JP2006066696A - 電気化学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電極層と集電体との密着性に優れ、内部抵抗が十分に低い電気化学素子を提供する。
【解決手段】 セパレータ11を介して、正極12と、負極13が積層された電気化学素子10であって、正極12および負極13が、それぞれ、電極層16、18と、金属によって形成された集電体15、17とが積層されて、形成され、集電体の表面に、酸素の含有量が多い領域20bと、酸素の含有量が少ない領域20aとが混在していることを特徴とする電気化学素子。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電気化学素子に関するものであり、さらに詳細には、電極層と集電体シートとの密着性に優れ、内部抵抗が十分に低い電気化学素子に関するものである。
リチウムイオン二次電池や、電気二重層キャパシタなどの電気化学素子は、小型化、軽量化が容易であるため、携帯機器(小型電子機器)などのバックアップ用電源、電気自動車やハイブリッド自動車向けの補助電源などとしての利用が期待されており、その性能向上のため、種々の試みがなされている。
このような電気化学素子としては、コイン型、ボタン型、円筒型、積層型など、種々の形態のものが知られているが、いずれも、セパレータを、介して、第一の電極と第二の電極が積層された構造を有し、第一の電極および第二の電極が、それぞれ、電極層と、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレスなどからなる集電体シートが密着されて、形成されている。
電極層と集電体シートとの密着性が低いと、電気化学素子の組立て工程において、電極層と集電体シートとが剥離したり、あるいは、電気化学素子の内部抵抗が増大するなどの不具合が生じるため、電極層と集電体シートとの間に、導電性接着剤を介在させたり(特開平6−53079号公報)、集電体シートを粗面化したりして(特公昭62−20254号公報、特開平11−135368号公報)、電極層と集電体シートとの密着性の向上が図られている。
しかしながら、これまで、電極層と集電体シートとの密着性に優れ、内部抵抗が十分に低い電気化学素子は開発されていなかった。
したがって、本発明は、電極層と集電体との密着性に優れ、内部抵抗が十分に低い電気化学素子を提供することを目的とするものである。
本発明者は、本発明のかかる目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、レーザービームを用いて、金属によって形成された集電体を粗面化すると、表面に、酸素の含有量が多い領域と、酸素の含有量が少ない領域とが混在した集電体が得られ、こうして粗面化した集電体を用いて、電極を作製することによって、集電体の電気抵抗を大幅に低下させることができ、電気化学素子の内部抵抗を大幅に低減することができるだけでなく、電極層と集電体の密着性も大幅に向上させ得ることを見出した。
本発明はかかる知見に基づくものであり、本発明によれば、本発明の前記目的は、セパレータを介して、第一の電極と、第二の電極が積層された電気化学素子であって、前記第一の電極および前記第二の電極が、それぞれ、電極層と、金属によって形成された集電体とが積層されて、形成され、前記集電体の表面に、酸素の含有量が多い領域と、酸素の含有量が少ない領域とが混在していることを特徴とする電気化学素子によって達成される。
本発明において、レーザービームを用いて、金属によって形成された集電体の表面を粗面化したときに、集電体の表面に、酸素の含有量が多い領域と、酸素の含有量が少ない領域とが混在する理由は必ずしも明らかではないが、レーザービームが照射された集電体の表面から、酸素が除去され、レーザービームが照射されていない領域へ移動するためと推測される。
本発明において、好ましくは、集電体は、アルミニウム、ステンレスまたは銅によって形成されている。
本発明の好ましい実施態様においては、前記集電体の表面に、複数の略円形を有するクレータ状の凹部が形成され、各クレータ状の凹部の内部に、前記酸素の含有量が少ない領域が形成され、各クレータ状の凹部の壁の部分に、前記酸素の含有量が多い領域が形成されている。
本発明の好ましい実施態様によれば、集電体の表面に、複数の略円形を有するクレータ状の凹部が形成されているから、集電体と電極層との密着性を大幅に向上させることが可能になる。
本明細書において、略円形を有するクレータ状の凹部は、略楕円形を有するクレータ状の凹部を含んでいる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記集電体の表面の酸素の含有量が最も多い領域の酸素含有量(原子%)と、酸素の含有量が最も少ない領域の酸素含有量(原子%)との比が、1.5以上である。
