JP2006073267A - 透明導電膜および透明導電膜の製造方法ならびに色素増感太陽電池 - Google Patents

透明導電膜および透明導電膜の製造方法ならびに色素増感太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 所望のヘーズ率を有する透明導電膜およびその製造方法、とりわけヘーズ率の高い透明導電膜およびその製造方法およびこれを用いた色素増感太陽電池を提供する。
【解決手段】 膜厚300nm以上のITO膜において、(400)面に強配向し、ヘーズ率が3.5%以上70%以下である透明導電膜を用いる。濃度が0.3mol/l〜1mol/lの出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜することにより、(400)面に強配向したITO膜を製造することができる。選択図には得られたITO膜のX線回折法による回折強度のグラフの一例を示し、ITOの(400)面に対応する強いピークが観測されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、結晶配向性が制御された透明導電膜および透明導電膜の製造方法ならびに色素増感太陽電池に関する。
透明性と導電性を併せ持つ透明導電膜は、液晶表示素子や太陽電池の透明電極として近年注目されてきている。なかでも、酸化インジウムに数%のスズをドープしたインジウム・スズ・オキサイド(Indium−Tin−Oxide。以下、ITOと略記する。)は、優れた透明性と導電性を備える透明導電膜の形成に好適である。液晶表示素子に使用されるITO膜は、ヘーズ率が低いことが望ましく、優れた平坦性が求められる。これに対して、太陽電池に使用される透明電極は、入射光を逃さないために表面を粗くしてヘーズ率を高くすることが望ましい。例えば非特許文献1には、太陽電池用の透明導電膜(TCO)の凹凸形状と光閉じ込め効果の関係、ヘーズ率、セル特性等に関する検討が記載されている。
大木和樹、外8名、「高い光閉じ込め効果を有する透明導電膜基板上へ形成されたSi系薄膜太陽電池」、2002年(平成14年)春季 第49回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集、No.2、第927頁、講演番号29a−X−10
従来からITO透明導電膜の成膜方法としてはスパッタリング法が主流である。この製造方法で得られるITO膜は、優れた平坦性をもち、液晶表示素子用として有用である。しかし、スパッタリング法では成膜速度が遅く、300nm以上の厚膜化が困難であり、一般的に得られる最上級の性能で、シート抵抗10Ω/□前後、膜厚300nm以下、ヘーズ率2%以下、透過率90%程度であった。このときの結晶配向性は、(222)または、際立った配向性を持たないものが観測されている。スパッタリング法によるITO膜は、色素増感太陽電池などの太陽電池に用いるには表面粗性とヘーズ率が共に不十分であった。このため、ヘーズ率の高いITO膜を得る方法が求められている。
また、液晶表示素子などの製造工程においては、ヘーズ率の低いITO膜を低コストにて歩留まりよく製造することが必要である。また、透光性、防眩性、色調等の各種機能性を用途や目的に応じて発揮するため、透過率やヘーズ率などの特性を調整して製造可能であることが望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、所望のヘーズ率を有する透明導電膜およびその製造方法、とりわけヘーズ率の高い透明導電膜およびその製造方法を提供することを課題とする。また、特性の優れた色素増感太陽電池を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、膜厚300nm以上のITO膜において、(400)面に強配向し、ヘーズ率が3.5%以上70%以下であることを特徴とする透明導電膜を提供する。
また、本発明は、膜厚300nm以上のITO膜において、際立った配向性を持たず、ヘーズ率が2%以下であることを特徴とする透明導電膜を提供する。
また、本発明は、膜厚300nm以上のITO膜において、(222)面に強配向し、ヘーズ率が2.5%以上4%以下であることを特徴とする透明導電膜を提供する。
また、本発明は、濃度(mol/l)が0.3〜1の出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜し、(400)面に強配向したITO膜を形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法を提供する。
また、本発明は、濃度(mol/l)が0.15〜0.25の出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜し、際立った配向性を持たないITO膜を形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法を提供する。
また、本発明は、濃度(mol/l)が0.125以下の出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜し、(222)面に強配向したITO膜を形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法を提供する。
また、本発明は、透過率が70%以上であり、ヘーズ率が10%以上であるITO膜を透明電極としたことを特徴とする色素増感太陽電池を提供する。
