JP2006065983A - 分割光量比の制御方法とこれを用いた光学ピックアップ装置及び光記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回折光学素子に入射する複数の波長の光に対応して、0次回折光及び1次回折光の分割光量比をそれぞれ所定の値に制御する。回折光学素子として、液晶による回折光学素子又は接合ホログラム素子等を用いる。
【選択図】図1
Description
現在、これら使用波長の異なる光記録媒体に対する互換性を有する記録及び/又は再生を行う光学ピックアップ装置や光記録再生装置の実現が望まれている。
このため、全ての波長に対応して最適な分離が行えず、使用波長の異なる光記録媒体に対して互換性を有する構成とすることが難しい。
例えば、トラッキングエラー信号を3ビームにより検出するDPP等の方式で、最適な分割光量比を得られない波長では例えば0次回折光の強度が不足して信号の記録に十分なパワーを得ることができないなどの不具合が発生する。
また2波長対応の場合は、例えば回折格子の格子ピッチを部分的に変化させた回折素子を用いることによって、異なるトラックピッチを有する光記録媒体に適用させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
また、本発明は、上述の分割光量比の制御方法において、上記回折光学素子として、液晶を挟んで少なくとも一方の電極が回折格子状に形成された回折光学素子を用いて、上記格子状の電極に印加する電圧を制御して上記分割光量比を制御することを特徴とする。
また、本発明は、上述の分割光量比の制御方法において、上記回折光学素子として、接合ホログラム素子を用いて、上記接合ホログラム素子の波長による屈折率の分散特性により上記分割光量比の制御を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上述の分割光量比の制御方法において、上記回折光学素子として、PLZTを挟んで少なくとも一方の電極が回折格子状に形成された回折光学素子を用いて、上記格子状の電極に印加する電圧を制御して上記分割光量比を制御することを特徴とする。
また、本発明は、上述の光学ピックアップ装置において、上記回折光学素子により、フォーカス誤差信号を得るために光記録媒体から信号検出系に向かう光が分割されることを特徴とする。
また、本発明は、上述の光学ピックアップ装置において、上記回折光学素子により、トラッキング誤差信号を得るために上記光源から上記光記録媒体又は上記光記録媒体から信号検出系に向かう光が分割されることを特徴とする。
更に、本発明は、上述の光学ピックアップ装置において、上記信号検出系への分割された光による信号レベル比率をモニタする監視部を有し、上記監視部により上記分割光量比が検出又は制御されることを特徴とする。
そして、回折光学素子として、液晶を挟んで少なくとも一方の電極が回折格子状に形成された回折光学素子を用いて、その格子状の電極に印加する電圧を制御することにより、液晶の屈折率を変化させて0次光効率と1次光効率をそれぞれ調製することができ、これにより0次回折光と1次回折光とに分割した分割光量比を良好に制御して、より最適値に近い値に保つことができる。
また、回折光学素子として、接合ホログラム素子を用いる場合は、接合ホログラム素子の波長による屈折率の分散特性を利用して、異なる波長の光に対応した分割光量比の制御を行うことができ、同様により最適値に近い値に分割光量比を保持することができる。
また、回折光学素子として、PLZTを挟んで少なくとも一方の電極が回折格子状に形成された回折光学素子を用いて、その格子状の電極に印加する電圧を制御することにより、PLZTの体積(厚み)を変化させて0次光効率と1次光効率をそれぞれ調整することができ、これにより0次回折光と1次回折光とに分割した分割光量比を良好に制御して、より最適値に近い値に保つことができる。
また、回折光学素子として、液晶を挟んで少なくとも一方の電極が回折格子状に形成された回折光学素子を用いて、その格子状の電極に印加する電圧を制御することによって、分割光量比をより最適値に近い値に調整することができる。
更に、回折光学素子として、接合ホログラム素子を用いることにより、分割光量比をより最適値に近い値に調整することができる。
また、回折光学素子として、PLZTを挟んで少なくとも一方の電極が回折格子状に形成された回折光学素子を用いることにより、分割光量比を良好に制御して、より最適値に近い値に保つことができる。
更に、本発明の光学ピックアップ装置において、回折光学素子によりフォーカス誤差信号を得るために光記録媒体から信号検出系に向かう光が分割される構成とすることによって、異なる波長の光に対応して分割光量比を制御して良好に分割光量比を最適な値に保持することができることから、フォーカス制御をより確実に行うことができる。
