JP2006064435A - 放射線画像変換パネル及びその製造方法 - Google Patents

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勝也 岸波
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惠民 笠井
Noriyuki Mishina
紀之 三科
Masashi Kondo
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Abstract

【課題】 従来以上の高画質(輝度)が得られる放射線画像変換パネル及びその製造方法の提供。
【解決手段】 支持体上にCsBr:Eu輝尽性蛍光体を有する輝尽性蛍光体層が気相堆積法(気相法)のにより形成される放射線画像変換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層の断面を励起光源にて支持体側から蛍光体層表面側に向かって励起した際に、発光強度の低い層と発光強度の高い層を交互に積層しないことを特徴とする放射線画像変換パネル。
【選択図】 なし

Description

放射線画像変換パネル及びその製造方法に関する。
近年、輝尽性蛍光体を利用した放射線像変換パネルにより放射線像を画像化する方法が用いられるようになってきた。
これは、例えば、米国特許第3,859,527号及び特開昭55−12144号等に開示された様に支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した放射線像変換パネルを使用するものである。この放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線をあてて被写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを輝尽性蛍光体層に蓄積させて潜像(蓄積像)を形成し、この輝尽性蛍光体層を輝尽励起光(レーザ光が用いられる)で走査することによって各部に蓄積された放射線エネルギーを放射させて光に変換し、この光の強弱を読みとって画像を得る。この画像はCRT等各種のディスプレイ上に再生してもよいし、又ハードコピーとして再生してもよい。
この放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層には、放射線吸収率及び光変換率が高いこと、画像の粒状性がよく、高鮮鋭性であることが要求される。
通常、放射線感度を高くするには輝尽性蛍光体層の膜厚を厚くする必要があるが、余り厚くなりすぎると、輝尽性蛍光体粒子間での輝尽発光の散乱のため発光が外部に出てこなくなる現象があり限界がある。
又鮮鋭性については、輝尽性蛍光体層を薄層化するほど向上するが、薄すぎると感度の現象が大きくなる。
又粒状性についても画像の粒状性は放射線量子数の場所的ゆらぎ(量子モトル)或いは放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層の構造的乱れ(構造モトル)等によって決定されるので、輝尽性蛍光体層の層厚が薄くなると輝尽性蛍光体層に吸収される放射線量子数が減少してモトルが増加したり、構造的乱れが顕在化して構造モトルが増加したりして画質の低下を生ずる。従って画像の粒状性を向上させるためには輝尽性蛍光体層の層厚が厚い必要があった。
この様に様々な要因から放射線像変換パネルを用いた放射線像変換方法の画質及び感度は決定される。これらの感度や画質に関する複数の因子を調整して感度、画質を改良するため、これまで様々な検討がされてきた。
それらのうち、放射線画像の鮮鋭性改善の為の手段として、例えば形成される輝尽性蛍光体の形状そのものをコントロールし感度及び鮮鋭性の改良を図る試みがされている。
これらの試みの1つとして、例えば特開昭61−142497号等において行われている様な、微細な凹凸パターンを有する支持体上に輝尽性蛍光体を堆積させ形成した微細な擬柱状ブロックからなる輝尽性蛍光体層を用いる方法がある。
又、特開昭61−142500号に記載のように微細なパターンを有する支持体上に、輝尽性蛍光体を堆積させて得た柱状ブロック間のクラックにショック処理を施して更に発達させた輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルを用いる方法、更には、特開昭62−39737号に記載されたような、支持体の面に形成された輝尽性蛍光体層にその表面側から亀裂を生じさせ擬柱状とした放射線像変換パネルを用いる方法、更には、特開昭62−110200号に記載のように、支持体の上面に蒸着により空洞を有する輝尽性蛍光体層を形成した後、加熱処理によって空洞を成長させ亀裂を設ける方法等も提案されている。
