ところで、従来のパチンコ機では、上記特許文献1のように大当り図柄の表示に基づいて大入賞口を開放させて大量の賞球を得ること、あるいは、上記特許文献2のように入賞装置内の特定入賞領域への入賞に基づいて入賞装置を特別態様で開放させて大量の賞球を得ることを主たる遊技内容とするパチンコ機が大半を占めていた。このため、将来的に見て、遊技内容がマンネリ化することで遊技自体が単調なものになってしまい、結果として、遊技者の遊技意欲を低下させる虞があった。即ち、特許文献1の構成では、始動入賞口への入賞の結果のみで遊技の興趣を高める構成となっていたため、始動入賞口に遊技球が入賞する以前の遊技状態は遊技者にとって退屈なものとなっていた。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、新たな遊技内容を備えた構成とすることで、遊技者の遊技意欲を低下させることのない遊技機を提供することにある。
(解決手段1)
上記目標を達成するために、本発明の遊技機は、図柄表示装置(特別図柄表示器41)で変動表示される図柄(特別図柄)の表示結果によって遊技者に特典付与の可否を認識させる遊技機(パチンコ機1)であって、遊技領域(12)に設けられた特定通過領域(特定入賞口44)を遊技球が通過したことを検出する通過検出手段(特定入賞センサ45)と、該通過検出手段による遊技球の検出に基づいて第一の乱数(入賞演出決定用乱数)を仮取得する第一乱数取得手段(主制御基板101)と、前記通過検出手段による遊技球の検出に基づいて前記第一の乱数とは異なる第二の乱数(大当り判定用乱数)を仮取得する第二乱数取得手段(主制御基板101)と、前記第一乱数取得手段によって得られた乱数値に基づいた報知動作を行う報知手段(液晶表示器42)と、前記特定通過領域を通過した遊技球を受け入れると共に当該受け入れた遊技球を受け入れた時点から所定時間後(特定入賞口44に入った遊技球が特定球通路46を通って球振分板49に送り込まれて、当選穴50又は落選穴51のいずれかに入るまでの時間)に特別領域(当選穴50)又は該特別領域以外の領域となる普通領域(落選穴51)のいずれに送り込むかを振り分ける球振分手段(クルーン転動装置47)と、前記特別領域に送り込まれた遊技球を検出する特別検出手段(始動センサ53)と、該特別検出手段による遊技球の検出を条件として前記第二乱数取得手段によって得られた乱数値に基づいて前記特典付与するか否かを決定する特典付与決定手段(主制御基板101)と、該特典付与決定手段による決定結果に基づいて前記図柄を表示制御する図柄表示制御手段(サブ統合基板111)と、を備えたことを特徴とする。
(解決手段2)
上記目標を達成するために、本発明の遊技機は、図柄表示装置(特別図柄表示器41)で変動表示される図柄(特別図柄)の表示結果によって遊技者に特典付与の可否を認識させる遊技機(パチンコ機1)であって、遊技領域(12)に設けられた特定通過領域(特定入賞口44)を遊技球が通過したことを検出する通過検出手段(特定入賞センサ45)と、該通過検出手段による遊技球の検出に基づいて第一の乱数(入賞演出決定用乱数)を仮取得する第一乱数取得手段(主制御基板101)と、前記通過検出手段による遊技球の検出に基づいて前記第一の乱数とは異なる第二の乱数(大当り判定用乱数)を仮取得する第二乱数取得手段(主制御基板101)と、前記第一乱数取得手段によって得られた乱数値に基づいた報知動作を行う報知手段(液晶表示器42)と、前記特定通過領域を通過した遊技球を受け入れると共に当該受け入れた遊技球を受け入れた時点から所定時間後(特定入賞口44に入った遊技球が特定球通路46を通って球振分板49に送り込まれて、当選穴50又は落選穴51のいずれかに入るまでの時間)に特別領域(当選穴50)又は該特別領域以外の領域となる普通領域(落選穴51)のいずれに送り込むかを振り分ける球振分手段(クルーン転動装置47)と、前記特別領域に送り込まれた遊技球を検出する特別検出手段(始動センサ53)と、前記特別領域以外の領域であり前記遊技領域に設けられる始動入賞口(電動始動入賞口58)と、該始動入賞口に入賞した遊技球を検出する始動検出手段(始動口センサ57)と、該始動検出手段による遊技球の検出に基づいて乱数(大当たり判定用乱数、大当り図柄用乱数等)を取得する始動乱数取得手段(主制御基板101)と、前記特別検出手段による遊技球の検出を条件として前記第二乱数取得手段によって得られた乱数値を採用する乱数採用手段(主制御基板101)と、該乱数採用手段によって採用された乱数値又は前記始動乱数取得手段によって取得された乱数値に基づいて前記特典付与するか否かを決定する特典付与決定手段(主制御基板101)と、該特典付与決定手段による決定結果に基づいて前記図柄を表示制御する図柄表示制御手段(サブ統合基板111)と、を備えたことを特徴とする。
(解決手段3)
解決手段1において、前記特別領域以外の領域であり前記遊技領域に設けられる始動入賞口(電動始動入賞口58)と、該始動入賞口に入賞した遊技球を検出する始動検出手段(始動口センサ57)と、該始動検出手段による遊技球の検出に基づいて前記特典付与するか否かを決定する始動特典付与決定手段(主制御基板101)と、該始動特典付与決定手段の決定結果に基づいて前記図柄を表示制御する始動図柄表示制御手段(サブ統合基板111)と、を備えたことを特徴とする遊技機。
この場合、特別領域に遊技球が入ること以外にも始動入賞口に遊技球が入ることでも特典付与するか否かの機会を遊技者に与えることができる。
(解決手段4)
解決手段3において、前記特典付与決定手段は、前記始動特典付与決定手段に比べて前記特典付与を決定する確率が高く設定されていることを特徴とする遊技機。
この場合、特定通過領域を通過した遊技球が球振分手段の振り分けによって特別領域に入った場合は、始動入賞口にそのまま遊技球が入った場合に比べて大当りとなり易くできるので、遊技球が特別領域に入ることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
(解決手段5)
解決手段1乃至解決手段4において、前記特典付与決定手段によって特典付与が決定されたことに基づいて閉鎖状態から開放状態に移行して大量の遊技球が入賞し得る大入賞口(61)を有する大入賞口装置(60)を備えたことを特徴とする。
この場合、大入賞口への入賞に伴って大量の賞球を遊技者に払い出すことを特典として付与することができる。
(解決手段6)
解決手段1乃至解決手段5において、前記特定通過領域を通過した遊技球を前記球振分手段に誘導する球誘導通路(特定球通路46)を備えたことを特徴とする。
この場合、特定通過領域を遊技球が通過した場合には、その遊技球を確実に球振分手段に送り込むことができるので、報知手段による報知動作を行った後に球振分手段による遊技球の振り分けを確実に行わせることができる。
(解決手段7)
解決手段1乃至解決手段6において、前記特定通過領域、前記報知手段、及び前記球振分手段は、それぞれ演出装置(40)として一体的に構成され、該演出装置は、前記遊技領域のほぼ中央位置に配置されることを特徴とする。
この場合、特定通過領域への遊技球の通過、報知手段による報知動作、球振分手段による遊技球の振り分けという一連の演出内容を遊技者に注視させることができる。
(解決手段8)
解決手段1乃至解決手段7において、前記球振分手段は、前記特定通過領域を通過した順番に従って遊技球を振り分けるための順次振分手段(作動センサ54、ソレノイド71)を含むことを特徴とする。
この場合、特典付与の有無を決定した遊技球と、図柄の変動表示を許可する遊技球との1対1の対応を確実にとることができる。
(解決手段9)
解決手段1乃至解決手段8において、前記球振分手段は、前記特定通過領域を通過した遊技球を受け入れて螺旋状に転動する螺旋形状の球通路(48)と、該球通路の下流端から放出された遊技球を受けると共に前記特別領域をなす当選穴(50)と前記普通領域をなす落選穴(51)とが穿設された円盤形状の球振分板(49)と、を備えたことを特徴とする。