本発明の請求項1に記載の透明導電膜によれば、(400)面に強配向したITO膜からなり、十分な膜厚を有して比抵抗が低く、導電性に優れる上、十分な透過率を有し、しかもヘーズ率が高い透明導電膜を得ることができる。
本発明の請求項2に記載の透明導電膜によれば、際立った配向性を持たないITO膜からなり、十分な膜厚を有して比抵抗が低く、導電性に優れるとともに、透過率が高く、ヘーズ率が低い透明導電膜を得ることができる。
本発明の請求項3に記載の透明導電膜によれば、(222)面に強配向したITO膜からなり、十分な膜厚を有して比抵抗が低く、導電性に優れるとともに、適度なヘーズ率と透過率とを兼ね備える透明導電膜を得ることができる。
本発明の請求項4に記載の透明導電膜の製造方法によれば、(400)面に強配向したITO膜からなり、比抵抗が低く、導電性に優れるとともに、十分な透過率を有し、しかもヘーズ率が高い導電膜を得ることができる。
本発明の請求項5に記載の透明導電膜の製造方法によれば、際立った配向性を持たないITO膜からなり、比抵抗が低く、導電性に優れるとともに、透過率が高く、ヘーズ率が低い導電膜を得ることができる。
本発明の請求項6に記載の透明導電膜の製造方法によれば、(222)面に強配向したITO膜からなり、比抵抗が低く、導電性に優れるとともに、適度な透過率とヘーズ率とを兼ね備える導電膜を得ることができる。
本発明の色素増感太陽電池によれば、導電性や光透過率に優れるITO膜を透明電極とすることにより、光電変換効率の優れた色素増感太陽電池を得ることができる。
以下、実施の形態に基づいて本発明を詳しく説明する。
本形態例では、スプレー熱分解法(SPD法;Spray Pyrolysis Deposition)を用いてITO膜を透明基材上に形成する。このSPD法とは、出発原料液を加熱された基材上に噴霧し、基材上で熱分解反応を起こして生成される酸化物を基材表面に成長させてゆく薄膜形成方法の1種である。SPD法には、減圧雰囲気が不要で、装置構成が簡易なことから、製造コストを安く抑えることが可能という利点がある。
今回、後述するように、スプレー熱分解法を用いて厚膜化に成功し、出発原料液の濃度を変化させることによって厚膜の状態で結晶配向性を制御した。以下、本発明の透明導電膜およびその製造方法について、詳しく説明する。
基材としては、例えば、ソーダガラス、耐熱ガラス、石英ガラスなどのガラスからなる厚さが0.3〜5mm程度のガラス板が好適に用いられる。
SPD法によって、ITO膜を形成するには、インジウム(In)およびスズ(Sn)を含有する適当な原料化合物(例えばInCl及びSnCl)と、溶媒(例えばエタノール等)とを混合して出発原料液を調製し、加熱された基材に向けて前記出発原料液を噴霧することで原料化合物を基材上で熱分解させ、ITO膜を成長させる。
本発明により得られるITO膜においては、特性向上等のため、必要に応じてFTO膜など、他の透明導電膜を積層することもできる。例えばITO膜の上に、耐熱性や耐薬品性の優れるFTO膜を薄く積層すると、ITO膜による導電性や光透過性とともにFTO膜による耐熱性や耐薬品性を得ることができるので、好ましい。
FTO膜等の他の導電膜を成膜する方法としては、スプレー熱分解法が好適である。スプレー熱分解法によれば、異なる種類の導電膜を一つの製造装置内で連続して形成することができるため、コスト削減や歩留まり向上などの点で優れている。
本発明の第1の形態においては、(400)面に強配向したITO膜を製造するため、出発原料の濃度が0.3〜1mol/lの出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜する。これにより、(400)面に強配向したITO膜を選択的に製造することが可能となる。ここで、(400)面に強配向したITO膜とは、そのX線回折パターンにおいて(222)面による回折ピークと(400)面による回折ピークを有し、(400)面による回折ピークが最強回折強度となっており、かつ、(222)面による回折ピークの強度が(400)面による回折ピークの強度の5%未満であるものをいう。
(400)面に強配向したITO膜は、比抵抗が低く、導電性に優れるとともに、十分な透過率を有し、しかもヘーズ率が高いという優れた特性を示す。このため、色素増感太陽電池用の透明電極として用いると光閉じ込め効果により光電変換効率を向上させることができるので、好ましい。
第1形態例に係るITO膜のヘーズ率は、好ましくは、3.5%以上70%以下である。これにより、透明導電膜として優れた特性が得られる。色素増感太陽電池用の透明電極としては、透過率が70%以上、かつ、ヘーズ率が10%以上であることが望ましい。
第1形態例に係るITO膜の膜厚は、スプレー熱分解法によれば、厚膜化が可能である。シート抵抗を低下させるため、厚膜にすることが望ましい。好ましい膜厚は300nm以上である。より好ましい膜厚は、500nm以上である。さらに好ましい膜厚は800nm以上である。ITO膜のシート抵抗は、2Ω/□以下が望ましい。
本発明の第2の形態においては、際立った配向性を持たないITO膜を製造するため、出発原料の濃度が0.15〜0.25mol/lの出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜する。ここで、際立った配向性を持たないITO膜とは、そのX線回折パターンにおいて(222)面による回折ピークと(400)面による回折ピークとを有し、(222)面による回折ピークの強度と(400)面による回折ピークの強度との比が、5:100〜100:7.5の範囲内であるものをいう。
