JP2006067346A - 画像信号処理装置および画像信号処理方法並びにプログラムおよびそれを記録した媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定のオブジェクトの領域とそれ以外の領域との画質を異にする特殊効果を簡単に実現する。
【解決手段】「第2の処理」の機能選択時には、画像信号Vinに対してDRC−ボリウム処理部112で高画質化を行い、この処理部112で得られた画像信号を出力画像信号Voutとする。この場合、処理部112は、出力画像信号Voutとして、画質パラメータの値に応じた画質のものを生成する。画像信号Vinに基づいてオブジェクト抽出処理部113で所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報OAIを生成し、この情報OAIを処理部112に制御信号として供給する。処理部112は、この情報OAIに基づいて、画質パラメータを局所的に変更し、背景ぼかしの特殊効果処理を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】「第2の処理」の機能選択時には、画像信号Vinに対してDRC−ボリウム処理部112で高画質化を行い、この処理部112で得られた画像信号を出力画像信号Voutとする。この場合、処理部112は、出力画像信号Voutとして、画質パラメータの値に応じた画質のものを生成する。画像信号Vinに基づいてオブジェクト抽出処理部113で所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報OAIを生成し、この情報OAIを処理部112に制御信号として供給する。処理部112は、この情報OAIに基づいて、画質パラメータを局所的に変更し、背景ぼかしの特殊効果処理を行う。
【選択図】 図1
Description
この発明は、画像信号に対して処理をする画像信号処理装置および画像信号処理方法、並びにプログラムおよびそれを記録した媒体に関する。
詳しくは、この発明は、入力された第1の画像信号が画質パラメータの値に応じた第2の画像信号となるように処理するものにあって、画質パラメータの値を、オブジェクト領域情報に基づいて、所定のオブジェクトの領域で第1の値となり、それ以外の領域で第1の値とは異なる第2の値となるように制御する構成とすることによって、所定のオブジェクトの領域とそれ以外の領域との画質を異にする特殊効果を簡単に実現し得る画像信号処理装置等に係るものである。
特許文献1には、主要被写体領域と背景領域とを分離し、画像信号の背景領域部分に対して、ボカシ処理部によりボカシ処理を行う、画像処理装置が開示されている。ボカシ処理部では、背景領域部分に対してガウシアンフィルタ処理を施すことによってボカシ処理を行っている。
特許文献1に記載される画像処理装置では、画像信号の背景領域部分に対してボカシ処理を行うために、ガウシアンフィルタ処理を施すボカシ処理部を設ける必要がある。また、このボカシ処理部では、ボカシの度合いを任意に変更することが容易でない。
この発明の目的は、所定のオブジェクトの領域とそれ以外の領域との画質を異にする特殊効果を簡単に実現することにある。
この発明に係る画像信号処理装置は、画像信号が入力される画像信号入力手段と、画質パラメータの値を発生するパラメータ発生手段と、画像信号入力手段に入力された第1の画像信号が、パラメータ発生手段で発生された画質パラメータの値に応じた画質の第2の画像信号となるように処理を行う画像信号処理手段と、この画像信号入力手段に入力された画像信号による画像に含まれる所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報を取得するオブジェクト領域情報取得手段と、パラメータ発生手段で発生される画質パラメータの値が、オブジェクト領域情報取得手段で取得されたオブジェクト領域情報に基づいて、所定のオブジェクトの領域で第1の値となり、所定のオブジェクトの領域以外の領域で第1の値とは異なる第2の値となるように制御する制御手段とを備えるものである。
また、この発明に係る画像信号処理方法は、画質パラメータの値を発生する工程と、入力された第1の画像信号が、発生された画質パラメータの値に応じた画質の第2の画像信号となるように処理を行う工程と、入力された画像信号による画像に含まれる所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報を取得する工程と、発生される画質パラメータの値が、取得されたオブジェクト領域情報に基づいて、所定のオブジェクトの領域で第1の値となり、所定のオブジェクトの領域以外の領域で第1の値とは異なる第2の値となるように制御する工程とを備えるものである。
また、この発明に係るプログラムは上述した画像信号処理方法をコンピュータに実行させるためのものである。また、この発明に係るコンピュータ読み取り可能な媒体は、上述したプログラムを記録したものである。
この発明においては、画像信号処理手段で、入力された第1の画像信号が、パラメータ発生手段で発生された画質パラメータの値に応じた画質の第2の画像信号となるように処理が行われる。例えば、第1の画像信号は、動画を表示するための画像信号である。また例えば、第1の画像信号は、放送信号から取得された画像信号である。
画像信号処理手段は、例えば、第1の画像信号に基づいて、第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択するデータ選択手段と、推定式の係数データを生成する画質パラメータを含む生成式における係数データである係数種データを記憶する記憶部と、この記憶部に記憶されている係数種データおよびパラメータ発生手段で発生された画質パラメータの値を用い、生成式に基づいて、パラメータ発生手段で発生された画質パラメータの値に対応した推定式の係数データを生成する係数データ生成部と、データ選択部で選択された複数の画素データおよび係数データ生成部で生成された係数データを用い、推定式に基づいて、第2の画像信号における注目位置の画素データを算出して得る演算部とを有する構成とされる。
オブジェクト領域情報取得手段で、入力された画像信号による画像に含まれる所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報が取得される。例えば、オブジェクト領域指定情報入力手段にオブジェクト領域指定情報が入力される。オブジェクト領域情報取得手段では、このオブジェクト領域指定情報に基づいて、所定のオブジェクト領域を示すオブジェクト領域情報が取得される。
例えば、オブジェクト動き情報取得手段で、所定のオブジェクトの動き情報が得られる。オブジェクト領域情報取得手段では、オブジェクト領域指定情報の他に、この所定のオブジェクトの動き情報に基づいて、所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報が取得される。これにより、所定のオブジェクトが動いている動画においても、逐次変化する所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報を正しく取得できるようになる。
例えば、動きベクトル検出手段で、入力された画像信号に基づいて画素毎にブロックマッチング法等によって動きベクトルが検出される。オブジェクト動き情報取得手段では、オブジェクト領域情報で示される領域内の各画素に対応して検出された各動きベクトルに基づいて、所定のオブジェクトの動き情報が得られる。例えば、各動きベクトルが平均され、所定のオブジェクトの動き情報としての平均動きベクトルが得られる。また例えば、各動きベクトルのうち、最大頻度を示す動きベクトルが所定のオブジェクトの動き情報とされる。
例えば、オブジェクト領域指定情報入力手段にオブジェクト領域指定情報が入力され、また動きベクトル検出手段で入力された画像信号に基づいて画素毎に動きベクトルが検出される。オブジェクト領域情報取得手段では、オブジェクト領域指定情報で示される領域と共に、この領域内の画素に続く一つまたは複数の画素であって、動きベクトルが該領域内の画素と同じである画素を含む領域(隣接領域)を、所定のオブジェクトの領域として、オブジェクト領域情報が取得される。ここで、動きベクトルが同じであるとは、完全一致だけでなく、差が所定範囲内、例えば動きベクトル検出誤差範囲内にあるものを含む意味である。
このようにオブジェクト領域指定情報で示される領域と共に、動きベクトルが同じである領域を所定のオブジェクトの領域とすることで、例えばユーザが所定のオブジェクトの領域を塗りつぶすことで領域指定を行う場合に、所定のオブジェクトの領域を全て塗りつぶさなくてもよくなる。
パラメータ発生手段で発生される画質パラメータの値は、オブジェクト領域情報に基づいて、所定のオブジェクトの領域で第1の値となり、所定のオブジェクトの領域以外の領域で第1の値とは異なる第2の値となるように制御される。これにより、所定のオブジェクトの領域とその他の領域の画質を異にする特殊効果が得られる。
例えば、所定のオブジェクトの領域の画質は、その他の領域の画質より高くされるか、あるいはその逆とされる。オブジェクトの領域の画質がその他の領域の画質より高くされる場合、オブジェクトに対して背景をぼかした特殊効果が得られる。例えば、所定のオブジェクトの領域の画質パラメータの値はユーザが調整した画質パラメータの値そのものとされ、それ以外の領域の画質パラメータの値はユーザが調整した画質パラメータの値より低くあるいは高くされる。また例えば、所定のオブジェクトの領域およびその他の領域の画質パラメータの値は、工場出荷時に設定されている、あるいはその後にユーザにより設定された固定値とされる。
このように、この発明においては、画質パラメータの値を、オブジェクト領域情報に基づいて、所定のオブジェクトの領域とそれ以外の領域とで異なる値に制御して、所定のオブジェクトの領域とその他の領域の画質を異にする特殊効果を得るものであって、当該特殊効果を簡単に実現できる。
