JP2006072411A - 災害発生施設からの避難に関する情報処理方法及び装置 - Google Patents

災害発生施設からの避難に関する情報処理方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
避難所要時間及び煙降下時間を推定する。
【解決手段】
予め定められた事項に基づき決定される評価対象施設の耐震グレードと想定震度とに従って、評価対象施設内部の想定損害レベルを決定する工程と、想定損害レベルに従って、パラメータ格納部に格納され且つ予め定められた避難所要時間算出のための第1パラメータを修正する工程と、修正後の第1パラメータ及びパラメータ格納部に格納されたデータを用いて避難所要時間を算出する工程と、パラメータ格納部に格納されたデータを用いて、想定損害レベルに応じた修正を伴う煙降下時間算出処理を実施する工程と、避難所要時間と煙降下時間とに基づき、評価対象施設について安全な避難が可能であるか判断する工程とを含む。このようにまず想定損害レベルを決定して、地震による評価対象施設へのインパクトを適切に且つ簡易に避難所要時間及び煙降下時間に反映させることができるようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、災害に対処するための技術に関する。
例えば特開2003−51072号公報には、事件の発生により人々を誘導する誘導管理システムが開示されている。この誘導管理システムは、人々を最適に誘導する方法を算出する最適誘導部を有する演算処理装置と、人々の誘導に必要なデータを記憶するデータベースと、誘導場所と誘導場所までの到達距離又は到達予測時間を表示する、複数箇所に配置された、可変表示可能な誘導表示装置とを備え、事件の発生時、データベースを参照して、最適に人々を誘導する方法を演算処理装置で求め、各誘導表示装置毎に人々を誘導する表示を行うものである。
また、特開平9−35168号公報には、防災能力情報を記録した記録手段と、災害情報および自然条件情報を入力する入力手段と、入力された災害情報および自然条件情報を処理して災害状況の推移を予測し、その予測情報および防災能力情報に基づいて前記防災能力の運用指示情報を出力する処理手段とを有する防災支援システムが開示されている。この公報によれば、防災支援システムで出力された運用指示情報に基づいて災害対策を行うことで、状況に応じたより確実で且つ効率的な対策が行われるとされる。
特開2003−51072号公報 特開平9−35168号公報
上で述べた従来技術を含め、例えば災害発生施設から避難する場合における避難所要時間や煙降下時間などを推定する技術は既に存在しているが、できるだけ正確に推定することを主たる目的としているため、詳細なシナリオ設定及びパラメータ入力を必要としていた。
しかし、推定に過ぎないにもかかわらず詳細なシナリオ設定及びパラメータ入力を必要とすると、多数のシナリオについて考察して評価すべき施設について災害発生時の避難における問題点を探索することができない場合がある。
従って、本発明の目的は、避難所要時間及び煙降下時間を推定するための新規な技術を提供することである。
また、本発明の他の目的は、実際の災害発生時における避難所要時間及び煙降下時間を推定するための新規な技術を提供することである。
さらに、本発明の目的は、避難所要時間及び煙降下時間を評価するための新規な技術を提供することである。
本発明の第1の態様に係る情報処理方法は、予め定められた事項に基づき決定される評価対象施設の耐震グレードと想定震度とに従って、評価対象施設内部の想定損害レベルを決定し、想定損害レベルデータ格納部に格納する想定損害レベル決定ステップと、想定損害レベルデータ格納部に格納された想定損害レベルに従って、パラメータ格納部に格納され且つ予め定められた避難所要時間算出のための第1パラメータを修正し、修正後の第1パラメータを修正パラメータ格納部に格納するパラメータ修正ステップと、修正パラメータ格納部及びパラメータ格納部に格納されたデータを用いて避難所要時間を算出し、避難所要時間データ格納部に格納する避難所要時間算出ステップと、パラメータ格納部に格納されたデータを用いて、想定損害レベルデータ格納部に格納された想定損害レベルに応じた修正を伴う煙降下時間算出処理を実施し、算出された煙降下時間を煙降下時間データ格納部に格納する煙降下時間算出ステップとを含む。なお、さらに避難所要時間データ格納部に格納された避難所要時間と煙降下時間データ格納部に格納された煙降下時間とに基づき、評価対象施設について安全な避難が可能であるか判断する判断ステップとを含むようにしてもよい。
このようにまず想定損害レベルを決定すれば、地震による評価対象施設へのインパクトを適切に且つ簡易に避難所要時間及び煙降下時間に反映させることができるようになる。
また、複数の想定震度について想定被害レベル決定ステップとパラメータ修正ステップと避難所要時間算出ステップと煙降下時間算出ステップとを実行し、避難所要時間格納部に格納された避難所要時間及び煙降下時間格納部に格納された煙降下時間の想定震度に応じた変化を表すグラフを生成し、出力装置に出力するステップをさらに含むようにしてもよい。このようにすれば、避難所要時間及び煙降下時間の評価をより適切に且つ容易に行うことができるようになる。
なお、上で述べた第1のパラメータが、評価対象施設の在館者の移動距離と移動速度との少なくともいずれかを含むようにしてもよい。また、上で述べた第1のパラメータが、避難開始時間算出のためのパラメータをさらに含むようにしてもよい。
さらに、想定損害レベルデータ格納部に格納された想定損害レベルに応じた修正が、煙発生量の増加と排煙量の減少との少なくともいずれかである場合もある。
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、地震発生時においてセンサからの信号を処理することにより損害レベルを特定し、損害レベルデータ格納部に格納するステップと、損害レベルデータ格納部に格納された損害レベルに従って、パラメータ格納部に格納され且つ予め定められた避難所要時間算出のための第1パラメータを修正し、修正後の第1パラメータを修正パラメータ格納部に格納するパラメータ修正ステップと、修正パラメータ格納部及び前記パラメータ格納部に格納されたデータを用いて避難所要時間を算出し、避難所要時間データ格納部に格納する避難所要時間算出ステップと、パラメータ格納部に格納されたデータを用いて、損害レベルデータ格納部に格納された損害レベルに応じた修正を伴う煙降下時間算出処理を実施し、算出された煙降下時間を煙降下時間データ格納部に格納する煙降下時間算出ステップと、避難所要時間データ格納部に格納された避難所要時間と煙降下時間データ格納部に格納された煙降下時間とを、出力装置に出力するステップとを含む。
このように実際の地震発生時においてセンサからの信号を処理することにより損害レベルを決定して、地震による施設へのインパクトを適切に且つ簡易に避難所要時間及び煙降下時間に反映させることができる。そうすれば、地震への対処を適切に行うことができるようになる。
また、避難所要時間データ格納部に格納された避難所要時間と煙降下時間データ格納部に格納された煙降下時間とに基づき、安全な避難方法を特定するステップと、特定された安全な避難方法に応じて、当該避難方法に用いられる装置に対する制御を実行するステップとをさらに含むようにしてもよい。このようにすれば、非常時において適切な処置が自動的に実施されるようになる。
なお、上で述べた損害レベルが所定の要素毎に決定され、上で述べた第1パラメータが、上記定の要素のいずれかに属するパラメータである場合もある。
本発明に係る情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを作成することも可能であり、当該プログラムは、例えばフレキシブル・ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。また、ネットワークを介してディジタル信号にて頒布される場合もある。なお、処理途中のデータについては、コンピュータのメモリ等の記憶装置に一時保管される。
本発明によれば、避難所要時間及び煙降下時間を推定することができる。
また、本発明の別な側面によれば、実際の災害発生時における避難所要時間及び煙降下時間を推定することができる。
さらに、本発明の別な側面によれば、避難所要時間及び煙降下時間を適切に評価することができる。
図1に本発明の一実施の形態に係る機能ブロック図を示す。本実施の形態に係る地震避難評価システムは、評価対象施設に対する評価に必要となるパラメータを入力するためのパラメータ入力部1と、パラメータ入力部1により入力されたパラメータを格納するための入力パラメータ格納部3と、評価対象施設に対する評価シナリオの設定データを入力するためのシナリオ設定入力部5と、シナリオ設定入力部5により入力されたシナリオ設定データを格納するためのシナリオ設定データ格納部7と、入力パラメータ格納部3及びシナリオ設定データ格納部7に格納されたデータを用いて損害レベルを判定する損害レベル判定部11と、損害レベル判定部11により判定された損害レベルのデータを格納するための損害レベル格納部13と、本実施の形態における処理に共通のデータを格納する設定パラメータデータベース(DB)9と、入力パラメータ格納部3とシナリオ設定データ格納部7と設定パラメータDB9と損害レベル格納部13とに格納されたデータを用いて避難所要時間算出処理を実施する避難所要時間算出部15と、避難所要時間算出部15により算出された避難所要時間のデータを格納する避難所要時間データ格納部17と、入力パラメータ格納部3とシナリオ設定データ格納部7と設定パラメータDB9と損害レベル格納部13に格納されたデータを用いて煙降下時間算出処理を実施する煙降下時間算出部19と、煙降下時間算出部19により算出された煙降下時間のデータを格納する煙降下時間データ格納部21と、避難所要時間データ格納部17と煙降下時間データ格納部21に格納されたデータを用いて安全に避難可能か否かの判定処理を実施する判定処理部23と、判定処理部23の判定結果及び避難所要時間データ格納部17及び煙降下時間データ格納部21に格納されたデータをユーザに提示するための出力部25とを有する。なお、図示していないが、出力部25は、入力パラメータ格納部3、シナリオ設定データ格納部7及び損害レベル格納部13等を参照可能となっている。
