JP2006085992A - 放電灯点灯装置 - Google Patents

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裕司 長谷
Akihiko Iwata
明彦 岩田
Shigeki Harada
茂樹 原田
Kikuo Izumi
喜久夫 泉
Hiroshi Nakamura
博 中村
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Abstract

【課題】 水銀レスランプの点灯を制御する場合でも、放電始動直後の放電維持を継続することができる放電灯点灯装置を得ることを目的とする。
【解決手段】 直流電源1の電源電圧Vを昇圧し、その昇圧電圧Vを保持する始動補助回路3を設け、HIDランプ20の放電を開始させる際、始動補助回路3に保持されている昇圧電圧Vをトランス2に印加させる。これにより、HIDランプ20が水銀レスランプである場合でも、放電始動直後の放電維持を継続することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、自動車の前照灯に用いるHIDランプなどの高輝度放電灯の点灯を制御する放電灯点灯装置に関するものである。
自動車のヘッドライトとして、HIDランプ(高輝度放電灯)が普及してきている。
HIDランプは、明るさが3200lm、使用電力が35W、寿命が2000時間程度であり、ハロゲンランプと較べて、明るさが2倍、使用電力が半分、寿命が数倍の長さである。
このようなHIDランプの点灯を始動し、その点灯を維持する従来の放電灯点灯装置は、例えば、以下の特許文献1に開示されている。
従来の放電灯点灯装置は、DC−DC昇圧回路が直流電源の電源電圧を昇圧し、DC−ACインバータ回路が昇圧された電源電圧を400Hz程度の低周波の交流電圧に変換する。
このように、放電灯点灯装置は、HIDランプに対する電圧供給が二段構成になっているが、HIDランプの始動時には、20kV程度の高電圧パルスをHIDランプに印加する必要があるため、更に、高電圧パルスを発生させるイグナイタトランスとギャップスイッチからなるイグニッション部を備える必要がある。
一方、直流電圧をHIDランプに印加して始動するようにすれば、イグナイタトランスが不要になり、点灯装置の小型化と低コスト化を実現することができる。
ただし、イグナイタトランスのインダクタンス成分がなくなるので、HIDランプの放電特性に適合した回路構成を実現する必要がある。即ち、HIDランプの動作状態により、HIDランプの負荷抵抗が異なり、点灯装置に要求される電力が異なるので、HIDランプの放電特性に適合した回路構成を実現する必要がある。
HIDランプでは次の4つの動作状態がある。即ち、(A)放電待機、(B)放電始動、(C)過渡放電、(D)定常放電の4つの動作状態がある。HIDランプの動作状態が異なると、HIDランプの負荷抵抗値が異なるので、HIDランプの動作状態に合わせて電力を効率よく供給する必要がある。以下、4つの動作状況の概略を述べる。
(A)放電待機
HIDランプの点灯指示から実際にHIDランプが点灯するまでの期間である。
従来の放電灯点灯装置では、放電始動直後の放電成長を確実にするため、予めキャパシタ等で400V程度の待機電圧を保持し、その待機電圧を放電始動時にHIDランプに印加する。
(B)放電始動
10kV程度の直流電圧をHIDランプに印加すると、HIDランプは絶縁破壊して放電を開始する。
従来の放電灯点灯装置では、通常、20kV程度のインパルス電圧をHIDランプに印加して始動するようにしているため、このインパルス電圧を発生するためのイグナイタトランスが必要である。
(C)過渡放電
放電始動から内部のハロゲン化金属が安定して、放電を開始する定常放電までが過渡放電である。この過渡放電の期間に放電を持続し、素早く光束を立ち上げるためには十分な電力を供給しなければならない。特に、車載用のヘッドライトに適用する場合には、点灯始動後数秒以内に光束を立ち上げなくてはならない。
