JP2006068586A - 破砕機 - Google Patents

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光伸 山田
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Abstract

【課題】メンテナンスに優れ、長期にわたって安定した破砕能力を発揮することが可能な破砕機を提供する。
【解決手段】破砕箱3と、破砕箱3に収納される破砕刃75が有する一対の回転軸1、2と、破砕箱3に設けられるギヤ箱7とを備えた破砕機である。回転軸1、2の他方の端部1b、2bをギヤ箱7に突入させた状態で破砕室3aに収納する。回転軸1、2の他方端部1a、2aを支持する軸受機構B1と、他方の端部1b、2bに連結される歯車機構Gとをギヤ箱7に収納して、ギヤ箱7と軸受機構B1と歯車機構Gと回転軸1、2とをユニット化し、ユニット体Uを、一体状として破砕箱3から取外し可能とした。
【選択図】図2

Description

この発明は、破砕機に関し、特に二軸式破砕機に関するものである。
破砕機として、複数の破砕刃を有する二つの回転軸を、互いに逆回転させることにより、上記複数の破砕刃が収納される破砕室において被破砕物を巻き込むようにして、上記破砕物を破砕するものがある(例えば、特許文献1参照)。
図23に示す上記特許文献1に記載のように、複数の回転歯121を備えた第1回転軸122と第2回転軸123とが並列に配置された回転体について、第1回転軸122の一端部には第1歯車125が設けられ、第2軸123の一端には第2歯車126が設けられて、第1歯車125と第2歯車126は互いに噛み合っている。第1歯車125と第2歯車126とはハウジング(破砕室)120の一端に設けられた歯車箱127に収められ、油潤滑されている。第1回転軸122の軸端部にはモータ128が取付けられ、各回転軸122、123の両端を軸受124に支持され、上・下に分割可能な取付部材で挟みつけて取り付ける構造としたものがある。
回転歯121が摩耗し交換するような場合、前記取付部材を上・下に分割することにより、歯車箱127からモータ128、軸受124及び回転歯121を備えた回転軸122(123)を一体物として、ハウジング(破砕室)120から取り外す際、鉛直方向に立てて、回転歯121を逐次抜き取り交換する作業を行っている。
また、破砕機の破砕室が分割ケースからなるものもある(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の破砕機の破砕室(ケース)は、図21と図22とに示すように、本体ケース101と、この本体ケース101の長手方向端部に設けられる一対の分割ケース部102、102とからなる。本体ケース101は、回転軸103の軸方向端部側の一対の軸支持壁104、104と、回転軸103の軸方向と略平行に設けられる一対の側壁105、105とを有する。そして、軸支持壁104、104の上半分と、側壁105、105の軸支持壁側の上半分とを切欠いて、分割ケース部102、102の嵌合切欠部106、106を形成する。また、分割ケース部102は、回転軸103の軸方向端部側の軸支持壁107と、回転軸103の軸方向と略平行に設けられる一対の側壁108、108とを有する。
この場合、本体ケース101の軸支持壁104の切欠面(上端縁)に半円状の切欠孔110、110が設けられると共に、分割ケース部102の軸支持壁107の下端縁に、上記切欠孔110、110に相対向する半円状の切欠孔111、111が設けられる。そして、上下に対向する切欠孔110、111が、回転軸103の端部が通される挿通孔112、112を構成することになる。すなわち、本体ケース101の嵌合切欠部106、106に分割ケース部102、102を嵌合させて、回転軸103の端部を上記挿通孔112、112に通した状態で、この分割ケース部102、102を本体ケース101にボルト部材等で固定することになる。
