JP2006083865A - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】密閉型電動圧縮機において、クランク軸端部の振れ回りの影響による歯車ポンプの異常摩耗の発生と異音の発生を防止したものである。
【解決手段】ポンプケース51には歯車対52だけが装着されており、歯車ポンプの他の構成部品は蓋板53を挟んで歯車対と対向した位置に配設されているので、電動圧縮機の副軸受部と歯車対52の距離を従来技術による歯車ポンプの構成に比べて短く設定でき、クランク軸2の先端部の振れ回りを小さく抑える事ができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷暖房装置あるいは冷蔵庫などに用いられるスクロール圧縮機やロータリー圧縮機などの密閉型電動圧縮機に関するものである。
従来より、冷暖房装置、あるいは冷蔵庫などの冷却装置にはスクロール圧縮機やロータリー圧縮機などの密閉型電動圧縮機が用いられている。この種類の圧縮機の従来技術として、スクロール圧縮機を例にとり図面とともに説明する。
図14に示すように、密閉容器10の内部には、圧縮機構部1、電動機部7を構成する回転子6と固定子5、電動機部7の回転力を圧縮機構部1に伝達するクランク軸2、クランク軸2を支承する軸受部材3と副軸受部4aの副軸受部材4が設置され、さらに軸受部材3には軸受部の潤滑に供された油を一時回収する容器11が配設されている。また、密閉容器10には、低圧冷媒ガスを吸入するための吸入管8、圧縮機構部1で圧縮された高圧冷媒ガスを密閉容器の外部へ吐出するための吐出管9が設けられ、クランク軸2の端部には歯車ポンプ150が設けられている。
上記構成において、電動機部7の回転子6が回転すると、この回転力はクランク軸2によって圧縮機構部1に伝達される。圧縮機構部1に回転力が伝達されると、冷媒ガスに圧縮作用が生じる。この結果、吸入管8より吸入された低圧冷媒ガスは、圧縮機構部1で高圧冷媒ガスに圧縮されて、いったん密閉容器10内の吐出口側空間14に吐出された後、軸受部材3に設けられた連通口12を通過し電動機側空間17に流入する。その後高圧冷媒ガスの主流は、固定子5に設けられた切り欠き部13を通り、副軸受側空間18に至り、最終的に吐出管9より冷凍サイクル(図示せず)中へ吐き出される。
一方、歯車ポンプ150は、ポンプケース151に歯車対52とストレーナ157とストレーナで捕獲した油中の異物を溜める異物溜め室155と油吸入ノズル156を内蔵する構成となっており、ポンプケース151を蓋板153で覆い、ねじ152を4本用いて締結することにより、ポンプケース151に歯車対52を配設するくぼみ60aと蓋板153とで歯車室60を構成する一方、ねじ152の締結力によりポンプケース151と蓋板153の密着性を維持し、油や冷媒ガスに対するシール性を確保することを狙った構成となっている。また、図15、図16に示すようにポンプケース151には歯車室60に接して油溜め61が配設されており、ポンプ始動時に歯車対52に油が潤滑シール油として供給される構成になっている。また、ストレーナ157はステンレス製スクリーン157aをステンレス製板枠157bで挟み込み、スポット溶接で固定する構成となっている。一方ステンレス製板枠157bにはバネ性を有した板材を突起形状に配設している。図16に示すようにこの突起物157cにより、ストレーナ157をポンプケース151に装着時、ストレーナ157がポンプケース151のストレーナ装着面に密着することにより、異物溜まり室155の異物が歯車室60に侵入することを防止している。
以上の構成の歯車ポンプ150が図14に示すようにクランク軸2の端部に配設され、副軸受部材4に嵌合挿入されてボルト154を2本使用してポンプケース151部を副軸受部材4のポンプ取付座面に締結することにより取り付けられている。クランク軸2の端部の形状はDカット形状となっており、内歯車52bのDカット形状の穴部に挿入されている。クランク軸2と内歯車52bのDカット形状部を介してクランク軸2による駆動力を内歯車52bに伝達し内歯車52bと外歯車52aで構成される歯車対52の噛み合わせ回転運動により生じるポンプ作用により歯車ポンプ150を作動させる。電動圧縮機の
作動時、密閉容器10の下部の潤滑油溜め15の潤滑油は、歯車ポンプ150の油吸入ノズル156を介して歯車ポンプ150内部に汲み上げられた後、油中の異物を捕獲するためにストレーナ157を通り歯車対52に供給される。この後、前記歯車対52のポンプ作用により油は蓋板153に設けられた油通路153bに送り出され、油通路153bからクランク軸2に設けられたクランク軸油通路16を通り、圧縮機構部1へ供給される。この潤滑油の大半の部分は軸受部材3とクランク軸2との摺動面などを潤滑した後、軸受部材3に配設された油回収容器11に回収された後油回収容器11に配設された連通口11aより排出され、重力の作用により落下し、密閉容器10の下部の潤滑油溜め15に戻る。また、残りの潤滑油は圧縮機構部1から高圧冷媒ガスとともに密閉容器10内に吐き出され、電動圧縮機内部を移動する間に高圧冷媒ガスから分離され、同じく重力の作用により落下し、密閉容器10の下部の潤滑油溜め15に戻る。
しかしながら、従来の技術では歯車ポンプのポンプケースに歯車対のほか、ストレーナと異物溜め部と油吸入ノズルを併設しているため、ストレーナの取り付け寸法および異物溜め部に必要な容積から求まる寸法および油吸入ノズルに要求される直径寸法によりポンプケースの厚さ寸法が規制されてしまい、電動圧縮機の軸方向にその寸法が大きくなる。一方、ポンプケースに設けられた歯車室は、ポンプケースに歯車対を配設するくぼみを蓋板で覆い、蓋板をねじで締結することにより構成されるため、構造上電動圧縮機の副軸受部と歯車対との軸方向の距離が必然的に長くなる。
このため、電動圧縮機のクランク軸の理想軸線に対してクランク軸回転時における回転軸線が振れ回り(歳差運動)を生じた場合、歯車対の回転運動にクランク軸の振れ回り運動が加わることになる。すなわち、歯車対がクランク軸の回転運動によりこじれながら回転運動をすることになり、この結果、歯車対および歯車室の壁面およびクランク軸の歯車対駆動部および歯車対の歯車曲線部などに異常摩耗が生じ、また、歯車対のこじれ運動に起因して電動圧縮機運転中に異音が発生し、電動圧縮機の性能と信頼性が低下するという問題が生じる。
従来技術で以上の課題を解決しようとすると、歯車対と歯車室の隙間を大きく設定する必要が生じる。しかしこの場合、隙間が大きいために歯車対と歯車室のシール性が低下してポンプの油の流量性能と揚程性能が低下するという弊害が生じる。また、従来技術で前記の課題を解決する別の手段として、クランク軸、副軸受部材および歯車ポンプの各構成部品の設計公差を厳しく設定し組み合わせる方法がある。しかしこの場合は、各部品に高精度の加工と加工後の精度の検査、管理が要求されるという課題が生じることになる。
次に、従来の技術では歯車ポンプのポンプケースに歯車対のほか、ストレーナと異物溜め部と油吸入ノズルを併設しているため、ストレーナの取り付け寸法および異物溜め部に必要な容積から求まる寸法および油吸入ノズルに要求される直径寸法により、電動圧縮機の軸方向でのポンプケースの投影面積が大きくなり、また、厚さ寸法も大きいため歯車ポンプ全体の容積も大型化する。
一方、電動圧縮機の潤滑油が冷媒の流れとともに電動圧縮機の外部に吐出することを防ぐ必要から、副軸受側空間の容積を十分に大きく確保する必要がある。このため、歯車ポンプには小型、小容積であることが要求される。
この要求から、従来技術による歯車ポンプでは、機能上不要な余肉部分を削り落とした構成となり、ポンプケースと蓋板の形状も複雑になるので、両者の締結にはねじを多用す
ることになる。一方で、ねじの締め付けによる蓋板の微小歪の発生が避けられず、ポンプケースと蓋板とのシール面に微小すきまが生じ、シール性能の低下を招くことになる。
この結果、歯車ポンプの内部に冷媒ガスがかみ込む事態を招き、歯車ポンプの流量性能の低下を引き起こし、電動圧縮機の性能と信頼性が低下するという問題が生じる。
次に、電動圧縮機が運転を停止され、再度運転を開始される場合に備え、歯車ポンプの再起動時に歯車対へ油を供給し、歯車対の潤滑とシール性を確保し、歯車ポンプの汲み上げ能力を維持する目的でポンプケースの歯車室に接して油溜めが配設されているため、歯車室の円筒壁面に切り欠き形状の不連続面が構成されることになる。このため歯車対が回転運動を行うとき、歯車対とこの切り欠き形状部分とが摺動することにより歯車対と歯車室に異常摩耗を生じる場合が発生する。また、この時の摩耗粉が油の流れと共に電動圧縮機本体の圧縮機構部の摺動部に至り、この摩耗粉により摺動部の焼き付きを生じ、電動圧縮機の性能と信頼性に著しい影響を及ぼす場合が生じることを完全に回避できないという問題を生じる。
また、歯車対と前記切り欠き形状部分とが摺動することに起因して電動圧縮機運転中に異音が発生し、電動圧縮機の性能と信頼性が低下するという問題が生じる。
次に、従来技術の歯車ポンプではストレーナがポンプケース内に構成されているため、スクリーン面の形状がほぼ矩形になり、スクリーンの面積を増加させ、油中の異物の捕獲性能を向上させようとしてもスクリーンの面積の増加に比べてストレーナの周囲の全長寸法が大きくなり、結果としてポンプケースの厚さ寸法も大きくなるため、先に述べたようにポンプケースの厚さ寸法を小さくする必要から十分なスクリーン面積を確保することができない。
また、ストレーナの板枠に設けたバネ性突起でストレーナをポンプケースと密着させているので、バネ性突起のバネ力のばらつきにより、ストレーナとポンプケースとの密着性にもばらつきが生じる。
また、ストレーナの取付方式が、ポンプケースのストレーナ室にストレーナを挿入し、挿入口を蓋板で覆う方法であるため、ポンプケースとストレーナと蓋板との間で、隙間が生じることが避けられず、ストレーナにより油中の異物を捕獲するというストレーナの機能が完全には達成されない。
これらの結果、油の中に含まれる異物の内、微小な異物がストレーナの板枠とポンプケースの隙間を通過し、油の流れと共に電動圧縮機本体の圧縮機構部の摺動部に至り、この微小異物が摺動部の焼き付きを誘発させ、電動圧縮機の性能に著しい影響を及ぼす可能性を完全に排除できないという問題を生じる。
さらに、電動圧縮機の構成が横置き型の場合と縦置き型の場合とでは、密閉容器内部の潤滑油溜めの配置が異なるため、潤滑油溜めから油を歯車ポンプに汲み上げるために、歯車ポンプの油吸入ノズルの配設位置が異なる仕様の歯車ポンプを準備する必要が生じていた。
本発明は上記従来技術の課題を解決するもので、性能および信頼性の高い電動圧縮機を提供することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために本発明の密閉型電動圧縮機はクランク軸により連結さ
れた電動機により駆動される圧縮機構部を密閉容器内に収納し、クランク軸の副軸受側端部に歯車ポンプを配設したものにおいて、前記歯車ポンプは歯車対のみをポンプケースに収納し、蓋板やポンプカバー等歯車対以外の部品は歯車対の反副軸受側に配置すると同時に、ポンプカバーは同一角度位置以外で重なることの無い形状で全外周にわたって歯車対側に延出するリブを備えたフランジ部を設け、前記リブによって包囲される空間にフランジ部と略同一の外形を有するポンプ部品を収納したものである。
これによりにより、副軸受と歯車対との間隔を最短距離に構成してクランク軸先端部の振れ回りを小さくでき、かつ歯車対以外のポンプ部品を容易にかつ誤りなく組み立てることが可能となる。
本発明の密閉型電動圧縮機は、歯車対および歯車室の壁面およびクランク軸の歯車対駆動部および歯車対の歯車曲線部などに異常摩耗が生じることを排除でき、さらに、歯車対のこじれ運動に起因して生じる電動圧縮機運転時の異音の発生を抑制することが出来るので、信頼性と性能の高い電動圧縮機を提供することができる。
本発明はポンプカバーの形状を、軸方向を中心に回転させたときにすべての回転角度において外形が重なり合うことが無いフランジ部を有する形状とし、かつフランジ部外縁にはポンプカバー本体とは反対方向に向かって延設されたリブ部を有し、このリブ部に包囲された空間にポンプケース、蓋板、シール材等の部品を収納したものであり、これらの収納された部品の外形はポンプカバーフランジ部の外形と略同一形状としたものである。
このため、リブにより充分な剛性を確保してポンプカバーを構成出来るので、歯車ポンプを組立時のポンプカバーのシール性を充分に確保する事ができる一方で、ポンプカバーの製作が簡単になり、ポンプカバーの板厚を薄くして歯車ポンプの容積を小型化する事ができる。
そして、ポンプカバーにリブを設けることにより構成される空間に歯車ポンプを構成する部品を収納する形状に構成しているので、ポンプカバーと歯車ポンプの構成部品を仮組立してこれを一括して取り扱うことが出来るので、歯車ポンプ組立時における作業性を向上させる事ができる。
そして、フランジ部を、軸方向を中心に回転させたときにすべての回転角度において外形が重なり合ことが無い形状としているので、歯車ポンプの組立作業時にポンプカバーの組み付け方向を誤る事がなくなる。これにより、ポンプカバーの位相を反転して歯車ポンプを組み立てる事がなくなるので、歯車ポンプを電動圧縮機の副軸受け部材上に組み付けたとき、歯車ポンプの誤作動が生じる可能性を排除する事ができる。
さらに、ポンプカバー、ポンプケース、蓋板、シール材の投影面積を小さくする事が出来る一方で、輪郭が簡単な形状となるので、これらの部品をねじで締結する時に微小歪を生じる事なく、歯車ポンプのシール性を確保することが出来る。
また、歯車ポンプの形状をフランジ形状としているので、歯車ポンプの投影面積を小さくし、容積を小型化する事が出来る一方で、歯車ポンプの輪郭が簡単な形状となるので、ねじで締結する時、ポンプ構成部品に微小歪を生じる事なく、歯車ポンプのシール性を確保することが出来る。
また本発明は、歯車ポンプの構成部品をねじ2本で共締めしているので、構成部品に微
小歪を生じる事なく、歯車ポンプのシール性を確保することが出来る一方で、ポンプの構成部品を組立てるために使用するねじと歯車ポンプを副軸受け部材に締結するために使用するねじを共用化することができるので、ポンプ組立時におけるねじの使用本数を大幅に削減し、組立作業の簡易化が図れる。
そして、部品を締結するのにねじ2本で共締めして歯車ポンプを組立てているので、各部品に微小歪を生じる事なく、歯車ポンプのシール性を確保することが出来る。
(実施の形態1)
以下本発明の実施の形態1における密閉型電動圧縮機について、密閉型電動スクロール圧縮機を例にとり図面とともに説明する。
図1において、歯車ポンプ50は、ポンプケース51を副軸受部4aの副軸受部材4に嵌合挿入し、ねじ59によりポンプケース51と蓋板53とポンプカバー54とが共締めされ副軸受部材4のポンプ取付座面に締結されている。ポンプケース51に設けたくぼみ60aには外歯車52aおよび内歯車52bで構成される歯車対52が装着されており、蓋板53でポンプケース51を覆うことにより、蓋板53とくぼみ60aで歯車室60が構成され、歯車対52は歯車室60内に封入された構造となる。さらに、内歯車52bの中央部にはDカット形状の穴が設けられており、この穴にクランク軸2の端部のDカット形状部分が嵌合挿入されクランク軸2により伝達される回転力を内歯車52bに伝達し、内歯車52bと外歯車52aの噛み合わせ回転運動により歯車対52にポンプ作用を生じさせ、歯車ポンプ50を作動させる。
一方、蓋板53には油吸入ノズル56から汲み上げられた油を歯車対52へ導くための油連通口53aが配設され、さらに、歯車対52に到達した油をクランク軸2に設けたクランク軸油通路16へ導くためのくぼみ形状のポンプ油通路53bが配設されている。
一方、蓋板53を挟んで歯車対52と対向した配置にポンプカバー54が取り付けられ、ポンプカバー54と蓋板53で異物溜め部55および油溜め部58が構成される。さらに、ポンプカバー54には段差部が設けられており、この段差部に円形薄型形状の樹脂枠にステンレス製あるいは真鍮製、鉄製などのメッシュが取り付けられたストレーナ57が嵌合挿入され、ストレーナ57の樹脂枠端面がポンプカバー54の端面に対して電動圧縮機の軸方向にわずかに突き出ている。このため、ポンプカバー54をねじにより、蓋板53およびポンプケース51とともに副軸受部材4に共締め締結したとき、ストレーナ57がその厚さ方向の円形両端面でポンプカバー54の段差部と蓋板53により挟み込まれる構成となり、ポンプカバー54とストレーナ57およびストレーナ57と蓋板53が密着する。一方、ポンプカバー54の頭部は内側方向にパイプ形状に折返し加工が施されており、このパイプ形状部分にポリエチレンテレフタレート等の樹脂製チューブで作られた油吸入ノズル56が挿入され、さらに油吸入ノズル56に加熱による塑性変形加工を施してポンプカバー54の折返し加工部の形状に密着した状態で折返し加工が施され取り付けられている。また、油吸入ノズル56の先端部は密閉容器10内の潤滑油溜め15内に配設されている。
以上の構成で、副軸受部4aと歯車対52との距離を従来技術による歯車ポンプの構成に比べて短く設定できるので、電動圧縮機の運転時にクランク軸2の先端部の振れ回りを小さく抑える事ができる。この効果により、クランク軸2の端部に配設された歯車対52は歯車室60内でこじれを生じる事なく回転する。このため、歯車対52や歯車室60の壁面に異常摩耗を生じる事がなくなる一方で、歯車対52の回転による異音が生じることもなくなる。
次に、本実施例における歯車ポンプ作動時の油の流れはつぎに述べる通りである。歯車ポンプ50が作動すると、電動圧縮機の潤滑油溜め15の油は歯車対52のポンプ作用により油吸入ノズル56を介して異物溜め部55に導かれる。さらに、ポンプカバー54に嵌合挿入されたストレーナ57は、油連通口53aを覆うように配設されているので、油はストレーナ57で油中の異物が捕獲された後油連通口53aを介して歯車対52に汲み上げられる。歯車対52に汲み上げられた油は蓋板53に設けられたポンプ油通路53bを通りクランク軸2に設けられたクランク軸油通路16に導かれ、最終的に圧縮機構部1へ供給される。
(実施の形態2)
次に、本発明第2の実施の形態について、図2と図3に示す。歯車ポンプ50の機能と動作時の油の流れは第1の実施例と同等である。図2、図3において、油は歯車対52のポンプ作用により油吸入ノズル56を介してポンプカバー54に設けた異物溜め55に導かれ、蓋板53に設けられた油連通口53aを通り歯車対52に到達する。電動圧縮機の運転の一時停止により歯車ポンプ50が作動を停止しても、ポンプカバー54と蓋板53により油溜め58が構成されているので、歯車ポンプの再起動時に油溜め58内の油が歯車対52に供給され潤滑およびシール作用をなすので歯車ポンプ50の流量性能が維持される。
また、ポンプカバー54に磁石61を配設することにより、異物溜め55に導かれた油に含まれる鉄系の異物については磁力の作用により確実に異物溜め55内に捕獲される。
さらに、ポンプカバー54の全周にわたりリブ54aを配設することによりポンプカバーの板厚を薄くしてもポンプカバー54の剛性が保たれるのでポンプカバー54と蓋板53との組み合わせ面でのシール性が確保できる。また、シール材62をポンプカバー54と蓋板53の間に配設することにより、組み合わせ面でのシール性は確実なものとなる。
さらに、ポンプケース51および蓋板53およびシール材62およびポンプカバー54の外形形状をフランジ形状として、ねじ59を2本使用して各部品を共締めにより電動圧縮機の副軸受部材4(図示せず)に締結し、歯車ポンプ50を組み立てると、ねじ締結時にポンプカバー54や蓋板53に生じる微小歪によるシール面のシール性能の低下を最小限に抑える事ができ、一方で歯車ポンプ50の外形形状が単純化される事により歯車ポンプ50の容積を小型化できる。また、フランジ部外形をクランク軸方向から見た形状が軸を中心として回転させたときに同一角度位置以外で重なることの無い形状とすることにより、歯車ポンプ50を組み立てる際に各部品の取付方向のまちがいを防止できるため、例えば、ポンプケース51を副軸受部材4上で180度回転させて取り付けたような場合に生じる、ポンプ作用の逆作用という重大欠陥の発生を組立作業時に未然に防止する事ができる。
さらに、ポンプカバー54のリブ54a内にあらかじめ磁石61およびストレーナ57およびシール材62を収納し、蓋板53をポンプカバー54に軽度に圧入して仮組立てをしておけば、ポンプ組立作業時にこれらの各部品を一体的に取り扱う事ができるので、組立作業性が向上する。
(実施の形態3)
また、本実施例の他、図4に示すように蓋板53とポンプケース51の組み合わせ面やポンプケース51とクランク軸2の組み合わせ部にシール材62aや62bを配設することにより、歯車ポンプ50のシール性能が向上する。さらに、ポンプカバー54に異物溜めのくぼみ54bを設け、ストレーナで捕獲された油中の異物をこれに堆積させることによりストレーナのスクリーン部表面の目づまりの進行を抑える事ができる。さらに、スト
レーナの枠をプレス加工により金属部品で製作し、ポンプカバー54にスクリーンを枠で挟むように配設し、スポット溶接や圧入などの加工を施してポンプカバー54に枠を取付けてストレーナ57を構成する事ができる。
(実施の形態4)
また、図5に示すように、歯車対52の油吸入口部分63を蓋板53の油連通口53aと位置を合わせて配設する事により、油は歯車対に支障なく導かれる。さらに、油連通口53aの形状を三日月形状として、歯車対52の油吸入口部分63を広く覆うように配設すれば、油が油連通口53aを通過する際の流路の抵抗が十分小さくなり、歯車ポンプ50の回転負荷を小さくする事ができる。さらに、蓋板53に設けたポンプ油通路53bと油連通口53aのプレス加工の抜き方向を相互に反対方向にすると、ポンプ油通路53bからクランク軸2に設けたクランク軸油通路16へ油を導く際に必要な通路の面積と容積を確保する一方で、歯車対52の油吸入部分63と油通路53b部分が歯車対52と蓋板53とが対向する面で連通する事を最小限に抑え、シール性を確保することができる。
(実施の形態5)
また、図6に示すようにポンプカバー54の頭部に斜面を設け、この斜面から油吸入ノズル56をポンプカバー54と一体的に加工、成形してもよい。
(実施の形態6)
また、図7に示すようにポンプカバー54を樹脂により油吸入ノズル56と共に一体成形により構成してもよい。
(実施の形態7)
また、図8または図10に示すように樹脂枠57bとスクリーン57aとの間に段差を設けると、ポンプ組立時にストレーナ57が蓋板53に設けた油通路53bのプレス加工による突起部分に干渉する事がない。
さらに、ストレーナの樹脂枠をグラファイト10〜50%含有のPBT樹脂で成形すると、樹脂枠の強度が向上するので樹脂枠の余肉を削減できると共に成形時の形状精度も向上する。
(実施の形態8)
また、図9に示すようにストレーナ57の構成は樹脂枠57bにリブ57dを配設すると強度が増す。
(実施の形態9)
また、図11に示すようにスクリーンの面方向に沿って樹脂製のリブを樹脂枠と一体に成形することにより、スクリーンと樹脂枠の機械的強度をともに向上させることができる。
(実施の形態10)
また、図12に示すように微小突起57eを配設するとポンプカバー54に軽度に圧入して取り付ける事ができる。
(実施の形態11)
また、図1に示す油吸入ノズル56を図13に示した例のように配設すると横置き型の電動圧縮機だけでなく縦置き型の電動圧縮機においても本発明による潤滑油ポンプを合理的に構成できる。
なお、図1から図13の実施例は、密閉型電動スクロール圧縮機の例を説明したが、本発明は、スクロール圧縮機に限らず、他の密閉型電動圧縮機、たとえば密閉型ロータリー圧縮機に適用されることはいうまでもない。
以上のように本発明にかかる密閉型圧縮機は、潤滑油ポンプをコンパクトに構成でき、信頼性が高く、性能の良い圧縮機を実現できるので空気調和装置や冷蔵庫等の冷凍機器のほかに、ヒートポンプを応用した給湯器や乾燥機等の用途に適用できる。
本発明実施の形態1における密閉型電動スクロール圧縮機の部分断面図 本発明実施の形態2における歯車ポンプの断面図 本発明実施の形態2における歯車ポンプの平面図 本発明実施の形態3における歯車ポンプの断面図 本発明実施の形態4における歯車ポンプの部品平面図と部分断面図 本発明実施の形態5における密閉型電動スクロール圧縮機の部分断面図 本発明実施の形態6における密閉型電動スクロール圧縮機の部分断面図 本発明実施の形態7におけるストレーナの平面図と断面図 本発明実施の形態8におけるストレーナの平面図と断面図 本発明実施の形態7におけるストレーナの平面図と断面図 本発明実施の形態9におけるストレーナの平面図と断面図 本発明実施の形態10におけるストレーナの平面図と断面図 本発明実施の形態11における密閉型電動スクロール圧縮機の断面図 従来例の密閉型電動スクロール圧縮機の断面図 従来例の歯車ポンプの平面図 従来例の歯車ポンプの断面図
符号の説明
1 圧縮機構部
2 クランク軸
3 軸受部材
4 副軸受部材
5 固定子
6 回転子
10 密閉容器
15 潤滑油溜め
16 クランク軸油通路
50 歯車ポンプ
51 ポンプケース
52 歯車対
52a 外歯車
52b 内歯車
53 蓋板
53a 油連通口
53b ポンプ油通路
54 ポンプカバー
55 異物溜め
56 油吸入ノズル
57 ストレーナ
58 油溜め
61 磁石
62 シール材

Claims (4)

  1. 底部に潤滑油溜めを有する密閉容器内にクランク軸によって連結された電動機と圧縮機構部およびクランク軸を電動機の反圧縮機構部側で回転自在に支持する副軸受とを収納し、前記副軸受を収納保持する副軸受部材に前記クランク軸内部に設けたクランク軸油通路へ前記潤滑油溜めの油を汲み上げて供給する歯車ポンプを配置した密閉型電動圧縮機であって、前記歯車ポンプは、前記クランク軸により駆動される歯車対を収納するポンプケース、および該ポンプケースの反副軸受側端面に前記歯車対収納空間を覆うように配置されて前記歯車対に油を吸入する油連通口を有する蓋板、および該蓋板の反歯車対側を覆うように配置されて蓋板との間に油溜めを形成するポンプカバーとからなり、該ポンプカバーはクランク軸方向から見た形状が軸を中心として回転させたときに同一角度位置以外で重なることの無い形状のフランジ部を有し、前記フランジ部は全外周にわたって歯車対側に延出するリブを有し、前記リブによって形成される空間に前記フランジ部と略同一の外形を有するポンプ部品を収納したものである密閉型電動圧縮機。
  2. フランジの形状が楕円形の一部を直線に切り取ったものである請求項1記載の密閉型圧縮機。
  3. リブによって形成される空間に収納されるポンプ部品がポンプケース、蓋板およびこれらの部品の隙間をシールするシール材である請求項1または2記載の密閉型電動圧縮機。
  4. リブによって形成された空間に収納された部品がポンプケースと共に2本のネジで副軸受部材に共締め固定されてなる請求項1乃至3記載の密閉型電動圧縮機。
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