JP2006071409A - シェーグレン症候群診断キット - Google Patents

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健一 小崎
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Abstract

【課題】確実かつ簡便にシェーグレン症候群を診断することを可能とするシェーグレン症候群の診断キット及びこれを用いたシェーグレン症候群の診断方法、ならびにシェーグレン症候群の治療に有用なアンタゴニストペプチドを提供することを主な目的とする。
【解決手段】SEREX法を用いた発現クローニングと血清学的スクリーニング法により、複数のシェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子を特定した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子によってコードされるタンパク質、或いはそのエピトープ又はエピトープを含むフラグメント、もしくは該タンパク質のアミノ酸配列に由来するポリペプチドの使用に関する。さらに詳しくは、シェーグレン症候群関連自己抗原及び被検者の血液成分中に存在する該シェーグレン症候群関連自己抗原に対する自己抗体の検出を目的とした診断キット及び診断方法に関する。
シェーグレン症候群(以下SjSと記載することがある)は、唾液腺、涙腺等の外分泌腺を標的とする臓器特異的自己免疫疾患とされている。シェーグレン症候群の発症原因は不明であり、現在のところ、主訴であるドライアイ(乾性角結膜炎)、口内乾燥症等の乾燥症状に対する対症療法が主に行われている。しかしながら、一部のシェーグレン症候群患者では、ドライアイ、口腔乾燥症等の腺症状にとどまらず、時には、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス等の他の自己免疫疾患、さらには悪性リンパ腫等を合併することもある。特に、シェーグレン症候群の患者における悪性リンパ腫(非Hodgikinリンパ腫)のリスクは、シェーグレン症候群でない人の約44倍であり(例えば非特許文献1)、シェーグレン症候群を早期に発見することによって、これらの合併症を予防することが可能であると考えられる。
現在、シェーグレン症候群の診断には、主に患者の唾液腺の生検、唾液分泌量の測定、抗SS-A/Ro及び抗SS-B/La抗体の検出(例えば非特許文献2)等が用いられている。しかしながら、生検は侵襲を伴うため好ましくなく、唾液分泌量の測定に関しても手間がかかるといった問題がある。また、抗SS-A/Ro及び抗SS-B/La抗体の検出による診断では、偽陰性を示す場合もあることから、確実で簡便な診断方法が望まれている。
Blood Cells, Molecules, and Diseases, 274: 750-756, 2001. Ann. Rheum. Dis., 61: 554-558, 2002.
本発明は、シェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子によってコードされるタンパク質、或いはそのエピトープ又はエピトープを含むフラグメント、もしくは該タンパク質のアミノ酸配列に由来するポリペプチドを用い、確実かつ簡便にシェーグレン症候群を診断することを可能とするシェーグレン症候群の診断キット及びこれを利用したシェーグレン症候群の診断方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、ヒト正常大唾液腺(耳下腺、顎下線、舌下腺)組織、ヒト正常精巣組織、及びヒト口腔扁平上皮癌細胞株から得られたtotal RNAをもとにcDNA発現ライブラリーを作製し、シェーグレン症候群(SjS)患者血清を用いた発現クローニング法(SEREX)によって、シェーグレン症候群患者の血清中に含まれる自己抗体IgGが認識し得る自己抗原遺伝子を単離し、これらのcDNA配列を得た。さらに、本発明者は、健常者、慢性関節リウマチ(RA)患者、又は全身性エリテマトーデス(SLE)患者の血清を用いた血清学的スクリーニング法によって、シェーグレン症候群患者に特異的な自己抗原遺伝子の選別を試みた。その結果、新規遺伝子を含む計16種のシェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子のcDNA配列を特定することに成功した。
また、本発明者は、被検者の血清等の体液又は体液成分中において、シェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子のcDNAにコードされる自己抗原タンパク質、或いはそのエピトープ又はエピトープを含むフラグメント、もしくは該タンパク質のアミノ酸配列に由来するポリペプチドに対する自己抗体の存在を確認することで、シェーグレン症候群の診断が可能であることを見出した。
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
項1.シェーグレン症候群の診断における配列番号4 (IFI16)によってコードされるタンパク質、或いはそのエピトープ又はエピトープを含むフラグメント、もしくは該タンパク質のアミノ酸配列に由来するポリペプチドの使用。
項2.配列番号4 (IFI16)によってコードされるタンパク質及び配列番号16 (SS-B/La)によってコードされるタンパク質、或いはそのエピトープ又はエピトープを含むフラグメント、もしくは該タンパク質のアミノ酸配列に由来するポリペプチドを含む、シェーグレン症候群診断用キット。