この場合、螺旋形状の球通路と、当選穴及び落選穴が穿設された円盤形状の球振分板という簡単な構成で球振分手段を構成することができる。
(解決手段10)
解決手段9において、前記当選穴及び前記落選穴は、それぞれ遊技球1個分の直径寸法に形成されていることを特徴とする。
この場合、球振分板に穿設される当選穴及び落選穴の穴寸法を必要最小限に抑えることで、球振分板上を遊技球が転動する時間を長くとることができ、遊技者の球流れに対する演出効果を高めることができる。
(解決手段11)
解決手段10において、前記当選穴は、前記落選穴に比べて前記球振分板での穿設数が少なく設定されていることを特徴とする。
この場合、遊技球を当選穴に入り難くでき、遊技球が当選穴に入ることの価値を高めることができる。
(解決手段12)
解決手段9乃至解決手段11において、前記順次振分手段は、前記球通路上を通過する遊技球を検出する球検出手段(作動センサ54)と、該球検出手段による遊技球の検出に基づいて前記球振分板を水平状態と傾斜状態との間で移行する駆動源(ソレノイド71)と、から構成されることを特徴とする。
この場合、傾斜状態の球振分板上で遊技球を流下させるという簡単な構成で特定通過領域を通過した順番に従って遊技球を振り分けることができる。但し、このような構成において、傾斜状態にある球振分板の傾斜下端に遊技球が流下した場合、遊技球は誘導穴74に送り込まれることで特別領域以外となる普通領域に振り分けられたこととなる。
(解決手段13)
解決手段1乃至解決手段12において、前記報知手段は、前記乱数取得手段によって取得された乱数値に基づいた音を発生する音発生手段から構成されることを特徴とする。
この場合、特典付与が決定されるか否かを聴覚的に遊技者に示唆することができる。
(解決手段14)
解決手段1乃至解決手段12において、前記報知手段は、前記乱数取得手段によって取得された乱数値に基づいた発光を行う発光手段から構成されることを特徴とする。
この場合、特典付与が決定されるか否かを発光によって遊技者に示唆することができる。
(解決手段15)
解決手段1乃至解決手段12において、前記報知手段は、前記乱数取得手段によって取得された乱数値に基づいた演出画像を表示する画像表示器(液晶表示器42)から構成されることを特徴とする。
この場合、特典付与が決定されるか否かを視覚的に遊技者に示唆することができる。
(解決手段16)
解決手段15において、複数種類の演出画像データ(「きたー!!」の文字93を表示する演出画像データ、「コレは!?」の文字94を表示する演出画像データ、「・・・。」の文字95を表示する演出画像データ)を記憶する画像データ記憶手段(サブ統合基板111のROM111b)と、前記特典付与決定手段の決定結果に基づいて前記複数種類の演出画像データのうちいずれかの演出画像データを選択する画像データ選択手段(主制御基板101のCPU101a)と、該画像データ選択手段によって選択された演出画像データに基づいて前記演出画像を表示制御する画像表示制御手段(サブ統合基板111のCPU111a)と、を備え、前記画像データ選択手段は、前記特典付与決定手段によって特典付与が決定されたときに前記複数種類の演出画像データのうち特定の演出画像データ(「きたー!!」の文字93を表示する演出画像データ)を選択する割合が前記特定の演出画像データ以外の演出画像データ(「コレは!?」の文字94を表示する演出画像データ、「・・・。」の文字95を表示する演出画像データ)を選択する割合よりも高く設定されている画像選択テーブルを用いて演出画像データを選択することを特徴とする。
この場合、特定の演出画像データに基づいた演出画像が表示されたときには、特典付与する可能性が高い旨を遊技者に認識させることができる。
(解決手段17)
解決手段16において、前記画像データ選択手段は、前記特典付与決定手段によって特典付与が決定されたときに、前記特定の演出画像データ以外の演出画像データを選択することを特徴とする。
この場合、特定の演出画像データ以外の演出画像データに基づいた演出画像が表示された場合でも、特典が付与される場合があり遊技者に敗者復活的な喜びを与えることができる。
(解決手段18)
解決手段16又は解決手段17において、前記画像データ選択手段は、前記特典付与決定手段によって特典が付与されないことが決定されたときに、前記特定の演出画像データを選択することを特徴とする。
この場合、特定の演出画像データに基づいた演出画像が表示された場合でも、特典が付与されない場合があり遊技者に緊張感を持たせることができる。
(解決手段19)
解決手段15乃至解決手段18において、前記画像表示器は、前記特別領域に遊技球を入れることを示唆する演出画像(球振分板49の当選穴50を指し示す矢印96)を表示することを特徴とする。
この場合、当選穴50に遊技球が入ることで遊技が有利に働く旨(具体的には、特別図柄の変動表示が許可される旨)を遊技者に認識させることができる。
(解決手段20)
解決手段1乃至解決手段19において、前記図柄の変動表示と対応した演出画像(装飾図柄)を表示する演出表示装置(液晶表示器42)を備えたことを特徴とする。
この場合、図柄の変動表示と対応した演出画像を表示することで、図柄の変動表示を視覚的に盛り上げることができる。
(解決手段21)
解決手段20において、前記演出表示装置は、前記報知手段を構成する画像表示装置と同一の表示装置からなることを特徴とする。
この場合、部品点数を削減することでコスト低減を招来することができる。
(解決手段22)
解決手段21において、前記表示装置を表示制御する表示制御手段(サブ統合基板111)を備え、該表示制御手段は、前記図柄の変動表示と対応した演出画像を図柄変動表示領域(装飾図柄変動表示領域92)に表示すると同時に、前記乱数取得手段によって取得された乱数値に基づいた演出画像を演出表示領域(特定入賞演出表示領域91)に表示することを特徴とする。
この場合、単一の表示装置において、演出表示装置としての機能と画像表示装置としての機能とを同時に発揮することができる。
(解決手段23)
解決手段22において、前記表示制御手段は、遊技状況に応じて前記図柄変動表示領域及び前記演出表示領域の領域の大きさを変更する表示領域変更手段を含むことを特徴とする。
この場合、遊技状況に応じて図柄変動と演出表示との注視度合いを異ならせることができる。
(解決手段24)
解決手段23において、前記表示領域変更手段は、前記図柄の変動表示が行われるときに、前記図柄変動表示領域を前記演出表示領域よりも大きな領域に変更する図柄変動時変更手段を含むことを特徴とする。
この場合、図柄の変動表示が行われるときは、その表示を注目させることができる。
(解決手段25)
解決手段23又は解決手段24において、前記表示領域変更手段は、前記乱数取得手段によって取得された乱数値に基づいた演出表示が行われるときに、前記演出表示領域を前記図柄変動表示領域よりも大きな領域に変更する演出表示時変更手段を含むことを特徴とする。
この場合、乱数取得手段によって取得された乱数値に基づいた演出表示が行われるときは、その表示を注目させることができる。
(解決手段26)
解決手段23乃至解決手段25において、前記表示領域変更手段は、前記図柄の変動表示が行われているときに前記特典付与決定手段によって特典付与が決定されたとき、前記演出表示領域を前記図柄変動表示領域よりも大きな領域に変更する演出表示優先変更手段を含むことを特徴とする。
この場合、図柄変動中であっても大当りを伴う演出表示が行われるときには、その演出表示を優先的に表示することで表示装置の表示に対して遊技者の関心を高めることができる。
(解決手段27)