更に、本発明の光学ピックアップ装置において、回折光学素子によりトラッキング誤差信号を得るために光源から光記録媒体又は上記光記録媒体から信号検出系に向かう光が分割される構成とすることによって、異なる波長の光に対応して分割光量比を制御して良好に分割光量比を最適な値に保持することができることから、トラッキング制御をより確実に行うことができる。
先ず、本発明に適用して好適な光記録再生装置及び光学ピックアップ装置の一例について、図1及び図2の概略構成図を参照して説明する。
図1に示すように、この光記録再生装置100は、外筐102内に所要の各部材及び各機構が配置されて成り、この外筐102には、図示しないが例えばディスク状の光記録媒体10の挿入口が設けられて成る。
そして外筐102内には配置されたシャーシ(図示せず)に光記録媒体10を移動させる例えばスピンドルモータが取り付けられ、このモータ軸に例えばディスクテーブル103が固定される。
シャーシには、平行なガイド軸104、104が取り付けられると共に図示しない送りモータによって回転されるリードスクリュー105が支持されている。
また、第2の光源42はその内部に第3の発光素子42aを有して成り、BD又はHD DVDに対応する約405nmのレーザ光が出射される。
光路合成素子44は、例えば波長選択性のあるミラー面44aを有するビームスプリッタより成る。第1の光源41の第1の発光素子41a又は第2の発光素子41bから出射された約660nm又は約780nmの波長のレーザ光は、カップリングレンズ43を介して光路合成素子44に入射され、この光路合成素子44のミラー面44aにより反射される。第2の光源42の第3の発光素子42aから出射された約405nmの波長のレーザ光は、ミラー面44aを透過する。次に本発明による分割光量比の制御方法を達成する手段である回折光学素子20に入射され、後述するように、各光記録媒体10の使用波長に対応して0次回折光と1次回折光との光量比の制御がなされる。
コリメータレンズ46により平行光とされたレーザ光は、立ち上げミラー47により光路を略90°変換されて反射され、1/4波長板48により偏光方向を変換されて、対物レンズ3によって光記録媒体10の記録面の所定トラック位置に集光される。
そして、光記録媒体10から反射されたレーザ光は、対物レンズ3を介して1/4波長板48に入射されて再び偏光方向を変換され、立ち上げミラー47に反射されてコリメータレンズ46を透過した後、上述したように、偏光ビームスプリッタ45のスプリット面45aにより反射されて、コンバージョンレンズ49、光軸合成素子50を介して受光素子51の所定位置に入射され、図示しないが所定の検出機構により信号が検出される。
また、その他DPP方式等により光記録媒体に向かう光を分割する場合、図2に示す配置の他、例えば偏光ビームスプリッタ45とコリメータレンズ46との間の破線20Aで示す位置に配置するとか、あるいは立ち上げミラー47と1/4波長板48との間の実線20Bで示す位置に配置することが可能である。
また、例えば受光素子に向かう光を分割してSSD方式にてフォーカス誤差信号を得る場合、あるいは別のDPP方式によるトラッキング誤差信号を検出するには、1/4波長板48から受光素子に至る光路に配置することができ、例えばビームスプリッタ45とコンバージョンレンズ49との間の破線20Cで示す位置に配置してもよい。
なお、回折光学素子として接合ホログラム素子あるいはPLZTを用いる場合は、実線20又は破線20Cで示す位置に配置することが望ましい。
このような構成において、電極22及び26に印加する電圧を適切に選定することによって、例えば波長が405nm程度の矢印W1で示す光を、それぞれ所定の回折効率をもって0次回折光L10と、1次回折光L11A及びL11Bとを回折して、良好な分割光量比をもって光W1を分割する。
一方、波長が異なる例えば680nmの矢印W2で示す光に対しては、回折効率が異なるため、同じ電圧を印加した状態では、0次回折光L20と±1次回折光L21A及びL21Bとの分割光量比は最適な値とはならないが、回折光学素子20に印加する電圧を目的とする分割光量比に対応して選定することにより、図4に示すように、この波長680nmの光W2に対して、最適な回折効率をもって0次回折光L20と±1次回折光L21A及びL21Bを出射させることができる。図4において、図3と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
なお、このように液晶に電圧を部分的に印加する作用は、透過光の位相を電気的に制御するものであり、液晶に限ることなく例えばPLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)等の他の電気光学素子を利用して回折光学素子を構成することも可能である。