設定パラメータDB9は、管理者による感知時間(t2)、管理者の水平移動速度、管理者の階段移動速度、歩行速度テーブル、感知器作動時間(t1)、火災状況確認時間(t3)、準備時間、エレベータ速度、探索時間、警報伝達時間、警報覚知時間、避難開始までの時間、避難開始時間テーブル、在館者密度、積載可燃物の発熱量テーブル、内装の火災成長率データ等を格納している。
また、本実施の形態に係る地震避難評価システムは、平常時における評価対象施設の評価及び避難訓練の支援だけではなく、実際の地震発生時に適切な避難誘導を行うための処理をも実行する。その場合には、各種センサ27の出力信号は、パラメータ入力部1、損害レベル判定部11及びシナリオ設定入力部5に出力される。また、判定処理部23は、判定結果に基づく避難誘導のための情報を他のシステム29(例えば自動放送システムなど)に出力したり、他のシステム29の制御を実行する。
図2に避難所要時間算出部15に関連する部分の機能ブロック図を示す。避難所要時間算出部15は、パラメータ修正処理部151と、修正パラメータ格納部152と、避難開始時間算出部153と、歩行時間算出部154と、出口通過時間算出部155とを含む。パラメータ修正処理部151は、損害レベル格納部13を参照して、入力パラメータ格納部3と設定パラメータDB9とに格納されており損害レベルに応じて修正すべきパラメータについて修正処理を実施し、修正パラメータ格納部152に格納する。また、避難開始時間算出部153は、修正パラメータ格納部152、入力パラメータ格納部3、設定パラメータDB9及びシナリオ設定データ格納部7に格納されているデータを用いて避難開始時間算出処理を実施し、避難所要時間データ格納部17の避難開始時間データ格納部171に格納する。また、歩行時間算出部154は、修正パラメータ格納部152、入力パラメータ格納部3、設定パラメータDB9及びシナリオ設定データ格納部7に格納されているデータを用いて歩行時間算出処理を実施し、避難所要時間データ格納部17の歩行時間データ格納部172に格納する。さらに、出口通過時間算出部155は、修正パラメータ格納部152、入力パラメータ格納部3、設定パラメータDB9及びシナリオ設定データ格納部7に格納されているデータを用いて出口通過時間算出処理を実施し、避難所要時間データ格納部17の出口通過時間データ格納部173に格納する。
図3に煙降下時間算出部19に関連する部分の機能ブロック図を示す。煙降下時間算出部19は、煙等発生量算出部193と、有効排煙量算出部194と、煙等発生量データ格納部195と、有効排煙量データ格納部196と、時間算出部197とを含む。煙等発生量算出部193は、入力パラメータ格納部3、損害レベル格納部13、設定パラメータDB9、シナリオ設定データ格納部7及び有効排煙量データ格納部196に格納されているデータを用いて煙等発生量算出処理を実施し、煙等発生量データ格納部195に格納する。さらに、有効排煙量算出部194は、入力パラメータ格納部3、損害レベル格納部13、設定パラメータDB9及びシナリオ設定データ格納部7に格納されているデータを用いて有効排煙量算出処理を実施し、有効排煙量データ格納部196に格納する。時間算出部197は、入力パラメータ格納部3と煙等発生量データ格納部195と有効排煙量データ格納部196とに格納されたデータを用いて、煙降下時間算出処理を実施し、算出された煙降下時間を煙降下時間データ格納部21に格納する。
(A)平常時の評価処理
図1乃至図3に示した地震避難評価システムの平常時の評価処理について図4乃至図18を用いて説明する。まず、シナリオ設定入力部5は、ユーザに対して、評価対象施設に対する評価のためのシナリオ設定入力を促し、ユーザからのシナリオ設定入力を受け付け、シナリオ設定データ格納部7に格納する(ステップS1)。本実施の形態においてシナリオ設定データとしては、出火箇所、出火時間帯、震度、平常時における防火対策の作動状態(排煙設備、防火扉などの機能障害の有無)等のデータを含む。出火箇所については、室用途、火気の使用状況、煙伝播経路を勘案して、避難リスク上、危険となる出火場所を設定する。出火時間帯については、時間帯別の利用者数、火気の使用状況等を勘案して、避難リスク上危険となる出火時間帯を設定する。平常時における防火対策の作動状態については、通常は「機能障害なし」という設定とするが、場合によっては動作しない機能を特定するようにしても良い。シナリオについては、1つだけではなく、複数のシナリオを設定しても良い。例えば、出火箇所及び出火時間帯についても複数設定してもよい。なお、1の震度を指定しても良いが、震度による変化を評価する場合には、複数の震度を設定するか、デフォルトで設定されている震度の評価幅に従う。
次に、パラメータ入力部1は、ユーザに対して、評価対象施設に対する評価のための各種パラメータの入力を促し、ユーザからのパラメータ入力を受け付け、入力パラメータ格納部3に格納する(ステップS3)。各種パラメータには、評価対象施設が免震・制震構造を有するか否かを表すデータ、評価対象施設の高さ、評価対象施設の設計年、評価対象施設の地盤種別(第1種(山岳地、丘陵地など岩盤及び硬質土)/第2種(平野、盆地などの沖積土)/第3種(埋立て地、盛り土など軟弱土))、室内防災対策の有無(転倒防止器具の使用の有無など)を表すデータ、監視体制についてのデータ(24時間監視体制/防災監視盤あり)、店舗の室から避難階段までの距離、各室から各避難階段までの距離、除外階段指定、防災センタから最寄の階段までの距離、防災センタから非常用エレベータまでの距離、防災センタ設置階から出火階までの階段距離、防災センタ設置階から出火階までのエレベータ距離、水平移動距離(出火階)、在館者への警報伝達に関する回答、在館者の警報覚知に関する回答、避難開始までの時間に関する回答、居室からの避難距離、歩行速度、各階から基準階までの階段距離、基準階における避難階段から野外への移動距離、在館者人数、直下階までの階段室の床面積、避難対象人数、避難階段への出口の幅、出口の通ずる避難階段の幅、避難階段から地上若しくは避難階に通ずる幅、避難階段の出口の幅、避難階以外からの主たる避難経路である出口の幅、階段室の床面積の合計、階数、地上への出口に通ずる階段の幅、地上への出口に通ずる階段から地上若しくは避難階に通ずる出口の幅、限界煙層高さ、防煙区画に設けられた限界煙層高さ有効開口部の上端の当該室の基準点からの平均高さ、防煙区画における垂れ壁の下端の当該室の基準点からの高さの最大のもの、防煙区画内の基準点からの天井高さのうち最大のもの、防煙区画の面積、室の床面積、防煙区画に設けられた各限界煙層高さ有効開口部の開口面積、防煙区画に設けられた各限界煙層高さ有効開口部の上端と下端の垂直距離、居室に設けられた各給気口の開口面積、防煙区画に設けられた各限界煙層高さ有効開口部の中心の基準点からの平均高さ、防煙区画に設けられた各限界煙層高さ有効開口部の排煙機により空気を排出することができる能力、室の床面の最も高い位置からの平均天井高さ、室の床面の最も低い位置からの平均天井高さ、仕上げ材料の指定、壁の開口部の面積の合計などが含まれる。
そして、損害レベル判定部11は、入力パラメータ格納部3及びシナリオ設定データ格納部7を参照して、各シナリオについての損害レベルを判定処理を実施し、損害レベル格納部13に格納する(ステップS5)。この処理については図5を用いて説明する。損害レベル判定部11は、入力パラメータ格納部3に格納された、免震・制震構造を有するか否かを表すデータを用いて、免震・制震構造が存在するか否かを判断する(ステップS21)。免震・制震構造が存在すると判断された場合には、損害レベル判定部11は、評価対象施設の耐震グレードをAと特定する(ステップS31)。一方、免震・制震構造が存在しないと判断された場合には、入力パラメータ格納部3に格納された評価対象施設の高さのデータを用いて、建物高さが60mを超えるか判断する(ステップS23)。建物高さが60mを超えると判断された場合には、ステップS31に移行する。一方、建物高さが60m以下であると判断された場合には、損害レベル判定部11は、入力パラメータ格納部3に格納された、評価対象施設の設計年が1981年以降であるか判断する(ステップS25)。評価対象施設の設計年が1981年より前であると判断された場合には、損害レベル判定部11は、評価対象施設の耐震グレードをCと特定する(ステップS35)。
評価対象施設の設計年が1981年以降であると判断された場合には、入力パラメータ格納部3に格納された、評価対象施設の地盤種別が第1種であるか判断する(ステップS27)。評価対象施設の地盤種別が第1種であると判断された場合には、ステップS31に移行する。一方、評価対象施設の地盤種別が第1種ではないと判断された場合には、評価対象施設の地盤種別が第2種であるか判断する(ステップS29)。評価対象施設の地盤種別が第3種である場合には、ステップS35に移行する。一方、評価対象施設の地盤種別が第2種であると判断された場合には、損害レベル判定部11は、評価対象施設の耐震グレードをBと特定する(ステップS33)。
そして、ステップS31乃至S35の後に、損害レベル判定部11は、入力パラメータ格納部3に格納された、室内防災対策の有無を表すデータを参照して、損害レベルテーブルを修正する(ステップS37)。例えば図6(a)に修正前の損害レベルテーブルの一例を示す。図6(a)に示した損害レベルテーブルは、震度及び耐震性から導き出される評価対象施設自体の損害レベルを示すテーブルである。例えば、震度6弱で耐震グレードがBであれば、損害レベルは軽損と特定される。図6(a)の例では、震度6弱と震度6強以上の2つの震度にしか対応していないが、さらに多くの震度につきデータを保持するようにしても良い。この損害レベルテーブルをベースとして、室内防災対策の有無を表すデータを基に、損害レベルテーブルを修正する。例えば、室内防災対策が存在しない場合には、図6(a)に示した損害レベルテーブルの各セルの内容を1段階損害が大きい方に変更する。例えば、被害なしレベルを軽損レベルに、軽損レベルを中損レベルに、重損レベルを評価対象外レベルに変更する。このような修正後の損害レベルテーブルを図6(b)に示す。