解決手段23乃至解決手段26において、前記表示領域変更手段は、前記演出表示が行われているときに前記始動特典付与決定手段によって特典付与が決定されたとき、前記図柄変動表示領域を前記演出表示領域よりも大きな領域に変更する図柄変動優先変更手段を含むことを特徴とする。
この場合、演出表示中であっても大当りを伴う図柄変動が行われるときには、その図柄変動を優先的に表示することで表示装置の表示に対して遊技者の関心を高めることができる。
(解決手段28)
解決手段1乃至解決手段27において、前記特定通過領域は、前記始動入賞口に比べて前記遊技領域内に遊技球が打ち込まれる位置(案内レール11の球放出口)に近い位置に配置されることを特徴とする。
この場合、特定通過領域を遊技球が通過することに伴って発生する遊技は、遊技球を遊技領域内に打ち込んだ後、即座に遊技内容に変化をもたらすこととなり、より一層遊技者を飽きさせない遊技内容となる。
(解決手段29)
上記目標を達成するために、本発明の遊技機は、図柄表示装置(特別図柄表示器41)で変動表示される図柄(特別図柄)の表示結果によって遊技者に特典付与の可否を認識させる遊技機(パチンコ機1)であって、遊技領域(12)に設けられた特定通過領域(特定入賞口44)を遊技球が通過したことを検出する通過検出手段(特定入賞センサ45)と、該通過検出手段による遊技球の検出に基づいて乱数(入賞演出決定用乱数)を取得する第1の乱数取得手段(主制御基板101)と、該第1の乱数取得手段によって得られた乱数値に基づいた報知動作を行う報知手段(液晶表示器42)と、前記特定通過領域を通過した遊技球を受け入れると共に当該受け入れた遊技球を受け入れた時点から所定時間後(特定入賞口44に入った遊技球が特定球通路46を通って球振分板49に送り込まれて、当選穴50又は落選穴51のいずれかに入るまでの時間)に特別領域(当選穴50)又は該特別領域以外の領域となる普通領域(落選穴51)のいずれに送り込むかを振り分ける球振分手段(クルーン転動装置47)と、前記特別領域に送り込まれた遊技球を検出する特別検出手段(始動センサ53)と、前記特別領域以外の領域であり前記遊技領域に設けられる始動入賞口(電動始動入賞口58)と、該始動入賞口に入賞した遊技球を検出する始動検出手段(始動口センサ57)と、該始動検出手段による遊技球の検出に基づいて乱数(大当たり判定用乱数、大当り図柄用乱数等)を取得する第2の乱数取得手段(主制御基板101)と、該第2の乱数取得手段によって取得された乱数値を前記図柄の変動表示における始動記憶データとして予め定められた上限数まで記憶する始動記憶手段(主制御基板101)と、前記特別検出手段による遊技球の検出を条件として前記第1の乱数取得手段によって得られた乱数値を前記始動記憶データとして前記始動記憶手段に記憶させるデータ移行記憶手段(主制御基板101)と、前記始動記憶手段に記憶された始動記憶データに基づいて前記特典付与するか否かを決定する特典付与決定手段(主制御基板101)と、該特典付与決定手段による決定結果に基づいて前記図柄を表示制御する図柄表示制御手段(サブ統合基板111)と、を備えたことを特徴とする。
本発明の構成によれば、新たな遊技内容を備えた遊技機の構成とすることができ、ひいては遊技者の遊技意欲を低下させることがない。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、図1及び図2を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体構成について説明する。図1は、パチンコ機を示す正面図である。図2は、本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、及び機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤4の盤面(前面)には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられ、該案内レール11の内側には、遊技領域12が区画形成されている。遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、スピーカ装着板13を介して低音用スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。そして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8及び下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、サイド装飾装置27、上皿28、音響電飾装置29を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、遊技盤4の遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠31には、透明板32が装着されている。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置27が、下部に上皿28が、上部に音響電飾装置29が装着されている。サイド装飾装置27は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体33を主体として構成されている。サイド装飾体33には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ34が組み込まれている。音響電飾装置29は、透明カバー体35、スピーカ36、スピーカカバー37、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
次に、遊技盤4に区画形成された遊技領域12内に設けられる各種構成部材について図3及び図4を参照して説明する。図3は、遊技盤を示す正面図である。図4は、クルーン転動装置47の球振分板49の回動動作を示す縦断面図である。但し、図4の縦断面図は、球振分板49を真直ぐに切断したものではなく、球振分板49に穿設される当選穴50と落選穴51とを同時に切断した位置での縦断面図である。
遊技領域12の中央部分には、後で詳述する演出装置40が配設されている。 演出装置40の下方には、一対の開閉翼59を有する電動始動入賞口58が配設されている。電動始動入賞口58は、普通図柄表示器52の表示結果が「当り」となったときに、開閉翼59が所定時間(例えば、通常時0.5秒又は確率変動時3秒)開放されるように制御される。また、電動始動入賞口58に入賞した遊技球は、始動口センサ57(図5参照)によって検出され、この検出に基づいて特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示が許可される。また、電動始動入賞口58への入賞に基づいて、払出装置103(図5に符号のみ記載)から所定数の賞球が払い出される。
電動始動入賞口58の下方には、横長長方形状の大入賞口61を開閉する開閉板62を有する大入賞口装置60が配設されている。大入賞口装置60は、大入賞口61(開閉板62)の開閉用駆動源となるソレノイド63と、大入賞口61に入賞した遊技球を検出するカウントセンサ64(共に図5に符号のみ記載)とを備えている。大入賞口装置60の下方となる遊技領域12の最下部には、遊技領域12を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口65が設けられている。演出装置40の左右側方には、普通図柄表示器52で普通図柄の変動表示を許可するゲートセンサ56が設けられている。なお、普通図柄の変動中にゲートセンサ56を通過した遊技球は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能であり、その記憶数は、複数個の発光体(例えば、4個のLED)からなる普通記憶ランプ(図示しない)の点灯によって表示される。但し、ゲートセンサ56によって遊技球が検出されても、払出装置103からの賞球の払い出しは行われない。また、遊技領域12には、上記した構成以外にも、入賞口66や装飾ランプ67等が配置されている。
