JP2006077740A - 多種燃料機関 - Google Patents

多種燃料機関 Download PDF

Info

Publication number
JP2006077740A
JP2006077740A JP2004265834A JP2004265834A JP2006077740A JP 2006077740 A JP2006077740 A JP 2006077740A JP 2004265834 A JP2004265834 A JP 2004265834A JP 2004265834 A JP2004265834 A JP 2004265834A JP 2006077740 A JP2006077740 A JP 2006077740A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
cng
sulfur
gasoline
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004265834A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4356075B2 (ja
Inventor
Satoshi Taniguchi
聡 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004265834A priority Critical patent/JP4356075B2/ja
Publication of JP2006077740A publication Critical patent/JP2006077740A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4356075B2 publication Critical patent/JP4356075B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/30Use of alternative fuels, e.g. biofuels

Abstract

【課題】 多種燃料機関において、通常制御による被毒回復の利用により、被毒回復制御の実行を抑制する。
【解決手段】 所定の選択基準に基づけばCNGが選択されるべき場合であっても、CNGによる通常制御中における硫黄脱離能力が低く、且つガソリンによる通常制御中の硫黄脱離が可能な所定の運転領域IIでは、ガソリンを燃料として選択する。ガソリンによる通常制御での被毒回復を利用することによって、CNGについての被毒回復制御(未燃成分増量制御)の実行を抑制することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数種類の燃料を切替えて動作する多種燃料機関に関し、特に燃料に含まれる硫黄成分の処理が考慮されたものに関する。
近年、自動車等においては、エミッションの改善および省資源の観点から、ガソリンや軽油等の液体燃料に代わるものとして、CNG(Compressed Natural Gas;圧縮天然ガス)、LPG(Liquid Petrol Gas;液体石油ガス)等の気体燃料が注目されている。しかし、気体燃料は、液体燃料に比べてそのエネルギー密度が小さいので、気体燃料を使用するエンジンを搭載した車両は、液体燃料を使用するエンジンを搭載した車両に比べて航続距離が短い。また、インフラ整備の遅れから、気体燃料の充填ステーションの数は十分ではなく、長距離の移動に不安が残っている。そこで、かかる気体燃料と液体燃料とを共通の燃焼室に供給可能な多種燃料機関、すなわちバイフュエルエンジンが提案されている。
かかるバイフュエルエンジンでは、一般的には、通常制御時は機関に気体燃料を供給すると共に液体燃料の供給を停止し、残存気体燃料量が下限しきい値よりも少なくなったときに、機関に液体燃料を供給すると共に気体燃料の供給を停止することが想定されている(例えば特許文献1参照)。また、始動時の付着燃料による未燃ガスの排出を抑制する目的で始動時に気体燃料を供給する場合(例えば特許文献2参照)や、液体燃料が出力特性に優れる点に着目して高負荷時に液体燃料を供給する場合(例えば特許文献3参照)もある。
ところで近年、リーン空燃比での運転中にNOxを吸蔵し、リッチ空燃比の際にNOxを還元するNOx吸蔵還元型三元触媒(以下、リーンNOx触媒という)が提案されている。このようなリーンNOx触媒では、燃料中の硫黄の影響を受けて浄化率が下がる場合があるため、定期的に被毒回復制御を実施しなければならない。この被毒回復制御は、触媒をリッチ雰囲気下に置いて高温を保持するものである(例えば特許文献4参照)。しかし、このような被毒回復制御の実行は燃費悪化と触媒劣化とを促進することになるため、その実行時間や実行回数は抑制することが望ましい。
特開平11−294212号公報 特開2000−213394号公報 特開2003−206772号公報 特開2004−76686号公報
他方、高回転かつ高負荷の運転条件では、被毒回復制御を行わない通常制御であっても被毒回復制御と同等のリッチ空燃比が実現されるため、通常制御の実行によりリーンNOx触媒から硫黄が放出され、いわば成り行きで被毒回復が実現されることになる。
そこで本発明の目的は、多種燃料機関において、通常制御による被毒回復の利用により、被毒回復制御の実行を抑制することにある。
