JP2006069263A - 気圧式倍力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロングストローク化の達成をペダル踏力の増加を招くことなく図ることができる気圧式倍力装置を提供する。
【解決手段】 リアクションディスク21、バルブボデー6及びプランジャ8に囲まれて大気に連通する大気連通部屋51を設けた。大気連通部屋51を設けたことにより、倍力作用の開始に際し、プランジャ8(入力ロッド7)とバルブボデー6との間には、入力ロッド7及びバルブボデー6に対するバルブスプリングのばね力の作用方向と同等方向の力が作用する。大気連通部屋51を設けたことにより生じる上記力をバルブスプリング15のセット荷重の一部として用いることにより、そのセット荷重が小さくなり、ひいては無効入力を小さくできる。このため、ロングストローク化(ひいてはこれに付随して必要となる低ペダル比化)をペダル踏力を増加させずに果たすことができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両のブレーキ系統に用いられる気圧式倍力装置に関する。
気圧式倍力装置の一例として、図4に示すようなものがある(特許文献1参照)。図4に示す気圧式倍力装置1は、シェル本体2内を定圧室3と変圧室4とに区画するパワーピストン5と、パワーピストン5に連結したバルブボデー6内に配置され入力ロッド7に連結されたプランジャ8に連動して作動する弁機構9と、を備えている。弁機構9は、大気弁10及び真空弁11を含み、かつ大気弁10及び真空弁11のそれぞれ一部を構成するポペット弁体12を有している。大気弁10は、変圧室4と大気との連通・遮断を行い、真空弁11は、定圧室3と変圧室4との連通・遮断を行うようにしている。
入力ロッド7とバルブボデー6との間にはバルブスプリング15が介在され、入力ロッド7とポペット弁体12の先端部との間にはポペットスプリング16が介在されている。
また、バルブスプリング15は、バルブボデー6に対して入力ロッド7を基端側(図4右側)に押し付けるようにしている。ポペットスプリング16は、ポペット弁体12の先端部をプランジャ8(後述する大気用弁座20)に押し付けるようにしている。真空弁11は、その中心軸を大気弁10の中心軸と同一にして配置され(すなわち、大気弁10と同軸上に配置され)、かつ大気弁10の外側に配置されている(すなわち、真空弁11は、大気弁10に比して径が大きくなっている)。
そして、この気圧式倍力装置1は、入力ロッド7に連接されたブレーキペダル(図示省略)が踏込まれると、バルブスプリング15のばね力等に抗して入力ロッド7が前進し、この入力ロッド7の前進により大気弁10が開弁して変圧室4に大気を導入する。この変圧室4への大気導入により定圧室3と変圧室4との間に圧力差を発生させ、この圧力差によってパワーピストン5に生じた推力をリアクションディスク21を介して出力ロッド22に作用させるとともに、出力ロッド22からリアクションディスク21に作用する反力の一部を入力ロッド7に伝達するようにしている。
そして、入力ロッド7の前進停止やパワーピストン5(バルブボデー6)の前進に伴い、バルブボデー6が入力ロッド7に対して相対的に所定量前進することにより、大気弁10が閉弁し、バランス状態となる。
上述したブレーキペダルに対する踏力が解放されると、入力ロッド7がバルブスプリング15のばね力によって後退すると共に、プランジャ8も後退する。これにより、ポペット弁体12がプランジャ8に押されてバルブボデー6の内側に設けられた真空弁11の弁座(以下、負圧用弁座という。)23が開き、変圧室4内に負圧通路24及び大気通路25を経て負圧が導入され、上述した圧力差が解消される。その後は、定圧室3内の復帰ばね26のばね力によりバルブボデー6が後退し、ストップキー27がリヤシェル28内の段差面29に当接する原位置にパワーピストン5が復帰し、これと同時にプランジャ8も原位置に復帰して、前記真空弁11も閉じる。
