JP2006070828A - エンジンの吸入空気量測定装置及び燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】気筒毎、かつサイクル毎の吸入空気量測定を可能とし、エンジンの燃料消費量及び排気性能を向上させる。
【解決手段】筒内圧力Pcnを検出し、検出した筒内圧力Pcnに基づいてポンプロス値(図5の斜線部)Plossを算出し、算出したポンプロス値Plossに基づいて吸入空気量Qaを算出する。算出した吸入空気量Qaをもとに、エンジンに対する燃料噴射量Qfを算出する。
【選択図】 図5
【解決手段】筒内圧力Pcnを検出し、検出した筒内圧力Pcnに基づいてポンプロス値(図5の斜線部)Plossを算出し、算出したポンプロス値Plossに基づいて吸入空気量Qaを算出する。算出した吸入空気量Qaをもとに、エンジンに対する燃料噴射量Qfを算出する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、エンジンの吸入空気量測定装置及びこれを含んで構成されるエンジンの燃料噴射制御装置に関する。詳細には、気筒毎、かつサイクル毎の吸入空気量測定を可能として、特にエンジンの過渡時における燃料消費量及び排気性能を向上させるための技術に関する。
従来、エンジンの燃料噴射制御として、次のものが一般的に行われている。すなわち、吸気通路の集合部分にエアフローメータ又はブーストセンサを設置し、このエアフローメータ等により吸入空気量又はその相関パラメータ(ブーストセンサによる場合は、吸気管内圧力)の値を検出し、検出した吸入空気量等(以下、吸入空気量で代表して記載する。)をもとに、エンジンに対する燃料噴射量を算出する(特許文献1)。
実公昭60−032376号公報(第3欄第19〜33行)
しかしながら、エアフローメータ等(以下、エアフローメータで代表して記載する。)を採用した上記の燃料噴射制御には、次のような問題がある。すなわち、このもので検出される吸入空気量は、全気筒を代表する平均値として検出されるものであり、検出された吸入空気量に基づいて算出される燃料噴射量は、気筒毎に適合させたものではない。このため、吸入空気に対する気筒毎の通気抵抗の相違や、気筒間での相互作用から、エアフローメータにより検出された吸入空気量と各気筒に対する実際の吸入空気量との間に、気筒毎又はサイクル毎の誤差が生じる。エンジンの過渡時には、この誤差(特にサイクル毎のもの)が拡大し、燃料消費量及び排気性能に顕著な悪化を来す原因となる。
また、エアフローメータは、吸気通路において、シリンダから離れた位置に設置されるため、これにより検出される吸入空気量は、筒内に吸入される空気の量を示すものとはならない。このため、筒内における吸入空気量を正確に把握するには、エアフローメータの位置からの吸入空気の輸送遅れを補償するなどの特別な処理を行うことが必要となる。
本発明は、気筒毎、かつサイクル毎の吸入空気量測定を可能とし、エンジンの運転領域全体を通して燃料消費量及び排気性能を向上させることを目的とする。
本発明は、気筒毎、かつサイクル毎の吸入空気量測定を可能とし、エンジンの運転領域全体を通して燃料消費量及び排気性能を向上させることを目的とする。
本発明は、エンジンの吸入空気量測定装置及び燃料噴射制御装置に関する。本発明に係る吸入空気量測定装置は、エンジンの筒内圧力を検出するとともに、検出した筒内圧力をもとに、このエンジンのポンプロスの大きさをポンプロス値として算出し、算出したポンプロス値をもとに、このエンジンの吸入空気量を算出する。また、本発明に係る燃料噴射制御装置は、この吸入空気量測定装置を含んで構成され、測定した吸入空気量をもとに、エンジンに対する燃料噴射量を算出する。
本発明によれば、エンジンのポンプロス値に基づいて吸入空気量を算出することとしたので、吸入空気量を気筒毎、かつサイクル毎に測定することができる。また、測定した吸入空気量をもとに、気筒毎、かつサイクル毎に適合させた燃料噴射量を算出することができるので、エンジンの運転領域全体を通して燃料消費量及び排気性能を向上させ、特に過度時における燃料消費量及び排気性能の悪化を防止することができる。ポンプロス値に基づいて算出される吸入空気量は、筒内におけるものであるため、輸送遅れを補償するなどの特別な処理を行うことなく、的確な燃料噴射量を算出することができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の構成を示している。本実施形態では、エンジン1として、燃料が筒内に直接噴射される直噴型のものが採用されている。