この発明によれば、入力された第1の画像信号が画質パラメータの値に応じた第2の画像信号となるように処理するものにあって、画質パラメータの値を、オブジェクト領域情報に基づいて、所定のオブジェクトの領域で第1の値となり、それ以外の領域で第1の値とは異なる第2の値となるように制御するものであり、所定のオブジェクトの領域とそれ以外の領域との画質を異にする特殊効果を簡単に実現できる。
この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としての画像信号処理装置100の構成を示している。
この画像信号処理装置100は、装置全体の動作を制御するシステムコントローラ101を有している。このシステムコントローラ101は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、このMPUの動作プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)、このMPUの作業領域を構成するRAM(Random Access Memory)等を備えている。
このシステムコントローラ101には、リモコン信号受信部102が接続されている。このリモコン信号受信部102は、リモコン送信機103からユーザの操作に応じて出力されるリモコン信号RMを受信し、そのリモコン信号RMに対応する操作信号をシステムコントローラ101に供給する。また、このシステムコントローラ101には、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される表示器104が接続されている。この表示器104は、システムコントローラ101の制御のもと、装置の動作状態等を表示する。
また、画像信号処理装置100は、入力端子111と、DRC−ボリウム処理部112と、オブジェクト抽出処理部113と、出力端子114とを有している。入力端子111は、画像信号が入力される画像信号入力手段を構成している。この入力端子111には、動画または静止画を表示するための画像信号Vinが、処理すべき画像信号として入力される。この画像信号Vinは、例えば、図示しない放送受信機において、放送信号より取得されたものとされる。
DRC−ボリウム処理部112は、画像信号処理手段を構成している。この処理部112は、入力された画像信号が画質パラメータの値に応じた画質の画像信号となるように処理を行う。この処理部112には、システムコントローラ101から制御信号SCaが供給される。この制御信号SCaには、ユーザによって調整された、解像度を示す画質パラメータrの値およびノイズ除去度を示す画質パラメータzの値も含まれている。この処理部112の詳細については、後述する。
この処理部112は、ユーザの選択操作により、「第1の処理」の機能が選択されるとき、入力端子111に入力された画像信号Vinを処理すべき画像信号として、画質パラメータr,zの値に応じた画質の画像信号を得る処理を行う。この場合、ユーザによって調整された画質パラメータr,zの値がそのまま用いられる。
また、この処理部112は、ユーザの選択操作により、「第2の処理」の機能が選択されるとき、画質パラメータr,zの値に応じた画質の画像信号を得る処理を行い、処理後の画像信号を出力する。この場合、オブジェクト抽出処理部113で取得されたオブジェクト領域情報OAIに基づいて、所定のオブジェクトの領域ではユーザによって調整された画質パラメータr,zの値をそのまま用い、その他の領域ではユーザによって調整された画質パラメータr,zの値を画質が低下する方向に変更して用いる。画質が低下する方向の例としては、解像度が低下する方向、あるいは、ノイズが増える方向、ユーザが「画質が低下したと感じる」方向などが挙げられる。
オブジェクト抽出処理部113は、オブジェクト領域情報取得手段を構成している。
この処理部113は、ユーザの選択操作により、「第2の処理」の機能が選択されるとき、入力端子111に入力された画像信号Vinを処理すべき画像信号として、オブジェクト抽出処理を行い、オブジェクト領域情報OAIを取得する。この処理部113には、システムコントローラ101から制御信号SCbが供給される。この制御信号SCbには、ユーザの操作によるオブジェクト領域指定情報OAAも含まれている。
この処理部113は、ユーザの選択操作により、「第2の処理」の機能が選択されるとき、入力端子111に入力された画像信号Vinを処理すべき画像信号として、オブジェクト抽出処理を行い、オブジェクト領域情報OAIを取得する。この処理部113には、システムコントローラ101から制御信号SCbが供給される。この制御信号SCbには、ユーザの操作によるオブジェクト領域指定情報OAAも含まれている。
出力端子114は、出力画像信号Voutを出力する画像信号出力手段を構成している。この出力端子114には、DRC−ボリウム処理部112で得られた画像信号が、出力画像信号Voutとして出力される。
次に、DRC−ボリウム処理部112の詳細を説明する。図2は、この処理部112の構成を示している。
この処理部112は、画像信号Vaが入力される入力端子201と、この入力端子201に入力された画像信号Vaを処理する処理本体部202と、この処理本体部202で得られた画像信号Vbを出力する出力端子203と、処理本体部202の動作を制御する制御部204と、オブジェクト領域情報OAIが入力される入力端子205と、制御信号SCaが入力される入力端子206とを有している。
制御部204は、入力端子205に入力されるオブジェクト領域情報OAIおよび入力端子206に入力される制御信号SCaに基づいて、処理本体部202の動作を制御する。例えば、制御部204は、MPU、このMPUの動作プログラム等が記憶されたROM、このMPUの作業領域を構成するRAM等を備えた構成とされている。
処理本体部202は第1の処理部を構成している。この処理本体部202は、525i信号というSD(Standard Definition)信号である画像信号Vaを、1050i信号というHD(High Definition)信号である画像信号Vbに変換する。ここで、画像信号Vaは第1の画像信号を構成し、画像信号Vbは第2の画像信号を構成している。525i信号は、1フレームのライン数が525本である、インタレース方式の画像信号である。1050i信号は、1フレームのライン数が1050本である、インタレース方式の画像信号である。
図3は、525i信号および1050i信号のあるフレーム(F)の画素位置関係を示すものであり、奇数(o)フィールドの画素位置を実線で示し、偶数(e)フィールドの画素位置を破線で示している。大きなドットが525i信号の画素であり、小さいドットが1050i信号の画素である。図3から分かるように、1050i信号の画素データとしては、525i信号のラインに近い位置のラインデータL1,L1′と、525i信号のラインから遠い位置のラインデータL2,L2′とが存在する。ここで、L1,L2は奇数フィールドのラインデータ、L1′,L2′は偶数フィールドのラインデータである。また、1050i信号の各ラインの画素数は、525i信号の各ラインの画素数の2倍である。
図2に戻って、処理本体部202は、バッファメモリ211と、予測タップ選択部212と、クラスタップ選択部213とを有している。バッファメモリ211は、入力端子201に入力された画像信号Vaを一時的に記憶する。タップ選択部212,213は、それぞれ、バッファメモリ211に記憶されている画像信号Vaに基づいて、画像信号Vbにおける注目位置の周辺に位置する複数の画素データを、予測タップ、クラスタップのデータとして選択的に抽出する。
図4Aは、予測タップのデータとして抽出される複数の画素データのパターン例を示している。図4Bは、クラスタップのデータとして抽出される複数の画素データ(実線部分)のパターン例を示している。なお、この図4A,Bでは、注目位置が存在する現フィールドから予測タップ、クラスタップのデータとしての複数の画素データを抽出するようになっているが、さらに時間方向の前後の所定数のフィールドから抽出することも考えられる。
また、処理本体部202は、クラス検出部214を有している。このクラス検出部214は、クラスタップ選択部213で抽出されたクラスタップのデータとしての複数の画素データに対してデータ圧縮処理を施して、画像信号Vbにおける注目位置の画素データが属するクラスを示すクラスコードCLを取得する。例えば、データ圧縮処理としては、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)、DPCM(予測符号化)、VQ(ベクトル量子化)等を利用できる。本実施の形態では、ADRC、例えば1ビットADRCを利用している。なお、画素間の差分など、他の特徴量を用いてクラスコードCLを得るようにしてもよい。
まず、KビットADRCを利用する場合について説明する。この場合、クラスタップに含まれる画素データの最大値MAXと最小値MINの差分であるダイナミックレンジDR=MAX−MINを検出し、またクラスタップに含まれるそれぞれの画素データについて、その画素データから最小値MINを減算し、その減算値をDR/2Kで除算(量子化)し、クラスタップを構成するそれぞれの画素データをKビットに再量子化し、それを所定の順番で並べたビット列をクラスコードCLとする。
したがって、1ビットADRCを利用する場合には、クラスタップに含まれるそれぞれの画素データについて、その画素データから最小値MINを減算し、その減算値をDR/2で除算し、クラスタップに含まれるそれぞれの画素データを1ビットに再量子化し、それを所定の順番で並べたビット列をクラスコードCLとして出力する。
また、処理本体部202は、係数データ生成部215と、記憶部としてのROM216とを有している。ROM216は、各クラスの係数種データを記憶している。後述する推定予測演算部217では、予測タップとしての複数の画素データxiと、係数データWiとを用い、(1)式の推定式に基づいて、画像信号Vbにおける注目位置の画素データyが求められる。この(1)式において、nは、予測タップとしての複数の画素データxiの個数である。