上述したように入力ロッド7の前進により大気弁10を開作動する際には、バルブスプリング15のセット荷重(ばね力)等で定まり大気弁10を開く時に必要な力(以下、無効入力という。)以上の力が入力ロッド7に加わることにより、大気弁10の開弁が果たされる。また、バルブスプリング15及びポペットスプリング16は、そのセット荷重(ばね力)が、負圧状態の定圧室3又は負圧が導入される変圧室4の内圧と大気との圧力差に抗するように設定されるようになっている。
特開2004−001632号公報
ところで、近時、気圧式倍力装置では、これと共に用いられるマスタシリンダのロングストローク化に合わせて、ロングストローク化を図ることが望まれている。そして、気圧式倍力装置についてロングストローク化を図ると、マスタシリンダに対するストローク及びペダル操作量の関係を良好な状態に維持する上でペダル比を下げる(低ペダル比化を図る)必要がある。
しかしながら、低ペダル比化を図ると、従来構造の気圧式倍力装置では初期ペダル踏力の増加(ひいては無効入力の増加)を招き、その分、ペダル操作性が悪化し不便となる。そして、このように悪化するペダル操作性の改善のために、無効入力の低減を図ることが考えられる。しかし、無効入力は、その大部分が、上述したように負圧状態の定圧室又は負圧が導入される変圧室の内圧と大気との圧力差に抗するように設定されるバルブスプリング及びポペットスプリングのセット荷重(ばね力)であり、その低減を適切に図ることは容易ではなかった。
このため、低ペダル比化すなわちロングストローク化を適切に果たすことができないというのが実情であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ロングストローク化の達成をペダル踏力の増加を招くことなく図ることができる気圧式倍力装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、シェル本体内を定圧室と変圧室とに区画するパワーピストンと、該パワーピストンに連結したバルブボデー内に配置され入力ロッドに連結されたプランジャに連動して作動する弁機構とを備え、前記入力ロッドに少なくとも一端側が保持されたばね部材に抗した前記入力ロッドの前進に伴う前記弁機構の作動により、前記変圧室に大気を導入して前記定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力をリアクションディスクを介して出力ロッドに作用させるとともに、該出力ロッドから前記リアクションディスクに作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置であって、前記リアクションディスク、前記バルブボデー及び前記プランジャに囲まれて大気に連通する大気連通部屋を設けたこと特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の気圧式倍力装置において、前記プランジャには、前記大気連通部屋を大気に連通する連通路が設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の気圧式倍力装置において、前記入力ロッドの先端部には、前記大気連通部屋を大気に連通する連通路が設けられていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の気圧式倍力装置において、前記大気連通部屋の径寸法を前記大気弁の径寸法と同等以上で、かつ前記真空弁の径寸法と略同一としたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、大気連通部屋を設けたことにより、倍力作用の開始に際し、プランジャ(入力ロッド)とバルブボデーとの間には、入力ロッド及びバルブボデーに対するバルブスプリングのばね力の作用方向と同じ方向の力が作用する。大気連通部屋を設けたことにより生じる上記力をバルブスプリング等のセット荷重の一部として用いることにより、そのセット荷重が小さくなり、ひいては無効入力を小さくできる。このため、ロングストローク化(ひいてはこれに付随して必要となる低ペダル比化)をペダル踏力を増加させずに果たすことができる。
請求項2記載の発明によれば、プランジャには、大気連通部屋を大気に連通する連通路が設けられているので、大気連通部屋への大気導入を確実に行える。
