JP2006073134A - サーボライタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 テープのパスを変えることなく、書込ヘッドの切り換えができるサーボライタを提供する。
【解決手段】 送出リール2から送り出したテープを巻取リール3で巻き取って走行させるテープ走行系と、送出リール2と巻取リール3の間に配設される書込ヘッド用回転体43と、書込ヘッド用回転体43にその外周へ向けて取り付けられ、前記テープに摺接してサーボ信号を書き込む複数の書込ヘッド41,42と、回転体43を回転させることで複数の書込ヘッド41,42のうち任意の書込ヘッドを前記テープのパス上に配置するように切り換えるステッピングモータ44とを有するサーボライタ1であって、回転体43の前記テープ走行方向上流側と下流側に固定され、前記任意の書込ヘッドの上流側と下流側の前記テープの幅方向の位置を正確に規制する書込ヘッド用のガイド部46,46を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気ヘッドをトラッキング制御するため、テープにサーボ信号を書き込むサーボライタに関する。
近年、磁気テープは、高密度記録化が進んでおり、コンピュータバックアップ用では200ギガバイト程度の記憶容量を有するものがある。このような磁気テープには幅方向に数百本のデータトラックが形成されていることから、データトラックの幅や隣接するデータトラック間の間隔が非常に狭くなっている。そのため、磁気ヘッドの記録/再生素子をデータトラックに正確にトレースさせるため、予め磁気テープにサーボ信号を書き込んでおき、磁気ヘッドでこのサーボ信号を読み取りつつ、磁気ヘッドの位置(磁気テープの幅方向の位置)をサーボ制御している(特許文献1参照)。
前記サーボ信号を書き込むサーボライタは、送出リールから送り出された磁気テープにサーボ信号を書き込む書込ヘッドと、書込ヘッドの下流側に設けられ、磁気テープに書き込まれたサーボ信号を検査のために読み取る検査ヘッドと、サーボ信号が書き込まれた磁気テープを巻き取る巻取リールとから構成されている。
このようなサーボライタは、磁気テープの品種によって多種多様であり、あるサーボライタを品種の異なる磁気テープに転用する場合は、書込ヘッド、検査ヘッドおよびそれらの回路等を、当該品種に対応したフォーマットに交換しなければならない。
そこで、その作業を容易に行うべく、本願出願人は、次のようなサーボライタを先に提案している(例えば、特許文献1参照)。このサーボライタは、一対のガイドとこのガイドに挟まれた書込ヘッドからなるヘッドユニットをターレット上に複数個載置し、このターレットを回転させることで、書込ヘッドの切り換えを容易に行えるようになっている。
特開2003−323704号公報(段落0010〜0013、図1)
しかしながら、前記従来技術のサーボライタでは、書込ヘッドと一対のガイドを一体に構成してターレット上に配置していたため、書込ヘッドを切り換えるたびにガイドが変わり磁気テープのパスも変わる。そのため、その都度、系の外側とガイドとのテープ規制の微調整が必要になるという問題があった。また、前記従来技術のサーボライタでは、書込ヘッドの切り換えの際、検査ヘッドを対応するものに交換しなければならず、手間がかかるという問題があった。
そこで、本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、テープのパスを変えることなく、書込ヘッドの切り換えができるサーボライタを提供することを第1の課題とする。また、書込ヘッドの切り換えに合わせて検査ヘッドの切り換えもできるサーボライタを提供することを第2の課題とする。
前記第1の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明は、送出リールから送り出したテープを巻取リールで巻き取って走行させるテープ走行系と、前記送出リールと前記巻取リールの間に配設される書込ヘッド用回転体と、前記書込ヘッド用回転体にその外周へ向けて取り付けられ、前記テープに摺接してサーボ信号を書き込む複数の書込ヘッドと、前記書込ヘッド用回転体を回転させることで複数の前記書込ヘッドのうち任意の書込ヘッドを前記テープのパス上に配置するように切り換える第1の切換手段とを有するサーボライタであって、前記書込ヘッド用回転体の前記テープ走行方向上流側と下流側に固定され、前記任意の書込ヘッドの上流側と下流側の前記テープの幅方向の位置を正確に規制する書込ヘッド用テープガイドを有することを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、テープの品種を変更するときは、第1の切換手段で書込ヘッド用回転体を回転させて、複数の書込ヘッドのうち任意の書込ヘッドがテープのパス上に配置されるように切り換える。