JP2007243352A - アレーアンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アレーアンテナ装置において、不要波抑圧のビーム形成を行った場合に、所望波到来方向のアンテナ利得の低下を抑制すること。
【解決手段】サブアレーアンテナ4は、複数個の素子アンテナ1、素子アンテナ1にそれぞれ接続される移相器2および移相器2の出力信号を合成する給電回路3を有し、それぞれが接続される受信機5を介して信号処理器6に接続される。素子アンテナ1は複数の同心円上に配列され、かつ、一の同心円上に配列された素子アンテナ1と、この一の同心円に隣接する同心円上に配列された素子アンテナ1とを適宜組み合わせてサブアレーアンテナ4が構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】サブアレーアンテナ4は、複数個の素子アンテナ1、素子アンテナ1にそれぞれ接続される移相器2および移相器2の出力信号を合成する給電回路3を有し、それぞれが接続される受信機5を介して信号処理器6に接続される。素子アンテナ1は複数の同心円上に配列され、かつ、一の同心円上に配列された素子アンテナ1と、この一の同心円に隣接する同心円上に配列された素子アンテナ1とを適宜組み合わせてサブアレーアンテナ4が構成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アレーアンテナ装置に関するものであり、特に、マイクロ波帯やミリ波帯等において、不要波抑圧ビームを効果的に形成することができるデジタル・ビーム・フォーミング・アンテナ(以下「DBFアンテナ」という)技術を適用したアレーアンテナ装置に関するものである。
アレーアンテナ装置において、従来から、DBFアンテナを適用し、不要波抑圧ビームを効果的に形成する技術を開示した文献が存在する(例えば、特許文献1、非特許文献1)。
例えば、下記特許文献1に示される従来技術では、不要波抑圧ビーム形成を目的としたDBFアンテナとして、各々の素子アンテナの出力信号にウェイトを乗算し、不要波到来角方向にナル点を有するアンテナ指向性を得るようにしている。
一方、下記非特許文献1に示される従来技術では、複数の素子アンテナと、各素子アンテナにそれぞれ接続される増幅器と、各増幅器にそれぞれ接続される移相器と、各移相器の出力信号を合成する給電回路とにより構成されるアレーアンテナ装置において、サブアレーアンテナを構成する各素子アンテナの配列を不均一な形状とし、各サブアレーアンテナからの出力信号に所定のウェイトを乗算することにより所望の指向性を有するアレーアンテナ装置を得るようにしている。
しかしながら、上記非特許文献1に示される従来技術では、複数のサブアレーアンテナを有する構成のアレーアンテナ装置において、不要波を抑圧するビーム形成を行った場合には、不要波到来方向にナルを形成するためのウェイトにより、所望波到来方向の利得が大幅に低下してしまうといった問題点があった。
また、非特許文献1には、所望波到来方向のアンテナ利得の低下を抑制する手法として、サブアレー開口形状が不均一となるようにサブアレーアンテナを構成する複数の素子アンテナを適宜選択することにより、所望角度方向のアンテナ利得低下を抑制する手法が示されているものの、具体的なサブアレー開口形状が示されていないといった問題点があった。
また、上記特許文献1に示される従来技術では、各々の素子アンテナの出力信号にウェイトを乗算するウェイト乗算回路が、素子アンテナ数と同一個数必要であり、ウェイト乗算回路や加算回路などの回路規模が増大するとともに、ウェイト乗算回路および加算回路での演算量が多くなるといった問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、サブアレーアンテナを構成する素子アンテナの選択に係らず、不要波抑圧のビーム形成を行った場合における所望波到来方向のアンテナ利得の低下を抑制可能な素子アンテナ配列を具備してなるアレーアンテナ装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、乗算回路の規模を削減した構成であっても、不要波抑圧のビーム形成を行った場合における所望波到来方向のアンテナ利得の低下を抑制可能な素子アンテナ配列を具備してなるアレーアンテナ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるアレーアンテナ装置は、複数個の素子アンテナ、該複数個の素子アンテナにそれぞれ接続される移相器および該移相器の出力信号を合成する給電回路を有して構成される複数個のサブアレーアンテナと、該サブアレーアンテナに接続される複数個の受信機と、該複数個の受信機に接続される信号処理器と、を備えたアレーアンテナ装置において、前記複数個の素子アンテナが複数の同心円上に配列され、かつ、前記サブアレーアンテナの少なくとも1つが、一の同心円上に配列された素子アンテナと該一の同心円に隣接する同心円上に配列された素子アンテナとを適宜組み合わせて構成されることを特徴とする。