本発明において、好ましくは、クレータ状の凹部が、2.5μm以上の深さ(クレータ状の凹部の壁の部分の高さと、クレータ状の凹部の高さの差によって定義される。)を有している。本発明者の研究によれば、クレータ状の凹部の深さが、2.5μm未満である場合には、電極層と集電体との密着性を十分に向上させることが困難であることが見出されている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記酸素の含有量が多い領域と、前記酸素の含有量が少ない領域とが、前記集電体の表面が、レーザービームによって粗面化されて、形成されている。
本発明によれば、電極層と集電体との密着性に優れ、内部抵抗が十分に低い電気化学素子を提供することが可能になる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる電気二重層キャパシタの電極の略断面図である。
図1に示されるように、本実施態様にかかる電気二重層キャパシタの電極1は、アルミニウム箔によって形成され、その表面が、レーザービームによって粗面化された集電体シート2と、集電体シート2の表面に形成され、活物質と、カーボンブラックなどの導電助剤と、ポリ弗化ビニリデンなどのバインダーとを含む電極層3によって形成されている。
電極層3中のバインダーの量は、電気二重層キャパシタの内部抵抗を低下させつつ、電極層3と集電体シート2との密着性を向上させるために、2ないし20重量%であることが好ましい。
電極層3中の導電助剤の量は、0.5ないし30重量%であることが好ましい。電極層3中の導電助剤の量が0.5重量%未満の場合には、電極の電気伝導性が不十分になり、一方、電極層3中の導電助剤の量が30重量%を越えると、電気二重層キャパシタの容量が低下するという問題が生じる。
電極層3中の活物質としては、比表面積が300ないし3000m/gの活性炭を用いることが好ましい。活性炭の比表面積が300m/g未満の場合には、十分な静電容量を得ることができず、その一方で、比表面積が3000m/gを越える活性炭は製造が困難であるだけでなく、嵩密度が小さいので、電極の体積エネルギー密度が低下するという問題がある。
電極層3は、活性炭と、カーボンブラックなどの導電助剤と、ポリ弗化ビニリデンなどのバインダーとを含む電極溶液を、ドクターブレード法などを用いて、その表面が、レーザービームによって粗面化された集電体シート2上に塗布することによって形成されている。
活性炭と、カーボンブラックなどの導電助剤と、ポリ弗化ビニリデンなどのバインダーとを含むシートを成形し、集電体シート2の表面に接着することによって、電極層3を形成することもできる。
図2は、本発明の好ましい実施態様にかかる電気二重層キャパシタの略断面図である。
図2に示されるように、本実施態様にかかる電気二重層キャパシタ10においては、絶縁性材料によって形成されたセパレータ11を介して、正極12と負極13が積層されて形成された積層体14を備えている。
正極12は、アルミニウム箔などによって形成され、その表面が、レーザービームによって粗面化された集電体シート15と、集電体シート15の表面に形成された正極層16とによって形成され、負極13は、アルミニウム箔などによって形成され、その表面が、レーザービームによって粗面化された集電体シート17と、集電体シート17の表面に形成された負極層18とによって形成されている。
図2に示されるように、正極12、セパレータ11および負極13よりなる積層体14は、ケース19内に収容されている。
ケース19としては、ラミネートフィルムによって形成されたケース19を用いることができ、その場合には、ラミネートフィルムとしては、アルミニウムなどの金属箔の両面に、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂層および耐熱性を有するポリエステル樹脂層が積層されたフィルムを用いることが好ましい。この場合、ケース19は、あらかじめ2枚のラミネートフィルムを、それぞれの三辺端面の熱接着性樹脂層を熱接着して、シール部を形成し、一辺が開口した袋状に形成されることが好ましい。また、一枚のラミネートフィルムを折り返して、両辺の端面を熱接着して、シール部を形成して、袋状のケース19を作製することもできる。
図2には図示されていないが、電気二重層キャパシタ10は、さらに、正極12の集電体シート15および負極13の集電体シート17から、それぞれ、電気を取り出すリード端子を備えている。
積層体14が収容されたケース19内には、電解質溶液(図示せず)が収容されており、正極12、負極13およびセパレータ11内に含浸されている。