そして損害レベル判定部11は、修正後の損害レベルテーブル(例えば図6(b))からステップS31乃至S35において特定された評価対象施設の耐震グレード及びシナリオ設定データ格納部7に格納された各シナリオにおける震度のデータに対応する損害レベルを特定し、損害レベル格納部13に格納する(ステップS39)。複数のシナリオが設定されている場合には、各シナリオについての損害レベルが特定され、損害レベル格納部13に格納される。また、1つのシナリオにつき複数の震度データが設定される場合もあり、そのような場合には1つのシナリオにつき、各震度に対応する損害レベルが特定され、損害レベル格納部13に格納される。本実施の形態では、平常時の評価においては、地震から影響を受けるどのような要素についても同じ損害レベルが適用される。これにより処理が簡略化される。
このように本実施の形態では、評価対象施設の地震時における状態を簡易に診断し、損害レベルを特定するようになっている。実際の災害発生時にどのような状況になるかは、多くの要因が複雑に関連し合っているため、評価対象施設のいずれの機能にどのような障害が発生するかを、正確に予測することは不可能である。従って、本実施の形態のように安全サイドに立った上で簡易な診断を行うようにすれば、評価の上では十分な精度を得ることができる。
ここで図4の説明に戻って、次に避難所要時間算出部15は、避難所要時間算出処理を実施する(ステップS7)。なお、避難所要時間は、避難状況を示す指標であり、(1)出火室(出火箇所を含む部屋)で火災が発生した場合に、出火室の存在する階の全ての在館者が、当該階から避難するまでに要する時間である階避難所要時間と、(2)出火室で火災が発生した場合に、評価対象施設内の全ての在館者が、当該評価対象施設から避難するまでに要する時間である全館避難所要時間とを含む。なお、出火室から在室者が避難する前での時間である居室避難所要時間をさらに評価する場合もある。
この処理については、図7乃至図13を用いて説明する。まず、避難所要時間算出部15のパラメータ修正処理部151は、ステップS5で特定された損害レベルに応じたパラメータの修正処理を実施し、修正後のパラメータを修正パラメータ格納部152に格納する(図7:ステップS41)。入力パラメータ格納部3及び設定パラメータDB9に格納されており且つ避難所要時間算出に用いられるパラメータの一部を、ステップS5において特定された損害レベルに応じて修正することにより地震の影響を適切に適用すると共にパラメータの設定を容易に行うことが可能になる。なお、本実施の形態において避難所要時間を算出する上では図8に示すような要素に対応してパラメータを修正するものとする。すなわち、図8においては、A:商品・什器の散乱、B:扉の閉鎖障害、C:自動火災報知設備、D:非常用エレベータ、E:照明器具の破損という各要素につき、損害レベルである軽損(及び地震後以外の火災若しくは平常時)、中損、重損について、どのようにパラメータを修正すべきか(修正なしを含む)の方針が示されている。なお、○は修正なし、三角は中程度の修正を要する場合、×は大幅な修正を要する場合を示している。
図8に示すように、A:商品・什器の散乱という要素については、中損で店舗の場合には、通路が部分的に通行不能になり、階段までの避難距離を50%増しにすることによって、損害レベルを反映させる。また、重損で店舗の場合にも同様である。さらに、例えばB:扉の閉鎖障害という要素については、中損で店舗及び宴会場の場合には、屋内階段扉1箇所通行不能という取り扱いを行うことによって、損害レベルを反映させる。重損でも同様である。さらに中損で客室の場合には、階段室1箇所通行不能という取り扱いを行うことによって、損害レベルを反映させる。重損でも同様である。C:自動火災報知設備という要素については、中損で管理者の感知が遅れ、警報システムによる避難誘導が遅れるということによって、損害レベルを反映させる。重損についても同様である。さらに、D:非常用エレベータという要素については、中損で非常用エレベータが停止し、現場確認は階段で駆けつけ、駆けつけ歩行速度を通常の80%に低下させることにより損害レベルを反映させる。重損においては、80%が50%に変更される。E:照明器具の破損という要素については、中損で避難経路の照度低下のため、歩行速度を通常の80%に低下させるということによって、損害レベルを反映させる。重損においては、80%が50%に変更される。具体的なパラメータの変更については以下に述べる。
A:商品・什器の散乱という要素に基づき、中損及び重損という損害レベルの場合には、入力パラメータ格納部3に格納されている、店舗の室から避難階段までの距離を1.5倍に設定し、軽損という損害レベルの場合には、店舗の室から避難階段までの距離をそのままに設定し、修正パラメータ格納部152に格納する。
B:扉の閉鎖障害という要素に基づき、中損及び重損という損害レベルの場合には、入力パラメータ格納部3に格納されている、各室から各避難階段までの距離のうち、同じく入力パラメータ格納部3に格納されている除外階段指定に従って、当該除外階段に該当する室から、避難階段までの距離を除外して、修正パラメータ格納部152に格納する。軽損の場合には、修正せずにそのまま、修正パラメータ格納部152に格納する。
C:自動火災報知設備という要素に基づき、中損及び重損という損害レベルの場合には、設定パラメータDB9に格納されている、管理者による感知時間(t2)を、例えば所定の値(5分)に設定し、修正パラメータ格納部152に格納する。軽損という損害レベルの場合には、設定パラメータDB9に格納されているデータをそのまま修正パラメータ格納部152に格納する。
D:非常用エレベータという要素に基づき、中損及び重損という損害レベルの場合には、非常用エレベータが使用できなくなるため、入力パラメータ格納部3に格納されている、防災センタから最寄の階段までの距離をそのままの値に、防災センタから非常用エレベータまでの距離を0に設定する。一方軽損という損害レベルの場合には、防災センタから最寄の階段までの距離を0に、防災センタから非常用エレベータまでの距離をそのままの値に設定する。
またD:非常用エレベータという要素に基づき、軽損という損害レベルの場合には、設定パラメータDB9に格納されている管理者の水平移動速度及び管理者の階段移動速度をそのままの値(例えば90m/分及び45m/分)に、中損という損害レベルの場合には、管理者の水平移動速度及び管理者の階段移動速度をその80%の値(例えば72m/分及び36m/分)に、重損という損害レベルの場合には、管理者の水平移動速度及び管理者の階段移動速度をその50%の値(例えば45m/分及び22.5m/分)に、設定する。
さらにD:非常用エレベータという要素に基づき、中損及び重損という損害レベルの場合には、非常用エレベータが使用できなくなるため、入力パラメータ格納部3に格納されている、防災センタ設置階から出火階までの階段距離をそのままの値に、軽損という損害レベルの場合には、防災センタ設置階から出火階までの階段距離を0に、さらに中損及び重損という損害レベルの場合には、防災センタ設置階から出火階までのエレベータ距離を0に、軽損という損害レベルの場合には、防災センタ設置階から出火階までのエレベータ距離をそのままの値に設定する。
E:照明器具の破損という要素に基づき、中損という損害レベルの場合には、設定パラメータDB9に格納されている歩行速度テーブル(図9)の数値を、全て80%に修正し、修正パラメータ格納部152に格納する。重損という損害レベルの場合には、歩行速度テーブル(図9)の数値を、全て50%に修正し、修正パラメータ格納部152に格納する。軽損という損害レベルの場合には、歩行速度テーブル(図9)の数値をそのまま修正パラメータ格納部152に格納する。図9の例では、設定されたシナリオから特定される施設又は居室の用途毎(劇場その他これらに類する用途、百貨店、展示場その他これらに類する用途、又は共同住宅、ホテルその他これらに類する用途、学校、事務所その他これらに類する用途)、施設の部分の種類(劇場その他これらに類する用途については、階段、客席部分並びに階段及び客室部分以外、その他の用途については階段及び階段以外の施設の部分)、避難の方向、歩行速度が登録されている。
次に、避難開始時間算出部153は、修正パラメータ格納部152、入力パラメータ格納部3、設定パラメータDB9及びシナリオ設定データ格納部7を参照して、避難開始時間算出処理を実施し、計算結果を避難開始時間データ格納部171に格納する(ステップS43)。避難開始時間は、(1)感知器作動時間(t1)+(2)管理者による感知時間(t2)+(3)火災状況確認時間(t3)+(4)在館者への警報伝達時間(t4)+(5)在館者の警報覚知時間(t5)+(6)避難開始までの時間(t6)で計算される。
(1)感知器作動時間(t1)については、設定パラメータDB9に格納されているデータ(例えば1分)をそのまま使用する。(2)管理者による感知時間(t2)については、修正パラメータ格納部152に格納されているデータを用いる。但し、軽損の場合には(a)24時間の監視体制がある場合の値(例えば0.5分)、(b)防災監視盤がある場合には昼間の値(例えば1分)、夜間の値(例えば5分)が得られるので、入力パラメータ格納部3に格納されている監視体制についてのデータ及びシナリオ設定データ格納部7に格納されている出火時間帯のデータを用いて、評価対象施設及びシナリオにおいて該当する値を選択する。