本発明にかかるアレーアンテナ装置によれば、複数個の素子アンテナが複数の同心円上に配列され、一の同心円上に配列された素子アンテナと、この一の同心円に隣接する同心円上に配列された素子アンテナとを適宜組み合わせてサブアレーアンテナを構成しているので、所望波到来方向とは異なる不要波入射方向の指向性を抑圧した放射パターンを形成した場合において、所望波到来方向の利得低下量を抑制することができるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかるアレーアンテナ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
まず、実施の形態1にかかるアレーアンテナ装置の構成について図1〜図3を参照して説明する。ここで、図1は、本発明の実施の形態1にかかるアレーアンテナ装置の構成を示す図であり、図2は、図1に示す素子アンテナの配列を示す図であり、図3は、図2のように配列された素子アンテナによって形成されるサブアレーアンテナの構成を示す図である。
まず、実施の形態1にかかるアレーアンテナ装置の構成について図1〜図3を参照して説明する。ここで、図1は、本発明の実施の形態1にかかるアレーアンテナ装置の構成を示す図であり、図2は、図1に示す素子アンテナの配列を示す図であり、図3は、図2のように配列された素子アンテナによって形成されるサブアレーアンテナの構成を示す図である。
図1に示すように、実施の形態1にかかるアレーアンテナ装置は、複数個の素子アンテナ1と、素子アンテナ1にそれぞれ接続される移相器2と、所定数の移相器2の出力信号を合成する給電回路3(3a,3b,・・・)と、給電回路3にそれぞれ接続される受信機5(5a,5b,5c,5d・・・)と、受信機5の出力信号に所定のウェイトを乗算して加算することにより、所望のビームを形成する信号処理器6とを備えて構成される。なお、同図の破線で示すように、それぞれ所定数(図1では、所定数=4の場合を例示)の素子アンテナ1および移相器2と、これらの素子アンテナ1および移相器2の出力を合成する一つの給電回路3とによって、サブアレーアンテナ4(4a,4b,4c,4d・・・)が構成されている。
また、素子アンテナ1は、図2に示すように、複数の同心円上に等間隔に配置されている。一方、サブアレーアンテナ4(4a,4b,4c,4d)を構成する各素子アンテナは、図3に示すように、一つの同心円上の素子アンテナに限定されることなく、隣接する同心円上に配列された素子アンテナを適宜組み合わせて一のサブアレーアンテナを構成している。なお、図2および図3に示した素子アンテナの配列およびサブアレーアンテナの構成の詳細については後述する。
つぎに、実施の形態1にかかるアレーアンテナ装置の動作について、所望波到来方向にメインビームを形成し、かつ、メインビームと異なる角度方向φから入射した不要波の信号受信レベルを抑圧するためのアンテナビームを形成する場合を一例として説明する。
アレーアンテナの指向性は、アレーアンテナを構成する各サブアレーアンテナの指向性を所定のウェイトで乗算し、さらにその乗算結果のそれぞれを加算したものとなる。いま、所望波到来方向にビームを形成するための各サブアレーアンテナのウェイトを[W01,……,W0M]、不要波入射方向にビームを形成するための各サブアレーアンテナのウェイトを[Wnu_1,……,Wnu_M]、所望波到来方向にビームを形成したときのアレーアンテナの合成電界パターンをE0(φ)、不要波入射方向にビームを形成したときのアレーアンテナの合成電界パターンをE1(φ)とすると、不要波入射方向にナル点を形成する一方で不要波の影響による所望波到来方向の利得低下を抑圧した指向性パターンの形成を可能とするウェイトは次式で与えられる。
[W1,…,WM]=[W01,……,W0M]+α1・[Wnu_1,……,Wnu_M] …(1)
ただし、式(1)におけるα1は、
α1=−[E0(φ)/E1(φ)] …(2)
で表される。