項3.配列番号4 (IFI16)によってコードされるタンパク質及び配列番号16 (SS-B/La)によってコードされるタンパク質、或いはそのエピトープ又はエピトープを含むフラグメント、もしくは該タンパク質のアミノ酸配列に由来するポリペプチドと、被検者のサンプルとを反応させる工程を含む、シェーグレン症候群の診断方法。
項4.被検者のサンプルが血清である、項3に記載のシェーグレン症候群の診断方法。
項5.主要組織適合抗原(Major Histocompatibility Complex; MHC)分子に結合し得るポリペプチドであって、配列番号20、22又は23に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドに対するT細胞の抗原受容体(T cell receptor; TCR)との応答を特異的に抑制する、配列番号33〜211のいずれかに示されるペプチドを改変してなるアンタゴニストペプチド。
項6.項5に記載のアンタゴニストペプチドの少なくとも1種を有効成分とする、シェーグレン症候群の予防又は治療剤。
(1) シェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子
本発明においてシェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子とは、SEREX法(serological identification of antigens by recombinant cDNA expression cloning analysis)によってクローニングされ、且つ血清学的スクリーニング法によってシェーグレン症候群との強い関連性が見出された自己抗原をコードする遺伝子を指す。SEREX法とは、癌患者から摘出した癌組織から直接mRNAを抽出して作製したcDNA発現ライブラリーと癌患者自身の血清を用いて、腫瘍抗原を検索する方法である。
また、本発明において遺伝子とは、遺伝情報を担う実体物質(DNA)を指し、アミノ酸に翻訳されるコード領域(エクソン)と領域内部のイントロン、及び5’上流及び3’下流でmRNAに転写される部分の全範囲を含む。また、この範囲外でも、ある領域の転写実行又は転写効率に関わる部分は、本発明の遺伝子の一部とする。
本発明者が行ったSEREX法による発現クローニングにおいて、配列番号1〜16に記載される塩基配列を有するcDNAが単離された。この内、配列番号1〜14の塩基配列によってコードされるタンパク質(アミノ酸配列:配列番号17〜30)は、本発明者によって初めてシェーグレン症候群に関連する自己抗原タンパク質であることが示されたものである。配列番号1〜16にコードされるアミノ酸配列を、順に配列番号17〜32に示す。
これらのcDNA配列は、各シェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子の部分配列であり、各遺伝子配列の全長については、公知のデータベース(NCBI)で、対応するアクセッション番号(Accession Number)を検索することによって確認できる。表1に、各遺伝子の名前及び対応するNCBIのアクセッション番号を示す。
Figure 2006071409
以下、いくつかのシェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子を例にとり、その機能を説明する。
[配列番号4に記載の配列を有する遺伝子(IFI16)]
配列番号4に記載の塩基配列を含む遺伝子は、相同検索を行った結果、IFI16遺伝子であると考えられる。IFI16遺伝子は、HIN-200 (Hematopoietic Interferon-inducible Nuclear antigen)ファミリーに属し、IFN (interferon) -alpha及び-gammaによって発現が誘導される遺伝子として発見された。IFI16遺伝子は、主に細胞の増殖抑制や細胞分化等に関連する転写因子とされている。
本発明者は、シェーグレン症候群患者血清を用いたSEREX法、ならびに健常人もしくはシェーグレン症候群以外の自己免疫疾患患者(RA又はSLE)より得た多検体の血清を用いた血清学的スクリーニングを行い、IFI16タンパク質に対する自己抗体がシェーグレン症候群患者血清中で高頻度に検出されることを見出した(図2参照)。
さらに、抗IFI16抗体、及び既にシェーグレン症候群の診断マーカーとして臨床応用されている抗SS-B/La抗体について、多検体のシェーグレン症候群患者血清における陽性率と特異性について検索したところ、どちらの自己抗体も高い陽性率を示し、且つシェーグレン症候群患者血清では双方、あるいはいずれか一方の自己抗体が必ず検出された(図3参照)。
従って、従来の抗SS-B/La抗体検査と抗IFI16抗体検査を組み合わせて実施することは、シェーグレン症候群の診断において疾患の見落としを防ぎ、診断の確実性を格段に高めるものと考えられる。
[配列番号6に記載の配列を有する遺伝子(KLHL12)]
配列番号6に記載の塩基配列を含む遺伝子について公知のデータベースにて相同検索を行ったところ、KLHL12遺伝子と同定された。KLHL12は、そのアミノ酸配列の一次構造上にタンパク質の分子間結合に関与するとされるBTB/POZ domainを有することから、kelch-like proteinと称される遺伝子ファミリーに属すると考えられる。しかし、現在までKLHL12に関する報告は皆無であるため、その生理的機能や疾患等との関連性については不明である。
