、帯域外信号がこのオープンの箇所とトランジスタとの間で寄生発振するおそれが非常に少なくなる。
請求項7の発明は、請求項6に記載の高周波能動装置において、略矩形状部分の側壁に、寄生発振が予想される周波数の波長の4分の1の幅の凹部を当該波長の4分の1の間隔で複数設けることにより、高周波チョーク部を形成した構成とする。
かかる構成により、一対の第1及び第2DCカットラインにおいて、略矩形状の部分の側壁に沿って伝搬するモードの発生が高周波チョーク部によって抑制される。
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の高周波能動装置において、第1及び第2DCカットラインの開口を、第1の電波吸収体を用いてそれぞれ塞いだ構成とする。
かかる構成により、一対の第1及び第2DCカットラインの開口に至った帯域外信号の電波が第1の電波吸収体に吸収される。
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の高周波能動装置において、第1及び第2DCカットラインの上方の一部又は全部を第2の電波吸収体でそれぞれ覆った構成とする。
かかる構成により、一対の第1及び第2DCカットラインの上方に放射される帯域外信号の電波が第2の電波吸収体に吸収される。
高周波モジュールが、請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の高周波能動装置を備えた構成とする。
請求項11の発明は、通信装置が、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の高周波能動装置を備えた構成とする。
以上詳しく説明したように、請求項1ないし請求項9の発明によれば、第1及び第2のDC電極に設けたインダクタ部により、帯域外の高周波信号の伝搬を抑制して、これらの信号による寄生発振の発生を減少させるので、動作特性の優れた高周波能動装置を提供することができるという優れた効果がある。
また、請求項2及び請求項3の発明によれば、第1及び第2のDC電極のインダクタ部のインピーダンスが高められるので、寄生発振の発生をさらに減少させることができる。特に、請求項3の発明では、帯域外信号の伝搬長を長くするので、導体損失が高く、この結果、帯域外信号を効果的に減衰させることができる。
また、請求項4及び請求項6の発明によれば、トランジスタとの距離が短いオープンの箇所で、帯域外信号などの大部分が反射されるので、寄生発振の抑制をさらに高めることができる。特に、請求項6の発明によれば、分岐点から第1及び第2DCカットライン内に伝送信号の波長の4分の1だけ入った箇所を略180度拡開させることにより、当該箇所をオープンにしたので、略矩形部分の側壁が当該オープン箇所から連続しないで離れる。これにより、側壁部分に沿って伝搬する電磁波の伝搬をも防ぐことができる。
また、請求項5及び請求項7の発明によれば、一対の第1及び第2DCカットラインの側壁に沿って伝搬するモードの発生をも高周波チョーク部によって抑制することができるので、寄生発振のさらなる抑制を図ることができる。
特に、請求項8及び請求項9の発明によれば、一対の第1及び第2DCカットラインの開口や上方から放射される帯域外信号の電波が第1及び第2の電波吸収体に吸収されるので、帯域外信号による反射波の発生自体を抑圧することができる。
請求項10の発明によれば、高周波能動装置を用いて高周波モジュールを構成したので、動作特性に優れた高周波モジュールを提供することができる。
また、請求項11の発明によれば、高周波能動装置を用いて通信装置を構成したので、動作特性に優れた通信装置を提供することができる。
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係る高周波能動装置を構成する基板とトランジスタとを示す斜視図であり、図2は、この第1実施例に係る高周波能動装置を示す概略平面図であり、図3は、トランジスタの端子を示す概略平面図であり、図4は、トランジスタの接続状態を示す部分拡大断面図であり、図5は、トランジスタの接続状態を示す部分拡大平面図である。
図1に示すように、この実施例の高周波能動装置は高周波増幅器であり、基板1とチップ状のトランジスタ2とを備えてなる。
