JP2006069263A - 気圧式倍力装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 リアクションディスク21、バルブボデー6及びプランジャ8に囲まれて大気に連通する大気連通部屋51を設けた。大気連通部屋51を設けたことにより、倍力作用の開始に際し、プランジャ8(入力ロッド7)とバルブボデー6との間には、入力ロッド7及びバルブボデー6に対するバルブスプリングのばね力の作用方向と同等方向の力が作用する。大気連通部屋51を設けたことにより生じる上記力をバルブスプリング15のセット荷重の一部として用いることにより、そのセット荷重が小さくなり、ひいては無効入力を小さくできる。このため、ロングストローク化(ひいてはこれに付随して必要となる低ペダル比化)をペダル踏力を増加させずに果たすことができる。
【選択図】 図2
Description
入力ロッド7とバルブボデー6との間にはバルブスプリング15が介在され、入力ロッド7とポペット弁体12の先端部との間にはポペットスプリング16が介在されている。
そして、入力ロッド7の前進停止やパワーピストン5(バルブボデー6)の前進に伴い、バルブボデー6が入力ロッド7に対して相対的に所定量前進することにより、大気弁10が閉弁し、バランス状態となる。
このため、低ペダル比化すなわちロングストローク化を適切に果たすことができないというのが実情であった。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の気圧式倍力装置において、前記入力ロッドの先端部には、前記大気連通部屋を大気に連通する連通路が設けられていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の気圧式倍力装置において、前記大気連通部屋の径寸法を前記大気弁の径寸法と同等以上で、かつ前記真空弁の径寸法と略同一としたことを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、入力ロッドの先端部には、大気連通部屋を大気に連通する連通路が設けられているので、大気連通部屋への大気導入を確実に行える。
請求項4記載の発明によれば、大気連通部屋の径寸法を前記大気弁の径寸法と同等以上としたので、キャンセルされる差圧面積を大きくすることが可能であり,バルブスプリングのセット荷重の下げ量を大きくでき、ひいては無効入力の低減を大きくできる。
また、仮に大気連通部屋の径寸法を前記真空弁の径寸法を超える寸法に設定した場合には、大気連通部屋を設けたことによりバルブスプリングのばね力の作用方向と反対方向の力が発生し、入力ロッド及びバルブボデー間には、バルブスプリングのばね力の作用方向と反対方向の力を有するばね部材を介在させることが強いられる。これに対して、請求項4記載の発明によれば、大気連通部屋の径寸法を前記真空弁の径寸法と略同一としているので、前記ばね部材を設けなくて済み、その分、構成が簡易になる。
図1及び図2において、気圧式倍力装置1Aは、フロントシェル30とリヤシェル28とからなるシェル本体2を備えると共に、このシェル本体2内に、この内部を定圧室3と変圧室4とに区画するパワーピストン5を配設している。パワーピストン5は、ダイアフラム35に保持されており、その中心部には、軸孔36及び筒状部空間37を形成したバルブボデー6が設けられている。
一方、筒状部空間37(バルブボデー6の筒状部39内)には、筒状部39の開口端側に配置した消音用フィルタ42と防塵用フィルタ43とを通して大気が導入されるようになっている。この大気は、弁機構9の作動により大気通路25を経て変圧室4に供給されるようになっている。ここで、消音用フィルタ42と防塵用フィルタ43とは、リング状をなしており、入力ロッド7はこれらフィルタ42、43の内径部を挿通して延ばされている。また、これらフィルタ42、43は、リヤシェル28の小径筒部40に口縁部が嵌着され、バルブボデー6の筒状部39を覆う有底筒状のダストブーツ44により抜止めされている。
ここで、ベロー部基準部位56aの内側(径方向内方向)の領域で形成される面の面積(以下、適宜、ベロー部56の面積という。)Aは、これと同等径の負圧用弁座23(真空弁11)の面積と同等となっている。
大気弁10は、上述したように構成されて変圧室4と大気との連通・遮断を行い、真空弁11は、上述したように構成されて定圧室3と変圧室4との連通・遮断を行うようにしている。
プランジャ本体部48の外周側にはシール部64が設けられており、大気連通部屋51の気密性を維持するようにしている。
本気圧式倍力装置1Aは、そのリヤシェル28の後面に突設した複数のスタッドボルト70を利用して図示しない車体に取付けられる一方で、そのフロントシェル30の前面に突設したスタッドボルト71を利用して、図示を略すマスタシリンダが本気圧式倍力装置1Aに結合される。
このため、大気連通部屋51による図1左右方向の力(バルブボデー6に対して入力ロッド7を図1右方向に押す力)をバルブスプリング15のセット荷重(ばね力)の一部として用いることにより、その分、スプリング15のセット荷重を小さくすることができ、ひいては無効入力を小さくできる。そして、このように無効入力を小さくできることから、ロングストローク化に付随して必要とされる低ペダル比化を行っても、ペダル踏力を増加させなくて済むことになる。換言すれば、ペダル踏力を増加させずにロングストローク化(ひいてはこれに伴う低ペダル比化)を図ることができるようになる。
すなわち、従来例(図4)の無効入力FL及び本気圧式倍力装置1Aの無効入力FL´では、以下のとおりになる。
