JP2006086274A - 積層バリスタ,積層バリスタの実装構造及びバリスタモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 放熱能力に優れた積層バリスタを提供する。
【解決手段】 複数の第1導体層13と複数の第2導体層14がバリスタ層12を介して交互に、且つ、横方向で対向するように配された直方体形状の積層チップ11の上面11bに放熱導体部17が設けられ、該放熱導体部17が各第2導体層14の上縁に接続されているため、近傍に配置されたIC等の発熱性デバイスからの熱が第1電極部15及び第2電極部16を通じて各第1導体層13及び各第2導体層14に伝わると、また、バリスタ層12に電流が流れるときに発熱が生じると、これら熱は各第2導体層14から放熱導体部17に直接的に、且つ、高効率に伝わって該放熱導体部17から外部に効果的に放出される。
【選択図】 図1
【解決手段】 複数の第1導体層13と複数の第2導体層14がバリスタ層12を介して交互に、且つ、横方向で対向するように配された直方体形状の積層チップ11の上面11bに放熱導体部17が設けられ、該放熱導体部17が各第2導体層14の上縁に接続されているため、近傍に配置されたIC等の発熱性デバイスからの熱が第1電極部15及び第2電極部16を通じて各第1導体層13及び各第2導体層14に伝わると、また、バリスタ層12に電流が流れるときに発熱が生じると、これら熱は各第2導体層14から放熱導体部17に直接的に、且つ、高効率に伝わって該放熱導体部17から外部に効果的に放出される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、積層チップ内に複数の導体層(内部電極)を対向して備える積層バリスタと、積層バリスタを基板に実装して成る積層バリスタの実装構造と、複数の積層バリスタを導体板に設けて構成されたバリスタモジュールに関する。
積層バリスタは、直方体形状を成すチップ内に複数の内部電極がバリスタ層を介して対向するように配されている。複数の内部電極は平面形状が長方形状を成していて、各内部電極の長さ方向の端縁はチップの長さ方向の一方の面と他方の面に交互に引き出されている。一方の面に引き出された一部の内部電極の端縁は一方の外部電極に接続され、且つ、他方の面に引き出された残りの内部電極の端縁は他方の外部電極に接続されている。この積層バリスタは静電気のような異常電圧から回路及び回路構成素子を保護する機能を有する。
特開2003−68508号公報
積層バリスタは、その機能上、IC等の発熱性デバイスの近傍に配置されるため、該発熱性デバイスからの熱が伝わり易い。換言すれば、積層バリスタに放熱機能を持たせれば、放熱専用の部品を設ける必要がなくなる。
また、バリスタ層の粒子径にバラツキがあると粒界が少ない部分に局部的に電流が流れて発熱を生じ、該発熱によってバリスタ層に局部的な破壊が生じて本来の機能が低下する。つまり、発熱が生じた場合でも該熱を効果的に放熱できれば本来の機能が低下することを防止できる。
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、放熱能力に優れた積層バリスタ,積層バリスタの実装構造及びバリスタモジュールを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る積層バリスタは、複数の第1導体層と複数の第2導体層がバリスタ層を介して交互に、且つ、対向して配された直方体形状の積層チップと、積層チップの1つの面に設けられ、第1導体層と導通する少なくとも1つの第1電極部と、積層チップの前記1つの面に第1電極部と非接触で設けられ、第2導体層と導通する少なくとも1つの第2電極部と、積層チップの前記1つの面とは異なる少なくとも1つの面に設けられ、第1導体層と第2導体層の少なくとも一方と導通する少なくとも1つの放熱導体部とを備える。
また、本発明に係る積層バリスタの実装構造は、複数の第1導体層と複数の第2導体層がバリスタ層を介して交互に、且つ、対向して配された直方体形状の積層チップと、積層チップの1つの面に設けられ、第1導体層と導通する少なくとも1つの第1電極部と、積層チップの前記1つの面に第1電極部と非接触で設けられ、第2導体層と導通する少なくとも1つの第2電極部と、積層チップの前記1つの面とは異なる少なくとも1つの面に設けられ、第1導体層と第2導体層の少なくとも一方と導通する少なくとも1つの放熱導体部とを備える少なくとも1つの積層バリスタを、積層バリスタの第1電極部が実装面上の第1のランドに接続し第2電極部が実装面上の第2のランドに接続するように基板に実装して成る。
前記の積層バリスタと積層バリスタの実装構造によれば、発熱性デバイスからの熱が各電極部を通じて各導体層に伝わると、また、バリスタ層に電流が流れるときに発熱が生じると、これら熱は第1導体層と第2導体層の少なくとも一方から放熱導体部に直接的に伝わって該放熱導体部から外部に放出されることになる。
一方、本発明に係るバリスタモジュールは、所定形状の導体板と、複数の第1導体層と複数の第2導体層がバリスタ層を介して交互に、且つ、対向して配された直方体形状の積層チップと、積層チップの1つの面に設けられ、第1導体層と導通する少なくとも1つの第1電極部と、積層チップの前記1つの面に第1電極部と非接触で設けられ、第2導体層と導通する少なくとも1つの第2電極部とを備える複数の積層バリスタとを具備し、各積層バリスタを各々の積層チップの前記1つの面とは異なる面が導体板と向き合い、且つ、第1導体層と第2導体層の少なくとも一方が導体板と導通するように導体板に所定配列で設けて構成されている。
前記のバリスタモジュールにあっては、導体板を利用して複数の積層バリスタを基板に一括で実装することができる。また、発熱性デバイスからの熱が各電極部を通じて各導体層に伝わると、また、バリスタ層に電流が流れるときに発熱が生じると、これら熱は第1導体層と第2導体層の少なくとも一方から放熱導体部に直接的に伝わって該放熱導体部から外部に放出されることになる。
本発明によれば、放熱能力に優れた積層バリスタ,積層バリスタの実装構造及びバリスタモジュールを提供できる。
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
以下、図面を参照して、本発明に係る積層バリスタ,積層バリスタの実装方法及びバリスタモジュールの実施形態を説明する。
図1〜図4は積層バリスタの第1実施形態を示す。
因みに、図1(A)は積層バリスタの上面側から見た斜視図、図1(B)は積層バリスタの下面側から見た斜視図、図2(A)は図1(A)のb1−b1線断面図、図2(B)は図1(A)のb2−b2線断面図、図3(A)は図2(A)のb3−b3線断面図、図3(B)は図2(A)のb4−b4線断面図、図4(A)は図1(A)から第1電極部,第2電極部及び放熱導体部を除外した図、図4(B)は図1(B)から第1電極部,第2電極部及び放熱導体部を除外した図である。