際立った配向性を持たないITO膜は、比抵抗が低く、導電性に優れるとともに、透過率が高く、ヘーズ率が低いという優れた特性を示す。このため、液晶表示素子用の透明導電膜など、各種分野に利用することができる。
第2形態例に係るITO膜のヘーズ率は、好ましくは、2%以下である。
第2形態例に係るITO膜の膜厚は、スプレー熱分解法によれば、厚膜化が可能である。シート抵抗を低下させるため、厚膜にすることが望ましい。好ましい膜厚は300nm以上である。より好ましい膜厚は、500nm以上である。さらに好ましい膜厚は800nm以上である。ITO膜のシート抵抗は、2Ω/□以下が望ましい。
本発明の第3の形態においては、(222)面に強配向したITO膜を製造するため、出発原料の濃度が0.125mol/l以下の出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜する。これにより、(222)面に強配向したITO膜を選択的に製造することが可能となる。ここで、(222)面に強配向したITO膜とは、そのX線回折パターンにおいて(222)面による回折ピークと(400)面による回折ピークを有し、(222)面による回折ピークが最強回折強度となっており、かつ、(400)面による回折ピークの強度が(222)面による回折ピークの強度の7.5%未満であるものをいう。
(222)面に強配向したITO膜は、比抵抗が低く、導電性に優れるとともに、適度な透過率とヘーズ率とを兼ね備えるので、例えば液晶表示素子や色素同感太陽電池などの各種の用途や目的に応じて採用することができるものであり、種々の産業分野において利用できるものである。
第3形態例に係るITO膜のヘーズ率は、好ましくは、2.5%以上4%以下である。
第3形態例に係るITO膜の膜厚は、スプレー熱分解法によれば、厚膜化が可能である。シート抵抗を低下させるため、厚膜にすることが望ましい。好ましい膜厚は300nm以上である。より好ましい膜厚は、500nm以上である。さらに好ましい膜厚は800nm以上である。ITO膜のシート抵抗は、2Ω/□以下が望ましい。
<ITO膜の製造>
図1は、本実施例において用いた製造装置の一例を示す模式図である。図1に示した製造装置1は、透明基材11の被成膜面11a上に透明導電膜12を設けてなる透明電極用基板10をスプレー熱分解法を用いて形成するものである。
透明基材11としては、例えば、ソーダガラス、耐熱ガラス、石英ガラスなどのガラスからなる厚さが0.3〜5mm程度のガラス板が好適に用いられる。
製造装置1は、基板11を載置する支持手段20と、透明導電膜12の原料溶液をスプレー状に噴射する吐出手段30と、吐出手段30と対向する位置に配される基板11との間の空間40を包み込むように配置されるフード50を具備している。なお、支持手段20は、基板11の被成膜面11aを所定の温度に保ちながら透明導電膜12を形成するため、基板11の加熱・保持・冷却機能を備えた温度制御手段21を内蔵している。吐出手段30は、例えばノズルである。温度制御手段21は、例えばヒータである。
製造装置1では、フード50が吐出手段30と対向する位置に配される基板11との間の空間40を包み込むように配置されているので、吐出手段30の吐出口31からスプレー状に噴射された透明導電膜の原料溶液は外気の影響を受けることなく、吐出口31から基板11に向かう放射状空間41に噴霧された状態を安定に保つことができる。換言すると、フード50はその内部空間40から装置1の外部へ原料溶液が飛散し、無駄な使用量が増加するのを防ぐ働きもする。これにより、従来構成の装置に比べて、原料溶液を透明導電膜の形成に有効に使用することができる。
ここで、上記構成からなる製造装置1を用いて透明電極用基板を製造する実施例について述べる。全ての工程は、大気雰囲気中において行った。
出発原料としては、塩化インジウム(III)四水和物(InCl・4HO、FW:293.24)と、塩化スズ(II)二水和物(SnCl・2HO、Fw:225.65)と、エタノールとを混合し、所定の濃度(下記の表1〜表6を参照)となるように溶解させて、原料化合物溶液を得た。
原料化合物溶液中、インジウム(In)とスズ(Sn)のモル比が95:5となるように調整した。これにより、ITO膜に含まれるInに対するSnドープ量が5%に固定される。
透明基材11を支持手段20の上に載置し、温度制御手段21で加熱した。このヒータ加熱により透明基材11が所定の温度になったところで、原料化合物溶液を、口径0.3mmのノズル30から、約0.06MPaの圧力で噴霧した。なお、ノズル30の吐出口31から透明基材11までの距離は600mmに調整した。本実施例では、成膜中の透明基材11の表面温度(製膜表面温度)は、温度制御手段21により約350℃に設定した。
これにより、透明基材11上に厚さが800nmのITO膜を形成し、透明電極用基板10を得た。
<色素増感太陽電池の製造>
上記透明電極用基板10を用いて色素増感太陽電池を構成する場合には、この透明電極用基板の透明導電膜上に、酸化チタンなどの酸化物半導体の微粉末からなるペーストを塗布し、次いで焼成することにより、多孔質の酸化物半導体膜を形成することにより、作用極を構成した。さらに、ルテニウムビピリジン錯体(N3色素)のエタノール溶液中に1晩浸漬して色素を担持させ、作用極を作製した。また、対極として、白金からなる電極層をスパッタ法により設けたFTOガラス電極基板を用意した。前記作用極の酸化物半導体多孔質層と前記対極の電極層との間に、レドックス対(I/I)を含有する電解質を挟み込むことにより、各ITO膜を透明電極とした色素増感太陽電池を作製した。
