JP2006079924A - イオンビーム照射装置及び当該装置用絶縁スペーサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 イオンビーム照射装置のグリッド間に配置される絶縁スペーサの交換頻度を低減する。
【解決手段】 グリッド間の絶縁を保持するために配置されるいわゆる絶縁スペーサに関して、グリッドと対向する環状の略平面部分と、該環状の略平面部分の中央部から立ち上がり該グリッドに当接する円筒状部分とからなる部分において、当該平面に垂直であって且つ環状部分の周部と円筒状部分とを分離する環状溝を配置する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、所定の電圧を与えたグリッドを介することによって、室内部で発生させたプラズマより所定の方向にイオンビームを引き出し且つ照射するイオンビーム照射装置に関する。より具体的には、引き出されたイオンビームを用いて、例えば被加工物の表面に対して加工を施すミリング装置、膜中にイオンを注入するイオン注入装置、膜形成を行うイオンビーム成膜装置等、及びこれら装置においてグリッドを固定する際にスペーサとして用いられるに絶縁部材に関する。
例えば、イオンビームを用いるミリング装置は、室内で発生させたプラズマをイオン源とし、直流電圧が印加された複数枚のグリッドを用いてイオン源よりイオンを引き出すと共にこれを所定方向に加速し、加速されたイオンを用いてミリングを行うものである。通常、個々のグリッドは、イオンを通過させるための孔部を有すると共に、引き出されるイオンのエネルギー或いはその分布の最適化を図るために各々異なる直流電圧が印加されている。なお、ここで述べるミリングとは、被加工物の表面に加速されたイオンを衝突させ、スパッタリング現象を生じさせて当該表面に微細加工を施す工法をさす(特許文献1参照)。
これらグリッドの間には、その接触を防止すると共にその間隔を一定に保つことを目的として、通常絶縁体からなる絶縁スペーサが配置されている。絶縁スペーサの具体的構成の一例について、ここで図面を参照して説明する。図5には、3枚のグリッドを固定する絶縁スペーサの断面を模式的に示している。グリッド15、16、17を固定する絶縁スペーサ20は、第一の絶縁部材21、第二の絶縁部材25、絶縁キャップ27、取付けネジ29及びナット31から構成されている。
第一の絶縁部材21は、外周にねじ山が形成された円筒状の大径部21a、大径部21aと連続して大径部21aから離れるに従って外径が大きくなる円錐の一部からなるテーパー面を有するグリッド固定部21b、グリッド固定部21bと連続して大径部21aより外径が小さい小径部21cとを有している。また、大径部21a、グリッド固定部21b及び小径部21cは同軸で連続しており、これらの軸心には貫通穴21dが形成されている。また、貫通穴21dの大径部21a側の開口には、内径が拡大された拡径部21eが形成されている。小径部21cの端部には、軸心と略垂直な平面が形成されており、当該平面はグリッド17に対して当接する。
グリッド17には取付けネジ29が貫通可能な穴17aが形成されている。取付けネジ29を貫通穴21dに挿通すると、取付けネジ29の頭部はこの拡径部21eと貫通穴21dとの間に存在する段差部分と係合する。挿通状態の取付けネジ29のネジ部端部は穴17aから突き出し、この突き出し部分に対してナット31が螺合される。螺合操作により、ナット31と小径部21cの端面とによりグリッド17は挟持され、第一の絶縁部材21とグリッド17との位置関係が規定される。
グリッド16には、グリッド固定部21bのテーパー面に対応して穴径が変化する穴16aが形成されている。グリッド16は、当該穴16aのテーパー面がグリッド固定部21bのテーパー面に当接することにより、第一の絶縁部材21に対しての位置関係が定められる。グリッド16とグリッド17との間の間隔は、第一の絶縁部材21の外周及びこれらグリッドの間に配置される円環状の第二の絶縁部材25によって定められる。絶縁キャップ27は、一端が閉止された円筒形状を有し、開口端には外方に突き出したフランジ部27aを有している。また、円筒内部にはねじ山が形成されており、大径部21a外周のねじ山と該ねじ山とが螺合することによって、絶縁キャップ27が第一の絶縁部材21に対して固定される。