この積層バリスタ10は、直方体形状を成す積層チップ11を備える。この積層チップ11は、複数(図中は4つ)の第1導体層13と複数(図中は5つ)の第2導体層14がバリスタ層12を介して交互に、且つ、横方向で対向するように配された構成を有する。
各第1導体層13は第2導体層14よりも一回り小さな長方形を成し、その下縁中央に所定幅の引出部13aを有している。各引出部13aの端縁は積層チップ11の下面11aで露出している。この引出部13aは後述の第1電極部15と接続可能であればその形状及び形成位置に特段の制限はない。また、各第1導体層13の上縁は積層チップ11の上面11bから離れた内側位置にあり、各第1導体層13の両側縁は積層チップ11の導体層積層方向と直交する方向の2側面から離れた内側位置にある。
各第2導体層14は積層チップ11の導体層積層方向の側面とほぼ同じ長方形を成す。また、各第2導体層14はその下縁中央に引出部13aの上下長さとほぼ同じ深さを有し、且つ、引出部13aよりも幅が大きな切欠部14aを有し、その両側に所定幅の引出部14bを計2個有している。各引出部14bの端縁は積層チップ11の下面11aに引出部13aの端縁と非接触で露出している。この引出部14bは後述の第2電極部16と接続可能であればその形状及び形成位置に特段の制限はない。さらに、各第2導体層14の上縁は積層チップ11の上面11bで露出しており、各第2導体層14の両側縁は積層チップ11の導体層積層方向と直交する方向の2側面で露出している。さらに、積層チップ11の導体層積層方向の2側面には第2導体層14がそれぞれ位置している。
積層チップ11の下面11aには、同下面11aに露出している各第1導体層13の引出部13aの端縁と接続する第1電極部15が、引出部13aの露出幅とほぼ一致した幅で積層チップ11の導体層積層方向に帯状に形成されている。
また、積層チップ11の下面11aには、同下面11aに露出している各第2導体層14の引出部14aの端縁と接続する2個の第2電極部16が、引出部14aの露出幅とほぼ一致した幅で積層チップ11の導体層積層方向に帯状に、且つ、第1電極部15と非接触で形成されている。
さらに、積層チップ11の上面11bには、同上面11bに露出している各第2導体層14の上縁と接続する放熱導体部17が、上面11bの全体を覆うように形成されている。後述の製法説明から明かなように、この放熱導体部17は導体被膜から成る。
前記の積層バリスタ10は、積層チップ11の下面11aに設けられた1個の第1電極部15に各第1導体層13の引出部13aの端縁が接続し、且つ、積層チップ11の下面11aに設けられた2個の第2電極部16に各第2導体層14の引出部14aの端縁が接続しており、各第2導体層14の上縁が積層チップ11の上面11bに設けられた放熱導体部17に接続されているため、積層チップ11の下面11aに設けられた第1電極部15と第2電極部16との間に所定の静電容量を得ることができる。
ここで、前記積層バリスタ10の製造方法の一例を図5〜図9を引用して説明する。
製造に際しては、まず、図5に示すシートS1及びS2を用意する。シートS1は酸化亜鉛等の半導体セラミック粉末を含有したセラミックスラリーを所定厚さで塗工し乾燥して得たグリーンシート上に、銀やニッケル等の金属粉末を含有した導体ペーストをスクリーン等を用いて印刷し乾燥して第2導体層14用の導体パターンP1を形成することによって作成されている。また、シートS2は酸化亜鉛等の半導体セラミック粉末を含有したセラミックスラリーを所定厚さで塗工し乾燥して得たグリーンシート上に、銀やニッケル等の金属粉末を含有した導体ペーストをスクリーン等を用いて印刷し乾燥して第1導体層13用の導体パターンP2を形成することによって作成されている。
因みに、図面ではシートS1及びS2として図示の便宜上32個取りのものを示してあるが、実際の取り数はこれよりも多い。
続いて、前記のシートS1及びS2を図5に示す順序で積層し圧着して、図6に示す積層シートLS1を得る。
続いて、積層シートLS1を図6にLx及びLyで示すラインに沿って切断し、図7に示す積層チップLC1を得る。
この積層チップLC1は、第1導体層13用の4つの未焼成導体層COL1と、第2導体層14用の4つの未焼成導体層COL2が、未焼成バリスタ層CEL1を介して交互に、且つ、横方向で対向するように配された構成を有している。各未焼成導体層COL1の引出部COL1aの端縁は積層チップLC1の下面LC1aで露出している。また、各未焼成導体層COL2の引出部COL2aの端縁は積層チップLC1の下面LC1aで露出しており、各未焼成導体層COL2の上縁は積層チップLC1の上面LC1bで露出している。
続いて、図8に示すように、前記の積層チップLC1の導体層積層方向の一側面(未焼成バリスタ層が露出している側面)に、前記同様の導体ペーストを未焼成導体層COL2と同一形状で塗布し乾燥して、残り1つの第2導体層14用の未焼成導体層COL3を形成する。この未焼成導体層COL3は、未焼成導体層COL2と同じ形状で、その下縁中央に切欠部COL3aを有し、その両側に引出部COL3bを有する。
続いて、図9に示すように、前記の積層チップLC1の下面中央に前記同様の導体ペーストを帯状に塗布し乾燥して第1電極部15用の未焼成電極部COL4を形成すると共に、積層チップLC1の下面両側に前記同様の導体ペーストを帯状に塗布し乾燥して第2電極部16用の未焼成電極部COL5を形成する。さらに、積層チップLC1の上面全体に前記同様の導体ペーストを塗布し乾燥して放熱導体部17用の未焼成導体部COL6を形成する。
続いて、図9に示した積層チップLC1を多数個一括で焼成する。以上で積層バリスタ10が製造される。
前述の製法では、図7に示した積層チップLC1に、残り1つの第2導体層14用の未焼成導体層COL3と、第1電極部15用の未焼成電極部COL4と、第2電極部16用の未焼成電極部COL5と、放熱導体部17用の未焼成導体部COL6を形成してこれらを積層チップLC1と同時焼成するものを示したが、図7に示した積層チップLC1のみを焼成してからこの焼成後の積層チップLC1に、未焼成導体層COL3と未焼成電極部COL4と未焼成電極部COL5と未焼成導体部COL6を順次形成して焼成処理を行うようにしても構わない。
また、前述の製法では、残り1つの第2導体層14と第1電極部15と第2電極部16と放熱導体部17をペースト塗布及び焼成による厚膜形成法によって形成するものを示したが、これらの少なくとも1つを電解メッキやスパッタリング等の薄膜形成法によって形成するようにしても構わない。
前記の積層バリスタ10は、図10に示すように、第1電極部15と第2電極部16にそれぞれ対応したランドR1及びR2を有する基板SBに、積層チップ11の下面11aが基板実装面と向き合い、且つ、1個の第1電極部15がランドR1に接続し2個の第2電極部16がランドR2に接続するように実装することができる。
因みに、図10に示した基板SBでは、ランドR1とR2の一方がプラス電極で他方がグランド電極となっていて、ランドR1への配線はスルーホールSH1を通じて基板裏面に引き回され、他方となるランドR2の配線はスルーホールSH2を通じて基板裏面に引き回されている。
