JP2006066535A - 光電変換素子及び撮像素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型化を達成しつつ光電変換効率及び感度が良く、かつ色分離の良い光電変換素子及びそれを用いた撮像素子を提供する。
【解決手段】 一対の電極21,22と、電極21,22間に形成された積層型感光層7とを有し、積層型感光層7はヘテロ接合した二層以上のp型有機半導体層3p及びn型有機半導体層3nからなるとともに、その積層方向は素子面に対してほぼ垂直であり、また電極21,22は素子面に対してほぼ垂直方向に形成されている光電変換素子。
【選択図】 図1

Description

本発明は有機材料を用いた光電変換素子、及びそれを用いた撮像素子に関する。
光電変換素子は、光センサ等に広く利用され、特にテレビカメラ等の固体撮像素子の受光素子として好適に用いられている。撮像素子に用いられる光電変換素子の材料としては、Si膜やa-Si膜等の無機材料が主に用いられている。
これらの無機材料からなる光電変換素子は光導電特性が急峻な波長依存性を持たないため、色分離が良くない。このため、無機材料からなる光電変換素子を用いた撮像素子では、入射光を赤、緑、青の三原色に分離する分光プリズムが平面的に配置され、それらの分光プリズムの後段にそれぞれ光電変換素子が配置されたいわゆる三板構造のものが主流となっている。しかし三板構造の撮像素子には、寸法が大きいという問題がある。
撮像素子の小型軽量化を実現するには、分光プリズムを用いずに、1画素分の入射光に対して一つの光電変換素子を有するいわゆる単板構造とするのが望ましい。そのため、図12(a) 及び(b) に例示する撮像素子が実用化されている。マイクロレンズ61及び赤、緑、青のフィルタ62は二次元的に配置されており、各フィルタ62の下に光電変換素子(フォトダイオード)63が配置されている。しかしこの撮像素子だと各フォトダイオードの面積が小さいので、各光電変換素子に入射する光量が少なく、その結果検出される電流信号は弱く、ノイズが相対的に大きいという問題がある。一方、各光電変換素子の大型化により電流信号を強くしてノイズを相対的に低減させようとすると、撮像素子全体が大きくなるという問題がある。
同一面積で光電変換量を増大させようとすると、原理的にはヘテロ接合する半導体を多層化すれば良いが、ヘテロ接合界面に発生したキャリアを効率良く捕集するのは一般に難しい。特に撮像素子に用いる光電変換素子の場合、微細な画素ごとに多数のヘテロ接合を形成するとともにキャリアを効率良く捕集するように各半導体層を電極と接触させなければならず、また画素ごとに異なる電流信号を得なければならないので、非常に困難である。
ヘテロ接合する半導体の多層化の試みは、撮像素子と異なる分野の太陽電池で既になされている。特表平9-511102号(特許文献1)は、pn半導体薄膜を少なくとも3層以上積層したpn接合部と、それとほぼ垂直に接触するように形成された金属接触子とからなり、光吸収により生成するキャリアの捕集率を大きく増加させることが可能な薄膜多層構造を開示している。しかしながら、この薄膜多層構造は太陽電池用であり、各画素の電流信号を混信することなく得なければならない訳ではないので、その構造をそのまま撮像素子用の光電変換素子に適用することはできない。
主として太陽電池に使用するが、受光素子やダイオードにも使用できる光電変換素子として、特開2003-298152号(特許文献2)は、異種の有機材料からなる接合面形成領域どうしが互いに接することにより形成されるヘテロ接合面を含んだ機能層と、機能層表面に形成される少なくとも2つの電極とからなるヘテロ接合素子であって、機能層は、ヘテロ接合面が露出する接合露出表面を有しており、この接合露出表面が前記電極のいずれかに直接接合されるか又は中間層を介して接合されることを特徴とするヘテロ接合素子を開示している。この機能層は、ITOの表面にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)膜をスピンコート法により形成し、その上に電子供与性ポリマーと電子受容性ポリマーのブロック共重合体をスピンコート法により形成し、溶媒の蒸発過程で相分離を起こさせることにより形成したものである。このブロック共重合体は、非相溶性の電子受容性ブロックAと電子供与性ブロックBが一端で結合したもので、両ブロックの反発力及び凝集力により相分離する。
しかしながらこのブロック共重合体はきれいな界面で相分離する訳ではないので、性能のバラつきを抑えることは非常に困難である。従って、太陽電池のように大型の製品に使用する場合には可能であろうが、撮像素子に用いる光電変換素子のように著しく小型の素子の場合、有機半導体ポリマーの相分離を利用した多層構造の半導体積層体を精確に製造するのは不可能である。
特表平9-511102号公報 特開2003-298152号公報
従って本発明の目的は、小型でありながら光電変換効率が良く、かつ色分離の良い光電変換素子及びそれを用いた撮像素子を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、(a) 有機半導体層からなる積層型感光層に対して電極を垂直に設置することにより、光電変換素子の光電変換効率及び色分離が良くなり、小型でありながら分光感度が高い光電変換素子が得られること、(b) この光電変換素子を透明絶縁層を介して二層以上(特に赤緑青の波長領域に分光感度を有する三層)積層すると、カラー化に対応した積層型光電変換素子が得られること、(c) この積層型光電変換素子を、光電変換部と電荷転送部とからなる撮像素子の光電変換部に用いると、小型でありながらノイズの小さい撮像素子が得られることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明は具体的に以下の手段により達成することができる。
