JP2006081733A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【目的】 始動入賞口への入賞率を調整する遊技場側の手間を省いた上で、遊技球の流下に変化を与えて球流れにおける興趣を向上することができる遊技機を提供する。
【構成】 遊技領域12内に設けられる電動始動入賞口46への遊技球の入賞に基づいて特別図柄表示器41での図柄の変動表示を許可し、図柄の表示結果によって遊技者に特典付与の可否を認識させるパチンコ機において、電動始動入賞口46への入賞に対して影響を与えることなく遊技球の流下に変化を与える球停留装置70を遊技領域12内に設ける。これにより、電動始動入賞口46への入賞率を調整する遊技場側の手間を省いた上で、遊技球の流下に変化を与えて球流れにおける興趣を向上することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、遊技領域内に設けられる始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて図柄表示装置での図柄の変動表示を許可し、前記図柄の表示結果によって遊技者に特典付与の可否を認識させる遊技機に関するものである。
従来、遊技機の一例としてのパチンコ機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて図柄表示装置での図柄の変動表示を許可し、図柄の表示結果が予め定めた大当り図柄となったときに大当り遊技状態を発生するものがある。また、このようなパチンコ機には、始動入賞口の上流側に配置された図柄表示装置に球通路を設けると共に該球通路を動かして遊技球の流下方向に変化を与えることで、球流れにおける興趣を向上するもの(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
特開2004−24538号公報(図5)
ところで、上記特許文献1の構成では、球通路を動かして遊技球の流下方向に変化を与えることで、始動入賞口に遊技球が入賞し易いようにしている。しかしながら、このような構成では、始動入賞口への入賞率が遊技球の流下方向に変化を与えることで変わってしまう。また、球通路を動かして遊技球の流下方向に変化を与える構成は、遊技機側の制御によって行われるものであり、遊技場側で調整できるものではなく、結果として、始動入賞口への入賞率が調整し難くなっていた。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、始動入賞口への入賞率を調整する遊技場側の手間を省いた(軽減した)上で、遊技球の流下に変化を与えて球流れにおける興趣を向上することができる遊技機を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、遊技領域(12)内に設けられる始動入賞口(電動始動入賞口46)への遊技球の入賞に基づいて図柄表示装置(特別図柄表示器41)での図柄の変動表示を許可し、前記図柄の表示結果によって遊技者に特典付与の可否を認識させる遊技機(パチンコ機1)において、前記遊技領域内での遊技球の流下に変化を与える球流れ変更手段(球停留装置70)を備え、前記球流れ変更手段は、前記始動入賞口への入賞に対して影響を与えることなく遊技球の流下に変化を与えることを特徴とする。
請求項1に係る発明においては、始動入賞口への入賞に対して影響を与えることなく球流れ変更手段によって遊技球の流下に変化を与えることができる。このため、始動入賞口への入賞率を調整する遊技場側の手間を省いた(軽減した)上で、遊技球の流下に変化を与えて球流れにおける興趣を向上することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、図1及び図2を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体構成について説明する。図1は、パチンコ機を示す正面図である。図2は、本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、及び機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤4の盤面(前面)には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられ、該案内レール11の内側には、遊技領域12が区画形成されている。遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、スピーカ装着板13を介して低音用スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。