JP2006077052A - 磁気記録媒体用潤滑剤溶液 - Google Patents

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Abstract

【課題】フルオロポリエーテルまたはフォスファゼン系化合物からなる潤滑剤を溶解し、取扱いが容易で乾燥特性に優れ、かつオゾン層の破壊に影響を及ぼさないフッ素系溶剤組成物を含有する磁気記録媒体用潤滑剤溶液の提供。
【解決手段】主として潤滑剤とフッ素系溶剤組成物とからなる磁気記録媒体用潤滑剤溶液であって、潤滑剤がフルオロポリエーテルまたはフォスファゼン系化合物からなり、フッ素系溶剤組成物が、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタンと2,2,2−トリフルオロエタノールとを含有することを特徴とする磁気記録媒体用潤滑剤溶液。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンピュータ等の外部メモリとして使用される磁気ディスク装置に搭載される磁気記録媒体の表面に塗布する潤滑剤溶液に関し、より詳しくは潤滑性能に優れた磁気記録媒体用潤滑溶液に関する。
コンピュータ等の情報処理装置において、磁気ディスク装置が外部記録装置として広く用いられている。磁気ディスク装置を使用すると、磁気ディスク上で磁気ヘッドを走査して、磁気ディスクにおいて情報の記録や読出しを行うことができる。
磁気ディスクの高密度記録化等が進むにつれて、そのディスク表面の汚染が問題となっている。例えば、ディスク表面に汚染物質が付着していた場合、磁気ディスク装置の運転中にその汚染物質が周囲に飛散し、磁気ヘッドの腐食等の不具合を引き起こすことがある。上記汚染物質の付着の原因は様々であると考えられるが、大きな原因の一つとして、磁気ディスク表面に潤滑目的で形成される潤滑剤層に由来すると考察される。すなわち、潤滑剤層が厚く、不均一である場合は、ハードディスクの磁気ヘッドと潤滑剤層の厚い部分が接触し、潤滑剤層が飛散するおそれがあると考えられる。
従来、潤滑剤層は、例えば、フッ素樹脂系潤滑剤を、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(以下、R113という。)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン等のハイドロフルオロカーボン(以下、HFCという。)、テトラデカフルオロヘキサン、ヘキサデカフルオロヘプタンなどのパーフルオロカーボン(以下、PFCという。)等のフッ素系溶媒に溶解した組成物をディスク表面に塗布することにより形成されている。
R113は不燃性かつ低毒性であって、可溶力があり、化学的安定性にも優れていることから、広く利用されてきたが、オゾン層破壊の可能性が高い塩化フッ化炭化水素として規制対象になっている。
また、PFCやHFCも、1997年の第3回気候変動枠組条約締約国会議において採択された京都議定書において、二酸化炭素、一酸化二窒素、メタン、六フッ化硫黄とともに削減対象となった化合物であるため、その使用も制限される方向にある。
一方、磁気ディスク表面に塗布する潤滑剤の溶媒として、含フッ素エーテルであるHFE7100(3M社製品名)を使用する方法が記載されている(特許文献1参照)。しかし、上記含フッ素エーテルは、潤滑剤の種類によっては十分な溶解性を示すものではなく、さらに異性体の組成比が変化することで、安定した乾燥性を示さない場合もあった。
また、特許文献2には、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタンと2,2,2−トリフルオロエタノールとからなる溶剤組成物の用途として塗布溶剤の用途が記載されているが、潤滑剤の希釈用途については記載されていない。
特開2001−187796号公報(実施例2) 特開2004−75910号公報(段落0019)
本発明は、フルオロポリエーテルまたはフォスファゼン系化合物からなる潤滑剤に対して溶解力を有し、取扱いが容易で乾燥特性に優れ、かつオゾン層の破壊に影響を及ぼさない磁気記録媒体用の潤滑剤溶液の提供を目的とする。
本発明は、主として潤滑剤とフッ素系溶剤組成物とからなる磁気記録媒体用潤滑剤溶液であって、潤滑剤がフルオロポリエーテルまたはフォスファゼン系化合物からなり、フッ素系溶剤組成物が、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタンと2,2,2−トリフルオロエタノールとを含有することを特徴とする磁気記録媒体用潤滑剤溶液を提供する。
本発明における、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタンおよび2,2,2−トリフルオロエタノールを含有するフッ素系溶剤組成物は、フルオロポリエーテルまたはフォスファゼン系化合物からなる潤滑剤を溶解でき、乾燥特性に優れるため、極めて薄い均一な潤滑剤層を形成することができ、汚染物質の発生を防ぐことができる。そして、このフッ素系溶剤組成物はオゾン層へ影響を及ぼさないものである。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明におけるフッ素系溶剤組成物は、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン(CFHCF−O−CHCF、以下、HFE347という)と2,2,2−トリフルオロエタノール(CFCHOH、以下、TFEOという)とを含有する。
