JP2006069138A - インク供給装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インク供給装置において、気泡の発生及びインクの劣化を防止して安定したインク供給を実現し、さらに無駄なインク消費及び装置の大型化を防止する。
【解決手段】 複数のインクジェットヘッド2に供給するインクをそれぞれ収容する複数のサブタンク5に液面センサS1〜S3を設け、それらのサブタンク5に供給するインクを収容するメインタンク6から複数の液面センサS1〜S3による検出結果に応じてサブタンク5にインクを供給する供給部7を設け、複数の液面センサS1〜S3によりインク量が所定量よりも減少したサブタンク5が複数検出された場合、その減少した複数のサブタンク5に対して所定数まで同時に供給部7によりメインタンク6からインクを供給するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 複数のインクジェットヘッド2に供給するインクをそれぞれ収容する複数のサブタンク5に液面センサS1〜S3を設け、それらのサブタンク5に供給するインクを収容するメインタンク6から複数の液面センサS1〜S3による検出結果に応じてサブタンク5にインクを供給する供給部7を設け、複数の液面センサS1〜S3によりインク量が所定量よりも減少したサブタンク5が複数検出された場合、その減少した複数のサブタンク5に対して所定数まで同時に供給部7によりメインタンク6からインクを供給するようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、インク供給装置及びインクジェット記録装置に関する。
従来、インクジェット記録装置は、用紙等の記録媒体にインクを付着させることでその記録媒体に画像を記録する。このようなインクジェット記録装置は、例えば、インク滴を吐出させるインクジェットヘッド及びそのインクジェットヘッドにインクを供給するインク供給装置等を備えている。
特に、幅が広い記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置は、記録媒体の幅に合わせて複数のインクジェットヘッドを備えていることが多い。このように複数のインクジェットヘッドを備えている場合には、インク供給装置は、複数のインクジェットヘッドに供給するインクを収容する複数のサブタンク及びそれらのサブタンクに供給するインクを収容するメインタンク等を備えている。
メインタンクと複数のサブタンクとは、メインタンクに接続された共通供給路及びその共通供給路にそれぞれ接続された複数の独立供給路により接続されている。それらの独立供給路には、それぞれ弁が設けられている。また、複数のサブタンクには、それぞれインクの液面を検出する液面センサが設けられている。このようなインク供給装置は、液面センサの検出信号に応じて複数の弁を制御する制御回路も備えている。
図8は従来のインク供給装置が備える制御回路100の概略構成を示すブロック図である。ここで、インク供給装置は、3つのサブタンク、3つの液面センサ101(図8参照)、メインタンク、1つの共通供給路、3つの独立供給路及び3つの弁102(図8参照)を備えており、3つのインクジェットヘッドにインクを供給する装置である。
図8に示すように、制御回路100は、3つのタイマ103及び3つのレジスタ104を備えている。それらのレジスタ104には、各液面センサ101及び各弁(例えば電磁弁)102が接続されている。
このような構成において、3つの弁102はそれぞれ独立して制御回路100により制御され、サブタンク内のインクの液面が液面センサ101より下まわると、タイマ103で設定された時間の間だけ弁102が開かれる。これにより、インクがメインタンクから複数のサブタンクに共通供給路及び独立供給路を介して供給される。
メインタンクから複数のサブタンクにインクを供給して印刷をする技術としては、特許文献1のような技術が開示されている。特許文献1では、複数のプリンタに印刷を振り分けるシステムにおいて、インク供給時間が短くて済む、すなわちインク供給路が短いプリンタを優先して使用することで、インク供給時間を短縮している。
しかしながら、図8に示すような従来のインク供給装置を備えるインクジェット記録装置では、複数のインクジェットヘッドは、画像記録動作によりそれぞれ任意の量のインクを消費するため、制御回路100は複数の弁102を同時に開けてしまうことがある。