(3)火災状況確認時間(t3)については、さらに(a)準備時間+(b)水平移動時間(避難階)+(c)階段移動時間+(d)非常エレベータ移動時間+(e)水平移動時間(出火階)+(f)探索時間と表される。
(a)準備時間については、設定パラメータDB9に格納されているデータ(例えば1分)をそのまま使用する。
(b)水平移動時間(避難階)については、防災センタから最寄の階段又は非常用エレベータまでの移動時間である。水平移動時間(避難階)=防災センタから最寄の階段までの距離[修正パラメータ格納部152(呼び出し元。以下同じ)]/管理者の水平移動速度[修正パラメータ格納部152]又は防災センタから非常用エレベータまでの距離[修正パラメータ格納部152]/管理者の水平移動速度[修正パラメータ格納部152」となるが、中損及び重損の場合には後者が必ず0になり、軽損の場合には前者が必ず0となるようなデータが修正パラメータ格納部152から得られるようになっている。従って、両者を加算すれば水平移動時間(避難階)を得ることができる。
(c)階段移動時間については、防災センタ設置階から出火階までの階段距離[修正パラメータ格納部152]/管理者の階段移動速度[修正パラメータ格納部152]で算出される。軽損という損害レベルの場合には0となる。
(d)非常用エレベータ移動時間については、防災センタから出火階までのエレベータ距離[修正パラメータ格納部152]/エレベータ速度(設定パラメータDB9)で算出される。中損及び重損という損害レベルの場合には0となる。
(e)水平移動時間(出火階)については、出火階の階段室から出火箇所までの移動時間であり、水平移動距離(出火階)[入力パラメータ格納部3]/管理者の水平移動速度[修正パラメータ格納部152]で算出される。
(f)探索時間については、設定パラメータDB9に格納されている値(例えば2分)をそのまま使用する。
(4)在館者への警報伝達時間(t4)については、入力パラメータ格納部3に格納された、在館者への警報伝達に関する回答(a)確認場所の周辺に警報を出すことができる装置がある/b)防災センタに電話連絡できる/c)具体的な警報伝達時間)及び回答がa)及びb)の場合には設定パラメータDB9に格納された、回答に対応する警報伝達時間を使用する。なお、階避難に対する避難開始時間については、a)という回答があったものとして取り扱い、全館避難に対する避難開始時間については、上記の回答に従う。
(5)在館者の警報覚知時間(t5)については、入力パラメータ格納部3に格納された、在館者の警報覚知に関する回答(a)起床状態での覚知/b)就寝状態での非常ベルによる警報/c)就寝状態で電話による警報/d)就寝状態で誘導者の駆けつけ)及び設定パラメータDB9に格納された、回答に対応する警報覚知時間(例えばa)の場合0、b)の場合2分、c)の場合1.5分、d)の場合1分)を使用する。
(6)避難開始までの時間(t6)については、入力パラメータ格納部3に格納された、避難開始までの時間に関する回答(a)警報が非常ベル/b)警報が電話・放送/c)警報が誘導者の駆けつけ)及び設定パラメータDB9に格納された、回答に対応する避難開始までの時間(a)で火災階の場合0、非火災階の場合2分、b)の場合2分、c)の場合1分)を使用する。
このように、(4)及び(6)について階避難と全館避難では異なる値が得られる。
なお、地震時には、火災の覚知だけではなく、地震の揺れにより在館者が避難を開始することも想定されるため、本実施の形態では、損害レベルが中損及び重損の場合には、上で計算された避難開始時間とは別に、設定パラメータDB9に格納されている図10に示すような避難開始時間テーブルのデータを用いたシナリオを別途用意する。なお、図10に示すように、災害発生時間帯(出火時間帯)及び損害レベルごとに、階避難開始時間及び全館避難開始時間とが設定されている。
図7の処理フローに戻り、歩行時間算出部154は、修正パラメータ格納部152、入力パラメータ格納部3、設定パラメータDB9及びシナリオ設定データ格納部7を参照して、歩行時間を算出し、歩行時間データ格納部172に格納する(ステップS45)。一般に、火災発生時の避難経路は、ホテルなどであれば、(1)居室からの避難、(2)居室から当該階の直通避難階段までの移動(例えば廊下)、(3)避難階段を使用して基準階(通常は1階)までの移動、(4)基準階から野外への移動とから構成される。階避難を検討する場合には、(1)の時間+(2)の時間にて歩行時間が算出され、全館避難を検討する場合には(1)の時間+(2)の時間+(3)の時間+(4)の時間にて歩行時間が算出される。
より具体的には、階避難の場合、出火階の各室について(1)の時間を算出すると共に、出火階における室と使用可能な避難階段との全ての組み合わせにつき(2)の時間を算出して、出火階における室と使用可能な避難階段の全ての組み合わせにつき(1)の時間+(2)の時間を算出する。そして算出された値のうち最も大きい値を階避難の歩行時間とする。
一方、全館避難の場合には、全ての階の全ての室について(1)の時間を算出し、全ての階の全ての室と全ての使用可能な避難階段との組み合わせにつき(2)の時間を算出し、各避難階段と各階につき(3)の時間を算出し、各避難階段につき(4)を算出し、全ての階の全ての室と全ての使用可能な避難階段との組み合わせにつき(1)の時間+(2)の時間+(3)の時間+(4)の時間を算出する。そして算出された値のうち最も大きい値を全館避難の歩行時間とする。
歩行時間ttravelは、基本的に、距離L/歩行速度vで算出される。
(1)について、各室において出口から最も遠いところからの距離がパラメータ(居室からの避難距離)として入力され、入力パラメータ格納部3に格納されている。歩行速度については、修正パラメータ格納部152に格納されている修正後の歩行速度テーブルにおいて該当する値を用いる。
(2)について、各室から各避難階段までの距離は、修正パラメータ格納部152に格納されているデータを用いる。歩行速度については、修正パラメータ格納部152に格納されている修正後の歩行速度テーブルにおいて該当する値を用いる。なお、簡易に計算する場合には、避難階段から最も遠い室と当該避難階段との距離を用いる。
(3)について、各階から基準階までの階段距離については入力パラメータ格納部3に格納されているデータを用いる。歩行速度については、修正パラメータ格納部152に格納されている修正後の歩行速度テーブルにおいて該当する値を用いる。なお、簡易に計算する場合には、基準階から最も遠い階と当該基準階との距離を用いる。
(4)について、基準階における避難階段から野外への移動距離については入力パラメータ格納部3に格納されているデータを用いる。歩行速度については、修正パラメータ格納部152に格納されている修正後の歩行速度テーブルにおいて該当する値を用いる。なお、簡易に計算する場合には、複数避難階段が存在する場合であっても、最も長い距離を用いる。
図7の説明に戻って、出口通過時間算出部155は、修正パラメータ格納部152、入力パラメータ格納部3、設定パラメータDB9及びシナリオ設定データ格納部7を参照して、出口通過時間を算出し、出口通過時間データ格納部173に格納する(ステップS47)。出口通過に要する時間は、出口を通過する全ての在館者が予め出口の前に滞留している状態から、全員が出口を通過するまでに要する時間(すなわち、滞留の解消時間)として求める。
(1)階避難の場合
queue-1=ΣpAarea/ΣNeffBst
但し、tqueue-1は階に存在する者が当該階から避難階段(直通階段)に通ずる出口を通過するために要する時間であり、pは在館者密度(人/m2)であり、Aareaは当該居室等の各部分の床面積(m2)であり、Neffは有効流動係数(人/分・m)であり、Bstは当該階の避難階段への出口幅(m)である。pAareaは在館者人数であって、例えば入力パラメータ格納部3に格納されている。
有効流動係数Neffの計算方法は周知であり、例えば「2001年避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」国土交通省住宅局建設指導課など編集、平成13年3月などを参照のこと。なお、概ね図11に示すような場合分けに従って算出される。但し、居室の出口の幅が60cm未満の場合にはNeff=0とする。
ここで、Astは、当該階から直下階(当該階が地階である場合にあってはその直上階)までの階段室の床面積(m2)であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。Aloadは、当該階に設けられた避難階段への出口を通らなければ避難することができない施設の部分毎の床面積(m2)であるが、pAloadは避難対象人数であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。Bneckは、当該避難階段への出口の幅、当該出口の通ずる避難階段の幅又は避難階段から地上若しくは避難階に通ずる幅のうち最小のもの(m)であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。
Bstは、当該避難階段の出口の幅(m)であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。
このようにして階避難の場合の出口通過時間tqueue-1が算出される。
(2)全館避難の場合
queue-2=ΣpAarea/ΣNeffBd
但し、tqueue-2は在館者が当該建築物から地上に通ずる出口を通過するために要する時間であり、pは在館者密度(人/m2)であり、Aareaは当該居室等の各部分の床面積(m2)であり、Neffは有効流動係数(人/分・m)であり、Bdは避難階以外からの主たる避難経路である出口の幅(m)であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。pAareaは在館者人数であって、例えば入力パラメータ格納部3に格納されている。