テープは、書込ヘッドの上流側と下流側の書込ヘッド用ガイドに幅方向の位置を正確に規制され、前記任意の書込ヘッドに摺接しながら走行し、サーボ信号を書き込まれる。つまり、テープの位置を規制する書込ヘッド用ガイドは書込ヘッド用回転体とは別に固定されているので、テープのパスを変えることなく、書込ヘッドのみを切り換えることができる。そのため、書込ヘッド用ガイドを微調整する作業を省略することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のサーボライタにおいて、複数の前記書込ヘッドが前記書込ヘッド用回転体の外周から突出するように取り付けられているとともに、前記書込ヘッドを前記テープの摺接面に対して進退させるスライド機構を有することを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明による作用に加え、書込ヘッドをスライド機構でテープから後退させた後、切換手段で回転させ、再びスライド機構でテープの摺接面に向けて前進させる。すなわち、書込ヘッド用回転体から突出した書込ヘッドが書込ヘッド用ガイドに干渉しないように、書込ヘッド用回転体を回転させることができる。
前記第2の課題を解決するため、請求項3に係る発明は、前記書込ヘッド用回転体の前記テープ走行方向下流側に配設される検査ヘッド用回転体と、前記検査ヘッド用回転体にその外周へ向けて取り付けられ、前記テープに摺接してサーボ信号を検査する複数の検査ヘッドと、前記検査ヘッド用回転体を回転させることで複数の前記検査ヘッドのうち任意の検査ヘッドを前記テープのパス上に配置するように切り換える第2の切換手段とを有する請求項1または請求項2に記載のサーボライタであって、前記検査ヘッド用回転体の前記テープ走行方向上流側と下流側に固定され、前記任意の検査ヘッドの上流側と下流側の前記テープの幅方向の位置を正確に規制する検査ヘッド用テープガイドを有することを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、請求項1または請求項2に係る発明による作用に加え、テープの品種を変更するときは、第2の切換手段で検査ヘッド用回転体を回転させて、複数の検査ヘッドのうち任意の検査ヘッドがテープのパス上に配置されるように切り換える。テープは、検査ヘッドの上流側と下流側の検査ヘッド用ガイドに幅方向の位置を正確に規制され、前記任意の検査ヘッドに摺接しながら走行し、サーボ信号を検査される。つまり、テープの位置を規制する検査ヘッド用ガイドは検査ヘッド用回転体とは別に固定されているので、テープのパスを変えることなく、検査ヘッドのみを切り換えることができる。そのため、検査ヘッド用ガイドの微調整をする作業を省略することができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のサーボライタにおいて、複数の前記検査ヘッドが前記検査ヘッド用回転体の外周から突出するように取り付けられているとともに、前記検査ヘッドを前記テープの摺接面に向けて進退させるスライド機構を有することを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、請求項3に係る発明による作用に加え、検査ヘッドをスライド機構でテープから後退させた後、第2の切換手段で回転させ、再びスライド機構でテープの摺接面に向けて前進させる。すなわち、検査ヘッド用回転体から突出した検査ヘッドが検査ヘッド用ガイドに干渉しないように、検査ヘッド用回転体を回転させることができる。
請求項5に係る発明は、請求項3または請求項4に記載のサーボライタにおいて、前記第1の切換手段と前記第2の切換手段は前記テープの品種に対応して切り換えが連動していることを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、請求項3または請求項4に係る発明による作用に加え、第1の切換手段と第2の切換手段が連動しており、テープの品種に対応するようにいずれか一方を切り換えるときは他方も同時に切り換えられる。
請求項1および請求項2に係るサーボライタによれば、テープのパスを変えることなく、書込ヘッドの切り換えができるため、書込ヘッド用ガイドの微調整が不要となる。また、請求項3乃至請求項5に係るサーボライタによれば、検査ヘッドの切り換えも書込ヘッドの切り換えと同様に容易に行うことができ、かつ、検査ヘッド用ガイドの微調整も不要である。