このエンジン1において、吸気通路101には、導入部に図示しないエアフィルタが取り付けられており、このエアフィルタを介して大気中の空気がエンジン1に吸入される。吸気通路101には、ポート部101aにポペット型の吸気弁102が設置されている。この吸気弁102は、図示しないカムにより上下に駆動され、この吸気弁102の往復動作に伴いポート部101aが開閉される。吸入空気は、吸気弁102の開期間に燃焼室201に導入される。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の構成を示している。本実施形態では、エンジン1として、燃料が筒内に直接噴射される直噴型のものが採用されている。
このエンジン1において、吸気通路101には、導入部に図示しないエアフィルタが取り付けられており、このエアフィルタを介して大気中の空気がエンジン1に吸入される。吸気通路101には、ポート部101aにポペット型の吸気弁102が設置されている。この吸気弁102は、図示しないカムにより上下に駆動され、この吸気弁102の往復動作に伴いポート部101aが開閉される。吸入空気は、吸気弁102の開期間に燃焼室201に導入される。
エンジン本体において、シリンダヘッドHには、一側に燃料噴射弁202が設置されている。この燃料噴射弁202は、噴孔が燃焼室201内に配置されており、燃焼室201に燃料を直接噴射する。また、燃焼室201の上部中央に臨ませて点火プラグ203が設置されている。燃料噴射弁202及び点火プラグ203の動作は、エンジンコントローラ401により制御される。
燃焼後の排気ガスは、排気通路301に排出される。この排気通路301には、ポート部301aにポペット型の排気弁302が設置されており、この排気弁302が図示しないカムにより上下に駆動されることによりポート部301aが開閉される。排気ガスは、排気弁302の開期間に排出され、触媒コンバータ等の図示しない排気浄化装置を介して大気中に放出される。
エンジンコントローラ(以下「ECU」という。)401は、電子制御ユニットとして構成されている。ECU401には、エンジン1の運転状態を示す信号として、筒内圧力Pcを検出する圧力センサ451からの信号、エンジン冷却水の温度Twを検出する温度センサ452からの信号、単位クランク角又は基準クランク角を検出するクランク角センサ453からの信号(ECU401は、この信号に基づいてエンジン回転数Neを算出する。)、及び排気ガスの空燃比AFを検出する空燃比センサ454からの信号を入力する。ECU401は、入力した各種の信号をもとに、燃料噴射弁202による燃料噴射量Qf及び点火プラグ203による点火時期を算出し、算出した燃料噴射量Qf等により燃料噴射弁202等を制御する。ECU401は、燃料噴射量算出の基礎として、エンジン1の負荷を示す吸入空気量Qaを採用する。ECU301は、吸入空気量Qaを、以下のように圧力センサ451により検出された筒内圧力Pcに基づいて算出する。なお、本実施形態では、圧力センサ451として、座金型のものが採用され、点火プラグ203のガスケット部に装着されている。また、空燃比センサ454として、理論空燃比近傍で出力が急変するタイプのものが採用されている。
次に、ECU401の動作をフローチャートにより説明する。
図2は、吸入空気量測定ルーチンのフローチャートを示している。このルーチンは、イグニッションスイッチが入ることにより起動され、各気筒についてサイクル毎に実行される。
図2に示すフローチャートにおいて、S101では、所定のクランク角θnにおける筒内圧力Pcnを検出するとともに、検出した筒内圧力Pcnを対応するクランク角θnと関連させて記憶する。本実施形態において、この所定のクランク角θn(n=1〜360/δθ)は、排気下死点から圧縮下死点までの間で所定の単位クランク角δθ毎に設定されている。
図2は、吸入空気量測定ルーチンのフローチャートを示している。このルーチンは、イグニッションスイッチが入ることにより起動され、各気筒についてサイクル毎に実行される。