グリッド15は、第二の絶縁部材25と絶縁キャップのフランジ部27aとに挟持固定される。即ち、絶縁キャップ27を第一の絶縁部材21に螺合、固定することにより、グリッド固定部21bとフランジ部27aとの間にグリッド16、第二の絶縁部材25及びグリッド15が挟持され、第一の絶縁部材21との位置関係が定義される。
ここで、引き出されたイオンビームを用いてイオンミリング等を行った場合、被加工物の表面は、このイオンビームによってスパッタリングされる。また、グリッドを介して室外部にイオンを引き出す際に、グリッドによって加速されるイオン全てが室外部に至るわけではなく、その一部がグリッド等にぶつかってこれをスパッタリングする場合がある。このようなスパッタリングによって被加工物表面或いはグリッド等から叩き出された物質は、装置内部に再付着する。ここで例示した第一の絶縁部材21に関しては、グリッド固定部21bと小径部21cとの間に存在するグリッド17と対抗する面21f、及び小径部21cの外周面に対する物質の再付着が最も問題となる。再付着が高い頻度で発生する領域22を拡大して、図6に示す。
この再付着物が導電性の場合、例えば先の絶縁スペーサの絶縁性が再付着物の増加に伴って低下し、最終的にグリッド同士が短絡するといった事態も生じ得る。このような事態が生じることを防止するために、絶縁スペーサに対してある程度の再付着が進行した状態で再付着膜を除去する操作を行う、或いはこれを新たなものと交換する操作を行うことが必要となる。このため、例えばミリング操作によって金属膜に加工を施す場合には、この金属の再付着により絶縁性が急速に劣化することから、かなり短い周期でこれら短絡防止の操作を行う必要がある。特許文献2には、このような操作を行う間隔を延長するために、絶縁スペーサとして、断面がテーパ状に形成された円周状突起を設けることでその表面積を増大させたものが開示されている。
特開2000−113849号公報 特開2000−301353号公報
特許文献2に開示する絶縁スペーサは、当該スペーサの交換頻度を下げる上で効果的と考えられる。しかしながら、円周状の突起を設けることは絶縁スペーサの外径の増大を招くことから、実際にはその突起の大きさはグリッドにおける孔部に干渉しない大きさに制限される。従って、特許文献2においても、このような絶縁スペーサが用いられる領域は、グリッド孔部から離れた部分とされている。なお、イオンビーム照射装置における複数のグリッドは、各々の設置間隔を略一定に保持することがもとめられている。
本発明は、上述した要請等に鑑みて為されたものであり、従来と比較して、その交換頻度等を大幅に減少可能な絶縁スペーサを提供することを目的としている。また、本発明は、当該絶縁スペーサを用いることによって、その交換等に起因する装置の稼働時間の低下を抑えたイオンビーム照射装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係るイオンビーム照射装置は、プラズマを内部に生成するプラズマ生成室と、プラズマ生成室と接続される処理室とからなり、プラズマ生成室から処理室にプラズマ中のイオンを引き出すためにプラズマ生成室と処理室室との間に、各々多数の小孔を有する複数のグリッドが配置されたイオンビーム照射装置であって、複数のグリッド各々に対して固定されてグリッド各々の位置関係を定め、グリッド各々が電気的に接触することを防止する絶縁スペーサを更に有し、絶縁スペーサは、グリッドの一つを支持するグリッド支持部分を有し且つグリッドの他の一つと所定の間隔を保って対向するグリッド支持部分とは異なる領域に形成された環状の略平面部分を有するグリッド固定部と、該環状の略平面部分の中央部から立ち上がり端面がグリッドの他の一つに当接する円筒状部分である小径部とからなる絶縁性の部分において、当該平面に垂直であって且つ環状部分の周部と円筒状部分とを分離する環状溝を有することを特徴としている。