(1) 一対の電極と、前記電極間に形成された積層型感光層とを有する光電変換素子であって、前記積層型感光層はヘテロ接合した二層以上のp型有機半導体層及びn型有機半導体層からなるとともに、その積層方向は素子面に対してほぼ垂直であり、また前記電極は前記素子面に対してほぼ垂直方向に形成されていることを特徴とする光電変換素子。
(2) 上記(1) に記載の光電変換素子において、前記p型有機半導体層は一方の電極とオーミック接合し、他方の電極とショットキー接合しており、前記n型有機半導体層は他方の電極とショットキー接合し、一方の電極とオーミック接合していることを特徴とする光電変換素子。
(3) 上記(1) に記載の光電変換素子において、前記p型有機半導体層の一方の電極側の端部には前記一方の電極と接触する電子遮断層が設けられていること、及び/又は前記n型有機半導体層の他方の電極側の端部には前記他方の電極と接触する正孔遮断層が設けられていることを特徴とする光電変換素子。
(4) 上記(3) に記載の光電変換素子において、前記電子遮断層は前記p型有機半導体と同じ組成を有し、前記正孔遮断層は前記n型有機半導体と同じ組成を有することを特徴とする光電変換素子。
(5) 上記(1) 〜(4) のいずれかに記載の光電変換素子において、前記電極間の距離が前記積層型感光層で発生するキャリアの拡散距離の0.1〜100倍であることを特徴とする光電変換素子。
(6) 上記(1) 〜(5) のいずれかに記載の光電変換素子において、前記積層型感光層の積層数が3以上であることを特徴とする光電変換素子。
(7) 上記(1) 〜(6) のいずれかに記載の光電変換素子において、前記有機半導体層の平均厚さが1nm〜10 μmであることを特徴とする光電変換素子。
(8) 上記(1) 〜(7) のいずれかに記載の光電変換素子において、前記有機半導体層のpn接合界面の総面積が受光面積の1〜100倍であることを特徴とする光電変換素子。
(9) 上記(1) 〜(8) のいずれかに記載の光電変換素子において、前記積層型感光層の厚さAと前記電極間の距離Bとの比A/Bが0.1〜100であることを特徴とする光電変換素子。
(10) 上記(1) 〜(9) のいずれかに記載の光電変換素子において、前記積層型感光層が赤緑青のいずれかの波長領域に分光感度を有することを特徴とする光電変換素子。
(11) 上記(1) 〜(10) のいずれかに記載の光電変換素子が透明絶縁層を介して二層以上積層していることを特徴とする積層型光電変換素子。
(12) 上記(1) 〜(11) に記載の積層型光電変換素子において、前記光電変換素子が少なくとも三層積層し、それぞれ赤緑青の波長領域に分光感度を有することを特徴とする積層型光電変換素子。
(13) 光電変換部と電荷転送部とからなる撮像素子において、前記光電変換部は上記(11) 又は(12) に記載の積層型光電変換素子が平面的に複数配列してなることを特徴とする撮像素子。
(14) 上記(13) に記載の撮像素子において、前記積層型光電変換素子は前記電荷転送部の上に形成されており、各光電変換素子の電極の一方は前記電荷転送部の各入力端子に接続しており、前記電極の他方は共通電極に接続していることを特徴とする撮像素子。
(15) 上記(14) に記載の撮像素子において、前記電荷転送部がCMOS型又はCCD型であることを特徴とする撮像素子。
本発明により、小型化を達成しつつ、光電変換効率、感度及び色分離が向上した光電変換素子、及びかかる光電変換素子を積層した構造を光電変換部に有する撮像素子が得られる。
[1] 光電変換素子
(1) 構造及び動作原理
本発明の光電変換素子は、ヘテロ接合した二層以上のp型有機半導体層及びn型有機半導体層と一対の電極との関係により、種々の構造を有する。以下、各構造を詳細に説明する。なお説明の便宜上、ガラス等の絶縁体からなる基板上に形成した光電変換素子を図示しているが、後述するように光電変換素子は絶縁層を介して積層されるものであるので、基板自体は必須要件ではない。
(a) 第一の構造
図1は本発明の一実施例による光電変換素子を概略的に示す断面図である。この光電変換素子は、基板1上に垂直に形成された一対の電極21,22と、両の電極21,22の間に形成された積層型感光層7とからなる。積層型感光層7は、基板1と水平な異なる導電型の有機半導体層(例えばp型有機半導体層3pとn型有機半導体層3n)が交互に積層した構造を有する。p型有機半導体層3pとn型有機半導体層3nとの間にはヘテロ結合界面(pn結合界面)5が形成されている。
電極21及び22はp型有機半導体層3p及びn型有機半導体層3nのいずれとも接触しているので、一方の電極には正孔のみが流れ込み、他方の電極には電子のみが流れ込むように電極及び有機半導体の材質を選択する。これにより各電極21,22内でキャリア同士が再結合することなく効率的なキャリア流入が行われ、高い光電変換効率で電流信号が得られる。
例えば、p型有機半導体層3pが一方の電極21とオーミック接合するとともに他方の電極22とショットキー接合し、n型有機半導体層3nが一方の電極21とショットキー接合するとともに他方の電極22とオーミック接合するのが好ましい。ショットキー接合の場合、電荷がエネルギー障壁を越えるのに必要なエネルギーを与えないと電荷は界面を越えて移動できない。