基板1は、誘電体板1aとその両面に設けられた導体1bとでなり、上面の導体1bの所定部が削除されて、入力側スロットライン3と、出力側スロットライン4と、一対の第1DCカットライン5−1,5−2と、一対の第2DCカットライン6−1,6−2とが形成され、これらのラインによって、第1のDC電極5と第2のDC電極6とグランド電極34,30,40とが画成されている。
図2に示すように、入力側スロットライン3は、所望周波数(例えばミリ波帯60GHz前後の周波数)の伝送信号M(図1参照)を入力して伝送するための線路であり、基板縁に形成された開口端3aから基板1の中央部に向かい、その先端3bが閉じてショート(短絡)になっている。また、この入力側スロットライン3は、部分的に湾曲して、トランジスタ2を第1のDC電極5に接続するためのパッド部50を形成している。
一方、出力側スロットライン4は、上記伝送信号Mを出力伝送するための線路であり、入力側スロットライン3の先端3bの近傍から基板縁に向かう。具体的には、基板1の中央部に位置するショートの先端4aから、開口端3aとは反対側の基板縁に設けられた開口端4bに向かっている。この出力側スロットライン4の先端部側も部分的に湾曲して、トランジスタ2を第2のDC電極6に接続するためのパッド部60を形成している。
第1DCカットライン5−1,5−2は、入力側スロットライン3の先端3b側において分岐し且つ基板の縁1cで開口して、第1のDC電極5を画成する。
具体的には、各第1DCカットライン5−1(5−2)は、入力側スロットライン3の先端3b(及び先端3bの手前)で略垂直に分岐して基板1端1cに向かい、その途中に、ショートスタブ55とテーパ部56とを有している。すなわち、第1DCカットライン5−1(5−2)は、入力側スロットライン3との分岐点S1からλ/4(λは上記伝送信号Mの波長)の位置に、長さλ/4のショートスタブ55を有し、これにより、当該箇所をオープンにしている。そして、テーパ部56がショートスタブ55の箇所から基板縁1cに向かって略テーパ状に拡開している。
このような構造の一対の第1DCカットライン5−1,5−2で画成された第1のDC電極5は、入力側スロットライン3の先端3b側から基板縁1cに至る中途部に、インダクタ部51を有している。具体的には、第1のDC電極5は、先端部52とインダクタ部51と基端部53とで構成されている。そして、狭幅線路のメアンダ状コイルでインダクタ部51を形成している。これにより、インダクタ部51が、第1のDC電極5を伝搬する高周波の帯域外信号の電流に対して高インピーダンス状態となって減衰させる。
一方、第2DCカットライン6−1,6−2は、出力側スロットライン4の先端4a側において分岐し且つ基板縁1dで開口して、第2のDC電極6を画成する。
各第2DCカットライン6−1(6−2)が、出力側スロットライン4の先端4a(及び先端4aの先)で略垂直に分岐して基板縁1dに向かい、その途中に、ショートスタブ65とテーパ部66とを有している。すなわち、第2DCカットライン6−1(6−2)も、出力側スロットライン4との分岐点S2からλ/4の位置に、長さλ/4のショートスタブ65を有して、当該箇所をオープンにしている。そして、テーパ部66がショートスタブ65の箇所から基板縁1dに向かって略テーパ状に拡開している。
かかる第2DCカットライン6−1,6−2で画成された第2のDC電極6も、インダクタ部61を出力側スロットライン4の先端4a側から基板縁1dに至る中途部に有している。すなわち、第2のDC電極6が、先端部62と、狭幅線路のメアンダ状コイルであるインダクタ部61と、基端部63とで構成され、インダクタ部61が、第2のDC電極6を伝搬する高周波の帯域外信号の電流を減衰させる。
図1に示すトランジスタ2は、入力側スロットライン3から入力された伝送信号Mの増幅処理を行って、出力側スロットライン4に出力する能動素子であり、この実施例ではFET(電界効果型トランジスタ)を適用している。
トランジスタ2は、図3にも示すように、コプレーナ形状に配設されたゲート端子G,ドレイン端子D,ソース端子Sを有し、図4及び図5に示すように、ゲート端子Gのバンプ20を第1のDC電極5のパッド部50に、ドレイン端子Dのバンプ20を第2のDC電極6のパッド部60に、両ソース端子Sのバンプ20をグランド電極34にそれぞれ位置させた状態でフリップチップ実装されている。
次に、この実施例の高周波能動装置が示す作用及び効果について説明する。