[配列番号7に記載の配列を有する遺伝子(KLHL7)]
配列番号7に記載の塩基配列を含む遺伝子について公知のデータベースにて相同検索を行ったところ、KLHL7遺伝子と同定された。KLHL7は、そのアミノ酸配列の一次構造上にタンパク質の分子間結合に関与するとされるBTB/POZ domainを有することから、kelch-like proteinと称される遺伝子ファミリーに属すると考えられる。しかし、現在までKLHL7に関する報告は皆無であるため、その生理的機能や疾患等との関連性については不明である。
図2より、抗KLHL12抗体と抗KLHL7抗体はいずれもシェーグレン症候群患者血清で特異的に検出され、且つ健常者や慢性関節リウマチ患者、全身性エリテマトーデス患者の血清中では全く検出されないことから、シェーグレン症候群に対する強い特異性が示された。従って、血清中より抗KLHL12抗体と抗KLHL7抗体の両方、あるいはいずれか一方が検出される患者は、シェーグレン症候群である可能性が極めて高いと言える。
(2) エピトープ
本発明においてエピトープとは、通常6〜20個程度のアミノ酸配列から成り、抗体が認識して結合することが可能な特定の構造単位を指す。また、本発明においてエピトープを含むフラグメントとは、該エピトープを1又は複数個含むタンパク質の断片を指す。
既に公開されている解析ソフトBIMAS (http://bimas.cit.nih.gov/molbio/hla_bind/)及びSYFPEITHI (http://syfpeithi.bmi-heidelberg.com/Scripts/MHCServer.dll/Epitope Prediction.htm)を使用して、シェーグレン症候群における新規自己抗原と考えられるIFI16、KLHL12及びKLHL7のエピトープについて解析した結果をそれぞれ表2、3、及び4に示す。各自己抗原遺伝子にコードされるタンパク質のアミノ酸配列について、結合するHLAの種類ごとに推定される結合性の高さをスコア(Score)によって示した。HLA (Human Leukocyte Antigen)への結合性について高いスコアを有するペプチド配列は、HLAに結合して抗原提示される可能性が高いエピトープと推定される。なお、各表には、スコアの値がBIMASを用いた解析で100以上、SYFPEITHIを用いた解析で25以上のアミノ酸配列のみを表す。
表2には、IFI16について解析を行った結果を示す。また、表2に記載のペプチドのアミノ酸配列は、表の上から順に配列番号33〜94として示される。
Figure 2006071409
表3には、KLHL12について解析を行った結果を示す。また、表3に記載のペプチドのアミノ酸配列は、表の上から順に配列番号95〜190として示される。
Figure 2006071409
Figure 2006071409
表4には、KLHL7について解析を行った結果を示す。また、表4に記載のペプチドのアミノ酸配列は、表の上から順に配列番号191〜211として示される。
Figure 2006071409
(3) ペプチド及びリコンビナントタンパク質の作製
上記したシェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子によってコードされるタンパク質、或いはそのタンパク質のアミノ酸配列に由来するペプチド配列に基づき、シェーグレン症候群関連自己抗原のペプチド又はリコンビナントタンパク質を作製することが可能である。ペプチド又はリコンビナントタンパク質の作製方法としては、公知の方法を適用することができる。
例えば、配列表に表される任意の抗原遺伝子について、その塩基配列の全長、又は該塩基配列を含むDNA断片を発現ベクターのプロモーター下流に挿入し、組み換え体ベクターを作製する。次に、この組み換え体ベクターを適合する宿主細胞に遺伝子導入する。その後、組み換え体ベクターを導入した細胞を適切な条件下で培養し、該細胞によって産生されたペプチド又はリコンビナントタンパク質を宿主細胞から単離・精製することによって、上記のペプチド又はリコンビナントタンパク質を得ることができる。
宿主細胞としては、細菌(大腸菌等)、酵母、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞等、目的の遺伝子を発現できるものであれば、いずれでもよい。また、発現ベクターには公知のものを使用することができ、特に限定されない。組み換え体ベクターの遺伝子導入の方法としては、例えば、カルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法、マイクロインジェクション法、コンピテント細胞法、プロトプラスト法等、公知の方法を用いることができる。また、組み換え体ベクターは原核生物中で自立複製が可能であり、本発明のシェーグレン症候群関連自己抗原のペプチド又はタンパク質をコードするDNAを転写できる位置にプロモーターを有しているものであればよい。
単離・精製する方法としては、当業者によって通常使用される方法を用いることができ、例えば、陰イオンクロマトグラフィー法、陽イオンクロマトグラフィー法、疎水性クロマトグラフィー法、ゲル濾過法、アフィニティークロマトグラフィー法、等電点電気泳動法等が挙げられる。これらの単離・精製方法を単独又は組み合わせて用いることができる。
