JP2006073801A - 誘電体窓曇り防止型プラズマ処理装置 - Google Patents

誘電体窓曇り防止型プラズマ処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 プラズマ処理装置において、処理中に生じる飛散物が透過窓に付着して堆積し、徐々に曇りが生じてしまうことを防止し、常時正確な光学測定を透過窓を介して行うことを可能とする。
【解決手段】 高周波電流が供給される励起補助電極を設け、その作用部を誘電体窓に近接して配置する。作用部の形状と配置位置を適切に設定することにより、スパッタ効果が生じ、透過窓に飛散物が堆積することがなく、曇りが生じることを防止することができ、プラズマ処理を行いながら、正確な光学測定を連続して行うことができ、被処理物の状態を常時知ることができる。励起補助電極は、励起コイルに直列に接続するようにしてもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反応室の外部から光学測定を行うための、光透過性を有する誘電体窓を備えたプラズマ処理装置に関する。特に、その誘電体窓に付着物が徐々に堆積し、曇りが生じることを防止したプラズマ処理装置に関する。
近年のマイクロマシン製造技術の高度化により、プラズマ処理装置において、処理対象物表面のエッチング深さをリアルタイムで測定することが行われている。この測定技術の一例としては、レーザ干渉等を用いた光学測定があり、反応室の一部に設けられた誘導体窓の外部からレーザを入射し、エッチング深さを測定する。また、他の技術としては、プラズマ発光分析測定があり、反応室内部で発生したプラズマから生じた光を誘導体窓の外部で測定することにより、エッチング深さをリアルタイムで測定する。これらいずれの方法でも、光学測定器が反応室の外部に設置され、レーザや光が誘電体窓を透過することによって計測が行われるため、正確な測定を行うためには、誘導体窓の光の透過率は常に高く、且つ一定であることが望ましい。
ところが、プラズマ処理装置を使用していると、エッチング処理時や成膜処理時に処理対象物等から発生する飛散物や成膜微粒子等が反応室内面に付着して堆積し、反応室内を汚染することがある。例えば、処理対象物として二酸化珪素(SiO2)をエッチングする場合、フッ化炭素系(CF)のガスが反応性ガスとして用いられるが、このようなガスはプラズマ重合反応でフッ化炭素系高分子((CF2)n)を生じやすい。そして、これらは特にイオン衝撃の少ないアノード側電極表面や、反応室内面に堆積する。
これらの飛散物は誘導体窓にも付着して堆積する。これらが堆積することに伴って、誘導体窓の光透過率は低下してゆくので、測定の初期と終期では誘導体窓の光透過率が変化する。従って光学測定を行う場合に、正確な測定を連続して行うことができなくなってしまう。
そこで、これまでに、このような飛散物が反応室内部で堆積することへの対策が考えられてきた。例えば特許文献1には、光透過窓が曇ることを防止するための複数の保護窓と、保護窓の曇りを除去するエッチングチャンバを備えた光励起プロセス装置が開示されている。一つの保護窓が曇ると、それがエッチングチャンバへ移動し、ドライエッチング処理が施されるとともに、既に再生処理されて透明となった他の保護窓が新たに光透過窓に移動する。これにより、励起光の透過時の損失を減少させることができる。
また、特許文献2や特許文献3では、真空チャンバの上部の天板を浮遊電極とした反応性イオンエッチング装置が開示されており、この浮遊電極に高周波電流を印加すると、天板に負のバイアスが発生し、常に上部天板が正イオンによって衝撃されるようになり、その結果、天板への膜の付着が抑制される。
特開平6-235068号公報 特開2002-343775号公報([0010]) 特開2003-109947号公報([0014])