したがって、p型有機半導体層3pのフェルミ準位エネルギーEfpと電極21の仕事関数φp、電極22の仕事関数φnの関係がφp>Efp>φnであれば、p型有機半導体層3pは多数キャリアである正孔に関して、電極21に対してはオーミック性となり、電極22に対してはショットキー性となる。
またn型有機半導体層3nのフェルミ準位エネルギーEfnと電極21の仕事関数φp、電極22の仕事関数φnの関係がφp>Efn>φnであれば、n型有機半導体層3nは多数キャリアである電子に関して、電極21に対してはショットキー性、電極22に対してはオーミック性となる。
すなわち、φp>Efp>Efn>φnとなるように電極、p型有機半導体層3p及びn型有機半導体層3nの材料を組み合わせれば、光により発生したp型有機半導体層3pの多数キャリアである正孔は電極21に流入し、n型有機半導体層3nの多数キャリアである電子は電極22に流入する。
p型有機半導体層及びn型有機半導体層に対してこのように接触抵抗に差がでるために、一方の電極21はAu等により形成されているのが好ましく、他方の電極22はAl等により形成されているのが好ましい。
電極21,22間の距離は特に制限されないが、光電変換によりp型有機半導体層3pとn型有機半導体層3nの間のヘテロ接合界面5に生成したキャリアの拡散距離の0.1〜100倍であるのが好ましく、1〜10倍であるのがより好ましい。また積層型感光層7の厚さAと電極間の距離Bとの比A/Bは0.1〜100であるのが好ましく、1〜10であるのがより好ましい。
p型有機半導体層3p及びn型有機半導体層3n(総称して「有機半導体層3」という)は合計で三層以上積層されているのが好ましい。有機半導体層3を合計でx層積層したとき、pn接合界面5の数はx−1できる。光電変換により空乏層以外で生成したキャリアは再結合によってその多くが消滅してしまうため、主に空乏層において生成されたキャリアが、電子はn型有機半導体層3nに、正孔はp型有機半導体層3pに蓄積される。そのため、pn接合界面5の面積が大きいほど光電変換効率は高くなる。したがって、有機半導体層3の積層数を増やすほどpn接合界面5の総面積が大きくなり、光電変換効率は高くなる。
また有機半導体層3の積層数を増やしても、各有機半導体層3における光電変換効率は変わらない。これは有機半導体層3の積層数の増大させても光電変換素子の底面積及び形状は変化しないため、両電極21,22の間の距離が変わらず、光電変換により生成するキャリアが電極21又は電極22に到達するまでに再結合によって消滅する割合は変わらないからである。したがって、有機半導体層3の積層数を増やすことにより、光電変換素子の底面積及び形状を変えることなく光電変換素子全体の光電変換効率を高めることができる。
有機半導体層3の一層当たりの平均厚さは特に限定されないが、0.5 nm〜10 μmが好ましい。有機半導体層3間のヘテロ接合界面5の総面積は光の入射面積(積層型感光層7の入射面の表面積)に対して1〜100倍であるのが好ましい。
積層型感光層7の上面に入射した光のエネルギーは各有機半導体層3に吸収され、電子正孔対が生成される。pn接合界面5付近の空乏層に生じている電界により、電子はn型有機半導体層3nに移動し、正孔はp型有機半導体層3pに移動する。これにより、p型有機半導体層3pにおける正孔量及びn型有機半導体層3nにおける電子量がそれぞれ増大する。
p型有機半導体層3pとオーミック接合した電極21に正孔が流れ込み、n型有機半導体層3nとオーミック接合した電極22に電子が流れ込む。従って電極21,22間の電流を検出することにより、入射光の強度を求めることができる。
電極21,22が有機半導体層3に対して垂直に形成されているため、積層型感光層7の上面から入射した光は両電極21,22を通過することなく各有機半導体層3を通る。そのため、光電変換効率が良い。
(b) 第二の構造
図2は本発明の別の実施例による光電変換素子を概略的に示す断面図である。この光電変換素子は、電極21及び電極22と有機半導体層3との間にそれぞれ電子遮断層13及び正孔遮断層14を有する。これにより電極21には正孔のみが流入し、電極22には電子のみが流入する。このために、電子遮断層13はp型有機半導体層3pと同じ組成を有し、正孔遮断層14はn型有機半導体層3nと同じ組成を有するのが好ましい。換言すれば、p型有機半導体層3p及びn型有機半導体層3nはそれぞれ各電極21,22に接触した櫛形形状を有するのが好ましい。
第二の構造の光電変換素子は、p型有機半導体層3pと同じ導電型の電子遮断層13が電極21と全面でオーミック接合し、またn型有機半導体層3nと同じ導電型の正孔遮断層14が電極22と全面でオーミック接合しているので、第一の構造の光電変換素子より効率良くキャリアを捕集することができる。第二の構造の場合、電子遮断層13及び正孔遮断層14により電極21には正孔のみが流入し、電極22には電子のみが流入するため、電極21、22の材質は特に限定されない。
(c) その他の構造
第二の構造の光電変換素子は電子遮断層13及び正孔遮断層14を有しているのがキャリアの捕集効率の観点から好ましいが、製造コスト低減化のために、電子遮断層13及び正孔遮断層14のどちらか一方を省略しても良い。例えば図3に示す光電変換素子では、一方の電極21と有機半導体層3との間に電子遮断層13を有し、他方の電極22と有機半導体層3との間には正孔遮断層14を有しない。この場合、他方の電極22はp型有機半導体層3pとショットキー接合し、n型有機半導体層3nとオーミック接合する。これらにより一方の電極21には正孔が流入し、他方の電極22には電子が流入する。一方の電極21の材質は特に限定されないが、他方の電極22はAl等により形成されているのが好ましい。