上記の方法の他に、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の化学合成法によってもペプチド合成することができる。また、アドバンスト・ケムテック(Advanced ChemTech)社、パーキン・エルマー(Perkin Elmer)社、ファルマシア(Pharmacia)社、プロテイン・テクノロジー・インスツルメント(Protein technology Instrument)社、シンセセル−ベガ(Synthecell-Vega)社、パーセプティブ(PerSepteive)社、島津製作所等のペプチド合成機を利用して得ることもできる。
組み換えペプチド又はリコンビナントタンパク質を用いて被検者の血清等の体液又は体液成分中のシェーグレン症候群関連自己抗原に対する抗体の有無を確認する場合は、あらかじめ大腸菌成分等の宿主細胞成分を被検者の血清等と反応させておき、宿主細胞成分と反応し得る抗体を除去しておくことが好ましい。
(4) 診断キット
前述の(3)に記載の方法で得られたペプチド又はリコンビナントタンパク質を、以下に説明する診断キットの形態で利用することができる。
本発明の診断キットは、シェーグレン症候群関連自己抗原を適切な容器、樹脂、膜、フィルム等の担体に含まれる形態、又はこれらの担体に固定される形態で使用され得る。担体としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリメチレンメタクリレート等の合成有機高分子化合物、デキストラン誘導体(セファデックス等)、アガロースゲル(セファロース、バイオゲル等)、セルロース(濾紙、ペーパーディスク等)等の多糖類、ガラス、シリカゲル、シリコーン等の無機高分子化合物が挙げられる。
担体の形状は、平板状(マイクロタイタープレート、ディスク等)、粒子状(ビーズ等)、管状(試験管)、繊維状、膜状、微粒子状(ラテックス粒子等)、カプセル状、小包体状等、特に限定されず、測定方法に応じて適宜選択することができる。
検出を行う際、96穴マイクロタイタープレートを用いれば、一度に多種類の抗原或いは多検体の血清と反応させることができる。また、96穴マイクロタイタープレートを利用して、配列番号1〜14の塩基配列によってコードされる複数種のシェーグレン症候群関連自己抗原ペプチド又はリコンビナントタンパク質をパネル化し、本発明の診断キットとして用いることが可能である。
担体と抗原を結合させる方法としては、従来公知の方法を利用すればよく、例えば、物理的吸着法、イオン結合法、共有結合法、包括法等が挙げられる。固定された抗原との非特異的結合を防止するため、ゼラチン、BSA等のブロッキング剤でブロッキング処理することが好ましい。
(5) 診断方法
本発明の診断キットを用いてシェーグレン症候群の自己抗体を検出する方法には、担体に含まれるか、又は固定された配列番号1〜14のうち任意の塩基配列によってコードされるポリペプチド或いはその断片と、シェーグレン症候群が疑われる患者(被検者)のサンプルを反応させる工程が含まれる。ここで、被検者のサンプルとは、例えば、血液、涙、唾液等の体液及び該体液に由来する血清、或いは血漿等の体液成分が挙げられる。本発明の診断における自己抗体の検出には、採血による血液検査が一般的且つ簡便であることから、血清を用いることが好ましい。
反応の条件及び検出の条件等は、当業者に公知の条件が適用される。検出方法としては、ELISA法、沈降反応法、凝集反応法、ウエスタンブロッティング法、RIA法等が挙げられる。
例えば、ELISA法を用いた場合、適切に希釈した被検者の血清と抗原を96穴マイクロタイタープレートで反応させ、洗浄後、標識化した2次抗体と反応させる。2次抗体の標識には、西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase)、アルカリフォスファターゼ(alkaline phosphatase)、βガラクトシダーゼ(β-galactosidase)等の従来公知の酵素を使用することができる。その後、2次抗体を標識した酵素に対応する基質(西洋ワサビペルオキシダーゼ:DAB等、アルカリフォスファターゼ:p-NPP等、βガラクトシダーゼ:X-gal等)を加えて発色させ、マイクロプレートリーダー等の分光器によって被検者の血清中の自己抗体を検出し、定量することができる。
配列番号1〜14の塩基配列によってコードされる抗原タンパク質を結合させた担体を一種又は複数種組み合わせて患者血清中の自己抗体の有無を調べることで、確度の高いシェーグレン症候群の診断が可能となる。また、抗原を複数種組み合わせて診断に用いる場合は、既にシェーグレン症候群の診断に臨床応用されているSS-A/Ro (配列番号31)及びSS-B/La (配列番号32)等の公知の抗原と組み合わせてもよい。被検者の血清等の体液又は体液成分中の自己抗体の検出は、抗原を単独で用いて行っても良いが、診断の精度を高めるためには複数種の抗原を組み合わせて用いることが好ましい。
本発明の好ましい実施態様の1つとして、本発明の診断キットを用いてシェーグレン症候群の診断を行う場合、該キットに含まれる担体に結合する抗原として、配列番号4の塩基配列を含む遺伝子にコードされる抗原(IFI16)及びSS-B/La抗原(配列番号32)を組み合わせて用いることができる。この抗原の組み合わせにおいて、IFI16及びSS-B/Laの両方、或いはいずれか一方が陽性反応を示した場合にシェーグレン症候群であると診断される。ここで、陽性反応とは、患者血清中に各自己抗原に対する自己抗体が存在していることを意味し、ELISA法においては標識化2次抗体の発色における陽性反応によって示される。