引用文献1の構成では、保護窓が曇ること自体を防止しているわけではないため、保護窓における光透過率は徐々に低下してしまう。そのうえ、保護窓を交換する間には処理や計測を一旦停止しなければならず、連続的な光学測定を行うことはできない。また、引用文献2及び3の構成では、天板全体が電極となるため、それに近接する誘導コイルとの高周波磁場の干渉を抑制しなければならず、装置が複雑化してしまい、コストがかかるという問題がある。そして、電極である天板の一部に窓を形成する場合には、その窓の部分で磁場の乱れが生じてしまう恐れもある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、反応室上部に誘導体窓を有するプラズマ処理装置において、誘導体窓に飛散物が付着して堆積し、その光透過率が経時的に低下することを防止することにより、正確な光学的な測定を連続的に行うことを、装置の複雑化やコストの上昇を回避しつつ実現することである。
上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本願発明者らは高周波電圧が印加される励起補助電極を設け、その一部である作用部を誘導体窓の近傍に配置することにより、誘導体窓の内部に飛散物が堆積することを防止することに想到した。
このような考察に基づいて成された本発明に係るプラズマ処理装置は、高周波電源に接続される励起コイルを反応室の外部に有し、光透過性を有する誘電体窓を反応室の一部に備えるプラズマ処理装置であって、高周波電源に接続される励起補助電極が反応室の外部に設けられ、該励起補助電極の一部である作用部が前記誘電体窓の表面に近接して配置されることを特徴とする。
本発明に係るプラズマ処理装置によれば、プラズマ処理時に反応室内部で誘導体窓に飛散物が付着し、徐々に曇りが生じてしまうことを防止することができる。そのため、誘導体窓を通して光学的に処理対象物表面のエッチング深さ等の測定を行う場合に、常時正確な測定を行うことができる。更に本発明は、高周波電圧が印加される励起補助電極を設け、その一部である作用部を誘導体窓の近傍に配置するという極めて単純な構成によって実現することができるため、最小限のコストで実施することが可能である。
まず、本発明のプラズマ処理に用いられる励起コイル及び励起補助電極について説明する。励起コイルは反応室内部の気体をプラズマ化させることが可能な、1重円環状、2重又は多重コイル状等、従来よりプラズマ処理装置に用いられるものであればよいが、とりわけ特開平9−228056号に記載されているような、周辺部から中心部にかけて徐々に被処理物から離れるような渦巻形状を有するものを好適に使用することができる(図2)。ここにおいて、更に、同文献に記載されているような、この励起コイルと誘電体窓との距離を調節する機構を設けることもできる。更に、このコイルの中心部の高さを上下させる機構を設けることにより、励起コイルの下部の平面において磁場の均一化、すなわちプラズマ密度の均一化を容易に実現することができるようになる。
励起補助電極は高周波電源に接続され、その励起補助電極の一部が、誘電体窓に近接して配置される。本願では、この誘電体窓に近接して配置される励起補助電極の一部を作用部と呼ぶ。この作用部に高周波電流が供給されると、磁場が発生し、反応室内でスパッタ効果が生じる。このことにより、飛散物や高分子等が誘導体窓内面に付着したとしても、その付着物が除去され、その結果、誘電体窓の曇りが防止される。このような曇り防止作用を十分に発揮させるには、好ましくは作用部は誘電体窓の表面から5mm〜30mmの距離に配置されるようにする。
この励起補助電極を構成する線材は励起コイルと同一のものを用いてもよいし、異なる形状・材料のものを用いてもよい。しかし、この励起補助電極のうち少なくとも作用部は、図3(a)に示すように平板状とすることが望ましい。こうすることにより、作用部を流れる高周波電流によって発生する磁場が、効率良く誘導体窓を介して反応室内に導入されるようになる。
励起補助電極用の高周波電源として専用の電源を設けてもよいが、励起コイル用の高周波電源をそのまま用いてもよい。この場合、励起補助電極と励起コイルを共用電源に対して直列・並列のいずれの方法で接続してもよいが、直列接続の方が反応容器内のプラズマが安定しやすい。且つ、並列接続の場合には電源の電圧がそのまま補助電極に印加されることになるので、補助電極からの放電を防止するため、コンデンサを介挿して電圧を調整しなければならない。このような理由からも直列接続の方が望ましい。直列接続の場合には、励起補助電極は励起コイルの高周波電源側端に接続することが望ましい。この場合、他端に接続したときよりも高周波電力が強くなるため、より大きなスパッタ効果を得ることができる。