なお、上述したイオンビーム照射装置においては、グリッド固定部は該環状の略平面の中央部に円筒状の収容穴を有し、円筒状部分である小径部はグリッド固定部とは異なる部材からなると共に収容穴から所定の長さ突出して収容穴に収容可能であり、円筒状部分外周部と収容穴内周部との間において環状溝が形成されることが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係るイオンミリング装置は、上述した特徴を有するイオンビーム照射装置と、イオンビーム照射装置より引き出されるイオンが導入される処理室と、処理室内に配置されて引き出されたイオンが照射される位置に被加工物を保持するホルダとを有することを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る絶縁スペーサは、プラズマを内部に生成するプラズマ生成室と、プラズマ生成室と接続される処理室とからなり、プラズマ生成室から処理室にプラズマ中のイオンを引き出すためにプラズマ生成室と処理室室との間に、各々多数の小孔を有する複数のグリッドが配置されたイオンビーム照射装置において、複数のグリッド各々に対して固定されてグリッド各々の位置関係を定め、グリッド各々が電気的に接触することを防止するために用いられる絶縁スペーサであって、絶縁スペーサが、グリッドの一つを支持するグリッド支持部分を有し且つグリッドの他の一つと所定の間隔を保って対向するグリッド支持部分とは異なる領域に形成された環状の略平面部分を有するグリッド固定部と、該環状の略平面部分の中央部から立ち上がり端面がグリッドの他の一つに当接する円筒状部分である小径部とからなる絶縁性の部分において、当該平面に垂直であって且つ環状部分の周部と円筒状部分とを分離する環状溝を有することを特徴としている。
なお、上述した絶縁スペーサにおいては、グリッド固定部は環状の略平面の中央部に円筒状の収容穴を有し、円筒状部分である小径部はグリッド固定部とは異なる部材からなると共に収容穴から所定の長さ突出して収容穴に収容可能であり、円筒状部分外周部と収容穴内周部との間において記環状溝が形成されることが好ましい。
なお、上述したグリッド支持部分は、後述する第一の絶縁部材22におけるグリッド固定部21bのテーパー面或いは第二の絶縁部材25において第一のグリッド15を支持する面に対応する。これら支持部分は各々グリッドと当接し、これらを支持している。また、上述した環状の略平面部分は、後述する第一の絶縁部材22における面21f或いは第二の絶縁部材25における面25cに対応し、後述するグリッド固定部の一部を形成する。該環状の略平面部分は、グリッド固定部21bにおいて上述した支持部分とは異なる領域に形成される。また、該環状の略平面部分は、後述するように環状溝を含むこと、或いはこの部分に凹凸が存在することも可能なことから平面ではなく略平面として述べることとする。また、円筒状部分は小径部21c或いは25bに対応し、これら円筒状部分はその一端面が環状の略平面部分側と連結され、他の端面においてグリッドに当接している。該円筒状部分の存在によって環状の略平面部分は該グリッドと所定の間隔を保持して対向する。
本発明によれば、円筒状部分の周囲巻き回すように溝部が設けられている。スパッタリング等の真空中の成膜プロセスにおいては、通常溝の内部に対する膜形成が困難であることが知られている。特にイオンミリング等のプロセスは、被加工物表面をスパッタリングすることでその表面加工を行うことから、絶縁スペーサへ被スパッタ物質の再付着は顕著である。前述したこの溝部の幅をある程度以上狭くし且つその深さもある程度以上深くすることで、絶縁スペーサ上に膜が再付着等することが困難な領域を形成することが可能となる。また、当該溝部の幅を狭くすること及びその深さを深くすることが、例えば絶縁スペーサの強度上制限される場合であっても、当該溝部の存在によって、この絶縁スペーサの交換頻度は従来のものと比較して大幅に低減される。
また、本発明によれば、環状溝を異なる二つの部材から構成することとしている。従って、これら部材各々の表面に導電性の膜が付着した場合であっても、これら部材間での動通が生じない限り絶縁スペーサ上の絶縁性は保持される。従って、単純の溝形成を行った場合と比較して、絶縁性が維持される時間は更に延長される。また、後述する第一の絶縁部材の寸法は長さ約10mm、径約10mmの円筒状であり、実際に深さのある幅の狭い溝を当該部材に対して形成することは困難である。該第一の絶縁部材を二つの部材から構成することにより、上述した環状溝を容易且つ確実に形成することが可能となる。
また、真空中に異なる電位を有する部材が存在する場合、この間に存在する絶縁体表面の絶縁性が膜の付着等によって低下するとその表面に放電が発生して部材間が短絡するいわゆる沿面放電という現象が生じることがある。当該溝部を形成することによって、絶縁スペーサの実表面積を増加させていわゆる沿面放電が発生する可能性を低減し、この沿面放電による短絡を防止することが可能となる。