図2において、バイアス用の直流電圧を第1のDC電極5及び第2のDC電極6に印加すると共に、電磁界モードがTEモードの伝送信号Mを入力側スロットライン3に入力すると、伝送信号Mは、入力側スロットライン3内をトランジスタ2側に向かい、第1DCカットライン5−1(5−2)の分岐点S1(図2参照)に至る。このとき、第1DCカットライン5−1(5−2)のショートスタブ55の長さがλ/4であり、且つショートスタブ55が分岐点S1からλ/4の距離にあるので、分岐点S1がショートで且つスタブ55の箇所S3がオープン(開放)となる。このため、伝送信号Mは、第1DCカットライン5−1(5−2)内への伝搬を阻止されるので、入力側スロットライン3からトランジスタ2のゲート端子G及び両ソース端子S側に損失なく伝搬する。
そして、ゲート端子G側から入力した伝送信号Mがトランジスタ2で増幅されて、その増幅された伝送信号Mがドレイン端子D側から出力側スロットライン4に出力されることとなる。
このときも、第1DCカットライン5−1(5−2)の場合と同様に、第2DCカットライン6−1(6−2)の分岐点S2がショートで ショートスタブ65の箇所S4がオープンであるので、伝送信号Mは、第2DCカットライン6−1(6−2)内への伝搬を阻止され、損失することなく、出力側スロットライン4内を開口端4b側に向かうこととなる。
上記の如く、波長λの伝送信号Mは、ショートスタブ55,65の機能によって、第1及び第2DCカットライン5−1(5−2),6−1(6−2)への伝搬を阻止される。これに対して、帯域外信号は、ショートスタブ55,65の機能によって伝搬を阻止されることはない。
すなわち、第1及び第2DCカットライン5−1(5−2),6−1(6−2)において、ショートスタブ55,65の箇所S3,S4から基板1端1c,1d間の形状が、図20に示した従来技術のごとく直状の場合には、伝送信号Mの帯域外の周波数を持つ信号即ち波長の異なる高周波の帯域外信号が箇所S3,S4で阻止されることなく、第1及び第2DCカットライン5−1(5−2),6−1(6−2)を伝搬することになる。この結果、これらの帯域外信号が第1及び第2DCカットライン5−1(5−2),6−1(6−2)の基板縁1c,1dにおけるオープン状態の開口部で反射してトランジスタ2側に向かう。そして、帯域外信号が当該開口部間で共振を起こし、トランジスタ2で増幅されることによって、発振を起こすおそれがある。特に、トランジスタ2の利得が比較的大きな低周波数帯において発振を起こす可能性が高い。
しかしながら、この実施例では、第1及び第2DCカットライン5−1(5−2),6−1(6−2)のテーパ部56,66が箇所S3,S4から基板1端1c,1dに向かって拡開しているので、箇所S3,S4はほぼオープン状態になる。このため、帯域外信号の大部分がこの箇所S3,S4で反射し、テーパ部56,66への侵入が阻止される。この結果、比較的周波数が低い帯域外信号による寄生発振はほとんど生じない。ところで、帯域外信号のうち比較的周波数が高い帯域外信号は、その波長が短いので、当該箇所S3,S4とトランジスタ2との間で寄生発振を起こすおそれがある。しかしながら、増幅器に使用するトランジスタでは、高周波になればなる程、その利得が低くなるのが通常であり、このような極めて高い周波数の帯域外信号を発振が可能な状態まで増幅することは困難である。
また、帯域外信号の一部がオープンの箇所S3,S4を越えて第1及び第2DCカットライン5−1(5−2),6−1(6−2)に侵入し、帯域外信号の電磁波が第1及び第2DCカットライン5−1(5−2),6−1(6−2)内を伝搬すると、高周波の帯域外信号の電流が第1及び第2のDC電極5,6上を流れ、バイアス電圧に悪影響を与える。
しかしながら、この実施例の第1及び第2のDC電極5,6は、その中途部にインダクタ部51,61を有しているので、先端部52,62を流れた高周波の帯域外信号の電流は、高インピーダンスのインダクタ部51,61を通る間に減衰される。このため、第1及び第2DCカットライン5−1(5−2),6−1(6−2)内の帯域外信号の伝搬が抑制される。しかも、インダクタ部51,61が、狭幅線路で形成されたメアンダ状のコイルであるので、帯域外信号の電流が流れる線路長が長く、帯域外信号の電流が受ける導体損失が高い。この結果、伝送信号Mと異なる周波数の帯域外信号をインダクタ部51,61で効果的に減衰させることができるので、第1及び第2のDC電極5,6には、直流のバイアス電圧のみを供給することができる。