又、気相堆積法によって支持体上に、支持体の法線方向に対し一定の傾きをもった細長い柱状結晶を形成した輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルが提案されている。
これらの輝尽性蛍光体層の形状をコントロールする試みにおいては、いずれも輝尽性蛍光体層を柱状とすることで、輝尽励起光(又輝尽発光)の横方向への拡散を抑える(クラック(柱状結晶)界面において反射を繰り返しながら支持体面まで到達する)ことができるため、輝尽発光による画像の鮮鋭性を著しく増大させることができるという特徴がある。(例えば特許文献1を参照)
最近では、CsBr等のハロゲン化アルカリを母体にEuを賦活した輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換パネルが提案され、特にEuを賦活剤とすることで従来得られていなかった高いX線変換効率を導き出すことが可能となった。しかしながら、より一層の高画質化が常に求められている。
特開平2−58000号公報
本発明の目的は、従来以上の高画質(輝度)が得られる放射線画像変換パネル及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上にCsBr:Eu輝尽性蛍光体を有する輝尽性蛍光体層が気相堆積法(気相法)のにより形成される放射線画像変換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層の断面を励起光源にて支持体側から蛍光体層表面側に向かって励起した際に、発光強度の低い層と発光強度の高い層を交互に積層しないことを特徴とする放射線画像変換パネル。
(請求項2)
真空容器内に複数の蒸発源および蒸発源数に対応した複数のシャッタを有する蒸着装置を用いて、請求項1に記載の放射線画像変換パネルを製造する際、複数個の蒸発源からの蒸発を繰り返して行う場合に、最初の蒸発源の蒸発が終了する前又は前の蒸発源の蒸発が終了する前に、それ以降の蒸発源をシャッタを開き蒸発源を蒸発させて製造することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。
本発明による放射線画像変換パネル及びその製造方法は、従来以上の高画質(輝度)が得られ優れた効果を有する。
本発明の請求項1の発明は、支持体上にCsBr:Eu輝尽性蛍光体を有する輝尽性蛍光体層が気相堆積法(気相法)のにより形成される放射線画像変換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層の断面を励起光源にて支持体側から蛍光体層表面側に向かって励起した際に、発光強度の低い層と発光強度の高い層を交互に積層しないことを特徴とする放射線画像変換パネルであり、これらの構成により本発明の目的を達成できたのである。
本発明においては、電子線、紫外線等の励起光源により輝尽性蛍光体層断面の発光強度の低い層と発光強度の高い層が交互に繰り返し積層されていることの観察は可能であり、特に電子線を用いたカソードルミネッセンス法を用いることにより、より明確に観察が可能である。
発光強度の低い層と発光強度の高い層が交互に繰り返されていることは、結晶構造が不連続性を含んでいることを意味しており、この結晶構造の不連続性により輝尽励起光/輝尽発光光の散乱が発生して、輝度、鮮鋭性の低下をもたらしていた。
輝尽発光の変動、すなわち結晶構造の不連続性をなくすための手段として、1つは原料を連続供給して厚膜を形成する方法が知られているが(特開2003−247061)、蒸発源温度を一定に保つ点で困難を伴う。他の手段として大容量の蒸発源を用いる方法があるが、こちらは蒸発源の温度均一化が充分なされないという点で、いずれの手段においても高感度、高鮮鋭性の両立は困難であった。
請求項2の発明は、上記本発明の放射線画像変換パネルを製造することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法であり、真空容器内に複数の蒸発源および蒸発源数に対応した複数のシャッタを有する蒸着装置用いて、1個または複数個の蒸発源からの蒸発を繰り返して行う場合に、最初の蒸発源の蒸発とそれ以降の蒸発源の蒸発の間でシャッタ開時間が連続またはオーバーラップして行われることを特徴としており、該製造方法により本発明の放射線画像変換パネルを得ることができるたのである。
上記蒸着装置の一例を図1に示す。図1aは該蒸着装置の平面図であり、図1bは正面図である。
図1a、1bにおいて、蒸発源3−2のシャッタ4−2が開であり、蒸発源3−2のみから蒸発が行われていることを表している。
本発明において、シャッタ開閉が複数の蒸発源からの蒸発の間で連続的またはオーバーラップして行われることを図2(a)に示す。