図2に示すフローチャートにおいて、S101では、所定のクランク角θnにおける筒内圧力Pcnを検出するとともに、検出した筒内圧力Pcnを対応するクランク角θnと関連させて記憶する。本実施形態において、この所定のクランク角θn(n=1〜360/δθ)は、排気下死点から圧縮下死点までの間で所定の単位クランク角δθ毎に設定されている。
S102では、各クランク角θnにおけるシリンダ容積Vcnを算出する。シリンダ容積Vcnは、シリンダヘッドHとピストンとの間に形成される空間のクランクシャフトの位置に応じた容積であり、その算出には、コンロッド長L、クランクアーム長l、クランクオフセット量s1、ピストンオフセット量s2、1気筒当たりの排気量V1及び圧縮比ρが採用される。
S103では、エンジン1による単位クランク角δθ当たりの仕事量Anを次式により算出する。
An=(Vn−Vn-1)×Pn ・・・(1)
S104では、算出した各仕事量Anをもとに、ポンプロス値Plossを次式により算出する。なお、エンジン1の総排気量をV(=V1×気筒数)とする。
An=(Vn−Vn-1)×Pn ・・・(1)
S104では、算出した各仕事量Anをもとに、ポンプロス値Plossを次式により算出する。なお、エンジン1の総排気量をV(=V1×気筒数)とする。
Ploss=ΣAn/V ・・・(2)
(1)及び(2)式から明らかなように、本実施形態において、ポンプロス値Plossは、排気時におけるエネルギー損失と吸気時におけるエネルギー損失との和(図5のP−V線図に示す斜線部)として算出される。
S105では、エンジン回転数Neを読み込む。本実施形態において、エンジン回転数Neは、ECU401により基準クランク角信号の入力周期に基づいて算出される。
(1)及び(2)式から明らかなように、本実施形態において、ポンプロス値Plossは、排気時におけるエネルギー損失と吸気時におけるエネルギー損失との和(図5のP−V線図に示す斜線部)として算出される。
S105では、エンジン回転数Neを読み込む。本実施形態において、エンジン回転数Neは、ECU401により基準クランク角信号の入力周期に基づいて算出される。
S106では、算出したポンプロス値Plossをもとに、図6に示すマップMP1により吸入空気量Qaを算出する。このマップ(以下「吸入空気量検索マップ」という。)MP1は、エンジン1の定常状態下でエンジン回転数毎に設定され、ECU401に予め記憶されている。この吸入空気量検索マップMP1において、吸入空気量Qaは、大きなポンプロス値Plossに対応するものほど、大きな値として設定されている。
図3は、燃料噴射量設定ルーチンのフローチャートを示している。このルーチンは、吸入空気量Qaの測定終了に伴い気筒毎、かつサイクル毎に実行される。
図3に示すフローチャートにおいて、S201では、測定した吸入空気量Qaをもとに、次式により基本燃料噴射量Qfを算出する。なお、目標空燃比をtAFとする。
Qf=Qa/tAF ・・・(3)
S202では、算出した基本燃料噴射量Qfをもとに、燃料噴射弁202に対する駆動信号のパルス幅(以下「駆動パルス幅」という。)Tfを次式により算出する。なお、燃料噴射量を駆動パルス幅に換算するための係数をkとし、燃料の圧力及び温度に関する補正量をαとする。また、空燃比フィードバック補正量をFBとし、この補正量FBは、後述する空燃比フィードバック制御により設定される。
図3に示すフローチャートにおいて、S201では、測定した吸入空気量Qaをもとに、次式により基本燃料噴射量Qfを算出する。なお、目標空燃比をtAFとする。
Qf=Qa/tAF ・・・(3)
S202では、算出した基本燃料噴射量Qfをもとに、燃料噴射弁202に対する駆動信号のパルス幅(以下「駆動パルス幅」という。)Tfを次式により算出する。なお、燃料噴射量を駆動パルス幅に換算するための係数をkとし、燃料の圧力及び温度に関する補正量をαとする。また、空燃比フィードバック補正量をFBとし、この補正量FBは、後述する空燃比フィードバック制御により設定される。
Tf=Qf×FB×k+α ・・・(4)
S203では、算出した駆動パルス幅Tfにより燃料噴射弁202を作動させ、圧縮行程で燃料を噴射させる。