また、本発明に係るプラズマ処理装置では、前記誘電体窓の反応室側内面には光不透過性の保護シートを配置し、該保護シートの一部には光透過性を有する透過窓を備えるようにしてもよい。この透過窓の大きさは、エッチング深さ等の測定のために必要な光が透過できる程度であれば十分である。これにより、曇り防止の対策を講じなければならない領域を最小限とすることができる。この場合、作用部は反応室の外部において、この透過窓の近傍に配置する。
以下、本発明の一実施例であるプラズマ処理装置の構成について図1に基づき詳細に説明する。
密閉された反応室11中には平板状の下部電極12が設けられ、下部電極12はバイアス用交流電源13に接続されている。反応室11の上面は誘電体窓14で構成される。この誘電体窓14を構成する材料は石英、サファイア、フッ化カルシウム等の光及び電磁波透過性を有する物質から選択することができる。そして、誘電体窓14の下面(反応室側内面)には、誘電体窓自体がエッチングされるのを防ぐための保護シート31が配置される。この保護シート31は酸化アルミニウム等の耐スパッタ性が高く、且つ酸化物が発生しにくい物質から成る。更に、保護シート31の一部には、サファイア等、光及び電磁波透過性を有する材料から成る透過窓32が形成される。
誘電体窓14の直上(反応室11の外部)には励起コイル15が、反応室内に載置される被処理物20と平行になるように配置されている。励起コイル15は前記の渦巻形状を有する励起コイルである。励起コイル15は例えば銅管により構成されるが、その線形状は下記励起補助電極と同様に中空平板状でもよい。その両端は、コイル15に高周波電流を流すための高周波回路17と、コイル15内部に冷却水を流通させるための冷却水供給装置18とに接続されている。そして、図示せぬ位置調節機構によって、励起コイル15と前記誘電体窓の間の距離を調節することができ、反応室内におけるプラズマの密度等を適切に設定することができる。なお、図1に示した高周波回路17は一例であり、その他種々の励起回路を用いることができる。
励起補助電極40は、図1に示されているように、高周波電流印加側において励起コイル15に直列に接続される。誘電体窓14が石英から成り、その厚みが20〜25mmの場合、作用部41は、誘導体窓から5〜30mmの距離で、窓に平行に配置される。作用部41と誘電体窓14との距離が5mmより小さいと、誘電体窓14へのスパッタ効果が大きくなり曇り防止効果は高くなるものの、反応室内部で被処理物20へのイオンの入射が減少するため、被処理物20の処理均一性が低下し、距離が30mmよりも大きいと、誘電体窓14へのスパッタ効果が減少し、曇り防止効果を十分に得ることができなくなる。
上記距離は被処理物20の種類によって適宜変化させる。例えば本実施例の構成の場合、被処理物20が主にイオン種でエッチングするSiO2等の場合には、上記距離は近すぎるとエッチングレートが低下してしまうため15mm以上が適当であり、ラジカル種でエッチングするSi等の場合には、上記距離は比較的近くてもエッチングレートが低下することがないため5mm以上とする。また、誘電体窓14の厚みが変化すれば、作用部41の誘電体窓からの距離もそれに応じて変化させる必要が生じるが、誘電体窓14の誘電率は空気のそれよりも数倍高いため(例えば石英の比誘電率は3.8)、誘電体窓14の厚みの変化に対する上記距離の調整量は、比較的僅かで済む。
作用部41の形状について、図3により説明する。作用部の形状は図3(a)に示すように単なる平板状とすることもできるが、図3(b)に示されるような同心円状の孔を有する円形部を有する形状や、図3(c)のような長辺の一辺に開口する円孔を有する形状、または図3(d)のようなコ字状屈曲部を有するような形状としてもよい(以下、(b)の形状をO形状、(c)をC形状、(d)をコ字形状とする。)。作用部41の形状をこのようにすることにより、図3(a)のような平板形状とは異なり、透過窓を塞いでしまうことがないため、光学測定用のレーザー等を誘導体窓内面に導入しやすく、また、プラズマから発生した光を誘導体窓外部で受光しやすくなる。すなわち、光学測定器の設置が容易になる。