前述の積層バリスタ10と該積層バリスタ10を基板SBに実装したもの(実装構造)にあっては、近傍に配置されたIC等の発熱性デバイスからの熱が基板SB及びランドR1,R2から第1電極部15及び第2電極部16を通じて各第1導体層13及び各第2導体層14に伝わると、また、バリスタ層12に電流が流れるときに発熱が生じると、これら熱は各第2導体層14から放熱導体部17に直接的に、且つ、高効率に伝わって該放熱導体部17から外部に効果的に放出される。
また、放熱導体部17が積層チップ11の上面全体を覆うように設けられているので、熱を外部に放出するための面積を十分に確保して、前記の熱放出をより効果的に行うことができる。
さらに、積層チップ11の導体層積層方向の2側面に第2導体層14がそれぞれ露出し、しかも、各第2導体層14の両側縁が積層チップ11の導体層積層方向と直交する方向の2側面で露出しているので、これらの露出部分に放熱導体部と同様の働きをさせて前記の熱放出作用を促進することができる。
尚、前述の積層バリスタ10は導体被膜から成る放熱導体部17を備えるが、図11(A)に示すように、アルミニウム等の高熱伝導性金属から成る導体板(ヒートシンク)RP1を導体被膜(17)に接続したものを放熱導体部としてもよい。
この導体板には平板状のものの他、図11(B)に示すような積層チップ11の一部を受け入れる凹部RP2aを有するもの(RP2)や、図11(C)に示すような複数のフィンRP3aを有するもの(RP3)も使用できる。また、図11(D)に示すように導体板RP1を各第2導体層14の上縁と接続するように設ければ前記導体被膜(17)を排除した構成(10’)とすることもできる。
また、2以上の積層バリスタ10を基板SB上に並べて実装する場合には、図12に示すように、アルミニウム等の高熱伝導性金属から成る共用の導体板(ヒートシンク)RP11を複数の積層バリスタ10の導体被膜(17)に接続してもよい。この共有の導体板RP11には、基板SB上に並べて実装された2以上の積層バリスタ10の配置形態に対応した形状のものが用いられる。
この共有の導体板には平板状のものの他、図13に示すような積層チップ11の一部を受け入れる複数の凹部RP12aを有するもの(RP12)や、図14に示すような複数のフィンRP13aを有するもの(RP13)も使用できる。さらに、図15に示すように導体板RP11を複数の積層バリスタ10の各第2導体層14の上縁と接続するように設ければ前記導体被膜(17)を排除した構成の積層バリスタ10’を用いることもできる。
さらに、2以上の積層バリスタ10を基板上に並べて実装するときには、図16に示すようなバリスタモジュールを予め作成しておけば基板に対する実装を簡単に行うことができる。
図16に示したバリスタモジュールは、アルミニウム等の高熱伝導性金属から成る導体板(ヒートシンク)RP21の一面に、複数の積層バリスタ10を各々の導体被膜(17)が接続するように所定配列で設けて構成されている。依って、基板への実装時には、導体板RP21を利用して複数の積層バリスタ10を基板に一括で実装することができる。実装後における熱放出作用については先に説明した通りである。
この導体板には平板状のものの他、図17に示すような積層チップ11の一部を受け入れる複数の凹部RP22aを所定配列で有するもの(RP22)や、図18に示すような複数のフィンRP23aを反対側の面に有するもの(RP23)も使用できる。また、図19に示すように複数の積層バリスタ10をその各第2導体層14の上縁が導体板RP21の一面と接続するように設ければ前記導体被膜(17)を排除した構成の積層バリスタ10’を用いることもできる。
さらに、前述の積層バリスタ10は各第2導体層14の上縁を積層チップ11の上面11bで露出させてこれを放熱導体部17に接続しているが、図20に示すように、各第2導体層14’の上縁を積層チップ11の上面11bから離れた内側に位置させ、且つ、各第1導体層13’の上縁を積層チップ11の上面11bで露出させてこれを放熱導体部17に接続しても、前記同様の放熱効果を得ることができる。
以下に、図1〜図4に示した積層バリスタ10と代替可能な積層バリスタの他の実施形態を図21〜図40を引用して説明する。
図21は積層バリスタの第2実施形態を示す。
因みに、図21中の符号20は積層バリスタ、21は積層チップ、21aは積層チップの下面、21bは積層チップの上面、22はバリスタ層、23は第1導体層、23aは引出部、24は第2導体層、24aは引出部、25は第1電極部、26は第2電極部、27は放熱導体部である。
この積層バリスタ20が前記積層バリスタ10と異なるところは、第1電極部25と第2電極部26を各々1個ずつとし、各導体層23,24の引出部23a,24aをそれぞれ1個とした点にある。
この積層バリスタ20によれば、各第2導体層24の熱を直接的に、且つ、高効率で放熱導体部27に伝えることにより、前記積層バリスタ10と同様の放熱効果を得ることができる。
図22(A)は積層バリスタの第3実施形態を示す。
因みに、図22(A)中の符号30は積層バリスタ、31は積層チップ、31aは積層チップの下面、31bは積層チップの上面、32はバリスタ層、33は第1導体層、34は第2導体層、35は第1電極部、36は第2電極部、37は放熱導体部である。
この積層バリスタ30が前記積層バリスタ10と異なるところは、積層チップ31の導体層積層方向の一方の側面に位置する第2導体層を排除して該一方の側面にバリスタ層32を露出させた点にある。
この積層バリスタ30によれば、各第2導体層34の熱を直接的に、且つ、高効率で放熱導体部37に伝えることにより、前記積層バリスタ10と同様の放熱効果を得ることができる。
また、この積層バリスタ30にあっては、積層チップ31の導体層積層方向の一方の側面にバリスタ層32が露出するので、図22(B)に示すように導体被膜から成る放熱導体部37に一方の側面に回り込む部分37aを連続して設けることができ、これにより、放熱導体部37の放熱面積を拡大して熱放出をより効果的に行うことができる。この場合には、放熱導体部37の回り込み部分37aに前記の導体板(ヒートシンク)を接続することも可能である。
図23(A)は積層バリスタの第4実施形態を示す。
因みに、図23(A)中の符号40は積層バリスタ、41は積層チップ、41aは積層チップの下面、41bは積層チップの上面、42はバリスタ層、43は第1導体層、44は第2導体層、45は第1電極部、46は第2電極部、47は放熱導体部である。
この積層バリスタ40が前記積層バリスタ10と異なるところは、積層チップ41の導体層積層方向の両方の側面に位置する第2導体層を排除して該両側面にバリスタ層42を露出させた点にある。
この積層バリスタ40によれば、各第2導体層44の熱を直接的に、且つ、高効率で放熱導体部47に伝えることにより、前記積層バリスタ10と同様の放熱効果を得ることができる。