ROM216に記憶される係数種データは、上述した推定式の係数データWiを生成するための、画質パラメータr,zを含む生成式の係数データである。(2)式は、その生成式の一例を示しており、wi0〜wi9が係数種データである。ここで、画質パラメータrは解像度を決めるパラメータであり、画質パラメータzはノイズ除去度を決めるパラメータである。この係数種データwi0〜wi9は、画像信号Vaを(525i信号)を、画像信号Vb(1050i信号)に変換するための情報である。
上述の図3に示すように、525i信号を1050i信号に変換する場合、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおいて、525i信号の1画素に対応して1050i信号の4画素を得る必要がある。
図5は、奇数、偶数フィールドにおける1050i信号を構成する2×2の単位画素ブロックUB内の4画素における中心予測タップからの位相ずれを示している。奇数フィールドの場合、単位画素ブロックUB内の4画素HD1〜HD4の位置は、それぞれ、中心予測タップSD0の位置から、水平方向にk1〜k4、垂直方向にm1〜m4だけずれている。偶数フィールドの場合、単位画素ブロックUB内の4画素HD1′〜HD4′の位置は、それぞれ、中心予測タップSD0′の位置から、水平方向にk1′〜k4′、垂直方向にm1′〜m4′だけずれている。
そのため、上述した各クラスの係数種データwi0〜wi9は、8種類の出力画素(HD1〜HD4,HD1′〜HD4′)にそれぞれ対応した係数種データwi0〜wi9からなっている。結局、ROM216には、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、係数種データwi0〜wi9が格納されている。
この係数種データwi0〜wi9は、画像信号Vbに対応した教師信号としての画像信号Vb′と画像信号Vaに対応した生徒信号としての画像信号Va′とから学習によって予め生成されたものである。この係数種データwi0〜wi9の生成方法の詳細については後述する。
係数データ生成部215は、奇数、偶数の各フィールドにおいて、クラス検出部214で得られたクラスコードCLが表すクラスの、4出力画素(図5のHD1〜HD4、またはHD1′〜HD4′)にそれぞれ対応した4画素分の係数種データwi0〜wi9をROM216から取得し、さらに制御部204から供給される画質パラメータr,zの値を用い、(2)式の生成式に基づいて、4画素分の係数データWiを生成する。
ここで、制御部204から供給される画質パラメータr,zの値は、ユーザの選択操作によって選択される機能に応じて、以下のように制御される。すなわち、「第1の処理」の機能が選択されるとき、画質パラメータr,zの値はユーザによって調整されたパラメータr,zの値とされる。また、「第2の処理」の機能が選択されるとき、画質パラメータr,zの値は、オブジェクト領域情報OAIに基づいて、所定のオブジェクトの領域ではユーザによって調整されたパラメータr,zの値とされ、その他の領域ではユーザによって調整されたパラメータr,zの値を画質が低下する方向に変更した値とされる。
また、処理本体部202は、推定予測演算部217を有している。この推定予測演算部217は、画像信号Vbにおける注目位置に存在する単位画素ブロックUB毎に画素データを求める。すなわち、推定予測演算部217は、予測タップ選択部212で抽出される単位画素ブロックUB内の4画素(注目画素)に対応した、予測タップのデータxi、および係数データ生成部215で生成される、その単位画素ブロックUB内の4画素に対応した4画素分の係数データWiを用い、その単位画素ブロックUBを構成する4画素の画素データy1〜y4を、それぞれ上述した(1)式の推定式で、個別に演算する。
また、処理本体部202は、後処理部218を有している。この後処理部218は、推定予測演算部217より順次出力される、単位画素ブロックUB内の4画の画素データy1〜y4を線順次化し、1050i信号のフォーマットで出力する。
次に、図2に示すDRC−ボリウム処理部112の動作を説明する。
SD信号である画像信号Vaが入力端子201に入力され、この画像信号Vaはバッファメモリ211に一時的に記憶される。そして、この画像信号Vaに基づき、クラス分類適応処理により、画像信号Vbを構成する各画素データが生成される。
SD信号である画像信号Vaが入力端子201に入力され、この画像信号Vaはバッファメモリ211に一時的に記憶される。そして、この画像信号Vaに基づき、クラス分類適応処理により、画像信号Vbを構成する各画素データが生成される。
すなわち、クラスタップ選択部213では、バッファメモリ211に記憶されている画像信号Vaに基づいて、画像信号Vbにおける注目位置の周辺に位置する複数の画素データが、クラスタップのデータとして選択的に抽出される。この複数の画素データは、クラス検出部214に供給される。
クラス検出部214では、クラスタップのデータとしての複数の画素データに、例えば1ビットADRCのデータ圧縮処理が施されて、画像信号Vbにおける注目位置の画素データが属するクラスを示すクラスコードCLが得られる。このクラスコードCLは係数データ生成部215に供給される。
この係数データ生成部215では、奇数、偶数の各フィールドにおいて、クラスコードCLで示されるクラスの、4出力画素(図5のHD1〜HD4、またはHD1′〜HD4′)にそれぞれ対応した4画素分の係数種データwi0〜wi9が、ROM216から取得される。また、この係数データ生成部215には、制御部204から画質パラメータr,zの値が供給される。そして、この係数データ生成部215では、各フィールドにおいて、4画素分の係数種データwi0〜wi9および画質パラメータr,zの値が用いられ、上述の(2)式の生成式に基づいて、4出力画素分の係数データWiが生成される。この係数データWiは、推定予測演算部217に供給される。
また、予測タップ選択部212では、バッファメモリ211に記憶されている画像信号Vaに基づいて、画像信号Vbにおける注目位置の周辺に位置する複数の画素データxiが、予測タップのデータとして選択的に抽出される。この複数の画素データxiは、推定予測演算部217に供給される。推定予測演算部217では、予測タップ選択部212で抽出された予測タップのデータとしての複数の画素データxiと、係数データ生成部215で生成された4出力画素分の係数データWiとから、画像信号Vbにおける注目位置に存在する単位画素ブロックUB内の4画素(注目画素)の画素データy1〜y4が、上述の(1)式の推定式に基づいて、個別に演算される。
この推定予測演算部217より順次出力される、画像信号Vbを構成する各単位画素ブロックUB内の4画素の画素データy1〜y4は、後処理部218に供給される。この後処理部218では、推定予測演算部217より順次供給される単位画素ブロックUB内の4画素のデータy1〜y4が線順次化され、1050i信号のフォーマットで出力される。つまり、後処理部218からは画像信号Vb(050i信号)が得られ、この画像信号Vbは出力端子203に出力される。
次に、上述した処理本体部202のROM216に記憶される、係数種データの生成方法について説明する。この係数種データは、学習によって生成される。ここでは、(2)式の生成式における係数データである係数種データwi0〜wi9を求める例を示すものとする。
ここで、以下の説明のため、(3)式のように、tj(j=0〜9)を定義する。
t0=1,t1=r,t2=z,t3=r2,t4=rz,t5=z2,t6=r3,
t7=r2z,t8=rz2,t9=z3
・・・(3)
この(3)式を用いると、(2)式は、(4)式のように書き換えられる。
t0=1,t1=r,t2=z,t3=r2,t4=rz,t5=z2,t6=r3,
t7=r2z,t8=rz2,t9=z3
・・・(3)
この(3)式を用いると、(2)式は、(4)式のように書き換えられる。
最終的に、学習によって未定係数wijを求める。すなわち、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、複数の学習データを用いて、二乗誤差を最小にする係数値を決定する。いわゆる最小二乗法による解法である。学習数をm、k(1≦k≦m)番目の学習データにおける残差をek、二乗誤差の総和をEとすると、(1)式および(2)式を用いて、Eは(5)式で表される。ここで、xikはSD信号のi番目の予測タップ位置におけるk番目の画素データ、ykはそれに対応するk番目のHD信号の画素データを表している。
最小二乗法による解法では、(5)式のwijによる偏微分が0になるようなwijを求める。これは、(6)式で示される。
ここで、(7)式、(8)式のように、Xipjq、Yipを定義すると、(6)式は、行列を用いて、(9)式のように書き換えられる。
この(9)式が、係数種データwi0〜wi9を算出するための正規方程式である。この正規方程式を掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)等の一般解法で解くことにより、係数種データwi0〜wi9を求めることができる。
図6は、上述した係数種データの生成方法の概念を示している。教師信号としてのHD信号から、生徒信号としての複数のSD信号を生成する。ここで、HD信号からSD信号を生成する際に使用する間引きフィルタの周波数特性を変えることにより、解像度の異なるSD信号を生成する。
解像度の異なるSD信号によって、解像度を上げる効果の異なる係数種データを生成できる。例えばボケ具合の大きな画像が得られるSD信号とボケ具合の小さな画像が得られるSD信号があった場合、ボケ具合の大きな画像が得られるSD信号による学習で、解像度を上げる効果の強い係数種データが生成され、ボケ具合の小さな画像が得られるSD信号による学習で、解像度を上げる効果の弱い係数種データが生成される。