これは、シャッタ4−1が開となって蒸発源3−1の蒸発が開始されたのちシャッタ閉となる前に、次ルツボの4−1のシャッタを開にして3−1の蒸発源から蒸発を順次継続させていくものである。オーバーラップさせる時間tは、長くなるほどオーバーラップ時の蒸着速度は大きくなりその結果として基板温度の上昇が大きくなり基板温度制御に支障をきたしてくる来すようになる。
蒸発源1個の蒸着時間全体をTとしたとき、好ましいtは0≦t≦1/5Tであり、より好ましくは0≦t≦1/10T、さらに好ましくは0≦t≦1/20Tである。
本発明の輝尽性蛍光体層は気相堆積法によって形成される。
輝尽性蛍光体の気相堆積法としては、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、その他を用いることができる。
本発明においては、例えば以下の方法が挙げられる。
第1の蒸着法は、支持体を蒸着装置内に設置したのち、装置内を排気して1.333×10-4Pa程度の真空とする。次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも1つを抵抗加熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させて前記支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚みに成長させる。この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層が形成されるが、前記蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、前記蒸着工程では複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビームを用いて蒸着を行うことも可能である。また蒸着法においては、輝尽性蛍光体原料を複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビームを用いて蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。更に蒸着法においては、蒸着時に必要に応じて被蒸着物を冷却或いは加熱してもよい。また、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。また、前記蒸着法においては、必要に応じてAr、O2、H2等のガスを導入して蒸着してもよい。
第2の方法としてのスパッタリング法は、前記蒸着法と同様に支持体をスパッタ装置内に設置した後、装置内を一旦排気して1.333×10-4Pa程度の真空度とし、次いでスパッタ用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスを装置内に導入して1.333×10-1Pa程度のガス圧とする。次に、前記輝尽性蛍光体をターゲットとしてスパッタリングすることにより、支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに成長させる。このスパッタリング工程では、蒸着法と同様に各種の応用処理を用いることができる。
第3の方法としてCVD法があり、また第4の方法としてイオンプレーティング法がある。
また、前記気相堆積法における輝尽性蛍光体層の成長速度は、0.05μm/分〜300μm/分であることが好ましい。成長速度が0.05μm/分未満の場合には本発明の放射線画像変換パネルの生産性が低く好ましくない。また成長速度が300μm/分を越える場合には成長速度のコントロールが難しく好ましくない。
放射線画像変換パネルを、前記の真空蒸着法、スパッタリング法などにより得る場合には、結着剤が存在しないので輝尽性蛍光体の充填密度を増大でき、感度、解像力の上で好ましい放射線画像変換パネルが得られる。
蒸着に用いられるるつぼは、蒸着方式を抵抗加熱式、ハロゲン加熱方式、EB(エレクトロンビーム)方式などの加熱方法によって異なる。
前記輝尽性蛍光体層の膜厚は、目的とする放射線像変換パネルの放射線に対する感度、輝尽性蛍光体の種類等によって異なるが、10μm〜2000μmの範囲から選ばれるのが好ましく、50μm〜1000μmから選ばれるのがより好ましい。
柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層の結晶は、支持体上に特定の入射角で輝尽性蛍光体の蒸気又は該原料を供給し気相成長(堆積)させる方法によって、独立した細長い柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層を得ることができる。蒸着時の輝尽性蛍光体蒸気流の入射角は支持体の法線方向に対して垂直でもよく一定の確度を持った斜めでもよい。斜め入射の場合は入射角に対し約半分の成長角で該柱状結晶は結晶成長することができる。また、常温近傍で蒸着することにより分子状の蒸着膜を設けることもできる。