有効流動係数Neffの計算方法は周知であり、概ね図12に示すような場合分けに従って算出される。但し、居室の出口の幅が60cm未満の場合にはNeff=0とする。
ここで、Astは、階段室の床面積の合計(m2)であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。なおΣAstは、入力パラメータ格納部3に格納されている階数nとAstとの積で算出される。Aloadは、地上への出口が主たる経路である施設の部分毎の床面積(m2)であるが、pAloadは避難対象人数であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。Bneckは、地上への出口に通ずる階段の幅、又は地上への出口に通ずる階段から地上若しくは避難階に通ずる出口の幅のうち最小のもの(m)であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。Bstは、地上への出口に通ずる階段の幅(m)であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。
なお、pについては、設定パラメータDB9に、図13に示すようなテーブルを用意しておき、シナリオに従って特定するようにしてもよい。
また、B:扉の閉鎖障害という要素の影響を考慮して、中損及び重損においては使用不可となる扉を想定し、軽損と中損及び重損との両ケースにつき関連するパラメータのデータを入力パラメータ格納部格納部3に格納しておく。
図7の説明に戻って、避難所要時間算出部15は、避難開始時間データ格納部171に格納されている各シナリオに対応する避難開始時間(火災発生の確認を行う場合の避難開始時間及び火災発生の確認を行わない場合の避難開始時間)と、歩行時間データ格納部172に格納されている各シナリオに対応する歩行時間と、出口通過時間データ格納部173に格納されている各シナリオに対応する出口通過時間とを、階避難と全館避難とに分けて加算し、避難所要時間データ格納部17に格納する(ステップS49)。
以上のような処理を実行することにより、避難所要時間算出処理が完了する。本実施の形態においては、損害レベルに応じて影響のあるパラメータを修正して、当該修正後のパラメータを用いて、より妥当な避難所要時間算出処理が実行されるようになっている。
図4の説明に戻って、次に煙降下時間算出部19は、煙降下時間算出処理を実施し、算出された煙降下時間のデータを煙降下時間データ格納部21に格納する(ステップS9)。一般に火災により発生した煙は浮力により上昇し、天井下面から徐々に溜まってゆく。この時、居室内は上部の高温層(煙層)と下部の室温の空気層とに成層化した状態が保たれ、火災の成長と共に煙層は降下する。従って、所定の高さまで煙層が降下するまでの時間を算出することにより、安全に避難できるか否かを判定することができる。なお、煙降下時間についても、階避難及び全館避難の場合の値を算出する必要がある。この処理については、図14乃至図16を用いて説明する。
なお、本実施の形態において煙降下時間を算出する上では図15に示すような要素に対応して、以下で述べるように煙等発生量算処理及び有効排煙量算出処理を変更する必要がある。すなわち、図15においては、F:防火区画(F−1:防火壁、F−2:防火戸・防火シャッター)及びG:排煙設備という各要素につき、損害レベルである軽損(及び地震後以外の火災若しくは平常時)、中損、重損について、どのような修正処理を実施すべきか(修正なしを含む)の方針が示されている。なお、○は修正なし、三角は中程度の修正を要する場合、×は大幅な修正を要する場合を示している。
図15においては、F−1:防火壁という要素については、重損の場合には、防火壁が破損し、扉常時閉鎖の場合でも100%開放とし、廊下の煙発生量を火災室と同じとすることによって、損害レベルを反映させる。F−2:防火戸・防火シャッターという要素については、中損で客室階出火の場合、客室扉は、避難経路上の常時閉鎖式扉のため、廊下の煙発生量を火災室の30%とすることによって、損害レベルを反映させる。重損の場合には、防火壁が破損し、扉常時閉鎖の場合でも100%開放とし、廊下の煙発生量を火災室と同じとすることによって、損害レベルを反映させる。G:排煙設備という要素については、中損の場合には、他階の排煙口2箇所程度開放のため、排煙風量を30%にすることにより、損害レベルを反映させる。重損の場合には、排煙機不作動のため、排煙風量を0%にすることにより、損害レベルを反映させる。
まず、時間算出部197は、入力パラメータ格納部3を参照して、限界煙層高さの特定を実行する(ステップS51)。階避難であれば、限界煙層高さHlimは、室の種類及び開口部の構造の種類に応じて以下のように決定される。すなわち、階段への出口等を有する室である場合には、Hlim=1.8mである。また、その他の室であって、常時閉鎖式の防火設備若しくは随時閉鎖することができ、且つ煙感知器と連動する自動閉鎖装置を設けた防火設備の場合には、Hlimは、当該室の床面から各開口部の中心までの高さのうち最大のものとなる。それ以外の場合には、当該室の床面から各開口部の上端までのうち最大のものとなる。Hlimとしては、入力パラメータ格納部3に格納されたデータをそのまま使用する。
全館避難の場合には、開口部の構造種類に応じて、異なる値を用いる。すなわち、常時閉鎖式の防火装置、若しくは随時閉鎖することができ且つ煙感知器と連動する自動閉鎖装置を設けた防火設備の場合には、当該室の床面から各開口部の中心までの高さのうち最大のものをHlimとする。その他の構造の場合には、当該室の床面から各開口部の上端までの高さのうち最大のものをHlimとする。Hlimとしては、入力パラメータ格納部3に格納されたデータをそのまま使用する。
次に、有効排煙量算出部194は、損害レベル格納部13と、入力パラメータ格納部3と、設定パラメータDB9と、シナリオ設定データ格納部7とを参照して、有効排煙量算出処理を実施し、計算結果を有効排煙量データ格納部196に格納する(図14:ステップS53)。排煙設備により室外へ排出される有効排煙量Veは、防煙垂れ壁で区画された部分(以下、防煙区画)の壁または天井に設けられた開口部の床面からの高さが1.8m以上の部分(以下、有効開口部)が有する排煙能力を示すEと、どれだけ有効に排煙することができるかという防煙区画の性能を示した防煙効果係数A*とを掛け合わせたものである。
有効開口部からの排煙能力を示すEは、有効開口部の数、排煙方式、設置位置に応じて算出され、防煙区画の性能には依存せず決定される。一方、排煙効果係数A*は、防煙垂れ壁等の有無、設置位置、防煙区画面積等に応じて算出され、排煙方式には依存せずに決定される。
(1)階避難時の排煙効果係数A*
排煙効果係数A*の算出方法は周知であって、例えば「2001年避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」国土交通省住宅局建設指導課など編集、平成13年3月などを参照のこと。以下にその概略を示す。
排煙効果係数A*は、防煙区画ごとに、限界煙層高さ有効開口部の上端の位置に応じ、それぞれ以下に示す式によって算出する。
(1−1)限界煙層高さ有効開口部の上端が防煙垂れ壁の下端より下方にある場合(Hst'<Hw)
Figure 2006072411
(1−2)限界煙層高さ有効開口部の上端が防煙垂れ壁の下端より上方にある場合(Hst'≧Hw)
Figure 2006072411
なお、Hlimは、限界煙層高さ[m]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。Hst'は、当該防煙区画に設けられた限界煙層高さ有効開口部の上端の当該室の基準点からの平均高さ[m]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。Hwは、当該防煙区画における垂れ壁の下端の当該室の基準点からの高さの最大のもの[m]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。Htopは、当該防煙区画内の基準点からの天井高さのうち最大のもの[m]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。Ascは、当該防煙区画の面積[m2]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。Aroomは、当該室の床面積[m2]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。
排煙量Eの算出方法は周知であって、例えば「2001年避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」国土交通省住宅局建設指導課など編集、平成13年3月などを参照のこと。以下にその概略を示す。
(2)排煙量E
排煙量Eは、防煙区画又は室に設けられた排煙設備に応じて算出する。
(2−1)自然排煙方式による排煙量
Figure 2006072411
Asは、当該防煙区画に設けられた各限界煙層高さ有効開口部(当該限界煙層高さ有効開口部の開放に伴い開放される当該防煙区画内にある限界煙層高さ有効開口部のうち当該限界煙層高さ有効開口部からの距離が30m以内のものに限る)の開口面積[m2]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。
hsは、当該防煙区画に設けられた各限界煙層高さ有効開口部の上端と下端の垂直距離[m]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。
Aaは、当該居室に設けられた各給気口(当該限界煙層高さ有効開口部の開放に伴い開放される当該居室内にある給気口に限る)の開口面積[m2]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。