そして、このケースから回転軸103を取出す(引き出す)場合、分割ケース部102、102を取外して、索を回転軸103に締結して、クレーンで索を引き上げることによって、回転軸103をつり上げるものである。
特開平10−137624号公報(第2−3頁、図12) 特開2003−251211号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のものでは、モータ128、軸受124及び回転歯121を備えた回転軸122(123)を一体物とした回転体は重量物であるため、鉛直方向に立てる立て作業は、歯車箱127のシール部材を破損させないようにする慎重な作業が求められる。また、このような重量で長尺物を位置決め精度よく他方の回転軸に取付けられた回転歯121に干渉することなく抜き出すのは難しく、抜き出したにしても、回転歯121を交換後に他方の回転軸に取付けられた回転歯121に干渉することなく再び元の位置に戻すことは、難しい。
また、上記特許文献2に記載のものでは、分割ケース部102、102を本体ケース101から分離することができるが、回転軸103に対する軸受機構は本体ケース101側に配置されたままである。このため、この状態での軸受機構に対するメンテナンス等の作業性が劣る構成となっている。また、メンテナンスを向上させるためには、これらの軸受機構を取り出す必要があり、この取り出す作業は大掛かりとなって、作業性が劣る構成となっている。
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、メンテナンスに優れ、長期にわたって安定した破砕能力を発揮することが可能な破砕機を提供することにある。
そこで請求項1の破砕機は、破砕箱と、上記破砕箱に収納される破砕刃を有する一対の回転軸と、破砕箱に設けられるギヤ箱とを備えた破砕機であって、
上記回転軸の他方の端部を上記ギヤ箱に突入させた状態で、上記破砕箱に収納すると共に、上記回転軸の他方端部を支持する軸受機構と、上記他方の端部に連結される歯車機構とを上記ギヤ箱に収納して、上記ギヤ箱と上記軸受機構と上記歯車機構と上記回転軸とをユニット体とし、上記ユニット体を上記破砕箱から取り外し可能としたことを特徴としている。
請求項2の破砕機は、上記破砕箱の反ギヤ箱側に上記軸受箱を取り付け、上記回転軸の一方の端部を支持する軸受機構と、上記ギヤ箱と、上記ギヤ箱内の軸受機構および歯車機構と、上記回転軸とを、ユニット体とし、上記ユニット体を上記破砕箱から取り外し可能としたことを特徴としている。
請求項3の破砕機は、上記破砕箱と上記ギヤ箱との間、および上記破砕箱と上記軸受箱との間に、それぞれラビリンス構造部を設けたことを特徴としている。
請求項1の破砕機によれば、ギヤ箱と軸受機構と歯車機構と回転軸とをユニット体とし、上記破砕箱から取り外し可能としたので、上記ギヤ箱を上記破砕箱から取り外せば、上記ギヤ箱と上記軸受機構と上記歯車機構と上記回転軸とを備えたユニット体を、破砕箱から取り外すことができる。このためギヤ箱の軸受機構と歯車機構に対するメンテナンスの向上を図ることができ、特にユニット体を、作業しやすい場所に移動すれば、その場所でユニット体を分解して各種の点検整備を行うことができ、作業性の向上を一層図ることができる。また、ユニット体の一部に破損があった場合には、ユニット体を新しいユニット体に交換して、作業性の向上を一層図ることができ、ひいては破砕作業を能率良く行うことができる。これに対して、ギヤ箱内の歯車機構が損傷した場合に、破砕作業現場において歯車機構をギヤ箱から取り出して修理交換するものであれば、その作業時間が大であって、破砕作業を能率良く行うことができない。
請求項2の破砕機によれば、軸受箱と、軸受箱内の軸受機構と、ギヤ箱と、ギヤ箱内の軸受機構および歯車機構と、回転軸とを備えたユニット体を、破砕箱から取り外すことができる。このため、軸受箱の軸受機構、ギヤ箱の歯車機構等に対するメンテナンスの向上を図ることができ、特に、作業しやすい場所に移動すれば、各種の点検整備を行うことができ、作業性の向上を一層図ることができる。