ただし、PVSP:バルブスプリング15のセット荷重(ばね力)
PPSP:ポペットスプリング16のセット荷重
A:ポペット弁体12のベロー部56の面積
B:大気弁10の面積(プランジャシート面60の面積)
Ka:通常作動時の真空度(例えばKa≒66.7kPa)
α:摺動抵抗率
PVSP=A×KM+β … … … (2)
ただし、KM:発生最大真空度(例えばKM≒約93.4kPa)
β:余裕代(バラツキ分に相当する。)
FL´=PVSP´+PPSP+(C−B)×Ka+α … … … (4)
ただし、 C:プランジャ本体部48に設けたシール部64の摺動部分の面積
ここで、
PVSP´=(A−C)×KM+β … … … (5)
FL´=(A−C)×KM+β+PPSP+(C−B)×Ka+α
=A×KM+β+PPSP−B×Ka+α−C(KM−Ka) … (6)
これを変形すれば、
FL´=FL−C(KM−Ka) … (6´)
となる。
すなわち、FL´は、C(KM−Ka)分だけ、従来例(図4)の無効入力FLより小さくなる。
例えば荷重バラツキ(余裕代β)が従来例及び本実施の形態において10%であり、従来例のバルブスプリング15のセット荷重PVSPが80〔N〕、本実施の形態のバルブスプリング15のセット荷重PVSP´が40〔N〕であるとすると、バラツキ値(余裕代β)は、従来例では±8〔N〕、本実施の形態では±4〔N〕となる。すなわち、PVSP=80=72(必要荷重)+8(余裕代β)、PVSP´=40=36(必要荷重)+4(余裕代β)となる。
プランジャ軸部49にはプランジャ軸部通路52(連通路)が形成されている。第2プランジャ本体部80には、一端がプランジャ軸部通路52に連通し他端が第2プランジャ本体部穴81に開口した第2プランジャ本体部側通路84(連通路)が形成されている。第1プランジャ側軸部82及び第1プランジャ本体部79には、一端が第1プランジャ側軸部82の先端面部に開口し、他端が入力ロッド連結用穴部46に連通する第1プランジャ側通路85(連通路)が形成されている。第2プランジャ本体部穴81の底部と第1プランジャ側軸部82との間には、プランジャ内部室86(連通路)が形成されている。
また、上述したように、バルブボデー6Bには、バルブボデー本体部38側と別体の軸孔形成板78を取付けており、軸孔形成板78の軸孔36にプランジャ軸部49が挿入されてリアクションディスク21に当接するようになっている。
この実施の形態によれば、入力ロッド連通路77(連通路)を形成したことにより、大気連通部屋51Bは入力ロッド連通路77を通して確実に大気に連通し、この分、無効入力低減の精度向上を図ることができる。
Claims (4)
- シェル本体内を定圧室と変圧室とに区画するパワーピストンと、該パワーピストンに連結したバルブボデー内に配置され入力ロッドに連結されたプランジャに連動して作動する弁機構とを備え、前記入力ロッドに少なくとも一端側が保持されたばね部材に抗した前記入力ロッドの前進に伴う前記弁機構の作動により、前記変圧室に大気を導入して前記定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力をリアクションディスクを介して出力ロッドに作用させるとともに、該出力ロッドから前記リアクションディスクに作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置であって、
前記リアクションディスク、前記バルブボデー及び前記プランジャに囲まれて大気に連通する大気連通部屋を設けたこと特徴とする気圧式倍力装置。 - 前記プランジャには、前記大気連通部屋を大気に連通する連通路が設けられていることを特徴とする請求項1記載の気圧式倍力装置。
- 前記入力ロッドの先端部には、前記大気連通部屋を大気に連通する連通路が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の気圧式倍力装置。
- 前記大気連通部屋の径寸法を前記大気弁の径寸法と同等以上で、かつ前記真空弁の径寸法と略同一としたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の気圧式倍力装置。
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JP2004252140A JP2006069263A (ja) | 2004-08-31 | 2004-08-31 | 気圧式倍力装置 |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0597027A (ja) * | 1991-10-04 | 1993-04-20 | Jidosha Kiki Co Ltd | 倍力装置 |
JP2001048003A (ja) * | 1999-08-10 | 2001-02-20 | Nissin Kogyo Co Ltd | 負圧ブースタ |
-
2004
- 2004-08-31 JP JP2004252140A patent/JP2006069263A/ja active Pending
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JPH0597027A (ja) * | 1991-10-04 | 1993-04-20 | Jidosha Kiki Co Ltd | 倍力装置 |
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