このフッ素系溶剤組成物は、フルオロポリエーテルまたはフォスファゼン系化合物からなる潤滑剤を溶解できる。HFE347とTFEOの混合比率を調製することにより、溶解力を高めること、引火点を上昇させるまたはなくす等、制御することが可能となる。すなわち、引火点を上昇させたい、またはなくしたい場合はHFE347の含有割合を上げ、潤滑剤の溶解力を高めたい場合はTFEOの含有割合を上げればよい。
ここで、HFE347の沸点は56℃であり、TFEOの沸点は74℃である。
フッ素系溶剤組成物としては、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン 89質量%と、2,2,2−トリフルオロエタノール 11質量%とからなる共沸溶剤組成物を用いるのが好ましい。この共沸溶剤組成物の沸点は、圧力1010hPaにおいて55.5℃である。共沸溶剤組成物は、使用中に共沸溶剤組成物の一部が蒸発しても組成が変動せず、安定した溶解力や乾燥速度を示す点で好ましい。また、上記共沸溶剤組成物は不燃である。
また、フッ素系溶剤組成物としては、HFE347 70〜95質量%、およびTFEO 5〜30質量%を含有する混合溶剤組成物を用いるのが好ましい。この混合溶剤組成物は、酸性度が高く極性化合物に対する溶解性が大きい2,2,2−トリフルオロエタノールを5質量%以上含むことから、フルオロポリエーテルまたはフォスファゼン系化合物からなる潤滑剤に対して優れた溶解性を示す。また、HFE347を70質量%以上含むことからフッ素系溶剤組成物の引火点が高いかないかのどちらかであるので、当該溶剤組成物は燃焼性の問題を有しない。
混合溶剤組成物のなかでも、共沸様組成(繰り返し蒸発、凝縮した場合の組成変化が小さい組成)であるものは、共沸組成であるものと同様に使用中に組成物の一部が蒸発しても組成が変動しにくく、安定した溶解力や乾燥速度を示しやすい点で好ましい。
本発明のフッ素系溶剤組成物は、HFE347とTFEOのみからなることが好ましいが、各種の目的に応じてその他の各種成分を含有させることができる。例えば、溶解力を高めるために、または揮発速度を調節するために、上記以外の有機溶剤(以下、他の有機溶剤という。)をさらに含有させることができる。
他の有機溶剤を含む場合、フッ素系溶剤組成物100質量部に対する他の有機溶剤の含有割合は、25質量部以下、特には10質量部以下とするのが好ましい。他の有機溶剤の含有量は添加目的を達成し得る最低限の量とする。また、HFE347、TFEOおよび他の有機溶剤が共沸組成を有する場合は、当該共沸組成での使用が好ましい。
他の有機溶剤の好ましい例としては、炭化水素類、アルコール類(ただし、TFEOを除く。)、ケトン類、エーテル類(ただし、HFE347を除く。)、エステル類、およびハロゲン化炭化水素類からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
炭化水素類としては、炭素数5〜15の鎖状または環状の飽和または不飽和炭化水素類が好ましく、具体的にはn−ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,4−ジメチルペンタン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、2−メチル−3−エチルペンタン、3−メチル−3−エチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2−メチルヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、n−デカン、n−ドデカン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ビシクロヘキサン、シクロヘキセン、α−ピネン、ジペンテン、デカリン、テトラリン、アミルナフタレン等が挙げられる。より好ましくは、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンが挙げられる。
アルコール類としては、炭素数1〜16の鎖状または環状の飽和または不飽和アルコール類が好ましく、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、α−テルピネオール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、ノニルアルコール、テトラデシルアルコールが挙げられる。なかでもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。
ケトン類としては、炭素数3〜9の鎖状または環状の飽和または不飽和ケトン類が好ましく、具体的にはアセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、メシチルオキシド、ホロン、2−オクタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、2,4−ペンタンジオン、2,5−ヘキサンジオン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン等が挙げられる。なかでもアセトン、メチルエチルケトンが好ましい。
