JP2006082006A - フィルタ素材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 孔径が適度に大きく通気又は通液抵抗が極めて低いにも拘わらず、微粒子に対する高いろ過率を実現できるフィルタ素材とその製造方法を提供する。
【解決手段】 不織布などの多孔質支持体に高分子溶液を適用し、高分子溶液層を徐々にゲル化させた後、高分子溶液の溶媒を除去することにより、スキン層を備えておらず、繊維状高分子がクモの巣状に絡み合った三次元構造を有するフィルタ素材を得る。多孔質フィルタ素材(又は三次元的構造)において、高分子に起因するBET比表面積は1m2/g以上、フィルタ素材の25℃での水透過速度は1×10-3kg/sec・N以上、粒子径5μmのラテックス粒子の捕捉率は20重量%以上である。JIS K3832に規定されているバブルポイント試験法において、気泡が連続的に生じる最低圧力は0.05〜1.5MPaである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流体(気体や液体)中の微小浮遊物を捕捉するのに有用なフィルタシートに関する。
液体中の微小粒子を捕捉し、ろ過するため、一般に、メンブレンフィルタと称される多孔質膜(多孔質メンブレンフィルタ)が使用されている。この多孔質膜のうち、主として液体の除粒子、除菌に使用される多孔質膜は、精密ろ過(microfiltration;MF)膜と呼ばれており、液体や気体などの流体中に含まれている微粒子を流体から分離する分離膜である。この分離の駆動力はMF膜の両側(供給流体側と透過流体側)での圧力差である。このようなMF膜と同様に圧力を駆動力とする分離膜としては、UF膜、RO膜などが知られている。MF膜は、UF膜、RO膜に比較して、比較的大きな微粒子(0.01μm程度以上の大きさの微粒子)を捕捉できるとともに、非常に低い圧力で高い透過量を示す。
このようなMF膜の成膜法には大きく分けて、(1)相転換法、(2)部分的に結晶化しているフィルムを延伸して微細孔を形成する延伸法、(3)フィルムに中性子を含む荷電粒子を照射し、エッチングして中性子の飛跡を微細孔として形成するトラックエッチング法、(4)微粉末を成形・焼成して微細孔を形成する焼結法がある。これらの成膜法のうち、(1)相転換法では、ポリマーと、ポリマーに対する良溶媒成分と、ポリマーに対して貧溶媒や非溶媒である溶媒や無機化合物などの添加剤を含むポリマー溶液を調製し、このポリマー溶液から良溶媒成分を選択的に除去して、相分離を生じさせて微細孔を形成させる。良溶媒を除去する方法としては、良溶媒と貧溶媒・非溶媒との沸点差を利用する乾式法と、非溶媒である凝固液に接触もしくは浸漬させる湿式法とが知られている。後者の湿式法は、微細孔の大きさが小さく、UF膜、RO膜の製膜方法として用いられている。良溶媒と非溶媒とを用いる相転換法においては、相分離から微細孔形成の過程を制御することにより、断面方向での多孔度が均一な均一膜を得たり、多孔度が断面方向に連続的に変化している非対称膜も得られる。また、高い透過量を示すMF膜では、粗面を供給液と接触させることにより、粗面がプレフィルターの役割を果たす方法も利用されている。
このような相転換法で得られたフィルターは、その孔径が小さく、微小粒子のろ過特性(すなわち、除去性能)に優れるため、水中の細菌のろ過除去など、多様な目的に使用され、サブミクロンの微細粒子を分離するには有効である。
しかし、通常の相転換法によって得られたフィルターは、その孔径が2〜10μm程度であり、一般的には最大孔径で3μm程度である。そのため、微粒子に対するろ過率を向上させると通気抵抗が大きくなる。従って、これらの多孔質メンブレンフィルタをエアフィルタの用途に利用できない。
一方、近年、住・生活環境の向上が重視されている。空気やガスの浄化はその一環として重要な分野であるため、これまでに様々な技術が提案されている。これらの技術は、酸化窒素の分解のように、分子状で存在する物質を吸着・分解する技術から、可視的な埃のろ過技術に至るまで様々なサイズの汚染物質を対象とする。
このような微粒子のろ過において、主流煙や副流煙を含めたたばこの煙や、野焼きの煙、内燃機関の排気ガスなどには粒子径が数μmから0.1μm程度の微小粒子状物質が多く含まれている。このような微小粒子状物質を始めとして、花粉、カビ胞子、細菌、その他の微小塵埃は、その粒子径が小さいため、ろ過による清浄化には限界がある。すなわち、これらの微粒子を含む気体(空気や排気ガス、煙)のろ過において、微粒子の捕捉率を高くすると、気体の通気抵抗が著しく上昇する。
このような気体をろ過するため、現在、クリーンルームのエアーフィルタとして、例えば、ガラスの極細繊維を紙の様なシートに積層したHEPAフィルター、あるいはULPAフィルターが利用されている。しかし、このようなフィルターは、ろ過ガスに対する抵抗が大きいため、目的によっては、フィルタ層を何層も積み上げモジュールを形成しなければならない。また、加圧装置が必要となる。そして、これらのフィルタを家庭用や一般民生用の装置に用いようとしても、通気抵抗が大きいため、実質的に用いるのは難しい。さらに、これらのフィルタは、通常、「極細」繊維と呼ばれる繊維を紡糸し、二次加工して製造されるため、コストも高くなるとともに、フィルターの性能設計も紡糸技術の制約を受ける。
さらに、ろ過方式には、供給流体の全てをフィルタに透過させる全量ろ過方式と、少なくとも一部の流体をフィルタに対して透過方向と直交する方向に流通させるクロスフロー方式とが知られている。全量ろ過方式では、膜での目詰まりやケーク層の形成によりろ過量が減少しやすくなり、クロスフロー方式では、流体が膜面に対して平行流として流通するため、ろ過効率が低下する。そのため、一般家庭用の空気清浄機やエアコンディショナのフィルタでは、小さな通気抵抗で、しかも微小粒子に対する捕捉効率を高めることが困難である。
特開2004−105146号公報(特許文献1)には、喫煙用フィルターに関し、粘状叩解により微細化したセルロース繊維(微小繊維状セルロース)25〜75重量%と木材パルプ75〜25重量%とを含む紙状の素材で構成された喫煙用フィルタが開示されている。しかし、このフィルタでも、通気抵抗を低減し、かつ微粒子に対する捕捉能を高めることは困難である。