ここで、HIDランプ消灯後からの経過時間の長さが異なると、放電始動直後のランプの抵抗値が異なるため必要な供給電力も異なる。消灯後に短い時間経過で点灯始動する場合をホットスタートという。一方、消灯後に長い時間経過で点灯始動する場合をコールドスタートという。
コールドスタートでは、HIDランプのインピーダンスが放電始動前の数MΩから数十Ωまで急激に低下した後、HIDランプの点灯管内温度や圧力の上昇に従って、定常状態の数百Ωまで上昇する。
逆にホットスタートでは、放電始動すると、点灯管内温度が高温で管内圧力が高いため、HIDランプのインピーダンスが数MΩから数百Ω(定常状態のインピーダンスよりもまだ高いインピーダンス)まで低下した後、徐々に定常状態のインピーダンスまで低下する過程をたどる。
放電の体積過程においては、放電を持続するのに十分なエネルギーを投入しなければ放電が不安定になり、放電の立ち消えが発生する。また、放電のカソード表面過程においても、アーク放電を維持するため、熱電子放出を行うのに十分なエネルギーを投入しなければならない。従って、絶縁破壊直後は、放電の立ち消えが起こらないように十分なエネルギーを投入する必要がある。
HIDランプの状態の違いで、管内の圧力や温度状態等の変化に合わせた放電を立ち消えさせないために必要な投入エネルギーも変化する。コールドスタートでは、その体積過程における管内ガスはキセノンが主であり、管内圧力が低いため必要投入エネルギーも比較的少ない。これに対して、ホットスタートでは、その体積過程における管内ガスはキセノンや水銀蒸気が主であり、管内圧力が高いため必要投入エネルギーが多くなる。
(D)定常放電
ランプ内部が安定した定常放電であり、35Wの電力を効率よく供給する。
HIDランプを高周波点灯すると、音響共鳴現象によりランプ内のアークが不安定となり、ちらつきや立ち消えなどが発生する。これを防ぐため、高周波電力供給の駆動周波数を変動させる必要がある。これにより、数十kHzの駆動周波数においても安定して点灯させることができる。
次に、従来のHIDランプには水銀が封入されているが、環境対策による水銀使用規制から水銀が封入されていないHIDランプが近年登場している。
したがって、水銀が封入されていないHIDランプに対応する点灯装置の開発が要求されている。
水銀レスランプでは、定格出力35Wで点灯している定常時のランプ電圧が40V程度である。水銀有りランプのランプ電圧が85V程度であるので、水銀有りランプと比べて半分程度の低いものとなる。
水銀レスランプでは、定常時のランプ電圧が低いので、直流電源を昇圧するトランスの巻線比は、従来の水銀有りランプの場合よりも少ないものでよい。例えば、従来のトランスの巻線比が1:17であるとすると、水銀レスランプ用には1:10程度の巻線比のトランスでも動作可能となる。これにより、トランス一次側での電流実効値を下げることができ、スイッチング素子での損失を低減することができる。
ただし、放電開始直後の放電成長に必要な電圧は、水銀レスランプでも水銀有りランプと同等の400V程度であるため、トランスの巻線比を下げると、二次側の電圧確保が難しくなり、放電成長が困難になることがある。水銀レスランプでも放電始動直後の放電維持成長を確実にする必要がある。
特開2002−151286号公報(段落番号[0022]から[0036]、図1)
従来の放電灯点灯装置は以上のように構成されているので、水銀レスランプの点灯を制御する場合、水銀有りランプ用のトランスより巻線比が少ないトランスを使用することができる。しかし、トランスの巻線比を下げると、二次側の電圧確保が難しくなるため、放電成長が困難になり、放電始動直後の放電維持を継続することができないことがあるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、水銀レスランプの点灯を制御する場合でも、放電始動直後の放電維持を継続することができる放電灯点灯装置を得ることを目的とする。
この発明に係る放電灯点灯装置は、直流電源の電源電圧を昇圧し、その昇圧電圧を保持する始動補助回路を設け、放電灯の放電を開始させる際、始動補助回路に保持されている昇圧電圧をトランスに印加させるようにしたものである。