請求項3の破砕機によれば、破砕箱とギヤ箱との間、および破砕箱と軸受箱との間にそれぞれラビリンス構造部を設けたので、破砕箱内で破砕された破砕粉がギヤ箱や軸受箱に入り込むのを防止することができる。これにより、ギヤ箱内の歯車機構および軸受箱内の軸受機構に破砕粉が付着するのを防止できて、破砕粉による回転軸の円滑な回転の妨げを防止でき、長期に渡って安定した破砕作業を行うことができる。さらに、ギヤ箱や軸受箱から外部への破砕粉の飛散を防止でき、破砕粉による無用な汚れを防止することができる。
次に、この発明の破砕機の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1はこの発明の破砕機の断面側面図、図2は上記破砕機の断面平面図、図3は上記破砕機の破砕箱の断面側面図、図4は上記破砕機の破砕箱の背面図である。この破砕機は、一対の回転軸1,2の両端部1a、2a、1b、2bが突出する破砕室3aを有する破砕箱3と、この破砕箱3の一方の端壁4側に設けられる軸受箱5と、破砕箱3の他方の端壁6側に設けられるギヤ箱7とを備える。
破砕箱3は、図3と図4に示すように、破砕物を排出する排出口を有する底壁8と、上記一対の端壁4、6と、一対の側壁9、9とを備える。また、端壁4、6はそれぞれ切欠部10、10が設けられ、回転軸1、2の軸方向に沿って見た場合、略Uの字状をなすものである。そして各端壁4、6には、この破砕機を組立てる際に回転軸1、2を支持するための支持片11a、11bが連結されている。この場合、各支持片11a、11bは、図4に示すように、その上端縁に所定間隔をもって離れた半円形の一対の切欠部12、12が設けられている。この切欠部12、12は各端壁4、6の切欠部10の切欠下端部15よりも上位に位置し、切欠部10の切欠側縁16よりも内方に位置している。後述するように、支持片11a、11bの切欠部12、12に回転軸1、2の一方の端部1a、1b、2a、2bを嵌合させた状態において、回転軸1、2の一方の端部1a、2aが一方の端壁4に接触しないと共に、回転軸1、2の他方の端部1b、2bが他方の端壁6に接触しないようにしている。なお、この支持片11a、11bは、それぞれ連結ブロック17、17を介して端壁4、6に対して所定間隔のみ内側に位置するように設けられた状態で各端壁4、6に固定されている。
次に、軸受箱5は、図1と図2と図5等に示すように、軸受18、18がそれぞれ内嵌される筒状体(ハウジング)19、19と、この筒状体19、19の外方開口部を塞ぐカバー20、20を備える。この場合、軸受箱5が取付けられる端壁4には軸端カバー21が取付けられ、この軸端カバー21に筒状体19、19が嵌められる。すなわち、軸端カバー21は、基板22と、この基板22の円状の貫通孔に嵌合される嵌合体23とを有し、基板22が端壁4にボルト・ナットの結合具にて取付けられ、嵌合体23の一対の嵌合孔23a、23aに上記筒状体19、19が嵌入される。筒状体19は、筒本体24aと、軸方向外方側(カバー20側)に設けられる外鍔部24bとからなり、嵌合体23に嵌入された際には、外鍔部24bが嵌合体23の外端面に接している。
また、回転軸1、2の一方の端部1a、2aの第1部28a、28aには、外周面にフック部25を備えた筒体26、26が嵌められている。このフック部25は、径方向部25aと、この径方向部25aの外端縁から外方に向かって延びる軸方向部25bとからなる。そして、各筒状体19、19には、筒体26、26のフック部25、25の軸方向部25b、25bが嵌合する凹溝27、27がそれぞれ設けられている。