電子遮断層13の代わりに正孔遮断層14を使用してもよい。この場合、他方の電極22はp型有機半導体層3pとオーミック接合し、n型有機半導体層3nとショットキー接合する。一方の電極21の材質は特に限定されないが、他方の電極22はAu等により形成されているのが好ましい。
(2) 有機半導体層の材質
p型有機半導体層3p及びn型有機半導体層3nは、有機半導体と、可視域に吸収特性を有する少なくとも1種の有機色素とからなるのが好ましい。カラー撮像素子に用いる場合、各光電変換素子は青,緑又は赤の波長領域に分光感度を有する有機色素を含有するのが好ましい。なお積層型感光層7がp型有機半導体層3p/バルクへテロ接合層/n型有機半導体層3nの構造を有する場合、入射光側の有機半導体層3(p型有機半導体層3p又はn型有機半導体層3n)は無色であるのが好ましい。
p型有機半導体層3pは、電子供与性(ドナー性)有機半導体からなるのが好ましい。ドナー性有機半導体は、一般に2つの有機半導体を接触させたときにイオン化ポテンシャルが小さい方の有機半導体を言い、主に正孔輸送性有機半導体である。従って、p型有機半導体層3pの有機半導体はn型有機半導体層3nの有機半導体よりもイオン化ポテンシャルが小さければよい。このようなドナー性有機半導体の具体例は、例えば、トリフェニルアミン類、ベンジジン類、ピラゾリン類、スチリルアミン類、ヒドラゾン類、トリフェニルメタン類、カルバゾール類、ポリシラン類、チオフェン類、フタロシアニン類、ポリアミン類等の電子供与性有機化合物である。
n型有機半導体層3nは、電子受容性(アクセプタ性)有機半導体からなるのが好ましい。アクセプタ性有機半導体は、一般に2つの有機半導体を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機半導体をいい、主に電子輸送性有機半導体である。従って、n型有機半導体層3nの有機半導体は、p型有機半導体層3pの有機半導体よりも電子親和力が大きければ良い。このようなアクセプタ性有機半導体の具体例は、例えば、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン類、キノキサリン類、フェナンスロリン類、フラーレン類、アルミニウムキノリン類等の電子受容性有機化合物である。
p型有機半導体層3p及びn型有機半導体層3nに用いることができる有機色素の具体例は、例えば、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素(ゼロメチンメロシアニン(シンプルメロシアニン)を含む)、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素等である。
光電変換素子をカラー撮像素子に用いる場合、吸収波長の調整の自由度が高い有機色素が好ましく、具体的にはシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素等のメチン色素類が好ましく、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素がより好ましく、メロシアニン色素が最も好ましい。
メチン色素類の詳細は例えば下記の文献に記載されている。
(1) F. M. Harmer, “Heterocyclic Compounds - Cyanine Dyes and Related Compounds,” John Wiley & Sons, Ltd. (1964)
(2) D. M. Sturmer, “Heterocyclic Compounds - Special Topics in Heterocyclic Chemistry,” John Wiley & Sons, Ltd. (1977)
(3) “Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,” 2nd. Ed. Vol. IV, Part B, 15, pp. 369〜422, Elsevier Science Publishing Company, Inc. (1977)
またReserch Disclosure(RD)17643の23〜24頁、RD18716の648頁右欄〜649頁右欄、RD308119の996頁右欄〜998頁右欄、EP 0565096 A1の第65頁7〜10行に記載されているメチン色素類も好適である。さらに米国特許第5747236号(特に第30〜39頁)、米国特許第5994051号(特に第32〜43頁)、米国特許第5340694号[特に第21〜58頁、但し(XI),(XII),(XIII)に示す色素の構造式中のn12、n15、n17、n18は0以上の整数(好ましくは4以下)とする。]に記載されている色素類も好適である。
(3) 製造方法
第一の構造及び第二の構造の光電変換素子の製造方法の例を以下説明するが、製造方法はこれらに限らない。
(a) 第一の構造の場合
(i) 第一の例
図4は、第一の光電変換素子の製造方法の好ましい一例の工程を示す図である。まず基板1の全面にレジスト層31を形成し(工程(a))、一方の電極21に相当する開口部33を有するフォトマスク32aをレジスト層31の上に設置した後露光する(工程(b))。開口部33に露出した部分を除去することによりレジスト層31に溝34を形成する(工程(c))。続いて同じレジスト層31を用いて溝34に電極21を形成した後、フォトマスク32aを除去する(工程(d))。上記(b)〜(d) と同じ操作を繰り返して他方の電極22も形成した(工程(e)〜(f))後、レジスト層31を除去する(工程(g))。最後に電極21,22間にp型有機半導体層3pとn型有機半導体層3nとを交互に積層する(工程(h)〜(i))。