次に、本発明の第1の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るサーボライタの構成図である。
サーボライタ1は、主に、送出リール2、巻取リール3、書込部4、検査部5、制御部6(図3参照)を備えている。また、サーボライタ1は、図示しない電源装置、巻取リール3の駆動装置、磁気テープMTをクリーニングするクリーニング装置、磁気テープMTの張力を所定値に調整するための張力調整装置T、磁気テープMTをガイドするためのガイドローラR、磁気テープMTの速度を一定に保つための速度検出装置を備えたキャプスタンモータMとピンチローラPR等も装備している。
送出リール2は、サーボ信号の書き込み前に幅広のウェブ原反から製品幅に裁断された磁気テープMTが大径巻のパンケーキでセットされており、サーボ信号の書き込み時に磁気テープMTを送り出す。送出リール2から送り出された磁気テープMTは、ガイドローラR等に案内されて、書込部4、検査部5に搬送される。そして、書込部4でサーボ信号が書き込まれた磁気テープMTは、検査部5で検査され、ガイドローラR等に案内されて巻取リール3まで搬送される。巻取リール3は、図示しない駆動装置に回転駆動され、サーボ信号が書き込まれた磁気テープMTを巻き取っている。
なお、送出リール2、巻取リール3を駆動する駆動装置、ガイドローラRが特許請求の範囲にいうテープ走行系に相当する。
図2は、書込部を底面側から見た斜視図である。
図2に示すように、書込部4は、第1の書込ヘッド41および第2の書込ヘッド42と、回転板43(書込ヘッド用回転体)と、この回転板43を回転させるステッピングモータ44(第1の切換手段)と、回転板43をスライドさせる図示しないスライド機構と、書込ヘッド41,42を識別するセンサ45(図1参照)と、ガイド部46,46(書込ヘッド用テープガイド)とを有する。
書込ヘッド41,42は、サーボ信号を書き込むための磁気ヘッドであり、磁束を発生するためのコイル(図示せず)を備えるとともに、ヘッドギャップ(図示せず)が形成されている。これらの書込ヘッド41,42は、互いに異種の磁気テープMTにそれぞれ対応するものであり、それぞれセンサ45で識別される識別子41a,42aを有している。書込部4では、磁気テープMTの品種に応じて、いずれか一方の書込ヘッド41(または42)のみにサーボ信号を記録させることができるようになっている。書込ヘッド41,42は、回転板43に、180°点対称の位置において、その外周へ向けて突出するように取り付けられている。なお、本実施形態では、書込ヘッド41,42を異種の磁気テープMTに対応させるものとしたが、これらの磁気ヘッドは特に限定されるものではなく、同種の磁気テープMTに対応する磁気ヘッドであってもよいし、同種の磁気テープMTまたは異種の磁気テープMTに対して異なるサーボパターンを形成する磁気ヘッドであってもよい。
回転板43は、円板状の部材であり、送出リール2と巻取リール3の間に配設されている。回転板43は、スライド機構の一部を構成するスライダ47上に固定されており、パネルサイド1aに沿ってスライドできるようになっている。また、回転板43は、スライダ47に固定されるステッピングモータ44の駆動軸に直結されており、パネルサイド1aに対して回転自在となっている。
ステッピングモータ44は、180°ステップ回転(正転、または反転)するように設定される。これによって、回転板43が180°正転、または反転して停止するので、回転板43上の書込ヘッド41,42のうち、任意の書込ヘッド41(または42)を磁気テープMTのパス(走行路)上に配置するように切り換えることができる。
スライド機構は、例えば、リニアガイド等で回転板43をスライド移動させるものである。スライド機構は、回転板43が固定されたスライダ47を、磁気テープMTの摺接面に対して進退させるようになっており、スライダ47を介して回転板43に固定された書込ヘッド41(または42)を磁気テープMTのパスに向けて突出自在とする。
センサ45(図1参照)は、パネルサイド1aに固定されており、書込ヘッド41,42の識別子41a,42aをそれぞれ識別する。これにより、書込ヘッド41,42のうち、どちらのヘッドが磁気テープMTのパス上に配置されているかを認識することができる。なお、センサ45としては、識別子41a,42aを色で識別する光センサや、形状で識別する超音波センサ等を用いることができる。