以上のようにこの実施例の高周波能動装置によれば、帯域外信号による高周波電流を第1及び第2のDC電極5,6のインダクタ部51,61によって減衰させると共に、第1及び第2DCカットライン5−1,5−2の箇所S3,S4のオープン状態によって、帯域外信号の寄生発振を防止することができるので、高周波能動装置は安定した動作特性を示す。
発明者等は、かかる効果を確認すべく次のようなシミュレーションを行った。
図6は、第1のDC電極5にインダクタ部51を有さず且つ第1DCカットライン5−1,5−2にテーパ部56を有しない従来型の高周波能動装置を示す概略平面図であり、図7は、この実施例型の高周波能動装置を示す概略平面図である。
なお、図6及び図7において、トランジスタはシミュレーション上能動素子として扱わず、誘電体と伝送線路で構成した受動素子2′として表示した。また、矢印P1は、所定周波数の高周波信号を入力側スロットライン3側から入力することを示し、矢印P2は、所定周波数の高周波信号を受動素子2′の出力ポート側から入力することを示す。
まず、高周波信号を入力側スロットライン3から受動素子2′のゲート側に入力した場合に生じる高周波遮断効果の比較を図6と図7に示す高周波能動装置を用いてシミュレーションした。なお、各図において高周波信号の伝搬による電界分布を縞模様で示した。
図8は、従来型の装置における電界分布を示す概略平面図であり、図8(a)は帯域内の高周波信号を入力した場合を示し、図8(b)は帯域外の高周波信号を入力した場合を示す。また、図9は、この実施例型の装置における電界分布を示す概略平面図であり、図9(a)は帯域内の高周波信号を入力した場合を示し、図9(b)は帯域外の高周波信号を入力した場合を示す。
帯域内周波数60GHzの高周波信号(以下「伝送信号」と記す。)を従来型の高周波能動装置の入力側スロットライン3から受動素子2′のゲートに入力したところ、図8(a)に示すように、伝送信号は受動素子2′のドレイン側に伝搬され、第1DCカットライン5−1,5−2にはほとんど伝搬しなかった。また、帯域外周波数12.5GHzの高周波信号(以下「帯域外信号」と記す。)を従来型の高周波能動装置の入力側スロットライン3から受動素子2′のゲートに入力したところ、図8(b)に示すように、帯域外信号の大半部が第1DCカットライン5−2内を伝搬した。したがって、この従来型の高周波能動装置では、第1DCカットライン5−1,5−2内の帯域外信号に対して十分な遮断効果を得ることができない。
これに対して、伝送信号をこの実施例型の高周波能動装置の入力側スロットライン3から受動素子2′のゲートに入力したところ、図9(a)に示すように、伝送信号は受動素子2′のドレイン側に伝搬され、第1DCカットライン5−1,5−2にはほとんど伝搬しなかった。また、帯域外信号を入力側スロットライン3から受動素子2′のゲートに入力したところ、図9(b)に示すように、第1DCカットライン5−2のテーパ部56の側壁56aに沿って僅かに電界分布が存在するものの、帯域外信号の大部分がインダクタ部51によって遮断され、第1DCカットライン5−1,5−2内にほとんど侵入していない。したがって、この実施例型の高周波能動装置を用いることで、帯域外信号に対して十分な遮断効果を得ることができることが確認された。
次に、高周波信号を受動素子2′のドレイン側から入力した場合に生じる高周波遮断効果の比較を図6と図7に示す高周波能動装置を用いてシミュレーションした。なお、各図において高周波信号の伝搬による電界分布を縞模様で示した。
図10は、従来型の装置における電界分布を示す概略平面図であり、図10(a)は帯域内の高周波信号を入力した場合を示し、図10(b)は帯域外の高周波信号を入力した場合を示す。また、図11は、この実施例型の装置における電界分布を示す概略平面図であり、図11(a)は帯域内の高周波信号を入力した場合を示し、図11(b)は帯域外の高周波信号を入力した場合を示す。
帯域内周波数60GHzの高周波信号(伝送信号)を従来型の高周波能動装置の受動素子2′のドレイン側から入力したところ、図10(a)に示すように、伝送信号は受動素子2′のドレイン側から入力側スロットライン3側に伝搬し、第1DCカットライン5−1,5−2にはほとんど伝搬しなかった。また、帯域外周波数12.5GHzの高周波信号(帯域外信号)を従来型の高周波能動装置の受動素子2′のドレイン側から入力したところ、図10(b)に示すように、帯域外信号の大半が受動素子2′のドレイン側からゲートを通じて、第1DCカットライン5−1,5−2内に伝搬した。