p型有機半導体層3p及びn型有機半導体層3nは乾式成膜法又は湿式成膜法により成膜する。乾式成膜法は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、MBE法等の物理気相成長法、プラズマ重合等のCVD法等が好ましい。また湿式成膜法は、キャスト法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等が好ましい。
p型有機半導体層3p及びn型有機半導体層3nを構成する有機半導体の少なくとも一部が高分子化合物である場合、有機半導体と有機色素を含有する溶液を用いる湿式成膜法により成膜するのが製造効率の観点から好ましい。また乾式成膜法を用いる場合、高分子化合物が分解するおそれがあるため、高分子化合物の代わりにオリゴマーを用いるのが好ましい。
一方、p型有機半導体層3p及びn型有機半導体層3nの有機半導体が低分子化合物である場合、有機半導体と有機色素とを共蒸着等の乾式成膜法により成膜することができる。
(ii) 第二の例
図5は本発明の第一の光電変換素子の製造方法の好ましい別の例を示す図である。まず基板1上にp型有機半導体層3pとn型有機半導体層3nとを交互に積層して、積層型感光層7を形成する(工程(a)〜(b))。積層型感光層7の上にレジスト層31aを形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて、レジスト層31aに電極21に相当する開口部33aを一定間隔で形成する(工程(c))。その上からエッチングを行い、開口部33aに露出した部分を除去することにより、積層型感光層7に溝34aを形成する(工程(d))。溝34a内に一方の電極21を形成した後、レジスト層31aを除去する(工程(e))。上記(c)〜(e) と同じ操作を繰り返し、一方の電極21から僅かな間隔を開けて他方の電極22も形成する(工程(f)〜(g))。積層型感光層7の上にレジスト層31cを形成した後、電極21,22の間に残留する積層型感光層7の部分24に相当する開口部33cを形成する(工程(h))。電極21,22間の積層型感光層部分24をエッチングにより除去した後、レジスト層31cを除去する(工程(i))。電極21,22間に形成された溝34cには絶縁層(図示せず)を形成する。
(b) 第二の構造の場合
図6は第二の光電変換素子の形成方法の好ましい一例を示す図である。この例では電子遮断層13を正孔遮断層14より先に形成するが、勿論逆の順序で形成しても良い。
まず図5に示したのと同じ方法で積層型感光層7を基板1上に形成する(工程(a)〜(b))。積層型感光層7の上にレジスト層31aを形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて、レジスト層31aに開口部33aを一定間隔で形成する。開口部33aの幅は電極21と電子遮断層13の合計の厚さに等しい(工程(c))。その上からエッチングを行い、開口部33aに露出した部分を除去することにより、積層型感光層7に溝34aを形成する(工程(d))。溝34aに電子遮断層13に用いるp型の有機半導体を封入した後、レジスト層31aを除去する(工程(e))。
電子遮断層13を形成した積層型感光層7の上にレジスト層31bを形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて、レジスト層31bに電極21に相当する開口部33bを一定間隔で形成し、エッチングにより電子遮断層13の一部に溝34bを形成する(工程(f))。溝34b内に電極21を形成した後、レジスト層31bを除去する(工程(g))。上記(c)〜(g) と同じ操作を繰り返して正孔遮断層14及び他方の電極22も形成する(工程(h)〜(k))。
電子遮断層13、正孔遮断層14及び電極21,22を形成した積層型感光層7の上にレジスト層31eを形成した後、電極21,22の間に残留する積層型感光層7の部分24に相当する開口部33eを形成する(工程(l))。電極21,22間の積層型感光層部分24をエッチングにより除去した後、レジスト層31eを除去する(工程(m))。電極21,22間に形成された溝34cには絶縁層(図示せず)を形成する。
[2] 積層型光電変換素子
(1) 構造
図7は本発明の一実施例による積層型光電変換素子を概略的に示す断面図である。説明の便宜上積層型光電変換素子80は基板1上に形成されているが、勿論基板1は必須要件ではない。積層型光電変換素子80は、それぞれ積層型感光層7b,7g,7rを有する三層の光電変換素子8b,8g,8rが透明絶縁層10を介して積層された構造を有する。
光電変換素子8bの積層型感光層7bは実質的に青色のみ吸収する青色感光層であり、光電変換素子8gの積層型感光層7gは実質的に緑色のみ吸収する青色感光層であり、光電変換素子8rの積層型感光層7rは実質的に赤色のみ吸収する青色感光層である。青色光電変換素子8bは一対の電極21b,22bを有し、緑色光電変換素子8gは一対の電極21g,22gを有し、赤色光電変換素子8rは一対の電極21r,22rを有する。
積層型光電変換素子80の上面に入射した光のうち、主に青色の波長成分は青色感光層7bに吸収され、他の波長成分は吸収されずに透過する。吸収された入射光成分のエネルギーにより青色感光層7b内に生成したキャリアは電極21b,22bに流入するので、両電極21b,22b間で青色分の電流量を測定することができる。