請求項3記載の発明によれば、入力ロッドの先端部には、大気連通部屋を大気に連通する連通路が設けられているので、大気連通部屋への大気導入を確実に行える。
請求項4記載の発明によれば、大気連通部屋の径寸法を前記大気弁の径寸法と同等以上としたので、キャンセルされる差圧面積を大きくすることが可能であり,バルブスプリングのセット荷重の下げ量を大きくでき、ひいては無効入力の低減を大きくできる。
また、仮に大気連通部屋の径寸法を前記真空弁の径寸法を超える寸法に設定した場合には、大気連通部屋を設けたことによりバルブスプリングのばね力の作用方向と反対方向の力が発生し、入力ロッド及びバルブボデー間には、バルブスプリングのばね力の作用方向と反対方向の力を有するばね部材を介在させることが強いられる。これに対して、請求項4記載の発明によれば、大気連通部屋の径寸法を前記真空弁の径寸法と略同一としているので、前記ばね部材を設けなくて済み、その分、構成が簡易になる。
以下、本発明の第1実施の形態に係る気圧式倍力装置1Aを図1及び図2に基づいて説明する。
図1及び図2において、気圧式倍力装置1Aは、フロントシェル30とリヤシェル28とからなるシェル本体2を備えると共に、このシェル本体2内に、この内部を定圧室3と変圧室4とに区画するパワーピストン5を配設している。パワーピストン5は、ダイアフラム35に保持されており、その中心部には、軸孔36及び筒状部空間37を形成したバルブボデー6が設けられている。
バルブボデー6は、軸孔36及び筒状部空間37の一部が形成された大径の本体部(以下、バルブボデー本体部という。)38と、筒状部空間37の大部分が形成された小径の筒状部39とを連接してなっており、その筒状部39が、リヤシェル28の後部の小径筒部40を気密的にかつ摺動自在に挿通してその後方まで延ばされている。また、バルブボデー6は、定圧室3内に配設した復帰ばね26により、常時はリヤ側(図1右側)へ付勢され、本気圧式倍力装置1Aの非作動時には、その半径方向孔25に挿入したストップキー27をリヤシェル28の小径筒部40の内側の段差面29に当接させる原位置に位置決めされるようになっている。
バルブボデー6には、定圧室3を筒状部39内に連通する負圧通路24(定圧通路)が設けられる。また、半径方向孔25は、変圧室4を筒状部39内に連通するようにされており、大気通路の役目も果たしている。定圧室3内には、フロントシェル30に設けた通気口41を通じて、例えばエンジン負圧が導入されるようになっており、この負圧は、図示しないブレーキペダルから延ばした入力ロッド7と連動する弁機構9の作動により、負圧通路24と大気通路25とを経て変圧室4にも供給されるようになっている。
一方、筒状部空間37(バルブボデー6の筒状部39内)には、筒状部39の開口端側に配置した消音用フィルタ42と防塵用フィルタ43とを通して大気が導入されるようになっている。この大気は、弁機構9の作動により大気通路25を経て変圧室4に供給されるようになっている。ここで、消音用フィルタ42と防塵用フィルタ43とは、リング状をなしており、入力ロッド7はこれらフィルタ42、43の内径部を挿通して延ばされている。また、これらフィルタ42、43は、リヤシェル28の小径筒部40に口縁部が嵌着され、バルブボデー6の筒状部39を覆う有底筒状のダストブーツ44により抜止めされている。
上記弁機構9は、バルブボデー本体部38に形成された軸孔36内に摺動可能に嵌挿されたプランジャ8を備えている。図2に示すように、このプランジャ8の後端部(以下、プランジャ入力ロッド連結部という。)45及び後述するプランジャ本体部48に形成した穴部(以下、入力ロッド連結用穴部という。)46(連通路)には、消音用フィルタ42と防塵用フィルタ43とを挿通して延ばした入力ロッド7の先端部47が挿入されて連結されている。入力ロッド7は、ブレーキペダルの踏込みに応じて、図1の左方向へ前進し、これと一体にプランジャ8も前進する。
プランジャ8は、プランジャ入力ロッド連結部45に、これに比して大径のプランジャ本体部48が連接され、このプランジャ本体部48の前側にはプランジャ入力ロッド連結部45に比して小径の軸部(以下、プランジャ軸部という。)49が延設されている。プランジャ軸部49は、軸孔36に挿通され、その先端面部がリアクションディスク21に当接可能に配置されている。