このように複数の弁102が同時に開いた場合には、同時に開く弁102の数に応じてインクの供給量がばらついてしまうことがある。さらに、同時に複数の弁102が開くためにインクの流速が増加してしまい、乱流等による気泡の巻き込みが発生してしまう。これにより、安定したインク供給が困難になるという問題がある。
また、複数の弁102が同時に開くことがあるため、タイマ103に設定された時間内にサブタンクへ十分なインク供給を行うためには、共通供給路を太くする必要がある。ところが、共通供給路を太くすると、その内部に気泡等が残留しやすくなり、さらに、共通供給路内に存在するインクの量が多くなる。このように共通供給路内に存在するインクの量が多くなると、そのインクを使いきるまでの時間が長くなり、インクが劣化してしまう。これにより、安定したインク供給が困難になるという問題がある。また、共通供給路内に存在するインクの量が多ければ、インク供給時に無駄にするインクの量が増えるという問題もある。さらに、太い共通供給路を確保するために装置が大きくなってしまうという問題もある。
本発明の目的は、気泡の発生及びインクの劣化を防止して安定したインク供給を実現し、さらに無駄なインク消費及び装置の大型化を防止することができるインク供給装置を提供することである。
本発明は、インク滴を吐出させる複数のインクジェットヘッドに供給するインクをそれぞれ収容する複数のサブタンクと、複数の前記サブタンクに供給するインクを収容するメインタンクと、複数の前記サブタンク内のインク量が所定量よりも減少したことをそれぞれ検出する複数の検出部、例えば液面センサと、複数の液面センサによる検出結果に応じて、前記インク量が所定量よりも減少した前記サブタンクに前記メインタンクからインクを供給する供給部と、を備え、前記供給部は、複数の前記検出部により前記インク量が所定量よりも減少した前記サブタンクが複数検出された場合、前記インク量が所定量よりも減少した複数の前記サブタンクに対して所定数まで同時に前記メインタンクからインクを供給することで、メインタンクから同時にインクが供給されるサブタンクの数を制限するようにした。
本発明によれば、メインタンクから同時にインクが供給されるサブタンクの数が所定数以下に制限されるため、インクの最大流速を抑えて、その流速を平滑化することが可能になり、さらに共通供給路を太くする必要がなくなる。これにより、気泡の発生及びインクの劣化を防止して安定したインク供給を実現し、さらに無駄なインク消費及び装置の大型化を防止することができる。
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図5に基づいて説明する。
図1は本実施の形態のインクジェット記録装置1の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置1は、記録媒体に対して複数のノズル(図示せず)からインク滴を吐出させる複数のインクジェットヘッド2及びインクジェットヘッドにインクを供給するインク供給装置3等を備えている。
インクジェットヘッド2は、インクが供給されるインク供給口4を有しており、そのインク供給口4から供給されたインクを複数のノズルから選択的にインク滴として吐出させる。なお、複数のインクジェットヘッド2は、例えば、複数のノズルが略同一直線上に位置するように、さらにドット間隔が一定になるように並べられている。
インク供給装置3は、複数のインクジェットヘッド2に供給するインクをそれぞれ収容する複数のサブタンク5、複数のサブタンク5に供給するインクを収容するメインタンク6、複数のサブタンク5内のインク量が所定量よりも減少したことをそれぞれ検出する複数の検出部である液面センサSn(n=1,2,3)、及び、複数の液面センサSnによる検出結果に応じて、インク量が所定量よりも減少したサブタンク5にメインタンク6からインクを供給する供給部7から構成されている。
供給部7は、複数のインクジェットヘッド2と複数のサブタンク5とをそれぞれ接続する複数のヘッド供給路8と、複数のサブタンク5とメインタンク6とを接続するタンク供給路9、そのタンク供給路9中に設けられた複数の弁Bn(n=1,2,3)及びそれらの弁Bnを駆動制御する制御回路10等を備えている。