α1=−[E0(φ)/E1(φ)] …(2)
で表される。
つぎに、実施の形態1にかかるアレーアンテナ装置において、式(1)のウェイトによって形成される指向性パターンに基づく利得低下量について、実際の具体例を用いて定量的に評価する。
まず、図2に示すように、直径λの円周上に6個の素子アンテナを配列するとともに、直径2λの円周上に10個の素子アンテナを配列する。この配列により、まず、アレーアンテナ中心からの同心円間隔は0.5λと一定であるのにも関わらず、同心円上の素子アンテナの間隔は、1周目がπλ/6、2周目がπλ/5と異ならせることができる。
また、図3に示すように、1つのサブアレーあたり4つの素子アンテナが含まれるように、サブアレーアンテナ4a,4b,4c,4dを構成する。このようなサブアレーアンテナの構成により、サブアレーアンテナ内における素子アンテナの間隔をそれぞれ異ならせることができるとともに、サブアレーアンテナの開口形状をそれぞれ異ならせることができる。なお、図3では、サブアレーアンテナ4を構成する素子アンテナ数を全てのサブアレーで同数の4個に設定しているが、サブアレーごとに同数である必要はなく、異なっていてもよい。
図4は、アレーアンテナを評価する際の座標系を説明する図である。同図において、主ビーム(所望波の到来方向に相当)はアレーアンテナの正面方向に位置するZ軸方向に形成されるものとし、不要波7は、Z軸を基準とする傾斜角度θおよびX軸を基準とする回転角度φで入射するものとする。
図5は、図3のように構成された実施の形態1にかかるアレーアンテナにおいて、正面方向に主ビームを形成し、不要波の入射方向にナル点を形成した場合の、主ビーム方向の利得低下量(計算結果)を示した図である。同図では、不要波の入射角を、θに関しては15度から90度まで、φに関しては0度から359度まで1度間隔で変化させている。なお、同図のハッチングの部分は、利得低下量が5〜10dBの範囲を示しており、その中でも、不要波がθ=90度、φ=100度の方向から入射した場合に最も利得低下が発生するが、その利得低下量は10dB以下に抑制されていることが理解できる。
一方、図6は、従来のアレーアンテナ装置の素子配列とサブアレーアンテナ構成を示す図であり、図7は、図6に示した従来技術にかかるアレーアンテナにおいて、正面方向に主ビームを形成し、不要波の入射方向にナル点を形成した場合の、主ビーム方向の利得低下量(計算結果)を示した図である。図6では、16素子の素子アンテナが4素子ずつ4つのサブアレーアンテナを構成し、各サブアレーアンテナを構成する素子アンテナ1は、素子間隔λ/2の2つの正三角形の底辺を付き合わせた各頂点に1素子ずつ計4素子が配置されている。すなわち、図6では、サブアレーアンテナを構成する素子アンテナ同士の間隔はλ/2に固定されている。
図7と図5とを比較すると、つぎのことが明らかとなる。すなわち、実施の形態1にかかるアレーアンテナでは見られなかった利得低下量10dB以上の領域が、従来技術にかかるアレーアンテナでは多くの領域で発生している。また、全体的に、その利得低下量の絶対値も大きくなっている。例えば、従来技術にかかるアレーアンテナでは、不要波がθ=90度、φ=100度または180度の方向から入射した場合に主ビーム方向の利得低下が最大となり、その利得低下量は約46dBにも達している。したがって、実施の形態1にかかるアレーアンテナは、図6に示すアレーアンテナとの比較において、最大利得低下量を36dB以上改善していることになる。
以上説明したように、この実施の形態のアレーアンテナ装置によれば、複数個の素子アンテナが複数の同心円上に配列され、一の同心円上に配列された素子アンテナと、この一の同心円に隣接する同心円上に配列された素子アンテナとを適宜組み合わせてサブアレーアンテナを構成しているので、所望波到来方向とは異なる不要波入射方向の指向性を抑圧した放射パターンを形成した場合において、所望波到来方向の利得低下量を抑制することが可能となる。
また、この実施の形態のアレーアンテナ装置によれば、複数個の素子アンテナを複数の同心円上に配列したことにより、一の同心円上に配列された素子アンテナと一の同心円に隣接する同心円上に配列された素子アンテナとを適宜組み合わせてサブアレーアンテナを構成することで、サブアレーアンテナの開口形状をサブアレーアンテナごとに不均一とする自由度が生まれ、所望波到来方向とは異なる不要波入射方向の指向性を抑圧した放射パターンを形成した場合において、所望波到来方向の利得低下量を抑制するという機能を容易に実現することができる。
実施の形態2.