ガイド部46,46は、回転板43の磁気テープMTの走行方向上流側と下流側に固定されている。各ガイド部46は、磁気テープMTを案内するガイド面46aと、このガイド面46aを挟んでガイド面46aの幅方向端部から下方(図面手前側)に向けて延びる上フランジ46bおよび下フランジ46cとを備えて構成されている。ガイド面46aは、磁気テープMTの摺接面に滑らかに摺動させるため円弧状になっており、空気噴出孔46dが複数形成されている。空気噴出孔46dは、図示しないコンプレッサに連通され、その連通路の途中に設けられたバルブにより空気の流量が調整可能になっている。空気噴出孔46dから空気を噴出することで、ガイド面46aからフローさせた状態で磁気テープMTの走行をガイドする。
また、ガイド面46aのパネルサイド1a側の端部には磁気テープMTの走行方向に沿わせて下フランジ46cが形成され、ガイド面46aのヒューマンサイド側の端部には、上フランジ46bが形成されている。このガイド部46,46の間に、磁気テープMTの摺接面に対して突出した各書込ヘッド41,42を挟む形となっており、ガイド部46,46は、各書込ヘッド41,42の上流側と下流側の磁気テープMTの幅方向の位置を正確に規制することができるようになっている。
検査部5は、図1に示すように、書込部4の下流側に配設され、書込部4で書き込まれた磁気テープMTのサーボ信号を検査するようになっている。検査部5は、書込部4と同一の構成要素からなり、第1の検査ヘッド51および第2の検査ヘッド52と、回転板53(検査ヘッド用回転体)と、この回転板53を回転させる図示しないステッピングモータ(第2の切換手段)と、回転板53をスライドさせる図示しないスライド機構と、検査ヘッド51,52を識別するセンサ54と、ガイド部55,55(検査ヘッド用テープガイド)とを有する。なお、検査部5の各構成要素は、書込部4の各構成要素と同一のものであるため、その説明を省略する。
図3は、制御部の内部構成を示すブロック図である。
制御部6は、書込信号制御部61、コントローラ62a,62b、検査信号処理部63、アンプ64a,64b等を含んで構成される。
書込信号制御部61には、磁気テープMTの品種情報、および、センサ45からの検出結果が入力される。書込信号制御部61は、この入力結果に基づき、磁気テープMTのパス上に配置されている書込ヘッドがいずれの書込ヘッド41,42であるかを認識するとともに、この書込ヘッド41(または42)が、品種情報から得た磁気テープMTの品種に対応する書込ヘッドであるかを判別する。そして、書込信号制御部61は、品種に対応する書込ヘッド41(または42)であると判別したときはそのまま、または、品種に対応しない書込ヘッド42(または41)であると判別したときは、対応する書込ヘッド41(または42)が磁気テープMTのパス上に配置されるように切り換えた後、当該書込ヘッド41(または42)を駆動するコントローラ62a(または62b)に書込信号を送信する。なお、書込ヘッド41,42の切換方法については、サーボライタ1の作用として、後に説明する。
コントローラ62a(または62b)では、前記書込信号に基づき、書込ヘッド41(または42)に記録パルス電流を供給する。書込ヘッド41(または42)では、記録パルス電流を供給されることで磁束が発生し、図示しないヘッドギャップからの漏れ磁束により、磁気テープMTにサーボ信号を書き込むことができる。
検査信号処理部63には、磁気テープMTの品種情報、および、センサ54からの検出結果が入力される。検査信号処理部63は、この入力結果に基づき、磁気テープMTのパス上に配置されている検査ヘッドがいずれの検査ヘッド51,52であるかを認識するとともに、この検査ヘッド51(または52)が、品種情報から得た磁気テープMTの品種に対応する検査ヘッドであるかを判別する。そして、検査信号処理部63は、品種に対応する検査ヘッド51(または52)であると判別したときはそのまま、または、品種に対応しない書込ヘッド42(または41)であると判別したときは、対応する検査ヘッド51(または52)が磁気テープMTのパス上に配置されるように切り換えた後、当該検査ヘッド51(または52)に読取信号を送信する。
前記読取信号に基づき、検査ヘッド51,52では、磁気テープMTに書き込まれたサーボ信号を読み取る。そして、読み取られた信号は、検査信号としてアンプ64a,64bを介して検査信号処理部63に送信され、検査信号処理部63で、サーボ信号が適切に書き込まれているかを検査される。