そして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8及び下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、サイド装飾装置27、上皿28、音響電飾装置29を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、遊技盤4の遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠31には、透明板32が装着されている。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置27が、下部に上皿28が、上部に音響電飾装置29が装着されている。サイド装飾装置27は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体33を主体として構成されている。サイド装飾体33には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ34が組み込まれている。音響電飾装置29は、透明カバー体35、スピーカ36、スピーカカバー37、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
次に、遊技盤4に区画形成された遊技領域12内に設けられる各種構成部材について図3を参照して説明する。図3は、遊技盤4を示す正面図である。
遊技領域12の中央部分から右上部分に亘る領域には、演出装置40が配設されている。演出装置40は、左・中・右の特別図柄を個々に変動表示する特別図柄表示器41と、演出表示を行う液晶表示器42と、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器50と、特別図柄表示器41、液晶表示器42、及び普通図柄表示器50を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための前面装飾板43とを備えている。液晶表示器42は、遊技領域12の中央部分に配置され、特別図柄表示器41は、遊技領域12の右上部分に配置されている。但し、特別図柄表示器41の配置位置は、これに限定するものではなく、遊技者が視認可能な位置であれば、遊技盤4のいずれの部分に取り付けてもよい。例えば、遊技領域12内の上端部分に案内リール11に沿って取り付けたり、視認可能であれば遊技領域12外の遊技盤4表面に取り付けてもよい。また、液晶表示器42を遊技領域12の中央部分に配置した場合には、液晶表示器42の下方に後述の大入賞口装置60を配置することを考慮して、液晶表示器42よりも上方に特別図柄表示器41を配置することが望ましい。また、前面装飾板43における液晶表示器42と特別図柄表示器41との間には、複数の演出ランプ44が取り付けられている。複数の演出ランプ44は、液晶表示器42による演出表示に合わせた点灯を行うようになっている。
演出装置40の下方には、一対の開閉翼47を有する電動始動入賞口46が配設されている。電動始動入賞口46は、普通図柄表示器50の表示結果が「当り」となったときに、開閉翼47が所定時間(例えば、通常時0.5秒又は確率変動時3秒)開放されるように制御される。また、電動始動入賞口46に入賞した遊技球は、始動口センサ55(図4参照)によって検出され、この検出に基づいて特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示が許可される。
電動始動入賞口46の下方には、横長長方形状の大入賞口61を開閉する開閉板62を有する大入賞口装置60が配設されている。大入賞口装置60は、大入賞口61(開閉板62)の開閉用駆動源となるソレノイド63と、カウントセンサ64と(共に図4参照)を備えている。大入賞口装置60の下方となる遊技領域12の最下部には、遊技領域12を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口48が設けられている。電動始動入賞口46及び大入賞口装置60の左右側方には、入賞口66a〜66dが設けられている。また、遊技領域12には、遊技状態に応じて点灯点滅が制御される電飾用の装飾ランプ49(図4に符号のみ記載)が取り付けられている。