これに対して、伝送信号をこの実施例型の高周波能動装置の受動素子2′のドレイン側から入力したところ、図11(a)に示すように、伝送信号は入力側スロットライン3に伝搬されたが、第1DCカットライン5−1,5−2にはほとんど伝搬されなかった。また、帯域外信号を受動素子2′のドレイン側から入力したところ、図11(b)に示すように、帯域外信号は入力側スロットライン3に伝搬しなかった。しかも、この帯域外信号は、第1のDC電極5のインダクタ部51で完全に遮断され、第1DCカットライン5−1,5−2内に伝搬しないことが確認された。
次に、この発明の第2実施例について説明する。
図12は、この発明の第2実施例に係る高周波能動装置を示す概略平面図である。
上記第1実施例の高周波能動装置では、図9(b)に示したように、帯域外信号が、第1DCカットライン5−2のテーパ部56の側壁56aに沿って伝搬するのがシミュレーション上で観測された。第1DCカットライン5−1,5−2内での寄生発振を完全に防止するには、かかる伝搬が生じないようにする必要がある。
そこで、この実施例では、図12に示すように、第1DCカットライン5−1,5−2のテーパ部56の側壁56aと第2DCカットライン6−1,6−2のテーパ部66の側壁66aとに、複数の凹部56b,66bを凹設して、高周波チョーク部を形成した。
かかる構成により、テーパ部56(66)の側壁56a(66a)を伝搬する帯域外信号は、凹凸の高周波チョーク部によって遮断され、かかる信号による寄生発振が防止される。
その他の構成,作用及び効果は上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
次に、この発明の第3実施例について説明する。
図13は、この発明の第3実施例に係る高周波能動装置を示す概略平面図である。
図13に示すように、この実施例の高周波能動装置では、第1DCカットライン5−1,5−2及び第2DCカットライン6−1,6−2のの開口を、第1の電波吸収体7−1を用いてそれぞれ塞ぐと共に、第1DCカットライン5−1,5−2及び第2DCカットライン6−1,6−2の上方の一部を、二点鎖線で示すように、第2の電波吸収体7−2でそれぞれ覆った構成をとる。
具体的には、長尺状の第1の電波吸収体7−1が、基板縁1c(1d)に固着され、テーパ部56(66)の開口を外側から塞いでいる。また、第2の電波吸収体7−2は幅広の長尺状に形成されており、テーパ部56(66)の上を通るように基板1上に載置固定され、テーパ部56(66)を上方より覆っている。
これにより、帯域外信号の電磁波がテーパ部56,66の開口及び上方で反射することを防止する。
その他の構成,作用及び効果は上記第1及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
次に、この発明の第4実施例について説明する。
図14は、この発明の第4実施例に係る高周波能動装置を示す概略平面図である。
図14に示すように、この実施例の高周波能動装置は、第1のDC電極5のインダクタ部51及び第2のDC電極6のインダクタ部61をメアンダ状コイルでなく、所定長さで狭幅の直状ラインにした点が、上記第1ないし第3実施例と異なる。
かかる構成により、インダクタ部51,61の構造が単純であるので、インダクタ部51,61の形成を容易且つ低コストで行うことができる。
その他の構成,作用及び効果は上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
次に、この発明の第5実施例について説明する。
図15は、この発明の第5実施例に係る高周波能動装置を示す概略平面図である。
上記第1ないし第4の実施例では、図1に示したように、長さλ/4のショートスタブ55を第1DCカットライン5−1(5−2)の分岐点S1からλ/4の位置に設けることで、当該箇所S3をオープンにすると共に、長さλ/4のショートスタブ65を第2DCカットライン6−1(6−2)の分岐点S2からλ/4の位置に設けることで、当該箇所S4をオープンにする構成としたが、この実施例では、ショートスタブを設けることなく、当該箇所S3,S4をオープンにする点が上記実施例と異なる。
すなわち、図15に示すように、入力側スロットライン3(出力側スロットライン4)の分岐点S1(S2)から第1DCカットライン5−1,5−2(第2DCカットライン6−1,6−2)内に伝送信号Mの波長の4分の1だけ入った箇所S3(S4)を略180度両側に拡開させる。これにより、インピーダンスが箇所S3(S4)を境に急激に増加し、当該箇所S3(S4)がオープンになる。