次に、本実施形態の要部を構成する演出装置40について説明する。演出装置40は、複数個の発光体(例えば、4個のLED)の点灯によって特別図柄を変動表示する特別図柄表示器41と、左・中・右の3つの図柄で構成される複数種類の装飾図柄を変動表示すると共に種々の演出表示を行う液晶表示器42と、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器52と、複数個の発光体(例えば、4個のLED)の点灯によって所定条件が成立(始動センサ53又は始動口センサ57によって遊技球を検出)したが、未だ特別図柄の変動が開始されていない記憶数(始動記憶数)を表示する保留球ランプ43と、演出装置40の左端位置に配置された特定入賞口44と、該特定入賞口44に入賞した遊技球を検出する特定入賞センサ45と、特定入賞口44に入賞した遊技球を下方に誘導する特定球通路46と、該特定球通路46の特定球出口46aから排出された遊技球を視認可能に転動するクルーン転動装置47と、を備えている。なお、装飾図柄は、特別図柄表示器41での特別図柄の変動表示と対応して(後で詳述する特別図柄変動情報のコマンドに基づいて)液晶表示器42に表示制御されるものである。
クルーン転動装置47は、特定球出口46aから排出された遊技球を転動する螺旋形状の球通路48と、該球通路48の下流端から放出された遊技球を受ける円盤形状の球振分板49とから構成されている。球振分板49には、遊技球1個分の直径寸法に形成された5つの穴が球振分板49の全周に沿って穿設されており、そのうちの1つの穴が当選穴50を構成し、残り4つの穴が落選穴51を構成している。しかして、特定入賞口44に入賞した後、特定球通路46を通ってクルーン転動装置47に送り込まれた遊技球は、球通路48を螺旋状に転動した後、円盤形状の球振分板49の外周部分を回るようにして転動し、最終的には当選穴50又は落選穴51のいずれかに入る。落選穴51に入った遊技球は、排出センサ55(図5に符号のみ記載)によって検出された後にパチンコ機1の裏面側に排出される。一方、当選穴50に入った遊技球は、始動センサ53(図4参照)によって検出された後にパチンコ機1の裏面側に排出される。なお、始動センサ53による遊技球の検出に基づいて特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示を許可するようになっている。
上記した球振分板49は、図4に示すように、支軸70を中心として上下方向に回動自在に取り付けられており、支軸70は、ソレノイド71(図5に符号のみ記載)の駆動力によって回転可能に設けられている。これにより、球振分板49は、ソレノイド71の駆動に伴う支軸70の回転動作によって球振分板49の上面をほぼ水平方向(厳密には若干前側に下り傾斜)に配した初期位置と、球振分板49の上面を遊技者側となる前側(図4中の左側)に下り傾斜させた回動位置(図4中に一点鎖線で示す位置)との間で移行可能となっている。なお、球振分板49の下方には、当選穴50に入った遊技球を始動センサ53に送り込む誘導穴72と、落選穴51に入った遊技球を排出センサ55に送り込む誘導穴73と、回動位置に移行した球振分板49において前方に流下した遊技球を受け入れて排出センサ55に送り込む誘導穴74とが穿設されている。但し、球振分板49が回動位置に移行した状態でも、球振分板49上を流下する遊技球が当選穴50に入ったときは遊技球が誘導穴72を通って始動センサ53で検出され、球振分板49上を流下する遊技球が落選穴51に入ったときは遊技球が誘導穴73を通って排出センサ55で検出される。
また、球通路48には、該球通路48上を通過する遊技球を検出するための作動センサ54が設けられている。そして、作動センサ54によって遊技球が検出されることに基づいてソレノイド71を駆動することで、初期位置の球振分板49を回動位置に移行して、所定時間(作動センサ54を通過した遊技球が球振分板49上に送り込まれるのに要する時間よりも少ない時間)の経過後に再度球振分板49を初期位置に戻す。これにより、球振分板49上に複数の遊技球が同時に転動することを回避するようになっている。具体的には、1個目の遊技球が特定入賞口44に入賞して球通路48の作動センサ54上を通過すると、これに伴って球振分板49の回動位置への移行が行われ、その後、球通路48から初期位置に戻った球振分板49上に遊技球が送り込まれる。そして、この状態で、2個目の遊技球が特定入賞口44に入賞して球通路48の作動センサ54上を通過すると、これに伴って球振分板49の回動位置への移行が行われることで、1個目の遊技球は、球振分板49上を流下することで球振分板49上から排出される(当選穴50、落選穴51、誘導穴74のいずれかに入る)。その後、2個目の遊技球が初期位置に戻った球振分板49上に送り込まれる。
次に、パチンコ機1の裏面側に設けられる主基板100及び周辺基板110について図5を参照して説明する。図5は、主基板100及び周辺基板110を示すブロック図である。
図5に示すように、主基板100は、主制御基板101と払出制御基板102とから構成されている。主制御基板101は、中央演算装置としてのCPU101a、読み出し専用メモリとしてのROM101b、読み書き可能メモリとしてのRAM101cを備えている。CPU101aは、ROM101bに格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板110や払出制御基板102に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM101cには、主制御基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板101には、特定入賞センサ45、始動センサ53、排出センサ55、始動口センサ57、ゲートセンサ56、作動センサ54、カウントセンサ64等からの検出信号が入力される。
なお、特定入賞センサ45からの検出信号の入力に基づいて、主制御基板101のCPU101aは、ROM101bに設けられた各種乱数(特定入賞演出決定用乱数、特定入賞用の大当り判定用乱数、特定入賞用の大当り図柄用乱数等)を抽出(取得)すると共に、その抽出値をRAM101cに設けられている各種乱数の保存領域に格納し、該保存領域に格納された特定入賞演出決定用乱数の抽出値に基づいて特定入賞演出のパターンを決定する。また、始動センサ53からの検出信号の入力に基づいて、主制御基板101のCPU101aは、上記した保存領域に格納されたデータ(特定入賞用の大当り判定用乱数、特定入賞用の大当り図柄用乱数等)を読み出し、当該データをRAM101cに設けられている始動記憶保存領域に格納し、該始動記憶保存領域に格納された各種乱数の抽出値に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。また、始動口センサ57からの検出信号の入力に基づいて、主制御基板101のCPU101aは、ROM101bに設けられた各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数等)を抽出(取得)すると共に、その抽出値を始動記憶保存領域に格納し、該始動記憶保存領域に格納された各種乱数の抽出値に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。
