JP2006075478A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗剤泡を用いて洗浄力に優れ、洗い時間が短縮できるドラム式洗濯機を提供する。
【解決手段】洗い行程において、少なくとも、第1の給水工程、洗剤泡生成工程、第2の給水工程および洗い工程を順次実行するようにし、第1の給水工程においては、洗い工程時の第1の所定水位よりも低い第2の所定水位まで第1の給水手段17を制御して給水し、洗剤泡生成工程においては、駆動モータ15を制御して回転ドラム13を洗い工程における第1の所定回転速度より早い第2の所定回転速度で所定時間回転させる回転制御動作を実行し、第2の給水工程においては、第2の給水手段23を制御して第1の所定水位まで給水し、その後、洗い工程を実行するようにしたもので、洗剤液と水を素早く洗濯物に含ませ、早い段階で洗剤液を十分に含んだ洗濯物をたたき洗いすることができるので、洗浄力が向上し、洗い時間が短縮できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、外槽内に、回転軸方向が水平方向もしくは水平方向から傾斜した方向で回転自在に支持された回転ドラム内で洗い、すすぎ、脱水等の行程を行うドラム式洗濯機に関するものである。
従来の、この種のドラム式洗濯機について図5を用いて説明する。
図示するように、ドラム式洗濯機の洗濯機筐体1内に、サスペンション構造2によって支持された外槽3内と、外槽3に回転自在に支持され周面に多数の透孔4が形成された回転ドラム5が配設されている。回転ドラム5は、駆動モータ6によって回転駆動される。洗濯機筐体1の正面側に開閉自在に設けられた扉体7を開くことにより外槽3の正面側開口部3a及び回転ドラム5の正面側開口部5aを通して洗濯物を回転ドラム5内から出し入れすることができるようになっている。
前記扉体7を開いて回転ドラム5内に洗濯物を投入し、洗剤を投入して運転を開始すると、外槽3内に給水され、給水された水は透孔4を通じて回転ドラム5内にも侵入する。駆動モータ6により回転ドラム5が所定回転速度で回転駆動されると、回転ドラム5に収容された洗濯物は、回転ドラム5の内周面に設けられた撹拌突起8に引っ掛けられ回転方向に持ち上げられ、適当な高さから落下するので、洗濯物に叩き洗いの作用が加えられて洗濯が行なわれる。
この洗い行程の後、汚れた洗濯水は排水され、新たに給水された水を用いてすすぎ行程が実施され、すすぎ行程が終了すると回転ドラム5を高速回転させる脱水行程が実施される。これらの各行程は所定の制御手順に基づいて自動実行される。
上記構成はドラム式洗濯機の一般的な構成であって、上記構成に加えて洗浄性能を向上させるために外槽内に給水された水を汲み上げて回転ドラム内に供給し、洗濯物に水を十分に給水させることにより洗浄力を高めるようにしたものもある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−215893号公報
しかしながら、このような従来のドラム式洗濯機では、洗剤が十分に溶解されないまま洗い行程が実行され、また洗濯物が十分水分を含まない状態でたたき洗いにならないまま洗い行程が実行されるので、洗浄力の不足や、一定の洗浄力を確保するには洗いに時間がかかるという課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、洗剤泡を用いて洗浄力に優れ、洗い時間が短縮できるドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のドラム式洗濯機は、略水平方向または傾斜方向に回転軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを内包した外槽と、前記回転ドラムを回転させる駆動モータと、洗剤を収納する洗剤ケースと、前記洗剤ケースを介して前記外槽内に給水する第1の給水手段と、前記回転ドラムの前面開口部から前記回転ドラムの内部に向けて給水する第2の給水手段と、前記駆動モータ、第1の給水手段および第2の給水手段等を制御するとともに一連の動