また、この積層バリスタ40にあっては、積層チップ41の導体層積層方向の両方の側面にバリスタ層42が露出するので、図23(B)に示すように導体被膜から成る放熱導体部47に両方の側面に回り込む部分47aを連続して設けることができ、これにより、放熱導体部47の放熱面積を拡大して熱放出をより効果的に行うことができる。この場合には、放熱導体部47の回り込み部分47aの少なくとも一方に前記の導体板(ヒートシンク)を接続することも可能である。
さらに、この積層バリスタ40にあっては、積層チップ41の導体層積層方向の両方の側面にバリスタ層42が露出するので、図23(C)に示すように第1電極部45と第2電極部46のそれぞれに両方向に側面に回り込む部分45a,46aを設けることができ、これにより、積層バリスタ40を半田等の接合材を用いて基板に実装する際の接合材の付着面積を拡大して接続強度を向上させることができる。
図24(A)は積層バリスタの第5実施形態を示す。
因みに、図24(A)中の符号50は積層バリスタ、51は積層チップ、51aは積層チップの下面、51bは積層チップの上面、52はバリスタ層、53は第1導体層、53aは引出部、54は第2導体層、54aは切欠部、54bは引出部、55は第1電極部、56は第2電極部、57は放熱導体部である。
この積層バリスタ50が前記積層バリスタ10と異なるところは、積層チップ51の上面から放熱導体部を排除し、積層チップ51の導体層積層方向と直交する方向の2側面に導体被膜から成る放熱導体部57を側面全体を覆うようにそれぞれ形成して第2導体層54の側縁に接続した点と、各放熱導体部57の下縁を第2電極部56に接続した点にある。
この積層バリスタ50によれば、各第2導体層54の熱を直接的に、且つ、高効率で放熱導体部57に伝えることにより、前記積層バリスタ10と同様の放熱効果を得ることができる。
また、このセラミックバリスタ50にあっては、図24(B)に示すように、各第2導体層54’の上縁を積層チップ51の上面51bから離れた内側に位置させても同様の放熱効果を得ることができる。
さらに、このセラミックバリスタ50にあっては、図24(C)に示すように、各放熱導体部57’をその下縁が第2電極部56と接続しないように設けても同様の放熱効果を得ることができる。
さらに、図24(C)に示すような放熱導体部57’の形態を採用する場合には、図24(D)に示すように、第1導体層53’の一方の側縁を積層チップ11の導体層積層方向と直交する方向の一方の側面から露出させて一方の放熱導体部57’に接続し、且つ、第2導体層54’の一方の側縁を積層チップ11の導体層積層方向と直交する方向の他方の側面のみで露出させて他方の放熱導体部57’に接続してもよい。このようにすれば、各第1導体層53’の熱を直接的に、且つ、高効率で一方の放熱導体部57’に伝え、各第2導体層54’の熱を直接的に、且つ、高効率で他方の放熱導体部57’に伝えることができ、バリスタ自体の熱をより一層効果的に外部に放出することができる。
この第5実施形態の積層バリスタ50にあっては放熱導体部57,57’の少なくとも一方に前記の導体板(ヒートシンク)を接続することも可能である。
図25(A)及び図25(B)は積層バリスタの第6実施形態を示す。
因みに、図25(A)及び図25(B)中の符号60は積層バリスタ、61は積層チップ、61aは積層チップの下面、61bは積層チップの上面、62はバリスタ層、63は第1導体層、63aは引出部、64は第2導体層、64aは切欠部、64bは引出部、65は第1電極部、66は第2電極部、67は放熱導体部である。
この積層バリスタ60が前記積層バリスタ10と異なるところは、積層チップ61の導体層積層方向の2側面に位置する第2導体層を排除して両側面にバリスタ層62を露出させた点と、各第2導体層64の両側縁が積層チップ61の導体層積層方向と直交する方向の2側面から離れた内側位置にある点にある。
この積層バリスタ60によれば、各第2導体層64の熱を直接的に、且つ、高効率で放熱導体部67に伝えることにより、前記積層バリスタ10と同様の放熱効果を得ることができる。
また、この積層バリスタ60にあっては、積層チップ61の導体層積層方向の両方の側面と導体層積層方向と直交する方向の両方の側面にバリスタ層42が露出するので、図25(C)に示すように導体被膜から成る放熱導体部67に4つの側面に回り込む部分67aを連続して設けたり、図25(D)に示すように導体被膜から成る放熱導体部67に2つまたは3つの側面に回り込む部分67aを連続して設けたり、図25(E)に示すように導体被膜から成る放熱導体部67に1つの側面に回り込む部分67aを連続して設けることができ、これにより、放熱導体部67の放熱面積を拡大して熱放出をより効果的に行うことができる。
さらに、図25(E)に示すような放熱導体部67の形態を採用する場合には、図25(F)に示すように、第1電極部65と第2電極部66のそれぞれに回り込み部分67aが存しない側面に大きく回り込む部分65a,66aを設け、且つ、放熱導体部67’の上面部分を回り込み部分67aが存しない側面から離反させることにより、第1電極部65と第2電極部66の回り込み部分65a,66aが基板実装面と向き合うような横向き姿勢で実装可能な積層バリスタを構成することもできる。
この第6実施形態の積層バリスタ60にあっては 図23(C)で説明したような回り込み部分を各電極部に設けることで、基板実装時における接続強度を向上させることも可能である。また、放熱導体部67,67’の回り込み部分67aに前記の導体板(ヒートシンク)を接続することも可能である。
図26(A)及び図26(B)は積層バリスタの第7実施形態を示す。
因みに、図26(A)及び図26(B)中の符号70は積層バリスタ、71は積層チップ、71aは積層チップの下面、71bは積層チップの上面、72はバリスタ層、73は第1導体層、73aは引出部、74は第2導体層、74aは切欠部、74bは引出部、75は第1電極部、76は第2電極部、77は放熱導体部である。
この積層バリスタ70が前記積層バリスタ10と異なるところは、積層チップ71の導体層積層方向の2側面に位置する第2導体層を排除して両側面にバリスタ層72を露出させた点と、積層チップ71の導体層積層方向の2側面の全体(切欠部77aを除く)を覆うように導体被膜から成る放熱導体部77をそれぞれ形成した点と、放熱導体部77の下縁を第2電極部76に接続した点と、各第2導体層74の上縁が積層チップ71の上面から離れた内側位置にあり、且つ、各第2導体層64の両側縁が積層チップ61の導体層積層方向と直交する方向の2側面から離れた内側位置にある点にある。
この積層バリスタ70によれば、各第2導体層74の熱を第2電極部76を介して直接的に、且つ、高効率で放熱導体部77に伝えることにより、前記積層バリスタ10と同様の放熱効果を得ることができる。