作用部41が図3(c)、(d)のように上下非対称に形成されている場合には、この作用部の非直線部分(中央部分)を流れる電流の向きと、励起コイル内の電流の向きが一致するように、作用部を配置することが重要である。ここで、渦巻形状に形成された励起コイル15においては電流が時計回りに流れており、図3において描かれる作用部においては左側から右側に電流が流れる場合を考える。作用部の中央部分における電流は、矢印で示すように、図3(c−1)では反時計回りの流れとなり、図3(c−2)では時計回りの流れとなる。このとき、励起コイル15で生じる磁場と図3(c−1)の作用部41の中央部分で生じる磁場が打ち消し合う。そうすると、反応室11内部で十分なスパッタ効果が生じなくなり、透過窓に生じる曇りを確実に防止することができなくなる。一方、図3(c−2)や(d)の形状の作用部では、励起コイル15で生じる磁場を打ち消すことはなく、エッチングレートの低下が生じることなく誘電体窓内面の曇り防止を行うことが可能となる。
このプラズマエッチング理装置10を使用する方法は次の通りである。まず下部電極12の上面に被処理物20を載置し、反応室11内の空気を排出する。その後、反応室11内に、被処理物20に対して反応性を有するガスを所定圧力となるまで入れ、コイル15に高周波電流を流す。これにより、反応室11内の被処理物20の上部にシート状のプラズマ雲21が形成され、下部電極12に印加されたバイアス電圧により、プラズマ21中のイオンが被処理物20の表面に衝突する。このバイアス電圧を制御することにより、イオンの衝突エネルギーの最適化を行なう。エッチング処理中には、誘電体窓14の上部に設置される光学測定器19によって被処理物20のエッチング深さ等の表面状態が常時測定されるが、作用部41の作用であるスパッタ効果によって透過窓32が曇ることはなく、連続的に正確な計測を行うことができる。
[実験例1]
本願発明に係るプラズマ処理装置の効果を実証するために、本願発明者らは以下のような実験を行った。まず、スパッタ効果を確認することを目的として、次の実験を行った。
励起コイルの高周波電流印加側端に励起補助電極を接続し、厚さ25mmの石英から成る誘電体窓上において、作用部がその窓の平面に平行になるように配置されたプラズマエッチング処理装置を用いた。作用部の幅Aは30mmとした。励起コイルは周辺部から中心部にかけて徐々に被処理物の表面から離れるように形成された渦巻形状型コイルであった。また、誘電体窓の直下には、厚さ1mmの酸化アルミニウム製の保護シートを配置し、その保護シートの中央部分には、厚さ0.5mmのサファイアから成る透過窓を設けた。そしてエッチングガスとして、アルゴンを50sccm、及びSF6を10sccmとした混合ガスを用いた。このSF6はデポ性の高いガスであるが、ここでは透過窓への飛散物の付着量を測定するために用いた。反応室内圧力は0.6Paとなるように調節した。ICP(Inductively Coupled Plasma)電力は500W、バイアス電力は200W、エッチング時間は15分間とした。
上記設定において、表1(図4)の各条件でエッチング処理を行い、次の二点に関して測定及び観測を行った。
(1)透過窓の下面に両面テープ(カーボン製)で貼付けられたシリコン板の厚さを測定し、予め測定しておいた処理前の厚みと比較することによるエッチング量を測定する
(2)堆積物の付着量を目視し、透過窓の曇りを観測する
なお、本実験における実験2、3では、コ字形状作用部(図3(d))を流れる電流の向きが励起コイルを流れる電流の向きと一致するようにコ字形状作用部を設置した。
[結果及び考察]
本実験の結果を図4(表1)に示す。比較例として、従来の構成と同一である、励起補助電極を有さない励起コイルを用いて実験を行った(比較例1)。これによると、シリコン板のエッチング量は0.78μmであり、透過窓には曇りが生じた。すなわち、従来の構成では、透過窓付近ではスパッタ効果がほとんど生じていないことが確認された。
各実験の結果は以下のようであった。
実験1:誘電体窓との距離が5mmであるO形状作用部(図3(b))の場合、透過窓に曇りは発生しなかった。また、エッチング量が14.4μmであったことからも、スパッタ効果が生じていることが確認された。