エーテル類としては、炭素数2〜8の鎖状または環状の飽和または不飽和エーテル類が好ましく、具体的にはジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アニソール、フェネトール、メチルアニソール、ジオキサン、フラン、メチルフラン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。より好ましくは、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランが挙げられる。
エステル類としては、炭素数2〜19の鎖状または環状の飽和または不飽和エステル類が好ましく、具体的にはギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸メトキシブチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸ベンジル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル、マロン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、酒石酸ジブチル、クエン酸トリブチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル等が挙げられる。なかでも酢酸メチル、酢酸エチルが好ましい。
ハロゲン化炭化水素類としては、炭素数1〜6の飽和または不飽和の塩素化または塩素化フッ素化炭化水素類が好ましく、具体的には塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、ジクロロペンタフルオロプロパン、ジクロロフルオロエタン、デカフルオロペンタンが挙げられる。
また、主として安定性を高めるために、例えば以下に挙げる化合物の1種または2種以上を、フッ素系溶剤組成物およびその他の有機溶剤の合計量 100質量部に対して0.001〜5質量部の割合で配合できる。
ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類。ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソ−プロピルアミン、n−ブチルアミン等のアミン類。フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、チモール、p−t−ブチルフェノール、t−ブチルカテコール、カテコール、イソオイゲノール、o−メトキシフェノール、ビスフェノールA、サリチル酸イソアミル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸メチル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール類。2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−[(N,N−ビス−2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類。
本発明における潤滑剤は、フルオロポリエーテルまたはフォスファゼン系化合物からなる。フルオロポリエーテルとしては、主鎖の一般式が下記のとおりであるものが挙げられる。
−(CFCFCFO)−CFCF− (mは1以上の整数。):ダイキン工業社製のデムナム、
−[CFCFO(CF)]−CF−、 (nは1以上の整数。):デュポン社製のクライトックス、
−[OCF(CF)−CF−(OCF− (pおよびqは各々1以上の整数。):モンテフルオス社のフォンブリン。
上記フルオロポリエーテルとしては、一方または両方の末端基が、ヒドロキシル基、−CHOH、カルボキシル基、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基、エーテル基またはエステル基であるもの、または、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボキシル基もしくはピペロニル基の塩となっているものが挙げられる。
特には、片末端または両末端が−OHであるものが一般的に多く使用され、例えば、F−(CFCFCFO)−CFCF−CHOH(ダイキン工業社製のデムナム、mは1以上の整数。)、F−[CFCFO(CF)]−CF−CHOH(デュポン社製のクライトックス、nは1以上の整数。)、HOCHCFO(CFCFO)(CFO)−CFCHOH(モンテフルオス社製のフォンブリンZ−DOL、pおよびqは各々1以上の整数。)が挙げられる。
フォスファゼン系化合物としては、下記のようなフォスファゼン環を有するものが挙げられる。
Figure 2006077052
本発明の潤滑剤溶液における潤滑剤の含有割合は、従来、一般的に使用されている割合とすることができるが、0.01〜0.3質量%程度とするのが好ましい。この範囲を超える場合も使用できるが、基材に塗布後の潤滑剤としての効果は特に増加するものではなく、経済的でない。
本発明の潤滑剤溶液は、塗布後の潤滑剤層の厚さが1nm以上4nm以下、特には1nm〜2.5nmとなるように、磁気記録媒体上に塗布するのが好ましい。上記潤滑剤層の厚さが上記範囲である場合は、潤滑性が十分であり、ディスクの回転が阻害されるスティック現象が発生するおそれがない。