そして、リアクションディスク21、バルブボデー本体部38における軸孔36を形成した部分(以下、バルブボデー軸孔形成部という。)50、筒状部39、及びプランジャ本体部48(すなわち、リアクションディスク21、バルブボデー6及びプランジャ8)により大気連通部屋51が形成されている。プランジャ軸部49のプランジャ本体部48側部分には、径方向に延びて両端が大気連通部屋51に開口するプランジャ軸部通路52(連通路)が形成されている。プランジャ本体部48には、一端がプランジャ軸部通路52に連通し他端が入力ロッド連結用穴部46に連通するプランジャ本体部通路53(連通路)が形成されている。大気連通部屋51は、プランジャ軸部通路52、プランジャ本体部通路53及び入力ロッド連結用穴部46(これらにより連通路が構成される。)を通して筒状部空間37のフィルタ42,43側部分、ひいては大気に連通している。
弁機構9は、図2に示すように、プランジャ8の後端(プランジャ入力ロッド連結部45)に形成された環状の大気用弁座20と、バルブボデー6の筒状部39の内周面に負圧通路24の開口縁を含むように形成された環状の負圧用弁座23と、前記両弁座20、23に離着座可能に筒状部39内(筒状部空間37)に配設されたポペット弁体12と、入力ロッド7に一端が係止され、常時はポペット弁体12を両弁座20、23に着座する方向に押付けるポペットスプリング16とを備えている。入力ロッド7の軸心から大気用弁座20までを半径(大気弁10の半径)とする円内の領域で形成される面を、以下、プランジャシート面60という。
ポペット弁体12は、バルブボデー6に固定される略筒状のポペット弁体基端部55と、ポペット弁体基端部55に連接される略筒状のベロー部56と、ベロー部56の先端側に設けられる略環状の弁体離着座部57と、から大略構成されている。本実施の形態では、ポペット弁体基端部55、ベロー部56及び弁体離着座部57は、同一の可撓性材料で一体に構成されている。
入力ロッド7の軸心を中心としこの中心からベロー部56の径方向中心部分(ベロー部56の基端側から先端側までの間における径方向中心部分)〔以下、当該部分をベロー部基準部位56aという。〕までの長さは、筒状部39内に設けられた負圧用弁座23の径寸法(真空弁11の径寸法)と同等に設定されている。
ここで、ベロー部基準部位56aの内側(径方向内方向)の領域で形成される面の面積(以下、適宜、ベロー部56の面積という。)Aは、これと同等径の負圧用弁座23(真空弁11)の面積と同等となっている。
弁機構9は、大気用弁座20とこれに当接するポペット弁体12の弁体離着座部57の内周側環状部位62とで大気弁10を構成し、負圧用弁座23とこれに当接するポペット弁体12の先端の外周側環状部位63とで真空弁11を構成し、前記変圧室4には、これら大気弁10または真空弁11の開弁に応じて大気または負圧が選択的に供給されるようになる。
大気弁10は、上述したように構成されて変圧室4と大気との連通・遮断を行い、真空弁11は、上述したように構成されて定圧室3と変圧室4との連通・遮断を行うようにしている。
この場合、大気連通部屋51の径寸法は、入力ロッド7の軸心からプランジャ入力ロッド連結部45における大気用弁座20までの長さの2倍(すなわち大気弁10の径寸法)と同等以上とされ、かつ、負圧用弁座23の径寸法(真空弁11の径寸法)と略同一とされている。
プランジャ本体部48の外周側にはシール部64が設けられており、大気連通部屋51の気密性を維持するようにしている。
ここで、弁機構9を構成するポペット弁体12は、入力ロッド7をリヤ側へ付勢するバルブスプリング15の一端を受けるばね受け65によりバルブボデー6に対して固定されている。このバルブスプリング15の他端は入力ロッド7に一体に設けたつば部66に係止されており、これにより入力ロッド7は、常時はリヤ側への戻り方向へ付勢され、この動きにプランジャ8も連動する。プランジャ8は、バルブボデー6の半径方向孔67に挿入されたストップキー27によりバルブボデー6に対する相対移動範囲が規制されており、本気圧式倍力装置1Aの非作動時には、図1に示すように、ストップキー27によりプランジャ8の戻り端が規制され、ポペット弁体12は、大気用弁座20及び負圧用弁座23に当接する閉弁状態を維持するようになる。