Hcは、当該防煙区画に設けられた各限界煙層高さ有効開口部の中心の基準点からの平均高さ[m]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。
(2−2)機械排煙方式による排煙量
Figure 2006072411
ωは、当該防煙区画に設けられた各限界煙層高さ有効開口部(当該限界煙層高さ有効開口部の開放に伴い開放される当該防煙区画にある限界煙層高さ有効開口部のうち当該限界煙層高さ有効開口部からの距離が30m以内のものに限る)の排煙機により空気を排出することができる能力[m3/分]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。
(3)具体的な有効排煙量Veの算出方法
(3−1)室の内部が防煙垂れ壁等により区画されている場合
室の有効排煙量Veは、複数の防煙区画があれば防煙区画毎にA*×Eを算出し、それらの最小値とする。
Ve=min(A*×E)
但し、Eは排煙設備に応じて算出される排煙量である。
これは、防煙垂れ壁等が煙流動を制約するため、当該防煙区画以外の部分の排煙が遅れることを考慮していることによる。従って、当該防煙区画以外の部分の排煙設備が同時に作動しても有効排煙量には反映されない。
(3−2)その他の場合
室の内部が防煙垂れ壁等で区画されている場合以外は、室全体が1つの防煙区画となることから、有効排煙量はただ1つのA*×Eとして算出される。この場合、排煙効果係数A*の算出が簡単となることから、有効排煙量は以下の式で表される。
Ve=0.4{(Hst'−Hlim)/(Htop−Hlim)}E
このように、排煙効果係数A*は、天井下に蓄積された煙層厚さに比例して増大する。防煙垂れ壁等を設置することにより、出火点近くの防煙区画では排煙口下部の煙層を局所的に厚くすることができるため、効率よく排煙することができるためである。
排煙量Eについては、上では2種類の計算方式を示したが、さらにもう1種類の方式に対応することも可能である。但し、周知な方法であるので、ここではこれ以上述べない。
上で述べたような方式にて有効排煙量Veを算出するわけであるが、G:排煙設備という要因を考慮して、中損の場合には有効排煙量を30%に、重損の場合には、有効排煙量を0%とする修正処理を実行する。
図14の説明に戻って、次に、煙等発生量算出部193は、入力パラメータ格納部3、設定パラメータDB9、シナリオ設定データ格納部7、損害レベル格納部13及び有効排煙量データ格納部196とを参照して、煙等発生算出処理を実施し、計算結果を煙等発生量データ格納部195に格納する(ステップS55)。火災により単位時間に発生する煙等の量は、室の形状、用途(可燃物の発熱量)、内装の仕上げの種類などを考慮して求める必要がある。煙等発生量は火災室と火災室以外の室では異なる方法により算出する。なお、火災室以外の煙等発生量は、火災室から流入してくる煙量を算出するものである。
(1)火災室における煙等発生量
火災室における煙等発生量Vs(m3/分)は、以下の式により算出される。
Vs=9{(αf+αm)Aroom1/3{Hlow 5/3+(Hlow−Hroom+Hlim5/3
ここでαfは、当該室の積載可燃物の1m2あたりの熱量に応じて決まる積載可燃物の火災成長率である。また、αmは、当該室の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げの種類に応じて決まる内装の火災成長率である。Aroomは、当該室の床面積[m2]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。Hlowは、当該室の床面の最も低い位置からの平均天井高さ[m]である。Hroomは、当該室の床面の最も高い位置(基準点)からの平均天井高さ[m]である。Hlimは、限界煙層高さ[m]である。
上記式の{(αf+αm)Aroom1/3は、火災の大きさ(燃焼の速さ)を表しており、この部分の値が大きいほど煙等発生量は多くなる。一方、{Hlow 5/3+(Hlow−Hroom+Hlim5/3}は、火災の熱気流が周囲の空気を巻き込むことにより煙の量が増大する度合いを表している。Hlowは床面に高低差がない場合は、Hlow=Hroomとなる。これらの値については、入力パラメータ格納部3に格納された値が用いられる。
このようにαf及びαmは共に可燃物の燃焼拡大の速さを表しており、一般的に火災成長率と呼ばれる。
より具体的にはαfは以下の式にて算出される。
αf=0.0125 (q≦170)
αf=2.6×10-6×q5/3 (q>170)
単位床面積あたりの積載可燃物の発熱量qが170以下の場合には、積載可燃物単体が燃えると考え、αfを一律0.0125に設定している。一方、qが170より大きくなると複数の収納可燃物が同時に燃焼すると考え、1m2あたりの積載可燃物の発熱量qに応じて火災成長率を変化させている。なお、床面積1m2あたりの積載可燃物の発熱量qは、図16に示すようなテーブルとして設定パラメータDB9に登録されているため、設定シナリオに従って適切な値を特定すると共に、αf算出に用いる。図16の例では、室の種類に応じた発熱量[MJ/m2]が登録されている。なお、1つの室に用途の異なる部分が存在する場合には、積載可燃物の発熱量は各用途部分の面積比に応じて加重平均した値を用いることになるが、このような場合には別途入力する必要がある。すなわち、入力パラメータ格納部3に値が格納されている場合には、設定パラメータDB9の値に優先して、入力パラメータ格納部3に格納されている値を用いる。
αmは、壁及び天井の仕上げ材料の燃焼による火災成長率の割増分である。αmは壁及天井の仕上げ材料の種類に応じて予め定められた値を用いる。より具体的には、例えば床面から1.2m以上の部分の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げ種類に応じた値が用いられる。例えば、不燃材料で行われた仕上げの場合には0.0035、木材その他これに類する材料で行われた仕上げの場合には0.35など、設定パラメータDB9に登録されている値を、入力パラメータ格納部3に格納されている仕上げの材料の指定により特定して用いる。なお、壁と天井の仕上げの種類が異なる場合には、性能の低い種類に合わせてαmを決定する。
(2)火災室以外の室の煙発生量
火災室以外の室においては、火災室から漏れ出す煙量に応じて煙等発生量を算出する。この場合の煙発生量は、火災室と当該室を遮る壁又は開口部の構造の種類に応じて以下のように決定される。
すなわち、準耐火構造の壁又は不燃材料で覆われた壁の開口部に所定の防火設備が設けられている場合には、Vs=0.2Aop。但しAopは、開口部の面積の合計[m2]であり、入力パラメータ格納部3に格納されている。一方、上記以外の構造の場合には、Vs=max(Vso−Ve,0)。Vsoは、上で算出した火災室の煙等発生量[m3/分]である。また、Veは、火災室の有効排煙量[m3]である。但し、自然排煙関係規定に適合し、かつ当該居室の壁の床面からの高さが1.8m以下の部分に排煙口の開放に連動して自動的に開放され又は常時開放状態にある給気口が設けられた排煙設備を設けた場合に限り、Veの値を用いることができる。Veを用いる場合には、有効排煙量データ格納部196に格納されているデータを用いる。
また、F:防火区画という要素を考慮すると、中損及び重損の場合には火災室以外の室の煙発生量については、上で述べた計算ではなく、火災室の煙発生量の30%又は100%といった計算方法にて修正計算される。
図14の説明に戻って、次に、時間算出部197は、入力パラメータ格納部3と煙等発生量データ格納195と有効排煙量データ格納部196とを参照して、煙降下時間を算出し、計算結果を煙降下時間データ格納部21に格納する(ステップS57)。時間算出部197において行われる計算は以下の式に表される。
s=Aroom×(Hroom−Hlim)/max(Vs−Ve,0.01)
すなわち、蓄煙可能な部分の体積を、正味の煙発生量で除することにより得られる。正味の煙発生量とは、火災により発生する煙量(Vs)から排煙設備により排出される煙量(Ve)を引いた値となる。なお、簡略化した計算式を用いて算出しているため、Vs−Veが現実的にはあり得ないマイナスの値となる場合もあり、これを避けるために最小値を0.01[m3/分]と設定する。
このようにして煙降下時間が、階避難と全館避難とに分けて算出される。
図4の説明に戻って、次に判定処理部23は、避難所要時間データ格納部17及び煙降下時間データ格納部21を参照して、各シナリオについて安全に避難が完了するか否かを判定し、出力部25に判定結果などを出力する(ステップS11)。本実施の形態では、各シナリオは、(1)階避難、(2)全館避難、(3)地震後直ぐに避難した場合の3つのケースを含む。また、各シナリオについて、震度以外のパラメータを固定して、震度を特定の範囲で変動させる場合もある。そして、煙降下時間>避難時間の関係が成り立っているか判断する。
そして、出力部25は、避難時間データ格納部17及び煙降下時間データ格納部21を参照して、判定処理部23の判定結果と共に出力用データを生成し、表示装置などの出力装置にデータを出力する(ステップS13)。