青色感光層7bを透過した入射光は透明絶縁層10を介して緑色感光層7gに入射し、そのうちの主に緑色の波長成分は緑色感光層7gに吸収され、残りの波長成分は吸収されずに透過する。吸収された入射光成分のエネルギーにより緑色感光層7g内に生成したキャリアは電極21g,22gに流入するので、両電極21g,22g間で緑色分の電流量を測定することができる。
残った赤色の波長成分は赤色感光層7rに吸収される。吸収された入射光成分のエネルギーにより赤色感光層7r内に生成したキャリアは電極21r,22rに流入するので、両電極21r,22r間で赤色分の電流量を測定することができる。
このように青色の波長成分に相当する電流量、緑色の波長成分に相当する電流量、及び赤色の波長成分に相当する電流量を検出することにより、積層型光電変換素子一つ当たりに入射する光の色相、彩度及び明度(色の三属性)が求められる。
各色の光電変換素子8b,8g,8rの電極21b,22b,21g,22g,21r,22rがその積層型感光層7b,7g,7rに対して垂直であるため、各光電変換素子8b,8g,8rの間に薄い透明絶縁膜10を挿入するだけで、電極による光の減衰がない積層型光電変換素子が得られる。仮に積層型感光層に対して平行な電極を有する構造とすると、最下層以外の電極は全て透明である必要があるため、電極材料が非常に限定されるだけでなく、電極自身も導電性が低いのみならず電極と有機半導体層との接触抵抗も大きいので、光電変換効率が低くならざるをえない。これに対して、垂直な電極を有する本発明の積層型光電変換素子では、入射光が電極を通過しないため、電極材料に制限がない。
各光電変換素子の分光吸収及び/又は分光感度特性は以下の通りであるのが好ましい。すなわち、各光電変換素子の分光吸収率及び分光感度の半値幅[それぞれAmax(分光吸収率の最大値)及びSmax(分光感度の最大値)の50%における帯域幅]は、好ましくは120 nm以下であり、より好ましくは100 nm以下であり、特に好ましくは80 nm以下であり、最も好ましくは70 nm以下である。各光電変換素子の分光吸収率及び分光感度の80%幅(それぞれAmax及びSmaxの80%における帯域幅)は、好ましくは20〜100 nmであり、より好ましくは20〜80 nmであり、特に好ましくは20〜50 nmである。各光電変換素子の分光吸収率及び分光感度の20%幅(それぞれAmax及びSmaxの20%における帯域幅)は、好ましくは180 nm以下であり、より好ましくは150 nm以下であり、特に好ましくは120 nm以下であり、最も好ましくは100 nm以下である。
分光吸収率がAmaxの50%以上、及び/又は分光感度がSmaxの50%以上である領域における波長の最大値は、青色感光層7bでは460 nm〜510 nm、緑色感光層7gでは560 nm〜610 nm、赤色感光層7rでは640 nm〜730 nmであるのが好ましい。
積層型光電変換素子80を構成する各光電変換素子の分光吸収率の最大値A1maxは、青色感光層7bでは400〜500 nm、緑色感光層7gでは500〜600 nm、赤色感光層7rでは600〜700 nmであるのが好ましい。また積層型光電変換素子80を構成する各光電変換素子の分光感度の最大値S1maxは、青色感光層7bでは400〜500 nm、緑色感光層7gでは500〜600 nm、赤色感光層7rでは600〜700 nmの範囲にあるのが好ましい。
本発明の積層型光電変換素子80をカラー撮像素子として用いる場合、各光電変換素子8b,8g,8rの並び方は限定的でないが、光の入射側から順に青色感光層7b、緑色感光層7g及び赤色感光層7rとなるのが好ましい。
青色感光層7b、緑色感光層7g及び赤色感光層7rの分光吸収率の最大値Amaxはそれぞれ好ましくは50%以上であり、より好ましくは70%以上であり、特に好ましくは90%(吸光度=1)以上であり、最も好ましくは99%以上である。分光吸収率の向上により光電変換効率が向上し、また下層に余分な光を通さないため色分離が良くなる。各光電変換素子8b,8g,8rにおいて、光吸収性の観点からは有機半導体層は厚いほど好ましいが、電荷分離の観点からはそれに寄与するヘテロ接合界面5が多いほど(すなわち、有機半導体層の数が多いほど)好ましい。従って、各光電変換素子8b,8g,8rを構成する各有機半導体層の膜厚は好ましくは30〜300 nmであり、さらに好ましくは50〜150 nmであり、特に好ましくは80〜130 nmである。
図7に示す積層型光電変換素子80は三層構造を有するが、本発明の積層型光電変換素子はこれに限らない。例えば、青色感光層7bと緑色感光層7gの二層構造からなる積層型光電変換素子の場合、フォトダイオードを有する電荷転送部と組合せれば、青色及び緑色はそれぞれ青色感光層7bと緑色感光層7gにより検出され、残りの赤色はフォトダイオードにより検出される。
(2) 積層型光電変換素子の電極構造
図8〜11は図7に示す積層型光電変換素子80に設ける電極の構造の一例を示す。なお図8及び9における基板1が図10及び11では電荷転送部50になっているが、積層型光電変換素子80の部分では図8〜11は同じ構造を示す。また図9では絶縁層を省略している。
図8に示すように、一方の電極21は共通電極であり、他方の電極22b,22g,22rはそれぞれ絶縁されて各光電変換素子8b,8g,8rの電流信号が流れるようになっている。光電変換素子8bの電極22bは接続部22b’を介して電極柱23bと接続しており、光電変換素子8gの電極22gは接続部22g’を介して電極柱23gと接続しており、光電変換素子8rの電極22rは接続部22r’を介して電極柱23rと接続している。