また、解像度の異なるSD信号の各々に対してノイズを加えることで、ノイズの加わったSD信号を生成する。ノイズを加える量を可変することでノイズ量が異なるSD信号が生成され、それによってノイズ除去効果の異なる係数種データが生成される。例えばノイズをたくさん加えたSD信号とノイズを少し加えたSD信号とがあった場合、ノイズをたくさん加えたSD信号による学習でノイズ除去効果の強い係数種データが生成され、ノイズを少し加えたSD信号による学習でノイズ除去効果の弱い係数種データが生成される。
ノイズを加える量としては、例えば(10)式のように、SD信号の画素値xに対して、ノイズnを加えてノイズの加わったSD信号の画素値x′を生成する場合、Gを可変することでノイズ量を調整する。
x′=x+G・n ・・・(10)
x′=x+G・n ・・・(10)
例えば、周波数特性を可変する画質パラメータrの値を0〜1.0まで0.1のステップで11段階に可変し、ノイズを加える量を可変する画質パラメータzの値を0〜1.0まで0.1のステップで11段階に可変し、合計121種類のSD信号を生成する。このようにして生成した複数のSD信号とHD信号との間で学習を行って係数種データを生成する。この画質パラメータr,zは、図2の係数データ生成部215に供給される画質パラメータr,zに対応したものである。
次に、上述した係数種データwi0〜wi9を生成するための係数種データ生成装置250について説明する。図7は、この係数種データ生成装置250の構成を示している。
この係数種データ生成装置250は、入力端子251と、SD信号生成部252とを有している。入力端子251は、上述した画像信号Vbに対応した、教師信号としての画像信号Vb′を入力するための端子である。SD信号生成部252は、この画像信号Vb′に対して、水平および垂直の間引き処理を行って、上述した画像信号Vaに対応した、生徒信号としての画像信号Va′を生成する。このSD信号生成部252には、画質パラメータr,zが供給される。画質パラメータrの値に対応して、画像信号Vb′から画像信号Va′を生成する際に使用する間引きフィルタの周波数特性が可変される。また、画質パラメータzの値に対応して、画像信号Va′に加えるノイズの量が可変される。
また、係数種データ生成装置250は、予測タップ選択部253と、クラスタップ選択部254とを有している。これらタップ選択部253,254は、それぞれ、SD信号生成部252で生成された画像信号Va′に基づいて、画像信号Vb′における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを、予測タップ、クラスタップのデータとして選択的に抽出する。これらタップ選択部253,254は、それぞれ、上述した処理本体部202のタップ選択部212,213に対応している。
また、係数種データ生成装置250は、クラス検出部255を有している。このクラス検出部255は、クラスタップ選択部254で選択的に抽出されたクラスタップのデータとしての複数の画素データを処理して、画像信号Vb′における注目位置の画素データが属するクラスを示すクラスコードCLを生成する。このクラス検出部255は、上述した処理本体部202のクラス検出部214に対応している。
また、係数種データ生成装置250は、教師タップ選択部256を有している。この教師タップ選択部256は、画像信号Vb′に基づいて、当該画像信号Vb′における注目位置の画素データを選択的に抽出する。
また、係数種データ生成装置250は、正規方程式生成部257を有している。この正規方程式生成部257は、教師タップ選択部256で選択的に抽出された、画像信号Vb′における各注目位置の画素データyと、この各注目位置の画素データyにそれぞれ対応して予測タップ選択部253で選択的に抽出された、予測タップのデータとしての複数の画素データxiと、各注目位置の画素データyにそれぞれ対応してクラス検出部255で生成されたクラスコードCLと、画質パラメータr,zの値とから、クラス毎に、係数種データwi0〜wi9を得るための正規方程式((9)式参照)を生成する。
この場合、1個の画素データyとそれに対応する複数個の画素データxiとの組み合わせで1個の学習データが生成される。教師信号としての画像信号Vb′と、それに対応した生徒信号としての画像信号Va′との間で、クラス毎に、多くの学習データが生成されていく。これにより、正規方程式生成部257では、各クラスの係数種データwi0〜wi9を得るための正規方程式がそれぞれ生成される。
またこの場合、正規方程式生成部257では、出力画素(図5のHD1〜HD4,HD1′〜HD4′)毎に、正規方程式が生成される。すなわち、HD1〜HD4,HD1′〜HD4′に対応した正規方程式は、それぞれ、中心予測タップSD0,SD0′からのずれ値がHD1〜HD4,HD1′〜HD4′と同じ関係にある画素データyから構成される学習データを用いて生成される。結局、正規方程式生成部257では、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、係数種データwi0〜wi9を得るための正規方程式が生成される。
また、係数種データ生成装置250は、係数種データ決定部258と、係数種メモリ259とを有している。係数種データ決定部258は、正規方程式生成部257から正規方程式のデータの供給を受け、当該正規方程式を掃き出し法等によって解き、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、係数種データwi0〜wi9を求める。係数種メモリ259は、係数種データ決定部258で求められた係数種データwi0〜wi9を格納する。
次に、図7に示す係数種データ生成装置250の動作を説明する。
入力端子251には、教師信号としての画像信号Vb′が入力される。この画像信号Vb′に対して、SD信号生成部252で水平および垂直の間引き処理が行われて、生徒信号としての画像信号Va′が生成される。この場合、SD信号生成部252には画質パラメータr,zが制御信号として供給され、周波数特性およびノイズ加算量が段階的に変化した複数の画像信号Va′が順次生成されていく。
入力端子251には、教師信号としての画像信号Vb′が入力される。この画像信号Vb′に対して、SD信号生成部252で水平および垂直の間引き処理が行われて、生徒信号としての画像信号Va′が生成される。この場合、SD信号生成部252には画質パラメータr,zが制御信号として供給され、周波数特性およびノイズ加算量が段階的に変化した複数の画像信号Va′が順次生成されていく。
クラスタップ選択部254では、画像信号Va′に基づいて、画像信号Vb′における注目位置の周辺に位置する複数の画素データがクラスタップのデータとして選択的に抽出される。この複数の画素データはクラス検出部255に供給される。そして、クラス検出部255では、各画素データに対してADRC等のデータ圧縮処理が施されて、画像信号Vb′における注目位置の画素データが属するクラスを示すクラスコードCLが生成される。このクラスコードCLは、正規方程式生成部257に供給される。
予測タップ選択部253では、画像信号Va′に基づいて、画像信号Vb′における注目位置の周辺に位置する複数の画素データxiが予測タップのデータとして選択的に抽出される。この複数の画素データxiは、正規方程式生成部257に供給される。また、教師タップ選択部256では、画像信号Vb′に基づいて、当該画像信号Vb′における注目位置の画素データyが選択的に抽出される。この画素データyは、正規方程式生成部257に供給される。
正規方程式生成部257では、画像信号Vb′における各注目位置を対象として、当該各注目位置の画素データyと、この各注目位置の画素データyにそれぞれ対応した、予測タップのデータとしての複数の画素データxiと、各注目位置の画素データyが属するクラスを示すクラスコードCLと、SD信号生成部252に供給されている画質パラメータr,zの値とから、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、係数種データwi0〜wi9を得るための正規方程式((9)式参照)が生成される。
そして、係数種データ決定部258では、正規方程式生成部257から正規方程式のデータが供給され、当該正規方程式が掃き出し法等によって解かれ、クラスおよび出力画素の組み合わせ毎に、係数種データwi0〜wi9が求められる。この係数種データwi0〜wi9は、係数種メモリ259に格納される。
このように、図7に示す係数種データ生成装置250においては、上述した処理本体部202のROM216に格納すべき、クラスおよび出力画素の各組み合わせの係数種データwi0〜wi9を生成できる。
次に、オブジェクト抽出処理部113の詳細を説明する。図8は、この処理部113の構成を示している。
この処理部113は、画像信号が入力される入力端子301と、この入力端子301に入力された画像信号に基づいて、所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報OAIを取得する処理本体部302と、この処理本体部302で得られたオブジェクト領域情報OAIを出力する出力端子303と、処理本体部302の動作を制御する制御部304と、制御信号SCbが入力される入力端子305とを有している。
制御部304は、入力端子305に入力される制御信号SCbに基づいて、処理本体部302の動作を制御する。例えば、制御部304は、MPU、このMPUの動作プログラム等が記憶されたROM、このMPUの作業領域を構成するRAM等を備えた構成とされている。
処理本体部302は、バッファメモリ311と、検出領域決定部312と、オブジェクト特定部313と、動きベクトル検出部314とを有している。バッファメモリ311は、入力端子301に入力された画像信号を一時的に記憶する。
検出領域決定部312は、制御部304から供給される、制御信号SCbに含まれているオブジェクト領域指定情報OAAに基づいて、オブジェクト領域を決定するために使用される仮オブジェクト領域を決定し、仮オブジェクト領域情報を生成する。
ここで、ユーザのオブジェクト領域の指定動作を説明する。このオブジェクト領域の指定は、ユーザの操作により、「第2の処理」の機能が選択される場合に可能となる。この場合、ユーザがオブジェクト領域の指定を行う所定のフレームの画像信号が出力端子114(図1参照)に繰り返し出力され、図示しないモニタ上に、当該所定のフレームの画像がスチル表示される。