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、洗い行程において、少なくとも、第1の給水工程、洗剤泡生成工程、第2の給水工程および洗い工程を順次実行するようにし、前記第1の給水工程においては、洗い工程時の第1の所定水位よりも低い第2の所定水位まで前記第1の給水手段を制御して給水し、前記洗剤泡生成工程においては、前記駆動モータを制御して前記回転ドラムを洗い工程における第1の所定回転速度より早い第2の所定回転速度で所定時間回転させる回転制御動作を実行し、前記第2の給水工程においては、前記第2の給水手段を制御して前記第1の所定水位まで給水し、その後、前記洗い工程を実行するようにしたものである。
これによって、洗剤泡生成工程においては、外槽内に洗剤と水が投入された状態で、回転ドラムを第2の所定回転速度で回転させるように回転制御され、外槽内に給水された洗剤を含む水には回転ドラムの回転方向に水流が発生し、外槽内の水は少ない給水量の中に洗剤を含むため高濃度の洗剤液となっており、回転ドラムの回転方向の水流により激しく泡立ち、発生した泡は外槽と回転ドラムの間から回転ドラムの開口部を通じて回転ドラム内に入り、回転ドラムの回転により攪拌されている洗濯物に満遍なく付着するので、高濃度の洗剤液が付着した洗濯物には高濃度の洗剤液が浸透して洗浄力の高い状態になり、その後、第2の給水工程において、第2の給水手段で回転ドラムの前面開口部から内部に向けて給水するので、洗剤液と水を素早く洗濯物に含ませ、早い段階で洗剤液を十分に含んだ洗濯物をたたき洗いすることができるので、洗浄力が向上し、洗い時間が短縮できるものである。
本発明のドラム式洗濯機は、洗剤の溶解スピードを速めて、泡洗浄を行い、その後、洗濯物の水分浸透スピードを速めることにより、洗浄力を向上させ、洗い時間が短縮できる。
第1の発明のドラム式洗濯機は、略水平方向または傾斜方向に回転軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを内包した外槽と、前記回転ドラムを回転させる駆動モータと、洗剤を収納する洗剤ケースと、前記洗剤ケースを介して前記外槽内に給水する第1の給水手段と、前記回転ドラムの前面開口部から前記回転ドラムの内部に向けて給水する第2の給水手段と、前記駆動モータ、第1の給水手段および第2の給水手段等を制御するとともに一連の動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、洗い行程において、少なくとも、第1の給水工程、洗剤泡生成工程、第2の給水工程および洗い工程を順次実行するようにし、前記第1の給水工程においては、洗い工程時の第1の所定水位よりも低い第2の所定水位まで前記第1の給水手段を制御して給水し、前記洗剤泡生成工程においては、前記駆動モータを制御して前記回転ドラムを洗い工程における第1の所定回転速度より早い第2の所定回転速度で所定時間回転させる回転制御動作を実行し、前記第2の給水工程においては、前記第2の給水手段を制御して前記第1の所定水位まで給水し、その後、前記洗い工程を実行するようにしたことにより、洗剤泡生成工程においては、外槽内に洗剤と水が投入された状態で、回転ドラムを第2の所定回転速度で回転させるように回転制御され、外槽内に給水された洗剤を含む水には回転ドラムの回転方向に水流が発生し、外槽内の水は少ない給水量の中に洗剤を含むため高濃度の洗剤液となっており、回転ドラムの回転方向の水流により激しく泡立ち、発生した泡は外槽と回転ドラムの間から回転ドラムの開口部を通じて回転ドラム内に入り、回転ドラムの回転により攪拌されている洗濯物に満遍なく付着するので、高濃度の洗剤液が付着した洗濯物には高濃度の洗剤液が浸透して洗浄力の高い状態になり、その後、第2の給水工程において、第2の給水手段で回転ドラムの前面開口部から内部に向けて給水するので、洗剤液と水を素早く洗濯物に含ませ、早い段階で洗剤液を十分に含んだ洗濯物をたたき洗いすることができるので、洗浄力が向上し、洗い時間が短縮できるものである。