上述の実施の形態1では、複数の同心円上に配列した素子アンテナを組み合わせてアレーアンテナを構成していたが、各同心円上に配列する素子アンテナ数については、特に限定していなかった。一方、この実施の形態では、各同心円上に配列する素子アンテナ数を奇数個とするアレーアンテナを構成することを特徴としている。このような構成により、同心円上の素子アンテナ間隔をより不均一にすることができ、サブアレーアンテナの開口形状をより不均一にすることが可能となる。その結果、所望波到来方向とは異なる不要波入射方向の指向性を抑圧した放射パターンを形成した場合において、所望波到来方向のアンテナ利得低下量をさらに抑制することが可能となる。
上述の実施の形態1では、複数の同心円上に配列した素子アンテナを組み合わせてアレーアンテナを構成していたが、各同心円上に配列する素子アンテナ数については、特に限定していなかった。一方、この実施の形態では、各同心円上に配列する素子アンテナ数を奇数個とするアレーアンテナを構成することを特徴としている。このような構成により、同心円上の素子アンテナ間隔をより不均一にすることができ、サブアレーアンテナの開口形状をより不均一にすることが可能となる。その結果、所望波到来方向とは異なる不要波入射方向の指向性を抑圧した放射パターンを形成した場合において、所望波到来方向のアンテナ利得低下量をさらに抑制することが可能となる。
図8は、実施の形態2にかかる素子アンテナの配列を示す図である。同図において、最内同心円半径をRとし、同心円間隔を一定値Rとした。また、1周目の同心円(最内同心円)上の素子アンテナ数を5個、2周目の同心円上の素子アンテナ数を11個、3周目の同心円上の素子アンテナ数を17個、4周目の同心円上の素子アンテナ数を23個とした場合、各同心円上における素子間隔は、図示のように、1周目は2πR/5、2周目は4πR/11、3周目は6πR/17、4周目は8πR/23となる。したがって、全ての同心円における素子間隔は異なることとなる。
一方、1周目の同心円上の素子アンテナ数を6個、2周目の同心円上の素子アンテナ数を12個、3周目の同心円上の素子アンテナ数を18個、4周目の同心円上の素子アンテナ数を24個とした場合、各同心円上における素子間隔は、全てπR/3となる。
このため、各同心円上の素子アンテナ数を奇数個とすることにより同心円間隔が一定であっても、同心円上に配列された素子アンテナ同士の間隔を同心円ごとに不均一にすることができ、不要波抑圧ビーム形成時における所望波到来方向の利得低下を抑制することが可能となる。
以上説明したように、この実施の形態のアレーアンテナ装置によれば、各同心円上に配列される素子アンテナ数を奇数個としているので、同心円上に配列された素子アンテナ同士の間隔を同心円ごとに不均一にすることができ、不要波抑圧ビーム形成時における所望波到来方向の利得低下を抑制することが可能となる。
実施の形態3.