<(400)面に強配向したITO膜の評価>
表1は、濃度が0.3mol/l以上の出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜して得られた(400)面に強配向したITO膜の特性評価結果を示す。
表2は、濃度が0.3mol/l以上の出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜して得られた(400)面に強配向したITO膜のX線回折強度を示す。
図2は、濃度が0.5mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンの一測定例を示す。
図3は、濃度が0.4mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンの一測定例を示す。
図4は、濃度が0.3mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンの一測定例を示す。
Figure 2006073267
Figure 2006073267
表1、表2、図2〜図4の結果から、濃度が0.3mol/l以上の出発原料液を用いてITO膜をSPD法により成膜することにより、(400)面に強配向したITO膜が得られることがわかった。得られたITO膜の比抵抗は、いずれも1.2×10−4〜1.5×10−4Ω・cmの範囲内であり、シート抵抗は2Ω/□以下であって、良好な導電性を示した。
さらに、出発原料の濃度によって透過率やヘーズ率を変えることができることも分かった。透過率が70%以上であり、かつヘーズ率が10%以上であるときに、良好な光電変換効率を示すことがわかる。このことから、本発明によるITO膜を色素増感太陽電池の透明電極として用いる場合には、0.4〜0.75mol/lの濃度とした出発原料液を用いてITO膜を製造することが好ましい。
<際立った配向性を持たないITO膜の評価>
表3は、濃度が0.15〜0.25mol/lの出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜して得られた際立った配向性を持たないITO膜の特性評価結果を示す。
表4は、濃度が0.15〜0.25mol/lの出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜して得られた際立った配向性を持たないITO膜のX線回折強度を示す。
図5は、濃度が0.25mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンを示す。
図6は、濃度が0.2mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンを示す。
図7は、濃度が0.167mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンを示す。
図8は、濃度が0.15mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンを示す。
Figure 2006073267
Figure 2006073267
表3、表4、図5〜図8の結果から、濃度が0.15〜0.25mol/lの出発原料液を用いてITO膜をSPD法により成膜することにより、際立った配向性を持たないITO膜が得られることがわかった。得られたITO膜の比抵抗は、いずれも1.2×10−4〜1.5×10−4Ω・cmの範囲内であり、シート抵抗は2Ω/□以下であって、良好な導電性を示した。
ここで得られた際立った配向性を持たないITO膜は、いずれも透過率が高く(85%以上)、ヘーズ率が低い(2%以下)。このことから、例えば液晶表示素子などに用いられる透明導電膜として好適であると考えられる。
<(222)面に強配向したITO膜の評価>
表5は、濃度が0.125mol/l以下の出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜して得られたITO膜の特性評価結果を示す。
表6は、濃度が0.125mol/l以下の出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜して得られたITO膜のX線回折強度を示す。
図9は、濃度が0.125mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンを示す。
図10は、濃度が0.111mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンを示す。
図11は、濃度が0.1mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンを示す。
Figure 2006073267
Figure 2006073267
表5、表6、図9〜図11の結果から、濃度が0.125mol/l以下の出発原料液を用いてITO膜をSPD法により成膜することにより、(222)面に強配向したITO膜が得られることがわかった。得られたITO膜の比抵抗は、いずれも1.2×10−4〜1.5×10−4Ω・cmの範囲内であり、シート抵抗は2Ω/□以下であって、良好な導電性を示した。