次に、以上のように構成されたサーボライタ1の作用について説明する。まず、書込部4および検査部5において、回転板43および回転板53が磁気テープMTに対して前進した位置にあるとき、つまり図1の状態を基準として説明する。
サーボライタ1の作動開始時においては、パンケーキ(磁気テープMT)に貼付されたバーコードを図示しないリーダで読み取り、磁気テープMTの品種情報が制御部6に送信されるとともに、センサ45,54から書込ヘッド41,42および検査ヘッド51,52の位置情報が制御部6の書込信号制御部61および検査信号処理部63に送信される。制御部6では、磁気テープMTの品種と書込ヘッド41(または42)および検査ヘッド51(または52)が対応する場合はそのまま、または、磁気テープMTの品種と書込ヘッド42(または41)および検査ヘッド52(または51)が対応しない場合は、図示しないCPUに結果を送信し、対応するヘッドに切り換えた後、書込ヘッド41(または42)および検査ヘッド51(または52)に書込信号および検査信号を送信する。
書込ヘッド41,42と検査ヘッド51,52の切換方法は同じであるため、ここでは、書込ヘッド41,42の切換方法について説明する。
まず、回転板43を、図示しないスライド機構で磁気テープMT側から後退させた後、ステッピングモータ44で180°ステッピング回転させる。ここで、回転板43を後退させることで、そこから突出する書込ヘッド41,42がガイド部46,46と干渉することなく、回転させることができ、これにより、書込ヘッド42(または41)を他方の書込ヘッド41(または42)に切り換えることができる。その後、回転板43を、磁気テープMT側に前進させ、書込ヘッド41(または42)がガイド部46,46の間から走行する磁気テープMTに接触するように設定する。
一方、送出リール2には、前記パンケーキがセットされ、その磁気テープMTの先端が巻取リール3の巻心へ結合される。磁気テープMTは、そのテンションや走行速度を調整されながら、ガイドローラR等に案内され、駆動装置によって駆動される巻取リール3に巻き取られて走行する。そして、磁気テープMTは、ガイド部46,46にその幅方向の位置を正確に規制されながら、その品種に対応した書込ヘッド41(または42)でサーボ信号が書き込まれ、その後、ガイド部55,55にその幅方向の位置を正確に規制されながら、その品種に対応した検査ヘッド51(または52)によってサーボ信号が読み取られて品質評価等の検査が行われる。
以上によれば、本実施の形態において、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係るサーボライタ1の書込部4では、回転板43、53をスライド、回転させるだけで、書込ヘッド41,42、検査ヘッド51,52の切り換えを容易にすることができる。つまり、1台のサーボライタ1で生産できる磁気テープMTが2種類になるため、多種多様な磁気テープMTを必要な台数で適時適量生産することが可能になり、製品毎に設備を持たなくて済むため、設備投資の抑制を図ることができる。
また、磁気テープMTの幅方向の位置を規制するガイド部46,46が従来とは異なり、回転板43とは別に、パネルサイド1aに固定されているので、磁気テープMTのパスを変えることなく、書込ヘッド41,42のみを切り換えることができる。そのため、ガイド部46,46の微調整をする作業を省略することができ、作業時間を短縮できることから磁気テープMTの生産性を向上させることができる。
また、検査部5においても、同様に、ガイド部55,55が、回転板53とは別に、パネルサイド1aに固定されているので、磁気テープMTのパスを変えることなく、検査ヘッド51,52のみを切り換えることができる。そのため、ガイド部55,55の微調整をする作業を省略することができる。
さらに、回転板43を、スライド機構で磁気テープMT側から後退させた後、回転させ、再びスライド機構で磁気テープMT側に向けて前進させるように構成したので、回転板43から突出した書込ヘッド41,42がガイド部46,46に干渉することなく、回転板43を回転させることができ、書込ヘッド41,42の切り換えを容易にすることができる。また、回転板53においても同様に、検査ヘッド51,52がガイド部46,46に干渉することなく、回転させることができ、検査ヘッド51,52の切り換えを容易にすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、様々な形態で実施される。