演出装置40の左側方には、普通図柄表示器50で普通図柄の変動表示を許可するゲートセンサ53が設けられている。なお、普通図柄の変動中にゲートセンサ53を通過した遊技球は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能であり、その記憶数は、複数個の発光体(例えば、4個のLED)からなる普通記憶ランプ(図示しない)の点灯によって表示される。また、ゲートセンサ53の下方には、球停留装置70と報知ランプ81とが設けられている。球停留装置70は、1個の遊技球を停留可能な停留部材71と、該停留部材71の下方に配置された回転体72とから構成されている。球停留装置70及び報知ランプ81については後で詳述する。
遊技盤4に設けられる各種の入賞装置等によって実現される遊技について説明すると、パチンコ機1の裏面側に設けられる発射装置(図示しない)によって打ち出されて発射レール15及び案内レール11を通って遊技領域12に放出された遊技球は、遊技領域12を障害釘等に衝突しながらアウト口48に向かって流下する。遊技領域12を流下する遊技球がゲートセンサ53によって検出されると、普通図柄表示器50で普通図柄が変動表示され、その表示結果が「当り」であるときに電動始動入賞口46の開閉翼47が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。もちろん、普通図柄表示器50の表示結果が「ハズレ」の場合、開閉翼47が開放されることはないが、開閉翼47が開放しなくても遊技球は、電動始動入賞口46に入賞し得るようになっている。
そして、電動始動入賞口46に遊技球が入賞すると、特別図柄表示器41で特別図柄が変動を開始して、所定時間経過した後に停止する。その停止した時の複数の図柄が特定の表示態様(組み合せ)になると、「大当り遊技状態」となって、大入賞口装置60の開閉板62が手前側に倒れて大入賞口61を開放し、所定時間(例えば、30秒)、あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞があるまで大入賞口61を開放した状態に維持する。その後、開閉板62の起立により大入賞口61が一旦閉じられ、大入賞口61に少なくとも1個以上の入賞があることを条件として、再度、開閉板62が手前側に倒れることにより、大入賞口61が開放される開閉サイクル(ラウンド)を最高16回繰り返すようになっている。なお、大当り遊技状態の発生の有無は、電動始動入賞口46への遊技球の入賞に基づいて後述する主制御基板101のROM101b内に設けられた大当り決定用乱数が抽出され、当該抽出値が予め設定された大当り値と一致するか否かの判定によって決定される。また、特別図柄の変動中に電動始動入賞口46に入賞した遊技球は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能であり、その記憶数(始動記憶数)は、複数個の発光体(例えば、4個のLED)からなる保留球ランプ54(図4に符号のみ記載)の点灯によって表示される。また、ラウンドを継続する条件は、上記した構成に限定しない。例えば、大入賞口装置60内にV入賞センサを設け、該V入賞センサで遊技球を検出したことを条件としてラウンドを継続するようにしてもよい。さらには、ラウンド継続の条件をなくし、大当り遊技状態が発生すると無条件にラウンドを16回繰り返すようにしてもよい。
次に、パチンコ機1の裏面側に設けられる主基板100及び周辺基板110について図4を参照して説明する。図4は、主基板100及び周辺基板110を示すブロック図である。
図4に示すように、主基板100は、主制御基板101と払出制御基板102とから構成されている。主制御基板101は、中央演算装置としてのCPU101a、読み出し専用メモリとしてのROM101b、読み書き可能メモリとしてのRAM101cを備えている。CPU101aは、ROM101bに格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板110や払出制御基板102に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM101cには、主制御基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板101には、ゲートセンサ53、始動口センサ55、カウントセンサ64等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板101は、ソレノイド63、特別図柄表示器41、普通図柄表示器50等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板102は、中央演算装置としてのCPU102a、読み出し専用メモリとしてのROM102b、読み書き可能メモリとしてのRAM102cを備えている。そして、払出制御基板102は、主制御基板101から入力したコマンド信号を処理し、払出装置103(払出モータ)に駆動信号を出力する。これにより、払出装置103は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