この状態で、ユーザは、図9に示すように、リモコン操作によりオブジェクトOBの領域内に塗りつぶし線LNを描き、当該領域内を塗りつぶす操作を行う。そして、オブジェクトOBの領域内を塗りつぶした状態でユーザが確定操作をすると、オブジェクト領域の指定が確定し、コントローラ101からオブジェクト抽出処理部113に、上述したオブジェクト領域指定情報OAAとして、確定時における塗りつぶし領域を示す領域情報が供給される。
検出領域決定部312は、オブジェクト領域指定情報OAAに基づき、塗りつぶし領域を示す領域情報を仮オブジェクト領域に決定し、仮オブジェクト領域情報を生成する。なお、図示せずも、塗りつぶし線LNを表示するための表示信号は、制御部304から出力され、DRC−ボリウム処理部112の出力側で、画像信号に重畳される。
動きベクトル検出部314は、バッファメモリ311に記憶されている画像信号に基づいて、各フレームで、画素毎に動きベクトルを検出する。この動きベクトルの検出は、バッファメモリ311に記憶されている画像信号が動画を表示するための画像信号である場合にのみ行われる。
オブジェクト特定部313は、検出領域決定部312で生成された仮オブジェクト領域情報、および動きベクトル検出部314で検出された動きベクトルに基づいて、オブジェクト領域を決定し、その領域を示すオブジェクト領域情報OAIを生成する。このオブジェクト領域情報OAIは、例えばオブジェクト領域に対応した画素位置にフラグが立つようにされたフラグ情報である。
このオブジェクト特定部313は、ユーザの操作により、「第2の処理」の機能が選択される場合であって、入力端子301に入力される画像信号が静止画を表示するための画像信号である場合には、以下の処理を行う。すなわち、オブジェクト特定部313は、検出領域決定部312で生成された仮オブジェクト領域情報に基づいて、その仮オブジェクト領域をオブジェクトOBの領域に決定し、その領域を示すオブジェクト領域情報OAIを生成し、このオブジェクト領域情報OAIを出力端子303に供給する。なお、本実施の形態において、画像信号が静止画を表示するための画像信号であるか動画を表示するための画像信号であるかは、ユーザの操作により与えられる。
また、オブジェクト特定部313は、ユーザの操作により、「第2の処理」の機能が選択される場合であって、入力端子301に入力される画像信号が動画を表示するための画像信号である場合には、以下の処理を行う。
すなわち、オブジェクト特定部313は、検出領域決定部312で仮オブジェクト領域が決定されたフレームである初期フレームでは、この検出領域決定部312で生成された仮オブジェクト領域情報に基づいて、仮オブジェクト領域と共に、この仮オブジェクト領域内の画素に続く一つまたは複数の画素であって、動きベクトル検出部314で検出される動きベクトルがこの仮オブジェクト領域内の画素と同じである画素を含む領域(隣接領域)を、オブジェクトOBの領域に決定し、それらの領域を示すオブジェクト領域情報OAIを生成する。
ここで、動きベクトルが同じであるとは、完全一致だけでなく、差が所定範囲内、例えば動きベクトル検出誤差範囲内にあるものを含む意味である。このようにオブジェクト領域指定情報OAAで示される領域と共に、動きベクトルが同じである領域をオブジェクトOBの領域とすることで、例えばユーザがオブジェクトOBの領域を塗りつぶすことで領域指定を行う場合に、このオブジェクトOBの領域を全て塗りつぶさなくてもよくなる。
また、オブジェクト特定部313は、この初期フレームでは、決定されたオブジェクト領域内の各画素に対応して動きベクトル検出部314で検出された各動きベクトルに基づいて次のフレームで使用するオブジェクトOBの動き情報を取得する。例えば、各動きベクトルが平均され、オブジェクトOBの動き情報としての平均動きベクトルが得られる。また例えば、各動きベクトルのうち、最大頻度を示す動きベクトルがオブジェクトOBの動き情報とされる。
オブジェクト特定部313は、初期フレームに続くフレームでは、初期フレームで決定されたオブジェクトOBの領域を初期フレームで取得されていたオブジェクトOBの動き情報で移動させて当該フレームにおけるオブジェクトOBの領域を決定し、その領域を示すオブジェクト領域情報OAIを生成する。また、オブジェクト特定部313は、初期フレームに続くフレームでは、決定されたオブジェクト領域内の各画素に対応して動きベクトル検出部314で検出された各動きベクトルに基づいて次のフレームで使用するオブジェクトOBの動き情報を取得する。
オブジェクト特定部313は、以下の各フレームでは、同様にして、前のフレームで取得されていたオブジェクトOBの動き情報を用いて、当該フレームにおけるオブジェクトOBの領域を決定して、その領域を示すオブジェクト領域情報をOAIを生成すると共に、決定されたオブジェクト領域内の各画素に対応して動きベクトル検出部314で検出された各動きベクトルに基づいて次のフレームで使用するオブジェクトOBの動き情報を取得する。
図8に示すオブジェクト抽出処理部113の動作を説明する。
まず、ユーザの操作により、「第2の処理」の機能が選択されると共に、入力端子301に入力される画像信号が静止画を表示するための画像信号である場合について説明する。
まず、ユーザの操作により、「第2の処理」の機能が選択されると共に、入力端子301に入力される画像信号が静止画を表示するための画像信号である場合について説明する。
ユーザが、所定のフレームのスチル表示状態で、オブジェクトOBの領域内に塗りつぶし線LNを描いて塗りつぶし操作を行い(図9参照)、その状態で確定操作をすることで、塗りつぶし領域を示す領域情報がオブジェクト領域指定情報OAAとして、制御部304から検出領域決定部312に供給される。検出領域決定部312では、当該塗りつぶし領域情報に基づいて、塗りつぶし領域が仮オブジェクト領域に決定され、その仮オブジェクト領域を示す仮オブジェクト領域情報が生成される。
この仮オブジェクト領域情報は、オブジェクト特定部313に供給される。オブジェクト特定部313では、仮オブジェクト領域情報に基づいて、その仮オブジェクト領域がそのままオブジェクトOBの領域に決定され、その領域を示すオブジェクト領域情報OAIが生成される。このオブジェクト領域情報OAIは出力端子303に供給される。
次に、ユーザの操作により、「第2の処理」の機能が選択されると共に、入力端子301に入力される画像信号が動画を表示するための画像信号である場合について説明する。
入力端子301に入力される画像信号はバッファメモリ311に供給されて一時的に記憶される。
ユーザが、所定のフレームのスチル表示状態で、オブジェクトOBの領域内に塗りつぶし線LNを描いて塗りつぶし操作を行い(図9参照)、その状態で確定操作をすることで、塗りつぶし領域を示す領域情報がオブジェクト領域指定情報OAAとして、制御部304から検出領域決定部312に供給される。検出領域決定部312では、当該塗りつぶし領域情報に基づいて、塗りつぶし領域が仮オブジェクト領域に決定され、その仮オブジェクト領域を示す仮オブジェクト領域が生成される。この仮オブジェクト領域情報は、オブジェクト特定部313に供給される。
また、動きベクトル検出部314では、バッファメモリ311に記憶されている画像信号に基づいて、各フレームで、画素毎に動きベクトルが検出される。このように各フレームで検出される画素毎の動きベクトルは、オブジェクト特定部313に供給される。
オブジェクト特定部313では、検出領域決定部312で仮オブジェクト領域が決定されたフレームである初期フレームにおいては、仮オブジェクト領域と共に、この仮オブジェクト領域内の画素に続く一つまたは複数の画素であって、動きベクトル検出部314で検出される動きベクトルがこの仮オブジェクト領域内の画素と同じである画素を含む領域が、オブジェクトOBの領域に決定され、その領域を示すオブジェクト領域情報OAIが生成される。また、オブジェクト特定部313では、この初期フレームおいては、決定されたオブジェクト領域内の各画素に対応して動きベクトル検出部314で検出された各動きベクトルに基づいて次のフレームで使用するオブジェクトOBの動き情報が取得される。
また、オブジェクト特定部313では、初期フレームに続くフレームにおいては、初期フレームで決定されたオブジェクトOBの領域を初期フレームで取得されていたオブジェクトOBの動き情報で移動させて当該フレームにおけるオブジェクトOBの領域が決定され、その領域を示すオブジェクト領域情報OAIが生成される。また、オブジェクト特定部313では、初期フレームに続くフレームにおいては、決定されたオブジェクト領域内の各画素に対応して動きベクトル検出部314で検出された各動きベクトルに基づいて次のフレームで使用するオブジェクトOBの動き情報を取得する。
また、オブジェクト特定部313では、以下の各フレームにおいては、同様にして、前のフレームで取得されていたオブジェクトOBの動き情報を用いて、当該フレームにおけるオブジェクトOBの領域が決定され、その領域を示すオブジェクト領域情報をOAIが生成されると共に、決定されたオブジェクト領域内の各画素に対応して動きベクトル検出部314で検出された各動きベクトルに基づいて次のフレームで使用されるオブジェクトOBの動き情報が取得される。
このようにオブジェクト特定部313で生成された、初期フレームおよびそれ以降の各フレームのオブジェクト領域情報OAIは、順次、出力端子303に出力される。
次に、図1に示す画像信号処理装置100の動作を説明する。
図10のフローチャートは、画像信号処理装置100の全体の動作を示している。ステップST1で、処理を開始し、ステップST2で、処理を決定する。この処理の決定は、ユーザの機能選択の操作に基づいて行う。ユーザが「第1の処理」の機能を選択し、ステップST2で「第1の処理」に決定されるとき、ステップST3で、第1の処理(高画質化処理)を実行し、ユーザの終了操作に対応して、ステップST5で、処理を終了する。