また、前記の放熱導体部77は、図26(C)に示すように積層チップ71の導体層積層方向の1側面のみに設けられていてもよく、図26(D)に示すように積層チップ71の導体層積層方向の2側面と導体層積層方向と直交する方向の1側面に設けられていてもよく、図26(E)に示すように積層チップ71の導体層積層方向の2側面と導体層積層方向と直交する方向の2側面に設けられていてもよい。
この第7実施形態の積層バリスタ70にあっては放熱導体部77の少なくとも1側面に前記の導体板(ヒートシンク)を接続することも可能である。
図27(A)及び図27(B)は積層バリスタの第8実施形態を示す。
因みに、図27(A)及び図27(B)中の符号80は積層バリスタ、81は積層チップ、81aは積層チップの下面、81bは積層チップの上面、82はバリスタ層、83は第1導体層、83aは引出部、84は第2導体層、84aは切欠部、84bは引出部、85は第1電極部、86は第2電極部、87は放熱導体部である。 この積層バリスタ80が前記積層バリスタ10と異なるところは、積層チップ81の導体層積層方向の2側面に位置する第2導体層を排除して両側面にバリスタ層82を露出させた点と、積層チップ81の上面81bの全体と導体層積層方向と直交する2側面の全体を覆うように導体被膜から成る放熱導体部87を形成した点と、放熱導体部87の側面部分を第2導体層84の側縁に接続すると共に側面部分の下縁を第2電極部86に接続した点にある。
この積層バリスタ80によれば、各第2導体層84の熱を直接的に、且つ、高効率で放熱導体部87に伝えることにより、前記積層バリスタ10と同様の放熱効果を得ることができる。
また、この積層バリスタ80にあっては、図27(C)に示すように、放熱導体部87’をその側面部分の下縁が第2電極部56と接続しないように設けても同様の放熱効果を得ることができる。
さらに、この積層バリスタ80にあっては、放熱導体部87の側面部分の下縁が第2電極部86に接続されているので、図27(D)に示すように、各第2導体層84’の上縁を積層チップ81の上面81bから離れた内側に位置させ、且つ、各第2導体層84’の引出電極を排除しても同様の放熱効果を得ることができる。この場合の各第2電極部86と各第2導体層84’との導通は放熱導体部87の側面部分を介して行うことができる。
さらに、この積層バリスタ80にあっては、放熱導体部87の側面部分の下縁が第2電極部86に接続されているので、図27(E)に示すように、各第2導体層84”の側縁を積層チップ81の積層方向と直交する方向の2側面から離れた内側に位置させ、且つ、各第2導体層84”の引出電極を排除しても同様の放熱効果を得ることができる。この場合の各第2電極部86と各第2導体層84”との導通は放熱導体部87の上面部分及び側面部分を介して行うことができる。
この第8実施形態の積層バリスタ80にあっては放熱導体部87,87’の少なくとも1側面に前記の導体板(ヒートシンク)を接続することも可能である。
図28(A)〜図28(C)は積層バリスタの第9実施形態を示す。
因みに、図28(A)〜図28(C)中の符号90は積層バリスタ、91は積層チップ、91aは積層チップの下面、91bは積層チップの上面、92はバリスタ層、93は第1導体層、93aは引出部、94は第2導体層、94aは切欠部、94bは引出部、95は第1電極部、96は第2電極部、97は放熱導体部である。
この積層バリスタ90が前記積層バリスタ10と異なるところは、積層チップ91の導体層積層方向の2側面に位置する第2導体層を排除して両側面にバリスタ層92を露出させた点と、積層チップ91の上面91bの全体と導体層積層方向の2側面の全体(切欠部97aを除く)を覆うようにして導体被膜から成る放熱導体部97を形成した点と、放熱導体部97の側面部分の下縁を第2電極部96に接続した点と、各第2導体層94の両側縁が積層チップ91の導体層積層方向と直交する方向の2側面から離れた内側位置にある点にある。
この積層バリスタ90によれば、各第2導体層94の熱を直接的に、且つ、高効率で放熱導体部97に伝えることにより、前記積層バリスタ10と同様の放熱効果を得ることができる。
また、この積層バリスタ90にあっては、放熱導体部97の側面部分の下縁が第2電極部86に接続されているので、図28(D)に示すように、各第2導体層94’の上縁を積層チップ91の上面91bから離れた内側に位置させても、各第2導体層94’の熱を第2電極部96を介して放熱導体部97に伝えて同様の放熱効果を得ることができる。
さらに、この積層バリスタ90にあっては、放熱導体部97の側面部分の下縁が第2電極部96に接続されているので、図28(E)に示すように、放熱電極部97の側面部分の一方に切欠部97aを大きく形成し、この切欠部97aの内側に第1電極部95からの回り込み部分95aを設ければ、第1電極部95の回り込み部分95aが基板実装面と向き合うような横向き姿勢で実装可能な積層バリスタを構成することもできる。
この第9実施形態の積層バリスタ90にあっては放熱導体部97,97’の少なくとも1側面に前記の導体板(ヒートシンク)を接続することも可能である。
図29(A)〜図29(C)は積層バリスタの第10実施形態を示す。
因みに、図29(A)〜図29(C)中の符号100は積層バリスタ、101は積層チップ、101aは積層チップの下面、101bは積層チップの上面、102はバリスタ層、103は第1導体層、103aは引出部、104は第2導体層、104aは切欠部、104bは引出部、105は第1電極部、106は第2電極部、107は放熱導体部である。
この積層バリスタ100が前記積層バリスタ10と異なるところは、積層チップ101の導体層積層方向の2側面に位置する第2導体層を排除して両側面にバリスタ層102を露出させた点と、積層チップ101の上面101bの全体と導体層積層方向の2側面の全体(切欠部107aを除く)と導体層積層方向と直交する方向の2側面の全体を覆うようにして導体被膜から成る放熱導体部107を形成した点と、放熱導体部107の側面部分の下縁を第2電極部106に接続した点にある。
この積層バリスタ100によれば、各第2導体層104の熱を直接的に、且つ、高効率で放熱導体部107に伝えることにより、前記積層バリスタ10と同様の放熱効果を得ることができる。
また、この積層バリスタ100にあっては、放熱導体部107の側面部分の下縁が第2電極部86に接続されているので、図29(D)に示すように、放熱電極部107の側面部分の一方に切欠部107aを大きく形成し、この切欠部107aの内側に第1電極部105からの回り込み部分105aを設ければ、第1電極部105の回り込み部分105aが基板実装面と向き合うような横向き姿勢で実装可能な積層バリスタを構成することもできる。
この第10実施形態の積層バリスタ100にあっては放熱導体部107,107’の少なくとも1側面に前記の導体板(ヒートシンク)を接続することも可能である。
図30〜図32は積層バリスタの第11実施形態を示す。この積層バリスタ200は、図1〜図4に示した積層バリスタ10の電極部の数を増加したものであり、基本構成は図1〜図4に示した積層バリスタ10と変わりない。
