JP2006083585A - 木質系ユニット建物 - Google Patents

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JP2006083585A
JP2006083585A JP2004268758A JP2004268758A JP2006083585A JP 2006083585 A JP2006083585 A JP 2006083585A JP 2004268758 A JP2004268758 A JP 2004268758A JP 2004268758 A JP2004268758 A JP 2004268758A JP 2006083585 A JP2006083585 A JP 2006083585A
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Hiroyuki Suzuki
裕之 鈴木
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 建物の構造強度を確保しながら、建物の隅角部で交差する2個の壁パネルのそ
れぞれに掃出開口を設けること。
【解決手段】 建物の隅角部で交差する2個の壁パネル22、22Aのそれぞれに掃出開
口23、23Aを設けた木質系ユニット建物10であって、前記隅角部に設けられる隅柱
101Aの下端部を引抜き力に抵抗する金物60により下部構造体に接続し、該隅柱10
1Aの上端部を引抜き力及び剪断力に抵抗する金物70により上部構造体に接続し、前記
掃出開口23、23Aの下部を引抜き力に抵抗する金物60により下部構造体に接続し、
該掃出開口23、23Aの上部に垂壁80を設けるもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は木質系ユニット建物に関する。
従来、両面開口を備えた木質系ユニット建物として、特許文献1に記載の如く、建物の
隅角部で交差する2個の壁パネルのそれぞれに開口を設けたものがある。
枠組壁工法住宅工事共通仕様書平成13年度版
非特許文献1の木質系ユニット建物では、建物の構造強度を確保する必要から、前記2
個の壁パネルのそれぞれに設ける開口の少なくとも一方に腰壁を設ける必要がある。従っ
て、2個の壁パネルのそれぞれに設ける開口をともに掃出開口とすることができない。
本発明の課題は、建物の構造強度を確保しながら、建物の隅角部で交差する2個の壁パ
ネルのそれぞれに掃出開口を設けることにある。
請求項1の発明は、建物の隅角部で交差する2個の壁パネルのそれぞれに掃出開口を設
けた木質系ユニット建物であって、前記隅角部に設けられる隅柱の下端部を引抜き力に抵
抗する金物により下部構造体に接続し、該隅柱の上端部を引抜き力及び剪断力に抵抗する
金物により上部構造体に接続し、前記掃出開口の下部を引抜き力に抵抗する金物により下
部構造体に接続し、該掃出開口の上部に垂壁を設けるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記2個の壁パネルのうちの少なく
とも一方の壁パネルが、2個の建物ユニットの床パネルに跨って立設される渡り壁パネル
であるようにしたものである。
(請求項1)
(a)隅柱の下端部を引抜き力に抵抗する金物により下部構造体に接続すること、隅柱の
上端部を引抜き力及び剪断力に抵抗する金物により上部構造体に接続すること、掃出開口
の下部を引抜き力に抵抗する金物により下部構造体に接続すること、掃出開口の上部に垂
壁を設けることにより、建物の構造強度を確保しながら、建物の隅角部で交差する2個の
壁パネルのそれぞれに掃出開口を設けることができる。
(請求項2)
(b)2個の建物ユニットに跨る渡り壁パネルを設けることにより、2個の建物ユニット
の間の接合強度を増しながら、上述(a)により建物の構造強度を確保しながら、建物の隅
角部で交差する2個の壁パネルのそれぞれに掃出開口を設けることができる。
(c)渡り壁パネルに設ける掃出開口を、2個の建物ユニットに渡る広巾開口とすること