実験2:誘電体窓との距離が5mmであるコ字形状作用部(図3(d))の場合でも同様に、透過窓の曇りは発生しなかった。エッチング量は15.3μmであった。
実験3:誘電体窓との距離が15mmであるコ字形状作用部の場合、エッチング量が0.8μmであり、実験2の場合と比較して低下した。また、透過窓には曇りが少し生じた。
本実験の結果より、作用部を誘電体窓の近傍に配置した場合、その作用部の形状がO形状かコ字形状かには関わりなくスパッタ効果が生じ、透過窓の曇りが防止されることが確認された。そして、実験3の結果からは、作用部と誘電体窓との距離が大きくなると、スパッタ効果が低下し、透過窓に曇りが発生することが確認された。
[実験例2]
続いて、被処理物のエッチングレートと面内均一性の確認を行うことを目的として、次の実験を行った。
前記実験と同様、厚さ25mmの石英から成る誘電体窓上において、励起コイルの高周波電流印加側端に励起補助電極を接続し、作用部が窓の平面に平行になるように配置されたプラズマエッチング処理装置を用いてエッチング処理を行った。作用部の幅Aは30mmとした。励起コイルは、周辺部から中心部にかけて徐々に被処理物の表面から離れるように形成された渦巻形状型コイルであった。また、誘電体窓の直下には、厚さ1mmの酸化アルミニウム製の保護シートを配置し、その保護シートの中央部分には、厚さ0.5mmのサファイアから成る透過窓を設けた。エッチングガスとして、アルゴンを50sccm、及び実験例1と同じくデポ性の高いCHF3を50sccmとした混合ガスを用いた。反応室内圧力は1.0Paとなるように調節した。ICP電力は200W、バイアス電力は100W、エッチング時間は5分間とした。そして、被処理物として直径6インチ(152.4mm)の熱酸化膜シリコン基盤を反応室内の下部電極の上面に載置した。
エリプソメータ(型番ESM01A、ULVAC社製)を用いて、基盤の中央の1点、基盤中央から17.5mmの円周上の4点、及び基盤中央から35mmの円周上の4点の合計9点においてエッチング処理前後の基盤厚さを測定し、これら9点の平均値を算出してエッチングレート値とした。また、測定された9点のうち、最大値と最小値の差を前記平均値を2倍した値で除して得られる値を均一性値として算出した。
上記設定において、表2(図5)の各条件でエッチング処理を行った後、次の三点に関して測定及び観測を行った。
(1)エッチングレート値を測定する
(2)均一性値を測定する
(3)堆積物の付着量を目視し、透過窓の曇りを観測する
なお、本実験において、図3(c−1)の中央部分の開口部周辺における電流の向きは励起コイルを流れる電流の向きと反対であり、図3(c−2)及びコ字形状作用部(図3(d))は、中央部分における電流の向きと励起コイルの電流の向きが一致するように各作用部を設置した。
[結果及び考察]
本実験の結果を図5(表2)に示す。比較例として、従来の構成と同一である、励起補助電極を有さない励起コイルを用いて実験を行った(比較例2)。これによると、エッチングレート値は89.5nm/min、均一性値は6.20%であった。透過窓には曇りが生じた。
励起補助電極を設置した各実験の結果は以下のようであった。
実験4:ストレート形状の作用部(図3(a))では、透過窓に曇りが発生しない。
実験5:O形状作用部(図3(b))では透過窓に曇りは発生しないが、エッチングレート値の低下がみられた。これは、この作用部の形状に基づいて磁界が発生し、励起コイルの磁界との打消しが発生したためと考えられる。
実験6:C形状作用部のうち図3(c−1)の形状では、エッチングレート値、均一性値ともに低下した。この形状では磁界の打消しが発生するためと考えられる。
実験7:C形状作用部のうち図3(c−2)の形状では、比較例2とほぼ同様のエッチングレート値が得られ、均一性値は比較例2よりも向上した。透過窓の曇りはほとんどないが、若干の堆積物が付着していた。
実験8:誘電体窓から5mmの距離に配置されたコ字形状作用部では、比較例2とほぼ同様のエッチングレート値が得られ、均一性値は比較例2よりも向上した。また、透過窓の曇りもなかった。