一方、バルブボデー6の前端側には、リアクションディスク21と出力ロッド22の基端カップ部68とが配置されており、プランジャ8のプランジャ軸部49の先端がリアクションディスク21の背面に対してわずかの間隙を開けるように位置決めされている。出力ロッド22の先端部は、定圧室3を通し、かつフロントシェル30を挿通して、図示を略すマスタシリンダ内のピストンが作動連結されるようになっている。なお、出力ロッド22の基端カップ部68とリアクションディスク21とは、復帰ばね26によりバルブボデー6の前端に押圧固定されたリテーナ69により抜止めされている。
以下、本気圧式倍力装置1Aの作用を説明する。
本気圧式倍力装置1Aは、そのリヤシェル28の後面に突設した複数のスタッドボルト70を利用して図示しない車体に取付けられる一方で、そのフロントシェル30の前面に突設したスタッドボルト71を利用して、図示を略すマスタシリンダが本気圧式倍力装置1Aに結合される。
そして、この取付状態でブレーキペダル(図示せず)が踏込まれると、入力ロッド7が前進してプランジャ8が前進し、プランジャ8の後端の大気用弁座20がポペット弁体12から離間して大気弁10が開く。これにより、消音用フィルタ42及び防塵用フィルタ43を通してバルブボデー6内に大気が流入し、この大気は、さらに大気弁10から大気通路25を経て変圧室4に導入される。この結果、負圧が導入されている定圧室3と大気が導入された変圧室4との間に圧力差が発生し、この圧力差によりバルブボデー6を含むパワーピストン5が推進し、その推力がバルブボデー6から出力ロッド22を経てマスタシリンダ側へ出力される。一方、前記出力による反力の一部が、出力ロッド22からリアクションディスク21及びプランジャ8を経て入力ロッド7に伝達され、これにより入力の増大に応じて出力が上昇する倍力作用が行われる。
そして、この倍力作用の開始に際しては、プランジャ8のリアクションディスク21側には大気に連通する大気連通部屋51が設けられていることにより、プランジャ8ひいては入力ロッド7とバルブボデー6との間には、両者を離間させる方向の力が作用している。前記両者を離間させる方向の力は、入力ロッド7及びバルブボデー6に対するバルブスプリング15のばね力の作用方向(図1左右方向)と同等の方向であり、また、ポペットスプリング16のばね力の方向とも対応するものになっている。
このため、大気連通部屋51による図1左右方向の力(バルブボデー6に対して入力ロッド7を図1右方向に押す力)をバルブスプリング15のセット荷重(ばね力)の一部として用いることにより、その分、スプリング15のセット荷重を小さくすることができ、ひいては無効入力を小さくできる。そして、このように無効入力を小さくできることから、ロングストローク化に付随して必要とされる低ペダル比化を行っても、ペダル踏力を増加させなくて済むことになる。換言すれば、ペダル踏力を増加させずにロングストローク化(ひいてはこれに伴う低ペダル比化)を図ることができるようになる。
大気連通部屋51を設けたことにより、上述したように無効入力を小さくできるが、このことを、従来例(図4)と対比して以下に具体的に説明する。
すなわち、従来例(図4)の無効入力FL及び本気圧式倍力装置1Aの無効入力FL´では、以下のとおりになる。
L=PVSP+PPSP−B×Ka+α … … … (1)
ただし、PVSP:バルブスプリング15のセット荷重(ばね力)
PSP:ポペットスプリング16のセット荷重
A:ポペット弁体12のベロー部56の面積
B:大気弁10の面積(プランジャシート面60の面積)
Ka:通常作動時の真空度(例えばKa≒66.7kPa)
α:摺動抵抗率
ここで、バルブスプリング15のセット荷重PVSPは、ペダル戻し時に真空弁11を開弁するための力を発生させる必要があるため、次式で得られる。
VSP=A×KM+β … … … (2)
ただし、KM:発生最大真空度(例えばKM≒約93.4kPa)