電解質溶液は、正極層および負極層へのイオン吸着が良好なものであれば、とくに限定されるものではなく、一般に用いられている水系電解質溶液あるいは非水系電解質溶液の中から、適宜選択することができる。水系電解質溶液としては、希硫酸などを用いることができる。非水系電解質溶液に用いられる溶媒としては、たとえば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、スルホランなどの極性有機溶媒が挙げられ、これらは、単独で用いても、混合して用いてもよい。非水系電解質溶液に用いられる電解質塩としては、(CNBF、(CCHNBF、(CPBFなどを用いることができる。
以上のように構成された電気二重層キャパシタ10は、たとえば、以下のようにして作製される。
まず、アルミニウム箔によって形成された正極用の集電体シート15の表面が、レーザービーム(図示せず)によって粗面化される。
レーザービームの種類は、とくに限定されるものではなく、たとえば、YAGレーザービームや、YVOレーザービームを用いて、アルミニウム箔によって形成された集電体シート15の表面を粗面化することができる。
レーザービームが、集電体シート2の表面に照射されると、レーザービームが照射された集電体シート2の部分が加熱されて、集電体シート2の表面に、略円形を有するクレータ状の凹部(図示せず)が形成される。
図3は、アルミニウム箔によって形成され、その表面が、レーザービームによって粗面化された集電体シート15の略平面図である。
図3に示されるように、集電体シート15の表面には、レーザービームによって、多数の略円形を有するクレータ状の凹部20が形成されている。
各クレータ状の凹部20は、好ましくは、2.5μm以上の深さを有している。
本発明者の研究によれば、レーザービームによって、集電体シート15の表面を粗面化して、多数の略円形を有するクレータ状の凹部20を形成すると、クレータ状の各凹部20の内部の集電体シート15の表面には、酸素の含有量が少ない領域20a、すなわち、純粋のアルミニウムに近い領域20aが形成され、クレータ状の各凹部20の壁部分には、酸素の含有量が多い領域20b、すなわち、酸化アルミニウムの領域20bが形成されることが見出されている。
集電体シート15の表面に、酸素の含有量が多い領域20bと、酸素の含有量が少ない領域20aとが形成される理由は必ずしも明らかではないが、レーザービームが照射された集電体シート15の表面から、酸素が除去され、クレータ状の各凹部20の壁部分に移動するためと推測される。
このように、レーザービームを用いて、集電体シート15の表面を粗面化することによって、集電体シート15の表面に、多数のクレータ状の酸素の含有量が少ない領域20aが形成されるから、集電体シート15の電気抵抗を大幅に低下させることができる。
次いで、活性炭と、カーボンブラックなどの導電助剤と、ポリ弗化ビニリデンなどのバインダーとを含む正極用塗布液が調製され、ドクターブレード法などを用いて、その表面が、レーザービームによって粗面化された集電体シート15上に塗布されて、正極層16が形成され、正極12が作製される。
本実施態様においては、レーザービームによって、集電体シート15の表面が粗面化されて、集電体シート15の表面には、多数のクレータ状の凹部20が形成されているから、正極層16を、集電体シート15の表面に、高い強度で密着させることができる。
こうして得られた電気二重層キャパシタ10の正極12は、カレンダーロール法などによって、圧延加工され、次いで、打抜き加工によって、所定のサイズに打ち抜かれる。
さらに、全く同様にして、集電体シート17の表面が、レーザービームによって粗面化される。
次いで、活性炭と、カーボンブラックなどの導電助剤と、ポリ弗化ビニリデンなどのバインダーとを含む負極用塗布液が調製され、ドクターブレード法などを用いて、その表面が、レーザービームによって粗面化された集電体シート17上に塗布されて、負極層18が形成され、負極13が作製される。
本実施態様においては、レーザービームによって、集電体シート17の表面が粗面化されて、集電体シート17の表面には、多数のクレータ状の凹部20が形成されているから、負極層18を、集電体シート17の表面に、高い強度で密着させることができる。
こうして得られた電気二重層キャパシタ10の負極13は、カレンダーロール法などによって、圧延加工され、次いで、打抜き加工によって、所定のサイズに打ち抜かれる。
次いで、正極12と負極13とが、セパレータ11を介して、積層され、積層体14が作製される。
こうして作製された積層体14は、ケース19内に収容される。