この発明によれば、直流電源の電源電圧を昇圧し、その昇圧電圧を保持する始動補助回路を設け、放電灯の放電を開始させる際、始動補助回路に保持されている昇圧電圧をトランスに印加させるように構成したので、水銀レスランプの点灯を制御する場合でも、放電始動直後の放電維持を継続することができる効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による放電灯点灯装置を示す構成図であり、図において、直流電源1は電源電圧Vをトランス2の一次側に印加する。トランス2は巻線比が1:1:10程度のプッシュプルトランスを用いて構成され、直流電源1から電源電圧Vが印加されると、その電源電圧VをHIDランプ(放電灯)20に供給する。なお、トランス2の巻線比は、HIDランプ20の定常点灯時に必要な電圧が二次側に発生する値であればよく、その他の巻線比でもよい。
始動補助回路3は直流電源1の電源電圧Vを昇圧し、その昇圧電圧Vを保持する。始動補助回路3のダイオード4,5は電圧昇圧部を構成し、トランス2の一次巻線により昇圧された電圧Vをキャパシタ6に供給する。始動補助回路3のキャパシタ6は電源電圧Vより高い電圧Vを保持する。
キャパシタ7は始動補助回路3の電圧供給点の電圧を安定化するため、その電圧供給点に設置されている。キャパシタ8は電流リプルを抑制するため、直流電源1の電圧供給点に設置されている。
この実施の形態1では、始動補助回路3のキャパシタ6の容量値が電圧安定用のキャパシタ7の容量値より大きく、平滑用のキャパシタ8の容量値が電圧安定用のキャパシタ7の容量値より大きいものとする。
スイッチング素子9は制御回路14の指示の下、HIDランプ20の点灯時にオンになり、直流電源1の電源電圧Vがトランス2の一次側に印加される。
スイッチング素子10,11はダイオード4,5と直列に接続され、始動補助回路3のキャパシタ6に電圧Vを供給する際、制御回路14の指示の下、交互にオンオフを繰り返す。
スイッチング素子12は制御回路14の指示の下、HIDランプ20の放電始動時にオンになり、始動補助回路3のキャパシタ6に保持されている電圧Vがトランス2の一次側に印加される。
スイッチング素子13は直流電源1の極性が逆に接続された場合の保護用として、直流電源1の電圧供給点と始動補助回路3の電圧供給点との間に設置されている。
なお、スイッチング素子9〜13としては、MOS−FET、パワートランジスタ、IGBTなどの電力用半導体パワーデバイスが用いられる。あるいは、SiC、GaNなどのワイドギャップ半導体で作成された電力用半導体パワーデバイスが用いられる。
制御回路14はHIDランプ20の動作状態に応じてスイッチング素子9〜13のオンオフを制御し、特にHIDランプ20の放電を開始する際、スイッチング素子12をオンして、始動補助回路3のキャパシタ6に保持されている電圧Vをトランス2に印加させる。
インダクタ15はトランス2の二次巻線と直列に接続され、インダクタ16はトランス2の二次巻線と並列に接続されている。インダクタ17及びキャパシタ18はトランス2の二次巻線とHIDランプ20の間に接続され、キャパシタ19はHIDランプ20と並列に接続されている。
インダクタ16,17及びキャパシタ18,19から、HIDランプ20のインピーダンスに対応する電圧をHIDランプ20に供給する共振回路が構成されている。
即ち、トランス2の二次側には、HIDランプ20の負荷に合わせて電力が効率よく供給されるように、インダクタ16,17及びキャパシタ18,19から直列共振と並列共振が構成されている。
インダクタ16,17及びキャパシタ18,19の素子値としては、例えば、インダクタ16=0.25mH、インダクタ17=0.3mH、キャパシタ18=3nF、キャパシタ19=3nFとすればよい。ただし、共振周波数がHIDランプ20に供給する電力の駆動周波数に対応することができれば、他の素子値でもよい。
図2はこの発明の実施の形態1による放電灯点灯装置の動作手順を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
制御回路14は、HIDランプ20の点灯指示を受けると、スイッチング素子9〜13の制御を開始する(ステップST1)。