ここで得られた(222)面に強配向したITO膜は、比較的透過率が高く(80%以上)、ヘーズ率が低い(約3%)。しかも色素同感太陽電池とした場合に、やや良好な光電変換効率(約5%)が得られた。
このことから、(222)面に強配向したITO膜は、例えば液晶表示素子や色素同感太陽電池などにおいて用途や目的に応じて採用することができるものであり、種々の産業分野において利用できるものである。
<総括>
以上の実施例から、スプレー熱分解法によってITO膜を成膜する際に、出発原料の濃度を変化させることにより、ITO膜の結晶配向性を、(400)面強配向、際立った配向性を持たないもの、(222)面強配向の3通りに制御できることが分かった。また、結晶配向性の違いによってITO膜の透過率やヘーズ率に差が得られた。本発明によって得られるITO膜は厚膜化が可能であるため、ヘーズ率が約1〜70%の幅広い範囲にわたっておりながら、シート抵抗はいずれも2Ω/□以下と、極めて優れた導電性を示した。
このことから、本発明の手法により、ITO膜の導電性を維持しながら、透過率やヘーズ率の異なるITO膜を作り分けることができることが分かる。本発明による結晶配向性の制御は、出発原料の濃度によってなされるので、実施が容易であり、高機能なITO膜の低コストな製造が可能になる。
本実施例において用いた製造装置の一例を示す模式図である。 濃度が0.5mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンである。 濃度が0.4mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンである。 濃度が0.3mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンである。 濃度が0.25mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンである。 濃度が0.2mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンである。 濃度が0.167mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンである。 濃度が0.15mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンである。 濃度が0.125mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンである。 濃度が0.111mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンである。 濃度が0.1mol/lの出発原料液を用いて成膜されたITO膜のX線回折パターンである。
符号の説明
12…ITO膜(透明導電膜)。

Claims (7)

  1. 膜厚300nm以上のITO膜において、(400)面に強配向し、ヘーズ率が3.5%以上70%以下であることを特徴とする透明導電膜。
  2. 膜厚300nm以上のITO膜において、際立った配向性を持たず、ヘーズ率が2%以下であることを特徴とする透明導電膜。
  3. 膜厚300nm以上のITO膜において、(222)面に強配向し、ヘーズ率が2.5%以上4%以下であることを特徴とする透明導電膜。
  4. 濃度(mol/l)が0.3〜1の出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜し、(400)面に強配向したITO膜を形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  5. 濃度(mol/l)が0.15〜0.25の出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜し、際立った配向性を持たないITO膜を形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  6. 濃度(mol/l)が0.125以下の出発原料液を用いてスプレー熱分解法により成膜し、(222)面に強配向したITO膜を形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  7. 透過率が70%以上であり、ヘーズ率が10%以上であるITO膜を透明電極としたことを特徴とする色素増感太陽電池。
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WO2008007469A1 (fr) 2006-07-13 2008-01-17 Central Japan Railway Company Fluide de revêtement, film mince conducteur formé à partir du fluide de revêtement, et procédé de formation de ce dernier
JP2010083700A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Dainippon Printing Co Ltd コバルト酸化物膜を有する積層体

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