周辺基板110は、サブ統合基板111と第1電飾制御基板112(図4中には電飾制御基板1と記載)と第2電飾制御基板113(図4中には電飾制御基板2と記載)と波形制御基板114とから構成されている。サブ統合基板111は、CPU111a、ROM111b、RAM111cを備えている。CPU111aは、ROM111bに格納されている制御プログラムに従ってコマンド信号を処理する。RAM111cには、サブ統合基板111で実行される種々の処理において生成される各種データや入出力信号等の情報が一時的に記憶される。そして、サブ統合基板111は、主制御基板101から入力したコマンド信号を処理し、第1電飾制御基板112、第2電飾制御基板113、及び波形制御基板114にコマンド信号を出力する。
第1電飾制御基板112、第2電飾制御基板113、及び波形制御基板114は、それぞれ中央演算装置としてのCPU112a,113a,114a、読み出し専用メモリとしてのROM112b,113b,114b、読み書き可能メモリとしてのRAMROM112c,113c,114cを備えている。そして、第1電飾制御基板112は、サブ統合基板111からのコマンド信号に基づいて保留球ランプ54と演出ランプ44と報知ランプ81とを制御する。電飾用電飾基板113は、サブ統合基板111からのコマンド信号に基づいて液晶表示器42と装飾ランプ49とを制御する。波形制御基板114は、サブ統合基板111からのコマンド信号に基づいてスピーカ36と超音波送受信装置115とを制御する。また、サブ統合基板111は、後述する停留解除の有効期間内において停止解除ボタン80から操作信号が入力されると、ソレノイド75へ駆動信号を出力する。
次に、本実施形態の要部を構成する球停留装置70及び報知ランプ81について説明する。球停留装置70は、前述したように1個の遊技球を停留可能な停留部材71と、該停留部材71の下方に配置された回転体72とから構成されている。停留部材71は、遊技球1個分の通路幅に形成された球通路部71aと、該球通路部71aの下流端部に配置された突出片部71bとを備えている。突出片部71bは、電気的駆動源となるソレノイド75(図4に符号のみ記載)の駆動に基づいて遊技盤4の表面から突出した状態から退行した状態に移行する。このようなソレノイド75の駆動、言い換えれば、突出片部71bの突出状態から退行状態への移行は、下前面部材16前面における操作ハンドル18の近傍に設けられた停留解除ボタン80(図1参照)の操作によって行われる。そして、停留部材71は、突出片部71bの突出状態で球通路部71a内に1個の遊技球を停留可能にし、遊技球を停留した状態で停留解除ボタン80が操作されると、突出片部71bを退行させて遊技球を下方(回転体72)に落下させる。但し、停留解除ボタン80の操作、即ち停留部材71による遊技球の停留解除は、後述する停留解除期間によって有効/無効が設定されている。
一方、回転体72は、上方(停留部材71)から落下する遊技球を1個受け止める凹部73を備えると共に、電気的駆動源となるモータ76(図4に符号のみ記載)の停止及び駆動により、停止状態、正回転状態、逆回転状態を常時繰り返すようになっている。但し、回転体72の正回転方向は、時計方向となる右回転方向と反時計方向となる左回転方向の2種類があり、この右回転/左回転の正回転方向は、回転方向決定用乱数の抽出に基づいて決定される。具体的に、回転方向決定用乱数は「0〜127」の計128個の乱数からなり、このうち「0〜63」の64個の乱数が右回転決定値として設定され、「64〜127」の64個の乱数が左回転決定値として設定されている。即ち、回転方向決定用乱数によって回転体72の右回転を決定する確率及び左回転を決定する確率は、それぞれ50%に設定されている。但し、右回転/左回転を決定する確率は、必ずしも50%ずつに設定する必要はない。例えば、大当り遊技状態や確率変動状態等の遊技状態に応じて回転方向の決定確率を異ならせるようにしてもよい。
また、回転体72の右回転において、正回転は、凹部73を停留部材71に向けた位置から凹部73を誘導釘74に向けた位置に移行するまでの範囲で行われ、逆回転は、凹部73を誘導釘74に向けた位置から凹部73を停留部材71に向けた位置に移行するまでの範囲で行われる。そして、回転体72は、停止状態で凹部73内に遊技球を受け止め、正回転によって凹部73内の遊技球を誘導釘74上に放出する。誘導釘74は、回転体72と入賞口66bとの間を繋ぐように遊技盤4面上に植立され、回転体72から放出された遊技球を入賞口66bに誘導する。一方、回転体72の左回転において、正回転は、凹部73を停留部材71に向けた位置から凹部73を誘導釘77に向けた位置に移行するまでの範囲で行われ、逆回転は、凹部73を誘導釘77に向けた位置から凹部73を停留部材71に向けた位置に移行するまでの範囲で行われる。そして、回転体72は、停止状態で凹部73内に遊技球を受け止め、正回転によって凹部73内の遊技球を誘導釘77上に放出する。誘導釘77は、回転体72と入賞口66aとの間を繋ぐように遊技盤4面上に植立され、回転体72から放出された遊技球を入賞口66a側に誘導する。