一方、主制御基板101は、ソレノイド63、特別図柄表示器41、普通図柄表示器52等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板102は、中央演算装置としてのCPU102a、読み出し専用メモリとしてのROM102b、読み書き可能メモリとしてのRAM102cを備えている。そして、払出制御基板102は、主制御基板101から入力したコマンド信号を処理し、払出装置103(払出モータ)に駆動信号を出力する。これにより、払出装置103は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
周辺基板110は、サブ統合基板111と第1電飾制御基板112(図5中には電飾制御基板1と記載)と第2電飾制御基板113(図5中には電飾制御基板2と記載)と波形制御基板114とから構成されている。サブ統合基板111は、CPU111a、ROM111b、RAM111cを備えている。CPU111aは、ROM111bに格納されている制御プログラムに従ってコマンド信号を処理する。RAM111cには、サブ統合基板111で実行される種々の処理において生成される各種データや入出力信号等の情報が一時的に記憶される。そして、サブ統合基板111は、主制御基板101から入力したコマンド信号を処理し、第1電飾制御基板112、第2電飾制御基板113、及び波形制御基板114にコマンド信号を出力する。
第1電飾制御基板112、第2電飾制御基板113、及び波形制御基板114は、それぞれ中央演算装置としてのCPU112a,113a,114a、読み出し専用メモリとしてのROM112b,113b,114b、読み書き可能メモリとしてのRAMROM112c,113c,114cを備えている。そして、第1電飾制御基板112は、サブ統合基板111からのコマンド信号に基づいて保留球ランプ43と装飾ランプ67とを制御する。電飾用電飾基板113は、サブ統合基板111からのコマンド信号に基づいて液晶表示器42を制御する。波形制御基板114は、サブ統合基板111からのコマンド信号に基づいてスピーカ36と超音波送受信装置115とを制御する。
遊技盤4に設けられる各種の入賞装置等によって実現される遊技について説明すると、パチンコ機1の裏面側に設けられる発射装置(図示しない)によって打ち出されて発射レール15及び案内レール11を通って遊技領域12に放出された遊技球は、遊技領域12を障害釘等に衝突しながらアウト口65に向かって流下する。遊技領域12を流下する遊技球がゲートセンサ56によって検出されると、普通図柄表示器52で普通図柄が変動表示され、その表示結果が「当り」であるときに電動始動入賞口58の開閉翼59が所定時間開放される。もちろん、普通図柄表示器52の表示結果が「ハズレ」の場合、開閉翼59が開放されることはないが、開閉翼59が開放しなくても遊技球は、電動始動入賞口58に入賞し得るようになっている。
そして、電動始動入賞口58に遊技球が入賞すると(始動口センサ57によって遊技球が検出されると)、各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数等)の抽出に基づいた特別図柄の変動パターンの決定によって、特別図柄表示器41で特別図柄が変動を開始して、所定時間経過した後に停止する。その停止した時の複数の図柄が特定の表示態様(組み合せ)になると、「大当り遊技状態」となる。なお、このような特別図柄の変動表示に伴って液晶表示器42では、装飾図柄の変動表示が行われる。また、遊技領域12を流下する遊技球が特定入賞口44に入賞した場合には、特定入賞演出決定用乱数の抽出に基づいた特定入賞演出パターンの決定によって、液晶表示器42に特定入賞演出の画像が表示され、特定入賞口44に入賞した遊技球は、特定球通路46を通ってクルーン転動装置47に送り込まれる。その後、クルーン転動装置47に送り込まれた遊技球が、球振分板49の当選穴50に入り始動センサ53によって検出されると、各種乱数(特定入賞用の大当り判定用乱数、特定入賞用の大当り図柄用乱数等)の抽出に基づいた特別図柄の変動パターンの決定によって、特別図柄の変動表示が許可される。そして、「大当り遊技状態」が発生すると、大入賞口装置60の開閉板62が手前側に倒れて大入賞口61を開放し、所定時間(例えば、30秒)、あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞があるまで大入賞口61を開放した状態に維持する。その後、開閉板62の起立により大入賞口61が一旦閉じられ、大入賞口61に少なくとも1個以上の入賞があることを条件として、再度、開閉板62が手前側に倒れることにより、大入賞口61が開放される開閉サイクル(ラウンド)を最高16回繰り返すようになっている。なお、ラウンドを継続する条件は、上記した構成に限定しない。例えば、大入賞口装置60内にV入賞センサを設け、該V入賞センサで遊技球を検出したことを条件としてラウンドを継続するようにしてもよい。さらには、ラウンド継続の条件をなくし、大当り遊技状態が発生すると無条件にラウンドを16回繰り返すようにしてもよい。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて実行される種々の制御処理について図6乃至図13を参照して説明する。図6(A)は、主制御基板101で実行される特別図柄始動入賞処理を示すフローチャートである。図6(B)は、主制御基板101で実行される特定入賞処理を示すフローチャートである。図7は、主制御基板101で実行される特定入賞演出処理を示すフローチャートである。図8は、主制御基板101で実行される入賞球処理を示すフローチャートである。図9は、主制御基板101で実行される特別図柄処理を示すフローチャートである。図10は、特別図柄処理のサブルーチンとなる特別図柄変動設定処理を示すフローチャートである。図11(A)は、特定入賞演出パターンを示す一覧表図である。図11(B)は、特定入賞演出決定用のテーブルを示す一覧表図である。図12は、特別図柄に関わる送信コマンドを示す一覧表図である。図13は、第2電飾制御基板113で実行される表示制御処理を示すフローチャートである。なお、特別図柄始動入賞処理、特定入賞処理、特定入賞演出処理、入賞球処理、特別図柄処理は、それぞれ主制御基板101においてROM102に格納されている遊技制御プログラムをCPU101aが適当なタイミングで実行することによって実現される。表示制御処理は、第2電飾制御基板113においてROM113bに格納されている液晶表示制御プログラムをCPU113aが適当なタイミングで実行することによって実現される。
先ず、図6(A)に示す特別図柄始動入賞処理では、電動始動入賞口58に対する遊技球の入賞処理を行う。即ち、電動始動入賞口58に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS1)。具体的には、始動口センサ57から検出信号が出力された場合には入賞した(YES)と判別し、検出信号が出力されなければ入賞しない(NO)と判別する。そして、電動始動入賞口58に遊技球が入賞したときには、RAM101cに設けられている特別図柄保留球数カウンタの値が上限値となる4よりも小さいか否かを判別する(ステップS2)。特別図柄保留球数カウンタが上限値よりも小さければ(YES)、特別図柄保留記憶格納処理を実行する(ステップS3)。特別図柄保留記憶格納処理では、特別図柄保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、特別図柄保留球数カウンタの加算に伴ってサブ統合基板111に表示データを出力して保留球ランプ43で点灯するランプの個数を変える処理と、各種乱数の取得処理とを行う。