具体的には、制御回路14は、スイッチング素子9,13をオフ状態からオン状態に切り換える。この際、スイッチング素子12のオフ状態は維持する。
また、制御回路14は、スイッチング素子10,11が交互にオンオフを繰り返すように、スイッチング素子10,11を制御する。
これにより、直流電源1の電源電圧Vがトランス2の一次巻線に印加され、トランス2の一次巻線により昇圧された電圧V(電源電圧Vの昇圧電圧)がダイオード4,5を介して始動補助回路3のキャパシタ6に供給されて保持される(ステップST2)。
また、トランス2の二次側には高周波電力が伝達され、図示していない直流昇圧回路がトランス2の二次側に伝達された高周波電力を直流的に昇圧し、十kV程度の高電圧をHIDランプ20に印加することにより、HIDランプ20の放電を開始させる(ステップST3)。
ここでは、トランス2の一次巻線により昇圧された電圧Vを始動補助回路3のキャパシタ6に供給するものについて示しているが、図3(a)に示すように、トランス2に第3巻線を設け、この第3巻線により誘起される電圧Vを始動補助回路3のキャパシタ6に供給するようにしてもよい。
あるいは、図3(b)に示すように、直流電源1の電源電圧Vを昇圧し、その昇圧電圧Vを始動補助回路3のキャパシタ6に供給する昇圧回路を別途設けるようにしてもよい。
上記のようにして、HIDランプ20が放電を開始すると、HIDランプ20に電流が流れ、ランプインピーダンスが急激に低下する。
このとき、トランス2の二次側の電圧が低い場合、放電維持を継続することができなくなることがある。
そこで、制御回路14は、例えば、多大な電流がHIDランプ20に流れていることを検知すると、HIDランプ20が放電の始動を開始しているものと判断して、放電始動検知信号を出力する放電始動検知手段(放電始動検知手段は、例えば、カレントトランスから構成された電流センシング部などで実現することができるが、HIDランプ20から発光される光を検知すると、放電の始動を検知するようにしてもよい。)から放電始動検知信号を受けると(ステップST4)、スイッチング素子12をオンすることにより、始動補助回路3のキャパシタ6に保持されている電圧Vをトランス2の一次側に印加させるようにする(ステップST5)。ただし、放電始動検知手段は制御回路14と別個に設けてもよいが、制御回路14が放電始動検知手段を内蔵するようにしてもよい。
例えば、HIDランプ20が水銀レスランプの場合、定常放電時のランプ電圧は45V程度であり、直流電源1の電源電圧Vが12V程度であるとすると、トランス2の巻線比は1:10程度である。
これはHIDランプ20の特性ばらつきにより、ランプ電圧が±20%のばらつきがあることと、直流電源1の電源電圧Vが6V程度に低下した場合にも、HIDランプ20が点灯を継続する必要があることなどからトランス2の巻線比を決めている。
トランス2の巻線比を下げた場合でも、始動開始時には、始動補助回路3がトランス2の一次側に電圧Vを印加させるので、トランス2の二次側に必要な電圧を供給することができるようになり、放電維持を継続することができる。
ここで、図4は放電始動時に始動補助回路3が電圧Vを供給する際の各部の波形を示す説明図である。
始動補助回路3のキャパシタ6から電圧Vの供給が開始される前の電圧保持期間においては、始動補助回路3のキャパシタ6は24Vの電圧Vを保持している。直流電源1の電源電圧Vは12Vである。
一方、放電始動検知手段が放電の始動を検知すると、放電始動検知信号がHレベルになる。
制御回路14は、放電始動検知手段からHレベルの放電始動検知信号を受けると、始動補助回路3のキャパシタ6から電圧Vの供給を開始させるので、その電圧Vは低下するが、直流電源1の電源電圧Vは電圧Vが重畳されて上昇する。
このように、放電始動から100μ秒を経過するまでの間、電源電圧Vが上がることで、放電成長が維持される(ステップST6)。
なお、放電始動時に始動補助回路3が電圧Vを供給する時間は、放電維持成長が可能な時間内であれば充分であり、この時間は約100μ秒である。
図4では同時にランプ電流を示している。