本発明の実施の形態について、以下に図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る絶縁スペーサを用いたイオンビーム照射装置をイオンソースとするイオンミリング装置1の概略構成を示す図である。なお、以下に示す図面において、上述した従来技術において述べた部材と同等の作用効果を呈する部材に関しては同一の参照番号を用いてこれを説明することとする。当該装置1は、プラズマ生成室3と処理室5の二室から構成される。本実施の形態においては、プラズマ生成室3には、ガス供給系7を介して、プラズマ生成に供せられるガスとして、例えばアルゴンガスが供給される。プラズマの発生方法としては、カウフマン型、バケット型、IPC型、ECR型等の種々の形式からなる構成を用いた方式が例示されるが、これらの何れを用いることとしても良い。本実施の形態としては、イオンビーム中に不純物元素が混入する可能性が比較的低く、且つ装置構成が簡略なICP型の構成を用いたものによりプラズマを発生させることとしている。処理室5は、排気系9と接続されており、この排気系9によってその内部に存在するガス等を排気することで、プラズマ生成室3及び処理室5の内部を所定の操作圧力に保っている。
処理室5の内部には、被加工物13を支持するホルダ11が配置されている。図中、被加工物13はプラズマ生成室と正対して保持されているが、ホルダ11はプラズマ生成室3に対する方向を変更可能となっている。プラズマ生成室3と処理室5との間には第一、第二及び第三のグリッド15、16、17が、この順序にてプラズマ生成室3側より配置されている。第一のグリッド15を正面から見た状態を図2に示す。グリッド15は、円板状の部材15aに対して複数の小孔15bを形成することによって得られる。第二及び第三のグリッド16、17も同様の構造を有している。これらグリッドは、装置固定時においては、個々のグリッドにおける小孔が各々プラズマ生成室3から処理室5に向かう方向に整列するように配置される。
第一及び第三のグリッド15、17には正電圧が印加され、加速電圧として用いられる。第二のグリッドには負電圧が印加され、減速電圧として用いられる。プラズマ生成室3内部に発生したプラズマ中のアルゴンイオンは、これらグリッドに形成された小孔を通過することによって、所定の方向性を有するイオンビームとして被加工物13の表面に照射される。なお、イオンビームにおける第三のグリッド17の下流側には不図示のニュートライザが配置されており、イオンビームの中性化が図られている。
本発明の一実施形態に係る絶縁スペーサは、グリッドと対向する環状の略平面部分と、該環状の略平面部分の中央部から立ち上がり該グリッドに当接する円筒状部分とからなる部分において、当該平面に垂直であって且つ環状部分の周部と円筒状部分とを分離する環状溝を有することを特徴とする。該実施形態を従来技術として述べた絶縁スペーサ20に適用した場合について、以下に述べる。この場合、絶縁スペーサ20は、第一乃至第三のグリッド15、16、17を所定の間隔に固定し、且つこれらグリッド間に絶縁スペーサ20が固定される。なお、絶縁スペーサ20の基本的構成は従来技術で述べたものと特に相違する部分はないことから、ここでの説明は省略する。
本実施形態において、環状の略平面は第一の絶縁部材21における面21fに該当し、円筒状部分は小径部21cに対応する。従来の構成においては、面21f表面と小径部21cの外周面に導電性の膜が再付着することにより、グリッド16とグリッド17との短絡が発生する。そこで、面21fにおける小径部21cの周囲に、面21fに垂直な環状溝21gを形成した。環状溝21gを形成した第一の絶縁部材21の軸方向断面を図3に示す。環状溝21gの形成によって、再付着膜が小径部21c表面から面21f表面に連続することを防止し、導電性膜の再付着による絶縁性の低下を防止する。
なお、実際にセラミックスからなる第一の絶縁部材21に環状溝21gを形成しようとした場合、加工上或いは強度上の問題からある程度以上の深さを有する溝の形成は困難である。そこで、更なる実施の形態として、第一の絶縁部材を二つの部材から構成することにより、環状の溝部を容易に得ることとした場合を図4A及び4Bに示す。これら図面は各々の部材の軸方向断面を示している。図4Aは、第一の絶縁部材における大径部21a及びグリッド固定部21bに対応する本体部材23を示す。なお、本体部材23において、第一の絶縁部材21と対応する部分に関しては、第一の絶縁部材の説明において用いた参照番号と同様の参照番号を用いて説明する。本体部材23は、後述する小径部材24の部分的に収容する深さと、小径部材24の外径よりも大きな内径を有する円筒状の収容穴23aを有している。収容穴23は、貫通穴21dと同軸であり、貫通穴21dに対して拡径部21eとは逆側の端部に形成されている。
小径部材24の一部は小径部21cに対応する円筒形状を有し、軸方向に貫通穴21dが形成されている。小径部材24を収容穴23aに対して、各々の貫通穴21dが整列するように挿嵌する。小径部材24の長さ及び収容穴23aの深さは、小径部材24を収容穴23aに挿嵌した際に未収用部分の長さが前述した小径部21cの長さと一致するように設定されている。また、小径部材24の外径は、小径部材24外周面と収容穴23a内周面との間に形成される隙間の幅が前述した環状溝を形成するように設定されている。この場合、収容穴23aの深さは環状溝の深さに対応する。
以上述べたように、第一の絶縁部材21を本体部材23及び小径部材24と分離することにより、所定深さを有する環状溝を容易に形成することが可能となる。また、小径部21cとグリッド固定部21bとを異なる部材から構成したことにより、小径部表面から面21fに連続する膜の形成をより困難なものとすることとなり、絶縁部材表面の絶縁性をより長時間維持することが可能となる。
なお、本実施の形態として、第一の絶縁部材21におけるグリッド固定部21及び小径部21cの境界部分に環状溝21gを形成することとしているが、環状溝の形成位置は境界部分に限定されない。具体的には、グリッド17と対向する面21f上であって、小径部21cの周囲を取り囲むものであれば環状溝21gはどの部分に形成しても良い。また、第一の絶縁部材21を本体部材23と小径部材24とに分離する場合には、小径部材を単なる円筒形状ではなく、外径の異なる部分を有する段付きの円筒形状としても良い。
また、第一の絶縁部材21に対して形成した軸方向に深さを有する環状溝を、第二の絶縁部材25に対して設けることとしても良い。この場合、環状溝は、第二の絶縁部材における小径部分25bを取り囲む形で、大径部分25aにおけるグリッド16との対抗面25c上に、その厚さ方向に深さを有するように形成すると良い。このような環状溝の形成により、絶縁部材の絶縁性を長時間維持することが可能となり、ミリング装置等のメンテナンス頻度を大幅に下げることが可能となる。
上述した実施形態に示す絶縁スペーサについて、実際に溝部を形成して本発明を実施した場合の絶縁性の維持時間について、以下に述べる。なお、実施に際して、第一の絶縁部材の各寸法について図3に示す。第一の絶縁部材におけるグリッド固定部21bの最外径を11.6mm、小径部21cの外径を5.0mm、大径部21aとグリッド固定部21bとの合計長さを8.8mm、小径部21cの長さを0.7mmとする。当該寸法からなる第一の絶縁部材21に対して、幅w、深さdの環状溝を形成することとし、各々の値を変化させて実可動時において絶縁性を維持した時間を求めた。
得られた結果を次の表1に示す。
表1
Figure 2006079924

表1から明らかなように、溝幅0.5mm以上から効果が見られ、溝深さを2.0mmとすることにより、絶縁性を維持できる時間が大幅に延長されることが確認された。また、第一の絶縁部材を本体部材及び小径部材に分割することによって更に絶縁性を維持できる時間が延長されることが確認された。
本発明の実施の形態及び実施例においては、本発明を用いたものとしてイオンミリング装置を例示して説明している。しかしながら、本発明の適用装置はこれに限定されず、イオン注入装置、イオンビーム蒸着装置、イオンビームスパッタ装置、CVD装置等、種々の真空を用いる装置が想定される。また、被加工物としてはアルミナ膜を例示したが、セラミック膜、金属膜、有機膜等、種々の膜を加工対象とすることも可能である。