ここで、各種乱数には、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数がある。大当り判定用乱数は、大当りか否かを判別するための乱数である。大当り図柄用乱数は、大当り判定用乱数によって大当りと判別された場合において、特別図柄表示器41に停止して表示する特別図柄を特定するための乱数である。なお、大当り判定用乱数は、「0〜799」の計631個の乱数からなり、「7,407」の乱数が大当り値に設定されている。実施形態中では、1分間の遊技球の打ち込み数を100個として、そのうちの6個の遊技球が電動始動入賞口58に入賞するという想定に基づいて大当り判定用乱数を設定している。また、ステップS1において電動始動入賞口58に遊技球が入賞していない場合や、ステップS2において特別図柄保留球数が上限値以上の場合には、何もせずにそのまま特別図柄始動入賞処理を終了する。
図6(B)に示す特定入賞処理では、特定入賞口44に対する遊技球の入賞処理を行う。即ち、特定入賞口44に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS5)。具体的には、特定入賞センサ45から検出信号が出力された場合には入賞した(YES)と判別し、検出信号が出力されなければ入賞しない(NO)と判別する。そして、特定入賞口44に遊技球が入賞したときには、RAM101cに設けられている特定入賞演出保留球数カウンタの値が上限値となる10よりも小さいか否かを判別する(ステップS6)。特定入賞演出保留球数カウンタが上限値よりも小さければ(YES)、特定入賞演出保留記憶格納処理を実行する(ステップS7)。特定入賞演出保留記憶格納処理では、特定入賞演出保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、各種乱数の取得処理とを行う。ここでいう各種乱数は、特定入賞演出決定用乱数、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数等である。但し、この場合、大当り判定用乱数は、「0〜49」の計50個の特定入賞用の乱数であり、このうち「7」の乱数が大当り値に設定され、始動記憶用のデータとして仮取得される。実施形態中では、1分間の遊技球の打ち込み数を100個としてそのうちの1個の遊技球が特定入賞口44に入賞し、その後、1/5の確率で(クルーン転動装置47の5つの穴(当選穴50,落選穴51)のうち1つを当選穴50とする)当選穴50に入るという想定に基づいて特定入賞用の大当り判定用乱数を設定している。また、特定入賞演出決定用乱数は、特定入賞演出のパターンを決定するための「0〜9」の計10個の乱数である。
図7に示す特定入賞演出処理では、先ず、特定入賞演出保留球数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS11)。特定入賞演出保留球数カウンタの値が0のときは、そのままメインフローに復帰する。一方、特定入賞演出保留球数カウンタの値が0でないときは、特定入賞演出が可能か否か、即ち特定入賞演出中でないか否かを判別する(ステップS12)。特定入賞演出中のときは、そのままメインフローに復帰する。特定入賞演出中でないときは、次に、前記特定入賞処理のステップS7で仮取得された大当り判定用乱数が当り値であるか否かを判別する(ステップS13)。大当り判定用乱数が当り値のときは、当り時特定入賞演出設定処理を実行した後に(ステップS14)メインフローに復帰する。また、ステップS13でハズレのときは、「0〜65535」の計65536個の乱数からなる可変カウンタを抽出し、その抽出値が1024よりも小さいか否かを判別することで、特殊ハズレであるか否かを判別する(ステップS15)。抽出値が1024よりも小さく特殊ハズレとなる場合は、特殊ハズレ時特定入賞演出設定処理を実行した後に(ステップS16)メインフローに復帰する。一方、抽出値が1024以上の値で普通ハズレとなる場合は、普通ハズレ時特定入賞演出設定処理を実行した後に(ステップS17)メインフローに復帰する。
ステップS14の当り時特定入賞演出設定処理では、図11(B)に示す「特定入賞演出(大当り)」を参照して、前記特定入賞処理のステップS7で取得された特定入賞演出決定用乱数に基づいて特定入賞演出用の表示情報を決定する。即ち、「0〜9」の特定入賞演出決定用乱数における抽出値が「0〜5」のいずれかのときは、コマンド1100H(「きたー!!」の文字を演出表示するコマンド)の特定入賞演出パターンA(図11(A)参照)を決定する。抽出値が「6〜8」のいずれかのときは、コマンド1101H(「コレは!?」の文字を演出表示するコマンド)の特定入賞演出パターンB(図11(A)参照)を決定する。抽出値が「9」のときは、コマンド1102H(「・・・。」の文字を演出表示するコマンド)の特定入賞演出パターンC(図11(A)参照)を決定する。
また、ステップS16の特殊ハズレ時特定入賞演出設定処理では、図11(B)に示す「特定入賞演出(特殊ハズレ)」を参照して、前記特定入賞処理のステップS7で取得された特定入賞演出決定用乱数に基づいて特定入賞演出用の表示情報を決定する。即ち、「0〜9」の特定入賞演出決定用乱数における抽出値が「0〜3」のいずれかのときは、コマンド1100Hの特定入賞演出パターンAを決定する。抽出値が「4〜7」のいずれかのときは、コマンド1101Hの特定入賞演出パターンBを決定する。抽出値が「8,9」のいずれかのときは、コマンド1102Hの特定入賞演出パターンCを決定する。
また、ステップS17の普通ハズレ時特定入賞演出設定処理では、図11(B)に示す「特定入賞演出(普通ハズレ)」を参照して、前記特定入賞処理のステップS7で取得された特定入賞演出決定用乱数に基づいて特定入賞演出用の表示情報を決定する。即ち、「0〜9」の特定入賞演出決定用乱数における抽出値が「0〜2」のいずれかのときは、コマンド1101Hの特定入賞演出パターンBを決定する。抽出値が「3〜9」のいずれかのときは、コマンド1102Hの特定入賞演出パターンCを決定する。
図8に示す入賞球処理では、先ず、排出センサ55がONしたか否か、言い換えれば特定入賞口44に入賞した遊技球がクルーン転動装置47の落選穴51に入ったか否かを判別する(ステップS31)。排出センサ55がONしていなければ、次に始動センサ53がONしたか否か、言い換えれば特定入賞口44に入賞した遊技球がクルーン転動装置47の当選穴50に入ったか否かを判別する(ステップS32)。そして、始動センサ53がONしていれば、特別図柄保留球数カウンタの値が上限値となる4よりも小さいか否かを判別する(ステップS33)。特別図柄保留球数カウンタが上限値よりも小さければ(YES)、前記特定入賞処理におけるステップS7の特定入賞演出保留記憶格納処理で取得された各種乱数値(データ)を始動記憶用のデータに採用する旨、言い換えれば遊技球が当選穴50に入ることによって特別図柄の変動表示が許可される旨を遊技者に認識させる演出画像を液晶表示器42に表示するための採用演出設定処理を実行する(ステップS34)。その後、特定入賞演出用の保存領域に格納されているデータに基づいて特別図柄保留記憶格納処理(前述のステップS7で仮取得された大当り判定用乱数等の各データを始動記憶用のデータとして採用する処理)を実行すると共に(ステップS35)、特定入賞演出保留記憶移行処理を実行して(ステップS36)メインフローに復帰する。ステップS36の特定入賞演出保留記憶移行処理では、特定入賞演出保留球数カウンタから1を減算する処理と、特定入賞演出用の保存領域の内容をシフトする処理とを行う。また、ステップS31で排出センサ55がONしていると判定した場合、及びステップS33で特別図柄保留球数カウンタの値が上限値となる4以上であることを判定した場合には、前記特定入賞処理におけるステップS7の特定入賞演出保留記憶格納処理で取得された各種乱数値(データ)を始動記憶用のデータに採用しない旨、言い換えれば遊技球が落選穴51に入る又は始動記憶が上限値に達していることで特別図柄の変動表示が許可されない旨を遊技者に認識させる演出画像を液晶表示器42に表示するための不採用演出設定処理を実行した後に(ステップS37)、ステップS36へ移行する。なお、実施形態中では、遊技球が落選穴51に入るときと始動記憶が上限値に達しているときとで、同一の不採用演出画像を表示する構成としているが、これに限らず、遊技球が落選穴51に入るときと始動記憶が上限値に達しているときとで異なる演出画像を表示するようにしてもよい。