これらの場合において、支持体と坩堝との最短部の間隔は輝尽性蛍光体の平均飛程に合わせて概ね10cm〜60cmに設置するのが適当である。尚、柱状結晶の太さは、支持体の温度が低くなるほど細くなる傾向にある。
蒸発源となる輝尽性蛍光体は、均一に溶解させるか、プレス、ホットプレスによって成形して坩堝に仕込まれる。この際、脱ガス処理を行うことが好ましい。蒸発源から輝尽性蛍光体を蒸発させる方法は電子銃により発した電子ビームの走査により行われるが、これ以外の方法にて蒸発させることもできる。また、蒸発源は必ずしも輝尽性蛍光体である必要はなく、輝尽性蛍光体原料を混和したものであってもよい。
また、蛍光体の母体に対して賦活剤をあとからドープしてもよい。例えば、母体であるRbBrのみを蒸着した後、賦活剤であるTlをドープしてもよい。即ち、結晶が独立しているため、膜が厚くとも充分にドープ可能であるし、結晶成長が起こりにくいので、MTFは低下しないからである。
ドーピングは形成された蛍光体の母体層中にドーピング剤(賦活剤)を熱拡散、イオン注入法によって行うことが出来る。
これらの柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層において、ヘイズ率を低下するためには、柱状結晶の大きさ(柱状結晶を支持体と平行な面から観察したときの各柱状結晶の断面積の円換算した直径の平均値であり、少なくとも100個以上の柱状結晶を視野中に含む顕微鏡写真から計算する)は1〜50μm程度がよく、更に好ましくは、1〜30μmである。
又各柱状結晶間の間隙の大きさは30μm以下がよく、更に好ましくは5μm以下がよい。即ち、間隙が30μmを越える場合は蛍光体層中のレーザー光の散乱が増加し、鮮鋭性が低下してしまう。
本発明の放射線画像変換パネルに用いられる支持体としては、各種高分子材料、ガラス、金属等が用いられ、例えば、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、あるいは、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、鉄、銅、クロム等の金属シートあるいは親水性微粒子の被覆層を有する金属シートが好ましい。これら支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。また、本発明においては、支持体と輝尽性蛍光体層の接着性を向上させるために、必要に応じて支持体の表面に予め接着層を設けてもよい。
これら支持体の厚みは用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜2000μmであり、取り扱い上の観点から、更に好ましいのは80μm〜1000μmである。
また、柱状結晶間の間隙に結着剤等充填物を充填してもよく、輝尽性蛍光体層の補強となるほか、高光吸収の物質、高光反射率の物質等を充填してもよい、これにより前記補強効果をもたせるほか、輝尽性蛍光体層に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散の低減に有効である。
高反射率の物質とは、輝尽励起光(500〜900nm、特に600〜800nm)に対する反射率の高い物質のことをいい、例えば、アルミニウム、マグネシウム、銀、インジウム、その他の金属等、白色顔料及び緑色〜赤色領域の色材を用いることができる。白色顔料は輝尽発光も反射することができる。
白色顔料としては、例えば、TiO2(アナターゼ型、ルチル型)、MgO、PbCO3・Pb(OH)2、BaSO4、Al23、M(II)FX(但し、M(II)はBa、Sr及びCaの各原子から選ばれるの少なくとも一種の原子であり、XはCl原子又はBr原子である。)、CaCO3、ZnO、Sb23、SiO2、ZrO2、リトポン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性珪硫酸塩、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウムなどがあげられる。
これらの白色顔料は隠蔽力が強く、屈折率が大きいため、光を反射したり、屈折させることにより輝尽発光を容易に散乱し、得られる放射線画像変換パネルの感度を顕著に向上させることができる。
また、高光吸収率の物質としては、例えば、カーボンブラック、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄など及び青の色材が用いられる。このうちカーボンブラックは輝尽発光も吸収する。
また、色材は、有機又は無機系色材のいずれでもよい。