第1の本発明は、第1の燃料と第2の燃料とを切替えて動作する多種燃料機関であって、所定の選択基準に基づいて前記第1および第2の燃料のうちいずれかを選択する選択手段と、所定の増量条件が成立している場合に触媒装置の硫黄脱離のために前記第1の燃料の未燃成分を増量する未燃成分増量手段と、を備えた多種燃料機関において、前記選択手段は、前記所定の選択基準に基づけば前記第1の燃料が選択されるべき場合であっても、前記第1の燃料による通常制御中における硫黄脱離能力が低く且つ前記第2の燃料による通常制御中の硫黄脱離が可能な所定の運転領域では、前記第2の燃料を選択することを特徴とする多種燃料機関である。
第1の本発明では、選択手段は、所定の選択基準に基づけば第1の燃料が選択されるべき場合であっても、第1の燃料による通常制御中における硫黄脱離能力が低く且つ第2の燃料による通常制御中の硫黄脱離が可能な所定の運転領域では、第2の燃料を選択する。したがって第1の本発明では、第2の燃料による通常制御での被毒回復を利用することによって、第1の燃料についての未燃成分増量手段による硫黄脱離(被毒回復)制御の実行を抑制することができる。なお、本発明にいう多種燃料機関とは、ガス燃料と液体燃料との組合せに限らず、異種のガス燃料同士の組合せ、および異種の液体燃料同士の組合せを含む。
第1の本発明における所定の運転領域は、第2の本発明のように回転数と要求負荷とによって定められることとすれば、簡易な構成によって本発明に所期の効果を実現することができる。
本発明における燃料には、通常制御中における硫黄脱離能力の異なる複数種類の燃料の任意の組合せを利用できるが、第1の燃料はCNGまたはLPGとするのが特に好適である。また第2の燃料はガソリンとするのが特に好適である。
以下に、本発明の実施形態につき添付図面を参照しつつ説明する。
まず、図1を参照して、本発明が適用されるバイフュエルエンジン100の概要を説明する。101はエンジン本体、102はシリンダブロック、103はシリンダヘッド、104はピストン、105は燃焼室、106は吸気ポート、107は排気ポート、109は燃焼室105内の頂部に配置された点火栓をそれぞれ示している。吸気ポート106は吸気マニフォルド110を介してサージタンク111に接続され、サージタンク111は吸気ダクト112を介してエアクリーナ113に接続されている。吸気ダクト112内にはステップモータ114により駆動されるスロットル弁115が配置されている。
図1のエンジン100は、気体燃料供給系と液体燃料供給系とを具備しており、気体燃料としてCNGを用い、液体燃料としてガソリンを用いている。気体燃料供給系は、筒内の燃焼室105に噴射可能に配置されたCNG筒内噴射弁120を具備し、このCNG筒内噴射弁120は、CNG供給ライン122を介してCNGボンベ124に接続されている。なお、CNG供給ライン122内には、図示しない燃料遮断弁および高圧レギュレータ126が配置されている。
CNGボンベ124内に、充填圧力PF(例えば、20MPa)で充填されているCNGは、高圧レギュレータ126により一定の高調節圧PH(例えば、0.5MPa)まで減圧され、通常のエンジン制御状態では、この高調節圧PHでもってCNG筒内噴射弁120から筒内に圧縮行程で噴射される。この高調節圧PHは、運転状態にかかわらず常に圧縮行程で筒内噴射が可能な圧力である。
同様に、液体燃料供給系は、吸気マニフォルド110内の吸気通路に噴射可能に配置されたガソリン噴射弁130を具備し、このガソリン噴射弁130は、ガソリン供給ライン132を介し車載された液体燃料容器としてのガソリンタンク134に接続されている。さらに、ガソリン供給ライン132内には、燃料ポンプ133が配置されている。これらのCNG筒内噴射弁120およびガソリン噴射弁130は、それぞれ、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)300からの出力信号に基づいて制御される。
排気ポート107は、排気マニフォルド146を介して触媒装置147に接続され、触媒装置147の排気側は不図示の消音器を介して外部に開放している。
触媒装置147は、リーン空燃比での運転中にNOxを吸蔵し、リッチ空燃比の際にNOxを還元するNOx吸蔵還元型三元触媒(リーンNOx触媒)である。この触媒装置147は、例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRh、イリジウムIrのような貴金属とが担持されている。
触媒装置147は、流入する排気ガスの平均空燃比がリーンのときにはNOxを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると、蓄えているNOxを還元して蓄えているNOxの量を減少させる蓄積還元作用を行う。
リーンNOx触媒の蓄積還元作用の詳細なメカニズムについては、完全には明らかにされていない。しかしながら、現在考えられているメカニズムを、担体上に白金Pt及びバリウムBaを担持させた場合を例にとって簡単に説明すると次のようになる。