前記実施形態では、書込ヘッド41,42および検査ヘッド51,52の位置情報をそれぞれ別々のセンサ45,54で検出したが、例えば、書込ヘッド41,42の位置情報を検出するセンサのみを用いて位置情報を検出し、書込ヘッド41,42および検査ヘッド51,52の切り換えを連動させるように構成することもできる。これによれば、常に、互いに磁気テープMTの品種に対応した書込ヘッド41,42および検査ヘッド51,52を同時に切り換えることができ、一方のセンサや回路を省略することができる。
前記実施形態では、書込部4において、回転板43をスライドさせるスライド機構を用いたが、例えば、圧電素子等を用いて、書込ヘッド41,42自体を回転板43内に収容されるようにスライドさせるスライド機構を用いてもよい。これによっても、ガイド部46,46に干渉することなく、回転板43を回転させることができる。
また、スライド機構で回転板43を充分にスライドさせるスペースがない場合は、書込ヘッド41,42を回転板43の上面側(図1の正面側)に、上面に沿って回転できるように取り付けてもよい。書込ヘッド41,42を回転板43に対して回転させて、回転板43からの突出量を少なくすることで、書込ヘッド41,42がガイド部46,46に干渉することなく回転板43を回転させることができる。なお、書込ヘッド41,42は、ノックピンなどで、回転板43に位置決めされる。
さらに、前記実施形態では、回転板43に2つの書込ヘッド41,42を取り付けたが、例えば、3つ以上の書込ヘッドを取り付けてもよい。これによれば、1台のサーボライタで、多種多様な磁気テープに対応することができるようになる。
なお、以上説明した書込部4の変形例は、検査部5においても同様に変形して実施することができる。
本実施形態に係るサーボライタの構成図である。 書込部を底面側から見た斜視図である。 制御部の内部構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 サーボライタ
2 送出リール
3 巻取リール
4 書込部
5 検査部
6 制御部
41,42 書込ヘッド
43 回転板
44 ステッピングモータ
46 ガイド部
47 スライダ
51,52 検査ヘッド
53 回転板
MT 磁気テープ

Claims (5)

  1. 送出リールから送り出したテープを巻取リールで巻き取って走行させるテープ走行系と、
    前記送出リールと前記巻取リールの間に配設される書込ヘッド用回転体と、
    前記書込ヘッド用回転体にその外周へ向けて取り付けられ、前記テープに摺接してサーボ信号を書き込む複数の書込ヘッドと、
    前記書込ヘッド用回転体を回転させることで複数の前記書込ヘッドのうち任意の書込ヘッドを前記テープのパス上に配置するように切り換える第1の切換手段と
    を有するサーボライタであって、
    前記書込ヘッド用回転体の前記テープ走行方向上流側と下流側に固定され、前記任意の書込ヘッドの上流側と下流側の前記テープの幅方向の位置を正確に規制する書込ヘッド用テープガイドを有することを特徴とするサーボライタ。
  2. 複数の前記書込ヘッドが前記書込ヘッド用回転体の外周から突出するように取り付けられているとともに、前記書込ヘッド用回転体を前記テープの摺接面に対して進退させるスライド機構を有することを特徴とする請求項1に記載のサーボライタ。
  3. 前記書込ヘッド用回転体の前記テープ走行方向下流側に配設される検査ヘッド用回転体と、前記検査ヘッド用回転体にその外周へ向けて取り付けられ、前記テープに摺接してサーボ信号を検査する検査ヘッドと、
    前記検査ヘッド用回転体を回転させることで複数の前記検査ヘッドのうち任意の検査ヘッドを前記テープのパス上に配置するように切り換える第2の切換手段と
    を有する請求項1または請求項2に記載のサーボライタであって、
    前記検査ヘッド用回転体の前記テープ走行方向上流側と下流側に固定され、前記任意の検査ヘッドの上流側と下流側の前記テープの幅方向の位置を正確に規制する検査ヘッド用テープガイドを有することを特徴とするサーボライタ。
  4. 複数の前記検査ヘッドが前記検査ヘッド用回転体の外周から突出するように取り付けられているとともに、前記検査ヘッド用回転体を前記テープの摺接面に向けて進退させるスライド機構を有することを特徴とする請求項3に記載のサーボライタ。
  5. 前記第1の切換手段と前記第2の切換手段は前記テープの品種に対応して切り換えが連動していることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のサーボライタ。
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