また、本発明の他の実施態様として、配列番号6 (KLHL12)及び配列番号7 (KLHL7)の塩基配列を含む遺伝子にコードされる抗原を組み合わせて用いることもできる。これらの抗原は、シェーグレン症候群に対する特異性が高い抗原の組み合わせとなるため、KLHL12及びKLHL7の両方、或いはKLHL12又はKLHL7のいずれかが陽性反応を示した場合にシェーグレン症候群であると診断することができる。
また、本発明の診断キットに加えて、生検(例えば口唇小唾液腺組織、涙腺組織等の採取)、眼科検査(例えばローズベンガル試験、シャーマー試験等)、唾液分泌量の測定、唾液腺シンチグラフィー等の従来用いられている診断方法を組み合わせて診断を行ってもよい。
(6) アンタゴニストペプチド
表2〜4 (配列番号33〜211)のいずれかに示される各アミノ酸配列を改変することによって、アンタゴニストペプチドを作製することが可能である。アンタゴニストペプチドは、MHC分子に結合し、極めて低い濃度でT細胞の膜表面上に発現するTCRの野生型(ポリ)ペプチド(例えば、配列番号20、22、23等に記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチド等)に対する応答のみを特異的に抑制する。アミノ酸配列の改変には公知の方法を適用することができ、例えば、Yael Katz-Levy et al., PNAS., 90: 7000-7004, 1993.; Yael Katz-Levy et al., PNAS., 94: 3200-3205, 1997.等に記載の方法を参考に得ることができる。また、上記(2)に記載した化学合成法やペプチド合成機を用いる方法等を利用してもよい。ここで、表2〜4 (配列番号33〜211)のアミノ酸配列の改変とは、任意のアミノ酸の置換、欠失、付加及びそれらの組み合わせ等を指し、なかでも任意のアミノ酸によって置換されているものが好ましい。配列番号33〜211に表されるアミノ酸配列に基づいて改変されたポリペプチドのなかから、Chen Y.Z. et al., J. Immunol., 157: 3783-3790, 1996.等に記載の方法を参考に、アンタゴニストペプチドを得ることができる。
アンタゴニストペプチドがMHC分子に結合すると、T細胞はこのアンタゴニストペプチドを認識するが、野生型ペプチドとアミノ酸配列がわずかに異なるためにシグナルが伝達されず、活性化されない状態(アナジー)に陥る。その結果、自己免疫反応が誘導されず、自己免疫疾患の症状を軽減又は発症を抑制することが可能とされている。従って、表2〜4に示されるアミノ酸配列に基づいて得られるアンタゴニストペプチドは、シェーグレン症候群の予防又は治療剤として有用であると考えられる。
上記のアンタゴニストペプチドを有効成分とするシェーグレン症候群の予防又は治療剤を使用する場合、該アンタゴニストペプチドの少なくとも1種をそのまま、又は薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤と共に投与することができる。薬学的に許容される担体としては、該アンタゴニストペプチドの効果を損なわないものであれば特に限定されず、例えば、ヒト血清アルブミン等があげられ、希釈剤としては、例えば、生理食塩水(PBS)、蒸留水等が挙げられる。製剤の形態も特に限定されず、凍結乾燥したもの、顆粒剤、液剤等にして用いてもよい。また、公知の賦形剤、安定化剤、保存剤等を添加してもよい。さらに、該アンタゴニストペプチドをMHC分子と混和して投与してもよい。混和されるMHC分子としては、上記(2)に記載した化学合成法やペプチド合成機を用いる方法等を利用して作製した既存のものを用いてもよい。
上記したアンタゴニストペプチドを有効成分とするシェーグレン症候群の予防又は治療剤としての投与量は、本発明のアンタゴニストペプチドを成人1人あたり1回の投与について0.001〜1000mg程度、好ましくは0.01〜100mg程度となるように投与することができるが、この範囲に限定されるものではない。
本発明によれば、確実かつ簡便にシェーグレン症候群の診断を可能にするシェーグレン症候群の診断キット、及びこれを用いたシェーグレン症候群の診断方法を提供することができる。
従来、シェーグレン症候群の診断には、侵襲を伴う方法や偽陰性を示す可能性がある方法が主に用いられてきたが、本発明者によって見出されたシェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子にコードされるペプチド又はリコンビナントタンパク質を利用して患者血清中の自己抗体を調べることで、シェーグレン症候群の確実な診断が可能である。さらに、本発明の診断キットを用いれば、少量の試料から簡便な方法によってシェーグレン症候群の診断ができる。
また、シェーグレン症候群を確実に診断できることから、例えば、各患者における発症時期、家族歴、予後等の病態データの蓄積が可能になる。各患者の病態データとシェーグレン症候群患者の遺伝子多型を組み合わせて利用すれば、シェーグレン症候群発症のリスクに関連するSNP (Single Nucleotide Polymorphisms)を単離・同定することも可能となる。単離・同定された新規SNPに関する情報は、シェーグレン症候群の発症予測、さらにはシェーグレン症候群の予防方法、新規治療方法の開発に役立つものと考えられる。