図10のフローチャートは、画像信号処理装置100の全体の動作を示している。ステップST1で、処理を開始し、ステップST2で、処理を決定する。この処理の決定は、ユーザの機能選択の操作に基づいて行う。ユーザが「第1の処理」の機能を選択し、ステップST2で「第1の処理」に決定されるとき、ステップST3で、第1の処理(高画質化処理)を実行し、ユーザの終了操作に対応して、ステップST5で、処理を終了する。
この「第1の処理」の機能が選択された場合、入力端子111に入力された画像信号VinはDRC−ボリウム処理部112に処理すべき画像信号として入力される。この処理部112では、画像信号Vinに対して高画質化処理(SD信号からHD信号に変換する処理)が行われる。そして、この処理部112で得られた画像信号は出力端子114に出力画像信号Voutとして出力される。
図11のフローチャートは、「第1の処理」における処理動作(1フレーム分)を示している。ステップST51で、処理を開始し、ステップST52で、高画質化処理を行い、その後、ステップST53で、処理を終了する。
図10に戻って、ステップST2で「第2の処理」に決定されるとき、ステップST4で、第4の処理(背景ぼかし処理)を実行し、ユーザの終了操作に対応して、ステップST5で、処理を終了する。
この「第2の処理」の機能が選択された場合、入力端子111に入力された画像信号VinはDRC−ボリウム処理部112に処理すべき画像信号として入力される。この処理部112では、画像信号Vinに対して高画質化処理(SD信号からHD信号に変換する処理)が行われる。そして、この処理部112で得られた画像信号は出力端子114に出力画像信号Voutとして出力される。
またこの場合、オブジェクト抽出処理部113では、第1のオブジェクト抽出処理または第2のオブジェクト抽出処理が行われる。この処理部113で得られたオブジェクト領域情報OAIは、DRC−ボリウム処理部112に制御信号として供給される。
処理部112では、オブジェクト領域情報OAIに基づいて、オブジェクトOBの領域ではユーザによって調整された画質パラメータr,zの値がそのまま用いられ、その他の領域ではユーザによって調整されたパラメータr,zの値が画質が低下する方向に変更されて用いられる。これにより、処理部112では、オブジェクトOB以外の背景をぼかす特殊効果処理が行われる。
図12のフローチャートは、「第2の処理」における処理動作(1フレーム分)を示している。ステップST61で、処理を開始し、ステップST62で、処理すべき画像信号が動画を表示するための画像信号であるか否かを判定する。静止画を表示するための画像信号であるときは、ステップST63で、オブジェクト抽出処理部113により第2のオブジェクト抽出処理を行うと共に、ステップST64で、DRC−ボリウム処理部112により高画質化処理(オブジェクト領域情報OAIに基づく背景ぼかし処理を含む)を行い、その後、ステップST65で、処理を終了する。一方、動画を表示するための画像信号であるときは、ステップST66で、オブジェクト抽出処理部113により第1のオブジェクト抽出処理を行うと共に、ステップST64で、DRC−ボリウム処理部112により高画質化処理(オブジェクト領域情報OAIに基づく背景ぼかし処理を含む)を行い、その後、ステップST65で、処理を終了する。
図13のフローチャートは、第2のオブジェクト抽出処理の動作を示している。ステップST71で、処理を開始し、ステップST72で、仮オブジェクト領域を決定する。この場合、ユーザがオブジェクトOBの領域内に塗りつぶし線LNを描くことで塗りつぶされた領域が、仮オブジェクト領域に決定される(図9参照)。
次に、ステップST73で、オブジェクト領域情報OAIを生成する。この場合、ステップST72で決定された仮オブジェクト領域がそのままオブジェクトOBの領域に決定され、その領域を示すオブジェクト領域情報OAIが生成される。このステップST73の処理の後に、ステップST74で、処理を終了する。
図14のフローチャートは、第1のオブジェクト抽出処理の動作を示している。ステップST81で、処理を開始し、ステップST82で、仮オブジェクト領域を決定する。この場合、ユーザがオブジェクトOBの領域内に塗りつぶし線LNを描くことで塗りつぶされた領域が、仮オブジェクト領域に決定される(図9参照)。
次に、ステップST83で、動きベクトル検出部314により、画素毎に動きベクトルを検出する。そして、ステップST84で、オブジェクト領域情報OAIを生成する。この場合、ステップST82で決定された仮オブジェクト領域と共に、この仮オブジェクト領域内の画素に続く一つまたは複数の画素であって、ステップST83で検出された動きベクトルがこの仮オブジェクト領域内の画素と同じである画素を含む領域(隣接領域)が、オブジェクトOBの領域に決定され、その領域を示すオブジェクト領域情報OAIが生成される。
なお、この仮オブジェクト領域および動きベクトルに基づくオブジェクト領域の決定は、ユーザがオブジェクトOBの領域内に塗りつぶし線LNを描いたフレーム(初期フレーム)のみで実行され、それ以降のフレームでは、前のフレームで決定されたオブジェクト領域を、前のフレームで取得されたオブジェクトOBの動き情報に基づいて移動することで、オブジェクト領域を決定する。すなわち、初期フレーム以降では、ステップST82の処理は行われない。
次に、ステップST85で、ステップST84で決定されたオブジェクト領域内の各画素に対応して検出された各動きベクトルに基づいて、オブジェクトOBの動き情報を取得する。この場合、例えば、各動きベクトルが平均されて、オブジェクトOBの動き情報としての平均動きベクトルが得られる。このオブジェクトOBの動き情報は、次のフレームで使用される。このステップST85の処理の後に、ステップST86で、処理を終了する。なお、オブジェクトOBをこのオブジェクトOBの動き情報に基づいて、移動させたものを次のフレームで仮OBとして扱う。
以上説明したように、図1に示す画像信号処理装置100においては、「第1の処理」の機能が選択される場合は、入力端子111に入力された画像信号Vinに対してDRC−ボリウム処理部112で高画質化が行われ、この処理部112で得られた画像信号が出力端子114に出力画像信号Voutとして出力される。
また、図1に示す画像信号処理装置100においては、「第2の処理」の機能が選択される場合は、入力端子111に入力された画像信号Vinに対してDRC−ボリウム処理部112で高画質化が行われ、この処理部112で得られた画像信号が出力端子114に出力画像信号Voutとして出力される。そしてこの場合、入力端子111に入力された画像信号Vinに基づいてオブジェクト抽出処理部113でオブジェクト領域情報OAIが生成され、処理部112ではこのオブジェクト領域情報OAIに基づいて、背景ぼかしの特殊効果処理が行われる。
この画像信号処理装置100によれば、高画質化処理を行うDRC−ボリウム処理部112における画質パラメータr,zの値を、オブジェクト領域情報OAIに基づいて制御することで背景ぼかしの特殊効果を得るようにしたものであり、背景をぼかすための専用の回路、例えば上述した特許文献1におけるボカシ処理部を設ける必要がなく、背景ぼかしの特殊効果を簡単に実現できる。
また、画像信号処理装置100によれば、オブジェクトOBの領域以外の領域に対応した画質パラメータr,zの値を変化させることで、背景のぼかし度合いを容易に変更できる。
また、画像信号処理装置100によれば、入力端子111に入力される画像信号Vinが動画を表示する画像信号である場合、オブジェクト抽出処理部113では動きベクトルを用いてオブジェクトOBの動き情報を取得し、オブジェクト領域情報OAIとしてオブジェクトOBの動きに合致したものを得るようにしているので、入力端子111に入力される画像信号Vinが動画を表示する画像信号であっても、オブジェクトOBの領域以外の領域(背景)を良好にぼかすことができる。
なお、図1の画像信号処理装置100における処理を、例えば図15に示すような画像信号処理装置500により、ソフトウェアで実現することも可能である。
まず、図15に示す画像信号処理装置500について説明する。この画像信号処理装置500は、装置全体の動作を制御するCPU501と、このCPU501の制御プログラムや係数種データ等が格納されたROM(Read Only Memory)502と、CPU501の作業領域を構成するRAM(Random Access Memory)503とを有している。これらCPU501、ROM502およびRAM503は、それぞれバス504に接続されている。
また、画像信号処理装置500は、外部記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)505と、光ディスク、磁気ディスク、メモリカード等のリムーバブルな記憶媒体を取り扱うドライブ506とを有している。これらドライブ505,506は、それぞれバス504に接続されている。
また、画像信号処理装置500は、インターネット等の通信網507に有線または無線で接続する通信部508を有している。この通信部508は、インタフェース509を介してバス504に接続されている。
また、画像信号処理装置500は、ユーザインタフェース部を備えている。このユーザインタフェース部は、リモコン送信機510からのリモコン信号RMを受信するリモコン信号受信回路511と、LCD(liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)等からなるディスプレイ513とを有している。受信回路511はインタフェース512を介してバス504に接続され、同様にディスプレイ513はインタフェース514を介してバス504に接続されている。
また、画像信号処理装置500は、SD信号である画像信号Vaを入力するための入力端子515と、HD信号である画像信号Vbを出力するための出力端子517とを有している。入力端子515はインタフェース516を介してバス504に接続され、同様に出力端子517はインタフェース518を介してバス504に接続される。