即ち、リーンNOx触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもかなりリーンになると、流入する排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、酸素OがO 又はO2−の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入する排気ガス中のNOは白金Ptの表面に付着し白金Ptの表面上でO 又はO2−と反応し、NOとなる(NO+O→NO+O、ここでOは活性酸素)。次いで生成されたNOの一部は白金Pt上でさらに酸化されつつ触媒内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、硝酸イオンNO の形で触媒内に拡散する。このようにしてNOxが触媒内に蓄えられる。
これに対し、リーンNOx触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチ又は理論空燃比になると、排気ガス中の酸素濃度が低下してNOの生成量が低下し、反応が逆方向(NO →NO+2O)に進み、斯くして触媒内の硝酸イオンNO がNOの形で触媒から放出される。この放出されたNOxは排気ガス中に還元剤即ちHC,COが含まれているとこれらHC,COと反応して還元せしめられる。このようにして白金Ptの表面上にNOxが存在しなくなると触媒から次から次へとNOxが放出されて還元され、触媒内に蓄えられているNOxの量が次第に減少する。
なお、硝酸塩を形成することなくNOxを蓄え、NOxを放出することなくNOxを還元することも可能である。また、活性酸素Oに着目すれば、リーンNOx触媒はNOxの蓄積及び放出に伴って活性酸素Oを生成する活性酸素生成触媒と見ることもできる。
ECU300はデジタルコンピュータからなり、周知の如く、双方向性バスを介して相互に接続されたROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、CPU(マイクロプロセッサ)、常時電源に接続されているB−RAM(バックアップRAM)、入力ポート、および出力ポート等を具備している。
また、吸気マニフォルド110に接続されたサージタンク111には、サージタンク111内の絶対圧に比例した出力電圧を発生する圧力センサ140が取り付けられている。CNGボンベ124の出口のCNG供給ライン122内には、CNGボンベ124内の残存CNG量、すなわち、残圧に比例した出力電圧を発生するCNG残圧センサ141および燃料温度(高圧)センサ151が配置され、ガソリンタンク134には、ガソリンタンク134内の残存ガソリン量に比例した出力電圧を発生するガソリン残量センサ142が配置されている。また、CNG供給ライン122の高圧レギュレータ126の下流には、燃料圧力(低圧)センサ152、燃料温度(低圧)センサ153が配置され、これらによって正確な燃料量が算出される。
また車室内には、使用する燃料の種類を運転者の操作により選択するためのマニュアルスイッチ160が設置されており、このマニュアルスイッチ160からはその「CNG」または「ガソリン」の操作位置に応じた信号が出力される。センサ140、141、142、150、151、152、153およびスイッチ160の出力電圧は、それぞれ、対応するAD変換器を介してECU300の入力ポートに入力される。
さらに、入力ポートには、エンジン回転数Nを表す出力パルスを発生する回転数センサ143、スロットル弁115の回動角度を検出するスロットル開度センサ144、アクセルペダルの踏み込み量(要求負荷Lに対応する)を検出するアクセル開度センサ145、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ150等が、それぞれ対応するAD変換器を介して接続されている。一方、ECU300の出力ポートは、それぞれ、対応するDA変換器および駆動回路を介して、点火栓109、ステップモータ114、CNG筒内噴射弁120、ガソリン噴射弁130および燃料ポンプ133等に接続されている。
本実施形態ではCNGとガソリンのそれぞれについて、通常制御として、エンジン回転数N、要求負荷Lなどから、触媒装置147の硫黄脱離を考慮せずに決定される燃料噴射量、噴射タイミングによる運転制御が行われる。なお本実施形態は、後述するとおり、通常制御において概ね高回転かつ高負荷の領域で実現されるリッチ空燃比での運転を、触媒の硫黄脱離に利用するものである。
本実施形態では、図2に示されるように、エンジン回転数Nと要求負荷Lとにより定められるエンジン運転領域が、エンジン回転数Nの関数として予め定められる設定負荷L1(N),L2(N)を境界として、三つの領域に分割されている。設定負荷L1(N)は、それより高回転または高負荷側でガソリンでの通常制御で硫黄脱離可能であることを示す境界を画成する。設定負荷L2は、それより高回転または高負荷側でCNGでの通常制御で硫黄脱離可能であることを示す境界を画成する。すなわち、設定負荷L1(N),L2(N)によって分割されている三つの領域のうち、最も低負荷側の第一領域Iでは、ガソリンとCNGとのいずれによっても通常制御中の硫黄脱離が不可能または硫黄脱離能力がきわめて低く、また最も高負荷側の第三領域IIIでは、ガソリンとCNGとのいずれによっても硫黄脱離が可能または硫黄脱離能力が十分に高い。そして、これら第一領域Iと第三領域IIIの間の領域である第二領域IIでは、CNGによる通常制御中における硫黄脱離が不可能または硫黄脱離能力がきわめて低く且つガソリンによる通常制御中の硫黄脱離が可能または硫黄脱離能力が十分に高い。硫黄脱離能力は例えば単位時間・ガス供給量あたりの硫黄減少率に基づいて実験的に特定することができる。これらの運転領域の設定は、テーブル形式のデータファイルである運転領域マップとして、予めECU300のROMの所定領域に記憶されている。