β:余裕代(バラツキ分に相当する。)
よって、FL=A×KM+β+PPSP−B×Ka+α … … … (3)
一方、本気圧式倍力装置1Aの無効入力FL´は以下のとおりになる。
L´=PVSP´+PPSP+(C−B)×Ka+α … … … (4)
ただし、 C:プランジャ本体部48に設けたシール部64の摺動部分の面積
ここで、
VSP´=(A−C)×KM+β … … … (5)
よって、
L´=(A−C)×KM+β+PPSP+(C−B)×Ka+α
=A×KM+β+PPSP−B×Ka+α−C(KM−Ka) … (6)
これを変形すれば、
L´=FL−C(KM−Ka) … (6´)
となる。
すなわち、FL´は、C(KM−Ka)分だけ、従来例(図4)の無効入力FLより小さくなる。
バルブスプリング15のセット荷重(PVSP、PVSP´)は、最大発生負圧とその受圧面積によって定められるものであり、無効入力(FL、FL´)は、一般に通常作動気圧によって決められる。そして、本実施の形態では、最大発生負圧の受圧面積を追加の大気圧〔すなわち、前記面積Cに相当する面積の大気連通部屋51を設けたこと〕により減少させて、バルブスプリング15のばね力を減らして、無効入力FL´を従来技術の無効入力FLに比べて小さくできるようにしたものである。
また、バルブスプリング15のセット荷重PVSP´を小さくすると、余裕代βを小さくできるため、無効入力FL´をさらに小さくできる。
例えば荷重バラツキ(余裕代β)が従来例及び本実施の形態において10%であり、従来例のバルブスプリング15のセット荷重PVSPが80〔N〕、本実施の形態のバルブスプリング15のセット荷重PVSP´が40〔N〕であるとすると、バラツキ値(余裕代β)は、従来例では±8〔N〕、本実施の形態では±4〔N〕となる。すなわち、PVSP=80=72(必要荷重)+8(余裕代β)、PVSP´=40=36(必要荷重)+4(余裕代β)となる。
そして、上述した式(6)で示されるように、無効入力FL´(無効入力FLも同様)は、余裕代βを小さくすればその分、小さくなるので、本実施の形態では、余裕代βが4〔N〕であることから、従来例の余裕代βが8〔N〕である場合に比して、より、無効入力を小さくでき、ひいては、上述したペダル踏力を増加させないでのロングストローク化を、従来例に比してより確実に果たすことができる。
次に、本発明の第2実施の形態に係る気圧式倍力装置1Bを図3に基き、図1及ぶ図2を参照して説明する。
この気圧式倍力装置1Bは、第1実施の形態に係る気圧式倍力装置1A(図1及ぶ図2)に比して、(a)プランジャ8を分割タイプとし、入力ロッド7に連結される第1プランジャ75及びリアクションディスク21側の第2プランジャ76から構成したこと、(b)入力ロッド7の先端部47に連通路(以下、入力ロッド連通路という。)77を形成したこと、(c)バルブボデー軸孔形成部50を一体に形成されたバルブボデー6に代えてバルブボデー6Bを設け、このバルブボデー6Bは、前記バルブボデー軸孔形成部50に代えて、バルブボデー本体部38に着脱可能に装着され、かつ軸孔36を形成した軸孔形成板78を含んで構成されること、及び(d)軸孔形成板78を用いて大気連通部屋51Bを形成したことが主に異なっている。なお、本発明の第2実施の形態では、バルブボデー本体部38側と別体の軸孔形成板78を設けており、第2プランジャ76の組付けを容易に行えるようになっている。
第1、第2プランジャ75,76は、組合せることにより第1実施の形態のプランジャ本体部48が略構成される第1、第2プランジャ本体部79,80をそれぞれ有し、第1プランジャ本体部79には、第2プランジャ本体部80に形成された第2プランジャ本体部穴81に挿入される軸部(以下、第1プランジャ側軸部という。)82が形成されている。第1プランジャ側軸部82の外周部にはシール部材83が装着されている。
第2プランジャ本体部80には、第1実施の形態の場合と同様にプランジャ軸部49が形成されている。