タンク供給路9は、メインタンク6に接続された共通供給路9a、及び共通供給路9aと複数のサブタンク5とをそれぞれ接続する複数の独立供給路9bから構成されている。なお、複数の弁Bnは、複数の独立供給路9bにそれぞれ設けられており、制御回路10に電気的に接続されている。弁Bnとしては、例えば電磁弁が用いられている。この電磁弁は、制御回路10からの電気信号により独立供給路9bの流路開閉を行う弁である。
メインタンク6は、複数のサブタンク5より高い位置に設けられており、大気開放されている。これにより、メインタンク6内のインクは、弁Bnが開くと、タンク供給路9、すなわち共通供給路9a及び独立供給路9bを介してサブタンク5に供給される。また、サブタンク5も大気開放されており、サブタンク5内のインク面(インクの液面)はインクジェットヘッド2の負圧を決定している。
液面センサSnは、サブタンク5内のインク面の高さを検出するセンサであり、制御回路10に電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、検出部として液面センサSnを用いているが、これに限るものではなく、例えばサブタンク5の重量を計測する計測器を用いて、サブタンク5の重量を閾値となる所定重量と比較することによって、サブタンク5内のインク量が所定量よりも減少したことを検出するようにしても良い。
ここで、図1中では、一例として、インクジェットヘッド2、サブタンク5、ヘッド供給路8、独立供給路9b、弁Bn(n=1,2,3)及び液面センサSn(n=1,2,3)は3個ずつ設けられている。
また、本実施の形態では、1つのインクジェットヘッド2が1つのサブタンク5に接続されているが、これに限るものではなく、例えば2つのインクジェットヘッド2が1つのサブタンク5に接続されても良い。
なお、このようなインクジェット記録装置1は、用紙等の記録媒体を順次送り出して副走査方向に搬送する搬送部(図示せず)及び全体を駆動制御する駆動制御部(図示せず)も備えている。駆動制御部には、インク供給装置3が備える制御回路10も接続されており、その制御回路10は、駆動制御部からの制御信号を受信する。
図2は制御回路10の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御回路10は、2つの論理回路21,22及びFIFOメモリ23等から構成されている。2つの論理回路21,22はFIFOメモリ23を介して電気的に接続されている。論理回路21には、3つの液面センサSn(n=1,2,3)が接続されており、論理回路22には、3つの弁Bn(n=1,2,3)が接続されている。
論理回路21は、液面センサSnにより検出されたインク面の高さ(インク量の減少)に応じて、弁Bnを開くための要求(データ)に優先順位を付けてFIFOメモリ23に積む回路である。
FIFOメモリ23は、最も先に積まれた要求から順番に要求を読み出すことが可能なメモリであり、FIFOメモリ23に先に積んだ要求がより優先順位の高い要求である。
論理回路22は、FIFOメモリ23から弁Bnを開くための要求を読み取ってその要求に対応する弁Bnを開く回路である。なお、弁Bnを開放状態に維持するための開放時間tは予め設定されている。
このような制御回路10は、弁Bnを開く要求がFIFOメモリ23に一つだけ存在する場合には、その要求に対応する弁Bnを開き、弁Bnを開く要求がFIFOメモリ23に複数存在する場合には、優先順位が高い弁Bnを開き、他の弁Bnを優先順位に基づく順番で保留にする。すでに開いている弁Bnが存在する場合には、要求を保留して、その弁Bnが閉まるまで待機する。その弁Bnが閉まったときに、弁Bnを開く要求が複数保留されている場合には、最も先に保留になった弁Bnを開き、他の弁Bnを再度保留にする。このようにして、制御回路10は同時に開く弁Bnを一つに抑える制御を行う。
ここで、論理回路21,22は、論理ゲートやマイクロコンピュータ等により実現することができるが、例えば、論理回路21,22とFIFOメモリ23とを含めた制御回路全体を1つのマイクロコンピュータで実現することもでき、あるいは他の処理を行うマイクロコンピュータが実行するプログラムで実現することもできる。
次に、論理回路21のアルゴリズムについて図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4はそれぞれ論理回路21のアルゴリズムの流れの一部を示すフローチャートである。