特開平6−99045号公報(特許文献2)には、ポリエーテルスルホン又はポリスルホンと、真溶媒と、必要により貧溶媒とを含む成膜液を支持体に均一な厚さで塗布し、塗布された成膜液の表層の一部の溶媒を蒸発させた後、ゲル化剤に浸漬することにより相転換させてゲル膜を形成する相転換法により気体分離用非対称膜を製造する方法において、真溶媒、必要により添加される貧溶媒及びゲル化剤の成分及び組成に関する最適成膜条件を、成膜液のゲル化ポイント、溶媒とゲル化剤の混合熱量及び溶媒のゲル化剤への溶出速度から決定する気体分離用非対称膜の製造方法が開示されている。特開平11−181133号公報(特許文献3)には、ポリマーを溶媒に溶解させた製膜原液を支持体に流延し、製膜原液中の全ての溶剤が完全に蒸発しないで未だゲルが進行しつつある過程において、製膜原液の表面に、前記ポリマーを溶解できる溶媒を含む溶液を塗布してろ過面のポリマーを再溶解させるとともにポリマー濃度を低下させる工程を含む多孔質膜の製造方法が開示されている。特開2004−175104号公報(特許文献4)には、高分子溶液を基板上にフィルム状に流延し、相転換により多孔性フィルムを製造する方法であって、この多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa(mN/m)と基板の表面張力Sb(mN/m)との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子及び基板を用いることが開示されている。この文献には、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔性フィルムであって、このフィルムの厚みが5〜200μmであり、フィルムの両表面について、表面の平均孔径が0.01〜10μm、表面の平均孔径Aと内部の平均孔径Bとの比率A/Bが0.3〜3、表面の平均開口率Cと内部の平均開口率Dとの比率C/Dが0.7〜1.5である多孔性フィルムも開示されている。
しかし、これらのフィルタでも、通気又は通液抵抗を小さくすると、微粒子に対する捕捉能が低下し、微粒子に対する捕捉能を向上させると、通気又は通液抵抗が大きくなる。そのため、低い通気又は通液抵抗と、微粒子に対する高い捕捉能を両立させることが困難である。
特開2004−105146号公報(特許請求の範囲) 特開平6−99045号公報(特許請求の範囲) 特開平11−181133号公報 特開2004−175104号公報
従って、本発明の目的は、通気又は通液抵抗が極めて低いにも拘わらず、高いろ過率を実現できるフィルタ素材(又はフィルタシート)及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、孔径が適度に大きくても、微粒子を効率よく捕捉できるフィルタ素材(又はフィルタシート)及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、機械的強度が高く、耐久性に優れたフィルタ素材(又はフィルタシート)及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、不織布などの多孔質支持体に高分子溶液を適用し、高分子溶液層を徐々にゲル化させた後、高分子溶液の溶媒を除去すると、スキン層を形成することなく、繊維状高分子がクモの巣状(又は網目状)に絡み合った三次元構造を有する多孔質体が全体に亘り形成され、この多孔質体は、捕捉しようとする微粒子に比較して孔径が大きくても、微粒子を効率よく捕捉することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の多孔質フィルタ素材(又はフィルタシート)は、スキン層(表面の緻密層)を備えておらず、繊維状高分子がクモの巣状に絡み合った三次元構造を有する。このような繊維状の高分子がクモの巣状に絡み合った三次元構造(三次元的網目構造、フラーレンに類似する骨格を有する網目構造)により、孔径が大きくても、微粒子に対するろ過性(捕捉性)を向上できる。しかも厚みを大きくしても、通気抵抗が低い。すなわち、低い通気又は通液抵抗と、微粒子に対する高い捕捉能とを両立できる。
前記高分子は、例えば、オレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース誘導体などで構成できる。好ましい高分子の代表的な例としては、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体などが例示できる。
前記多孔質フィルタ素材(又は三次元的構造体)は、通気又は通液抵抗が小さい。例えば、JIS K3832に規定されているバブルポイント試験法において、気泡が連続的に生じる最低圧力が0.05〜1.5MPa程度である。
前記フィルタ素材(又はフィルタシート)は高分子が三次元的網目構造を形成しているため、比表面積が大きく、通気又は通液抵抗が小さいにも拘わらず、微粒子に対する捕捉能が高い。高分子に起因するBET比表面積は、例えば、1m2/g以上、フィルタ素材の25℃での水透過速度は、1×10-3kg/sec・N以上、粒子径5μmのラテックス粒子の捕捉率は、20重量%以上である。前記クモの巣状に絡み合った三次元構造は、前記高分子で形成されていればよく、多孔質支持体に支持されて形成されていてもよい。
本発明のフィルタ素材は、例えば、(1)高分子と、この高分子を可溶であり、かつ高沸点の良溶媒と、前記高分子を不溶な貧溶媒とを含む高分子溶液から高分子溶液膜を形成し、形成された膜状の高分子溶液を徐々にゲル化させた後、前記良溶媒及び貧溶媒を除去する方法、(2)高分子と、この高分子を可溶であり、かつ成膜温度よりも低い融点を有する良溶媒とを含む高分子溶液から高分子溶液膜を形成し、形成された膜状の高分子溶液を前記良溶媒の凍結温度以下に冷却し、この凍結温度以下の温度で前記良溶媒を溶出させる方法などにより製造できる。前記方法(1)では、膜状の高分子溶液に雰囲気中の水分を吸収させて高分子溶液膜をゲル化させてもよい。また、多孔質支持体に高分子溶液をキャスト又は浸漬して高分子溶液膜を形成することにより、支持体上に三次元網目構造を形成できる。