プランジャ軸部49にはプランジャ軸部通路52(連通路)が形成されている。第2プランジャ本体部80には、一端がプランジャ軸部通路52に連通し他端が第2プランジャ本体部穴81に開口した第2プランジャ本体部側通路84(連通路)が形成されている。第1プランジャ側軸部82及び第1プランジャ本体部79には、一端が第1プランジャ側軸部82の先端面部に開口し、他端が入力ロッド連結用穴部46に連通する第1プランジャ側通路85(連通路)が形成されている。第2プランジャ本体部穴81の底部と第1プランジャ側軸部82との間には、プランジャ内部室86(連通路)が形成されている。
また、上述したように、バルブボデー6Bには、バルブボデー本体部38側と別体の軸孔形成板78を取付けており、軸孔形成板78の軸孔36にプランジャ軸部49が挿入されてリアクションディスク21に当接するようになっている。
バルブボデー本体部38に固定される軸孔形成板78、第1プランジャ本体部79、プランジャ軸部49及び筒状部39(すなわち、リアクションディスク21、バルブボデー6B及びプランジャ8)により大気連通部屋51Bが形成されている。大気連通部屋51Bは、プランジャ軸部通路52、第2プランジャ本体部側通路84、プランジャ内部室86、第1プランジャ側通路85、及び入力ロッド連通路77を通して筒状部空間37のフィルタ42,43側部分、ひいては大気に連通している。
この実施の形態によれば、入力ロッド連通路77(連通路)を形成したことにより、大気連通部屋51Bは入力ロッド連通路77を通して確実に大気に連通し、この分、無効入力低減の精度向上を図ることができる。
また、上記実施の形態においては、1つのパワーピストン5を備えた、いわゆるシングル型として気圧式倍力装置1A,1Bを構成したが、本発明は、2つのパワーピストンを備えたタンデム型として構成してもよいことはもちろんである。
本発明の第1実施の形態に係る気圧式倍力装置を模式的に示す断面図である。 図1の部分拡大図である。 本発明の第2実施の形態に係る気圧式倍力装置を図2に対応して示す断面図である。 従来の気圧式倍力装置を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1A,1B…気圧式倍力装置、2…シェル本体、3…定圧室、4…変圧室、5…パワーピストン、6,6B…バルブボデー、7…入力ロッド、8…プランジャ、9…弁機構、10…大気弁、11…真空弁、12…ポペット弁体、15…バルブスプリング、16…ポペットスプリング、20…大気用弁座、21…リアクションディスク、23…負圧用弁座、51,51B…大気連通部屋、75,76…第1,第2プランジャ、77…入力ロッド連通路。

Claims (4)

  1. シェル本体内を定圧室と変圧室とに区画するパワーピストンと、該パワーピストンに連結したバルブボデー内に配置され入力ロッドに連結されたプランジャに連動して作動する弁機構とを備え、前記入力ロッドに少なくとも一端側が保持されたばね部材に抗した前記入力ロッドの前進に伴う前記弁機構の作動により、前記変圧室に大気を導入して前記定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力をリアクションディスクを介して出力ロッドに作用させるとともに、該出力ロッドから前記リアクションディスクに作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置であって、
    前記リアクションディスク、前記バルブボデー及び前記プランジャに囲まれて大気に連通する大気連通部屋を設けたこと特徴とする気圧式倍力装置。
  2. 前記プランジャには、前記大気連通部屋を大気に連通する連通路が設けられていることを特徴とする請求項1記載の気圧式倍力装置。
  3. 前記入力ロッドの先端部には、前記大気連通部屋を大気に連通する連通路が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の気圧式倍力装置。
  4. 前記大気連通部屋の径寸法を前記大気弁の径寸法と同等以上で、かつ前記真空弁の径寸法と略同一としたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の気圧式倍力装置。

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