図3に示すように、まず、液面センサSn(n=1,2,3)により検出されたインク面の高さ、すなわち液面レベルを取得する(ステップS1)。ここで、液面レベルは、サブタンク5内のインク面の高さが所定の高さより高い位置にある場合、高レベルであり、サブタンク5内のインク面の高さが所定の高さより低い位置にある場合、低レベルである。このようにしてサブタンク5内のインク量が所定量よりも減少したことが検出される。
次に、液面レベルに応じて、サブタンク5、すなわちそれに対応する弁Bn(n=1,2,3)を開く要求をそれぞれ1、2及び3の数値でFIFOメモリ23に積む。ここで、優先順位は液面センサSnの検出順、すなわちサブタンク5内の液面レベルが低レベルになったことを検出した順番である。
すなわち、弁B1,弁B2及び弁B3の順番で、液面センサS1により検出された液面レベルが低レベルであるか否かを判断し(ステップS2)、同様に、液面センサS2により検出された液面レベルが低レベルであるか否かを判断し(ステップS5)、液面センサS3により検出された液面レベルが低レベルであるか否かを判断し(ステップS8)、これらを繰り返して、液面レベルが低レベルになることに待機する(ステップS2のN、ステップS5のN、ステップS8のN)。
ステップS2で、液面レベルが低レベルであると判断した場合には(ステップS2のY)、弁B1の処理が起動中であるか否かを判断する(ステップS3)。弁B1の処理が起動中でないと判断した場合には(ステップS3のN)、弁B1の処理を起動し(ステップS4)、その後、液面センサS2により検出された液面レベルが低レベルであるか否かを判断する(ステップS5)。一方、弁B1の処理が起動中であると判断した場合には(ステップS3のY)、そのまま、液面センサS2により検出された液面レベルが低レベルであるか否かを判断する(ステップS5)。
ステップS5で、液面レベルが低レベルであると判断した場合には(ステップS5のY)、弁B2の処理が起動中であるか否かを判断する(ステップS6)。弁B2の処理が起動中でないと判断した場合には(ステップS6のN)、弁B2の処理を起動し(ステップS7)、その後、液面センサS3により検出された液面レベルが低レベルであるか否かを判断する(ステップS8)。一方、弁B2の処理が起動中であると判断した場合には(ステップS6のY)、そのまま、液面センサS3により検出された液面レベルが低レベルであるか否かを判断する(ステップS8)。
ステップS8で、液面レベルが低レベルであると判断した場合には(ステップS8のY)、弁B3の処理が起動中であるか否かを判断する(ステップS9)。弁B3の処理が起動中でないと判断した場合には(ステップS9のN)、弁B3の処理を起動し(ステップS10)、その後、ステップS1に処理を戻す。一方、弁B3の処理が起動中であると判断した場合には(ステップS9のY)、そのまま、ステップS1に処理を戻す。
図4に示すように、ステップS4、ステップS7又はステップS10で弁Bn(n=1,2,3)の処理が起動されると、まず、数値nをFIFOメモリ23に書き込む(ステップS21)。このとき、弁B1の処理の場合、FIFOメモリ23に1を書き込み、弁B2の処理の場合、FIFOメモリ23に2を書き込み、弁B1の処理の場合、FIFOメモリ23に3を書き込む。その後、論理回路22からの弁Bnの処理終了の通知に待機し(ステップS22のN)、論理回路22からの弁Bnの処理終了の通知を受信すると、弁Bnの処理を終了させる(ステップS22のY)。
以上のように、液面センサSnの検出動作は弁B1→弁B2→弁B3→弁B1→弁B2…に対応するサブタンク5の順に1つずつ繰り返し行われるので、複数の弁Bnに対応するサブタンク5の液面がほぼ同時に低レベルになったとしても検出動作順に優先順位が設定される。ここでは、液面センサSnの検出動作を所定の順序で1つずつ順次繰り返し行うこととしたが、複数の液面センサSnの検出動作自体は同時に行い、その結果同時に複数の液面センサSnが低レベルになった場合に所定の優先順位を与える方法を採ることも可能である。
次に、論理回路22のアルゴリズムについて図5を参照して説明する。図5は論理回路22のアルゴリズムの流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、FIFOメモリ23に要求(数値n(n=1,2,3))が積まれているか否かを判断し(ステップS31)、FIFOメモリ23に要求が積まれることに待機する(ステップS31のN)。FIFOメモリ23に要求が積まれていると判断した場合には(ステップS31のY)、FIFOメモリ23から要求、すなわち数値n(n=1,2,3)を読み出す(ステップS32)。読み出した数値nに応じて弁Bnを開き(ステップS33)、予め設定されている開放時間tだけ待機する(S34)。これにより、弁Bnが開かれたサブタンク5には、インクがメインタンク6からタンク供給路9、すなわち共通供給路9a及び独立供給路9bを介して供給される。その後、弁Bnを閉じ(ステップS35)、弁Bnの処理終了を論理回路21に通知して(ステップS36)、ステップS31に処理を戻す。このような処理がFIFOメモリ23にデータが無くなるまで繰り返される。