なお、上記した入賞口66bは、球受け口が鉛直方向に沿って配置されており、誘導釘74の下流端から放出された遊技球は、100%の確率で入賞口66bに入賞するようになっている。一方、入賞口66aは、入賞口66bと違い、球受け口が鉛直方向に対して傾いて配置されている。このため、誘導釘77の下流端から放出された遊技球は、入賞口66aを通過して100%の確率でアウト口48に入るようになっている。即ち、凹部73内に遊技球を受け入れた状態から回転体72が右回転した場合には、遊技球が入賞口66bに入賞して賞球が払い出されるようになっている一方、回転体72が左回転した場合には、遊技球がアウト口48に回収されるようになっている。但し、実施形態中では、誘導釘74の下流端から放出された遊技球を100%の確率で入賞口66bに入賞させる構成としているが、これに限らず、誘導釘74の下流端から放出された遊技球を高い確率で入賞口66bに入賞させる(球流れによっては入賞口66bに入賞しない場合が稀にある)構成としてもよい。同様に、誘導釘77の下流端から放出された遊技球を100%の確率でアウト口48に導く構成としているが、これに限らず、誘導釘77の下流端から放出された遊技球を高い確率でアウト口48に導く(球流れによっては入賞口66aに入賞する場合が稀にある)構成としてもよい。
報知ランプ81は、停留部材71の右側部分に配置されている。そして、大当り遊技状態において、前記回転方向決定用乱数の抽出に基づいて回転体72の右回転が決定された場合、報知ランプ81は、回転体72の右回転前の停止時に点灯することで、回転体72が右回転する旨を遊技者に報知するようになっている。さらに、本実施形態では、報知ランプ81の前面に「押せ」の文字が付されたシール(図示しない)が貼付されており、これによって遊技者に停留解除を直接的に促すアドバイス報知を行うようになっている。また、報知ランプ81の点灯と同時にスピーカ36から他の遊技音に優先して停留解除を促すアドバイス音を発生するようになっている。
次に、球停留装置70及び報知ランプ81の具体的な動作について図5を参照して説明する。図5に示すように、停留解除の有効/無効に関わらず、回転体72は、停止、正回転、逆回転を常時繰り返す。但し、このとき、回転体72の右回転/左回転は、回転方向決定用乱数の抽出に基づいてランダムに決定される。即ち、電源投入時から遊技終了時(パチンコ機1の稼動期間中)は常に(一定的に)乱数抽選によって回転体72の回転方向が決定され、回転体72の作動が継続されている。そして、停留解除の有効時に、遊技者が回転体72の停止に合わせて停留解除ボタン80を操作すると(図5に示す「A」操作)、ソレノイド75の駆動に基づいて突出片部71bが退行し、停留部材71によって停留された遊技球が回転体72に落下する。その後、落下した遊技球は、回転体72の凹部73に受け止められ、回転体72が右回転する。これにより、遊技球は、回転体72の正回転時に誘導釘74上に放出されて入賞口66bに入賞する。また、「A」操作が行われると、その時点から所定期間T1(例えば、1分間)が経過するまで停留解除が無効となる。このため、停留解除の無効時に停留解除ボタン80が操作されても(図5に示す「B」操作)、ソレノイド75は駆動されない。即ち、停留部材71に遊技球が停留されていても、その停留解除は行われない。
その後、「A」操作から所定期間T1が経過すると、再度、停留解除が有効となり、遊技者が回転体72の停止に合わせて停留解除ボタン80を操作すると(図5に示す「C」操作)、「A」操作時と同様に、ソレノイド75の駆動に基づいて突出片部71bが退行し、停留部材71によって停留された遊技球は、回転体72の凹部73に受け止められる。その後、回転体72が左回転することにより、遊技球は、回転体72の凹部73から誘導釘77を通ってアウト口48に導かれる。また、「C」操作の時点から停留解除が無効になる。その後、「C」操作の時点から所定期間T1が経過する前(「C」操作から期間T2が経過した時点)に大当り遊技状態が発生すると、その大当り遊技状態の開始と同時に停留解除が有効になる。