次に、図9に示す特別図柄処理では、先ず、特別図柄保留球数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS41)。特別図柄保留球数カウンタの値が0のときは、そのまま後述のステップS45へ移行する。一方、特別図柄保留球数カウンタの値が0でないときは、特別図柄の変動表示が可能か否か、即ち特別図柄の変動表示中でないか否かを判別する(ステップS42)。特別図柄の変動表示中のときは、そのままステップS45へ移行する。特別図柄の変動表示中でないときは、特別図柄保留記憶移行処理を実行する(ステップS43)。ステップS43の特別図柄保留記憶移行処理では、特別図柄保留球数カウンタから1を減算する処理と、RAM101cに設けられた始動入賞記憶の保存領域の内容をシフトする処理とを行う。その後は、後述する特別図柄変動設定処理(ステップS44)と、特別図柄変動設定処理で決定される特別図柄の変動表示に係る各種情報をサブ統合基板111に出力する情報出力処理(ステップS45)と、大当り判定処理(ステップS46)とを順次実行して、メインフローに復帰する。
特別図柄変動設定処理では、図10に示すように、先ず、大当り判定用乱数が当り値であるか否かを判別する(ステップS51)。当りのときは、大当り時における特別図柄表示器41での特別図柄の変動表示と液晶表示器42での演出表示とを設定する当り時変動設定処理を実行した後に(ステップS52)特別図柄の変動を開始して(ステップS53)メインフローに復帰する。ステップS52の当り時変動設定処理では、図12に示す「変動時間可変テーブル(大当り)」を参照して、特別図柄変動情報を決定する。即ち、「0〜65535」の計65536個の乱数からなる可変カウンタを抽出する。そして、抽出値が「0,1」のいずれかのときは、コマンド1016H(ステータス10H、モード16H)の特図変動パターンAを決定し、変動タイマに60000msをセットする。抽出値が「2〜13108」のいずれかのときは、コマンド1015H(ステータス10H、モード15H)の特図変動パターンBを決定し、変動タイマに30500msをセットする。抽出値が「13109〜29492」のいずれかのときは、コマンド1014H(ステータス10H、モード14H)の特図変動パターンCを決定し、変動タイマに28500msをセットする。抽出値が「29493〜45876」のいずれかのときは、コマンド1013H(ステータス10H、モード13H)の特図変動パターンDを決定し、変動タイマに24000msをセットする。抽出値が「45877〜58164」のいずれかのときは、コマンド1012H(ステータス10H、モード12H)の特図変動パターンEを決定し、変動タイマに18500msをセットする。抽出値が「58165〜65535」のいずれかのときは、コマンド1011H(ステータス10H、モード11H)の特図変動パターンFを決定し、変動タイマに15000msをセットする。
また、ステップS51でハズレのときは、可変カウンタの抽出値が1024よりも小さいか否かを判別することで、特殊ハズレであるか否かを判別する(ステップS54)。但し、この場合における可変カウンタの抽出は、特別図柄変動情報決定用とは別に抽出される。抽出値が1024よりも小さく特殊ハズレとなる場合は、特殊ハズレ時における特別図柄表示器41での特別図柄の変動表示と液晶表示器42での演出表示とを設定する可変変動設定処理を実行した後に(ステップS55)ステップS53へ移行する。ステップS55の可変変動設定処理では、図12に示す「変動時間可変テーブル(特殊ハズレ)」を参照して、特別図柄変動情報を決定する。そして、可変カウンタの抽出値が「0〜31」のいずれかのときは、コマンド1006H(ステータス10H、モード06H)の特図変動パターンGを決定し、変動タイマに30500msをセットする。抽出値が「32〜63」のいずれかのときは、コマンド1005H(ステータス10H、モード05H)の特図変動パターンHを決定し、変動タイマに28500msをセットする。抽出値が「64〜127」のいずれかのときは、コマンド1004H(ステータス10H、モード04H)の特図変動パターンIを決定し、変動タイマに24000msをセットする。抽出値が「128〜511」のいずれかのときは、コマンド1003H(ステータス10H、モード03H)の特図変動パターンJを決定し、変動タイマに18500msをセットする。抽出値が「512〜895」のいずれかのときは、コマンド1002H(ステータス10H、モード02H)の特図変動パターンKを決定し、変動タイマに15000msをセットする。抽出値が「896〜1023」のいずれかのときは、コマンド1001H(ステータス10H、モード01H)の特図変動パターンLを決定し、変動タイマに11500msをセットする。
一方、ステップS54の判別において抽出値が1024以上であり特殊ハズレ以外の通常ハズレとなる場合は、特別図柄保留球数カウンタの値が0又は1(保留が1又は2)であるか否かを判別する(ステップS56)。特別図柄保留球数カウンタの値が0又は1のときは、図12の「通常変動時間」に示すコマンド1201H(ステータス12H、モード01H)の特図変動パターンMを決定して変動タイマに10000msをセットした後に(ステップS57)ステップS53へ移行する。特別図柄保留球数カウンタの値が0又は1でないときは、特別図柄保留球数カウンタの値が2(保留が3)であるか否かを判別する(ステップS58)。特別図柄保留球数カウンタの値が2のときは、図12の「通常変動時間」に示すコマンド1301H(ステータス13H、モード01H)の特図変動パターンNを決定して変動タイマに8000msをセットした後に(ステップS59)ステップS53へ移行する。特別図柄保留球数カウンタの値が2でないとき、即ち特別図柄保留球数カウンタの値が3(保留が4)のときは、図12の「通常変動時間」に示すコマンド1401H(ステータス14H、モード01H)の特図変動パターンOを決定して変動タイマに6000msをセットした後に(ステップS60)ステップS53へ移行する。
なお、特別図柄に関わる送信コマンドは、図12に示すように、特別図柄変動情報以外にも特別図柄当落情報及び遊技態様情報がある。特別図柄当落情報は、ハズレを示すコマンド1701H(ステータス17H、モード01H)と非特定(非確変)大当りを示すコマンド1702H(ステータス17H、モード02H)と特定(確変)大当りを示すコマンド1703H(ステータス17H、モード03H)とからなる。遊技態様情報は、低確率状態を示すコマンド1901H(ステータス19H、モード01H)と高確率(確変)状態を示すコマンド1902H(ステータス19H、モード02H)とからなる。
次に、図13に示す表示制御処理では、主制御基板101から表示用信号(表示用コマンドを含む)を受信したか否かを判別する(ステップS101)。コマンドを受信したときは、そのコマンドが特定入賞演出に関わる表示情報のコマンド(コマンド1100H〜1102H)であるか否かを判別する(ステップS102)。特定入賞演出に関わる表示情報のコマンドであれば、特定入賞演出表示処理を実行する(ステップS103)。この特定入賞演出表示処理では、受信した特定入賞演出用の表示情報のコマンドに基づいた演出画像を液晶表示器42に表示制御する。一方、ステップS102の判別で特定入賞演出に関わる表示情報のコマンドでなければ、受信したコマンドが特別図柄変動情報のコマンド(コマンド1001H〜1006H,1011〜1016H)であるか否かを判別する(ステップS104)。特別図柄変動情報のコマンドであれば、特別図柄演出表示処理を実行する(ステップS105)。この特別図柄演出表示処理では、受信した特別図柄変動情報のコマンドに基づいて演出画像を決定して、その決定した演出画像を液晶表示器42に表示制御する。