第2の発明のドラム式洗濯機は、特に、第1の発明の制御手段を、第1の給水工程において、第1の給水手段を制御して給水するとともに、回転ドラムを第1の所定回転速度で回転させるようにしたことにより、給水により洗濯物の一部分のみが濡れることを防止でき、全体的に濡れるようにしたので、次工程の洗剤泡生成工程での第2の所定回転速度への立ち上げを円滑に行うことができる。
第3の発明のドラム式洗濯機は、特に、第1または第2の発明の制御手段を、第2の給水工程において、第2の給水手段を制御して給水するとともに、回転ドラムを第1の所定回転速度で回転させるようにしたことにより、洗剤泡を洗濯物に全体的に浸透させるとともに、回転の遠心力により、洗剤泡を洗濯物にさらに強く素早く浸透させることができるので、さらに洗浄力が向上し、洗い時間が短縮できるものである。
第4の発明のドラム式洗濯機は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明の外槽は、その内面下部に回転ドラムの回転方向と交差する方向に壁部を形成したことにより、回転ドラムの回転により発生した水流は、回転ドラムの回転方向と交差する方向に形成された壁面によって乱流を生じ、高濃度の洗剤液がさらに激しく泡立つので、洗剤泡の発生を促進することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の縦断面図、図2は、同ドラム式洗濯機の制御装置の構成を示すブロック図、図3は、同ドラム式洗濯機の制御手段による給水制御及び回転制御の手順を示すフローチャート、図4は、同ドラム式洗濯機の外槽および回転ドラムの要部断面図である。
図において、ドラム式洗濯機の洗濯機筐体9内には、サスペンション構造10および防振ダンパー11によって外槽12が斜め傾斜した状態に支持され、外槽12内には有底円筒形に形成された回転ドラム13が回転自在に支持されている。回転ドラム13の内周面には複数位置に撹拌突起14が設けられており、回転ドラム13は、外槽12の背面に取り付けられた駆動モータ15によって回転駆動されると共に、その回転速度や回転方向が変えられるようになっている。洗濯機筐体9の正面側には、開閉自在の扉体16が設けられている。
第1の給水弁(第1の給水手段)17には、第1給水ホース18の一端が接続され、第1給水ホース18の他端は洗剤19aを収納する洗剤ケース19に接続され、さらに洗剤ケース19の下部に第2給水ホース20の一端が接続され、第2給水ホース20の他端が外槽12に接続されて、外槽12内に給水できるようにしている。
洗剤ケース19の上面には、第1給水ホース18に連通し水をシャワー状に出す複数の注水穴21が設けられ、注水穴21より出たシャワー状の水は洗剤投入箱22上の洗剤19aの上に落下し、洗剤19aとともに外槽12内に流れ落ちる。第2の給水弁(第2の給水手段)23には、第3の給水ホース24の一端が接続され、第3給水ホース24の他端は、注水口金部25に接続されている。注水口金部25は、回転ドラム13の内部方向へ横方向に広がったスリット状に開口しており、注水口金部25からの注水は、回転ドラム13内に薄い膜状に全体的に広がるように注水される。
本実施の形態のドラム式洗濯機には、さらに外槽12内の洗濯水の水位を検知する水位検知手段27、外槽12内の水を外部に排水するための排水弁28などが配設され、また、外槽12の最下部には回転ドラム13の回転方向と直交する方向に排水溝29が形成されている。
制御装置30は、図2に示すように、マイクロコンピュータによって構成された制御手段31を備え、制御手段31は、設定手段32から入力される運転コースの選択などの設定入力に応じて、記憶手段33に記憶された制御プログラムを用いてパワースイッチング手段34に制御指令を出力する。パワースイッチング手段34はSCR等のスイッチング素子を用いて構成され、制御手段31から出力される制御指令に応じて駆動モータ15、第1の給水弁17、第2の給水弁23、排水弁28などをON/OFF制御する。
次に、この制御手段31による制御動作について、図1〜図4を参照して以下に説明する。