上述の実施の形態1では、素子アンテナが配列される位置を示す同心円の間隔については特に限定しておらず、また、実施の形態2では、同心円の間隔は一定値としていた。一方、この実施の形態では、最内同心円半径と隣接する同心円間隔とが異なることを特徴とする。
上述の実施の形態1では、素子アンテナが配列される位置を示す同心円の間隔については特に限定しておらず、また、実施の形態2では、同心円の間隔は一定値としていた。一方、この実施の形態では、最内同心円半径と隣接する同心円間隔とが異なることを特徴とする。
ここで、図9は、実施の形態3にかかる素子アンテナの配列を示す図であり、図10は、図9のように配列された素子アンテナによって形成されるサブアレーアンテナの構成を示す図であり、図11は、図10のように構成された実施の形態3にかかるアレーアンテナにおいて、正面方向に主ビームを形成し、不要波の入射方向にナル点を形成した場合の、主ビーム方向の利得低下量(計算結果)を示した図である。
図9に示すように、この実施の形態では、最内同心円半径を0.415λ、隣接同心円間隔を0.5λとする計4周の同心円上に、各素子アンテナが各同心円で奇数個となるように配列している。
以上のように構成されたアレーアンテナでは、サブアレーアンテナの開口形状は実施の形態1,2と比較してより不均一となるので、不要波入射方向にナル点を形成した場合において、所望波到来方向の利得低下量をさらに抑制することが可能となる。
なお、図11には表れていないが、計算上、不要波がθ=90度、φ=0度の方向から入射した場合に利得低下が最大となるが、そのときの主ビーム方向の利得低下量は最大6dB程度であり、約46dBの利得低下を生じさせている従来技術にかかるアレーアンテナ(図6)と比較して、最大利得低下量を40dB程度改善していることになる。
なお、図6と図10の構成では、素子アンテナ数が異なるのでアンテナ利得の利得差が存在するが、主ビーム方向の利得低下量は素子アンテナ間隔およびサブアレーアンテナ間隔に関係するので、これらの素子アンテナ間隔およびサブアレーアンテナ間隔が略同一である両者のサブアレー構成では、主ビーム方向の利得低下量も同程度となる。
以上説明したように、この実施の形態のアレーアンテナ装置によれば、素子アンテナが配列される複数の同心円における最内同心円半径と相隣接する同心円間隔とを異ならせているので、同心円上の素子アンテナ間隔をより不均一にすることが可能であり、所望角度方向以外から入射する不要波角度方向の指向性を抑圧した放射パターンを形成した場合において、所望角度方向のアンテナ利得低下量を抑制するアレーアンテナ装置を得ることが可能である。
なお、図10に示す構成では、最内同心円に配列される素子アンテナ数を5個として示しているが、最内同心円半径と隣接同心円間隔とを異ならせた配列とする本実施の形態にかかる手法を用いることにより、例えば最内同心円の素子アンテナ数が5個未満の場合でも、素子アンテナを密に配列することが可能となり、サブアレーアンテナ間隔の広がりによる不必要なサイドローブの発生を抑制するという効果も得られる。
実施の形態4.
上述の実施の形態1〜3では、サブアレーアンテナを構成する素子アンテナ数については、特に限定していなかった。一方、この実施の形態では、サブアレーアンテナを構成する素子アンテナ数を同一とすることを特徴としている。
上述の実施の形態1〜3では、サブアレーアンテナを構成する素子アンテナ数については、特に限定していなかった。一方、この実施の形態では、サブアレーアンテナを構成する素子アンテナ数を同一とすることを特徴としている。
上述のように、信号処理器6(図1参照)では、各サブアレーアンテナの出力信号にウェイトを乗算した後に全ての信号を加算することにより所望の指向性が形成される。一方、サブアレーアンテナの出力信号には所望の信号成分以外に外乱雑音や内部雑音等が含まれる信号となっており、ウェイトの乗算後に雑音レベルが上昇することがある。そこで、各サブアレーアンテナからの出力信号の信号対雑音比を略同一とするため、各々のサブアレーアンテナを構成する素子アンテナ数を同一とすることが好適である。この構成により、ウェイト乗算後に一部のサブアレーアンテナ出力の信号対雑音比が低下して、合成信号の信号対雑音比が低下するといった現象を抑止することができる。
また、サブアレーアンテナを構成する素子アンテナ数を同一とすることで、ウェイト乗算におけるディジタルビット数を最大限に使用することができ、信号処理器の回路規模の増加を抑止し、あるいは回路規模を削減することができる。
なお、この実施の形態の構成においても、不要波入射方向へナル点を形成した場合に、所望波到来方向の利得低下を抑制することができるという作用/効果を有していることは言うまでもない。
以上説明したように、この実施の形態のアレーアンテナ装置によれば、サブアレーアンテナを構成する素子アンテナ数が、全てのサブアレーアンテナで同一となるように配列しているので、ウェイト乗算におけるディジタルビット数を最大限に活用することができるとともに、信号処理器の回路規模の増加を抑止し、あるいは回路規模を削減することができる。
実施の形態5.