因みに、図30(A)は積層バリスタの上面側から見た斜視図、図30(B)は積層バリスタの下面側から見た斜視図、図31(A)は図30(A)のc1−c1線断面図、図31(B)は図30(A)のc2−c2線断面図、図32(A)は図31(A)のc3−c3線断面図、図32(B)は図31(A)のc4−c4線断面図である。
この積層バリスタ200は、直方体形状を成す積層チップ201を備える。この積層チップ201は、複数(図中は4つ)の第1導体層203と複数(図中は5つ)の第2導体層204がバリスタ層202を介して交互に、且つ、横方向で対向して配された構成を有する。
各第1導体層203は第2導体層204よりも一回り小さな横長長方形を成し、その下縁に所定幅の3個の引出部203aを等間隔で有している。各引出部203aの端縁は積層チップ201の下面201aで露出している。この引出部203aは後述の第1電極部205と接続可能であればその形状及び形成位置に特段の制限はない。また、各第1導体層203の上縁は積層チップ201の上面201bから離れた内側位置にあり、各第1導体層203の両側縁は積層チップ201の導体層積層方向と直交する方向の2側面から離れた内側位置にある。
各第2導体層204は積層チップ201の導体層積層方向の側面とほぼ同じ長方形を成す。また、各第2導体層204はその下縁に引出部203aの上下長さと同じ深さを有し、且つ、引出部203aよりも幅が大きな3個の切欠部204aを等間隔で有し、切欠部204aを挟むようにして所定幅の引出部204bを計4個有している。各引出部204bの端縁は積層チップ201の下面201aに引出部203aの端縁と非接触で露出している。この引出部204bは後述の第2電極部206と接続可能であればその形状及び形成位置に特段の制限はない。さらに、各第2導体層204の上縁は積層チップ201の上面201bで露出しており、各第2導体層204の両側縁は積層チップ201の導体層積層方向と直交する方向の2側面で露出している。さらに、積層チップ201の導体層積層方向の2側面には第2導体層24がそれぞれ位置している。
積層チップ201の下面201aには、同下面201aに露出している各第1導体層203の引出部203aの端縁と接続する3個の第1電極部205が、引出部203aの露出幅とほぼ一致した幅で積層チップ201の導体層積層方向に帯状に形成されている。
また、積層チップ201の下面201aには、同下面201aに露出している各第2導体層204の引出部204aの端縁と接続する4個の第2電極部206が、引出部204aの露出幅とほぼ一致した幅で積層チップ201の導体層積層方向に帯状に、且つ、第1電極部205と非接触で形成されている。
さらに、積層チップ201の上面201bには、同上面201bに露出している各第2導体層204の上縁と接続する放熱導体部207が、上面201bの全体を覆うように形成されている。後述の製法説明から明かなように、この放熱導体部207は導体被膜から成る。
前記の積層バリスタ200は、積層チップ201の下面201aに設けられた3個の第1電極部205に各第1導体層203の引出部203aの端縁が接続し、且つ、積層チップ201の下面201aに設けられた4個の第2電極部206に各第2導体層204の引出部204aの端縁が接続しており、各第2導体層204の上縁が積層チップ201の上面201bに設けられた放熱導体部207に接続されているため、積層チップ201の下面201aに設けられた第1電極部205と第2電極部206との間に所定の静電容量を得ることができる。
ここで、前記積層バリスタ200の製造方法の一例を図33〜図37を引用して説明する。
製造に際しては、まず、図33に示すシートS11及びS12を用意する。シートS11は酸化亜鉛等の半導体セラミック粉末を含有したセラミックスラリーを所定厚さで塗工し乾燥して得たグリーンシート上に、銀やニッケル等の金属粉末を含有した導体ペーストをスクリーン等を用いて印刷し乾燥して第2導体層204用の導体パターンP11を形成することによって作成されている。また、シートS12は酸化亜鉛等の半導体セラミック粉末を含有したセラミックスラリーを所定厚さで塗工し乾燥して得たグリーンシート上に、銀やニッケル等の金属粉末を含有した導体ペーストをスクリーン等を用いて印刷し乾燥して第1導体層203用の導体パターンP12を形成することによって作成されている。
因みに、図面ではシートS11及びS12として図示の便宜上8個取りのものを示してあるが、実際の取り数はこれよりも多い。
続いて、前記のシートS11及びS12を図33に示す順序で積層し圧着して、図34に示す積層シートLS2を得る。
続いて、積層シートLS2を図34にLx及びLyで示すラインに沿って切断し、図35に示す積層チップLC11を得る。
この積層チップLC11は、第1導体層203用の4つの未焼成導体層COL11と、第2導体層204用の4つの未焼成導体層COL12が、未焼成バリスタ層CEL11を介して交互に、且つ、横方向で対向するように配された構成を有している。各未焼成導体層COL11の引出部COL11aの端縁は積層チップLC11の下面LC11aで露出している。また、各未焼成導体層COL12の引出部COL12aの端縁は積層チップLC11の下面LC11aで露出しており、各未焼成導体層COL12の上縁は積層チップLC11の上面LC11bで露出している。
続いて、図36に示すように、前記の積層チップLC11の導体層積層方向の一側面(未焼成バリスタ層が露出している側面)に、前記同様の導体ペーストを未焼成導体層COL12と同一形状で塗布し乾燥して、残り1つの第2導体層204用の未焼成導体層COL13を形成する。この未焼成導体層COL13は、未焼成導体層COL12と同じ形状で、その下縁に3個の切欠部COL13aを等間隔で有し、切欠部COL3aを挟むようにして4個の引出部COL13bを等間隔で有する。
続いて、図37に示すように、前記の積層チップLC11の下面に前記同様の導体ペーストを帯状に塗布し乾燥して第1電極部205用の未焼成電極部COL14を3個形成すると共に、積層チップLC11の下面に前記同様の導体ペーストを帯状に塗布し乾燥して第2電極部206用の未焼成電極部COL15を4個形成する。さらに、積層チップLC11の上面全体に前記同様の導体ペーストを塗布し乾燥して放熱導体部207用の未焼成導体層COL16を形成する。
続いて、図37に示した積層チップLC11を多数個一括で焼成する。以上で積層バリスタ200が製造される。
前述の製法では、図35に示した積層チップLC11に、残り1つの第2導体層204用の未焼成導体層COL13と、第1電極部205用の未焼成電極部COL14と、第2電極部206用の未焼成電極部COL15と、放熱導体部207用の未焼成導体部COL16を形成してこれらを積層チップLC11と同時焼成するものを例示したが、図35に示した積層チップLC11のみを焼成してからこの焼成後の積層チップLC11に、未焼成導体層COL13と未焼成電極部COL14と未焼成電極部COL15と未焼成導体層COL16を順次形成して焼成処理を行うようにしても構わない。