図4は、空燃比フィードバック制御ルーチンのフローチャートを示している。このルーチンは、エンジン1の運転状態が所定の空燃比フィードバック制御域にあるときに所定の時間毎に実行される。本実施形態では、空燃比フィードバック制御域として、エンジン1の定常時が採用される。また、吸入空気量補正のための処理がこのルーチンに組み込まれている。このルーチンにおいて、吸入空気量検索マップMP1が修正され、この修正は、エンジン回転数毎に行われる。
S203では、算出した駆動パルス幅Tfにより燃料噴射弁202を作動させ、圧縮行程で燃料を噴射させる。
図4は、空燃比フィードバック制御ルーチンのフローチャートを示している。このルーチンは、エンジン1の運転状態が所定の空燃比フィードバック制御域にあるときに所定の時間毎に実行される。本実施形態では、空燃比フィードバック制御域として、エンジン1の定常時が採用される。また、吸入空気量補正のための処理がこのルーチンに組み込まれている。このルーチンにおいて、吸入空気量検索マップMP1が修正され、この修正は、エンジン回転数毎に行われる。
図4に示すフローチャートにおいて、S301では、エンジン1の運転状態が空燃比フィードバック制御域にあるか否かを判定する。空燃比フィードバック制御域にあるときは、S302へ進み、この領域にないときは、このルーチンを終了する。
S302では、空燃比AFを読み込む。
S303では、読み込んだ空燃比AFをもとに、空燃比フィードバック補正量FBを算出する。空燃比フィードバック補正量FBは、比例積分制御等を採用した一般的な方法により算出することができる。たとえば、所定の比例値Pr,Pl及び積分値Ir,Ilを設定し、空燃比センサ454の出力AFが目標空燃比tAF(ここでは、理論空燃比)をリッチ側からリーン側に過ぎった時点で補正量FBに比例値Prを加算するとともに、その後の演算実行毎に積分値Irを加算していく一方、この操作により出力AFがリーン側からリッチ側に反転したときに補正量FBから比例値Plを減算するとともに、その後の演算実行毎に積分値Ilを減算していく方法である。
S302では、空燃比AFを読み込む。
S303では、読み込んだ空燃比AFをもとに、空燃比フィードバック補正量FBを算出する。空燃比フィードバック補正量FBは、比例積分制御等を採用した一般的な方法により算出することができる。たとえば、所定の比例値Pr,Pl及び積分値Ir,Ilを設定し、空燃比センサ454の出力AFが目標空燃比tAF(ここでは、理論空燃比)をリッチ側からリーン側に過ぎった時点で補正量FBに比例値Prを加算するとともに、その後の演算実行毎に積分値Irを加算していく一方、この操作により出力AFがリーン側からリッチ側に反転したときに補正量FBから比例値Plを減算するとともに、その後の演算実行毎に積分値Ilを減算していく方法である。
S304では、今回の空燃比フィードバック制御の開始後、吸入空気量検索マップMP1が修正されたか否かを判定する。修正されたときは、このルーチンを終了し、修正されていないときは、S305以降において、マップMP1を修正する。すなわち、本実施形態では、吸入空気量検索マップMP1は、エンジン1の運転状態が空燃比フィードバック制御域に入るたびに1回ずつ、該当するエンジン回転数に関して修正される。
S305では、空燃比フィードバック補正量FBの平均値(以下「補正量平均値」という。)FBaveを算出する。補正量平均値FBaveは、空燃比フィードバック補正量FBの所定の期間内での平均値であり、簡単のため、この所定の期間における補正量FBの最大値FBmaxと最小値FBminとの平均値(=(FBmax+FBmin)/2)を採用する。