次いで、大当り遊技状態において、回転方向決定用乱数の抽出によって回転体72の右回転が決定されると、当該右回転が開始される直前の回転体72の停止時に報知ランプ81を点灯することで、回転体72が右回転する旨が遊技者に報知される。そして、遊技者が回転体72の停止に合わせて停留解除ボタン80を操作すると(図5に示す「D」操作)、ソレノイド75の駆動に基づいて突出片部71bが退行し、停留部材71によって停留された遊技球は、回転体72の凹部73に受け止められる。その後、回転体72が右回転することにより、遊技球は、回転体72の凹部73から誘導釘74を通って入賞口66bに入賞する。これにより、大当り遊技状態の発生時に、遊技領域12に打ち込む遊技球がなくなってしまうような場合でも、停留部材71に停留された遊技球を入賞口66bに入賞させることができる。従って、入賞口66bへの入賞に伴う賞球の払い出しによって遊技者に打ち込む遊技球を与えることができ、打ち込む遊技球がないことで大当り遊技状態が終了してしまうこと(これを俗にパンクという)を回避できる。その後は、「A」操作時と同様に、「D」操作の時点から停留解除が無効となり、所定期間T1の経過後に停留解除が有効となる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、電動始動入賞口46への入賞に対して影響を与えることなく球停留装置70によって遊技球の流下に変化を与えることができる。このため、電動始動入賞口46への入賞率を調整する遊技場側の手間を省いた(軽減した)上で、遊技球の流下に変化を与えて球流れにおける興趣を向上することができる。
なお、上記した実施形態では、大当り遊技状態の開始、言い換えれば1ラウンド目における大入賞口61の開放と同時に停留解除ボタン80の操作を有効に切り替える構成としているが、これに限定するものではない。例えば、特別図柄表示器41に大当り図柄が導出された時点等、大当り遊技状態の開始(1ラウンド目における大入賞口61の開放)以前に停留解除ボタン80の操作を有効に切り替えるようにしてもよい。即ち、停留解除手段によって停留解除された遊技球が入賞口に入賞し、当該入賞に基づいて払い出される賞球を遊技領域に打ち込んで大入賞口に入賞させることができるタイミングで停留解除手段の操作を有効に切り替える構成とすれば、より確実にパンクを回避させることができる。
また、大当り遊技状態の発生に伴って常に停留解除ボタン80の操作を有効に切り替える必要はなく、遊技領域12に打ち込む遊技球がない場合にのみ停留解除ボタン80の操作を有効に切り替えるようにしてもよい。即ち、上皿28に貯留される遊技球を検出する貯留球センサを設け、該貯留球センサによって遊技球がないことが検出されたことに基づいて停留解除ボタン80の操作を有効に切り替える構成とすれば、パンク回避用の賞球を遊技者に与える構成をより効果的に行うことができる。
また、上記した実施形態から把握できる発明として下記のような発明がある。
(1)遊技領域(12)内に設けられる入賞口への入賞に基づいて遊技者に賞球を払い出す賞球払出手段(払出装置103)を備えると共に、主たる遊技目標となるべく大量の賞球を遊技者に付与する大当り遊技状態を発生し得る遊技機(パチンコ機1)であって、前記大当り遊技状態を発生するか否かを決定する大当り発生決定手段(大当り決定用乱数)を備え、前記入賞口は、遊技球の入賞を前記大当り発生決定手段による決定契機とする始動入賞口(電動始動入賞口46)と、前記大当り遊技状態が発生すると前記大量の賞球を遊技者に付与すべく、開閉部材(開閉板62)を閉鎖状態から大量の遊技球が入賞し得る開放状態に移行する大入賞口(61)と、遊技球の入賞に対する遊技者の注目度が前記始動入賞口及び前記大入賞口に比べて劣る一般入賞口(入賞口66b)と、から構成され、前記遊技領域内での遊技球の流下に変化を与える球流れ変更手段(球停留装置70)を備え、前記球流れ変更手段は、前記始動入賞口及び前記大入賞口に入賞させることなく遊技球の流下に変化を与えることを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、始動入賞口及び大入賞口への入賞に対して影響を与えることなく球流れ変更手段によって遊技球の流下に変化を与えることができる。このため、始動入賞口及び大入賞口への入賞率を調整する遊技場側の手間を省いた上で、遊技球の流下に変化を与えて球流れにおける興趣を向上することができるというメリットがある。
(2)前記球流れ変更手段(球停留装置70)は、1個の遊技球を停留可能な停留部材(71)を含み、該停留部材による遊技球の停留及びその解除を遊技者の操作によって行う停留解除手段(停留解除ボタン80)を備えたことを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、遊技球を停留することで遊技領域内における遊技球の球流れに変化を与えることができ、然も遊技者の意思となる停留解除手段の操作で遊技球の停留が解除できるため、遊技球の球流れに遊技者の意思を反映させることができるというメリットがある。