実験9:誘電体窓から15mmの距離に配置されたコ字形状作用部では、上記実験8と同様に、比較例2とほぼ同様のエッチングレート値が得られ、均一性値も比較例2より向上した。しかし、透過窓に若干の曇りがみられた。作用部の誘電体窓からの距離を5mmから15mmにすると、エッチングレートは向上するが、窓の曇り防止効果は低減してしまうと言える。
これらの実験より、励起補助電極の作用部を誘電体窓上部に配置することにより、透過窓の曇りを防止することができることに加えて、作用部の形状をC型やコ字形状等の形状とし、これらを流れる電流の向きが、励起コイルを流れる電流の向きと一致するように配置するならば、励起補助電極を設置しない従来の構成と比較しても、被処理物のエッチングレートや処理の均一性を低下させることなく、透過窓の曇りの防止を実現できることが確認された。
また、本願発明者らは、同一の励起補助電極を用いて実験を行い、その作用部を誘電体窓に近づければ曇り防止効果が強くなるが、近づけ過ぎると被処理物の処理均一性が低下することを見いだした。その理由は、作用部が誘電体窓に接近していると、反応室内のイオン成分が誘電体窓側に引き寄せられてしまい、下部基盤へのイオン入射が減少するためと考えられる。これらの結果に基づき、作用部の位置は、誘電体窓から5mm〜30mm程度が最適であることが明らかとなった。
なお、本発明のプラズマ処理装置は本明細書中で説明したプラズマエッチング装置に限られず、プラズマCVD装置、プラズマ表面処理装置等、プラズマ処理を行うあらゆる装置に適用することが可能である。
本発明の一実施例であるプラズマエッチング装置の概略構成図。 渦巻形状型励起コイルの一例の概念図。 本発明に係る励起補助電極の作用部の平面図。 実験例1の実験条件及び結果を示す表。 実験例2の実験条件及び結果を示す表。
符号の説明
10…プラズマエッチング装置
11…反応室
12…下部電極
13…バイアス用交流電源
14…誘電体窓
15…励起コイル
17…高周波回路
19…光学測定器
20…被処理物
21…プラズマ雲
31…保護シート
32…透過窓
40…励起補助電極
41…作用部

Claims (9)

  1. 高周波電源に接続される励起コイルを反応室の外部に有し、光透過性を有する誘電体窓を反応室の一部に備えるプラズマ処理装置であって、
    高周波電源に接続される励起補助電極が反応室の外部に設けられ、該励起補助電極の一部である作用部が前記誘電体窓の表面に近接して配置される
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記励起補助電極が励起コイルの高周波電源側端に直列に接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記誘電体窓の反応室側内面に光不透過性の保護シートが配置され、
    該保護シートの一部に光透過性を有する透過窓が備えられている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記作用部が平板状であって、同心円状の孔を有する円形部を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記作用部が平板状であって、長辺の一辺に開口する円孔を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記作用部が平板状であって、コ字状屈曲部を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記作用部が、開口部周囲を流れる電流の向きが励起コイルを流れる電流の向きと一致するように配置されている
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載のプラズマ処理装置。
  8. 長辺の一辺に開口する円孔を有する平板状の励起補助電極を備える
    ことを特徴とするプラズマ処理装置用励起コイル。
  9. コ字状屈曲部を有する平板状の励起補助電極を備える
    ことを特徴とするプラズマ処理装置用励起コイル。
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