シェーグレン症候群には、マクログロブリン血症や悪性リンパ腫等の重篤な症状へと進展するものと、乾燥症状等の軽度な症状のまま経緯するものがあるが、前述の臨床データと本発明による検査方法とを組み合わせることにより、シェーグレン症候群の予後についての予測も可能になると考えられる。
さらに、臓器特異的な遺伝子治療が可能となれば、外分泌腺等の標的臓器における配列番号1〜14に記載のシェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子の発現を抑制することによって、シェーグレン症候群の根本治療ができると考えられる。
加えて、本発明によれば、T細胞の活性を阻止し得る、シェーグレン症候群の治療に有用な該ペプチドのアンタゴニストペプチドの提供も可能である。
以下、本発明をさらに詳しく説明するために実施例を挙げるが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
本実施例で用いた試料を、以下のように調製した。
(1) 血清
平成13年に文部科学省、厚生労働省、経済産業省の三省から共同で告示された「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」を遵守し、試料提供者よりインフォームドコンセントを得て、シェーグレン症候群(SjS)、慢性関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された患者、ならびに健常者(HC)の血清を収集し、使用した。
(2) 細胞および組織由来total RNA
ヒト正常大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)組織由来total RNAは、頸部郭清術を受けた口腔癌患者の外科切除組織よりインフォームドコンセントを得て採取し、4M Guanidine Thiocyanate溶液で組織を溶解して回収し、グアニジン−塩化セシウム超遠心法(例えば、Molecular Cloning. A laboratory manual. Second edition. J. Sambrook, E. F. Fritsch, T. Maniatis. Cold Spring Harbor Laboratory Press. 1989. 参照)にてtotal RNAを抽出した。
ヒト正常精巣組織由来total RNAはBioChain Institute, Inc. (Hayward, CA, USA)より購入した。
ヒト口腔扁平上皮癌細胞株HSQ89 (BioResource Center, Tsukuba, Japan)はDMEM + 10% FBSを培地として、5% CO2、37℃条件下にて培養した。増殖後、4M Guanidine Thiocyanate溶液で細胞を溶解して回収し、グアニジン−塩化セシウム超遠心法にてtotal RNAを抽出した。
(3) cDNA発現ライブラリーの作製
それぞれのtotal RNAをアガロースゲル電気泳動にて質的に確認後、mRNA purification kit (Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ, USA)を用いて各600μgあるいは1200μgのtotal RNAよりmRNAを精製した。制限酵素Xho I サイトを含むリンカープライマーとmethylnucleotide mixture (10mM dATP, 10mM dGTP, 10mM dTTP, 5mM 5-methyl dCTP)を用いて、各5μgのmRNAよりfirst-strand cDNAを合成した。逆転写酵素はStrataScript RT (Stratagene, La Jolla, CA, USA)を使用し、42℃で1時間反応させて伸長効率を高めた。次に、得られた反応産物のmRNAをRnase H (Stratagene)で破壊後、DNA polymerase I (Stratagene)を加え、16℃で2.5時間反応させてsecond-strand cDNAを合成した (Stratagene)。合成したcDNAはPfu DNA polymerase (Stratagene)を使用して末端平滑化後に、Eco RI サイトを含むアダプターをT4 DNA ligase (Stratagene)を用いて8℃で一晩、アダプター・ライゲーションを行った。接続したアダプターの末端にはEco RI サイトが突出しているが、リン酸化されていないため、T4 polynucleotide kinase (Stratagene)を加えリン酸化処理を行った。
得られた二本鎖cDNAをXho I (Promega, Heidelberg, Germany)で酵素処理後、約400bp以下の短いcDNAの除去と完全長cDNAの濃縮のために、CROMA SPIN-400 (Clontech, Palo Alto, CA, USA)を用いたゲル濾過法でcDNAを分画した。分画したcDNAはPico Green ds cDNA Quantitation reagents (Molecular Probes, Eugene, Oregon, USA)を用いて定量後、T4 DNA ligase (Stratagene)を用いて各100ngのcDNAを1μgのZAP express vector (Stratagene)に12℃にて一晩、ライゲーションを行った。さらに、ライゲーション後、Gigapack III Gold (Stratagene)を用いてファージへin vitroパッケージンクし、ファージ・ライブラリーを完成させた。得られたファージ・ライブラリーをNZY培地 (Sigma, St. Louis, MO, USA)で増幅させ、力価を計測後、クロロホルムを加え4℃で保存した。