そして、筒状体19の孔部は、外方側の大径部29と、内方側の小径部30と、大径部29と小径部30との間の中径部31とを有し、大径部29に、回転軸1(2)の端部1a(2a)の第2部28bに嵌められる軸受18が嵌合され、中径部31には、筒体26の外周側に設けられるシール部材(オイルシール)32が嵌合されている。このように、筒状体19と、これに嵌合する軸受18等で、軸受箱5の軸受機構B1が構成される。また、各回転軸1、2の端面33、33には軸受18、18の抜け防止するカバー板34、34がボルト部材35を介して取付けられる。なお、上記カバー20は、皿状の本体部20aとこの本体部20aの外周側に位置する鍔部20bとからなり、この鍔部20bが上記筒状体19の外鍔部24bにボルト部材35にて取付けられる。
次に、ギヤ箱7は、図1と図2と図7等に示すように、内側部材36と、外側部材37と、この内側部材36と外側部材37とを連結する側壁47、48からギヤ室38を形成する本体部39とを備える。この場合、内側部材36は、基板40と、この基板40の貫通孔に嵌められる嵌合体41とを有し、外側部材37は、第1部材37aと第2部材37bとからなり、第2部材37bは、基板43とこの基板43の貫通孔に嵌められる嵌合体44とを有する。また、本体部39は、内側部材36の上部と外側部材37の上部とを連結する上壁45と、内側部材36の下部と外側部材37の下部とを連結する下壁46と、内側部材36の側方と外側部材37の側方とを連結する一対の側壁47、48とを備える。
また、ギヤ箱7は、その内側部材36の基板40が端壁6にボルト部材にて取付けられ、内側部材36の切欠き部には、一対の筒状体(ハウジング)50、50が嵌合孔41aに嵌入した嵌合体41が嵌まる。この筒状体50は、筒本体50aと、軸方向外方側に設けられる外鍔部50bとからなり、嵌合体41に嵌入された際には、外鍔部50bが嵌合体41の外端面に接している。そして、回転軸1、2の他方の端部1b、2b側の第1部52a、52aには、外周面にフック部53を備えた筒体54、54が嵌められている。このフック部53は、径方向部53aと、この径方向部53aの外端部から外方に向かって延びる軸方向部53bとからなる。そして、各筒状体50、50には、筒体54、54のフック部53、53の軸方向部53b、53bが嵌合する凹溝55、55がそれぞれ設けられている。
上記筒状体50の孔部は、外方側の大径部56と、内方側の小径部57と、この大径部56と小径部57との間の中径部58とを有し、大径部57に、回転軸1(2)の端部1b(2b)の第2部52bの外方に軸受60が嵌められ、中径部58には、筒体54の外周側にシール部材(オイルシール)61が嵌合されている。また、回転軸1、2の端部1b、2bのギヤ室38に対応する部位52c、52cには、それぞれスプライン部62、62が形成されこのスプライン部62、62に、相互に噛合うギヤ63、63がそれぞれ嵌められて、歯車機構Gが構成される。さらに嵌合体44の一対の貫孔65、65には軸受64、64が嵌められる。この場合、一対の回転軸の一方の回転軸1は、端部1bの先端部67は他方の回転軸2の端部2bの先端部よりも長く設定され、軸受64を介して外部に突出し、回転軸1の先端部67には駆動用モータMが連結されている。
この場合、各回転軸1、2には軸受64、64の抜けを防止する端部部材68、69が設けられている。一方の回転軸1の端部部材68は、図1と図7に示すように、軸受64の外輪64b側を押さえる第1部68aと、第1部68aに装着される第2部68bと、カバー部68cとを備える。また、他方の回転軸2の端部部材69は、図6等に示すように、軸受64の外輪64b側を押さえる押さえ部69aと、この押さえ部69aに装着されるカバー部69bとを備える。この場合、回転軸2の他端面70には軸受64の内輪64a側を押さえる押さえ板71が設けられている。
さらに、図1、図2、図4に示すように、各支持片11a、11bの上方には、それぞれ端板72a、72bが配置されている。この場合、支持片11a側の端板72aは、軸端カバー21に設けられ、回転軸1、2の端部1a、2aの上半分が遊嵌状に嵌合する半円状の一対の切欠部73a、73aが設けられている。また、支持片11b側の端板72bはギヤ箱7の内側部材36に設けられ、回転軸1、2の端部1b、2bの上半分が遊嵌状に嵌合する半円状の一対の切欠部73b、73bが設けられている。そして、各回転軸1、2にはその外周面に多数の破砕刃75・・・が設けられている。