本発明の一実施形態に係るイオンビーム照射装置の概略構成を示す図である。 図1に示すイオンミリング装置におけるグリッドの正面図である。 本発明の一実施形態に係る第一の絶縁部材の断面概略図である。 本発明の一実施形態に係る絶縁部材の分割例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る絶縁部材の分割例を示す図である。 従来における絶縁スペーサの使用状態を示す略断面図である。 図5に示す絶縁スペーサにおいて、膜の再付着が問題となる領域を示す部分拡大図である。
符号の説明
1:イオンミリング装置、 3:プラズマ生成室、 5:処理室、 7:ガス導入系、 9:真空排気系、 11:ホルダ、 13:被加工物、 15、16、17:グリッド、 20:絶縁スペーサ、 21:第一の絶縁部材、 22:再付着膜、 23:本体部材、 24:小径部材、 25:第二の絶縁部材、 27:絶縁キャップ、 29:取付けネジ、 31:ナット

Claims (5)

  1. プラズマを内部に生成するプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室と接続される処理室とからなり、前記プラズマ生成室から前記処理室に前記プラズマ中のイオンを引き出すために前記プラズマ生成室と前記処理室室との間に、各々多数の小孔を有する複数のグリッドが配置されたイオンビーム照射装置であって、
    前記複数のグリッド各々に対して固定されて前記グリッド各々の位置関係を定め、前記グリッド各々が電気的に接触することを防止する絶縁スペーサを更に有し、
    前記絶縁スペーサは、前記グリッドの一つを支持するグリッド支持部分を有し且つ前記グリッドの他の一つと所定の間隔を保って対向する前記グリッド支持部分とは異なる領域に形成された環状の略平面部分を有するグリッド固定部と、該環状の略平面部分の中央部から立ち上がり端面が前記グリッドの他の一つに当接する円筒状部分である小径部とからなる絶縁性の部分において、当該平面に垂直であって且つ環状部分の周部と円筒状部分とを分離する環状溝を有することを特徴とするイオンビーム照射装置。
  2. 前記グリッド固定部は前記環状の略平面の中央部に円筒状の収容穴を有し、前記円筒状部分である小径部は前記グリッド固定部とは異なる部材からなると共に前記収容穴から所定の長さ突出して前記収容穴に収容可能であり、前記円筒状部分外周部と前記収容穴内周部との間において前記環状溝が形成されることを特徴とする請求項1記載のイオンビーム照射装置。
  3. 請求項1乃至2記載のイオンビーム照射装置と、前記イオンビーム照射装置より引き出されるイオンが導入される処理室と、前記処理室内に配置されて前記引き出されたイオンが照射される位置に被加工物を保持するホルダとを有することを特徴とするイオンミリング装置。
  4. プラズマを内部に生成するプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室と接続される処理室とからなり、前記プラズマ生成室から前記処理室に前記プラズマ中のイオンを引き出すために前記プラズマ生成室と前記処理室室との間に、各々多数の小孔を有する複数のグリッドが配置されたイオンビーム照射装置において、前記複数のグリッド各々に対して固定されて前記グリッド各々の位置関係を定め、前記グリッド各々が電気的に接触することを防止するために用いられる絶縁スペーサであって、
    前記絶縁スペーサは、前記グリッドの一つを支持するグリッド支持部分を有し且つ前記グリッドの他の一つと所定の間隔を保って対向する前記グリッド支持部分とは異なる領域に形成された環状の略平面部分を有するグリッド固定部と、該環状の略平面部分の中央部から立ち上がり端面が前記グリッドの他の一つに当接する円筒状部分である小径部とからなる絶縁性の部分において、当該平面に垂直であって且つ環状部分の周部と円筒状部分とを分離する環状溝を有することを特徴とするイオンビーム照射装置用絶縁スペーサ。
  5. 前記グリッド固定部は前記環状の略平面の中央部に円筒状の収容穴を有し、前記円筒状部分である小径部は前記グリッド固定部とは異なる部材からなると共に前記収容穴から所定の長さ突出して前記収容穴に収容可能であり、前記円筒状部分外周部と前記収容穴内周部との間において前記環状溝が形成されることを特徴とする請求項4記載の絶縁スペーサ。
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