上述の実施の形態1〜4では、サブアレーアンテナごとに具備される複数の受信機に接続される信号処理器を一つとして示したが(図1参照)、この実施の形態では、各々の受信機の出力に接続される信号処理器の数を複数として構成することを特徴としている。
上述の実施の形態1〜4では、サブアレーアンテナごとに具備される複数の受信機に接続される信号処理器を一つとして示したが(図1参照)、この実施の形態では、各々の受信機の出力に接続される信号処理器の数を複数として構成することを特徴としている。
ここで、図12は、本発明の実施の形態5にかかるアレーアンテナ装置の構成を示す図である。同図に示すように、実施の形態5にかかるアレーアンテナ装置は、サブアレーアンテナ4(4a,4b,4c,4d,4e,4f)を接続する複数個の受信機5(5a,5b,5c,5d,5e,5f)にそれぞれ接続される複数個の信号処理器6(6a,6b,6c)を有して構成される。
このように構成されたアレーアンテナ装置では、信号処理器6(6a,6b,6c)において、それぞれ独立したビーム形成ウェイトを乗算することができ、同時に複数の指向性を有するビームを形成することが可能となる。
なお、この実施の形態の構成においても、不要波入射方向へナル点を形成した場合に、所望波到来方向の利得低下を抑制することができるという作用/効果を有していることは言うまでもない。
以上説明したように、この実施の形態のアレーアンテナ装置によれば、複数個の受信機に接続される信号処理器を複数個備えるようにしているので、同時に複数の指向性を有するビームを形成することができる。
以上のように、本発明にかかるアレーアンテナ装置は、不要波抑圧ビームを効果的に形成することができるアレーアンテナ装置として有用である。
1 素子アンテナ
2 移相器
3 給電回路
4 サブアレーアンテナ
5 受信機
6 信号処理器
7 不要波
2 移相器
3 給電回路
4 サブアレーアンテナ
5 受信機
6 信号処理器
7 不要波
Claims (6)
- 複数個の素子アンテナ、該複数個の素子アンテナにそれぞれ接続される移相器および該移相器の出力信号を合成する給電回路を有して構成される複数個のサブアレーアンテナと、該サブアレーアンテナに接続される複数個の受信機と、該複数個の受信機に接続される信号処理器と、を備えたアレーアンテナ装置において、
前記複数個の素子アンテナが複数の同心円上に配列され、かつ、前記サブアレーアンテナの少なくとも一つが、一の同心円上に配列された素子アンテナと該一の同心円に隣接する同心円上に配列された素子アンテナとを適宜組み合わせて構成されることを特徴とするアレーアンテナ装置。 - 前記同心円上に配列された素子アンテナ同士の間隔が同心円ごとに異なっていることを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ装置。
- 前記複数の同心円上に配列される素子アンテナ数が各奇数個であることを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ装置。
- 前記素子アンテナが配列される複数の同心円における最内同心円半径と相隣接する同心円間隔とが異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のアレーアンテナ装置。
- 前記サブアレーアンテナを構成する素子アンテナ数が、全てのサブアレーアンテナで同一であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のアレーアンテナ装置。
- 前記複数個の受信機に接続される信号処理器を複数個で構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のアレーアンテナ装置。
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