また、当該オープンの箇所S3(S4)から基板縁1c(1d)に向かう部分57(67)を略矩形状に形成した。
かかる構成により、分岐点S1(S2)がショートで、箇所S3(S4)がオープンであるので、入力側スロットライン3(出力側スロットライン4)を伝搬する伝送信号Mが、第1DCカットライン5−1,5−2(第2DCカットライン6−1,6−2)側に漏洩することはない。また、帯域外信号が第1DCカットライン5−1,5−2(第2DCカットライン6−1,6−2)に侵入した場合にも、この帯域外信号による電流は、第1のDC電極5のインダクタ部51で減衰される。しかも、矩形部分57(67)の開口が大きく拡開し、箇所S3(S4)がオープン状態になっているので、帯域外信号の大部分が当該箇所S3(S4)で反射し、矩形部分57(67)の侵入して寄生発振を起こすおそれが少ない。
その他の構成,作用及び効果は上記第1ないし第4実施例と同様であるので、その記載は省略する。
次に、この発明の第6実施例について説明する。
図16は、この発明の第6実施例に係る通信装置を示すブロック図である。
この実施例の特徴は、上記第1ないし第5実施例のいずれかの高周波能動装置を用いて通信装置を構成したことにある。
この通信装置は、ベースバンド部8−1と、ベースバンド部8−1に接続され高周波の信号を出力又は入力するRF部8−2と、RF部8−2に接続されたアンテナ共用器80(デュプレクサ)を介して高周波の信号を送信又は受信するアンテナ81とによって構成されている。
RF部8−2には、ベースバンド部8−1とアンテナ共用器80との間に接続された帯域通過フィルタ82、ローノイズアンプ9−1、ミキサ83、帯域通過フィルタ84、パワーアンプ9−2によって送信側が構成され、また、アンテナ共用器80とベースバンド部8−1の入力側に接続された帯域通過フィルタ85、ローノイズアンプ9−1、ミキサ86、帯域通過フィルタ87、パワーアンプ9−2によって受信側が構成されている。そして、ミキサ83,86には電圧制御発振器88が接続されている。
かかる構成において、送信側のローノイズアンプ9−1及びパワーアンプ9−2と受信側のローノイズアンプ9−1及びパワーアンプ9−2に、上記第1ないし第5実施例のいずれかの高周波能動装置を用いた。
これにより、送信時には、ベースバンド部8−1からの中間周波信号(IF信号)が、帯域通過フィルタ82で不要な信号が除去された後、ローノイズアンプ9−1によって増幅されてミキサ83に入力される。このとき、ミキサ83は、この中間周波信号と電圧制御発振器88からの搬送波とを掛け合わせて、中間周波信号を高周波信号(RF信号)にアップコンバートする。そして、ミキサ83から出力された高周波信号が、帯域通過フィルタ84で不要な信号が除去された後、パワーアンプ9−2によって送信電力に増幅された後、アンテナ共用器80を介してアンテナ81から送信される。
また、受信時には、アンテナ81で受信された高周波信号が、アンテナ共用器80を介して帯域通過フィルタ85に入力される。これにより、高周波信号が、帯域通過フィルタ85で不要な信号が除去された後、ローノイズアンプ9−1によって増幅されてミキサ86に入力される。このとき、ミキサ86は、この高周波信号と電圧制御発振器88からの搬送波とを掛け合わせて、高周波信号を中間周波信号にダウンコンバートする。そして、ミキサ86から出力された中間周波信号が、帯域通過フィルタ87で不要な信号が除去された後、パワーアンプ9−2によって増幅された後、ベースバンド部8−1に入力される。
そして、上記送受信時に、ローノイズアンプ9−1及びパワーアンプ9−2において、帯域外信号による寄生発振のない安定した増幅が行われるので、通信装置において、安定した動作特性の送受信が可能となる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1ないし第5実施例と同様であるので、その記載は省略する。
なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記第3実施例では、第1実施例の高周波能動装置に第1及び第2の電波吸収体7−1,7−2を付加した構成例を示したが、図17に示すように、第2実施例の高周波能動装置に第1及び第2の電波吸収体7−1,7−2を付加した構成とすることもできる。