以上のとおり構成された本実施形態の動作の一例について説明する。図3は、本実施形態のECU300において実行される燃料選択処理ルーチンを示す。この処理ルーチンは、イグニッションスイッチがONされ、且つスタータの作動によりクランキングが開始されたことを条件に、予め定められた設定クランク角毎の割込みによって繰り返し実行される。
まず、各センサの検出値が読み込まれると(S10)、次に、CNG運転条件が成立中かが判断される(S20)。このCNG運転条件としては任意の条件を使用することができ、例えばCNG燃料の残存量が所定の下限しきい値を上回っていることや、マニュアルスイッチ160においてCNGが選択されていることを条件として、CNG燃料の残存量に余裕があるうちは運転者の意志に従った燃料が選択され、CNG残量が少なくなると、ガソリンが強制的に選択されるようにしてもよい。
ステップS20で否定の場合には、ガソリンでの通常制御が行われる(S140)。また、その時の空燃比に応じて触媒装置147への硫黄の供給量、および触媒装置147からの硫黄の排出量の推定演算が行われると共に、触媒装置147の硫黄堆積量Aに対する減算または加算が行われる(S150)。
なお、ステップS140におけるガソリンでの通常制御において、硫黄堆積量Aが所定の脱離開始しきい値At1以上となった場合には、燃料噴射量に所定の足し込み値を加算することで触媒装置147をリッチ雰囲気下に置いて高温を保持する被毒回復制御が行われる。この被毒回復制御では、別途の処理ルーチンに従い、吸入空気量の増大とこれに応じた燃料噴射量の増大、および点火タイミングの遅角が行われる。吸入空気量の増大は、予めマップで持たせたエンジン水温等から求められる増量スロットル開度を、スロットル弁115のベース開度に反映させる処理によって行われる。この吸入空気量の増大に応答して、また別途の処理である通常の燃料噴射制御、すなわち吸入空気量に応じた燃料噴射量を実現すべくガソリン噴射弁130を駆動する一連の制御により、燃料噴射量が増大される。点火タイミングの遅角は、予めマップで持たせた増量遅角量、すなわちエンジン回転速度、空気量、バルブタイミング量、エンジン水温等から求められる増量遅角量を、点火栓109のベース点火時期に反映させる処理によって行われる。これらの処理の結果、燃焼室105からの排気ガスにおける未燃HCが、これら燃料噴射量の増大および点火タイミングの遅角を行わない場合に比して増量されることになる。
ステップS20で肯定、すなわちCNG運転条件が成立している場合には、次に、CNGリーン制御条件が成立しているかが判断される(S30)。ここでのCNGリーン制御条件は、現在のエンジン回転数Nにおける要求負荷Lが所定の設定負荷を下回っており、かつ触媒装置147の硫黄堆積量Aが所定値以下であることである。CNGリーン制御条件が成立している場合には、CNGでのリーン制御が行われる(S40)。また、その時の空燃比に応じた触媒装置147への硫黄の供給量、および触媒装置147からの硫黄の排出量の推定演算に基づいて、両者の差分である硫黄増加量が触媒装置147の硫黄堆積量Aに対し加算される(S50)。
ステップS30で否定、すなわちCNGリーン制御条件が成立していない場合には、次に、CNGでの通常制御で硫黄脱離可能な運転領域かが判断される(S60)。この判断は、エンジン回転数Nおよび要求負荷Lを用いた運転領域テーブルの参照により、現在のエンジン回転数Nにおける要求負荷Lが設定負荷L2を上回っているかの判定によって行われる。ステップS60で肯定、すなわちCNGでの通常制御によって硫黄脱離可能な運転領域である場合には、その時の空燃比に応じた触媒装置147への硫黄の供給量、および触媒装置147からの硫黄の排出量の推定演算に基づいて、触媒装置147の硫黄堆積量Aからの減算が行われる(S120)。また、CNGでの通常制御が行われる(S130)。
なお、ステップS130で行われるCNGでの通常制御において、硫黄堆積量Aが所定の脱離開始しきい値At1以上となった場合には、触媒装置147をリッチ雰囲気下に置いて高温を保持する被毒回復制御(未燃成分増量制御)が行われる。この被毒回復制御では、別途の処理ルーチンに従い、吸入空気量の増大とこれに応じた燃料噴射量の増大、および点火タイミングの遅角が行われる。吸入空気量の増大は、予めマップで持たせたエンジン水温等から求められる増量スロットル開度を、スロットル弁115のベース開度に反映させる処理によって行われる。この吸入空気量の増大に応答して、また別途の処理である通常の燃料噴射制御、すなわち吸入空気量に応じた燃料噴射量を実現すべくCNG噴射弁120を駆動する一連の制御により、燃料噴射量が増大される。点火タイミングの遅角は、予めマップで持たせた増量遅角量、すなわちエンジン回転速度、空気量、バルブタイミング量、エンジン水温等から求められる増量遅角量を、点火栓109のベース点火時期に反映させる処理によって行われる。これらの処理の結果、燃焼室105からの排気ガスにおける未燃HCが、これら燃料噴射量の増大および点火タイミングの遅角を行わない場合に比して増量されることになる。