有機系色材としては、例えば、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。
また、カラーインデクスNo.24411、23160、74180、74200、22800、23154、23155、24401、14830、15050、15760、15707、17941、74220、13425、13361、13420、11836、74140、74380、74350、74460等の有機系金属錯塩色材もあげられる。
無機系色材としては群青、例えば、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−Co−NiO系等の無機顔料があげられる。
即ち、これら支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的で支持体の表面をマット面としてもよい。
また、本発明においては、支持体と輝尽性蛍光体層の接着性を向上させるために、必要に応じて支持体の表面に予め接着層を設けてもよい。
これら支持体の厚みは用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には80〜2000μmであり、取り扱い上の観点から、更に好ましいのは80〜1000μmである。
また、本発明の輝尽性蛍光体層は保護層を有していても良い。
保護層は保護層用塗布液を輝尽性蛍光体層上に直接塗布して形成してもよいし、あらかじめ別途形成した保護層を輝尽性蛍光体層上に接着してもよい。あるいは別途形成した保護層上に輝尽性蛍光体層を形成する手段を取ってもよい。
保護層の材料としては、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化−塩化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の通常の保護層用材料が用いられる。他に透明なガラス基板を保護層としてもちいることもできる。
また、この保護層は蒸着法、スパッタリング法等により、SiC、SiO2、SiN、Al23等の無機物質を積層して形成してもよい。
これらの保護層の層厚は0.1〜2000μmが好ましい。
また、光エネルギーで励起する際、輝尽励起光の反射光と輝尽性蛍光体層から放出される輝尽発光とを分離する必要があることと、輝尽性蛍光体層から放出される発光を受光する光電変換器は一般に600nm以下の短波長の光エネルギーに対して感度が高くなるという理由から、輝尽性蛍光体層から放射される輝尽発光はできるだけ短波長領域にスペクトル分布を持ったものが望ましい。
本発明の輝尽性蛍光体の発光波長域は300〜500nmであり、一方輝尽励起波長域は500〜900nmであるので前記の条件を同時に満たすが、最近、診断装置のダウンサイジング化が進み、放射画像変換パネルの画像読み取りに用いられる励起波長は高出力で、且つ、コンパクト化が容易な半導体レーザが好まれ、そのレーザ光の波長は680nmであることが好ましく、本発明の放射線画像変換パネルに組み込まれた輝尽性蛍光体は、680nmの励起波長を用いた時に、極めて良好な鮮鋭性を示すものである。
即ち、本発明の輝尽性蛍光体はいずれも500nm以下に主ピークを有する発光を示し、輝尽励起光の分離が容易でしかも受光器の分光感度とよく一致するため、効率よく受光できる結果、受像系の感度を高めることができる。
レーザとしては、例えば、He−Neレーザ、He−Cdレーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、N2レーザ、YAGレーザ及びその第2高調波、ルビーレーザ、半導体レーザ、各種の色素レーザ、銅蒸気レーザ等の金属蒸気レーザ等がある。通常はHe−NeレーザやArイオンレーザのような連続発振のレーザが望ましいが、パネル1画素の走査時間とパルスを同期させればパルス発振のレーザを用いることもできる。
また、特開昭59−22046号に示されるような、発光の遅延を利用して分離する方法によるときは、連続発振レーザを用いて変調するよりもパルス発振のレーザを用いる方が好ましい。
上記の各種レーザ光源の中でも、半導体レーザは小型で安価であり、しかも変調器が不要であるので特に好ましく用いられる。
例えば、輝尽励起波長が500〜900nmで輝尽発光波長が300〜500nmにあるような実用上好ましい組合わせの場合、フィルタとしては例えば東芝社製C−39、C−40、V−40、V−42、V−44、コーニング社製7−54、7−59、スペクトロフィルム社製BG−1、BG−3、BG−25、BG−37、BG−38等の紫〜青色ガラスフィルタを用いることができる。又、干渉フィルタを用いると、ある程度、任意の特性のフィルタを選択して使用できる。光電変換装置としては、光電管、光電子倍増管、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、光導電素子等光量の変化を電子信号の変化に変換し得るものなら何れでもよい。