次いで、積層体14が収容されたケース19内に、電解質溶液が注入され、正極12、負極13およびセパレータ11内に含浸される。
最後に、ケース19の開口部(図示せず)がシールされ、電気二重層キャパシタ10が完成する。
本実施態様によれば、正極12用の集電体シート15の表面が、レーザービームによって粗面化され、集電体シート15の表面に、多数のクレータ状の酸素の含有量が少ない領域20aが形成されているから、集電体シート15の電気抵抗を大幅に低下させることができ、また、正極層16と集電体シート15との密着性を大幅に向上させることが可能になる。同様に、負極13用の集電体シート17の表面が、レーザービームによって粗面化され、集電体シート17の表面に、多数のクレータ状の酸素の含有量が少ない領域20aが形成されているから、集電体シート17の電気抵抗を大幅に低下させることができ、また、負極層18と集電体シート17との密着性を大幅に向上させることが可能になる。したがって、電気二重層キャパシタ10の内部抵抗を大幅に低減させることが可能になる。
以下、本発明の効果をより明瞭なものとするため、実施例を掲げる。
実施例1
まず、集電体シートとして、アルミニウム箔を用意し、キーエンス株式会社製レーザーマーカー装置「MD−Y9700」(商品名)を用いて、YAGレーザービームを、アルミニウム箔の表面に照射して、アルミニウム箔の表面を粗面化した。
粗面化後、走査型電子顕微鏡を用いて、アルミニウム箔の表面を観察したところ、アルミニウム箔の表面に、多数のクレータ状の凹部が形成されていた。
クレータ状の凹部は、レーザービームを照射したアルミニウム箔の表面領域に形成され、その深さは約3μmであった。
さらに、走査型電子顕微鏡を用いて、20KVの加速電圧で、アルミニウム箔の表面から深さ約1μmまでの部分の元素分析をおこない、アルミニウムと酸素の特性X線強度の面内分布を測定したところ、クレータ状の凹部の中央部で、酸素の含有量が最も少ない部分における酸素含有量が12.2原子%であったのに対し、クレータ状の凹部の壁部分で、酸素の含有量が最も多い部分における酸素含有量は35.9原子%で、レーザービームが照射されて形成されたクレータ状の凹部内では、アルミニウムのX線強度が高く、クレータ状の凹部の壁部分に近づくほど、酸素のX線強度が高くなることが判明した。
次いで、90重量%の15μmの粒径を有するクレハケミカル株式会社製活性炭「RP−20」(商品名)と、1重量%の電気化学工業株式会社製カーボンブラック「DAB50」(商品名)と、9重量%のアトフィナ株式会社製ポリ弗化ビニリデン「KYNAR761A」(商品名)とを含む電極溶液を調製し、ドクターブレード法を用いて、粗面化した集電体シートの表面に塗布し、電極層を形成して、電極シートを作製した。電極層の乾燥後の厚みは150μmであった。
こうして作製した電極シートを、約17mm×32mmのサイズに打抜き、外部引き出しリード用のアルミニウム箔(4mm×40mm×0.1mm)を超音波溶接して、電極を作製した。
以上のようにして作製した2枚の電極を、50μmの厚さのニッポン高度紙工業株式会社製セパレータ「TF4550」(商品名)を介して、積層して、積層体を作製した。
こうして得られた積層体を、ケース内に挿入し、電解質溶液を注入後、開口部を真空ヒートシールして、電気二重層キャパシタを作製した。ここに、ケースとしては、12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと、40μmのアルミニウム箔と、50μmのポリプロピレンフィルムをラミネートし、ポリプロピレンフィルムが内側になるように、袋状に成形したものを用いた。
電解質溶液としては、四弗化ほう酸トリエチルメチルアンモニウムを、プロピレンカーボネート溶媒に、1.8モル/リットルの濃度に溶解させたものを用いた。
こうして作製された電気二重層キャパシタの1kHzにおける内部抵抗を測定したところ、0.2Ωであった。
さらに、電気二重層キャパシタを、1.5ないし2.5V間で、充放電させたところ、放電時の静電容量は2.6Fであった。
実施例2
まず、SUS316製の正極缶および負極缶を用意し、株式会社YVO製のYVOレーザービームを、正極缶および負極缶の内面の底部に照射して、粗面化した。
粗面化後、走査型電子顕微鏡を用いて、正極缶および負極缶の内面を観察したところ、正極缶および負極缶の内面に、多数のクレータ状の凹部が形成されていた。
クレータ状の凹部は、レーザービームを照射した正極缶および負極缶の内面領域に形成され、その深さは約3μmであった。