扉体16を開いて回転ドラム13内に洗濯物を投入し、洗剤ケース19内の洗剤投入箱22に所定量の洗剤を投入して電源スイッチ35をONし、洗濯機筐体9の表面上に設けられた操作パネル(図示せず)にある設定手段32から洗濯物の種類に応じて運転コースを選択入力し、運転開始の入力を行うことにより、制御手段31は設定入力に対応する制御プログラムを記憶手段33から読み出し、制御手順に応じた制御動作を開始する。
最初に、制御手段31は、駆動モータ15を制御することにより、回転ドラム13を回転させて布量検知手段36で洗濯物の量を検知する。布量検知手段36は、洗濯物の量に応じて駆動モータ15が受ける負荷の変化から洗濯物の量を検知するもので、検知された洗濯物の量は制御手段31に入力され、記憶手段33に記憶される。洗い行程での水は、布量検知手段36で検知された洗濯物の量に応じて決定される第1の所定水位まで外槽12内に供給されるようになっている。
まず、洗い行程の初めの給水工程が開始される。給水工程は、図3に示すように、第1の給水工程、洗剤泡生成工程、第2の給水工程からなり、給水制御と回転ドラム3の回転制御とが実行される。以下、図3を用いて給水工程のフローを説明する。
まず、給水工程が開始されると(ステップ100)、第1の給水工程が実行される。第1の給水工程において、制御手段21は、第1の給水弁17を開いて外槽12内に給水する制御指令をパワースイッチング手段34に出力する。この制御動作により第1の給水弁17が開かれて第1の給水弁17に接続された第1給水ホース18を通り、洗剤ケース19に流れ込み、洗剤ケース19の上面に設けた複数の注水穴21を通り、シャワー状になって洗剤投入箱22上に注がれ、洗剤投入箱22上の洗剤19aは、このシャワー状の水とともに流れ落ち、洗剤ケース19の下部に接続した第2給水ホース20を通り、外槽12内に流れ出る(ステップ110)。
この第1の給水手段による給水(ステップ110)と同時に、制御手段21は、駆動モータ15に第1の所定回転速度で回転ドラム13を回転駆動する制御指令を出力するので、回転ドラム13は、第1の所定回転速度で正転方向に連続回転駆動される(ステップ120)。
ここで、第1の所定回転速度は、回転ドラム13内に収容された洗濯物が、回転ドラム13の回転により回転方向に持ち上げられ、回転に伴う慣性や遠心力よりも自重が勝る高さ位置に移動したとき回転ドラム13の下方内周面上に落下する挙動を示す回転速度である。この第1の所定回転速度は、回転ドラム13の直径が500±50mm程度であるとき、35±5r/min程度の回転速度で、この回転速度になるように駆動モータ15を回転制御することにより、上記のような洗濯物の挙動が得られる。
そして、水位検知手段27で、洗い行程時の第1の所定水位より低い第2の所定水位まで水が供給されたことを検知する(ステップ111)と、制御指令をパワースイッチング手段34に出力し、第1の給水弁17が閉じられ給水は停止され(ステップ112)、それと同時に、回転ドラム13の正転方向への連続回転駆動も停止する(ステップ121)。
以上の第1の給水工程においては、回転ドラム13が停止した状態で給水した場合に洗濯物の底部分の一部分のみが濡れることを防止でき、全体的に濡れるようにしたので、次工程の洗剤泡生成工程での第2の所定回転速度への立ち上げ時に、洗濯物の一部分だけが濡れた場合にその部分の重量が増しアンバランスになり、第2の所定回転速度への立ち上がりに伴って、水槽12が大きく振れてしまうといった問題を防止することができ、回転ドラム13の次工程の洗剤泡生成工程での第2の所定回転速度への立ち上げを円滑に行うことができる。
次に、洗剤泡生成工程が実行される。洗剤泡生成工程において、制御手段31は、駆動モータ15に第2の所定回転速度で回転ドラム13を回転駆動する制御指令を出力するので、回転ドラム13は、第1の所定回転速度より早い第2の所定回転速度で正転方向に連続回転駆動される(ステップ122)。
ここで、第2の所定回転速度は、回転ドラム13の回転に伴う遠心力により洗濯物が回転ドラム13の内周面に張り付く程度の回転速度であり、回転ドラム13の直径が500±50mm程度であるとき、90〜140r/min程度の回転速度となる。この第2の所定回転速度で回転ドラム13が回転駆動されることにより、少ない給水量中に洗剤が混入した高濃度の洗剤液は回転ドラム3の回転に伴って水流が発生し泡が発生しやすい状態となる。
図1および図4に示すように、外槽12の最下部には回転ドラム13の回転方向(矢印A方向)と直交する方向に排水溝29が形成されており、排水溝29の側壁29aは水流方向(矢印B方向)に交差しているので、この側壁29aによって水流に乱流(矢印C)が生じ、高濃度に洗剤が混入した洗濯水は乱流によって泡立った状態となる。
大量に発生した洗剤泡は外槽12と回転ドラム13の間に充満して上昇し、開放されている前面開口部26から回転ドラム13内に次々と侵入して洗濯物に付着する。第2の所定回転速度で回転する回転ドラム13の内周面には洗濯物が張り付いた状態にあり、回転ドラム13の中央に空いた空間に洗剤泡が侵入しやすく、洗濯物には洗剤泡が付着する。
洗剤泡を汚れた洗濯物の表面あるいは内部に浸透させると、洗剤泡の親油基が油汚れ及び油に付着した粒子汚れに結合して持ち去ることになる。また、洗剤泡が洗濯物を通過する際に破泡すると、洗濯物に高濃度の洗剤液が染み込むことになり、汚れが落ちやすい状態になるため、洗剤泡による洗濯物の洗浄が可能となる。このように洗剤液を体積の大きい洗剤泡にして回転ドラム13内の洗濯物に付着浸透させることにより、汚れに洗剤成分が作用しやすくなり、高濃度の洗剤液が染み込みやすくなって洗いむらが抑制され、洗浄力が向上すると同時に洗濯時間を短縮させることができる。
充分な量に発生させた洗剤泡が回転ドラム13内に侵入して洗濯物が洗剤泡にまみれた状態になる所定時間が経過した後(ステップ123)、制御手段31は、駆動モータ15に回転ドラム13を停止する制御指令を出力するので、回転ドラム3は停止する(ステップ124)。
次に、第2の給水工程が実行される。第2の給水工程において、制御手段31は、第2の給水弁23を開いて外槽12内に給水する制御指令をパワースイッチング手段34に出力すると同時に、回転ドラム13が第1の所定回転速度で正回転・休止・第1の所定回転速度で反回転・休止の動作を行う制御指令をパワースイッチング手段34に出力する。この制御動作により第2の給水手段である第2の給水弁23が開かれて、第3給水ホース24を通り、注水口金部25から、回転ドラム13の内部に向けて給水される(ステップ113)。そして、この給水と併行して、回転ドラム13は、第1の所定回転速度で正回転・休止・第1の所定回転速度で反回転・休止の動作を行う(ステップ125)。
回転ドラム13の内周面には複数位置に撹拌突起14が設けられており、回転ドラム13が第1の所定速度で回転すると、撹拌突起14は回転ドラム13の内周面に接する洗濯物を引っ掛けて回転方向に持ち上げる。洗濯物はその自重が回転に伴う慣性や遠心力に勝る高さ位置まで持ち上げられたとき落下するので、回転ドラム13内に堆積する洗濯物も次々と持ち上げられて移動し、上方から落下するので、洗濯物の位置が次々と入れ替わり、注水口金部25から、回転ドラム13の内部の洗濯物に向けて薄い膜状に全体的に広がって給水される水分が、全ての洗濯物にすばやく供給されることとなる。このとき、洗濯物は泡にまみれているため、泡は給水される水分によって洗濯物内部にまで浸透される。また、洗濯物に泡と水を素早く染み込ませることで、早い段階でたたき洗いを実行することができる。
給水された外槽12内の水位は、水位検知手段27によって検出され、水位が第1の所定水位になったとき(ステップ114)、水位検知手段27は検知出力を制御手段31に入力するので、制御手段31は、第2の給水弁23を閉じて給水を停止する制御指令をパワースイッチング手段34に出力し、給水は停止される(ステップ115)。これにより、第2の給水工程は終了する。このとき、回転ドラム13は、第1の所定回転速度で正回転・休止・第1の所定回転速度で反回転・休止の動作を行っており、この動作を続けたまま、次工程の洗い工程に進む(ステップ101)。
回転ドラム13が第1の所定回転速度で正回転・休止・第1の所定回転速度で反回転・休止の動作を所定時間行う洗い工程を行った後、すすぎ行程、脱水行程が実行され全行程が終了する。洗い工程、すすぎ行程および脱水行程は従来技術と同様に実施することができるので、その説明は省略する。
なお、上記実施の形態では、洗い行程時に、外槽12内に水を供給する際の第1の所定水位を、布量検知手段36で検知された洗濯物の量に応じて決定するようにしたが、一定水位であっても、複数の水位を洗濯物の量、例えば、多め、少なめで使用者が選択する水位であっても良い。
また、上記実施の形態では、注水口金部25は、回転ドラム13の内部方向へ横方向に広がったスリット状に開口しており、注水口金部25からの注水は、回転ドラム13内に薄い膜状に広がるように注水されるよう構成したが、注水口金部25からの注水が、回転ドラム13内にシャワー状で広がるように注水されるよう構成しても、同様の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、回転ドラム13を傾斜配置した構成を示したが、回転ドラム13を水平方向に配置した場合においても、回転ドラム13の回転速度を変更することにより同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明にかかるドラム式洗濯機は、給水制御及び回転ドラムの回転制御を行って生成する洗剤泡を洗濯物に浸透させることができ、また、その後、ドラムの前面開口部から回転ドラムの内部に向けて給水するので、洗剤液と水を素早く洗濯物に含ませ、早い段階で洗剤液を十分に含んだ洗濯物をたたき洗いすることができるので、洗濯時間を短縮してランニングコストを削減したドラム式洗濯機を提供することができ、乾燥機能を有するドラム式洗濯乾燥機にも適用できるものである。
本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の縦断面図 同ドラム式洗濯機の制御装置の構成を示すブロック図 同ドラム式洗濯機の制御手段による給水制御及び回転制御の手順を示すフローチャート 同ドラム式洗濯機の外槽および回転ドラムの要部断面図 従来のドラム式洗濯機の縦断面図
符号の説明
12 外槽
13 回転ドラム
15 駆動モータ
17 第1の給水弁(第1の給水手段)
19 洗剤ケース
23 第2の給水弁(第2の給水手段)
31 制御手段

Claims (4)

  1. 略水平方向または傾斜方向に回転軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを内包した外槽と、前記回転ドラムを回転させる駆動モータと、洗剤を収納する洗剤ケースと、前記洗剤ケースを介して前記外槽内に給水する第1の給水手段と、前記回転ドラムの前面開口部から前記回転ドラムの内部に向けて給水する第2の給水手段と、前記駆動モータ、第1の給水手段および第2の給水手段等を制御するとともに一連の動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、洗い行程において、少なくとも、第1の給水工程、洗剤泡生成工程、第2の給水工程および洗い工程を順次実行するようにし、前記第1の給水工程においては、洗い工程時の第1の所定水位よりも低い第2の所定水位まで前記第1の給水手段を制御して給水し、前記洗剤泡生成工程においては、前記駆動モータを制御して前記回転ドラムを洗い工程における第1の所定回転速度より早い第2の所定回転速度で所定時間回転させる回転制御動作を実行し、前記第2の給水工程においては、前記第2の給水手段を制御して前記第1の所定水位まで給水し、その後、前記洗い工程を実行するようにしたドラム式洗濯機。
  2. 制御手段は、第1の給水工程において、第1の給水手段を制御して給水するとともに、回転ドラムを第1の所定回転速度で回転させるようにした請求項1記載のドラム式洗濯機。
  3. 制御手段は、第2の給水工程において、第2の給水手段を制御して給水するとともに、回転ドラムを第1の所定回転速度で回転させるようにした請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。
  4. 外槽は、その内面下部に回転ドラムの回転方向と交差する方向に壁部を形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
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