ここで、上述したようにROM502に制御プログラムや係数種データ等を予め格納しておく代わりに、これら制御プログラムや係数データを例えばインターネットなどの通信網507より通信部508を介してダウンロードし、HDD505やRAM503に格納して使用することもできる。また、これら制御プログラムや係数種データ等をリムーバブルな記憶媒体で提供するようにしてもよい。
また、処理すべき画像信号Vaを入力端子515より入力する代わりに、予めHDD505に記録しておき、あるいはインターネットなどの通信網507より通信部508を介してダウンロードしてもよい。また、処理後の画像信号Vbを出力端子517に出力する代わり、あるいはそれと並行してディスプレイ513に供給して画像表示をしたり、さらにはHDD505に格納したり、通信部508を介してインターネットなどの通信網507に送出するようにしてもよい。
図16のフローチャートを参照して、図15に示す画像信号処理装置500における、上述の「第1の処理」に対応した処理手順を説明する。
まず、ステップST40で、処理を開始し、ステップST41で、例えば入力端子515より装置内に1フレーム分の画像信号Vaを入力する。このように入力される画像信号VaはRAM503に一時的に記憶される。なお、この画像信号Vaが装置内のHDD505に予め記録されている場合には、このHDD505から画像信号Vaを読み出し、読み出された画像信号VaをRAM503に一時的に記憶する。
そして、ステップST42で、画像信号Vaの全フレームの処理が終わっているか否かを判定する。処理が終わっているときは、ステップST43で、処理を終了する。一方、処理が終わっていないときは、ステップST44に進む。
このステップST44では、ユーザが調整し、RAM503に記憶されている、画質パラメータr,zの値を取得する。そして、ステップST45で、画像信号Vaに基づいて、画像信号Vbにおける注目位置の周辺に位置する複数の画素データをクラスタップのデータとして取得し、ステップST46で、このクラスタップのデータに基づいて、画像信号Vbにおける注目位置の画素データが属するクラスコードCLを生成する。
次に、ステップST47で、ステップST46で生成されたクラスコードCLで示されるクラスの係数種データwi0〜wi9およびステップST44で取得された画質パラメータr,zの値を使用し、(2)式の生成式に基づいて、推定式の係数データWiを生成する。
次に、ステップST48で、画像信号Vaに基づいて、画像信号Vbにおける注目位置の周辺に位置する複数の画素データxiを予測タップのデータとして取得する。そして、ステップST49で、ステップST47で生成された係数データWiおよびステップST48で取得された複数の画素データxiを使用して、(1)式の推定式に基づいて、画像信号Vbにおける注目位置の画素データyを生成する。
次に、ステップST50で、ステップST41で入力された1フレーム分の画像信号Vaの画素データの全領域において画像信号Vbの画素データを得る処理が終了したか否かを判定する。終了しているときは、ステップST41に戻り、次の1フレーム分の画像信号Vaの入力処理に移る。一方、処理が終了していないときは、ステップST45に戻って、次の注目位置についての処理に移る。
このように、図16に示すフローチャートに沿って処理をすることで、「第1の処理」に対応した処理が行われる。この処理で得られた画像信号Vbは出力端子517に出力され、あるいはディスプレイ513に供給されてそれによる画像が表示され、あるいはHDD505に供給されて記録されたりする。
図17のフローチャートを参照して、図15に示す画像信号処理装置500における、上述の「第2の処理」に対応した処理手順を説明する。
まず、ステップST10で、処理を開始し、ステップST11で、例えば入力端子515より装置内に1フレーム分の画像信号Vaを入力する。このように入力される画像信号VaはRAM503に一時的に記憶される。なお、この画像信号Vaが装置内のHDD505に予め記録されている場合には、このHDD505から画像信号Vaを読み出し、読み出された画像信号VaをRAM503に一時的に記憶する。
そして、ステップST12で、画像信号Vaの全フレームの処理が終わっているか否かを判定する。処理が終わっているときは、ステップST13で、処理を終了する。一方、処理が終わっていないときは、ステップST14に進む。
このステップST14では、ステップST11で入力された1フレーム分の画像信号Vaにおけるオブジェクト領域情報OAIを取得する。
この場合、画像信号Vaが静止画を表示するための画像信号であるときは、初期フレームでは、ユーザがオブジェクトOBの領域内に塗りつぶし線LNを描くことで塗りつぶされた領域を仮オブジェクト領域に決定し、当該仮オブジェクト領域をそのままオブジェクトOBの領域に決定し、初期フレーム以降の各フレームでも、初期フレームで決定されたオブジェクトOBの領域をそのまま当該フレームにおけるオブジェクトOBの領域とする。
またこの場合、画像信号Vaが動画を表示するための画像信号であるときは、初期フレームでは、ユーザがオブジェクトOBの領域内に塗りつぶし線LNを描くことで塗りつぶされた領域を仮オブジェクト領域に決定し、当該仮オブジェクト領域と共に、この仮オブジェクト領域内の画素に続く一つまたは複数の画素であって、動きベクトルが当該仮オブジェクト領域内の画素と同じである画素を含む領域(隣接領域)を、オブジェクトOBの領域に決定し、初期フレーム以降の各フレームでは、初期フレームで決定されたオブジェクトOBの領域を動き情報に基づいて順次移動させて、当該フレームにおけるオブジェクトOBの領域とする。
次に、ステップST15で、画像信号Vaに基づいて、画像信号Vbにおける注目位置の周辺に位置する複数の画素データをクラスタップのデータとして取得し、ステップST16で、このクラスタップのデータに基づいて、画像信号Vbにおける注目位置の画素データが属するクラスコードCLを生成する。
次に、ステップST17で、ユーザが調整し、RAM503に記憶されている、画質パラメータr,zの値を取得し、ステップST14で取得されたオブジェクト領域情報OAIに基づいて、その値あるいは変更した値を、使用すべき画質パラメータr,zの値として設定する。
この場合、画像信号Vbにおける注目位置がオブジェクトOBの領域に対応しているときは、取得された画質パラメータr,zの値を、そのまま使用すべき画質パラメータr,zの値として設定する。一方、画像信号Vbにおける注目位置がオブジェクトOBの領域以外の領域に対応しているときは、取得された画質パラメータr,zの値を画質が低下する方向に変更し、変更後の値を、使用すべき画質パラメータr,zの値として設定する。
次に、ステップST18で、ステップST16で生成されたクラスコードCLで示されるクラスの係数種データwi0〜wi9およびステップST17で設定された画質パラメータr,zの値を使用し、(2)式の生成式に基づいて、推定式の係数データWiを生成する。
次に、ステップST19で、画像信号Vaに基づいて、画像信号Vbにおける注目位置の周辺に位置する複数の画素データxiを予測タップのデータとして取得する。そして、ステップST20で、ステップST18で生成された係数データWiおよびステップST19で取得された複数の画素データxiを使用して、(1)式の推定式に基づいて、画像信号Vbにおける注目位置の画素データyを生成する。
次に、ステップST21で、ステップST11で入力された1フレーム分の画像信号Vaの画素データの全領域において画像信号Vbの画素データを得る処理が終了したか否かを判定する。終了しているときは、ステップST11に戻り、次の1フレーム分の画像信号Vaの入力処理に移る。一方、処理が終了していないときは、ステップST15に戻って、次の注目位置についての処理に移る。
このように、図17に示すフローチャートに沿って処理をすることで、「第2の処理」に対応した処理が行われる。この処理で得られた画像信号Vbは出力端子517に出力され、あるいはディスプレイ513に供給されてそれによる画像が表示され、あるいはHDD505に供給されて記録されたりする。
なお、上述実施の形態においては、「第2の処理」の機能が選択されるとき、DRC−ボリウム処理部112で、オブジェクトOBの領域ではユーザによって調整された画質パラメータr,zの値をそのまま用い、その他の領域ではユーザによって調整された画質パラメータr,zの値を画質が低下する方向に変更して用い、これにより背景ぼかしの特殊効果処理を行うようになっている。しかし、オブジェクトOBの領域ではユーザによって調整された画質パラメータr,zの値をそのまま用い、その他の領域ではユーザによって調整された画質パラメータr,zの値を画質が上昇する方向に変更して用いることも考えられる。また、「第2の処理」の機能が選択されるとき、オブジェクトOBの領域およびその他の領域における画質パラメータr,zの値を、ユーザの調整値とは無関係な固定値としてもよい。この固定値は、例えば、工場出荷時に設定されるか、あるいはその後にユーザによって設定される。
また、上述実施の形態においては、入力端子111に入力される画像信号Vinが静止画を表示するための画像信号であるか動画を表示するための画像信号であるかを、ユーザの操作により与えるものを示した。しかし、画像信号Vinに静止画表示用であるか動画表示用であるかを判別する情報が付加されいるか、あるいは画像信号Vinに関連して静止画表示用であるか動画表示用であるかの情報をEPG(Electronic Program Guide)情報等から取得できれば、それを利用するようにしてもよい。さらに、画像信号Vinに基づいてフレーム間マッチング処理等を行って、当該画像信号Vinが静止画表示用であるか動画表示用であるかを自動的に判別するようにしてもよい。
この発明は、所定のオブジェクトの領域とそれ以外の領域との画質を異にする特殊効果を簡単に実現できるものであり、例えば背景をぼかす特殊効果処理を行う装置に適用できる。