ここで、例えば、液面センサS1、液面センサS2及び液面センサS3が、ほぼ同時にそれぞれサブタンク5のインク量が所定量より減少したことを検出した場合について説明する。
まず、論理回路21では、図3に示すように、ステップS4で弁B1の処理が起動され、図4に示すように、ステップS21でFIFOメモリ23に1が書き込まれる。次に、図3に示すように、ステップS7で弁B2の処理が起動され、図4に示すように、ステップS21でFIFOメモリ23に2が書き込まれる。最後に、図3に示すように、ステップS10で弁B3の処理が起動され、図4に示すように、ステップS21でFIFOメモリ23に3が書き込まれる。なお、図4に示すように、各弁Bnの処理は、論理回路22からの各弁Bnの処理終了通知に待機している。
次に、論理回路22では、図5に示すように、ステップS32でFIFOメモリ23から数値nが読み出される。ここで、FIFOメモリ23には、1、2及び3の数値がその順番で書き込まれているため、1から順番に読み出される。
まず、ステップS33で弁B1が開かれて、インクがメインタンク6からサブタンク5に共通供給路9a及び独立供給路9bを介して供給される。開放時間t秒後、ステップS35で弁B1が閉じられ、弁B1の処理の終了が論理回路21に通知される。次に、ステップS33で弁B2が開かれて、インクがメインタンク6からサブタンク5に共通供給路9a及び独立供給路9bを介して供給される。開放時間t秒後、ステップS35で弁B2が閉じられ、弁B2の処理の終了が論理回路21に通知される。最後に、ステップS33で弁B3が開かれて、インクがメインタンク6からサブタンク5に共通供給路9a及び独立供給路9bを介して供給される。開放時間t秒後、ステップS35で弁B3が閉じられ、弁B3の処理の終了が論理回路21に通知される。
このように本実施の形態によれば、制御回路10により同時に開く弁Bn(n=1,2,3)を一つに抑えることによって、メインタンク6から同時にインクが供給されるサブタンク5の数が一つに制限されるため、インクの最大流速を抑えて、その流速を平滑化することが可能になり、さらに従来のように共通供給路を太くする必要がなくなる。これにより、気泡の発生及びインクの劣化を防止して安定したインク供給を実現し、さらに無駄なインク消費及び装置の大型化を防止することができる。さらに、安定したインク供給が実現するため、インク供給量が安定し、より確実なインク面制御を行うことができる。
本発明の第二の実施の形態を図6及び図7に基づいて説明する。
本実施の形態は、第一の実施の形態と基本的に同様である。本実施の形態では、第一の実施の形態との相違点について説明する。なお、第一の実施の形態で説明した部分は、同一符号で示し、その説明も省略する。
本実施の形態では、複数のサブタンク5には、その所定数である制限数m以下まで同時にインクが供給される。すなわち、制御回路10は、弁Bn(n=1,2,3)を開く要求がFIFOメモリ23に一つだけ存在する場合には、その要求に対応する弁Bnを開き、弁Bnを開く要求が複数ある場合には、優先順位が高い弁Bnから優先順位に基づく順番で制限数mまで開き、他の弁Bnを優先順位に基づく順番で保留にする。すでに開いている弁Bnが制限数mだけ存在する場合には、要求を保留して、それらの弁Bnの中の一つが閉まるまで待機する。その弁Bnが閉じたときに、弁Bnを開く要求が複数保留されている場合には、最も先に保留になった弁Bnを開き、他の弁を再度保留にする。このようにして、制御回路10は同時に開く弁Bnを最大数である制限数m以下に抑える制御を行う。
ここで、論理回路22のアルゴリズムについて図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7はそれぞれ論理回路22のアルゴリズムの流れの一部を示すフローチャートである。