図9の(a) に示すように、積層型光電変換素子80の最下端では電極柱23b,23g,23rが基板1を貫通している。図9の(b) に示すように、光電変換素子8rを横切る高さでは、電極柱23rのみが接続部22r’を介して電極22rに接続している。また図9の(c) に示すように、光電変換素子8gを横切る高さでは、電極柱23gのみが接続部22g’を介して電極22gに接続している。さらに図9の(d) に示すように、光電変換素子8bを横切る高さでは、電極柱23bのみが接続部22b’を介して電極22bに接続している。電極柱23b,23g,23rは、例えば撮像素子の場合、図10に示すように電荷蓄積部49b,49g及び49rの幅により制限される。
各電極柱23b,23g,23r及び各接続部22b’,接続部22g’,接続部22r’は電極22b,22g,22rと同じ材質で形成してよく、また図5及び6に示すフォトリソグラフィ法及び真空蒸着法等の乾式成膜法により形成することができる。
[3] 撮像素子
図10は、積層型光電変換素子80の電極22側から見た撮像素子の縦断面を示す。この撮像素子は、電荷転送部50と、その上に積層型光電変換素子80を単位とする複数の画素が二次元的に配列された光電変換部60とからなる。電荷転送部50は、電荷蓄積ダイオードからなる電荷蓄積部49b,49g,49rと、電荷蓄積部49b,49g,49rに個別に接続された電荷転送路51b,51g,51rとからなる。図示の例では、電荷転送路51はCCD(Charge Coupled Device)であるが、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)を用いることもできる。積層型光電変換素子80と電荷転送部50との間、及び隣接する積層型光電変換素子80の間にはそれぞれ絶縁体11が設けられている。また積層型光電変換素子80の上面には封止用ガラス70が設けられている。
積層型光電変換素子80の各光電変換素子8b,8g,8rに接続した電極柱23b,23g及び23rはそれぞれ電荷蓄積部49b,49g及び49rに接続している。図9(d)のE−E断面を示す図11(断面に現れない電極柱及び接続部は点線で示す)から明らかなように、電荷蓄積部49bと接続する電極柱23bは接続部22b’を介して光電変換素子8bにのみ接続しており、電荷蓄積部49gと接続する電極柱23gは接続部22g’を介して光電変換素子8gにのみ接続しており、電荷蓄積部49rと接続する電極柱23rは接続部22r’を介して光電変換素子8rにのみ接続している。光電変換素子8b,8g及び8rで発生したキャリアは電極柱23b,23g及び23rを介してそれぞれ電荷蓄積部49b,49g及び49rに転送され、蓄積される。
図12は本発明の一実施例による撮像素子を概略的に示す上面図である。二次元の行列状に配置された各画素は、積層型光電変換素子80と、それに接続した三本の電荷転送路51b,51g,51rとからなる。電荷転送路51b,51g,51rは出力転送路57に接続しており、各画素の信号は出力転送路57から出力される。電荷転送路51b,51g,51rは一方向に延在しており、電荷転送路51bは一列の電荷蓄積部49b,49b・・・と接続しており、電荷転送路51gは一列の電荷蓄積部49g,49g・・・と接続しており、電荷転送路51rは一列の電荷蓄積部49r,49r・・・と接続している。各電荷蓄積部49b,49g,49rに蓄積された電荷は各電荷転送路51b,51g,51rに送られ、出力転送路57を介して出力される。電荷転送路51b,51g,51r及び出力転送路57には一般に使用されている公知のCCDが用いられる。
図13はCMOS型の電荷転送部を用いた撮像素子の一例を示す。各積層型光電変換素子80における各光電変換素子において生成された電荷は、垂直シフトレジスタに接続した垂直選択線53により、個別に信号線54を介して負荷トランジスタ56に転送され、水平シフトレジスタ信号線により出力線55に転送され、電気信号として出力される。
また本発明の有機半導体層に含まれる有機色素は急峻な波長特性により色分離が良いため、本発明の撮像素子は分光プリズムや分光フィルタを必要としない。また高感度が得られるため、IRカットフィルタが不要であり、フレアが低い。
本発明の撮像素子は積層型光電変換素子を用いているためモアレの発生がない。また光学ローパスフィルタが不要のため解像度が高く、色にじみがほとんどない。開口率は100%に近く、マイクロレンズが不要なため、撮像レンズと撮像素子との距離の制限が緩く、シェーデングがほとんどない。従って、レンズ交換式のデジタルカメラに使用するのに好適であり、また撮像レンズの薄型化にも寄与する。さらに本発明の積層型光電変換素子を用いた撮像素子では、接着剤を充填してガラス封止することができるため、パッケージが薄型化し、歩留まりが上昇する。
本発明の一実施例による光電変換素子を概略的に示す断面図である。 本発明の別の実施例による光電変換素子を概略的に示す断面図である。 本発明のさらに別の実施例による光電変換素子を概略的に示す断面図である。 本発明の一実施例による光電変換素子の形成方法の一例を示す図である。 本発明の一実施例による光電変換素子の形成方法の別の例を示す図である。 本発明の別の実施例による光電変換素子の形成方法の一例を示す図である。 本発明の一実施例による積層型光電変換素子を概略的に示す断面図である。 図7の積層型光電変換素子に設ける電極の構造の一例を概略的に示す断面図である。 図8の各断面を示し、(a) はA−A断面図であり、(b) はB−B断面図であり、(c) はC−C断面図であり、(d) はD−D断面図である。 本発明の一実施例による撮像素子を概略的に示す断面図である。 図9(d) のE−E断面図である。 本発明の一実施例による撮像素子を概略的に示す上面図である。 本発明の別の実施例による撮像素子を概略的に示す上面図である。 従来の撮像素子の一例を示し、(a) はその断面図であり、(b) は従来の撮像素子における光電変換素子の配列の一例を概略的に示す上面図である。