また、前述の製法では、残り1つの第2導体層204と第1電極部205と第2電極部206と放熱導体部207をペースト塗布及び焼成による厚膜形成法によって形成するものを示したが、これらの少なくとも1つを電解メッキやスパッタリング等の薄膜形成法によって形成するようにしても構わない。
前記の積層バリスタ200は、図38に示すように、第1電極部205と第2電極部206にそれぞれ対応したランドR11a〜R11c及びR12を有する基板SBに、積層チップ201の下面が基板実装面と向き合い、且つ、3個の第1電極部205がランドR11a〜R11cに接続し4個の第2電極部206がランドR12に接続するように実装される。
因みに、図38に示した基板SBでは、ランドR11a〜R11cとR12の一方がプラス電極で他方がグランド電極となっていて、ランドR11a〜R11cへの配線はスルーホールSH11a〜SH11cを通じて基板裏面に引き回され、他方となるランドR12の配線はスルーホールSH12を通じて基板裏面に引き回されている。
前述の積層バリスタ200と該積層バリスタ200を基板SBに実装したもの(実装構造)にあっては、近傍に配置されたIC等の発熱性デバイスからの熱が基板SB及びランドR11a〜R11c,R12から第1電極部215及び第2電極部216を通じて各第1導体層13及び各第2導体層14に伝わると、また、バリスタ層202に電流が流れるときに発熱が生じると、これら熱は各第2導体層204から放熱導体部207に直接的に、且つ、高効率で伝わって該放熱導体部207から外部に効果的に放出される。
また、放熱導体部207が積層チップ201の上面全体を覆うように設けられているので、熱を外部に放出するための面積を十分に確保して、前記の熱放出をより効果的に行うことができる。
さらに、積層チップ201の導体層積層方向の2側面に第2導体層204がそれぞれ露出しており、しかも、各第2導体層204の両側縁が積層チップ201の導体層積層方向と直交する方向の2側面で露出しているので、これらの露出部分に放熱導体部と同様の働きをさせて前記の熱放出作用を促進することができる。
尚、前述の積層バリスタ200は導体被膜から成る放熱導体部107を備えるが、図11(A)で説明したように、アルミニウム等の高熱伝導性金属から成る導体板(ヒートシンク)を導体被膜(207)に接続したものを放熱導体部としてもよい。
この導体板には平板状のものの他、図11(B)で説明したような積層チップ11の一部を受け入れる凹部を有するものや、図11(C)で説明したような複数のフィンを有するものも使用できる。また、図11(D)に説明したように導体板を各第2導体層204の上縁と接続するように設ければ前記導体被膜(207)を排除した構成とすることもできる。
また、2以上の積層バリスタ200を基板上に並べて実装する場合には、図12で説明したように、アルミニウム等の高熱伝導性金属から成る共用の導体板(ヒートシンク)を複数の積層バリスタ200の導体被膜(207)に接続してもよい。この共有の導体板には、基板上に並べて実装された2以上の積層バリスタ200の配置形態に対応した形状のものが用いられる。
この共有の導体板には平板状のものの他、図13で説明したような積層チップ201の一部を受け入れる複数の凹部を有するものや、図14で説明したような複数のフィンを有するものも使用できる。さらに、図15で説明したように導体板を複数の積層バリスタ200の各第2導体層204の上縁と接続するように設ければ前記導体被膜(207)を排除した構成の積層バリスタを用いることもできる。
さらに、2以上の積層バリスタ200を基板上に並べて実装するときには、図16で説明したようなバリスタモジュール、即ち、アルミニウム等の高熱伝導性金属から成る導体板(ヒートシンク)の一面に、複数の積層バリスタ200を各々の導体被膜(207)が接続するように所定配列で設けて構成されたモジュールを予め作成しておけば基板に対する実装を簡単に行うことができる。実装後における熱放出作用については先に説明した通りである。
この導体板には平板状のものの他、図17で説明したような積層チップ201の一部を受け入れる複数の凹部を所定配列で有するものや、図18で説明したような複数のフィンを反対側の面に有するものも使用できる。また、図19で説明したように複数の積層バリスタ200をその各第2導体層204の上縁が導体板の一面と接続するように設ければ前記導体被膜(207)を排除した構成の積層バリスタを用いることもできる。
さらに、前述の積層バリスタ200は各第2導体層204の上縁を積層チップ201の上面201bで露出させてこれを放熱導体部207に接続しているが、図39に示すように、各第2導体層204’の上縁を積層チップ201の上面201bから離れた内側に位置させ、且つ、各第1導体層213’の上縁を積層チップ201の上面201bで露出されてこれを放熱導体部207に接続しても、前記同様の放熱効果を得ることができる。
さらに、前述の積層バリスタ200は第1電極部205の数と第2電極部216の数とが異なるが、図40に示す積層バリスタ210のように同数(2個)の第1電極部215と第2電極部216を有するものであってもよい。
この他、前記の積層バリスタ200には、図1〜図4に示した積層バリスタ10と同様に、図22〜図29を引用して説明した積層バリスタの第3実施形態〜第10実施形態の構造を適宜採用することができる。
10,10’…積層バリスタ、11…積層チップ、12…バリスタ層、13,13’…第1導体層、14,14’…第2導体層、15…第1電極部、16…第2電極部、17…放熱導体部、SB…基板、R1,R2…ランド、RP1,RP2,RP3…導体板、RP2a…凹部、RP3a…フィン、RP11,RP12,RP13…導体板、RP12a…凹部、RP13a…フィン、RP21,RP22,RP23…導体板、RP22a…凹部、RP23a…フィン、20…積層バリスタ、21…積層チップ、22…バリスタ層、23…第1導体層、24…第2導体層、25…第1電極部、26…第2電極部、27…放熱導体部、30…積層バリスタ、31…積層チップ、32…バリスタ層、33…第1導体層、34…第2導体層、35…第1電極部、36…第2電極部、37…放熱導体部、37a…回り込み部分、40…積層バリスタ、41…積層チップ、42…バリスタ層、43…第1導体層、44…第2導体層、45…第1電極部、45a…回り込み部分、46…第2電極部、46a…回り込み部分、47…放熱導体部、47a…回り込み部分、50…積層バリスタ、51…積層チップ、52…バリスタ層、53,53’…第1導体層、54,54’…第2導体層、55…第1電極部、56…第2電極部、57,57’…放熱導体部、60…積層バリスタ、61…積層チップ、62…バリスタ層、63…第1導体層、64…第2導体層、65…第1電極部、66…第2電極部、67,67’…放熱導体部、67a…回り込み部分、70…積層バリスタ、71…積層チップ、72…バリスタ層、73…第1導体層、74…第2導体層、75…第1電極部、76…第2電極部、77…放熱導体部、80…積層バリスタ、81…積層チップ、82…バリスタ層、83…第1導体層、84,84’,84”…第2導体層、85…第1電極部、86…第2電極部、87,87’…放熱導体部、90…積層バリスタ、91…積層チップ、92…バリスタ層、93…第1導体層、94,94’…第2導体層、95…第1電極部、96…第2電極部、97…放熱導体部、100…積層バリスタ、101…積層チップ、102…バリスタ層、103…第1導体層、104…第2導体層、105…第1電極部、106…第2電極部、107…放熱導体部、200…積層バリスタ、201…積層チップ、202…バリスタ層、203,203’…第1導体層、204,204’…第2導体層、205…第1電極部、206…第2電極部、207…放熱導体部、SB…基板、R11a〜R11c,R12…ランド、210…積層バリスタ、211…積層チップ、212…バリスタ層、213…第1導体層、214…第2導体層、215…第1電極部、216…第2電極部、217…放熱導体部。
