JP2006083799A - 噴射弁の取付け構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 燃料噴射弁3はシリンダヘッド1に形成されている取付け孔4に取付けられている。燃料噴射弁3はボルト4によってシリンダヘッド1に固定されている。取付け孔4の小径部41には嵌入プラグ90が嵌入されている。圧入プラグ80は嵌入プラグ90の内周側に圧入されている。圧入プラグ80は全周で嵌入プラグ90の内周面に接触している。圧入プラグ80には露出孔81が形成され、その露出孔81にはノズル30の先端部が挿入されている。ノズル30の先端部は全周で露出孔81の内周面と接触している。
【選択図】 図1
Description
これに対し、ノズルの温度上昇を抑制するための種々の対策が提案されている。例えば、特許文献1には、シリンダヘッドとノズルの先端との間にガスケットを狭持する燃料噴射弁の取付け構造が開示されている。特許文献1に記載の燃料噴射弁の取付け構造では、ノズルの先端の熱がガスケットを介してシリンダヘッドに伝達されシリンダヘッドから放熱されるため、ノズルの温度を低減することができる。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、燃料噴射弁のノズル部の温度上昇を抑制でき、シリンダヘッドに燃料噴射弁を容易に取付けることができる燃料噴射弁の取付け構造を提供することを目的とする。
さらに、第一プラグは穴部に圧入されて取付けられている。そのため、第一プラグの圧入位置を燃料噴射弁の軸方向の寸法に応じて変えることができるので、ノズル部と第一プラグとの接触圧のばらつきを小さくすることがことができる。例えば、第一プラグにノズル部を接触させながら、シリンダヘッドに燃料噴射弁をその取付け位置まで押し込む。すると、第一プラグはノズル部に押されて穴部に圧入される。つまり請求項1から11に記載の発明によれば、燃料噴射弁をノズル部と第一プラグとの接触圧のばらつきを小さくシリンダヘッドに容易に取付けることができる。
請求項3に記載の発明によれば、第一プラグは全周で穴部の内周面と接触しているので、燃焼ガスが第一プラグと穴部との間からノズル部の上部に進入することを防止できる。つまりノズル部の上部は燃焼ガスに曝されることがないので、燃料噴射弁のノズル部の温度上昇を抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、燃料噴射弁のノズル部は第一プラグの露出孔に挿入され、その外周面が露出孔の内周面と接触する。また、ノズル部の外周面と露出孔の内周面が接触する部位における、ノズル部の外周面の角度と露出孔の内周面の角度とが互いに異なる。そのためノズル部の外周面と露出孔の内周面とは、互いに幅の狭い線状の部位で接触する。これにより、第一プラグの熱がノズル部に伝達されにくくなるので、燃料噴射弁の温度上昇を抑制することができる。
請求項7及び請求項13に記載の発明によれば、部品点数が減少する。
請求項8に記載の発明によれば、第一プラグは第二プラグの内周側に圧入される。第一プラグを第二プラグとともにシリンダヘッドの取付け孔から取り外すことができるので、燃料噴射弁の交換を容易に行うことができる。
請求項14に記載の発明によれば、シリンダヘッドが放射する熱をプラグが遮蔽するので、シリンダヘッドの熱がノズル部に伝達されにくくなる。そのためノズル部の温度上昇を抑制することができる。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態を図面に従って説明する。図1は、本発明の第一実施形態による燃料噴射弁3の取付け構造を説明するための断面図である。
シリンダヘッド1には、燃焼室2に開口する取付け孔40が形成されている。取付け孔40内には燃料噴射弁3が挿通固定されている。燃料噴射弁3は、ノズルフォルダ20、ノズル30等が取付け孔40内に位置する状態で、ブラケット12とボルト4とによってシリンダヘッド1に固定されている。燃料噴射弁3の上端部には、図示しない燃料供給路に連結される燃料供給管15と、図示しない噴射弁駆動回路と電磁駆動部60のコイル62とを電気的に接続するためのコネクタ14とが設けられている。
露出孔81は燃焼室2側に向かうほど縮径するテーパ状に形成されている。そのため、ノズル30の先端部30aが露出孔81の内周面の燃焼室2側の一端で圧入プラグ80と接触している。これにより、露出孔81から燃焼室2に露出する先端部30aの表面積を小さくすることができる。
フランジ部92のガスケット75と反対側には、ガスケット76が配置されている。ガスケット76は、燃料噴射弁3とフランジ部92との間に狭持されている。尚、ガスケット76は設けなくてもよい。