この場合においても、異なる波長の光W1及びW2に対して、それぞれ対応する屈折率を有する第1又は第2の透明部材31又は32による回折作用によって、各光W1及びW2を、目的とする分割光量比をもって分割して出射させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、異なる波長の光に対して各波長で最適な分割光量比をもって回折光学素子により光を分離することができ、その結果、回折光学素子を多波長で共通のものとして設計できるので、これを利用した光学ピックアップ装置、光記録再生装置において、小型化、コストの低減化を図ることが可能となり、本発明を適用することによって、安定した良好な記録再生特性が得られる。
回折格子の格子ピッチをa、回折角度をθ、入射する光の波長をλとすると、
asinθ=nλ(n=・・・,−2,−1,0,1,2・・・)
の関係がある。±1次回折光は、n=±1として、
asinθ=±λ
となる。
D0=(cos(π(n1−n2)d/λ))2・・・・・・・・(1)
となり、±1次回折光の効率D1は、
D1=(2/π)2(sin(π(n1−n2)d/λ))2・・(2)
となる。
液晶の厚さdが0.004mmとして、0次回折光の回折効率が0.82となる屈折率差(n1−n2)を求めると、例えば代表的な光記録媒体の使用波長の一例である波長785nm、658nm、408nmに対してそれぞれ、下記表1に示す値となる。またこの場合において、屈折率n2を1.5とし、全波長に対して同じであるとしたときの、調整すべきn1の値も下記表2に示す。
これに対し、液晶を駆動させずにn1が下記の表3に示すように略固定とされる場合は、下記の表3に示すように、±1次回折効率がばらついてしまい、分割光量比を各波長で最適にできないことがわかる。
その他、本発明は、上述の実施の形態の例において説明した材料、構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
Claims (11)
- 回折光学素子に入射する複数の波長の光に対応して、0次回折光及び1次回折光の分割光量比をそれぞれ所定の値に制御する
ことを特徴とする分割光量比の制御方法。 - 上記回折光学素子として、液晶を挟んで少なくとも一方の電極が回折格子状に形成された回折光学素子を用いて、
上記格子状の電極に印加する電圧を制御して上記分割光量比を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の分割光量比の制御方法。 - 上記回折光学素子として、接合ホログラム素子を用いて、
上記接合ホログラム素子の波長による屈折率の分散特性により上記分割光量比の制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の分割光量比の制御方法。 - 上記回折光学素子として、PLZTを挟んで少なくとも一方の電極が回折格子状に形成された回折光学素子を用いて、
上記格子状の電極に印加する電圧を制御して上記分割光量比を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の分割光量比の制御方法。 - 複数の波長の光を用いて光記録媒体の記録及び/又は再生を行う光学ピックアップ装置であって、
光源から上記光記録媒体の記録面及び該記録面から信号検出系に至る光路の一部に回折光学素子が設けられ、
上記回折光学素子において、該回折光学素子に入射される複数の波長の光に対応して、0次回折光及び1次回折光の分割光量比がそれぞれ所定の値に制御される
ことを特徴とする光学ピックアップ装置。 - 上記回折光学素子により、フォーカス誤差信号を得るために上記光記録媒体から信号検出系に向かう光が分割される
ことを特徴とする請求項5記載の光学ピックアップ装置。 - 上記回折光学素子により、トラッキング誤差信号を得るために上記光源から上記光記録媒体又は上記光記録媒体から信号検出系に向かう光が分割される
ことを特徴とする請求項5記載の光学ピックアップ装置。 - 上記信号検出系への分割された光による信号レベル比率をモニタする監視部を有し、
上記監視部により上記分割光量比が検出又は制御される
ことを特徴とする請求項5記載の光学ピックアップ装置。 - 上記信号検出系への分割された光による信号レベル比率をモニタする監視部を有し、
上記監視部により上記分割光量比が検出又は制御される
ことを特徴とする請求項6記載の光学ピックアップ装置。 - 上記信号検出系への分割された光による信号レベル比率をモニタする監視部を有し、
上記監視部により上記分割光量比が検出又は制御される
ことを特徴とする請求項7記載の光学ピックアップ装置。 - 複数の波長の光を用いて光記録媒体の記録及び/又は再生を行う光学ピックアップ装置を有する光記録再生装置であって、
光源から上記光記録媒体の記録面及び該記録面から信号検出系に至る光路の一部に回折光学素子が設けられ、
上記回折光学素子において、該回折光学素子に入射される複数の波長の光に対応して、0次回折光及び1次回折光の分割光量比がそれぞれ所定の値に制御される
ことを特徴とする光記録再生装置。
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