符号の説明
1・・・基板
21,21b,21g,21r・・・一方の電極
22,22b,22g,22r・・・他方の電極
22b’,22g’,22r’・・・接続部
23b,23g,23r・・・電極柱
3・・・有機半導体層
3p・・・p型有機半導体層
3n・・・n型有機半導体層
5・・・ヘテロ接合界面(pn接合界面)
7・・・積層型感光層
7b・・・青色感光層
7g・・・緑色感光層
7r・・・赤色感光層
8・・・光電変換素子
8b・・・青色光電変換素子
8g・・・緑色光電変換素子
8r・・・赤色光電変換素子
13・・・電子遮断層
14・・・正孔遮断層
31・・・レジスト
32・・・フォトマスク
33・・・開口部
34・・・溝
49・・・電荷蓄積部
49b・・・青色用電荷蓄積部
49g・・・緑色用電荷蓄積部
49r・・・赤色用電荷蓄積部
50・・・電荷転送部
51・・・電荷転送路(CCD)
51b・・・青色用電荷転送路
51g・・・緑色用電荷転送路
51r・・・赤色用電荷転送路
53・・・垂直選択線
54・・・信号線
55・・・出力線
56・・・負荷トランジスタ
57・・・出力転送線
60・・・光電変換部
70・・・封止用ガラス
80・・・積層型光電変換素子

Claims (15)

  1. 一対の電極と、前記電極間に形成された積層型感光層とを有する光電変換素子であって、前記積層型感光層はヘテロ接合した二層以上のp型有機半導体層及びn型有機半導体層からなるとともに、その積層方向は素子面に対してほぼ垂直であり、また前記電極は前記素子面に対してほぼ垂直方向に形成されていることを特徴とする光電変換素子。
  2. 請求項1に記載の光電変換素子において、前記p型有機半導体層は一方の電極とオーミック接合し、他方の電極とショットキー接合しており、前記n型有機半導体層は他方の電極とショットキー接合し、一方の電極とオーミック接合していることを特徴とする光電変換素子。
  3. 請求項1に記載の光電変換素子において、前記p型有機半導体層の一方の電極側の端部には前記一方の電極と接触する電子遮断層が設けられていること、及び/又は前記n型有機半導体層の他方の電極側の端部には前記他方の電極と接触する正孔遮断層が設けられていることを特徴とする光電変換素子。
  4. 請求項3に記載の光電変換素子において、前記電子遮断層は前記p型有機半導体と同じ組成を有し、前記正孔遮断層は前記n型有機半導体と同じ組成を有することを特徴とする光電変換素子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子において、前記電極間の距離が前記積層型感光層で発生するキャリアの拡散距離の0.1〜100倍であることを特徴とする光電変換素子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換素子において、前記積層型感光層の積層数が3以上であることを特徴とする光電変換素子。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換素子において、前記有機半導体層の平均厚さが1nm〜10 μmであることを特徴とする光電変換素子。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の光電変換素子において、前記有機半導体層のpn接合界面の総面積が受光面積の1〜100倍であることを特徴とする光電変換素子。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の光電変換素子において、前記積層型感光層の厚さAと前記電極間の距離Bとの比A/Bが0.1〜100であることを特徴とする光電変換素子。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の光電変換素子において、前記積層型感光層が赤緑青のいずれかの波長領域に分光感度を有する光電変換素子。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の光電変換素子が透明絶縁層を介して二層以上積層していることを特徴とする積層型光電変換素子。
  12. 請求項11に記載の積層型光電変換素子において、前記光電変換素子が少なくとも三層積層し、それぞれ赤緑青の波長領域に分光感度を有することを特徴とする積層型光電変換素子。
  13. 光電変換部と電荷転送部とからなる撮像素子において、前記光電変換部は請求項11又は12に記載の積層型光電変換素子が絶縁層を介して平面的に複数配列してなることを特徴とする撮像素子。
  14. 請求項13に記載の撮像素子において、前記積層型光電変換素子は前記電荷転送部の上に形成されており、各光電変換素子の電極の一方は前記電荷転送部の各入力端子に接続しており、前記電極の他方は共通電極に接続していることを特徴とする撮像素子。
  15. 請求項14に記載の撮像素子において、前記電荷転送部がCMOS型又はCCD型であることを特徴とする撮像素子。
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