ステップS60で否定の場合、次に、ガソリンでの通常制御で硫黄脱離可能な運転領域かが判断される(S70)。この判断は、エンジン回転数Nおよび要求負荷Lを用いた運転領域テーブルの参照により、現在のエンジン回転数Nにおける要求負荷Lが設定負荷L1を上回っているかの判定によって行われる。ステップS70で否定、すなわちガソリンでの通常制御によって硫黄脱離が不可能または硫黄脱離能力がきわめて低い運転領域である場合には、CNGでの通常制御が行われる(S130)。
そしてステップS70で肯定の場合には、次に触媒装置147の硫黄堆積量Aに基づいて、現在の硫黄堆積量Aが所定の脱離開始しきい値At1以上であるかが判断される(S80)。この脱離開始しきい値At1は、触媒装置147における硫黄堆積量Aがこれを下回る場合には硫黄被毒による触媒性能への影響が実用上無視できるような値(例えば、限界堆積量の10%)に、予め実験的に定めるものとする。硫黄堆積量Aが脱離開始しきい値At1未満の場合には、CNGでの通常運転が行われる(S130)。なお、ステップS70またはS80で否定された場合には、もとよりCNGでの通常制御によっては硫黄脱離が不可能または硫黄脱離能力がきわめて低いため、CNGでの通常運転(S130)が行われても、硫黄堆積量Aに対する減算(S120)はスキップされることになる。
そして、ステップS80で肯定の場合、つまり、ステップS20における所定の選択基準に基づけばCNGが選択されるべき場合であって、CNGによる通常制御中における硫黄脱離が不可能または硫黄脱離能力がきわめて低く(S60)、且つガソリンによる通常制御中の硫黄脱離が可能(S70)な所定の運転領域では、ガソリンが燃料として選択される。具体的には、ガソリンでの通常制御が行われる(S90)と共に、その時の空燃比に応じた触媒装置147の硫黄堆積量Aからの減算が行われる(S100)。
このようなガソリンでの通常制御(S90)と硫黄堆積量Aの減算(S100)とは、硫黄堆積量Aが所定の脱離終了しきい値At2以下になるまで(S110)、繰り返し実行される。この脱離終了しきい値At2は、硫黄堆積量Aが上述した脱離開始しきい値At1の近傍で上下し続ける事態を避けるために、脱離開始しきい値At1よりも十分に小さい値(例えば、限界堆積量の0%から所定の誤差範囲内)に、予め実験的に定めるものとする。そして、硫黄堆積量Aが脱離終了しきい値At2以下になったことを条件に処理がリターンされ、以後硫黄堆積量Aが再び脱離開始しきい値At1以上になるまでの間、CNG運転条件の成立中におけるガソリンの選択による硫黄脱離は行われない。
以上のとおり、本実施形態では、ステップS20における所定の選択基準に基づけばCNGが選択されるべき場合であって、CNGによる通常制御中における硫黄脱離能力が低く(S60)、且つガソリンによる通常制御中の硫黄脱離が可能(S70)な所定の運転領域では、ガソリンが燃料として選択される。したがって本実施形態では、ガソリンによる通常制御での被毒回復を利用することによって、CNGについての被毒回復制御(未燃成分増量制御)の実行を抑制することができる。
また本実施形態では、上記所定の運転領域をエンジン回転数Nと要求負荷Lとによって定められることとしたので、簡易な構成によって本発明に所期の効果を実現することができる。
なお、上記実施形態では、各燃料による通常制御中における硫黄脱離能力を、エンジン回転数Nおよび要求負荷Lに基づいて推定することとしたが、本発明における硫黄脱離能力の推定にはこれらのパラメータに加え、あるいはこれらのパラメータに代えて、水温センサ150、触媒装置147の近傍に設置された触媒温度センサ、エンジンのオイルパンなどに設置された油温センサ、あるいは排気管に設置された排気温度センサ等の検出値を用いてもよい。
また、上記実施形態では第1の燃料としてCNGを用い、第2の燃料としてガソリンを用いた例につき説明した。しかしながら、本発明は通常制御中における硫黄脱離能力に差のある複数種類の燃料を用いる場合に広く適用でき、ガソリンや軽油のほかイソオクタン、ヘキサン、ヘプタン、軽油、灯油のような炭化水素、或いは液体の状態で保存しうるブタン、プロパンのような炭化水素、或いはメタノールなどの液体燃料、さらには一次燃料である天然ガスおよび石油ガス、或いは二次燃料である石炭転換ガスおよび石油転換ガス、水素、DME(ジメチルエーテル)等の気体燃料のうちの複数種類からなる組合せを用いることができる。また触媒物質としては各種の三元触媒のほか酸化触媒など、通常制御中の硫黄脱離が可能な各種の物質を選択することができる。
また、上記各実施形態ではCNG燃料につき筒内直噴式とする一方でガソリンにつき所謂ポート噴射式としたが、本発明では各燃料の供給方式はいずれも任意であって、液体・気体の双方を筒内直噴式あるいはポート噴射式としたり、さらには少なくともいずれか一方をキャブレター式やミキサ式とすることも可能である。
本発明が適用されるバイフュエルエンジンの概要と実施形態を示す全体線図である。 運転領域マップの構成例を示すグラフである。 本発明の実施形態における燃料選択処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
100 バイフュエルエンジン
120 CNG筒内噴射弁
124 CNGボンベ
130 ガソリン噴射弁
134 ガソリンタンク
147 触媒装置
150 水温センサ
300 電子制御ユニット
L1,L2 設定負荷
I,II,III 運転領域