このように、各回転軸1、2は、一方の端部1a、2aが軸受18、18にて回転自在に支持され、他方の端部1b、2bが軸受60、60、64、64にて回転自在に支持される。この際、支持片11a、11bの切欠部12・・から浮き上がった状態となっている。このため、各回転軸1、2の一方の端部1a、2aは、支持片11aの切欠部12、12と、端板72aの切欠部73a、73aとで構成される挿通孔94a、94aに遊嵌状に通され、各回転軸1、2の他方の端部1b、2bは、支持片11bの切欠部12、12と、端板72bの切欠部73b、73bとで構成される挿通孔94b、94bに遊嵌状に通される。すなわち、支持片11aとこれに対応して配置される端板72aとで仕切板13が構成され、この仕切板13に一対の挿通孔94a、94aが形成され、支持片11bとこれに対応して配置される端板72bとで仕切板14が構成され、この仕切板14に一対の挿通孔94b、94bが形成されることになる。
そして、駆動用モータMが駆動すれば、一方の回転軸1が回転し、この回転に伴って、ギヤ63、63を介して他方の回転軸2も回転する。この際、各回転軸1、2の一方の端部1a、2aが仕切板13の挿通孔94a、94aに遊嵌状に通されると共に、各回転軸1、2の他方の端部1b、2bが仕切板14の挿通孔94b、94bに遊嵌状に通されるので、各回転軸1、2は滑らかに回転することができる。このため、破砕箱3の上方開口部に設けられたホッパ(図示省略)に被破砕物を投入すれば、この被破砕物が破砕箱3の破砕室3aに入り、ここで回転軸1、2の回転に伴って回転する複数の破砕刃75・・によって、この被破砕物を破砕することができる。そして、破砕された破砕物は、破砕箱3を構成する底壁8の一部を開口させた排出路から外部へ排出される。
ところで、このように構成された破砕機は、破砕箱3と軸受箱5との間、及び破砕箱3とギヤ箱7との間にそれぞれラビリンス構造部Aa、Abが設けられる。破砕箱3と軸受箱5との間のラビリンス構造部Aaは、図5等に示すように、仕切板13(支持片11aとこれに対応して配置される端板72aとで構成される。)とフック部25、及びフック部25と筒状体19の凹溝27で構成することになる。なお、ラビリンス構造部Aaは、仕切板13とフック部25とで構成される第1部Aa1と、フック部25と筒状体19の凹溝27とで構成される第2部Aa2とを備える。
また、破砕箱3とギヤ箱7との間のラビリンス構造部Abは、図6等に示すように、仕切板14(支持片11bとこれに対応して配置される端板72bとで構成される。)とフック部53、及びフック部53と筒状体50の凹溝55で構成することになる。なお、ラビリンス構造部Abは、仕切板14とフック部53とで構成される第1部Ab1と、フック部53と筒状体50の凹溝55とで構成される第2部Ab2とを備える。
次に、上記のように構成された破砕機の組立方法について説明する。まず、図8に示すように、破砕箱3の支持片11a、11bの各切欠部12・・に破砕刃75を備えた回転軸1、2の端部1a、1b、2a、2bを嵌合させて支持させる。その後、図9に示すように、ギヤ箱7を破砕箱3に取付ける。この際、破砕箱3に対してギヤ箱7を正規の位置に取付けるために位置決めとしてノックピン76を基板40と端壁6とに嵌合させて、内側部材36の基板40を端壁6にボルト部材35・・を介して取付ける。
次に、図10に示すように、軸端カバー21を端壁4にボルト部材35・・を介して取付けると共に、一対の治具77、77の筒部78、78を回転軸1、2の端部1a、2aの先端部に嵌合させれば、筒部78、78の内方端78a、78aが、回転軸1、2に端部の外側に嵌められている筒体26、26の外方端26a、26aに接して、外鍔部70、70の小径部79b、79bが嵌合体23の一対の嵌合孔23a、23aに嵌められる。そして、治具77、77が軸端カバー21にボルト部材35・・を介して取付けられる。