(4) 大腸菌の調整
XL1-Blue MRF'細胞及びXLOLR細胞をLB−テトラサイクリンアガープレート(Becton Dickinson, Sparks, MD, USA)に37℃で一晩、画線培養し、単一コロニーを得た。XL1-Blue MRF'細胞には20ml LB/MgSO4/マルトース培地(Becton Dickinson)を、XLOLR細胞には20ml NZY培地(Sigma)を用いて30℃で一晩、培養した。培養後の懸濁液を遠心して菌体を回収し、10mlの10mM MgSO4にて溶解(OD600値=1.0)して4℃で保存した。
(5) 血清中に含まれる抗大腸菌/ファージ抗体の吸収除去(Adsorption)
0.22μm滅菌フィルター(Millipore, Bedford, MA, USA)にて濾過した各血清5mlをTBS緩衝溶液(10mM Tris-HCl pH 8.0, 150mM NaCl)で5倍に希釈後、血清中に含まれている抗バクテリア抗体及び抗ファージ抗体を除去するため、Y1090/Y1089/XL-1 blue Lysate及びY1090/λgt11 Lysate (BioDynamics Laboratory Inc., Tokyo, Japan)を充填したPD-10カラム(Amersham Biosciences)を5回通過させた。スクリーニング時には、該希釈溶液を最終希釈率100倍にて使用した。
(6) cDNA発現クローニング
上記(3)で作成したファージ・ライブラリーをXL1-Blue MRF'細胞に感染させ、NZYトップアガー(Sigma)および1Mイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG; Sigma)と混合後、濃度5×104 プラーク/150mmプレートでNZYアガープレートに6枚ずつプレーティングした。37℃で6〜8時間培養し、プラークの出現を確認した後、ニトロセルロースメンブレン(Protean BA85; Schleicher & Schuell, Dassel, Germany)をゲル表面に密着させ、さらに37℃で一晩、培養を続けた。
培養終了後、各メンブレンを0.05% Tween20含有TBS緩衝溶液で洗浄し、5% NFDM (Non-fat dried milk; Snow Brand Milk Products Co.,Ltd., Tokyo, Japan)を用いて室温にて1時間ブロッキングした。次に、100倍希釈したシェーグレン症候群患者血清を5% BSA (Sigma)でプレ・コーティングしたディッシュに入れ、メンブレンを4℃で一晩、インキュベートした(一次抗体反応)。メンブレンを洗浄後、Peroxidase-conjugated AffiniPure Goat Anti-Human IgG, Fcγ Fragment Specific (Jackson ImmunoResearch Laboratory Inc., Baltimore Pike, PA, USA)を1000倍希釈し、室温で1時間反応させた(二次抗体反応)。発色はDAB (3,3'-diaminobenzidine, tetrahydrochloride; Dojindo, Kumamoto, Japan)を使用し、超純水で発色反応を停止させた。
陽性クローン(発色反応があったクローン)をパスツールピペットにて単離し、500μlのSM緩衝溶液(350mM Tris-HCl pH 7.5, 1M NaCl, 100mM MgSO4, 0.01% gelatin)内で溶解させ、4℃にて保存した(一次スクリーニング)。溶解させた陽性クローン由来ファージを濃度1×102 プラーク/100mmプレートでプレーティングし、前述の操作を繰り返して、単一の陽性クローンを単離した(二次及び三次スクリーニング)。
(7) 陽性クローンの塩基配列の決定
各単一陽性クローンについては、ExAssist interference-resistant helper phage及びXLOLR細胞を用いたin vivo excisionによってpBK-CMVファージミドベクターに転換させた。mRNA purification kit (Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ, USA)によるmRNAの精製後からin vivo excisionまでの工程は、ZAP Express cDNA synthesis kit and ZAP Express cDNA Gigapack III Cold Cloning kit (Stratagene, La Jolla, CA, USA)の説明書に従った。
プラスミドDNAをQIAprep Spin Miniprep Kit (Qiagen, Valencia, CA, USA)を用いて精製後、制限酵素Eco RI 及びXho I (Promega) で切断し、アガロースゲル電気泳動にてプラスミド内のインサートcDNAの有無やサイズなどを確認した。異なるインサートcDNAを含むプラスミドクローンについては、DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kitを用いたcycle sequence reaction (30 サイクル; Amersham Biosciences)後、AutoSeq G-50 (Amersham Biosciences)にてスピンカラム精製し、ABI PRISM 310 Genetic Analyzer Automated Sequencer (Perkin Elmer, Norwalk, CT, USA)で塩基配列を決定した。決定された各配列は、DNASIS ソフトウェアプログラム (Hitachi, Yokohama, Japan)及びNCBI BLASTデータベース (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/ BLAST/)を使って遺伝子解析した。