図6に示すように、FIFOメモリ23に要求(数値n(n=1,2,3))が積まれているか否かを判断し(ステップS41)、FIFOメモリ23に要求が積まれることに待機する(ステップS41のN)。FIFOメモリ23に要求が積まれていると判断した場合には(ステップS41のY)、FIFOメモリ23から要求、すなわち数値n(n=1,2,3)を読み出す(ステップS42)。次いで、弁Bnの動作起動数が制限数mより小さいか否かを判断し(ステップS43)、弁Bnの動作起動数が制限数mより小さくなることに待機する(ステップS43のN)。弁Bnの動作起動数が制限数mより小さいと判断した場合には(ステップS43のY)、弁Bnの動作を起動し(ステップS44)、処理をステップS41に戻す。なお、弁Bnの動作起動数は、図7に示すような弁Bnを動作させるタスクの起動数により判断される。
図7に示すように、ステップS44で弁Bn(n=1,2,3)の処理が起動されると、ステップS42で読み出した数値n(n=1,2,3)に応じて弁Bnを開き(ステップS51)、予め設定されている開放時間tだけ待機する(ステップS52)。これにより、弁Bnが開かれたサブタンク5には、インクがメインタンク6からタンク供給路9、すなわち共通供給路9a及び独立供給路9bを介して供給される。その後、弁Bnを閉じ(ステップS53)、弁Bnの処理終了を論理回路21に通知する(ステップS54)。
ここで、例えば、液面センサS1、液面センサS2及び液面センサS3が、ほぼ同時にそれぞれサブタンク5のインク量が所定量より減少したことを検出した場合について説明する。なお、制限数mは2に設定されている。
まず、論理回路21では、第一の実施の形態と同様に、図3に示すように、ステップS4で弁B1の処理が起動され、図4に示すように、ステップS21でFIFOメモリ23に1が書き込まれる。次に、図3に示すように、ステップS7で弁B2の処理が起動され、図4に示すように、ステップS21でFIFOメモリ23に2が書き込まれる。最後に、図3に示すように、ステップS10で弁B3の処理が起動され、図4に示すように、ステップS21でFIFOメモリ23に3が書き込まれる。なお、図4に示すように、各弁Bnの処理は、論理回路22からの各弁Bnの処理終了通知に待機している。
次に、論理回路22では、図6に示すように、ステップS42でFIFOメモリ23から数値nが読み出される。ここで、FIFOメモリ23には、1、2及び3の数値がその順番で書き込まれているため、1から順番に読み出される。まず、ステップS42で1が読み出され、このとき弁Bnの動作起動数は0であるため、ステップS43で弁Bnの動作起動数が制限数2(m=2)より小さいと判断され、ステップS51で弁B1が開かれて、インクがメインタンク6からサブタンク5に共通供給路9a及び独立供給路9bを介して供給される。次に、ステップS42で2が読み出され、このとき弁Bnの動作起動数は1であるため、ステップS43で弁Bnの動作起動数が制限数2(m=2)より小さいと判断され、ステップS51で弁B2が開かれて、インクがメインタンク6からサブタンク5に共通供給路9a及び独立供給路9bを介して供給される。次いで、ステップS42で3が読み出され、このとき弁Bnの動作起動数は2であるため、ステップS43で弁Bnの動作起動数が制限値2(m=2)より小さくないと判断され、弁B3の動作は保留される。
弁B1は開放時間t秒後ステップS53で閉じられ、弁B1の処理の終了が論理回路21に通知される。このとき、弁Bnの動作起動数は1になるため、ステップS43で弁の動作起動数が制限値2(m=2)より小さいと判断され、ステップS51で弁B3が開かれる。また、弁B2も開放時間t秒後ステップS53で閉じられ、弁B2の処理の終了が論理回路21に通知され、同様に、弁B3も開放時間t秒後ステップS53で閉じられ、弁B3の処理の終了が論理回路21に通知される。
このように本実施の形態によれば、制御回路10により同時に開く弁Bn(n=1,2,3)を制限数mまでに抑えることによって、メインタンク6から同時にインクが供給されるサブタンク5の数が制限数m以下に制限されるため、インクの最大流速を抑えて、その流速を平滑化することが可能になり、さらに従来のように共通供給路を太くする必要がなくなる。これにより、気泡の発生及びインクの劣化を防止して安定したインク供給を実現し、さらに無駄なインク消費及び装置の大型化を防止することができる。さらに、安定したインク供給が実現するため、インク供給量が安定し、より確実なインク面制御を行うことができる。