その後、図11に示すように、押込み治具82、82を使用して筒状体(ハウジング)50、50を装着する。押込み治具82は、内側部材36の嵌合体41の外端面に設けられたねじ孔83にねじ止めされるねじ軸84と、このねじ軸84に合うナット部材85とを備える。そして、ねじ軸84は、嵌合体41のねじ孔83にねじ止めされた状態で、筒状体50の外鍔部50bの貫通孔81に通され、ナット部材85をねじ軸84に対してねじ締めさせる。これによって、筒状体50が矢印のように押されて、嵌合体41の嵌合孔41aに嵌めて、図12に示す状態となる。なお、シール部材61は筒状体50に予め装着しておく。
その後は、図13に示すように、軸受60を回転軸1(2)に通し、破砕箱側に位置させ、軸受側面に前記ねじ軸84を介して押し板86を配置して、ねじ軸84にナット部材85をねじ締めさせる。これにより、押し板86が破砕箱側に移動すると共に、軸受60を破砕箱側に押し込むことができ、図14に示すように、軸受60は、筒状体50の大径部56に嵌合する。
この際、筒状体50の押し板側の開口端部には、図15に示すように、順次外方に向かって拡径するテーパ部90が設けられており、軸受60が筒状体50の大径部56に押し込まれる際には、僅かに上昇する。すなわち、図15(a)に示すように、軸受60が順次破砕箱側に押されれば、軸受60の外輪60bがテーパ部90に対して摺りながら、テーパ部90に案内されて回転軸1(2)と軸受60とが寸法S1だけ上昇して、図15(b)に示す状態となる。その後さらに、軸受60が破砕箱側に押されれば、回転軸1(2)に設けられたテーパ部91により、回転軸1(2)がさらに図15(c)に示すように寸法S2だけ上昇する。これによって、回転軸1(2)が支持片11a、11bから浮き上がった状態で回転自在に支持される。この場合、テーパ部90で例えば回転軸1(2)と軸受60とが0.5mm程度上昇し、テーパ部91で例えば、回転軸1(2)が0.5mm程度上昇する。つまり、回転軸1(2)が1mm上昇することになる。
軸受60が装着された後は、押し板86及びねじ軸84等を取外して、ねじ軸84が締め付けされていたねじ孔83に、筒状体50の外鍔部50bの貫通孔に通されるボルト部材35・・で締結して、筒状体50を嵌合体41に固定する。次に、ギヤ箱7内に収納状となっている各回転軸1、2のスプライン部62、62にそれぞれギヤ63、63を嵌めて固定する。この際、ギヤ63の軸心方向の両端部側にはスペーサ95、96が配置されている。すなわち、図6等に示すように、一方のスペーサ95は、軸受60の内輪60aとギヤ63との間に配置され、他方のスペーサ96は軸受64の内輪64aとギヤ63との間に設けられる。
その後、ギヤ箱7の外側部材37の第2部材37bを取付ける。この際、図示省略するが、ギヤ箱7のカバーである第2部材37bを精度良く正規の位置に取り付けるために位置決め用のノックピンを使用する。また、各回転軸1、2の端部1b、2bにはそれぞれ端部部材68、69を装着する。端部部材68、69を取付けた際に、図6等に示すように、筒体54が軸受64の内輪64a、スペーサ96、ギヤ63、スペーサ95、及び軸受60の内輪60aを介して破砕箱3側に押されて、筒体54の内方端54bが回転軸1(2)の端部1b(2b)側の段付部97に当たった状態となって、図16に示すように、ギヤ箱7の破砕箱3への取付け作業が終了する。
次に、軸端カバー21に取付けられた治具77、77を取外して、図17に示すように、予めシール部材32、32を装着した筒状体(ハウジング)19、19と、軸受18、18とを装着し、図18に示すように、回転軸1、2の端面33、33にカバー板34、34をボルト部材35・・を介して取付けると共に、筒状体19にカバー20をボルト部材35・・を介して取付けることになる。そして、回転軸1、2の端面33、33にカバー板34、34を取付けた状態では、図5等に示すように、軸受18の内輪18aがカバー板34と筒体26との間に挟まれて、軸受18の内輪18aにて筒体26が破砕箱3側に押され、筒体26の内方端26bが、回転軸1(2)の端部1a(2a)側の段付部98に当たった状態となって、軸受箱5の破砕箱3への取付け作業が終了する。