(3)前記球流れ変更手段(球停留装置70)は、前記停留部材(71)の下方に配置された回転体(72)を含み、該回転体は、前記停留部材から落下する遊技球を1個受け止める凹部(73)を備えると共に、電気的駆動源の停止及び駆動により、停止状態、右回転又は左回転のランダムな回転状態を常時繰り返し、前記凹部内の遊技球は、前記回転体の右回転又は左回転のいずれか一方の回転によって前記始動入賞口(電動始動入賞口46)以外の入賞口(66b)に導かれる一方、他方の回転によってアウト口に導かれることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、回転体の回転によって遊技球が導かれる方向を異ならせることができ、然も、一方の回転では遊技者に遊技特典(入賞口への入賞)を与える一方、他方の回転では遊技特典を与えないので、球流れに対する興趣をより一層向上することができるというメリットがある。
(4)前記球流れ変更手段(球停留装置70)は、前記停留部材(71)の下方に配置された回転体(72)を含み、該回転体は、前記停留部材から落下する遊技球を1個受け止める凹部(73)を含み、前記凹部内の遊技球を前記始動入賞口(電動始動入賞口46)以外の入賞口(66b)に導く一方向の回転(右回転)と前記凹部内の遊技球をアウト口(48)に導く他方向の回転(左回転)のいずれかに回転させる電気的駆動源(モータ76)と、該電気的駆動源による前記回転体の回転方向をランダムに決定する回転方向決定手段(回転方向決定用乱数)と、を備えたことを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、回転体の回転によって遊技球が導かれる方向を異ならせることができ、然も、一方の回転では遊技者に遊技特典(入賞口への入賞)を与える一方、他方の回転では遊技特典を与えないので、球流れに対する興趣をより一層向上することができるというメリットがある。
(5)前記回転体(72)は、前記一方向の回転によって前記凹部(73)内の遊技球を高い確率で前記一般入賞口(入賞口66b)への入賞に導くことを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、遊技球の流下に変化を与えることで、遊技者に高い確率で遊技特典(入賞口への入賞)を与えることができ、遊技の射幸性を高めることができるというメリットがある。なお、ここでいう「高い確率」とは、100%の確率で遊技球を一般入賞口に導くものであってもいいし、稀に一般入賞口から外れる場合を設けるようにしてもよい。
(6)特定のタイミングから所定時間(T1)が経過するまでの期間で前記停留解除手段(停留解除ボタン80)の操作を無効にする操作無効化手段を備えたことを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、常に停留解除手段の操作を有効にしておく構成と違い、球停留装置による遊技球の停留解除に対する遊技者の期待感を増大することができるというメリットがある。なお、ここでいう「特定のタイミング」としては、停留解除手段が操作されたタイミングや停留解除手段の操作に基づいて球停留装置が作動するタイミングを含む。
(7)前記停留解除手段(停留解除ボタン80)による操作の無効期間内で前記大当り遊技状態が発生すると、前記停留解除手段の操作を有効にすると共に、前記大当り遊技状態の発生期間中に前記凹部(73)内の遊技球を前記一般入賞口(入賞口66b)に導く方向に前記回転体(72)が回転するとき、その旨を当該回転直前の停止状態で遊技者に報知する報知手段(報知ランプ81)を備えたことを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、始動入賞口への入賞に対して影響を与えることなく遊技球の球流れに変化を与えた上で、パンク回避用の賞球を遊技者に与えることができるというメリットがある。
(8)前記停留解除手段(停留解除ボタン80)によって停留解除された遊技球が前記一般入賞口(入賞口66b)に入賞し、当該入賞に基づいて払い出される賞球を前記遊技領域(12)に打ち込んで前記大入賞口(61)に入賞させることができるタイミングで前記停留解除手段の操作を有効に切り替えることを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、より確実にパンクを回避させることができるというメリットがある。