さらに、走査型電子顕微鏡を用いて、20KVの加速電圧で、正極缶の内面から深さ約1μmまでの部分の元素分析をおこなったところ、クレータ状の凹部の中央部で、酸素の含有量が最も少ない部分における酸素含有量が4.58原子%であったのに対し、クレータ状の凹部の壁部分で、酸素の含有量が最も多い部分における酸素含有量は21.32原子%で、レーザービームが照射されて形成されたクレータ状の凹部内では、酸素のX線強度が低く、クレータ状の凹部の壁部分に近づくほど、酸素のX線強度が高くなることが判明した。
一方、走査型電子顕微鏡を用いて、20KVの加速電圧で、負極缶の内面から深さ約1μmまでの部分の元素分析をおこなったところ、クレータ状の凹部の中央部で、酸素の含有量が最も少ない部分における酸素含有量が4.25原子%であったのに対し、クレータ状の凹部の壁部分で、酸素の含有量が最も多い部分における酸素含有量は14.69原子%で、レーザービームが照射されて形成されたクレータ状の凹部内では、酸素のX線強度が低く、クレータ状の凹部の壁部分に近づくほど、酸素のX線強度が高いことが判明した。
次いで、80重量%の15μmの粒径を有するクレハケミカル株式会社製活性炭「RP−20」(商品名)と、10重量%の電気化学工業株式会社製カーボンブラック「DAB50」(商品名)と、10重量%の三井デュポンフロロケミカル株式会社製ポリテトラフルオロエチレン「テフロン30J」(商品名)とを含む混合物に、適当量のエタノールを添加しながら、1時間にわたって、混練した。
こうして得られた混練物を、カレンダーロールで圧延して、0.45mmの厚さを有するシートを作製し、さらに、直径4.3mmに打ち抜き、電極シートを作製した。
一方、内面を粗面化した正極缶および負極缶の底部に、日本アチソン株式会社製導電性接着剤「EC−811B」(商品名)を適量塗布し、80℃で、12時間にわたって、乾燥させ、さらに、150℃で、10分間にわたって、乾燥させた。
次いで、正極缶に、電極シートを重ね、荷重をかけながら、200℃で、熱圧着して、正極を作製し、負極缶に、電極シートを重ね、荷重をかけながら、200℃で、熱圧着して、負極を作製した。負極缶には、ポリプロピレン製のガスケットを嵌めた。
正極缶内の正極および負極缶内の負極に、実施例1と同じ電解質溶液を適量添加した。
次いで、50μmの厚さのニッポン高度紙工業株式会社製不織布「TF4550」(商品名)を、セパレータとして、正極の上に積層し、1μlの電解質溶液を滴下した。
さらに、セパレータ上に、負極缶を重ね、加締めて、コイン型電気二重層キャパシタを作製した。
こうして作製されたコイン型電気二重層キャパシタの1kHzにおける内部抵抗を測定したところ、30Ωであった。
さらに、コイン型電気二重層キャパシタを、1.5ないし2.5V間で、充放電させたところ、放電時の静電容量は0.17Fであった。
実施例3
YAGレーザービームに代えて、YVOレーザービームを用いた点を除き、実施例1と同様にして、アルミニウム箔の表面を粗面化した。
粗面化後、走査型電子顕微鏡を用いて、アルミニウム箔の表面を観察したところ、アルミニウム箔の表面に、多数のクレータ状の凹部が形成されていた。
クレータ状の凹部は、レーザービームを照射したアルミニウム箔の表面領域に形成され、その深さは約3μmであった。
さらに、走査型電子顕微鏡を用いて、20KVの加速電圧で、アルミニウム箔の表面から深さ約1μmまでの部分の元素分析をおこない、アルミニウムと酸素の特性X線強度の面内分布を測定したところ、クレータ状の凹部の中央部で、酸素の含有量が最も少ない部分での酸素含有量が5.1原子%であったのに対し、クレータ状の凹部の壁部分で、酸素の含有量が最も多い部分での酸素含有量は9.0原子%で、レーザービームが照射されて形成されたクレータ状の凹部内では、アルミニウムのX線強度が高く、クレータ状の凹部の壁部分に近づくほど、酸素のX線強度が高くなることが判明した。
こうして表面が粗面化された集電体シートを用いて、実施例1と同様にして、電気二重層キャパシタを作製した。
こうして作製された電気二重層キャパシタの1kHzにおける内部抵抗を測定したところ、0.17Ωであった。
さらに、電気二重層キャパシタを、1.5ないし2.5V間で、充放電させたところ、放電時の静電容量は2.6Fであった。
比較例1
粗面化処理をしていないアルミニウム箔を用いた点を除き、実施例1と同様にして、電気二重層キャパシタを作製した。
こうして作製された電気二重層キャパシタの1kHzにおける内部抵抗を測定したところ、1.0Ωであった。
さらに、電気二重層キャパシタを、1.5ないし2.5V間で、充放電させたところ、放電時の静電容量は2.0Fであった。
比較例2
内面を粗面化処理していない正極缶および負極缶を用いた点を除き、実施例2と同様にして、コイン型電気二重層キャパシタを作製した。
こうして作製されたコイン型電気二重層キャパシタの1kHzにおける内部抵抗を測定したところ、60Ωであった。