また、組立てられた破砕機は、破砕箱3からボルト部材35・・をゆるめることにより、軸受箱5及びギヤ箱7を取外すことができる。この際、軸受箱5に収納される軸受機構B1等は、回転軸1、2の一端部1a、2aに一体化され、また、ギヤ箱7に収納されている軸受機構B2及び歯車機構Gは、回転軸1、2の一端部1b、2bに一体化されている。このため、軸受箱5と、軸受箱5内の軸受機構B1と、ギヤ箱7と、ギヤ箱7内の軸受機構B2及び歯車機構Gと、回転軸1、2とをユニット化してユニット体Uを構成している。従って、破砕箱3から軸受箱5及びギヤ箱7を取外せば、図20に示すように、ユニット体Uの全体を一体状に破砕箱3から取外すことができる。また、取外したユニット体Uを再び破砕箱3に取付けることができる。このため、この破砕機を組立てる場合、ユニット体Uを組立て、組立てたユニット体Uを破砕箱3に取付けるようにしてもよい。
このユニット体Uとしては、カバー20を取外せば、ハウジング19、19を取外すことができ、また、端部部材68、69を取外すことができ、さらに、図19に示すように、ねじ軸93を使用してハウジング50、50を取外すことができる。すなわち、上記ハウジング50の外鍔部50bには上記貫通孔81以外に、ハウジング50を取外す際に使用する複数のねじ孔92が周方向に沿って約90度ピッチで4個設けられている。そして、ねじ孔92・・にねじ軸93・・をねじ止めして、ねじ軸93・・の突出端93a・・をギヤ箱7の内側部材36の嵌合体41の外端面に当て、この状態でねじ軸93・・をその軸心廻りに回転させることによって、ハウジング50を矢印のように引き抜くことができる。ハウジング50、50を取外せば、ハウジング50、50に装着されているシール部材61を交換することができる。すなわち、ギヤ箱7全体を取外すことなく、シール部材61の交換を簡単に行うことができ、メンテナンスの向上を図ることができる。このように、ユニット体Uを簡単に破砕箱3から分離・分解することができる。
上記破砕機によれば、軸受箱5と、軸受箱5内の軸受機構B1と、ギヤ箱7と、ギヤ箱内の歯車機構G及び軸受機構B2と、回転軸1、2とを備えたユニット体Uを、破砕箱3から取外すことができる。このため、軸受箱5の軸受機構B1、ギヤ箱7の歯車機構G等に対するメンテナンスの向上を図ることができ、特に、ユニット体Uを、作業しやすい場所に移動すれば、移動先でユニット体Uを分解等行って各種の点検整備を行うことができ、点検整備の作業性の向上を一層図ることができる。また、ユニット体Uの1部に損傷があった場合には、ユニット体Uを新しいユニット体Uに交換したりして、破砕作業の中断時間を短縮し、破砕作業を能率よく行うことができる。
さらに、破砕箱3と軸受箱5との間、及び破砕箱3とギヤ箱7との間にそれぞれラビリンス構造部Aa、Abを設けたので、破砕箱3内で破砕された破砕粉等が軸受箱5やギヤ箱7に入り込むのを防止することができる。これにより、軸受箱5内の軸受機構B1及びギヤ箱7内の歯車機構G等に破砕粉が付着するのを防止できて、破砕粉による回転軸1、2の円滑な回転の妨げを防止でき、長期にわたって安定した破砕作業を行うことができる。また、軸受箱5やギヤ箱7等から外部への破砕粉の飛散を防止でき、破砕粉の無用な汚れを防止することができる。