本発明では、繊維状高分子で特定の網目構造が形成されているため、通気又は通液抵抗が極めて低いにも拘わらず、高いろ過率(又は微粒子に対する捕捉率)を実現できる。そして、繊維状高分子がクモの巣状に絡み合った三次元構造を有するため、クロスフローの形態で流体を流しても微粒子の捕捉効率を高めることができる。また、内部にも前記網目構造が形成されているため、孔径が適度に大きくても、微粒子を効率よく捕捉できる。さらに、多孔質支持体を備えている場合には、機械的強度が高く、耐久性を大きく向上できる。
[三次元構造体]
本発明の多孔質フィルタ素材(又はフィルタシート)を構成する高分子は、繊維状又は糸状の形態で三次元構造を形成している。前記高分子の種類は特に制限されないが、通常、有機溶媒に可溶な樹脂を使用する場合が多い。高分子としては、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの単独又は共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの変性オレフィン系共重合体)、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、アクリル系樹脂(メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリアクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体など)、塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニルなど)、ポリエステル系樹脂(ポリ乳酸、乳酸−グリコール酸共重合体、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート系共重合体、ポリブチレンテレフタレート系共重合体などのポリアルキレンアリレート系共重合体など)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66,ポリアミド610,ポリアミド11,ポリアミド12などの脂肪族ポリアミド、脂環族ポリアミド、芳香族ポリアミドなど)、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロースエーテル類、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースエステル類)などが例示できる。これらの高分子は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの高分子のうち、オレフィン系樹脂(例えば、変性オレフィン系共重合体)、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース誘導体を用いる場合が多い。特に、高分子として、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類)が好ましい。セルロースエステル類(セルロースアセテートなど)の平均置換度は、例えば、2.0〜3(例えば、2.2〜3)、好ましくは2.3〜3、さらに好ましくは2.4〜2.95、特に2.4〜2.6程度である。
これらの高分子は、必要により、種々の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤など)、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、補強剤(繊維状又は非繊維状補強剤)などを含んでいてもよい。
本発明の多孔質フィルタ素材は、緻密なスキン層を備えておらず、繊維状高分子(微細な繊維状高分子)がクモの巣状に絡み合った三次元構造(三次元網目構造)を有し、三次元構造体を形成している。この三次元構造又は三次元構造体は、繊維状又は糸状体(微細な糸状体)で形成されている場合が多く、サッカーボールやラグビーボール状フラーレンに類似した骨格を有していてもよい。高分子は、種々の形態で三次元構造体を形成していればよく、繊維状又は糸状高分子の形態は、種々の形態、例えば、繊維又は糸状、樹枝状、複数の粒状体(微粒子)が直接又は糸状連結部(ロッド状など)を介して間接的に連なった数珠状、凝集粒子状であってもよく、繊維又は糸状体や、樹枝状体に複数の粒状体(微粒子)が付着した形態であってもよく、これらの複数の形態が複合化した形態であっても。三次元構造を形成する高分子(又は糸状体)の形態は繊維状や数珠状である場合が多く、数珠状高分子は、複数の微粒子が規則的又はランダムに連結していてもよく、糸状体又は糸状連結部に微粒子が付着した形態であってもよい。
三次元構造又は三次元構造体を形成する糸状部(繊維状部)の平均太さ(平均径)は、例えば、3〜1000nm、好ましくは5〜800nm、さらに好ましくは10〜500nm程度である。また、三次元構造体は、比較的大きな孔径を有している。JIS K3832に規定されているバブルポイント試験法において、多孔質フィルタ素材(三次元構造体又は三次元網目構造)は、気泡が連続的に生じる最低圧力(バブルの透過圧力)0.05〜1.5MPa、好ましくは、0.1〜1.2MPa、さらに好ましくは0.3〜1MPa程度を有している。なお、気泡が連続的に生じる最低圧力(バブルの透過圧力)は、水に全体を濡らした試料(フィルタ)を通して気泡が連続的に出始める点の圧力を意味する。
本発明のフィルタ素材は、開口が多く(開口率が高く)、高分子が面方向に広がる構造(スキン層など)を有しないため、流体(液体及び気体)に対する抵抗が低いという特色がある。この特色は、水の流下速度によって定義される。本発明のフィルタ素材において、25℃での水透過速度は、0.8×10-3kg/sec・N以上(例えば、1×10-3〜20×10-3kg/sec・N)、好ましくは1×10-3kg/sec・N以上(例えば、1.2×10-3〜18×10-3kg/sec・N)、さらに好ましくは1.5×10-3〜17×10-3kg/sec・N(例えば、1.7×10-3〜17×10-3kg/sec・N)程度であり、2×10-3〜15×10-3kg/sec・N(例えば、2.2×10-3〜10×10-3kg/sec・N)程度であってもよい。
なお、流体の抵抗を低下するだけであれば、開口径を大きくすればよい。しかし、開口径を大きくすると、粒子の捕捉性が損なわれる。孔径よりも遙かに小さい微粒子に対する捕捉率を高めるためには、ろ材は微細に分離し、しかも空間密度の低い構造を有する必要がある。このような構造は、大きい比表面積で規定できる。高分子に起因するBET比表面積は、例えば、0.7m2/g以上(例えば、0.7〜10m2/g)、好ましくは0.8m2/g以上(例えば、0.9〜8m2/g)、さらに好ましくは1m2/g以上(例えば、1〜8m2/g)程度であり、1.1〜7m2/g(例えば、1.5〜5m2/g)程度であってもよく、2m2/g以上(例えば、2〜10m2/g程度)であってもよい。
なお、高分子に起因するBET比表面積とは、高分子で形成された三次元構造体による比表面積を意味し、不織布などの多孔質支持体に三次元構造体を形成したフィルタ素材又はフィルタシートでは、フィルタ素材又はフィルタシートのBET比表面積をSm(m2/g)、フィルタ素材又はフィルタシートの坪量をWm(g/m2)、高分子に起因するBET比表面積をSa(m2/g)、高分子に起因する坪量をWa(g/m2)、多孔質支持体のBET比表面積をSs(m2/g)、多孔質支持体の坪量をWs(g/m2)とするとき、下記式で表される。
SmWm=(SaWa)+(SsWs)
Sa=[SmWm−(SsWs)]/Wa (ただし、Wm=Wa+Ws)
さらに、大きい欠陥(孔)を有していても、大きい比表面積及び低い通気又は通液抵抗の条件を満たしうる。そのため、ろ過材料としては、欠陥がなく均質であることも要求される。このような要求は、粒子径が規定された標準粒子に対する捕捉率で表すことができる。本発明のフィルタ素材において、粒子径5μmのラテックス粒子の捕捉率は、20重量%以上(例えば、25〜100重量%)、好ましくは30〜100重量%(例えば、40〜98重量%)、さらに好ましくは50〜100重量%(例えば、55〜97重量%)程度である。粒子径10μmのラテックス粒子の捕捉率は、40重量%以上(例えば、45〜100重量%)、好ましくは50〜100重量%(例えば、60〜100重量%)、さらに好ましくは65〜100重量%(例えば、70〜100重量%)程度である。なお、捕捉率は、所定の粒子径を有するラテックス粒子(標準粒子)を用い、ろ過前後の粒子数を計数することにより算出できる。
なお、平均孔径が大きい(又は通気抵抗が小さい)にも拘わらず微粒子の捕捉率が高い理由については、クモの巣状の三次元構造を有するため、互いに絡み合った微細な糸状体構造(繊維状構造)の隙間に、拡散した微粒子が捕捉されるものと推測される。
[支持体]
前記三次元構造は、微細な繊維状又は糸状体で構成された低密度構造であるため、しばしば力学的強度が劣る場合がある。そこで、実用的に十分な物理的強度を備えたフィルタ素材(フィルタシート)を得るため、支持体としての多孔質支持体に前記三次元構造を形成し、機械的強度を補ってもよい。すなわち、フィルタ素材は、流体が通過可能な多孔質支持体と、この支持体で支持され、かつクモの巣状に絡み合った三次元構造を有する三次元構造体(又は多孔質層)とで構成してもよい。
多孔質支持体としては、前記クモの巣状の三次元構造体の平均孔径よりも大きな間隙(目付)を有し、流体に対する抵抗(通気抵抗及び通液抵抗)が小さく、機械的強度の高い支持体が使用でき、例えば、織布、不織布、焼結ガラス、多孔質プラスチック、焼結金属、金属メッシュ、多孔質セラミックなどが例示できる。支持体は、複合体、例えば、有機物質と無機物質とが複合化した有機/無機複合体であってもよい。好ましい支持体は不織布である。
織布又は不織布は、種々の有機繊維及び/又は無機繊維で構成でき、有機繊維としては、例えば、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン系繊維など)、ポリビニルアルコール系繊維(ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体繊維など)、アクリル系繊維(ポリアクリロニトリル繊維など)、塩化ビニル系繊維、ポリエステル系繊維(脂肪族ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート系共重合体、ポリブチレンテレフタレート系共重合体などのポリアルキレンアリレート系繊維など)、ポリアミド系繊維(ポリアミド6、ポリアミド66,ポリアミド610,ポリアミド11,ポリアミド12などの脂肪族ポリアミド繊維、脂環族ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維など)、ポリウレタン系繊維、セルロース系繊維(セルロースアセテート繊維など)などが例示できる。無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維などが例示できる。これらの繊維は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの繊維のうち、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維などを使用する場合が多い。
繊維は極細繊維であってもよく、繊維の平均径は、例えば、0.01〜30μm(例えば、0.1〜20μm)、好ましくは0.03〜10μm(例えば、0.2〜7μm)、さらに好ましくは0.05〜5μm(例えば、0.2〜2μm)程度であってもよい。
多孔質支持体(不織布など)の坪量は、特に制限されず、例えば、5〜100g/m2、好ましくは10〜80g/m2、さらに好ましくは15〜50g/m2程度であってもよい。
なお、多孔質支持体は高分子素材で構成された支持体を用いる場合が多いものの、本明細書においては、「支持体」と呼び、分離機能を担う「高分子成分」とは区別する。支持体は、吸着捕捉能などをコントロールするため、任意の成分(前記例示の添加剤に加えて、吸着剤、光触媒など)を含んでいてもよい。任意の成分の割合は、通常、支持体100重量部に対して0〜100重量部(例えば、5〜75重量部)程度の割合から選択できる。
なお、フィルタ素材は、用途に応じて種々の部材と組み合わせて使用してもよい。例えば、通気又は通液抵抗が大きな対象物(特に液体)を処理する場合、前記多孔質支持体の有無とは関係なく、フィルタ素材(フィルタシート)を通気又は通液性補強材(例えば、目皿、焼結金属板、金網、プラスチック多孔板などの支持体)で支持して使用でき、フレーム枠などで周縁部を支持して使用してもよい。より具体的には、前記補強材の上に、多孔質支持体で支持されていてもよいフィルタ素材(又はフィルタシート)を重ねて気体や液体の処理に供してもよい。
[多孔質フィルタ素材の製造方法]
本発明のフィルタ素材(又はフィルタシート)を調製するための方法は、特に制限されずいかなる方法であってもよいが、高分子溶液がゆっくりとした速度で相分離する条件を利用するのが有利かつ容易である。
(1)具体的には、高分子と、この高分子を可溶な良溶媒とを含む高分子溶液から高分子溶液膜を形成し、形成された膜状の高分子溶液を徐々にゲル化させた後、前記溶媒を除去することにより、前記フィルタ素材(又はフィルタシート)を製造できる。
高分子溶液としては、高分子を低濃度、例えば、1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%(例えば、3〜12重量%)、さらに好ましくは2〜10重量%(例えば、3〜7重量%)程度の濃度で含む高分子溶液が利用できる。前記良溶媒は、高分子の種類に応じて選択でき、例えば、炭化水素系溶媒(ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、クロロベンゼンなど)、アルコール類(エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノールなどのアルキルアルコール、シクロヘキサノールなどのシクロアルキルアルコールなど)、有機酸類(酢酸など)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル、乳酸メチル、乳酸エチルなどの乳酸エステルなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、多価アルコールのエーテル又はエステル類[セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど)、カルビトール類(メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールなど)、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート(エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなど)、アルキレングリコールジアルキルエーテル(グライム、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジグライム、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)など]、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなど)、アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルトリアミドなど)、硫黄系溶媒(ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、スルホランなど)などが例示できる。これらの溶媒は単独で又は混合溶媒として用いてもよい。
良溶媒(又は真溶媒)としては、高分子溶液をゆっくりゲル化させるため、高沸点溶媒又は蒸気圧の低い溶媒(又は低揮発性溶媒、非揮発性溶媒)であるのが好ましい。高沸点溶媒としては、沸点が100〜300℃、特に115〜300℃(例えば、130〜290℃、好ましくは140〜25℃)程度の溶媒が包含され、高沸点である程好ましい。また、良溶媒(又は真溶媒)の蒸気圧は、温度20℃において、0.01〜100mmHg、好ましくは0.01〜50mmHg、さらに好ましくは0.01〜30mmHg(例えば、0.01〜10mmHg)程度であってもよく、特に1mmHg以下であるのが好ましい。代表的な高沸点溶媒(又は低揮発性溶媒、非揮発性溶媒)としては、多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコールなど)のエーテル類又はエステル類、ニトリル類、アミド類、硫黄系溶媒などが例示できる。
良溶媒(又は真溶媒)は吸湿性又は水溶性であってもよい。特に、高沸点又は低揮発性溶媒(又は非揮発性溶媒)でしかも吸湿性又は水溶性であってもよい。このような良溶媒を用いると、膜状の高分子溶液に雰囲気中の水分を吸収させてゲル化させることができ、高分子溶液のゲル化を徐々に進行させることができる。このような良溶媒の具体例としては、前記多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコールなど)のエーテル類又はエステル類、アミド類、硫黄系溶媒などが例示できる。
良溶媒を含む高分子溶液は、ゲル化開始までに長時間を要する場合がある。そこで、高分子溶液のゲル化速度を調整するため、高分子溶液は、高分子を不溶な貧溶媒(又は非溶剤)を含んでいる場合が多い。貧溶媒は、高分子の種類に応じて選択でき、例えば、水、炭化水素類(ヘキサンなどの脂肪族炭化水素など)、アルコール類(メタノールなど)、エステル類(酢酸メチルなど)、エーテル類(ジオキサンなど)、ケトン類、多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど)などが例示できる。ゲル化剤又はゲル化調整剤として機能する貧溶媒は、高分子溶液がゲル化しない範囲、例えば、高分子溶液のゲル化点近くまで添加できる。貧溶媒の使用量は、高分子及び良溶媒の種類や量的割合に応じて選択でき、通常、良溶媒100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜100重量部(例えば、20〜100重量部)、さらに好ましくは25〜100重量部程度の範囲から選択できる。
高分子溶液膜は、剥離可能な支持体に対してキャスト又は塗布することにより形成でき、キャスト又は塗布、含浸又は浸漬などにより多孔質支持体に前記高分子溶液を適用し、多孔質支持体上に高分子溶液膜を形成してもよい。多孔質支持体に高分子溶液膜を形成する場合、多孔質支持体の内部を含めて全体に亘り高分子溶液膜を形成する場合が多い。高分子溶液の使用量は、溶液が流動せずに支持体上に保持される量であればよく、高分子の固形分換算で、多孔質支持体100重量部に対して、10〜200重量部、好ましくは20〜150重量部、さらに好ましくは30〜100重量部程度であってもよい。通常、支持体の体積に対して50〜500%、好ましくは100〜300%(例えば、100〜200%)程度である。
高分子溶液膜のゲル化方法は、ゆっくりとゲル化可能である限り種々の方法が採用でき、例えば、温度変化による溶解性の低下、時間的経時変化、ゲル化剤の使用、雰囲気中の貧溶媒蒸気(例えば、水分やアルコール蒸気など)の吸収などによりゲル化させることができる。これらのゲル化方法は、組み合わせてもよく、例えば、ゲル化剤を使用するとともに、雰囲気中の貧溶媒を吸収させることによりゲル化させてもよい。雰囲気中の貧溶媒を高分子溶液に吸収させる場合、雰囲気としては、貧溶媒を飽和蒸気として含む雰囲気を用いてもよく、貧溶媒を非飽和状態で含む雰囲気、例えば、相対湿度65〜100%RH程度の空気を用いてもよい。なお、ゲル化時間は、前記三次元構造を形成可能である限り特に制限されず、例えば、室温(15〜25℃程度)でのゲル化においては、10分〜6時間程度の範囲から選択でき、作業性の点からは、10〜60分程度であるのが有利である。
高分子溶液膜がゲル化した後、溶媒(前記良溶媒及び貧溶媒)を除去することにより前記三次元構造を形成できる。溶媒の除去には、三次元構造に損傷を与えない種々の方法、例えば、蒸発(減圧による蒸発を含む)、溶媒溶出(例えば、水による水溶性溶媒の溶出又は抽出、低沸点又は高揮発性溶媒による溶媒の溶出又は抽出)などが利用できる。溶媒を除去した後、必要により洗浄し、乾燥することによりフィルタ素材(又はフィルタシート)を得ることができる。
より具体的には、例えば、例えば、高分子がセルロースアセテートである場合、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの吸湿性又は水溶性の強い溶媒にセルロースアセテートを溶解して高分子溶液を調製し、この溶液を、所定の厚さにキャストし、高分子溶液膜を形成する。この高分子溶液膜を、適切な温度と湿度の雰囲気下で静置すると、雰囲気中の水分を吸収し、高分子溶液は次第にゲル化して流動性を失う。なお、高分子溶液膜がゲル化するまでに液体の水に接触させると、溶液膜の表面は速やかにゲル化するため、通常のメンブレンフィルターの構造となり、連続性の高いスキン層が形成され、通気抵抗や通液抵抗が著しく高くなる。これに対して、ゆっくりとゲル化を進行させ、高分子溶液膜が流動性を失った後で水に浸して溶媒を洗浄除去すると、クモの巣状(例えば、巨大孔を有するクモの巣状)の三次元構造を形成できる。なお、高分子の溶媒として、揮発性の高い溶媒(アセトンなど)を用いることも可能であるが、ゲル化操作が煩雑化する。すなわち、溶媒が高い蒸気圧を有するような温度では、高分子溶液膜の表面から溶媒が蒸発し、高分子の局部的濃縮が起こり、スキン層と称される通気又は通液抵抗の大きな構造を形成しやすくなる。
(2)前記三次元構造を形成するための他の方法として、高分子溶液から高分子溶液膜を形成し、形成された膜状の高分子溶液を前記良溶媒の凍結温度以下に冷却し、この凍結温度以下の温度で前記良溶媒を溶出させることによりフィルタ素材を得ることもできる。この方法において、高分子溶液としては、高分子と、この高分子を可溶であり、かつ成膜温度よりも低い融点を有する良溶媒とを含む溶液が利用でき、高分子溶液の濃度は前記と同様の範囲から選択できる。高分子としては、前記例示の高分子が使用できる。高分子のガラス転移温度又は熱変形温度は、通常、室温以上(特にフィルタ素材が使用される環境温度以上)である。
このような方法において、成膜温度は、溶媒の融点に応じて選択でき、通常、−10℃〜20℃(例えば、−5℃〜10℃)程度から選択できる。良溶媒の融点は、成膜温度に応じて選択でき、例えば、0〜30℃、好ましくは5〜27℃、さらに好ましくは10〜25℃程度である。なお、良溶媒は、凍結温度で凍結する溶媒であればよく、前記のように高沸点又は低揮発性溶媒であってもよく、吸湿性又は水溶性溶媒であってもよい。このような良溶媒としては、例えば、アルコール類(t−ブタノール、シクロヘキサノールなど)、有機酸類(酢酸など)、エーテル類(ジオキサンなど)、アミド類(ヘキサメチルホスホルトリアミドなど)、硫黄系溶媒(スルホキシド類、スルホランなど)などが例示できる。
高分子溶液は、前記と同様に、キャスト又は塗布、含浸などの方法により、剥離可能な支持体に前記多孔質支持体へ適用することにより前記高分子溶液膜を形成できる。高分子溶液は、低温、例えば、−10℃〜10℃(例えば、−10℃〜5℃)程度の雰囲気下で適用してもよい。良溶媒の凍結温度は、溶媒の種類に応じて選択でき、例えば、−50℃〜0℃、好ましくは−40℃〜−10℃程度であってもよい。凍結温度は溶媒の融点よりも10℃以上低い温度(好ましくは20℃以上低い温度)、例えば、溶媒の融点をTmとするとき、凍結温度Tは、(Tm−10〜Tm−100)℃、好ましくは(Tm−20〜Tm−80)℃、さらに好ましくは(Tm−30〜Tm−60)℃程度であってもよい。良溶媒の凍結速度は特に制限されず、徐々に凍結させることにより孔径の大きな三次元構造を形成できる。良溶媒の凍結は、高分子溶液膜の白濁などにより確認できる。高分子溶液膜が凍結した後、凍結温度以下の温度で前記良溶媒を溶出させることにより三次元構造を形成する。良溶媒の溶出には、溶媒溶出(例えば、低沸点又は高揮発性溶媒による溶媒の溶出又は抽出)などが利用でき、凍結した良溶媒を溶出するための溶媒としては、良溶媒と混和性を有し、かつ凍結温度又は溶出温度において液体の溶媒が利用できる。溶媒を除去した後、必要により徐々に昇温したり必要により洗浄し、乾燥することによりフィルタ素材(又はフィルタシート)を得ることができる。
より具体的には、高分子と良溶媒との組合せとして、例えば、セルロースアセテートと酢酸、セルロースアセテートとDMSO、セルロースアセテートとジオキサン、ポリエーテルスルホンとDMSOなどの組合せを選択し、高分子溶液を調製する。この溶液をキャストと同時又はキャストした後、溶媒の融点よりも低い温度(例えば、溶媒の融点よりも20℃以上低い温度)に冷却する。この冷却により溶媒が凍結結晶化し始めるが、このプロセスでは溶質である高分子を排除しながら行われる。そのため、高分子は結晶粒界に局在化する。この状態で、前記溶媒と混和し、しかも溶媒が凍結状態を維持する温度で液体のゲル化溶媒(又は沈殿剤)を選択し、ゲル化溶媒を前記凍結温度以下の温度に冷却する。ゲル化溶媒としては、例えば、メタノールなどが利用できる。このゲル化溶媒で高分子溶液膜を溶出処理し、凍結し結晶化した溶媒を溶出させることにより、繊維状又は糸状高分子で構成された三次元構造を形成できる。例えば、ゲル化溶媒中に高分子溶液膜を浸漬し、凍結溶液中の結晶化した溶媒を溶出させる。なお、高分子溶液の濃度が高すぎると、凍結溶媒の結晶粒が孤立しやすくなり、透過性の低いフィルター構造となりやすくなるが、所定の濃度では、凍結溶媒の結晶粒が互いに連結し、開放された連続孔を形成しやすくなる。
(3)さらに他の方法として、高沸点又は低揮発性溶媒(非揮発性溶媒)を沈殿剤として含み、かつ揮発性良溶媒に溶解した高分子溶液を用いて、前記と同様にして高分子溶液膜を形成し、溶液膜の表面からの溶媒の蒸発に伴って、非溶媒の濃度を高めることにより、高分子がゲル化する現象を利用して三次元構造を形成してもよい。
[フィルタ]
本発明のフィルタ素材(又はフィルタシート)は、通気又は通液抵抗が小さく、しかも微粒子に対する捕捉率が高いため、種々の流体に対するフィルタ(ろ過フィルタ)、例えば、エアフィルタ、被処理液に対するろ過又は分離フィルタなどとして使用できる。
フィルタとして用いる場合、捕捉する微粒子のサイズ、除去精度、流体の処理量などを勘案して、適当な厚み、孔径、通気又は通液抵抗のシートを選択すればよい。また、フィルタ素材(又はフィルタシート)は、ろ過システム又は分離システムに応じて、種々の態様で使用できる。例えば、一枚のフィルタに限らず、複数のフィルタシートを直列又は並列に積層して使用できる。また、1又は複数のフィルタシートをプリーツ状などの形態に折り曲げて、単位体積当たりろ過面積を大きくしてもよく、筒状の支持体上に貼り付けたり、スパイラル状又は渦巻き状に巻き上げて使用してもよく、必要により適当なバイパスを設けてろ過システムを構築してもよい。
さらに、本発明のフィルタ素材(フィルタシート)は、通常の抄紙構造のたばこフィルタシートと同様の形態(例えば、巻き上げによるスパイラル状又は渦巻き状の形態)に加工して使用することも可能である。このような形態では、喫煙に伴う主流煙はフィルタに対してクロスフローの流れとなり、一般的には微粒子の捕捉性が低下する。しかし、本発明のフィルタ素材(又はフィルタシート)では、クモの巣状の三次元的構造を有するため、クロスフローの流れの流体に対しても、高い微粒子除去能を有する。なお、たばこ煙フィルタに本発明のフィルタ素材(フィルタシート)を用いる場合、たばこの喫味に与える影響を考慮して、タバコ煙フィルタとして広く用いられているセルロースアセテートを高分子成分として採用することが好ましい。セルロースアセテートを高分子成分として採用すると、喫味に与える悪影響を最小限にできると共に、前記クモの巣状の三次元構造を効率よく形成できる。
本発明のフィルタ素材(フィルタシート)は、多くの空隙を有するため、供給される流体に対する抵抗は小さいものの、特有のクモの巣状の構造により、流体中の微粒子、特に気体中で拡散運動をする微粒子の捕捉効果が大きい。液体中の微粒子に対するろ過は膜の孔径による物理的要因が大きい。また、気体中の微粒子の捕捉には、静電気による帯電効果を含め、物理的因子、化学的因子、電気的因子などによる吸着、付着なども関与する。そのため、膜の孔径よりも非常に小さな微粒子であっても捕捉できる。本発明者らの検討によれば、孔径に対して、少なくとも1/10、おそらく1/20程度までの粒径を有する微粒子であれば有効に捕捉できる。特に、比表面積が大きいため、蒸気としてガス中に混在する物質や、オイルミスト、煙粒子などのエアロゾルから浮遊粒子を除去する素材として優れている。また、本発明の素材は有機物で構成できるため、鉱物性繊維やグラスファイバなどの無機繊維で構成されたフィルタシートと異なり、焼却できるとともに、繊維が皮膚や肺胞などに刺さる虞もなく、安全性も高い。
本発明のフィルタ素材(フィルタシート)は、比表面積が大きく、全体に亘り網目状構造を有するため、デプスフィルターを構成でき、フィルタ表面に限らず、内部に拡散侵入した微粒子を捕捉するために有効である。例えば、液体の処理においては、水中油エマルジョンから油成分を除去したり、液体中の懸濁微粒子や粒子状不純物を除去するのに適している。また、エアフィルタとして用い、気体に分散した微粒子、例えば、オイルミスト、たばこ煙などの煙粒子、内燃機関の排気中の微粒子などを除去するのに適している。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
セルロースアセテート(平均酢化度:55%、6重量%アセトン溶液の粘度(25℃):0.14Pa・s)1重量部をジメチルスルホキシド(DMSO)9重量部に溶解し、攪拌しながら、t−ブタノール/DMSO混合液、水/DMSO混合液を添加し、最終的にセルロースアセテート1重量部、DMSO 13.4重量部、t−ブタノール6重量部、水5.1重量部の混合液を得た。この混合液を、ガラス板上に固定したポリエステル製不織布(日本バイリーン社製「OL−150S」、坪量22.0g/m、厚み0.07mm、アルゴンによるBET比表面積0.22m2/g)の上にワイヤーギーサーを用いて拡げ、混合液を不織布全体に満たした。
混合液を不織布に含浸させた後、温度10℃、相対湿度90%の雰囲気中に30分間保存した後、水に浸漬したところ、含浸不織布がガラス板から剥離した。不織布を流水にて十分に洗浄した後、再度ガラス板に固定し、温度20℃、相対湿度40%の雰囲気下で風乾した。得られたフィルタは、坪量30.4g/m2であり、セルロースアセテートの坪量は差し引き8.4g/m2であった。アルゴンを用いたBET法による比表面積は3.00m2/gであり、セルロースアセテートだけに起因する比表面積を計算すると、10.1m2/gとなった。また、直径4cmの目皿開口部を有するメンブレンろ過器に、得られたフィルタシートをセットし、温度25℃、メンブレンシート上の水柱を10cmに保ちながら、純水の透過量を測定すると、30秒で88.8gであった。この測定値を、単位時間、単位ろ過面積、単位圧力当たりに換算すると、2.4×10-3kg/sec・Nであった。
また、以下の方法で粒子捕捉率の測定を行った。約5000個/mLの標準ラテックス粒子を含む水50mLを、シート上の液深が10cmを超えない条件で、所定面積(径2cmφ)でフィルタシートに通して自然流下させた。原液と、ろ過液についてそれぞれの粒子数を粒子カウンターで測定し、ろ過率(粒子捕捉率)を算出した。ラテックスエマルジョンは、Duke Scientific Corporation(Palo Alto,CA,USA)より購入したCertified Size Standardを用い、粒子径1μm、5μmおよび10μmの標準粒子について測定した。粒子数測定は、Particle Sizing Systems, Inc.(Santa Barbara,CA,USA)製「Model 780 AccuSizer」を用い、流速30mL/minで、48秒間積算した。
実施例2
実施例1と同様にして、セルロースジアセテート1重量部、DMSO 17.4重量部、t−ブタノール5.1重量部、水4.2重量部の混合溶液を調製した。この混合液を用いる以外、実施例1と同様にしてフィルタシートを得た。得られたフィルタシートは、坪量28.7g/m2であり、セルロースアセテートの坪量は差し引き6.7g/m2であった。BET法比表面積は0.94m2/gであり、セルロースアセテートだけに起因する比表面積を計算すると、3.4m2/gであった。また、実施例1と同様の方法で測定した透水速度は232gであり、この値を、単位時間、単位ろ過面積、単位圧力あたりに換算すると、6.3×10-3kg/sec・Nであった。また、実施例1と同様にして粒子捕捉率を測定した。
実施例3
ポリエーテルスルホン(住友化学工業(株)製「7300P」)1重量部、DMSO 15重量部よりなる溶液を、温度0℃に冷却した厚手ガラス板上で、実施例1と同様の不織布支持体にキャストした。ガラス板とともに含浸した不織布を、−20℃の冷凍庫にいれると、含浸溶液は凍結して白色になった。高分子溶液が凍結した状態で、ガラス板とともに含浸した不織布を、−20℃に冷却したメタノールに浸漬し、15分かけて20℃に加温した。ガラス板から剥離したフィルタシートを流水にて洗浄し、ガラス板上に固定して風乾した。得られたフィルタシートの坪量は31.2g/m2、BET法による比表面積は1.2m2/gであり、ポリエーテルスルホンだけの比表面積を計算すると、3.5m2/g、透水速度は315gであり、8.6×10-3kg/sec・Nであった。また、実施例1と同様にして粒子捕捉率を測定した。
比較例1
フィルタシートとして、市販品(アドバンテック社製、コーテッドタイプメンブレンフィター剤Y100)を用いた。
比較例2
フィルタシートとして、市販品(アドバンテック社製、コーテッドタイプメンブレンフィター剤Y20)を用いた。
結果を表に示す。なお、実施例1及び実施例2で得られたフィルタシートの表裏面を電子顕微鏡で観察した。図1〜図4にこれらの電子顕微鏡写真を示す。
顕微鏡写真から明らかなとおり、実施例1及び2のフィルタシートは、クモの巣状の三次元構造を有しており、実施例1のフィルタシートは、10μm程度、場合により20〜30μm程度の孔径を有しており、実施例2のフィルタシートは、30μm以上、場合により40〜50μm程度の孔径を有している。そして、表から明らかなように、実施例のフィルタシートは、通気又は通液抵抗が低くても、微粒子に対する捕捉能が高い。
図1は実施例1で得られたフィルタシート表面の電子顕微鏡写真である。 図2は実施例1で得られたフィルタシート裏面の電子顕微鏡写真である。 図3は実施例2で得られたフィルタシート表面の電子顕微鏡写真である。 図4は実施例2で得られたフィルタシート裏面の電子顕微鏡写真である。

Claims (7)

  1. スキン層を備えておらず、繊維状高分子がクモの巣状に絡み合った三次元構造を有する多孔質フィルタ素材であって、高分子に起因するBET比表面積が1m2/g以上、25℃での水透過速度が1×10-3kg/sec・N以上、粒子径5μmのラテックス粒子の捕捉率が20重量%以上であるフィルタ素材。
  2. JIS K3832に規定されているバブルポイント試験法において、気泡が連続的に生じる最低圧力が0.05〜1.5MPaである請求項1記載のフィルタ素材。
  3. 高分子が、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びセルロースエステル類から選択された樹脂である請求項1記載のフィルタ素材。
  4. クモの巣状に絡み合った三次元構造が多孔質支持体に支持されて形成されている請求項1記載の多孔質フィルタ素材。
  5. 高分子と、この高分子を可溶であり、かつ高沸点の良溶媒と、前記高分子を不溶な貧溶媒とを含む高分子溶液から高分子溶液膜を形成し、形成された膜状の高分子溶液を徐々にゲル化させた後、前記良溶媒及び貧溶媒を除去し、請求項1記載のフィルタ素材を製造する方法。
  6. 膜状の高分子溶液に雰囲気中の水分を吸収させてゲル化させる請求項5記載の方法。
  7. 高分子と、この高分子を可溶であり、かつ成膜温度よりも低い融点を有する良溶媒とを含む高分子溶液から高分子溶液膜を形成し、形成された膜状の高分子溶液を前記良溶媒の凍結温度以下に冷却し、この凍結温度以下の温度で前記良溶媒を溶出させ、請求項1記載のフィルタ素材を製造する方法。
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