S306では、算出した補正量平均値FBaveをもとに、吸入空気量検索マップMP1を修正する。この修正は、補正量平均値FBaveの基準値(ここでは、1)からのズレに応じた分だけ行われ、本実施形態では、このズレに応じて吸入空気量検索マップMP1の特性線(すなわち、図6のPloss−Qa線)の傾きを修正することにより行う。たとえば、吸入空気量Qaが実際のものよりも少なく見積られて測定された場合(実線Aの特性による。)は、その分、燃料が少なく噴射されるため、検出される空燃比AFは、目標空燃比tAFよりもリーン側の値を示すことになる。空燃比フィードバック制御によれば、この目標空燃比tAFからのズレを補償するため、空燃比フィードバック補正量FBが1よりも大きな値を中心として変動することとなり、燃料噴射量の増量が図られる。従って、補正量平均値FBaveが1よりも大きい場合は、吸入空気量Qaが実際のものよりも少ない量として測定されていることから、Ploss−Qa線の傾きを増大させ、次回以降に測定される吸入空気量Qaにおける不足分を解消する。すなわち、補正量平均値FBaveが基準値(=1)に対してx%大きいときは、Ploss−Qa線の傾きをこのx%に相当する分だけ増大させる(二点鎖線Bの特性とする。)。
本実施形態に関し、圧力センサ451及び図2に示すフローチャートのS101の処理が筒内圧力検出手段を、同フローチャートのS102〜104の処理がポンプロス値算出手段を、同フローチャートのS105及び106の処理が吸入空気量算出手段を、空燃比センサ454が空燃比検出手段を、図4に示すフローチャートのS302,304〜306の処理が吸入空気量補正手段を、図3に示すフローチャート全体の処理が燃料噴射量算出手段を構成する。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、エンジン1のポンプロス値Plossを算出し、これに基づいて吸入空気量Qaを算出することとした。ポンプロス値Plossは、気筒毎、かつサイクル毎のものとして算出することが可能である。このため、吸入空気量Qaを気筒毎、かつサイクル毎に測定し、測定した吸入空気量Qaをもとに、エンジン1に対して気筒毎、かつサイクル毎に適合させた量の燃料を噴射することができるので、エンジン1の運転領域全体を通して燃料消費量及び排気性能を向上させるとともに、特に過度時では、吸入空気量の気筒毎又はサイクル毎の測定誤差を解消して、燃料消費量及び排気性能の悪化を防止することができる。
すなわち、本実施形態では、エンジン1のポンプロス値Plossを算出し、これに基づいて吸入空気量Qaを算出することとした。ポンプロス値Plossは、気筒毎、かつサイクル毎のものとして算出することが可能である。このため、吸入空気量Qaを気筒毎、かつサイクル毎に測定し、測定した吸入空気量Qaをもとに、エンジン1に対して気筒毎、かつサイクル毎に適合させた量の燃料を噴射することができるので、エンジン1の運転領域全体を通して燃料消費量及び排気性能を向上させるとともに、特に過度時では、吸入空気量の気筒毎又はサイクル毎の測定誤差を解消して、燃料消費量及び排気性能の悪化を防止することができる。
また、本実施形態では、補正量平均値FBaveの基準値からのズレに応じて吸入空気量検索マップMP1を修正し、測定される吸入空気量Qaの実際のものに対する誤差を補償することとした。このため、エンジン間の固体差や、筒内圧力センサの劣化等に対応し、吸入空気量Qaを正確に測定することができる。
なお、本実施形態では、ポンプロス値Plossの算出に、排気行程で検出された筒内圧力Pcnを採用することとした。このため、筒内圧力センサ451の温度ドリフト等の影響を排し、ポンプロス値Plossを正確に算出することができる。
なお、本実施形態では、ポンプロス値Plossの算出に、排気行程で検出された筒内圧力Pcnを採用することとした。このため、筒内圧力センサ451の温度ドリフト等の影響を排し、ポンプロス値Plossを正確に算出することができる。
以上では、ポンプロス値Plossの算出において、排気下死点から圧縮下死点までの筒内圧力Pcnを所定のクランク角δθ毎に検出することとした。しかしながら、筒内圧力Pcnの検出期間として、この設定に代え、排気弁開時期から吸気弁閉時期までの期間を採用することとしてもよい。また、ポンプロス値Plossの算出における演算負荷の軽減のため、排気行程中の1つのクランク角(図5の点A)における筒内圧力と、吸気行程中の1つのクランク角(同図の点B)における筒内圧力とを検出し、この2つの筒内圧力のみをもとに、ポンプロス値Plossを算出することとしてもよい。この場合において、排気及び吸気の各行程における筒内圧力は、等しいシリンダ容積Vcsetにおけるものであっても、異なるシリンダ容積におけるものであってもよい。また、温度ドリフト等の影響を無視し得る場合は、吸気行程における1又は複数の筒内圧力を検出する一方、排気行程における筒内圧力を大気圧で近似して、ポンプロス値Plossを算出することとしてもよい。大気圧による近似に代え、吸気上死点における筒内圧力を検出し、これを基準としてポンプロス値Plossを算出することとしてもよい。