以上のように本発明の具体的な実施の形態について説明したが、本発明は上記形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記実施形態では、破砕機の組立方法において、ギヤ箱7を装着した後、先に治具77、77を回転軸1,2の一方の端部1a、2aに装着したが、先に回転軸1、2の他方の端部1b、2b側にハウジング50、50を装着するようにしてもよく、また、治具77、77とハウジング50、50とを同時に装着するようにしてもよい。言い換えれば、軸受箱5とギヤ箱7とのどちらを先に取付けるようにしてもよい。さらに、回転軸1、2の端部1b、2b側の軸受60、60を装着する際の上昇寸法S1、S2としても任意に変更できるが、装着時の押圧力等を考慮すれば、各0.5mm程度が好ましい。また、図11と図12とに示すように、ハウジング50を装着する場合、ナット部材85をねじ軸84に対してねじ止めしていたが、ねじ軸84を回転させることによって、ハウジング50を押し込むようにしてもよい。そして、軸受18、60、64として図例以外の他のころ軸受や玉軸受等を用いることができ、シール部材32、61等としても種々のオイルシールを用いることができる。また、上記実施形態では、軸受箱5を備えていたが、このような軸受箱5を備えないものがあってもよく、このような場合には、破砕箱3から取外すことになるユニット体Uとしては、ギヤ箱7と歯車機構Gと軸受機構B2と回転軸1、2等からなる。なお、破砕機として、廃プラスチック、一般産業廃棄物、家電品等の種々の被破砕物に対応させることができる。
この発明の破砕機の実施形態を示す断面側面図である。 上記破砕機の断面平面図である。 上記破砕機の破砕箱の断面側面図である。 上記破砕機の破砕箱の背面図である。 上記破砕機の軸受箱の要部拡大断面図である。 上記破砕機のギヤ箱の要部拡大断面図である。 上記破砕機のギヤ箱の要部拡大断面側面図である。 上記破砕箱にギヤ箱を取付ける方法を示す断面側面図である。 上記破砕箱にギヤ箱を取付けた状態を示す断面側面図である。 上記破砕箱に軸受箱を取付ける方法を示す断面側面図である。 上記ギヤ箱のハウジングを取付ける方法を示す断面側面図である。 上記ギヤ箱のハウジングを取付けた状態を示す断面側面図である。 上記ギヤ箱のハウジングに軸受を取付ける方法を示す断面側面図である。 上記ギヤ箱のハウジングに軸受を取付けた状態を示す断面側面図である。 上記軸受をハウジングに嵌合する方法を示し、(a)は嵌合初期状態の要部拡大断面図であり、(b)は回転軸と軸受とが上昇する状態の要部拡大断面図であり、(c)は回転軸が上昇する状態の要部拡大断面図である。 上記ギヤ箱にギヤを収納した状態の断面側面図である。 上記軸受箱のハウジングを取付ける状態の断面側面図である。 上記軸受箱の断面側面図である。 上記ギヤ箱のハウジングを取外す方法を示す断面側面図である。 ユニット体を破砕箱から取外した状態の断面側面図である。 従来の破砕機の簡略側面図である。 従来の破砕機の簡略背面図である。 従来の他の破砕機の簡略断面図である。
符号の説明
1、2・・回転軸、1a、1b、2a、2b・・端部、3・・破砕箱、5・・軸受箱、7・・ギヤ箱、Aa、Ab・・ラビリンス構造部、B1、B2・・軸受機構、G・・歯車機構

Claims (3)

  1. 破砕箱と、上記破砕箱に収納される破砕刃を有する一対の回転軸と、破砕箱に設けられるギヤ箱とを備えた破砕機であって、
    上記回転軸の他方の端部を上記ギヤ箱に突入させた状態で、上記破砕箱に収納すると共に、上記回転軸の他方端部を支持する軸受機構と、上記他方の端部に連結される歯車機構とを上記ギヤ箱に収納して、上記ギヤ箱と上記軸受機構と上記歯車機構と上記回転軸とをユニット体とし、上記ユニット体を上記破砕箱から取り外し可能としたことを特徴とする破砕機。
  2. 上記破砕箱の反ギヤ箱側に上記軸受箱を取り付け、上記回転軸の一方の端部を支持する軸受機構と、上記ギヤ箱と、上記ギヤ箱内の軸受機構および歯車機構と、上記回転軸とを、ユニット体とし、上記ユニット体を上記破砕箱から取り外し可能としたことを特徴とする請求項1記載の破砕機。
  3. 上記破砕箱と上記ギヤ箱との間、および上記破砕箱と上記軸受箱との間に、それぞれラビリンス構造部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の破砕機。
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