さらに、コイン型電気二重層キャパシタを、1.5ないし2.5V間で、充放電させたところ、放電時の静電容量は0.13Fであった。
実施例1ないし3ならびに比較例1および2から、集電体シートの表面を、レーザービームによって粗面化し、集電体シートの表面に、多数のクレータ状の凹部を形成した場合には、集電体シートが、アルミニウムによって形成されているときでも、ステンレスによって形成されているときでも、電気二重層キャパシタの内部抵抗を大幅に低減させることが可能になるとともに、容量の大きい電気二重層キャパシタを作製することが可能になることが判明した。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、前記実施態様においては、電気二重層キャパシタ10は、セパレータ11を介して、正極12と負極13が積層されて形成された1つの積層体14を含んでいるが、電気二重層キャパシタ10が、セパレータを介して、積層された複数の積層体14を含んでいてもよい。
また、前記実施態様においては、集電体シート15、17がアルミニウム箔によって形成されているが、アルミニウム箔によって形成された集電体シートを用いることは必ずしも必要でなく、アルミニウム箔によって形成された集電体シートに代えて、ステンレス箔などによって形成された集電体シートを用いることもできる。
さらに、前記実施態様および前記実施例においては、電極の活物質として、活性炭が用いられているが、電極の活物質として、活性炭を用いることは必ずしも必要でなく、活性炭に代えて、リチウムイオン二次電池用の活物質として知られているLiCoO、LiNiO、LiMn、LiTiOなどのリチウムイオンが挿入脱離可能なリチウム含有金属酸化物や、金属粉体材料、人造黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボンなどの活性炭以外の炭素材料など、公知の活物質を用いることができる。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる電気二重層キャパシタの正極の略断面図である。 図2は、本発明の好ましい実施態様にかかる電気二重層キャパシタの略断面図である。 図3は、アルミニウム箔によって形成され、その表面が、レーザービームによって粗面化された集電体シートの略平面図である。
符号の説明
1 電極
2 集電体シート
3 電極層
10 電気二重層キャパシタ
11 セパレータ
12 正極
13 負極
14 積層体
15 集電体シート
16 正極層
17 集電体シート
18 負極層
19 ケース
20 クレータ状の凹部
20a 酸素の含有量が少ない領域
20b 酸素の含有量が多い領域

Claims (6)

  1. セパレータを介して、第一の電極と、第二の電極が積層された電気化学素子であって、前記第一の電極および前記第二の電極が、それぞれ、電極層と、金属によって形成された集電体とが積層されて、形成され、前記集電体の表面に、酸素の含有量が多い領域と、酸素の含有量が少ない領域とが混在していることを特徴とする電気化学素子。
  2. 前記集電体が、アルミニウム、ステンレスおよび銅よりなる群から選ばれる金属によって形成されたことを特徴とする請求項1に記載の電気化学素子。
  3. 前記集電体の表面に、複数の略円形を有するクレータ状の凹部が形成され、各クレータ状の凹部の内部に、前記酸素の含有量が少ない領域が形成され、各クレータ状の凹部の壁の部分に、前記酸素の含有量が多い領域が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気化学素子。
  4. 前記集電体の表面の酸素の含有量が最も多い領域の酸素含有量(原子%)と、酸素の含有量が最も少ない領域の酸素含有量(原子%)との比が、1.5以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電気化学素子。
  5. 前記クレータ状の凹部の深さ(前記クレータ状の凹部の壁の部分の高さと、前記クレータ状の凹部の高さの差によって定義される。)が、それぞれ、2.5μm以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電気化学素子。
  6. 前記集電体の表面が、レーザービームによって粗面化されて、前記集電体の表面の前記酸素の含有量が多い領域と、前記酸素の含有量が少ない領域とが形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電気化学素子。
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