また、以上では、空燃比センサとして、理論空燃比近傍で出力が急変するタイプのものを採用し、吸入空気量の補正(すなわち、吸入空気量検索マップMP1の修正)を空燃比フィードバック制御中に組み込んだ場合を例に説明した。しかしながら、空燃比センサとして、出力が実際の空燃比の変化に対して直線的に変化する広域型のものを採用した場合は、この空燃比センサにより検出された空燃比の目標空燃比に対するズレをもとに、吸入空気量を直接的に補正することもできる。
1…エンジン、101…吸気通路、102…吸気弁、201…燃焼室、202…燃料噴射弁、203…点火プラグ、301…排気通路、302…排気弁、401…エンジンコントローラ、451…筒内圧力センサ、452…冷却水温度センサ、453…クランク角センサ、454…空燃比センサ。
Claims (7)
- エンジンの筒内圧力を検出する筒内圧力検出手段と、
この手段により検出された筒内圧力をもとに、このエンジンのポンプロスの大きさをポンプロス値として算出するポンプロス値算出手段と、
この手段により算出されたポンプロス値をもとに、このエンジンの吸入空気量を算出する吸入空気量算出手段と、を含んで構成されるエンジンの吸入空気量測定装置。 - 前記吸入空気量算出手段は、このエンジンに関して回転速度毎に設定された、定常状態におけるポンプロス値と吸入空気量との関係から、吸入空気量を算出する請求項1に記載のエンジンの吸入空気量測定装置。
- 燃焼混合気の実際の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
この手段により検出された空燃比をもとに、前記ポンプロス値と吸入空気量との関係を補正する吸入空気量補正手段と、を更に含んで構成される請求項2に記載のエンジンの吸入空気量測定装置。 - 前記ポンプロス値算出手段は、前記筒内圧力検出手段により排気行程中に検出された少なくとも1つの筒内圧力と、この手段により吸気行程中に検出された少なくとも1つの筒内圧力とをもとに、ポンプロス値を算出する請求項1〜3のいずれかに記載のエンジンの吸入空気量測定装置。
- 前記ポンプロス値算出手段は、前記筒内圧力検出手段により排気弁開時期から吸気弁閉時期までの間に検出された筒内圧力をもとに、ポンプロス値を算出する請求項1〜3のいずれかに記載のエンジンの吸入空気量測定装置。
- 前記筒内圧力検出手段は、筒内圧力を気筒毎に検出する請求項1〜5のいずれかに記載のエンジンの吸入空気量測定装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のエンジンの吸入空気量測定装置と、
この装置により測定された吸入空気量をもとに、エンジンに対する燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、を含んで構成されるエンジンの燃料噴射制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008518152A (ja) * | 2004-10-27 | 2008-05-29 | ルノー・エス・アー・エス | エンジンのポンピング・トルクを推定する方法 |
JP2022003256A (ja) * | 2017-07-06 | 2022-01-11 | ダグラス デイヴィッド ブンジェス | 燃焼システム及び方法 |
-
2004
- 2004-09-02 JP JP2004256064A patent/JP2006070828A/ja active Pending
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JP2022003256A (ja) * | 2017-07-06 | 2022-01-11 | ダグラス デイヴィッド ブンジェス | 燃焼システム及び方法 |
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