なお、図13に示す表示制御処理は、コマンド信号の判定を特定入賞演出用の表示情報及び特別図柄変動情報のコマンドのみに限定して記載したものであり、実際にはその他のコマンド信号の判定処理及びこれに伴ったコマンド処理が行われるものである。また、ステップS103の特定入賞演出表示処理及びステップS105の特別図柄演出表示処理において、大当り判定用乱数が当り値となって決定されたコマンドに基づいて演出画像を表示制御する場合、当該コマンドに基づいた演出画像の表示が優先的に行われるようになっている(以下、これを優先表示制御という)。
次に、液晶表示器42に表示される演出画像について図14を参照して説明する。但し、液晶表示器42の表示領域は、特定入賞演出表示領域91と装飾図柄変動表示領域92とに別れており、状況に応じて各表示領域91,92の大きさが変更されるようになっている。具体的に、優先表示制御以外となる通常の表示制御において、特定入賞演出に関わる表示情報のコマンドがサブ統合基板111に入力されると、図14(A)〜(C)に示すように、液晶表示器42の表示画面のほぼ全体が特定入賞演出表示領域91となり、表示画面右下の一部の部分が装飾図柄変動表示領域92となる(以下、これを特定入賞演出表示態様という)。図14(A)に示す演出画像は、特定入賞演出に関わる表示情報のコマンド(コマンド1100H)に基づいて表示される演出画像であり、特定入賞演出表示領域91には、「きたー!!」の文字93と、球振分板49の当選穴50に遊技球を入れることを示唆する矢印96とが表示され、装飾図柄変動表示領域92には、以前変動表示した装飾図柄の表示結果が表示される(図14(A)中には「3,2,5」の表示結果で停止した場合を例示)。
図14(B)に示す演出画像は、特定入賞演出に関わる表示情報のコマンド(コマンド1101H)に基づいて表示される演出画像であり、特定入賞演出表示領域91には、「コレは!?」の文字94と、球振分板49の当選穴50に遊技球を入れることを示唆する矢印96とが表示され、装飾図柄変動表示領域92には、以前変動表示した装飾図柄の表示結果が表示される(図14(B)中には「3,2,5」の表示結果で停止した場合を例示)。図14(C)に示す演出画像は、特定入賞演出に関わる表示情報のコマンド(コマンド1102H)に基づいて表示される演出画像であり、特定入賞演出表示領域91には、「・・・。」の文字95と、球振分板49の当選穴50に遊技球を入れることを示唆する矢印96とが表示され、装飾図柄変動表示領域92には、以前変動表示した装飾図柄の表示結果が表示される(図14(C)中には「3,2,5」の表示結果で停止した場合を例示)。
また、優先表示制御以外となる通常の表示制御において、特別図柄の変動表示情報のコマンドがサブ統合基板111に入力されると、図14(D)に示すように、液晶表示器42の表示画面のほぼ全体が装飾図柄変動表示領域92となり、表示画面左上の一部の部分が特定入賞演出表示領域91となる(以下、これを装飾図柄変動表示態様という)。図14(D)に示す特定入賞演出表示領域91には、特定入賞がない旨を遊技者に認識させる「まだかな」の文字97が表示され、装飾図柄変動表示領域92には、装飾図柄の変動表示が行われる(図14(D)中には左右の図柄が「7」で揃った状態で中図柄が変動表示中の場合を例示)。
一方、優先表示制御において、特別図柄の変動表示中に特定入賞演出に関わる表示情報のコマンドがサブ統合基板111に入力されると、装飾図柄変動表示態様から図14(E)に示すように、特定入賞演出表示態様に切り替わる。具体的に、表示画面のほぼ全体に拡大表示された特定入賞演出表示領域91には、特定入賞演出に関わる表示情報のコマンドに基づいた文字(図14(E)中には「きたー!!」の文字93を例示)と、球振分板49の当選穴50に遊技球を入れることを示唆する矢印96とが表示され、表示画面右下の一部分に縮小表示された装飾図柄変動表示領域92には、継続的に装飾図柄の変動表示が行われる(図14(E)中には左図柄が「6」で停止した状態で中右の図柄が変動表示中の場合を例示)。
また、優先表示制御において、特定入賞演出中に特別図柄変動表示情報のコマンドがサブ統合基板111に入力されると、特定入賞演出表示態様から図14(F)に示すように、装飾図柄変動表示態様に切り替わる。具体的に、表示画面のほぼ全体に拡大表示された装飾図柄変動表示領域92には、装飾図柄の変動表示が行われ(図14(F)中には左図柄が「5」で停止した状態で中右の図柄が変動表示中の場合を例示)、表示画面左上の一部分に縮小表示された特定入賞演出表示領域91には、装飾図柄変動表示領域92での装飾図柄の変動表示を遊技者に注視させるべく「注目!!」の文字98が表示される。
以上のように、本実施形態の構成によれば、特定入賞口44に遊技球が入賞すると大当り判定用乱数を抽出し、その抽出値に基づいて液晶表示器42に特定入賞演出用の画像を表示する。その後、特定入賞口44に入った遊技球をクルーン転動装置47の球振分板49上に送り込み、遊技球が球振分板49の当選穴50に入ると、抽出された大当り判定用乱数に基づいて特別図柄の変動表示を開始する。一方、遊技球が球振分板49の落選穴51に入るときは、抽出された大当り判定用乱数が無効となって特別図柄の変動表示は行われない。即ち、特定入賞口44への入賞に基づく乱数抽出によって大当りが決定された場合、その旨を特定入賞演出用の画像によって遊技者に事前に示唆しておき、その後、遊技球が球振分板49の当選穴50に入るか否かによって大当り遊技状態の発生が有効になるか否かが決定される。従って、特定入賞口44への入賞に基づいて表示する特定入賞演出用の画像に対して遊技者に緊張感を持たせた後に、遊技球が球振分板49の当選穴50に入るか否かの球流れに対して遊技者に緊張感を持たせ、最後に特別図柄の変動表示に対して遊技者に緊張感を持たせることができる。このため、新たな遊技内容を備えた遊技機の構成とすることができ、ひいては遊技者の遊技意欲を低下させることがない。
また、本実施形態の構成によれば、始動入賞(始動センサ53による球検出)以前の遊技状態でも特定入賞口44に遊技球が入賞すれば、その入賞時点から遊技者が関心を引く遊技内容(クルーン転動装置47内での遊技球の転動動作)となっているので、始動入賞以前においても遊技者を飽きさせない遊技内容となっている。また、特定入賞口44に入賞した遊技球は、遊技領域12に直接設けられた始動入賞口(電動始動入賞口58)への入賞に比べて高い確率で始動入賞し易いので(実施形態中では、1個の当選穴50と4個の落選穴51から5分の1の確率)、特定入賞口44に入賞した後の遊技球の球流れに対して遊技者の関心を高めることができる。また、特定入賞口44は、電動始動入賞口58に比べて遊技球の発射位置(案内レール11の球放出口)に近い位置に配置されているので、特定入賞口44への入賞に伴って発生する遊技は、遊技球を遊技領域12内に打ち込んだ後、即座に遊技内容に変化をもたらすこととなり、より一層遊技者を飽きさせない遊技内容となる。
なお、実施形態中では、本発明に係る報知手段を液晶表示器42で構成すると共に、大当り判定用乱数の抽出に基づいた報知動作として液晶表示器42に特定入賞演出画像を表示する構成としているが、これに限定するものではない。例えば、報知手段を音発生手段(例えば、スピーカ等)や発光手段(ランプ・LED等)から構成して、音の発生動作や発光動作を報知動作として行わせるようにしてもよい。また、実施形態中では、単一の表示器(液晶表示器42)で飾り図柄と特定入賞演出画像とを表示する構成としているが、これに限らず、飾り図柄と特定入賞演出画像とを別々の表示器で個々に表示するようにしてもよい。