各cDNAライブラリーよりSEREX法によって単離・同定されたシェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子群を表5に、また、その代表的な陽性所見を図1に示す。
Figure 2006071409
(8) 多検体の被検者血清を用いた血清学的スクリーニング
得られた抗原遺伝子については、シェーグレン症候群(SjS) 30例、健常者(HC) 12例、慢性関節リウマチ(RA) 15例、及び全身性エリテマトーデス(SLE) 15例の患者血清を用いた血清学的スクリーニングによる絞り込みと選別を進め、既知・未知を含め最終的に有用と考えられる計16種のシェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子のcDNA配列を特定することに成功した。
図2は、SjS、HC、RA、SLEの被検者血清中における各遺伝子群に対する自己抗体の陽性頻度を示す。
図3は、シェーグレン症候群の各患者血清を用いたスクリーニング結果における、IFI16抗原及びSS-B/La抗原に対する抗体の陽性頻度について示したものである。
図3に示されるように、血清中におけるIFI16抗原及びSS-B/La抗原に対する自己抗体の有無について検査することで、シェーグレン症候群の患者を100%の確率で診断することが可能である。
(9) 単離・同定されたシェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子の発現分布
HSQ89、精巣、舌下腺、耳下腺、及び顎下腺のRNAは上記(2)に記載の方法で得られたもの、膵臓、肝臓、腎臓、脾臓、肺、及び筋肉のRNAはBioChain Institute, Inc. (Hayward, CA, USA)から購入したものをそれぞれ使用し、Molecular Cloning. A laboratory manual. Second edition. J. Sambrook, E. F. Fritsch, T. Maniatis. Cold Spring Harbor Laboratory Press. 1989.に記載の方法に従って、ノザンブロット解析を行った。
得られたシェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子の多くは、シェーグレン症候群において臓器特異的な炎症ならびに組織破壊の好発部位となる唾液腺(舌下腺、耳下腺及び顎下腺)において発現が増大していることから、これらシェーグレン症候群関連自己抗原遺伝子によって産生されるタンパク質が臓器特異的な自己抗原であることが示された。ノザンブロット解析の結果を、図4に示す。
シェーグレン症候群患者血清を用いた血清学的スクリーニングにおける反応所見の一例を示す。 N:陰性クローン、P:陽性クローン シェーグレン症候群患者、健常者、慢性関節リウマチ患者、及び全身性エリテマトーデス患者の血清を用いた、シェーグレン症候群関連自己抗原の血清学的スクリーニングの結果を示す。 +:陽性、−:陰性、DLE:円盤状エリテマトーデス、HD:橋本病、RA:慢性関節リウマチ、SLE:全身性エリテマトーデス、SjS:シェーグレン症候群、SSc:全身性硬化症(強皮症) シェーグレン症候群の各患者血清を用いたスクリーニング結果におけるIFI16抗原及びSS-B/La抗原に対する自己抗体の陽性頻度について示す。 □:陽性反応、■:陰性反応、網掛け部分:IFI16抗原とSS-B/La抗原のどちらか一方の抗原、あるいは両方の抗原に対する血清中自己抗体の陽性症例 ヒト臓器におけるIFI16、KLHL12、KLHL7遺伝子の発現分布についてのノザンブロット解析
配列番号33〜211は、エピトープのアミノ酸配列である。

Claims (4)

  1. シェーグレン症候群の診断における配列番号4 (IFI16)によってコードされるタンパク質、或いはそのエピトープ又はエピトープを含むフラグメント、もしくは該タンパク質のアミノ酸配列に由来するポリペプチドの使用。
  2. 配列番号4 (IFI16)によってコードされるタンパク質及び配列番号16 (SS-B/La)によってコードされるタンパク質、或いはそれらのエピトープ又はエピトープを含むフラグメント、もしくは該タンパク質のアミノ酸配列に由来するポリペプチドを含む、シェーグレン症候群診断用キット。
  3. 配列番号4 (IFI16)によってコードされるタンパク質及び配列番号16 (SS-B/La)によってコードされるタンパク質、或いはそれらのエピトープ又はエピトープを含むフラグメント、もしくは該タンパク質のアミノ酸配列に由来するポリペプチドと、被検者のサンプルとを反応させる工程を含む、シェーグレン症候群の診断方法。
  4. 被検者のサンプルが血清である、請求項3に記載のシェーグレン症候群の診断方法。

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