もできる。
図1は実施例1の木質系ユニット建物の一部を示す斜視図、図2は渡り壁パネルの据付
過程を示す斜視図、図3は渡り壁パネルの位置決め状態を示す斜視図、図4は渡り壁パネ
ルの固定状態を示す斜視図、図5はL字形金物の取付状態を示し、(A)は斜視図、(B
)は平面図、(C)は側面図、図6はホールダウンケーブルの取付状態を示し、(A)は
図4のVI−VI線に沿う断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う矢視図、図7はホールダ
ウンケーブルを示す斜視図、図8は実施例2の木質系ユニット建物の一部を示す斜視図、
図9はホールダウン金物の取付状態を示し、(A)は図8のIX−IX線に沿う断面図、(B
)は(A)のB−B線に沿う矢視図である。
(実施例1)(図1〜図7)
図1、図2は、実施例1の木質系ユニット建物10の一部を示すものであり、下部構造
体としての基礎11の上に、3個の長尺下階建物ユニット20を据付け、各下階建物ユニ
ット20の上に上部構造体としての短尺上階建物ユニット30をセットバックして据付け
、各下階建物ユニット20の上の上階建物ユニット30に対する前側に上部構造体として
の屋根ユニット40を搭載したものである。
下階建物ユニット20は、床パネル21の外縁部に壁パネル22を立設したものである
。また、上階建物ユニット30は、床パネル31の外縁部に壁パネル32を立設したもの
である。
木質系ユニット建物10は、建物の隅角部で交差する2個の壁パネル22、22のうち
の一方を、2個の下階建物ユニット20、20の床パネル21、21に跨って立設される
渡り壁パネル22Aとし、それらの壁パネル22、22Aのそれぞれに掃出開口23、2
3Aを設けた。掃出開口23、23Aは、開口下端部を床パネル21の床面レベルに設定
したものであり、腰壁を有さない。
壁パネル22(22Aも同じ)は、壁枠組100を縦枠材101、上枠材102、下枠
材103の枠組により構成し、壁枠組100の内外面に内壁面材104、外壁面材105
を貼り設けて構成される。渡り壁パネル22Aは、壁枠組100の一端側に隅柱101A
を設け、他端側に継ぎ柱101Bを設けている。
木質系ユニット建物10は、基礎11の上に以下の如くにして構築される。
(1)工場生産された下階建物ユニット20を基礎11の上に据付け、下階建物ユニット
20の上に上階建物ユニット30、屋根ユニット40を据付ける。下階建物ユニット20
は、掃出開口23が設けられた壁パネル22を床パネル21の外縁部に立設して備える。
(2)掃出開口23Aが設けられた渡り壁パネル22Aを上述(1)の2個の下階建物ユニッ
ト20、20の床パネル21、21に跨って立設するように吊り込む(図3)。このとき
、渡り壁パネル22Aが交差することとなる下階建物ユニット20の壁パネル22は調整
筋交い1により垂直になるように設置され、下階建物ユニット20の床パネル21には渡
り壁パネル22Aの位置決め用L字形金具2が設置されている。従って、渡り壁パネル2
2Aは、下枠材103の内側面をL字形金具2に合わせ、隅柱101A、継ぎ柱101B
が相隣接する壁パネル22の縦枠材101に平行になるように立設される。
(3)下階建物ユニット20は、基礎11に植設してある例えばM12のアンカーボルト51
に、床パネル21を締結する。また、下階建物ユニット20は、壁パネル22、22Aの
上枠材102と、上階建物ユニット30、屋根ユニット40とを例えばM12のボルト52
により締結する。
(4)木質系ユニット建物10は、建物の隅角部で交差する2個の壁パネル22、22A
のそれぞれに掃出開口23、23Aを上述の如くに設けるに際し、建物の構造強度を確保
するため、下記(i)〜(iv)の構造を具備する。
(i)木質系ユニット建物10の隅角部に位置することとなる渡り壁パネル22Aの一端
側の隅柱101Aの下端部を、図6に示す如く、引抜き力に抵抗する金物としてのホール
ダウン(HD)ケーブル60により基礎11に接続する。
ホールダウンケーブル60は、図7に示す如く、例えば10mm直径のステンレス鋼ワイヤ
からなるケーブル60Aの上端部に上筒状部材60Bを固着し、ケーブル60Aの下端部
に下筒状部材60Cを係止し、ケーブル60Aの中間部にスプリングワッシャ60D、座
金60Eを挿着する。
隅柱101Aのホールダウンケーブル60が設けられる側面には引寄せ金物61がボル
ト及び釘打ち固定される。ホールダウンケーブル60の上筒状部材60Bをスプリングワ
ッシャ60D、座金60Eとともに引寄せ金物61の受板61Aに乗せた状態で、下筒状
部材60Cを渡り壁パネル22Aの下枠材103の穴に落とし込み、基礎11に植設して
ある例えばM16のアンカーボルト51に下筒状部材60Cを螺着して締結する。
(ii)隅柱101Aの上端部にL字形金物70を釘打ち固定する。L字形金物70は、図
4、図5に示す如く、渡り壁パネル22Aの隅柱101A、上枠材102と壁パネル22
の縦枠材101、上枠材102に釘打ち固定される。L字形金物70の仕様(強度)は上
階の耐力壁の壁倍率に応じて定める。L字形金物70は、渡り壁パネル22Aの上枠材1
02に植設されてL字形金物70の長孔70Aから屋根ユニット40の側に立上がるボル
ト52とともに、隅柱101Aの上端部を屋根ユニット40に接続し、引抜き力及び剪断
力に抵抗する金物を構成する。
(iii)壁パネル22、22Aにおける掃出開口23、23Aの下部を引抜き力に抵抗す
る金物としてのホールダウンケーブル60により基礎11に接続する。
ホールダウンケーブル60は、前述(i)におけると同様にして、壁パネル22、22A
の縦枠材101、継ぎ柱101Bにボルト及び釘打ち固定された引寄せ金物61と、基礎
11のアンカーボルト51との間に延在される。
(iv)壁パネル22、22Aにおける掃出開口23、23Aの上部に垂壁(まぐさ)80
を設ける。垂壁80は例えば高さ455mm以上が好ましい。
実施例1の木質系ユニット建物10によれば以下の作用効果を奏する。
(a)隅柱101Aの下端部を引抜き力に抵抗するホールダウンケーブル60により下部
構造体(基礎11)に接続すること、隅柱101Aの上端部を引抜き力及び剪断力に抵抗
するL字形金物70により上部構造体(屋根ユニット40)に接続すること、掃出開口2
3、23Aの下部を引抜き力に抵抗するホールダウンケーブル60により下部構造体(基
礎11)に接続すること、掃出開口23、23Aの上部に垂壁80を設けることにより、
建物の構造強度を確保しながら、建物の隅角部で交差する2個の壁パネル22、22Aの
それぞれに掃出開口23、23Aを設けることができる。
(b)2個の建物ユニット20、20に跨る渡り壁パネル22Aを設けることにより、2
個の建物ユニット20、20の間の接合強度を増しながら、上述(a)により建物の構造強
度を確保しながら、建物の隅角部で交差する2個の壁パネル22、22Aのそれぞれに掃
出開口23、23Aを設けることができる。
(c)渡り壁パネル22Aに設ける掃出開口23Aを、2個の建物ユニット20、20に
渡る広巾開口とすることもできる。
(実施例2)(図8、図9)
実施例2の木質系ユニット建物10Aが実施例1の木質系ユニット建物10と異なる点
は、図8に示す如く、木質系ユニット建物10Aを総2階としたことにある。木質系ユニ
ット建物10Aは、基礎11の上に据付けた各下階建物ユニット20の上に、該下階建物
ユニット20と同サイズの上階建物ユニット30を据付けて構築される。
木質系ユニット建物10Aの建物ユニット20、30は、木質系ユニット建物10の建
物ユニット20、30と同様に構成され、下階建物ユニット20は床パネル21、壁パネ
ル22を有し、上階建物ユニット30は床パネル31、壁パネル32を有する。
木質系ユニット建物10Aは基礎11の上に以下の如くにして構築される。
(1)下階建物ユニット20を基礎11の上に据付け、下階建物ユニット20の上に上階
建物ユニット30を据付ける。下階建物ユニット20は、掃出開口23が設けられた壁パ
ネル22を床パネル21の外縁部に立設して備える。
(2)木質系ユニット建物10における前述(2)と同じ。
(3)木質系ユニット建物10における前述(3)と同じ。
(4)(i)木質系ユニット建物における前述(4)(i)と同じ。
(ii)隅柱101Aの上端部を、図9に示す如く、引抜き力及び剪断力に抵抗する金物と
してのホールダウン(HD)金物90により上階建物ユニット30に接続する。ホールダ
ウン金物90は帯板金物によって代えることもできる。
ホールダウン金物90は、渡り壁パネル22Aの隅柱101Aの側面にボルト及び釘打
ち固定される下引寄せ金物91と、上階建物ユニット30の床パネル31の床根太31A
に釘打ち固定される中間金物92と、上階建物ユニット30の壁パネル32の縦枠材32
Aにボルト及び釘打ち固定される上引寄せ金物93とから構成される。ホールダウン金物
90は、下引寄せ金物91と中間金物92を例えばM16のボルト91Aにより締結すると
ともに、上引寄せ金物93と中間金物92を例えばM16のボルト93Aにより締結するこ
とにて、隅柱101Aを上階建物ユニット30に接続する。
(iii)木質系ユニット建物10における前述(4)(iii)と同じ。
(iv)木質系ユニット建物10における前述(4)(iv)と同じ。
従って、実施例2の木質系ユニット建物10Aにあっても、実施例1の木質系ユニット
建物10におけると同様にして、建物の構造強度を確保しながら、建物の隅角部で交差す
る2個の壁パネル22、22Aのそれぞれに掃出開口23、23Aを設けることができる
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に
限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明
に含まれる。
図1は実施例1の木質系ユニット建物の一部を示す斜視図である。 図2は渡り壁パネルの据付過程を示す斜視図である。 図3は渡り壁パネルの位置決め状態を示す斜視図である。 図4は渡り壁パネルの固定状態を示す斜視図である。 図5はL字形金物の取付状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は側面図である。 図6はホールダウンケーブルの取付状態を示し、(A)は図4のVI−VI線に沿う断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う矢視図である。 図7はホールダウンケーブルを示す斜視図である。 図8は実施例2の木質系ユニット建物の一部を示す斜視図である。 図9はホールダウン金物の取付状態を示し、(A)は図8のIX−IX線に沿う断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う矢視図である。
符号の説明
10、10A 木質系ユニット建物
11 基礎(下部構造体)
20 下階建物ユニット
21 床パネル
22 壁パネル
22A 渡り壁パネル
23、23A 掃出開口
30 上階建物ユニット(上部構造体)
40 屋根ユニット(上部構造材)
60 ホールダウンケーブル(金物)
70 L字形金物(金物)
80 垂壁
90 ホールダウン金物(金物)
101A 隅柱

Claims (2)

  1. 建物の隅角部で交差する2個の壁パネルのそれぞれに掃出開口を設けた木質系ユニット
    建物であって、
    前記隅角部に設けられる隅柱の下端部を引抜き力に抵抗する金物により下部構造体に接
    続し、該隅柱の上端部を引抜き力及び剪断力に抵抗する金物により上部構造体に接続し、
    前記掃出開口の下部を引抜き力に抵抗する金物により下部構造体に接続し、該掃出開口
    の上部に垂壁を設ける木質系ユニット建物。
  2. 前記2個の壁パネルのうちの少なくとも一方の壁パネルが、2個の建物ユニットの床パ
    ネルに跨って立設される渡り壁パネルである請求項1に記載の木質系ユニット建物。
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