Claims (23)
- 複数の第1導体層と複数の第2導体層がバリスタ層を介して交互に、且つ、対向して配された直方体形状の積層チップと、
積層チップの1つの面に設けられ、第1導体層と導通する少なくとも1つの第1電極部と、
積層チップの前記1つの面に第1電極部と非接触で設けられ、第2導体層と導通する少なくとも1つの第2電極部と、
積層チップの前記1つの面とは異なる少なくとも1つの面に設けられ、第1導体層と第2導体層の少なくとも一方と導通する少なくとも1つの放熱導体部とを備える、
ことを特徴とする積層バリスタ。 - 放熱導体部は、積層チップの前記1つの面とは異なる少なくとも1つの面に形成された導体被膜から成る、
ことを特徴とする請求項1に記載の積層バリスタ。 - 放熱導体部は、積層チップの前記1つの面とは異なる少なくとも1つの面に設けられた導体板から成る、
ことを特徴とする請求項1に記載の積層バリスタ。 - 放熱導体部は、積層チップの前記1つの面とは異なる少なくとも1つの面に形成された導体被膜と、該導体被膜に接続された導体板とから成る、
ことを特徴とする請求項1に記載の積層バリスタ。 - 導体板は、積層チップの一部を受け入れる凹部を有する、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の積層バリスタ。 - 導体板は、複数のフィンを有する、
ことを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の積層バリスタ。 - 放熱導体部は、積層チップの前記1つの面と対向する面に設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の積層バリスタ。 - 放熱導体部は、積層チップの前記1つの面と隣り合う少なくとも1つの面に設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の積層バリスタ。 - 放熱導体部は、積層チップの前記1つの面と対向する面とこの面と隣り合う少なくとも1つの面に設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の積層バリスタ。 - 積層チップの前記1つの面と対向する面に存する放熱導体部は、前記1つの面と対向する面全体を覆うように設けられている、
ことを特徴とする請求項7または9に記載の積層バリスタ。 - 放熱導体部は1つで、該放熱導体部には第1導体層と第2導体層の一方が導通している、
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の積層バリスタ。 - 放熱導体部は2つで、一方の放熱導体部には第1導体層が導通し他方の放熱導体部には第2導体層が導通している、
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の積層バリスタ。 - 第1電極部と第2電極部の少なくとも一方は前記1つの面と隣り合う少なくとも1つの面に及ぶ回り込み部分を有する、
ことを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の積層バリスタ。 - 複数の第1導体層と複数の第2導体層がバリスタ層を介して交互に、且つ、対向して配された直方体形状の積層チップと、積層チップの1つの面に設けられ、第1導体層と導通する少なくとも1つの第1電極部と、積層チップの前記1つの面に第1電極部と非接触で設けられ、第2導体層と導通する少なくとも1つの第2電極部と、積層チップの前記1つの面とは異なる少なくとも1つの面に設けられ、第1導体層と第2導体層の少なくとも一方と導通する少なくとも1つの放熱導体部とを備える少なくとも1つの積層バリスタを、
積層バリスタの第1電極部が実装面上の第1のランドに接続し第2電極部が実装面上の第2のランドに接続するように基板に実装して成る、
ことを特徴とする積層バリスタの実装構造。 - 放熱導体部は、積層チップの前記1つの面とは異なる少なくとも1つの面に形成された導体被膜から成る、
ことを特徴とする請求項14に記載の積層バリスタの実装構造。 - 放熱導体部は、積層チップの前記1つの面とは異なる少なくとも1つの面に設けられた導体板から成る、
ことを特徴とする請求項14に記載の積層バリスタの実装構造。 - 放熱導体部は、積層チップの前記1つの面とは異なる少なくとも1つの面に形成された導体被膜と、該導体被膜に接続された導体板とから成る、
ことを特徴とする請求項14に記載の積層バリスタの実装構造。 - 導体板は、積層チップの一部を受け入れる凹部を有する、
ことを特徴とする請求項16または17に記載の積層バリスタの実装構造。 - 導体板は、複数のフィンを有する、
ことを特徴とする請求項16〜18の何れか1項に記載の積層バリスタの実装構造。 - 基板には複数の積層バリスタが並べて実装されており、導体板には複数の積層バリスタで共用のものが用いられている、
ことを特徴とする請求項16〜19の何れか1項に記載の積層バリスタの実装構造。 - 所定形状の導体板と、
複数の第1導体層と複数の第2導体層がバリスタ層を介して交互に、且つ、対向して配された直方体形状の積層チップと、積層チップの1つの面に設けられ、第1導体層と導通する少なくとも1つの第1電極部と、積層チップの前記1つの面に第1電極部と非接触で設けられ、第2導体層と導通する少なくとも1つの第2電極部とを備える複数の積層バリスタとを具備し、
各積層バリスタを各々の積層チップの前記1つの面とは異なる面が導体板と向き合い、且つ、第1導体層と第2導体層の少なくとも一方が導体板と導通するように導体板に所定配列で設けて構成された、
ことを特徴とするバリスタモジュール。 - 導体板は、各積層バリスタの積層チップの一部を受け入れる凹部を有する、
ことを特徴とする請求項21に記載のバリスタモジュール。 - 導体板は、複数のフィンを有する、
ことを特徴とする請求項21または22に記載のバリスタモジュール。
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