100・・・画像信号処理装置、101・・・システムコントローラ、102・・・リモコン信号受信部、103・・・リモコン送信機、104・・・表示器、111・・・入力端子、112・・・DRC−ボリウム処理部、113・・・オブジェクト抽出処理部、114・・・出力端子、201・・・入力端子、202・・・処理本体部、203・・・出力端子、204・・・制御部、205,206・・・入力端子、211・・・バッファメモリ、212・・・予測タップ選択部、213・・・クラスタップ選択部、214・・・クラス検出部、215・・・係数データ生成部、216・・・ROM、217・・・推定予測演算部、218・・・後処理部、250・・・係数種データ生成装置、301・・・入力端子、302・・・処理本体部、303・・・出力端子、304・・・制御部、305・・・入力端子、311・・・バッファメモリ、312・・・検出領域決定部、313・・・オブジェクト特定部、314・・・動きベクトル検出部
Claims (14)
- 画像信号が入力される画像信号入力手段と、
画質パラメータの値を発生するパラメータ発生手段と、
上記画像信号入力手段に入力された第1の画像信号が、上記パラメータ発生手段で発生された画質パラメータの値に応じた画質の第2の画像信号となるように処理を行う画像信号処理手段と、
上記画像信号入力手段に入力された画像信号による画像に含まれる所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報を取得するオブジェクト領域情報取得手段と、
上記パラメータ発生手段で発生される上記画質パラメータの値が、上記オブジェクト領域情報取得手段で取得されたオブジェクト領域情報に基づいて、上記所定のオブジェクトの領域で第1の値となり、上記所定のオブジェクトの領域以外の領域で上記第1の値とは異なる第2の値となるように制御する制御手段と
を備えることを特徴とする画像信号処理装置。 - 上記画質パラメータの値が上記第1の値であるときの画質は、上記画質パラメータの値が上記第2の値であるときの画質より高い
ことを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理装置。 - 上記画像信号処理手段は、
上記第1の画像信号に基づいて、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択するデータ選択手段と、
推定式の係数データを生成する上記画質パラメータを含む生成式における係数データである係数種データを記憶する記憶部と、
上記記憶部に記憶されている係数種データおよび上記パラメータ発生手段で発生された画質パラメータの値を用い、上記生成式に基づいて、上記パラメータ発生手段で発生された画質パラメータの値に対応した上記推定式の係数データを生成する係数データ生成部と、
上記データ選択部で選択された複数の画素データおよび上記係数データ生成部で生成された係数データを用い、上記推定式に基づいて、上記第2の画像信号における注目位置の画素データを算出して得る演算部とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理装置。 - 上記所定のオブジェクトの領域を指定するオブジェクト領域指定情報が入力されるオブジェクト領域指定情報入力手段をさらに備え、
上記オブジェクト領域情報取得手段は、上記オブジェクト領域指定情報入力手段に入力されたオブジェクト領域指定情報に基づいて、上記所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理装置。 - 上記所定のオブジェクトの動き情報を得るオブジェクト動き情報取得手段をさらに有し、
上記オブジェクト領域情報取得手段は、上記オブジェクト領域指定情報入力手段に入力されたオブジェクト領域指定情報の他に、上記オブジェクト動き情報取得手段で取得された上記所定のオブジェクトの動き情報に基づいて、上記所定のオブジェクトの領域を示す上記オブジェクト領域情報を取得する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像信号処理装置。 - 上記オブジェクト動き情報取得手段は、
上記画像信号入力手段に入力された画像信号に基づいて画素毎に動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段を備え、
上記オブジェクト領域情報取得手段で取得されたオブジェクト領域情報で示される領域内の各画素に対応して上記動きベクトル検出手段で検出された各動きベクトルに基づいて、上記所定のオブジェクトの動き情報を得る
ことを特徴とする請求項5に記載の画像信号処理装置。 - 上記オブジェクト動き情報取得手段は、上記各動きベクトルを平均して、上記所定のオブジェクトの動き情報としての平均動きベクトルを得る
ことを特徴とする請求項6に記載の画像信号処理装置。 - 上記所定のオブジェクトの領域を指定するオブジェクト領域指定情報が入力されるオブジェクト領域指定情報入力手段と、
上記画像信号入力手段に入力された画像信号に基づいて画素毎に動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段とをさらに備え、
上記オブジェクト領域情報取得手段は、上記オブジェクト領域指定情報入力手段に入力されたオブジェクト領域指定情報で示される領域と共に、該領域内の画素に続く一つまたは複数の画素であって、上記動きベクトル検出手段で検出される動きベクトルが該領域内の画素と同じである画素を含む領域を、上記所定のオブジェクトの領域として、上記オブジェクト領域情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理装置。 - 上記画像信号入力手段に入力される画像信号は、動画を表示するための画像信号である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理装置。 - 上記画像信号入力手段に入力される画像信号は、放送信号から取得された画像信号である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理装置。 - 画質パラメータの値を発生する工程と、
入力された第1の画像信号が上記発生された画質パラメータの値に応じた画質の第2の画像信号となるように処理を行う工程と、
入力された画像信号による画像に含まれる所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報を取得する工程と、
上記発生される画質パラメータの値が、上記取得されたオブジェクト領域情報に基づいて、上記所定のオブジェクトの領域で第1の値となり、上記所定のオブジェクトの領域以外の領域で上記第1の値とは異なる第2の値となるように制御する工程と
を備えることを特徴とする画像信号処理方法。 - 上記画質パラメータの値が上記第1の値であるときの画質は、上記画質パラメータの値が上記第2の値であるときの画質より高い
ことを特徴とする請求項11に記載の画像信号処理方法。 - 画質パラメータの値を発生する工程と、
入力された第1の画像信号が上記発生された画質パラメータの値に応じた画質の第2の画像信号となるように処理を行う工程と、
入力された画像信号による画像に含まれる所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報を取得する工程と、
上記発生される画質パラメータの値が、上記取得されたオブジェクト領域情報に基づいて、上記所定のオブジェクトの領域で第1の値となり、上記所定のオブジェクトの領域以外の領域で上記第1の値とは異なる第2の値となるように制御する工程と
を備える画像信号処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。 - 画質パラメータの値を発生する工程と、
入力された第1の画像信号が上記発生された画質パラメータの値に応じた画質の第2の画像信号となるように処理を行う工程と、
入力された画像信号による画像に含まれる所定のオブジェクトの領域を示すオブジェクト領域情報を取得する工程と、
上記発生される画質パラメータの値が、上記取得されたオブジェクト領域情報に基づいて、上記所定のオブジェクトの領域で第1の値となり、上記所定のオブジェクトの領域以外の領域で上記第1の値とは異なる第2の値となるように制御する工程と
を備える画像信号処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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JP2004248781A JP2006067346A (ja) | 2004-08-27 | 2004-08-27 | 画像信号処理装置および画像信号処理方法並びにプログラムおよびそれを記録した媒体 |
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JP2004248781A JP2006067346A (ja) | 2004-08-27 | 2004-08-27 | 画像信号処理装置および画像信号処理方法並びにプログラムおよびそれを記録した媒体 |
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JP2004248781A Pending JP2006067346A (ja) | 2004-08-27 | 2004-08-27 | 画像信号処理装置および画像信号処理方法並びにプログラムおよびそれを記録した媒体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008124639A (ja) * | 2006-11-09 | 2008-05-29 | Sony Corp | 画像処理装置および画像処理方法、学習装置および学習方法、並びにプログラム |
-
2004
- 2004-08-27 JP JP2004248781A patent/JP2006067346A/ja active Pending
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