出力部25は、例えば図17に示すような画面を表示装置に表示させる。図17の例では、シナリオ表示部1701と、グラフ表示部1702と、在館者データ表示部1703と、在館者内訳データ表示部1704と、震度別避難時間テーブル表示欄1705と、防火設備アラーム表示欄1706と、コメント表示欄1707とを含む。在館者データ表示部1703には、現在の在館者数とされているが、パラメータとして入力された在館者数を表示している。また、在館者内訳データ表示部1704についても、パラメータとして入力された在館者の内訳を表示している。震度別避難時間テーブル表示欄1705及びグラフ表示部1702には、平常時、震度5、震度6弱、震度6強における避難時間及び煙降下時間が示されている。グラフ表示部1702では、地震規模と避難時間の関係を表す曲線1702aと、地震規模と煙降下時間の関係を表す曲線1702bとが表されており、曲線1702aが曲線1702bを下回っている部分においては、安全に避難できる状態を表しており、曲線1702aが曲線1702bが上回っている部分においては、避難が間に合わない状態を表している。防火設備アラーム表示欄1706には、シナリオ設定として入力された防火区画、消火設備、排煙設備の平常時における作動状態が表示されている。コメント表示欄1707には、判定結果に関するデータを表示している。すなわち、平常時から震度5までであれば、避難安全状況はGood(すなわち問題なし)であり、出火確認、「問題なし」自動放送の実施という、実施すべき処置が対応して表示される。このような実施すべき処置については、例えば出力部25に設けた知識ベースなどに登録しておき、判定に応じて読み出して表示する。震度6弱以上を感知した場合には避難安全状況はBad(すなわち問題あり)なので表示は無い。そして、出火の有無を問わず、避難誘導の開始という、実施すべき処置が対応して表示される。
このようにしてシナリオのデータと判定結果のデータと入力パラメータとを表示することにより、ユーザに地震規模に応じた対処法や要改善点などの検討を可能にする。なお、ここでは、全館避難の例を示しているが、階避難のデータをあわせて表示するようにしても良いし、別画面で表示するようにしても良い。
図18に別のシナリオについての出力表示画面例を示す。図18の例においても画面レイアウトは図17と同じである。この例では、在館者数が図17の例と比較すると倍となっている点以外については条件は同じである。そうするとグラフ表示欄1802及び震度別避難時間テーブル表示欄1805に示すように、避難時間はいずれの震度においても増加しており、震度規模と避難時間の関係を表す曲線1802aと、地震規模と煙降下時間の関係を表す曲線1802bとの交差点が上昇してしまい、低い震度でも安全に避難できなくなっている。なお、曲線1802cは、図17における曲線1702aを比較のために示したものである。コメント表示欄1807についても、上で述べた状況の悪化を表すように、震度5以上の場合に、出火の有無を問わず、避難誘導の開始を促している。
このように在館者が増加すれば、避難所要時間は増加するが、その他の条件が変更されることにより避難所要時間は変化する。また、煙降下時間についても様々な要素に依存して増減する。
以上のような処理を実施することにより、さまざまな評価対象施設について、さまざまなシナリオに沿って安全に避難できるか否かを判断することができるようになる。また、このような処理の結果を詳細に検討することにより、どのような防災対策を実施することにより、避難時間を短縮し又は煙降下時間を延長するか検討することも可能となる。
(B)地震発生時
地震避難評価システムは、各種センサ27に接続されている。各種センサ27には、加速度センサ、熱・煙感知器、防火扉や排煙機等の作動状態のセンサを含むビル防災システムが含まれる。以下、図19及び図20を用いて、各種センサ27を用いた地震発生時の地震避難評価システムの処理について説明する。
まず、各種センサ27に含まれる加速度センサは、地震の揺れを感知すると、地震の揺れの程度に応じて震度を特定し、シナリオ設定入力部5を介してシナリオ設定データとして震度をシナリオ設定データ格納部7に格納する(図19:ステップS61)。また、各種センサ27に含まれる熱・煙感知器が、特定の室において火災発生を感知すると、シナリオ設定入力部5を介してシナリオ設定データに含まれる出火箇所として当該特定の室をシナリオ設定データ格納部7に格納する(ステップS63)。さらに、ビル防災システムに含まれる各種センサから防火扉や排煙機などの作動状態に関する出力信号が出力されて、損害レベル判定部11は当該出力信号を受信して、パラメータの修正に関わる各要素につき損害レベルを判定し、判定結果の損害レベルを損害レベル格納部13に格納する(ステップS65)。より詳しくは、A:商品・什器の散乱については、例えば震度に応じて軽損又は中損以上かを判断してもよいし、例えば所定位置の館内カメラの撮影画像を解析して、商品などの散乱状態を特定して軽損又は中損以上かを判断しても良い。B:扉の閉鎖障害については、防火扉の開閉センサの出力信号により異常が発生したか否か判断して、軽損か中損以上であるかを特定する。C:自動火災報知設備については、自動火災報知設備の出力信号又は不動作状態の検知により、軽損か中損以上であるかを特定する。また、D:非常用エレベータについては、非常用エレベータからの動作状態についての出力信号により動作可能か否かを判断して、中損以上か判断すると共に例えばシナリオ設定データ格納部7に格納された震度と合わせて中損か重損かを判断する。さらに、E:照明器具の破損については、例えば照度計などの照度の計測信号により客室や通路などの照度を判断し、軽損、中損、重損のいずれに該当するか判断する。
また、F−1:防火壁については、防火壁の開閉センサの出力信号により異常が発生しているか判断して、重損か否かを特定する。F−2:防火戸及び防火シャッターについては、防火戸及び防火シャッターの開閉センサの出力信号により異常が発生しているか判断して、例えば異常の個所や個数に応じて軽損、中損、重損のいずれかを特定する。G:排煙設備については、排煙設備からの動作状態(排煙能力レベル)を表す出力信号により動作状態を特定し、軽損、中損、重損のいずれかを特定する。
なお、例えば画像処理部を含む在館者数把握システムも各種センサに含む場合には、当該在館者数把握システムにより判定された在館者数のデータについては、パラメータ入力部1を介して入力パラメータ格納部3に格納する。その他のデータについてもセンサにより特定される場合には、入力パラメータ格納部3に格納する。
入力されないデータについては、既に入力パラメータ格納部3に格納されているデータ及びシナリオ設定データ格納部7に格納されているデータ、設定パラメータDB9に格納されているデータを用いて、以下の処理を実施する。
次に、避難所要時間算出部15は、避難所要時間算出処理を実施し、計算結果を避難所要時間データ格納部17に格納する(ステップS67)。この処理については、上で図7に示した処理を実施する。さらに、煙降下時間算出部19は、煙降下時間算出処理を実施し、計算結果を煙降下時間データ格納部21に格納する(ステップS69)。この処理については、上で図14に示した処理を実施する。そして、判定処理部23は、避難所要時間データ格納部17及び煙降下時間データ格納部21に格納されたデータを用いて判定処理を実施し、判定結果を出力部25に出力する(ステップS71)。出力部25は、判定結果や避難所要時間データ格納部17及び煙降下時間データ格納部21に格納されたデータ等を用いて、表示装置等に出力する(ステップS73)。
例えば図20に示すような画面が表示装置に表示される。図20の例では、出火箇所表示欄2001と、在館者表示欄2002と、在館者内訳表示欄2003と、震度表示欄2004と、防火設備アラーム表示欄2005と、時間表示欄2006と、コメント表示欄2007とを含む。出火箇所表示欄2001には、熱・煙感知器が火災を検出した場所を表示する。また、在館者表示欄2002及び在館者内訳表示欄2003には、在館者数把握システム等により特定された在館者数のデータを含む。震度表示欄2004は、加速度センサなどにより特定された震度のデータを含む。防火設備アラーム表示欄2005には、各種センサの測定結果などを含む。時間表示欄2006は、避難開始時間そのままを含む火災階避難所要時間と、火災発生確認を行わない場合すなわち即時避難誘導開始時における火災階避難所要時間と、避難開始時間そのままを含む全館避難所要時間と、即時避難誘導開始時における全館避難所要時間と、火災階の避難限界時間(煙降下時間)と、全館避難限界時間(全館避難時の煙降下時間)と、上で述べた4通りの避難所要時間に対する判定結果(安全避難可能な場合OK、安全避難不可の場合NG)とを含む。このように数字で示しさらに安全避難不可という判定結果を示すことにより、いずれの避難方法を採用すべきかが一目で把握可能となる。なお、図20の例では、火災発生確認を行うと避難が間に合わないことが分かる。
従って、コメント欄2007は、地震が発生したこと、各種センサの異常検知、そして上で述べたように即時避難開始が必要であると判断されているため、当該判断に対応するメッセージ「火災発生の有無を問わず、火災階からの避難誘導を開始してください。」、自衛消防隊への連絡、火災発生の感知、全館即時避難に関するメッセージが含まれている。
図20のような画面表示がなされることにより、ユーザは何をすべきかを、非常時においても簡単に理解することができ、適切な対応が可能となる。
なお、判定処理部23は、必要な場合には、出力部25への出力以外に、自動放送システムなど他のシステムへの制御を実施する(ステップS75)。図20の例のように、即時避難が必要と判断される場合には、自動的に全館避難放送を自動放送システムに指示する。これは早期に避難を開始する必要があるため、ユーザからの明示の指示を待つことなく実施する。
このような処理により、地震発生などの非常時においても適切に避難時間及び煙降下時間を評価して、適切な措置を適切なタイミングで実施することができるようになる。
なお、上ではユーザからの入力を地震発生時には求めないようにしてるが、センサが予め設けられていない場合等は、少数の必要な情報につきユーザに入力を求め、その入力データを用いて上で述べた処理を実施するようにしても良い。
(C)避難訓練の支援
上で述べた地震避難評価システムは、さらに避難訓練の支援にも使用可能である。この場合には、図4とほぼ同じ処理フローの処理を行うが、避難訓練の支援モードを設定する。そうすると、ステップS13では、例えば図21に示すような出力が行われる。図21の例では、出火場所、在館者人数といった設定シナリオと、判定された損害レベルに応じた煙拡散及び避難行動への影響、計算結果である避難所要時間及び避難限界時間(煙降下時間)、上で述べた状況に応じて知識ベースに登録された留意点及び確認事項メッセージが含まれる。