また、上記第4実施例において第2実施例や第3実施例と同様に、高周波チョーク部や電波吸収体を設けることもできる。
図18は、第4実施例の各種変形例を示す概略平面図である。
すなわち、図18(a)に示すように、第1DCカットライン5−1,5−2のテーパ部56の側壁56aと第2DCカットライン6−1,6−2のテーパ部66の側壁66aとに、寄生発振が予想される周波数の波長の4分の1である幅の凹部56b,66bを当該波長の4分の1の間隔で凹設して、高周波チョーク部を形成することもできる。
さらに、図18(b)に示すように、高周波チョーク部を形成した高周波能動装置に第1及び第2の電波吸収体7−1,7−2を付加することもできる。
また、図18(c)に示すように、高周波チョーク部を設けずに、第1及び第2の電波吸収体7−1,7−2のみを付加することもできることは勿論である。
また、上記第5実施例においても上記のごとき変形が可能である。
図19は、第5実施例の各種変形例を示す概略平面図である。
例えば、第5実施例の高周波能動装置において、図19(a)に示すように、略矩形状の部分57(67)の側壁57a(67a)に、伝送信号Mの波長の4分の1の幅の凹部57b(67b)を当該波長の4分の1の間隔で複数設けることにより、高周波チョーク部を形成した構成とすることもできる。
また、第5実施例の高周波能動装置において、図19(b)に示すように、第1及び第2の電波吸収体7−1,7−2を付加する構成とすることもできる。
なお、上記第5実施例では、インダクタ部51,61がメアンダ状コイルの場合を例にして説明したが、図19(c)に示すように、インダクタ部51,61を直線状のラインとする高周波能動装置を発明の範囲から除外する意味ではない。また、かかる高周波能動装置において、高周波チョーク部や電波吸収体を付加する構成とすることもできることは勿論である。。
この発明の第1実施例に係る高周波能動装置を構成する基板とトランジスタとを示す斜視図である。 この第1実施例に係る高周波能動装置を示す概略平面図である。 トランジスタの端子を示す概略平面図である。 トランジスタの接続状態を示す部分拡大断面図である。 トランジスタの接続状態を示す部分拡大平面図である。 インダクタ部とテーパ部とを有しない従来型の高周波能動装置を示す概略平面図である。 この実施例型の高周波能動装置を示す概略平面図である。 従来型の装置における電界分布を示す概略平面図であり、図8(a)は帯域内の高周波信号を入力した場合を示し、図8(b)は帯域外の高周波信号を入力した場合を示す。 この実施例型の装置における電界分布を示す概略平面図であり、図9(a)は帯域内の高周波信号を入力した場合を示し、図9(b)は帯域外の高周波信号を入力した場合を示す。 従来型の装置における電界分布を示す概略平面図であり、図10(a)は帯域内の高周波信号を入力した場合を示し、図10(b)は帯域外の高周波信号を入力した場合を示す。 この実施例型の装置における電界分布を示す概略平面図であり、図11(a)は帯域内の高周波信号を入力した場合を示し、図11(b)は帯域外の高周波信号を入力した場合を示す。 この発明の第2実施例に係る高周波能動装置を示す概略平面図である。 この発明の第3実施例に係る高周波能動装置を示す概略平面図である。 この発明の第4実施例に係る高周波能動装置を示す概略平面図である。 この発明の第5実施例に係る高周波能動装置を示す概略平面図である。 この発明の第6実施例に係る通信装置を示すブロック図である。 第1実施例の一変形例を示す概略平面図である。 第4実施例の各種変形例を示す概略平面図である。 第5実施例の各種変形例を示す概略平面図である。 従来例の高周波能動装置を示す概略断面図である。
符号の説明
1…基板、 1c,1d…基板縁、 2…トランジスタ、 3…入力側スロットライン、 3a,4b…開口端、 3b,4a…先端、 4…出力側スロットライン、 5−1,5−2…第1DCカットライン5−1,5−2、 5…第1のDC電極、 6−1,6−2…第2DCカットライン、 6…第2のDC電極、 7−1…第1の電波吸収体、 7−2…第2の電波吸収体、 20…バンプ、 34…グランド電極、 50,60…パッド部、 51,61…インダクタ部、 52,62…先端部、 53,63…基端部、 55,65…ショートスタブ、 56,66…テーパ部、 56a,66a…側壁、 56b,66b…凹部、 57,67…矩形部分、 D…ドレイン端子、 G…ゲート端子、 M…伝送信号、 S…ソース端子。