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
実施例1:
支持体として0.5mm厚のAl板(100mm×100mm)を用いて、該支持体の片面に輝尽性蛍光体(CsBr:0.0001Eu)を、図1に示す装置を使用して蒸着させ、輝尽性蛍光体層を形成した。
まず、上記蛍光体原料を蒸着材料として抵抗加熱ルツボ3−1〜3−4に充填し、また支持体ホルダ2−1に支持体2−2を設置した。支持体と抵抗加熱ルツボ間距離は60cmとした。
続いて、蒸着装置1内を一旦排気し、N2ガスを導入して0.1Paに真空度を調整した後、支持体ホルダを回転させながら加熱ランプ(図示せず)にて支持体温度を100℃に保持した。
ついで、まず抵抗加熱ルツボ3−1を加熱して、続いてシャッタ4−1を開いて蒸着を30min間行った後シャッタを閉じてルツボ3−1からの蒸発を終了した。次ルツボ3−2については、3−1の蒸発開始25min後にシャッタ4−2を開にして蒸発を開始し、30min間行った後シャッタを閉じて蒸着を終了した。同様の操作にてルツボ3−3、3−4からの連続蒸発を行い、膜厚400μmから成る実施例1の放射線画像変換パネル1を作製した。(図1(a)、図2(b)を参照)
実施例2:
ルツボの個数を8個設置可能な蒸着装置(図示せず)を用いて、1個のルツボの蒸発時間を15minとして、また次ルツボの開始時間を前ルツボの蒸発開始後12.5min後として、8個のルツボを実施例1と同様に順次蒸発させること以外は、実施例1と同様の方法にて、膜厚400μmから成る実施例2の放射線画像変換パネル2を作製した。
実施例3:
ルツボの個数を16個設置可能な蒸着装置(図示せず)を用いて、1個のルツボの蒸発時間を7.5minとして、また次ルツボの開始時間を前ルツボの蒸発開始後6min後として、16個のルツボを実施例1と同様に順次蒸発させること以外は、実施例1と同様の方法にて、膜厚400μmから成る実施例3の放射線画像変換パネル3を作製した。
比較例1:
実施例1にて、抵抗加熱ルツボ3−1を加熱して、続いてシャッタ4−1を開いて蒸着を30min間行った後シャッタを閉じてルツボ3−1からの蒸発を終了した。次ルツボの蒸発開始までの時間を1minとり、以下同様の操作にてルツボ3−2、3−3、3−4からの蒸発を行い、これ以外は実施例1と同様にして膜厚400μmから成る比較例1の放射線画像変換パネル4を作製した。(図1(b)、図2(b)参照)
比較例2:
比較例1にて4個のルツボを同時に蒸発させること以外は、比較例1と同様にして膜厚400μmから成る比較例2の放射線画像変換パネル5を作製した。
各放射線画像変換パネルについて、以下に示す方法に従って輝度の測定を行った。
<輝度(感度)測定>
輝度の測定は、各放射線画像変換パネルについて、管電圧80kVpのX線を蛍光体シート支持体の裏面側から照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して、その強度を測定して、これを輝度と定義し、放射線変換パネル4の輝度を1.0とした相対値で表示した。
Figure 2006064435
表1から明らかなように本発明の試料が比較に比して優れていることが分かる。
本発明の放射線画像変換パネルを製造するのに用いる蒸着装置を示す概略図である。 本発明の蒸発源上のシャッタの開閉のパターン図の一例を示す概略図である。

Claims (2)

  1. 支持体上にCsBr:Eu輝尽性蛍光体を有する輝尽性蛍光体層が気相堆積法(気相法)のにより形成される放射線画像変換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層の断面を励起光源にて支持体側から蛍光体層表面側に向かって励起した際に、発光強度の低い層と発光強度の高い層を交互に積層しないことを特徴とする放射線画像変換パネル。
  2. 真空容器内に複数の蒸発源および蒸発源数に対応した複数のシャッタを有する蒸着装置を用いて、請求項1に記載の放射線画像変換パネルを製造する際、複数個の蒸発源からの蒸発を繰り返して行う場合に、最初の蒸発源の蒸発が終了する前又は前の蒸発源の蒸発が終了する前に、それ以降の蒸発源をシャッタを開き蒸発源を蒸発させて製造することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5195424B2 (ja) * 2006-06-28 2013-05-08 コニカミノルタエムジー株式会社 シンチレータパネル

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