このような出力に基づき、想定する避難訓練を実際に実施し、実際に予測避難所要時間内に避難できるか検証したり、避難計画の改善点を洗い出すなど、防災マニュアルなどの見直しを実施する。
以上本発明の一実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図1乃至図3に示した機能ブロック図は一例であって、必ずしも実際のプログラムモジュール等とは対応しない場合もある。また、データ格納部の構成も図1乃至図3の構成に限定されるものではない。1つのファイルの一部分の場合もある。
さらに地震発生時の処理のみを実施したり、地震発生時の処理を実施しないような構成も可能である。
また、上記地震避難評価システムは、コンピュータ装置であって、メモリ2501とCPU2503とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。必要に応じてCPU2503は、表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、必要な動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、メモリ2501に格納され、必要があればHDD2505に格納される。本発明の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。なお各種センサ27は、バス2519に所定のインターフェースを介して接続される。
また、シナリオ設定データ及びパラメータ並びに設定パラメータDB9に格納されたデータを区別して説明したが、全てパラメータとして取り扱う場合もある。
また、地震避難評価システムを一台のコンピュータではなく、複数台のコンピュータで実行することもある。
本発明の一実施の形態におけるシステム構成図である。 避難所要時間算出部の機能ブロックを示す図である。 煙降下時間算出部の機能ブロックを示す図である。 平常時の処理フローを示す図である。 損害レベル判定処理の処理フローを示す図である。 (a)は施設についての損害レベルを決定するためのテーブル、(b)は施設内の損害レベルを決定するためのテーブルを示す図である。 避難所要時間算出処理の処理フローを示す図である。 損害レベルの影響を受ける、避難所要時間の計算に関する要因についてのテーブルを示す図である。 在館者の歩行速度のためのテーブルを示す図である。 即時避難時における避難開始時間のためのテーブルを示す図である。 有効流動係数Neffを計算するための分類テーブルである。 有効流動係数Neffを計算するための分類テーブルである。 在館者密度を決定するためのテーブルである。 煙降下時間算出処理の処理フローを示す図である。 損害レベルの影響を受ける、煙降下時間の計算に関する要因についてのテーブルを示す図である。 発熱量を特定するためのテーブルを示す図である。 第1の表示画面例を示す図である。 第2の表示画面例を示す図である。 地震発生時の処理フローを示す図である。 地震発生時の表示画面例を示す図である。 避難訓練時の表示画面例を示す図である。 コンピュータの機能ブロック図である。
符号の説明
1 パラメータ入力部 3 入力パラメータ格納部
5 シナリオ設定入力部 7 シナリオ設定データ格納部
9 設定パラメータDB 11 損害レベル判定部
13 損害レベル格納部 15 避難所要時間算出部
17 避難所要時間データ格納部 19 煙降下時間算出部
21 煙降下時間データ格納部 23 判定処理部
25 出力部 27 各種センサ 29 他システム

Claims (11)

  1. 予め定められた事項に基づき決定される評価対象施設の耐震グレードと想定震度とに従って、前記評価対象施設内部の想定損害レベルを決定し、想定損害レベルデータ格納部に格納する想定損害レベル決定ステップと、
    前記想定損害レベルデータ格納部に格納された想定損害レベルに従って、パラメータ格納部に格納され且つ予め定められた避難所要時間算出のための第1パラメータを修正し、修正後の第1パラメータを修正パラメータ格納部に格納するパラメータ修正ステップと、
    前記修正パラメータ格納部及び前記パラメータ格納部に格納されたデータを用いて避難所要時間を算出し、避難所要時間データ格納部に格納する避難所要時間算出ステップと、
    前記パラメータ格納部に格納されたデータを用いて、前記想定損害レベルデータ格納部に格納された想定損害レベルに応じた修正を伴う煙降下時間算出処理を実施し、算出された煙降下時間を煙降下時間データ格納部に格納する煙降下時間算出ステップと、
    を含み、コンピュータにより実行される情報処理方法。
  2. 複数の想定震度について前記想定被害レベル決定ステップと前記パラメータ修正ステップと前記避難所要時間算出ステップと前記煙降下時間算出ステップとを実行し、
    前記避難所要時間格納部に格納された避難所要時間及び前記煙降下時間格納部に格納された煙降下時間の想定震度に応じた変化を表すグラフを生成し、出力装置に出力するステップ
    をさらに含む請求項1記載の情報処理方法。
  3. 前記第1のパラメータが、評価対象施設の在館者の移動距離と移動速度との少なくともいずれかを含む請求項1記載の情報処理方法。
  4. 前記第1のパラメータが、避難開始時間算出のためのパラメータをさらに含む請求項3記載の情報処理方法。
  5. 前記想定損害レベルデータ格納部に格納された想定損害レベルに応じた修正が、煙発生量の増加と排煙量の減少との少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1記載の情報処理方法。
  6. 地震発生時においてセンサからの信号を処理することにより損害レベルを特定し、損害レベルデータ格納部に格納するステップと、
    前記損害レベルデータ格納部に格納された損害レベルに従って、パラメータ格納部に格納され且つ予め定められた避難所要時間算出のための第1パラメータを修正し、修正後の第1パラメータを修正パラメータ格納部に格納するパラメータ修正ステップと、
    前記修正パラメータ格納部及び前記パラメータ格納部に格納されたデータを用いて避難所要時間を算出し、避難所要時間データ格納部に格納する避難所要時間算出ステップと、
    前記パラメータ格納部に格納されたデータを用いて、前記損害レベルデータ格納部に格納された損害レベルに応じた修正を伴う煙降下時間算出処理を実施し、算出された煙降下時間を煙降下時間データ格納部に格納する煙降下時間算出ステップと、
    前記避難所要時間データ格納部に格納された避難所要時間と前記煙降下時間データ格納部に格納された煙降下時間とを、出力装置に出力するステップと、
    を含み、コンピュータにより実行される情報処理方法。
  7. 前記避難所要時間データ格納部に格納された避難所要時間と前記煙降下時間データ格納部に格納された煙降下時間とに基づき、安全な避難方法を特定するステップと、
    特定された前記安全な避難方法に応じて、当該避難方法に用いられる装置に対する制御を実行するステップと、
    をさらに含む請求項6記載の情報処理方法。
  8. 前記損害レベルが所定の要素毎に決定され、
    前記第1パラメータが、前記所定の要素のいずれかに属するパラメータである
    ことを特徴とする請求項6記載の情報処理方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1つ記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 予め定められた事項に基づき決定される評価対象施設の耐震グレードと想定震度とに従って、前記評価対象施設内部の想定損害レベルを決定し、想定損害レベルデータ格納部に格納する想定損害レベル決定手段と、
    前記想定損害レベルデータ格納部に格納された想定損害レベルに従って、パラメータ格納部に格納され且つ予め定められた避難所要時間算出のための第1パラメータを修正し、修正後の第1パラメータを修正パラメータ格納部に格納するパラメータ修正手段と、
    前記修正パラメータ格納部及び前記パラメータ格納部に格納されたデータを用いて避難所要時間を算出し、避難所要時間データ格納部に格納する避難所要時間算出手段と、
    前記パラメータ格納部に格納されたデータを用いて、前記想定損害レベルデータ格納部に格納された想定損害レベルに応じた修正を伴う煙降下時間算出処理を実施し、算出された煙降下時間を煙降下時間データ格納部に格納する煙降下時間算出手段と、
    前記避難所要時間データ格納部に格納された避難所要時間と前記煙降下時間データ格納部に格納された煙降下時間とに基づき、前記評価対象施設について安全な避難が可能であるか判断する判断手段と、
    を有する情報処理装置。
  11. 地震発生時においてセンサからの信号を処理することにより損害レベルを特定し、損害レベルデータ格納部に格納する手段と、
    前記損害レベルデータ格納部に格納された損害レベルに従って、パラメータ格納部に格納され且つ予め定められた避難所要時間算出のための第1パラメータを修正し、修正後の第1パラメータを修正パラメータ格納部に格納するパラメータ修正手段と、
    前記修正パラメータ格納部及び前記パラメータ格納部に格納されたデータを用いて避難所要時間を算出し、避難所要時間データ格納部に格納する避難所要時間算出手段と、
    前記パラメータ格納部に格納されたデータを用いて、前記損害レベルデータ格納部に格納された損害レベルに応じた修正を伴う煙降下時間算出処理を実施し、算出された煙降下時間を煙降下時間データ格納部に格納する煙降下時間算出手段と、
    前記避難所要時間データ格納部に格納された避難所要時間と前記煙降下時間データ格納部に格納された煙降下時間とを、出力装置に出力する手段と、
    を有する情報処理装置。
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