なお、第1及び第2の実施の形態においては、液面センサSnの検出順により優先順位が決定されているが、これに限るものではない。例えば、各インクジェットヘッド2がこれから印字する画像情報から今後の各インクジェットヘッドのインク消費量を算出して、その算出結果を論理回路21に与え、論理回路21によりその算出結果と液面センサSnの検出結果とから優先順位を決定するようにしても良い。この場合には、その算出結果と液面センサSnの検出結果とから優先順位を決定するためのテーブル等の決定手段を持ち、それにより優先順位を決定し、その順番でFIFOメモリ23に要求を積めば良い。
第1及び第2の実施の形態においては、メインタンク6は、複数のサブタンク5より高い位置に設けられており、供給部7は、メインタンク6に接続された共通供給路9aと、共通供給路9aと複数のサブタンク5とをそれぞれ接続する複数の独立供給路9bと、複数のサブタンク5と複数のインクジェットヘッド2とをそれぞれ接続するヘッド供給路8と、複数の独立供給路9b中にそれぞれ設けられ流路開閉を行う複数の弁Bnと、複数の検出部である液面センサSnによりインク量が所定量よりも減少したサブタンク5が複数検出された場合、インク量が所定量よりも減少した複数のサブタンク5に対応する所定数の弁Bnを開ける手段と、を具備していることから、簡単な構成でメインタンク6から複数のサブタンク5にインクを供給することができる。
第1及び第2の実施の形態においては、供給部7は、複数の検出部である液面センサSnによりインク量が所定量よりも減少したサブタンク5が複数検出された場合の検出順位に基づいて、インク量が所定量よりも減少した複数のサブタンク5に対して所定数まで同時にメインタンク6からインクを供給することから、インク量が所定量よりも減った順番でインクがメインタンク6からサブタンク5に供給されるため、インク供給が保留されているサブタンク5が空になる等の不具合を防止することができる。
第1及び第2の実施の形態においては、メインタンク6及び複数のサブタンク5を大気開放しているが、これに限るものではなく、例えばメインタンク及び複数のサブタンク5を大気開放しないで気圧を制御するようにしても良い。また、メインタンク6から複数のサブタンク5へインクを供給するために共通供給路9aに液送ポンプを設けるようにしても良い。この場合には、弁Bnの開閉に合わせて液送ポンプをON/OFF制御する。また、弁Bnに代えて液送ポンプをそれぞれ3台用いるようにしても良い。この場合には、弁Bnの開閉制御と同様に液送ポンプをON/OFF制御する。
このような場合には、例えば、供給部7は、メインタンク6に接続された共通供給路9aと、共通供給路9aと複数のサブタンク5とをそれぞれ接続する複数の独立供給路9bと、複数のサブタンク5と複数のインクジェットヘッド2とをそれぞれ接続するヘッド供給路8と、複数の独立供給路9b中にそれぞれ設けられ流路開閉を行う複数の弁Bnと、メインタンク6から複数のサブタンク5にインクを供給するための供給力を発生させる発生部(図示せず)、例えば液送ポンプと、複数の検出部である液面センサSnによりインク量が所定量よりも減少したサブタンク5が複数検出された場合、インク量が所定量よりも減少した複数のサブタンク5に対応する所定数の弁Bnを開け、発生部を駆動させる手段と、を具備している。これにより、メインタンク6や複数のサブタンク5等の配置の自由度を向上させることができる。
1 インクジェット記録装置
2 インクジェットヘッド
3 インク供給装置
5 サブタンク
6 メインタンク
7 供給部
8 ヘッド供給路
9a 共通供給路
9b 独立供給路
Bn 弁
B1 弁
B2 弁
B3 弁
Sn 検出部(液面センサ)
S1 検出部(液面センサ)
S2 検出部(液面センサ)
S3 検出部(液面センサ)
2 インクジェットヘッド
3 インク供給装置
5 サブタンク
6 メインタンク
7 供給部
8 ヘッド供給路
9a 共通供給路
9b 独立供給路
Bn 弁
B1 弁
B2 弁
B3 弁
Sn 検出部(液面センサ)
S1 検出部(液面センサ)
S2 検出部(液面センサ)
S3 検出部(液面センサ)
Claims (6)
- インク滴を吐出させる複数のインクジェットヘッドに供給するインクをそれぞれ収容する複数のサブタンクと、
複数の前記サブタンクに供給するインクを収容するメインタンクと、
複数の前記サブタンク内のインク量が所定量よりも減少したことをそれぞれ検出する複数の検出部と、