Claims (11)

  1. 基板縁から中央部に向かう入力側スロットラインと、この入力側スロットラインの閉端部の近傍から基板縁に向かう出力側スロットラインと、上記入力側スロットラインの上記閉端部側において分岐し且つ基板の縁で開口して第1のDC電極を画成する一対の第1DCカットラインと、上記出力側スロットラインの閉端部側において分岐し且つ上記一対の第1DCカットラインとは逆側の基板の縁で開口して第2のDC電極を画成する一対の第2DCカットラインと、ゲートを上記第1のDC電極に接続すると共にドレインを上記第2のDC電極に接続し、且つソースをこれら第1及び第2のDC電極以外の電極に接続したトランジスタとを具備する高周波能動装置であって、
    上記一対の第1DCカットラインは、上記入力側スロットラインとの分岐箇所をショートとすると共に、伝送信号の波長の4分の1だけ当該分岐点から第1DCカットライン内に入った箇所をオープンとし、
    上記一対の第2DCカットラインは、上記出力側スロットラインとの分岐箇所をショートとすると共に、伝送信号の波長の4分の1だけ当該分岐点から第2DCカットライン内に入った箇所をオープンとし、
    上記第1のDC電極は、上記入力側スロットラインの閉端部から基板の縁に至る中途部に、インダクタ部を有し、
    上記第2のDC電極は、上記出力側スロットラインの閉端部から基板の縁に至る中途部に、インダクタ部を有する、
    ことを特徴とする高周波能動装置。
  2. 上記第1及び第2のDC電極のインダクタ部は、上記中途部を幅方向に絞って形成した所定長さで狭幅の直状ラインである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の高周波能動装置。
  3. 上記第1及び第2のDC電極のインダクタ部は、メアンダ状のコイルである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の高周波能動装置。
  4. 伝送信号の波長の4分の1の長さのショートスタブを上記分岐点から第1及び第2DCカットライン内に上記波長の4分の1だけ入った箇所に設けることによって、当該箇所を上記オープンにすると共に、当該オープンの箇所から基板の縁に向かう部分を略テーパ状に拡開させた、
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の高周波能動装置。
  5. 上記略テーパ状部分の側壁に、寄生発振が予想される周波数の波長の4分の1の幅の凹部を当該波長の4分の1の間隔で複数設けることにより、高周波チョーク部を形成した、
    ことを特徴とする請求項4に記載の高周波能動装置。
  6. 上記分岐点から第1及び第2DCカットライン内に伝送信号の波長の4分の1だけ入った箇所を略180度拡開させることにより、当該箇所を上記オープンにすると共に、当該オープンの箇所から基板の縁に向かう部分を略矩形状に形成した、
    ことを特徴とする 請求項2または請求項3に記載の高周波能動装置。
  7. 上記略矩形状部分の側壁に、寄生発振が予想される周波数の波長の4分の1の幅の凹部を当該波長の4分の1の間隔で複数設けることにより、高周波チョーク部を形成した、
    ことを特徴とする請求項6に記載の高周波能動装置。
  8. 上記第1及び第2DCカットラインの開口を、第1の電波吸収体を用いてそれぞれ塞いだ、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の高周波能動装置。
  9. 上記第1及び第2DCカットラインの上方の一部又は全部を第2の電波吸収体でそれぞれ覆った、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の高周波能動装置。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の高周波能動装置を備えた、 ことを特徴とする高周波モジュール。
  11. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の高周波能動装置を備えた、 ことを特徴とする通信装置。
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