放電始動時には、多大なインパルス状の電流がHIDランプ20に流れる。その後、インダクタとキャパシタとランプインピーダンスとの共振による周波数で、HIDランプ20に電流が流れる。始動補助回路3による電圧補助がない場合、ランプ電流が数サイクルで減少して、HIDランプ20が消えてしまうが、始動補助回路3が電圧Vを重畳しているので、ランプ電流が継続している。
制御回路14は、上記のように、放電始動時にスイッチング素子12をオンすることにより、始動補助回路3のキャパシタ6に保持されている電圧Vをトランス2の一次側に印加するが、図5(a)に示すように、スイッチング素子12をオンしている期間中、スイッチング素子13をオフし、放電始動が終了して、スイッチング素子12をオフすると、スイッチング素子13をオンするようにする。
これにより、以後、HIDランプ20は定常放電に以降する(ステップST7)。
図5(a)の場合、スイッチング素子12に同期して、スイッチング素子13がオンオフしているが、図5(b)(c)に示すように、放電始動を開始する手前の時間からスイッチング素子13をオフにしてもよい。
例えば、スイッチング素子9をオンした時点(図5(b)を参照)、あるいは、直流電源1の電源電圧Vの昇圧が開始された時点(図5(c)を参照)から、または、電源電圧Vの昇圧が開始されてから一定時間が経過した時点から、スイッチング素子13をオフにしてもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、直流電源1の電源電圧Vを昇圧し、その昇圧電圧Vを保持する始動補助回路3を設け、HIDランプ20の放電を開始させる際、始動補助回路3に保持されている昇圧電圧Vをトランス2に印加させるように構成したので、HIDランプ20が水銀レスランプである場合でも、放電始動直後の放電維持を継続することができる効果を奏する。
また、この実施の形態1によれば、直流電源1の電圧供給点と始動補助回路3の電圧供給点との間にスイッチング素子13を設けているので、直流電源1の極性が逆に接続された場合でも、スイッチング素子13をオフすることにより、直流電源1への逆流を防止して、点灯装置を保護することができる効果を奏する。
即ち、始動補助回路3が保持している電圧Vが直流電源1の電源電圧Vより高いため、始動補助回路3から電圧Vが供給されると、その電圧供給点の電圧が直流電源1の電圧Vより高くなることがある。このとき、直流電源1への逆流を防ぐために、スイッチング素子13をオフにする。スイッチング素子13が例えばMOS−FETである場合、スイッチング素子13がオフのときでも、直流電源1の電源電圧VがMOS−FETのボディダイオードを介してトランス2に供給される。スイッチング素子13がオンのときよりも電力損失が多くなるが、放電始動期間は短期間であるため、全体の効率への影響は少ない。このスイッチング素子13は他のデバイスでもよい。
また、この実施の形態1によれば、始動補助回路3の電圧供給点に電圧安定用のキャパシタ7を設けるとともに、電源電圧Vの昇圧電圧Vを保持する電圧保持用のキャパシタ6を始動補助回路3に内蔵し、その電圧保持用のキャパシタ6の容量値を電圧安定用のキャパシタ7の容量値より大きくしたので、放電成長を確実に行うことができる効果を奏する。
即ち、電圧安定用のキャパシタ7には、直流電源1から電源電圧Vが供給されているが、始動補助回路3のキャパシタ6に保持されている電圧Vを、放電始動時に電圧供給点で電源電圧Vに重畳するとき、電圧安定用のキャパシタ7の充電にも使用される。このため、電圧安定用のキャパシタ7の電圧が電源電圧Vよりも上昇し、始動補助回路3の電圧が低下して、数十μ秒後には同じ電圧となる(図4を参照)。
このとき、電圧保持用のキャパシタ6の容量値が電圧安定用のキャパシタ7の容量値より大きい場合、電圧安定用のキャパシタ7への充電として使われる電荷が少なくて済むので、より多くの電力を電源電圧Vに重畳することができる。これにより、放電成長をより確実に行うことができる。例えば、キャパシタ6,7の容量比を2倍以上にすると、放電成長は確実となる。