Claims (4)

  1. 第1の燃料と第2の燃料とを切替えて動作する多種燃料機関であって、所定の選択基準に基づいて前記第1および第2の燃料のうちいずれかを選択する選択手段と、所定の増量条件が成立している場合に触媒装置の硫黄脱離のために前記第1の燃料の未燃成分を増量する未燃成分増量手段と、を備えた多種燃料機関において、
    前記選択手段は、前記所定の選択基準に基づけば前記第1の燃料が選択されるべき場合であっても、前記第1の燃料による通常制御中における硫黄脱離能力が低く且つ前記第2の燃料による通常制御中の硫黄脱離が可能な所定の運転領域では、前記第2の燃料を選択することを特徴とする多種燃料機関。
  2. 請求項1に記載の多種燃料機関であって、
    前記所定の運転領域が機関回転数と要求負荷とによって定められることを特徴とする多種燃料機関。
  3. 請求項1または2に記載の多種燃料機関であって、
    前記第1の燃料がCNGまたはLPGであることを特徴とする多種燃料機関。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の多種燃料機関であって、
    前記第2の燃料がガソリンであることを特徴とする多種燃料機関。
JP2004265834A 2004-09-13 2004-09-13 多種燃料機関 Expired - Fee Related JP4356075B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004265834A JP4356075B2 (ja) 2004-09-13 2004-09-13 多種燃料機関