複数の前記検出部による検出結果に応じて、前記インク量が所定量よりも減少した前記サブタンクに前記メインタンクからインクを供給する供給部と、
を備え、
前記供給部は、複数の前記検出部により前記インク量が所定量よりも減少した前記サブタンクが複数検出された場合、前記インク量が所定量よりも減少した複数の前記サブタンクに対して所定数まで同時に前記メインタンクからインクを供給する、
インク供給装置。 - 前記供給部は、複数の前記検出部により前記インク量が所定量よりも減少した前記サブタンクが複数検出された場合の検出順位に基づいて、前記インク量が所定量よりも減少した複数の前記サブタンクに対して所定数まで同時に前記メインタンクからインクを供給する、
請求項1記載のインク供給装置。 - 前記供給部は、前記所定数を1として、前記インク量が所定量よりも減少した複数の前記サブタンクに対して一つずつ前記メインタンクからインクを供給する、
請求項1又は2記載のインク供給装置。 - 前記メインタンクは、複数の前記サブタンクより高い位置に設けられており、
前記供給部は、
前記メインタンクに接続された共通供給路と、
前記共通供給路と複数の前記サブタンクとをそれぞれ接続する複数の独立供給路と、
複数の前記サブタンクと複数の前記インクジェットヘッドとをそれぞれ接続するヘッド供給路と、
複数の前記独立供給路中にそれぞれ設けられ流路開閉を行う複数の弁と、
複数の前記検出部により前記インク量が所定量よりも減少した前記サブタンクが複数検出された場合、前記インク量が所定量よりも減少した複数の前記サブタンクに対応する所定数の前記弁を開ける手段と、
を具備している、
請求項1、2又は3記載のインク供給装置。 - 前記供給部は、
前記メインタンクに接続された共通供給路と、
前記共通供給路と複数の前記サブタンクとをそれぞれ接続する複数の独立供給路と、
複数の前記サブタンクと複数の前記インクジェットヘッドとをそれぞれ接続するヘッド供給路と、
複数の前記独立供給路中にそれぞれ設けられ流路開閉を行う複数の弁と、
前記メインタンクから複数の前記サブタンクにインクを供給するための供給力を発生させる発生部と、
複数の前記検出部により前記インク量が所定量よりも減少した前記サブタンクが複数検出された場合、前記インク量が所定量よりも減少した複数の前記サブタンクに対応する所定数の前記弁を開け、前記発生部を駆動させる手段と、
を具備している、
請求項1、2又は3記載のインク供給装置。 - インク滴を吐出させる複数のインクジェットヘッドと、
複数の前記インクジェットヘッドにインクを供給する請求項1ないし5のいずれか一記載のインク供給装置と、
を備えるインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004258109A JP2006069138A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | インク供給装置及びインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004258109A JP2006069138A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | インク供給装置及びインクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006069138A true JP2006069138A (ja) | 2006-03-16 |
Family
ID=36150241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004258109A Pending JP2006069138A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | インク供給装置及びインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006069138A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2004
- 2004-09-06 JP JP2004258109A patent/JP2006069138A/ja active Pending
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