さらに、この実施の形態1によれば、直流電源1の電圧供給点に電流リプルを抑制する平滑用のキャパシタ8を設けるとともに、始動補助回路3の電圧供給点に電圧安定用のキャパシタ7を設け、その平滑用のキャパシタ7の容量値を電圧安定用のキャパシタ8の容量値より大きくしたので、電流リプルを確実に抑制することができる効果を奏する。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、制御回路14が放電始動時にスイッチング素子12をオンするものについて示したが、HIDランプ20の放電始動が終了すると、スイッチング素子12をオフすることにより、トランス2に対する昇圧電圧Vの印加を停止させて、その昇圧電圧Vを始動補助回路3のキャパシタ6に保持させるようにしてもよい。
具体的には、制御回路14は、上記実施の形態1と同様にして、放電始動時にスイッチング素子12をオンすることにより、始動補助回路3のキャパシタ6に保持されている電圧Vをトランス2に印加して、HIDランプ20が水銀レスランプである場合でも、放電始動直後の放電維持を継続することができるようにする。
制御回路14は、その後、放電成長を確認すると、スイッチング素子12をオフすることにより、トランス2に対する昇圧電圧Vの印加を停止させる。
なお、スイッチング素子12をオフするタイミングは、オンからの時間設定でもよい。あるいは、ランプ電圧またはランプ電流を検知し、その検知結果と閾値の比較結果に応じてオフしてもよい。
また、制御回路14は、放電成長を確認すると、スイッチング素子13をオンするとともに、スイッチング素子4,5を交互にオンオフを繰り返すことにより、トランス2の一次巻線により昇圧させた電圧Vを始動補助回路3のキャパシタ6に供給して保持させる。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、HIDランプ20の放電始動が完了すると、スイッチング素子12をオフすることにより、トランス2に対する昇圧電圧Vの印加を停止させて、その昇圧電圧Vを始動補助回路3のキャパシタ6に保持させるように構成したので、次回、HIDランプ20の始動を開始する際に、確実に始動を完了することができる効果を奏する。
実施の形態3.
上記実施の形態2では、HIDランプ20の放電始動が終了すると、スイッチング素子12をオフすることにより、トランス2に対する昇圧電圧Vの印加を停止させるものについて示したが、HIDランプ20の放電始動が終了しても、スイッチング素子12のオンを継続するようにしてもよい。
この場合、HIDランプ20の放電始動が終了した後は、始動補助回路3が直流電源1と並列に接続された状態になると同時に、始動補助回路3のキャパシタ6が平滑用のキャパシタ8と並列に接続された状態になる(図6を参照)。
したがって、HIDランプ20の放電始動が終了した後は、始動補助回路3のキャパシタ6が平滑用のキャパシタとして動作するようになる。
このため、スイッチング素子12をオフする場合よりも、平滑キャパシタの容量を多く確保することができるので、直流電源1へのリプル電流を更に低減することができる効果を奏する。また、平滑用のキャパシタ8として、容量値を少ないキャパシタを利用することができるため、平滑用のキャパシタ8の体積とコストを低減することができる効果を奏する。
実施の形態4.
上記実施の形態1では、制御回路14がスイッチング素子12をオンオフ制御するものについて示したが、図7に示すように、トランス2の一次巻線により昇圧された電圧V(始動補助回路3のキャパシタ6に保持されている電圧V)を測定する電圧検知回路21を設け、その電圧検知回路21により測定された電圧Vに応じてスイッチング素子12をオンオフ制御するようにしてもよい。
即ち、制御回路14は、電圧検知回路21により測定された電圧Vが電源電圧Vの2倍より高くなると、スイッチング素子12をオンすることにより、始動補助回路3のキャパシタ6に保持されている電圧Vをトランス2の一次側に供給させる。
一方、電圧検知回路21により測定された電圧Vが電源電圧Vの2倍より低くなると、スイッチング素子12をオフすることにより、トランス2の一次側に対する電圧Vの供給を停止させる。
これにより、始動補助回路3のキャパシタ6に保持される電圧Vを電源電圧Vの2倍程度に保つことができる効果を奏する。
実施の形態5.
上記実施の形態1では、多大な電流がHIDランプ20に流れていることを検知すると、HIDランプ20が放電の始動を開始しているものと判断し、制御回路14がスイッチング素子12をオンするものについて示したが、制御回路14が点灯指示を受けて、スイッチング素子9,13をオンすると、トランス2の二次側電圧、即ち、HIDランプ20に供給されるランプ電圧が上昇する。
そこで、この実施の形態5では、HIDランプ20に供給されているランプ電圧を測定し、そのランプ電圧が10kVより高くなると、制御回路14がスイッチング素子12をオンすることにより、始動補助回路3のキャパシタ6に保持される電圧Vをトランス2の一次側に印加させるようにする。
これにより、放電始動が困難なランプに対しても放電始動を容易にすることができる。
この発明の実施の形態1による放電灯点灯装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による放電灯点灯装置の動作手順を示すフローチャートである。 電圧昇圧部の構成例を示す説明図である。 放電始動時に始動補助回路が電圧Vを供給する際の各部の波形を示す説明図である。 スイッチング素子の動作時間を示す説明図である。 始動補助回路のキャパシタが平滑用のキャパシタと並列に接続された状態を示す説明図である。 トランスの一次巻線により昇圧された電圧Vを測定する電圧検知回路を示す説明図である。
符号の説明
1 直流電源、2 トランス、3 始動補助回路、4 ダイオード、5 ダイオード、6 キャパシタ、7 キャパシタ、8 キャパシタ、9 スイッチング素子、10 スイッチング素子、11 スイッチング素子、12 スイッチング素子、13 スイッチング素子、14 制御回路、15 インダクタ、16 インダクタ、17 インダクタ、18 キャパシタ、19 キャパシタ、20 HIDランプ(放電灯)、21 電圧検知回路。

Claims (10)

  1. 直流電源から電源電圧が印加されると、その電源電圧を放電灯に供給するトランスと、上記直流電源の電源電圧を昇圧し、その昇圧電圧を保持する始動補助回路と、上記放電灯の放電を開始させる際、上記始動補助回路に保持されている昇圧電圧を上記トランスに印加させる制御回路とを備えた放電灯点灯装置。
  2. 制御回路は、放電灯の放電始動を検知する放電始動検知手段から放電始動検知信号を受けると、始動補助回路に保持されている昇圧電圧をトランスに印加させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 直流電源の電圧供給点と始動補助回路の電圧供給点との間にスイッチング素子を設けていることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  4. 始動補助回路の電圧供給点に電圧安定用のキャパシタを設けるとともに、電源電圧の昇圧電圧を保持する電圧保持用のキャパシタを始動補助回路に内蔵し、その電圧保持用のキャパシタの容量値が上記電圧安定用のキャパシタの容量値より大きいことを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  5. 直流電源の電圧供給点に電流リプルを抑制する平滑用のキャパシタを設けるとともに、始動補助回路の電圧供給点に電圧安定用のキャパシタを設け、その平滑用のキャパシタの容量値が上記電圧安定用のキャパシタの容量値より大きいことを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  6. 制御回路は、放電灯の放電始動が終了すると、トランスに対する昇圧電圧の印加を停止させて、電源電圧の昇圧電圧を上記始動補助回路に保持させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  7. 始動補助回路は、電源電圧の昇圧電圧を保持する電圧保持用のキャパシタを内蔵し、放電灯の放電始動時には当該キャパシタに保持されている昇圧電圧をトランスに印加する一方、その放電始動が終了した後は、その電圧保持用のキャパシタを平滑用のキャパシタとして使用することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  8. 始動補助回路は、電源電圧を放電灯に供給するトランスがプッシュプルトランスを用いて構成されている場合、そのプッシュプルトランスの一次巻線により昇圧された電圧を保持することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  9. 制御回路は、始動補助回路に保持されている昇圧電圧が電源電圧の2倍より高くなると、トランスに対する昇圧電圧の印加を開始させ、その昇圧電圧が電源電圧の2倍より低くなると、そのトランスに対する昇圧電圧の印加を停止させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  10. 制御回路は、放電灯に供給されている電圧が10キロボルトより高くなると、始動補助回路に保持されている昇圧電圧をトランスに印加させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012048981A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Panasonic Electric Works Co Ltd 照明点灯装置及びそれを用いた照明器具

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