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004265834A JP4356075B2 (ja) 2004-09-13 2004-09-13 多種燃料機関

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006077740A true JP2006077740A (ja) 2006-03-23
JP4356075B2 JP4356075B2 (ja) 2009-11-04

Family

ID=36157384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004265834A Expired - Fee Related JP4356075B2 (ja) 2004-09-13 2004-09-13 多種燃料機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4356075B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012147184A1 (ja) * 2011-04-27 2012-11-01 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御システム
JP2013068219A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 IFP Energies Nouvelles ガソリン直接噴射、特に制御された点火を用いる内燃エンジンの燃料を制御する方法
US9647181B2 (en) 2010-12-09 2017-05-09 Sharp Kabushiki Kaisha Light emitting device with phosphors

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9647181B2 (en) 2010-12-09 2017-05-09 Sharp Kabushiki Kaisha Light emitting device with phosphors
WO2012147184A1 (ja) * 2011-04-27 2012-11-01 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御システム
JP2013068219A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 IFP Energies Nouvelles ガソリン直接噴射、特に制御された点火を用いる内燃エンジンの燃料を制御する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4356075B2 (ja) 2009-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8118012B2 (en) Internal combustion engine using hydrogen
JP3929296B2 (ja) 内燃機関
US7481044B2 (en) Method for operation of an internal combustion engine running on hydrogen
KR101949043B1 (ko) 내연 기관의 배기 정화 장치 및 배기 정화 장치의 제어 방법
JP5348313B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5105001B2 (ja) 車両制御装置
JP2004084535A (ja) 内燃機関の排気浄化方法
JP4356075B2 (ja) 多種燃料機関
JP2008240622A (ja) 排気ガス浄化用触媒装置およびそれを備える内燃機関の制御装置
RU2008129632A (ru) Способ управления работой каталитического нейтрализатора- накопителя оксидов азота на транспортном средстве с учетом регионального качества топлива
JP2007046515A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4305826B2 (ja) バイフューエルエンジンおよびその制御方法
JP2007024009A (ja) 内燃機関
JP5392412B2 (ja) 内燃機関の制御装置及び方法
JP2005233135A (ja) 多種燃料機関
JP4367297B2 (ja) バイフューエルエンジンの停止制御方法
JP3945422B2 (ja) 圧縮比変更期間における内燃機関の制御
JP2007177755A (ja) 自己着火式エンジン
JP5392021B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4182705B2 (ja) ガス燃料内燃機関
JP3573030B2 (ja) 内燃機関の触媒劣化判断装置
JP4211514B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4457442B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2005201178A (ja) 多種燃料機関
JP2734907B2 (ja) 排気ガス浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090417

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090710

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090723

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees