JP2006074191A - フェーズドアレーアンテナシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーブル長にバラツキがあっても影響なく差パターンを生成できるフェーズドアレーアンテナシステムを提供する。
【解決手段】複数のアンテナ素子と複数の移相器とで構成された和パターンと差パターンを有するフェーズドアレーアンテナシステムにおいて、複数のアンテナ素子と複数の第1の移相器と電力合成器を用いて和パターンを発生する構成と、複数のアンテナ素子と複数の第1の移相器と複数の第2の移相器と電力合成器を用いて差パターンを発生する構成とを備え、上記第2の移相器は、各アンテナ素子に対するケーブルの長さで位相差を調整するように構成し、アレーアンテナの中心Aから点対称にある1対のアンテナ素子の位相差を180°とし、各対をケーブル長が短い順あるいは長い順に反時計回りあるいは時計回りに順番に配置する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、和パターンと差パターンを有するフェーズドアレーアンテナシステムに係り、特に差パターンを効率よく生成できるフェーズドアレーアンテナシステムに関する。
従来、到来する電波を移動しながら受信するために、到来する電波を利用してアンテナビームをその到来する方向に指向させる自動追尾式フェーズドアレーアンテナシステムが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。このシステムでは、信号の受信などのために各アンテナ素子からの信号の和パターンと差パターンを生成する必要があり、それは移相器と電力合成器で作成される。
すなわち、図10に示すように各アンテナ素子1〜1で受信された信号を電力分配器2〜2で2分配し、一方は和パターン用、他方は差パターン用とし、それぞれを移相量の調整可能な複数の移相器3〜3、3’〜3’で移相し、和パターン用電力合成器4a、差パターン用電力合成器4bで重ね合わせて生成する。
しかし、上記図10に示す方法では、移相器3〜3、3’〜3’の量が和パターン用、差パターン用と2×N個必要になる。移相量が調整可能な移相器3〜3、3’〜3’は高価であり、また、移相制御回路や制御線の数が多くなり、回路が複雑になるという問題がある。
このような問題を解決するため、図11に示すフェーズドアレーアンテナシステムが考えられている。すなわち、各アンテナ素子1〜1で受信された信号をそれぞれ外部制御回路からの制御信号によって移相量の調整が可能な複数の移相器3〜3で移相量を調整した後、電力分配器2〜2で2分配し、その一方の信号は和パターン用電力合成器4aで重ね合わせて和パターンを生成する。また、電力分配器2〜2で分配した他方の信号は、複数の移相器5〜5で位相を遅延させて差パターン用電力合成器4bに入力し、差パターンを生成する。
上記図11に示す方法では、和パターン及び差パターン生成用として用いられる移相量の調整が可能な移相器はN個の移相器3〜3で済むため、コスト、構造面でも効果的である。
上記図11に示すフェーズドアレーアンテナシステムでは、移相器3〜3により和パターン用の移相量と差パターン用の移相量を同時に与えるように構成しているが、その原理について図12を参照して説明する。
図12は、上記図11のフェーズドアレーアンテナシステムおける要部、すなわちn番目のアンテナ素子で受信された信号に対する処理系統を示したものである。n番目のアンテナ素子で受信された信号は、移相器3nで移相量が調整された後、電力分配器2nに入力されて2分配される。この電力分配器2で分配された一方の信号は、和パターン用電力合成器4aで合成されて和パターンが生成される。また、電力分配器2で分配された他方の信号は、移相器5nで遅延されて差パターン用電力合成器4bに入力され、差パターンが生成される。上記移相器5nは、入力された信号に対し「−2π(N−n)/N」の位相の遅延処理を行なう。上記Nはアンテナ素子の素子数、nはアンテナ素子の素子番号(1〜N)である。
上記の構成において、差パターン用電力合成器4bに入力される信号が同相になるように各アンテナ素子の受信信号が移相されているとき、差パターン用電力合成器4bの出力を計算する。各移相器3nの出力信号波形をsin ωtとすると、差パターン用電力合成器4bの出力は以下の通りとなる。
Figure 2006074191
上記のように差パターン用電力合成器4bの合成出力は、「0」となる。このとき和パターン用電力合成器4aの合成出力は最大値を示している。従って、和パターンのピーク方向と差パターンのヌル方向が一致することが分かる。なお、上記和パターンのピーク方向と差パターンのヌル方向の一致は、nの順番の取り方にはよらない。但し、差パターンの上記以外のポイントはnの番号の取り方により大きく異なる。
特許第3331350号公報
上記図11に示す方法は、移相量の調整が可能な移相器3〜3の数が図10に示した方法に比較して半分になり、コスト、構造面でも効果的であるが、特性にバラツキが発生するという問題がある。
すなわち、各アンテナ素子1〜1でに対して1つの移相器で済ませるためには、差パターン生成用に移相器5〜5が必要である。この移相器5〜5には、主にケーブルを用い、位相遅延量は物理的なケーブルの長さで調整することになるので、ケーブル長が重要になる。このためケーブル長の加工寸法、つまり、長さのバラツキを如何に押さえるかが問題となる。上記ケーブル長のバラツキは、大きく特性に影響する。しかし、特許文献1に示されたフェーズドアレーアンテナシステムでは、ケーブル長の加工寸法等については、特に示されておらず、特性のバラツキについては考慮されていない。
従来の方法では、ケーブル長の加工寸法をかなり精度よく加工し、そのあとの電力合成を含めた移相量を正確に計算通りの値にする必要がある。しかし、正確にケーブル長を合わせて加工しても、往々にしてそのケーブルのバラツキ等で、差パターンの生成もかなりのバラツキが生じ、しっかりとしたヌル点が出ない場合が多い。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、ケーブル長にバラツキがあっても影響なく差パターンを生成でき、和パターンのピークのポイントが差パターンではしっかりとしたヌル点を生成することができるフェーズドアレーアンテナシステムを提供することを目的とする。
第1の発明は、複数のアンテナ素子と複数の移相器とで構成されたフェーズドアレーアンテナシステムにおいて、
複数のアンテナ素子と複数の第1の移相器と電力合成器を用いて和パターンを発生する構成と、複数のアンテナ素子と複数の第1の移相器と複数の第2の移相器と電力合成器を用いて差パターンを発生する構成とを備え、
上記第1の移相器は各アンテナ素子に対して移相量の調整可能な1台の移相器であり、和パターンを発生する構成と差パターンを発生する構成における移相量を共通に与え、また、差パターンを発生する構成における第2の移相器の位相差と配置は、アレーアンテナの中心から点対称にある1対のアンテナ素子の位相差を180°とし、各対を位相差が大きい順あるいは小さい順に反時計回りあるいは時計回りに順番に配置するものであることを特徴とする。
第2の発明は、上記第1の発明に係るフェーズドアレーアンテナシステムにおいて、上記差パターンを発生する構成における第2の移相器は、各アンテナ素子に対するケーブルの長さで位相差を調整するものであり、当該第2の移相器の位相差と配置は、アレーアンテナの中心から点対称にある1対のアンテナ素子の位相差を180°とし、各対をケーブル長が短い順あるいは長い順に反時計回りあるいは時計回りに順番に配置するものであることを特徴とするフェーズドアレーアンテナシステム。
本発明によれば、差パターン用の第2の移相器を構成するケーブルの長さを設定値に加工する際、ケーブル長に多少のバラツキを生じたとしても特性に与える影響は少なく、良好な指向性パターンを得ることができる。このため差パターン生成用の第2の移相器を効率よく安価に製作することができる。また、和パターンのピークのポイントが差パターンではしっかりとしたヌル点を生成することができるので、差パターンを利用してアンテナビームをその到来する方向に指向させる自動追尾式フェーズドアレーアンテナシステムを構成することが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
本発明は、上記図11に示したように、複数のアンテナ素子1〜1と移相量の調整が可能な複数の移相器3〜3とで構成された和パターンと差パターンを有するフェーズドアレーアンテナシステムにおいて、複数のアンテナ素子1〜1と複数の移相器3〜3と和パターン用電力合成器4aを用いて和パターンを発生する構成と、複数のアンテナ素子1〜1と複数の移相器3〜3と複数の移相器5〜5と差パターン用電力合成器4bを用いて差パターンを発生する構成とを備え、上記の和パターンを発生する構成と差パターンを発生する構成とは少なくとも1つのアンテナ素子1nを移相量の調整可能な1台の移相器3nを使用した和パターン用の移相量と差パターン用の移相量を同時に与えることが可能な移相器3nを併用した構成を備えたフェーズドアレーアンテナシステムを対象としている。上記移相器3nはアンテナ素子1nに対して移相量の調整可能な1台の移相器であり、和パターンを発生する構成と差パターンを発生する構成における移相量を共通に与える。
なお、上記図11に示したフェーズドアレーアンテナシステムでは、アンテナ素子1を基準として他のアンテナ素子1〜1の信号の移相量を調整するので、移相器3は特に設けなくても良い。
そして、本発明の一実施形態に係るフェーズドアレーアンテナシステムは、上記図11に示したフェーズドアレーアンテナシステムにおいて、差パターン生成用の移相器5〜5にケーブルを用いてそのケーブル長さで位相差を調整し、かつ、位相差を与える各ケーブルの配置によって最適な差パターンが得られるようにしたものである。
上記移相器5〜5は、各アンテナ素子1〜1に固定の移相量を与えるもので、各アンテナ素子1〜1に対する移相器5〜5のケーブル長の差をΔLとすると、各ケーブル長の差ΔLは、下式
ΔL=(360°×n)×N−1 ・・・(1)
により求めることができる。なお、上式におけるnは、各アンテナ素子1〜1の素子番号である。
以下、本発明の一実施形態を図1に示すようにアンテナ素子1〜1として、#1〜#18の18個のパッチアンテナを例えばハニカム状にアレイ配置してフェーズドアレーアンテナ10を構成した場合を例として説明する。上記アンテナ素子1〜1としては、例えばそれぞれ六角形状の基板上に円形パッチアンテナを形成したものを使用する。
まず、上記(1)式によって#1〜#18のアンテナ素子1〜118に対するケーブル長の差ΔL〜ΔL18を求め、図2に示すようにその長さの差を持つ差信号ケーブルL〜L18を用意する。アンテナ素子が18個の場合、各差信号ケーブルL、L、…、L18間の位相差はそれぞれ20°となる。また、最も長いケーブル長を有する差信号ケーブルL18のケーブル長の差ΔL18は、1λ(λ:使用周波数における波長)で「360°」である。
そして、図3(a)、図4(a)に示すように上記#1〜#18のアンテナ素子1〜118と差信号ケーブルL〜L18との配置関係を設定する。すなわち、アンテナ10の中心Aから点対称にある1対のアンテナ素子の位相差を180°とし、9対のアンテナ素子(アンテナ素子1〜118)を例えばケーブル長が短い順に反時計回りに順番に配置する。図3は差信号ケーブルL〜L18の配置内容を示し、図4はアンテナ素子1〜118と差信号ケーブルL〜L18との具体的な配置関係を示したものである。
図2に示すように差信号ケーブルLの位相差(ケーブル長の差ΔL)を20°、差信号ケーブルL18の位相差(ケーブル長の差ΔL18)を360°(1λ)とした時、
−L10
−L11
−L12
−L13
−L14
−L15
−L16
−L17
−L18
の組合せがそれぞれ180°の位相差となる。従って、図4(a)に示すように、差信号ケーブルLとL10とを対とし、また、差信号ケーブルLとL11とを対として配置する。その他の差信号ケーブルについても、同様に上記の組合せを対として配置する。
上記のようにアンテナの中心Aから点対称にある1対のアンテナ素子の位相差を180°とし、9対のアンテナ素子を反時計回りに順番に配置する場合、差信号ケーブルL〜L18は#1〜#18のアンテナ素子1〜118に対し、図3(a)及び図4(a)の[配列1]に示すように
「#17−#11−#6−#18−#12−#1−#13−#7−#2−#14−#8−#3−#15−#9−#4−#16−#10−#5」
の順に接続する。すなわち、差信号ケーブルL〜L18と#1〜#18のアンテナ素子1〜118とは、
:#17
:#11
:#6
:#18
:#12
:#1
:#13
:#7
:#2
10:#14
11:#8
12:#3
13:#15
14:#9
15:#4
16:#16
17:#10
18:#5
のように対応させる。
なお、図3(a)及び図4(a)の[配列1]では、差信号ケーブルL〜L18を短い順に反時計回りに順番に配置した場合について示したが、長い順に反時計回りに順番に配置しても、あるいは短い順又は長い順に時計回りに順番に配置しても良い。すなわち、アンテナの中心Aから点対称にある差信号ケーブルと対とし、短い順又は長い順に所定の規則性を持たせて順番に配置する。
また、図3(b)〜(d)及び図4(b)〜(d)は、上記実施形態に係る[配列1]と比較するため、参考配列して[配列2]〜[配列4]を示したものである。
図3(b)、図4(b)に示す[配列2]は、#1〜#18のアンテナ素子1〜118に対し、差信号ケーブルL〜L18をバラバラに配置した場合の例である。この例では、差信号ケーブルL〜L18は#1〜#18のアンテナ素子1〜118に対し、
「#1−#2−#3−#4−#5−#6−#7−#8−#9−#10−#11−#12−#13−#14−#15−#16−#17−#18」
の順に接続している。
図3(c)、図4(c)に示す[配列3]は、#1〜#18のアンテナ素子1〜118に対し、差信号ケーブルL〜L18を反時計回りに順番に配置した場合の例である。この例では、差信号ケーブルL〜L18は#1〜#18のアンテナ素子1〜118に対し、
「#17−#6−#7−#12−#1−#18−#13−#14−#8−#2−#9−#10−#15−#4−#3−#5−#11−#16」
の順に接続している。
図3(d)、図4(d)に示す[配列4]は、アンテナ中心Aから点対称にあるアンテナの位相差を180°とし、9対をバラバラに配置した場合の例である。アンテナ中心Aから点対称にあるアンテナ素子の位相差を180°とする点は、上記[配列1]の場合と同じである。この例では、差信号ケーブルL〜L18は#1〜#18のアンテナ素子1〜118に対し、
「#17−#13−#15−#8−#10−#12−#1−#3−#5−#14−#16−#18−#11−#7−#9−#4−#6−#2」
の順に接続している。
次に、差信号ケーブルL〜L18とアンテナ素子1〜118とを上記のように配列した[配列1]、[配列2]、[配列3]、[配列4]の各パターンについて、指向性をシミュレーションした結果について説明する。
図5(a)〜(d)は、上記[配列1]、[配列2]、[配列3]、[配列4]における各指向性パターンについて、正面方向(エレベーションEL:0°)で、アジマス角90°(AZ:90°)におけるシミュレーション結果を示したもので、横軸に放射角度(°)を取り、縦軸に信号レベル(dB)を取って示した。なお、図5(a)〜(d)は、差信号ケーブルL〜L18の長さを図2に示したように正しく設定し、位相偏差/振幅偏差なしの場合のシミュレーション結果を示している。上記図5(a)〜(d)において、実線aは差信号パターン、破線bは和信号パターンを示している。なお、和信号パターンbは[配列1]〜[配列4]に関係なく同じパターンとなっている。
図6(a)〜(d)は、14番目の差信号ケーブルL14の長さを位相で10°だけ短く形成した場合の[配列1]〜[配列4]の各パターンについて、正面方向(EL:0°)で、アジマス角90°(AZ:90°)におけるシミュレーション結果を示したものである。
上記図6(a)に示す[配列1]の差パターンは、急峻なヌルが得られると共に、ヌルポイントを中心として左右対称な指向性パターンとなっている。
図6(b)に示す[配列2]の差パターンは、ヌルポイント付近のパターンが乱れていると共に、ヌルポイントを中心として左右非対称な指向性パターンとなっている。
図6(c)に示す[配列3]の差パターンは、ヌルポイントを中心として左右非対称な指向性パターンとなっている。
図6(d)に示す[配列4]の差パターンは、ヌルが緩やかな傾斜となっている。
図7(a)〜(d)は、14番目の差信号ケーブルL14における励振信号の振幅を1dBだけ小さくした場合の[配列1]〜[配列4]の各パターンについて、正面方向(EL:0°)で、アジマス角90°(AZ:90°)におけるシミュレーション結果を示したものである。この場合、位相偏差は与えていない。
図7(a)〜(d)に示す差パターンは、上記図6(a)〜(d)に示したものとほぼ同様な指向性パターンとなっている。
図8(a)〜(d)は、14番目の差信号ケーブルL14に対し、長さを位相で10°だけ短く形成し、かつ励振信号の振幅を1dBだけ小さくした場合の[配列1]〜[配列4]の各パターンについて、正面方向(EL:0°)で、アジマス角90°(AZ:90°)におけるシミュレーション結果を示したものである。
上記のシミュレーションにより、
(1)図5(a)〜(d)に示したように位相偏差/振幅偏差がない場合、[配列1]〜[配列4]は、和信号ピークポイントと差信号ヌルポイントは一致している。
(2)[配列1]、[配列4]のようにアンテナ中心Aから点対称にある1対のアンテナの位相差を180°とした場合、正面(EL:0°)においてヌルポイントを中心として左右対称な指向性パターンとなっている。
(3)[配列2]、[配列4]のように差信号ケーブルL〜L18の配置をバラバラにした場合と、[配列1]、[配列3]のように差信号ケーブルL〜L18を短い順(または長い順)に時計回り(または反時計回り)に配置した場合では、[配列1]、[配列3]のように差信号ケーブルL〜L18を所定の順序で配列した方がヌルは急峻である。また、図6〜図8に示したように、位相偏差、振幅偏差がある場合は、[配列1]、[配列3]のように差信号ケーブルL〜L18を所定の順序で配列した方がヌルポイント付近の影響度が小さい。
という結果が得られた。
上記のシミュレーション結果から、図3(a)及び図4(a)に示した[配列1]が最も安定した差信号パターンが得られることが分かる。
また、図9(a)〜(c)は、上記[配列1]〜[配列3]に対する各指向性パターンについて、正面方向(EL:0°)で、アジマス角0°(AZ:0°)における実測値を示したものである。上記図9(a)〜(c)において、実線aは差信号の指向性パターンを示し、破線bは和信号の指向性パターンを示している。
上記の実測値からも明らかなように、[配列1]における差パターンは、図9(a)に示すように急峻なヌルが得られると共に、差信号ヌルポイントを中心として左右対称な指向性パターンとなっている。
[配列2]における差パターンは、図9(b)に示すように和信号bのピークポイントと差信号aのヌルポイントが不一致であると共に、ヌルポイントを中心として左右非対称な指向性パターンとなっている。
[配列3]における差パターンは、図9(c)に示すようにヌルポイントを中心として左右非対称な指向性パターンとなっている。
上記図5〜図8に示した差信号ケーブルの各配列に対するシミュレーション結果、及び図9に示した実測値から明らかなように、アンテナの中心Aから点対称にある1対のアンテナ素子の位相差(差信号ケーブルの位相差)を180°とし、各対の素子を反時計回りあるいは時計回りに順番に配置する[配列1]とすることにより、急峻なヌルが得られると共に、差信号ヌルポイントを中心として左右対称な指向性パターンとなり、位相偏差、振幅偏差を生じた場合でも指向性があまり変化せず、良好な指向性パターンを保持することができる。
従って、差信号ケーブルL〜Lの長さを設定値に加工する際、ケーブル長に多少のバラツキを生じたとしても特性に与える影響は少なく、良好な指向性パターンを得ることができる。このため差パターン生成用の移相器5〜5を効率よく安価に製作することができる。また、和パターンのピークのポイントが差パターンではしっかりとしたヌル点を生成することができるので、差パターンを利用してアンテナビームをその到来する方向に指向させる自動追尾式フェーズドアレーアンテナシステムを構成することが可能になる。
なお、上記実施形態では、18個のアンテナ素子1〜118により構成したフェーズドアレーアンテナシステムに実施した場合について示したが、アンテナ素子数は18個に限定されるものではなく、任意の数に設定し得るものである。
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
本発明の一実施形態に係るフェーズドアレーアンテナの構成例を示す図である。 同実施形態における差信号ケーブルの設定例を示す図である。 同実施形態における差信号ケーブルの配置内容及び参考例として示す差信号ケーブルの配置内容を示す図である。 (a)は同実施形態におけるアンテナ素子と差信号ケーブルとの配置関係([配列1])を示す図、(b)〜(d)は参考例として示すアンテナ素子と差信号ケーブルとの配置関係([配列2]〜[配列4])を示す図である。 同実施形態における[配列1]及び参考例として示す[配列2]〜[配列4]における各指向性パターンのシミュレーション結果を示す図である。 同実施形態における[配列1]及び参考例として示す[配列2]〜[配列4]において、特定の差信号ケーブルに位相偏差を与えた場合の各指向性パターンのシミュレーション結果を示す図である。 同実施形態における[配列1]及び参考例として示す[配列2]〜[配列4]において、特定の差信号ケーブルに振幅偏差を与えた場合の各指向性パターンのシミュレーション結果を示す図である。 同実施形態における[配列1]及び参考例として示す[配列2]〜[配列4]において、特定の差信号ケーブルに位相偏差及び振幅偏差を与えた場合の各指向性パターンのシミュレーション結果を示す図である。 同実施形態における[配列1]及び参考例として示す[配列2]、[配列3]に対する指向性パターンの実測値である。 従来のフェーズドアレーアンテナシステムの構成例を示す概念図である。 本発明の対象とするフェーズドアレーアンテナシステムの構成例を示す図である。 図11のフェーズドアレーアンテナシステムにおいて、和パターン・差パターン同時生成用移相器の原理図である。
符号の説明
〜1、1〜118…アンテナ素子、2〜2…電力分配器、3〜3…移相器、4a…和パターン用電力合成器、4b…差パターン用電力合成器、5〜5…移相器、10…フェーズドアレーアンテナ、L〜L、L〜L18…差信号ケーブル。

Claims (2)

  1. 複数のアンテナ素子と複数の移相器とで構成されたフェーズドアレーアンテナシステムにおいて、
    複数のアンテナ素子と複数の第1の移相器と電力合成器を用いて和パターンを発生する構成と、複数のアンテナ素子と複数の第1の移相器と複数の第2の移相器と電力合成器を用いて差パターンを発生する構成とを備え、
    上記第1の移相器は各アンテナ素子に対して移相量の調整可能な1台の移相器であり、和パターンを発生する構成と差パターンを発生する構成における移相量を共通に与え、また、差パターンを発生する構成における第2の移相器の位相差と配置は、アレーアンテナの中心から点対称にある1対のアンテナ素子の位相差を180°とし、各対を位相差が大きい順あるいは小さい順に反時計回りあるいは時計回りに順番に配置するものであることを特徴とするフェーズドアレーアンテナシステム。
  2. 請求項1に記載のフェーズドアレーアンテナシステムにおいて、上記差パターンを発生する構成における第2の移相器は、各アンテナ素子に対するケーブルの長さで位相差を調整するものであり、当該第2の移相器の位相差と配置は、アレーアンテナの中心から点対称にある1対のアンテナ素子の位相差を180°とし、各対をケーブル長が短い順あるいは長い順に反時計回りあるいは時計回りに順番に配置するものであることを特徴とするフェーズドアレーアンテナシステム。
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