(9)前記遊技領域(12)に打ち込む遊技球を貯留する貯留皿(上皿28)と、該貯留皿に貯留される遊技球を検出する貯留球検出手段(貯留球センサ)と、を備え、前記貯留球検出手段によって遊技球がないことが検出されたことに基づいて前記停留解除手段(停留解除ボタン80)の操作を有効に切り替えることを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、パンク回避用の賞球を遊技者に与える構成をより効果的に行うことができるというメリットがある。
(10)前記始動入賞口(電動始動入賞口46)及び前記大入賞口(61)は、それぞれ前記球停留装置(70)から放出される遊技球が流入できない流下位置に配置されていることを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、球停留装置から放出される遊技球は、始動入賞口及び大入賞口に入賞しないので、始動入賞口への入賞率ひいては大当り遊技状態の発生率を予め設定された設計値と変えることがないというメリットがある。
(11)前記始動入賞口(電動始動入賞口46)及び前記大入賞口(61)は、それぞれ前記遊技領域(12)の中央側の領域に配置され、前記球停留装置(70)は、前記中央側の領域以外となり且つ前記遊技領域(12)を流下する遊技球を前記始動入賞口及び前記大入賞口に導く誘導路からもれた位置に配置されていることを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、球停留装置から放出される遊技球は、始動入賞口及び大入賞口に入賞しないので、始動入賞口への入賞率ひいては大当り遊技状態の発生率を予め設定された設計値と変えることがないというメリットがある。
(12)前記回転方向決定手段(回転方向決定用乱数)を含み、遊技機の主要な遊技制御を行うマイクロコンピュータを搭載した主基板(100)と、該主基板とは別に構成されると共に前記報知手段(報知ランプ81)の報知動作を制御する報知制御手段を含み、前記主基板から受信するコマンド信号に基づいた制御を行うマイクロコンピュータを搭載した周辺基板(110)と、を備えたことを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる発明においては、主基板から受信するコマンド信号に基づいて報知手段の報知動作を制御する周辺基板を設けることで、主基板の制御負担を増加させることなく報知手段による報知動作を行わせることができるというメリットがある。
(13)前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機。なお、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作ハンドルの操作に応じて遊技球を遊技領域に打ち込み、該打ち込んだ遊技球が遊技領域内に設けられた始動口(電動始動入賞口46)に入賞することを条件として図柄表示装置(特別図柄表示器41)で図柄の変動表示を行い、図柄の表示結果を停止表示するものである。また、大当り遊技状態の発生時には、遊技領域内に設けられた大入賞口を所定態様で開放して遊技球の入賞を可能にし、その入賞に基づいて遊技者に遊技特典(賞球の付与や磁気カードへのポイントの書き込み等)を付与するものである。
パチンコ機を示す正面図である。 本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。 遊技盤を示す正面図である。 主基板及び周辺基板を示すブロック図である。 球停留装置の動作を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 パチンコ機(遊技機)
12 遊技領域
41 特別図柄表示器(図柄表示装置)
42 液晶表示器
46 電動始動入賞口(始動入賞口)
55 始動口センサ
60 大入賞口装置
61 大入賞口
62 開閉板
64 カウントセンサ
66b 入賞口
70 球停留装置(球流れ変更手段)
71 停留部材
72 回転体
74 誘導釘
75 ソレノイド
76 モータ
80 停留解除ボタン
100 主基板
101 主制御基板
110 周辺基板
111 サブ統合基板

Claims (1)

  1. 遊技領域内に設けられる始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて図柄表示装置での図柄の変動表示を許可し、前記図柄の表示結果によって遊技者に特典付与の可否を認識させる遊技機において、
    前記遊技領域内での遊技球の流下に変化を与える球流れ変更手段を備え、
    前記球流れ変更手段は、前記始動入賞口への入賞に対して影響を与えることなく遊技球の流下に変化を与えることを特徴とする遊技機。

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