一般的な磁気記録媒体である磁気ディスクの層構成(基本構成)は、下から順に、非磁性の基板、下地層、磁気記録層(磁性層ともいう)、保護膜、および潤滑剤層を有している。このような磁気ディスクにおいて、非磁性の基板は、例えばアルミニウム基板からなり、その表面にメッキにより付着させたNiP膜を有しており、さらにその表面が超仕上げされている。超仕上げとは、非磁性の基板の表面を平滑化するためのものである。下地層は、通常、非磁性の金属であるCr系合金からなる。Cr系合金は、例えば、CrMo合金である。磁気記録層は、通常、強磁性の金属であるCoCr系合金からなる。CoCr系合金は、例えば、CoCrTa、CoCrPt、CoCrPtTaNb等である。
次に、磁気記録層の上には、磁気記録層を磁気ヘッドの衝撃による破損等から保護するため、保護膜が設けられている。保護膜は、通常、各種のカーボン材料、例えばアモルファスカーボン等から形成されているため、カーボン保護膜と呼ばれている。また、カーボン保護膜の上には、磁気ディスクにおけるヘッドの円滑な浮上等を図る目的で、液体の潤滑剤溶液が塗布され、潤滑剤層が形成される。なお、上述した磁気ディスクの層構成は基本構成であり、実際の層構成としては、より複雑な構成をとっているものが多い。
本発明の潤滑剤溶液の塗布方法としては、例えば、ラングミュアーブロジェット膜形成法、浸漬法、またはスピンナーによる回転塗布等の方法を適宜用いることができる。例えば浸漬法では、潤滑剤溶液に、炭素系保護膜によって被覆された磁気ディスクを適度な速度で浸漬し、適度な浸漬時間を保った後、適度な速度で引き上げる。これにより炭素系保護膜上に潤滑剤を吸着させ、含フッ素アルキルエーテルを乾燥させることにより、潤滑剤の膜を保護膜上に形成することができる。潤滑剤の塗布膜厚は、塗布条件、溶液濃度、洗浄条件によって調節することができる。
本発明を、実施例(例1)を参照して説明する。
[例1]
次の手順で磁気ディスクを作製する。まず、アルミニウム基板の上にNiPメッキ層を形成した後、その表面をよく洗浄し、テクスチャ処理を施して十分に平滑にする。これに、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、CrMo下地層、CoCrPtTaNb系磁気記録層、窒素ドープのカーボン保護膜、および上記のFomblin AM3001からなる潤滑剤層を下記の手順に従い、この順序で順次積層する。
まず、下地層の成膜前にスパッタ室内を3×10−7Torr以下に排気し、基板温度を280℃に高め、Arガスを導入してスパッタ室内を5×10−3Torrに保持し、−200Vのバイアスを印加しながら、下地層としてのCrMoを厚さ30nmに成膜する。次いで、この下地層の表面にCoCrPtTaNb膜をそのBrtが100Gμm(厚さ27nm)となるように成膜する。成膜に使用するターゲットは、CoCrターゲットにPt、Ta、Nbチップを配置した複合ターゲットとする。次に、FCA成膜装置を使用して、アーク電流80A、カソードコイル電流10A、フィルタコイル電流10A,6A、ラスタコイル電流X:0A,Y:10Aの成膜条件で、窒素を含むカーボン保護膜を膜厚5nmで形成する。
一方、潤滑剤であるアウジモント社製のフルオロポリエーテル樹脂、Fomblin AM3001(モンテフルオス社商品名、Mw=3200)を、その含有割合が0.02質量%となるように、HFE347 89質量%と、TFEO 11質量%とからなる共沸溶剤組成物に溶解し、潤滑剤溶液を作製する。これを上記カーボン保護膜の形成後、その表面に潤滑剤溶液をディップコート法により室温で塗布、乾燥し、膜厚2.5nmの潤滑剤層を形成する。
上記のようにして作製した磁気ディスクについて、薄膜MRヘッドを装備した磁気ディスク装置、MPF3102AT(富士通社製品名)に搭載し、回転数5,400rpmで15秒稼働後15秒停止するサイクル試験を行い、耐コンタクト・スタート・ストップ(CSS)特性をディスク摩耗試験機で摩擦係数として測定する。サイクル試験を1万回にわたって繰り返しても、認めうる程度の摩耗は磁気ディスク表面で発生せず、MRヘッドの状態も良好である。
本発明は、磁気記録媒体用の潤滑剤溶液として有効である。

Claims (3)

  1. 主として潤滑剤とフッ素系溶剤組成物とからなる磁気記録媒体用潤滑剤溶液であって、潤滑剤がフルオロポリエーテルまたはフォスファゼン系化合物からなり、フッ素系溶剤組成物が、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタンと2,2,2−トリフルオロエタノールとを含有することを特徴とする磁気記録媒体用潤滑剤溶液。
  2. フッ素系溶剤組成物が、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン 89質量%と、2,2,2−トリフルオロエタノール 11質量%とからなる共沸溶剤組成物である請求項1に記載の磁気記録媒体用潤滑剤溶液。
  3. フッ素系溶剤組成物が、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン 70〜95質量%、および2,2,2−トリフルオロエタノール 5〜30質量%を含有する混合溶剤組成物である請求項1に記載の磁気記録媒体用潤滑剤溶液。
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