まず、燃料噴射弁3の軸方向についてノズル30と圧入プラグ80との相対的な位置関係を説明する。露出孔81の接触部85における内径がノズル30の先端部30aの接触部35における外径よりも拡大すると、先端部30aが露出孔81の内周面から周方向に離間するおそれがある。しかしながら、圧入プラグ80は、ノズル30よりも熱膨張率の小さな材料で形成されている。これにより、圧入プラグ80とノズル30の熱膨張によって、露出孔81の接触部85における内径が先端部30aの接触部35における外径より拡大することを防止できる。つまり、ノズル30の先端部30aが露出孔81の内周面から周方向に離間することを防止できる。
次に、燃料噴射弁3の周方向についてノズル30と圧入プラグ80との相対的な位置関係を説明する。嵌入プラグ90が熱膨張によって燃料噴射弁3の軸方向に延伸すると、嵌入プラグ90に圧入されている圧入プラグ80は嵌入プラグ90とともに移動する。この移動量が燃料噴射弁3の熱膨張による軸方向への延伸量より大きいと、ノズル30の先端部30aが圧入プラグ80の露出孔81の内周面から軸方向に離間するおそれがある。しかしながら、嵌入プラグ90は、燃料噴射弁3よりも熱膨張率の小さな材料で形成されている。ここで燃料噴射弁3の熱膨張率とは、燃料噴射弁3の温度が1℃上昇したときの燃料噴射弁3の体積の膨張の割合である。尚、燃料噴射弁3の体積は、燃料供給管15、磁性部材67、非磁性部材68、磁性部材65、ノズルフォルダ20、ノズル30などの燃料噴射弁3の構成要素が熱膨張することにより増大する。これにより、圧入プラグ80の熱膨張による軸方向への移動量が燃料噴射弁3の軸方向への延伸量より大きくなることを防止できる。つまり、ノズル30の先端部30aが圧入プラグ80の露出孔81の内周面から軸方向に離間することを防止できる。
以上説明したように、本発明の第一実施形態による燃料噴射弁3の取付け構造では、熱膨張によってノズル30の先端部30aが圧入プラグ80の露出孔81の内周面から周方向にも軸方向にも離間することはない。
シリンダヘッド1に燃料噴射弁3を取付けるためには、まずシリンダヘッド1の取付け孔40にガスケット75と嵌入プラグ90とガスケット76とを取付ける。
次に、燃料噴射弁3のノズル30を圧入プラグ80に接触させた状態で、シリンダヘッド1の取付け孔40に燃料噴射弁3をその取付け位置まで押し込む(矢印100参照)。このとき圧入プラグ80は、ノズル30の先端部30aに押されて、嵌入プラグ90の内周側に圧入される。ここで取付け位置とは、燃料噴射弁3のシリンダヘッド1に対する相対的な位置であって、燃料噴射弁3のブラケット12がシリンダヘッド1の外壁と当接して、シリンダヘッド1に燃料噴射弁3をボルト4によって固定可能な位置(図1参照)を意味している。
次に、ボルト4でブラケット12を締め付けて、シリンダヘッド1に燃料噴射弁3を固定する。
以上説明した燃料噴射弁3の取付け方法によれば、燃料噴射弁3の軸方向の寸法、ボルト4による締め付け量などを厳しく管理しなくても、燃料噴射弁3のノズル30と圧入プラグ80とを接触させた状態でシリンダヘッド1に燃料噴射弁3を容易に取付けることができる。
燃料噴射弁3および圧入プラグ80をシリンダヘッド1から取り外すためには、まず燃料噴射弁3のブラケット12を締め付けているボルト4を外して、燃料噴射弁3をシリンダヘッド1から取り外す。
次に、嵌入プラグ90とともに圧入プラグ80を引き抜くことによって、圧入プラグ80をシリンダヘッド1から取り外す。
以上説明した燃料噴射弁3および圧入プラグ80の取り外し方法によれば、燃料噴射弁3および圧入プラグ80を容易に取り外すことができる。
図5に本発明の第二実施形態による燃料噴射弁3の取付け構造を説明するための断面図である。第二実施形態による燃料噴射弁3の取付け構造は、第一実施形態に係る嵌入プラグ90を備えていない。つまり第二実施形態による燃料噴射弁3の取付け構造では、圧入プラグ80を取り外しにくいが、第一実施形態のように嵌入プラグ90を要さないので、部品点数が減少する。
圧入プラグ80はシリンダヘッド1の取付け孔40の小径部41に圧入されている。圧入プラグ80は全周で取付け孔4の内周面に接触している。取付け孔4の内周面の燃焼室2側の一端には突出部11が形成されている。突出部11は取付け孔4の内周面から突出している。突出部11は第一実施形態に係る突出91と同一の機能を有している。第二実施形態では取付け孔40が特許請求の範囲に記載の「穴部」に相当する。シリンダヘッド1は燃料噴射弁3よりも熱膨張率の小さな材料で形成されている。ガスケット76は燃料噴射弁3と段部45との間に狭持されている。
また、空隙70および空隙71によってシリンダヘッド1の熱がノズルフォルダ20に伝達されにくくなるので、燃料噴射弁3の温度上昇を抑制できる。
また、嵌入プラグ90は突出部91を有している。突出部91は圧入プラグ80が燃焼室2に脱落することを防止するので、圧入プラグ80の脱落に起因する不具合の発生を防止することができる。
また、第一実施形態による燃料噴射弁3では、嵌入プラグ90は燃料噴射弁3よりも熱膨張率の小さな材料で形成されている。また第二実施形態による燃料噴射弁3では、シリンダヘッド1が嵌入プラグ90は燃料噴射弁3よりも熱膨張率の小さな材料で形成されている。そのため、圧入プラグ80の熱膨張による軸方向への移動量が燃料噴射弁3の軸方向への延伸量より大きくなることを防止でき、ノズル30の先端部30aが圧入プラグ80の露出孔81の内周面から軸方向に離間することを防止できる。
以上説明した複数の実施形態では、ノズル30の先端部30aに噴孔31を有する燃料噴射弁3を例に説明したが、本発明は噴孔プレートを有する燃料噴射弁にも適用してもよい。
また、複数の実施形態では、ノズル30は全周で露出孔81の内周面と接触しているものとして説明した。しかし、ノズル30と露出孔81の内周面との間に適宜隙間を形成してもよい。そのようにすれば、先端部30aと圧入プラグ80とが接触していない部分から燃焼ガスが進入するが、ノズル30と圧入プラグ80の間の熱抵抗を大きくできるので、圧入プラグ80からノズル30に伝達される熱量を低減することができる。
また、第二実施形態では、圧入プラグ80は全周で取付け孔4の内周面と接触しているものとして説明した。しかし、圧入プラグ80と取付け孔4との間に適宜隙間を形成してもよい。
Claims (14)
- ノズル部の先端に噴孔を有し前記噴孔から燃料を噴射する燃料噴射弁を、内燃機関のシリンダヘッドに設けられている穴部に取付ける燃料噴射弁の取付け構造であって、
前記燃料噴射弁の前記ノズル部の外周面に接触し、前記ノズル部が接触している状態で前記噴孔を露出させる露出孔を有する第一プラグを備え、
前記第一プラグは前記穴部に圧入されていることを特徴とする燃料噴射弁の取付け構造。 - 前記ノズル部は全周で前記第一プラグと接触していることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁の取付け構造。
- 前記第一プラグは全周で前記穴部の内周面と接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射弁の取付け構造。
- 前記ノズル部と前記穴部の内周面との間に空隙が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の取付け構造。
- 前記ノズル部は前記露出孔に挿入され、
前記第一プラグは前記露出孔の内周面で前記ノズル部の外周面に接触し、
前記ノズル部の外周面と前記露出孔の内周面が接触する部位における、前記ノズル部の外周面の角度と前記露出孔の内周面の角度とが、互いに異なることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の取付け構造。 - 前記穴部は前記第一プラグの燃焼室への脱落を防止するための突出部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の取付け構造。
- 前記穴部は前記シリンダヘッドの内壁面により形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の取付け構造。
- 前記穴部は、前記シリンダヘッドの内壁面により形成されている取付け孔に嵌入され、前記穴部を形成する筒状の第二プラグを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の取付け構造。
- 前記シリンダヘッドの熱膨張率は前記燃料噴射弁の熱膨張率よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射弁の取付け構造。
- 前記第二プラグの熱膨張率は前記燃料噴射弁の熱膨張率よりも小さいことを特徴とする請求項8に記載の燃料噴射弁の取付け構造。
- 前記ノズル部は、前記露出孔に挿入され、前記露出孔の内周面と接触し、
前記第一プラグの熱膨張率は前記ノズル部の熱膨張係数よりも小さいことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の取付け構造。 - ノズル部の先端に噴孔を有し前記噴孔から燃料を噴射する燃料噴射弁を、内燃機関のシリンダヘッドに設けられている穴部に取付ける燃料噴射弁の取付け構造であって、
前記ノズル部と前記穴部の内周面との間に空隙が形成されていることを特徴とする燃料噴射弁の取付け構造。 - 前記穴部は前記シリンダヘッドの内壁面により形成されていることを特徴とする請求項12に記載の燃料噴射弁の取付け構造。
- 前記穴部は、前記シリンダヘッドの内壁面により形成されている取付け孔に嵌入され、前記穴部を形成する筒状のプラグを備えることを特徴とする請求項12に記載の燃料噴射弁の取付け構造。
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CN109196217A (zh) * | 2016-05-25 | 2019-01-11 | 日立汽车系统株式会社 | 燃料喷射阀 |
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