JP2006063220A - 蛍光体ペースト及びプラズマディスプレイパネル - Google Patents

蛍光体ペースト及びプラズマディスプレイパネル Download PDF

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Abstract

【課題】真空紫外線励起発光素子の製造過程における焼成時の輝度劣化の発生を少なくし、さらにプラズマディスプレイパネルが形成された後の長時間点灯における輝度劣化及び残光時間の劣化の発生を少なくさせる蛍光体ペースト及び蛍光体ペーストを使用したプラズマディスプレイパネル並びにその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る蛍光体ペーストは、液相法により製造された蛍光体粒子を用いて作製し、その際に、結合剤樹脂を含む溶剤中に蛍光体粒子を分散させるとともに、結合剤樹脂の重量平均分子量Mwを1000〜10000の範囲内から選ばれる少なくとも一種の重合体又は共重合体にする。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光体ペースト及びプラズマディスプレイパネルに係り、特に液相法により形成される蛍光体ペースト及びプラズマディスプレイパネルに関する。
近年、Ar,Xe,He,Ne,Xe−Ne等の希ガスをガラスなどの外囲器に封入し、その希ガスの放電によって放射される真空紫外線により外囲器内部又は外部の蛍光膜を励起して発光させる真空紫外線励起発光素子の開発が盛んに行われており、その一例として、プラズマディスプレイパネルが知られている。
プラズマディスプレイパネルは、電極を備えた2枚のガラス基板と、基板間に設けられた隔壁によって形成される多数の微小放電空間(以下、セルという。)とを有している。このセルの内壁には、蛍光体層が設けられ、Xe,Ne等を主成分とする放電ガスが封入されている。電極間に電圧を印加して基板上に規則正しく配置されたセルを選択的に放電させると、放電ガスに起因する真空紫外線が発生し、これにより蛍光体が励起されて可視光を発光する仕組みとなっている。
上記セルに電極から電気エネルギーを印加すると、セル内に希ガス放電を生じさせ、真空紫外線が放射される。この真空紫外線により蛍光体が励起され可視光を発し、これにより画像が表示されることとなる。フルカラーのプラズマディスプレイパネルの場合では、真空紫外線により、赤、青、緑に発光する蛍光体をマトリックス上に塗り分けることでフルカラー表示を行う。この場合において、赤色蛍光体として(Y,Gd)BO3:Eu、青色蛍光体としてBaMgAl1017:Eu、緑色蛍光体としてZn2SiO4:Mn等が広く使用されている(非特許文献1)。
プラズマディスプレイパネルは、一般的に蛍光体とエチルセルロース等の樹脂とブチルカルビトール等の溶媒を混合して蛍光体ペーストを作製し、これをスクリーン印刷法によりプラズマディスプレイパネルのセル内面に塗布して乾燥させた後、500℃前後で焼成することによりプラズマディスプレイパネルのセル内に蛍光体塗布膜(以下、蛍光膜という。)を形成する方法により製造されている。
また、プラズマディスプレイパネルの内面にフィルム上に感光性樹脂を含有する蛍光体ペーストを塗布、乾燥した後、所定のパターンに露光、現像して必要部分を残し、焼成することにより、プラズマディスプレイパネルのセル内に蛍光膜を形成する方法も提案されている。この方法であっても、蛍光体ペーストを塗布、乾燥、焼成を行う点では他の方法と変わりはない。
このように真空紫外線励起発光素子の製造過程においては、蛍光膜を形成するときに、蛍光体ペーストの塗布、乾燥、焼成することが必須となっている。
ところで、プラズマディスプレイパネルはより高い表示品位にするために、蛍光体層の発光輝度や発光効率の向上が望まれている。その結果、前記蛍光膜形成工程の焼成及びプラズマディスプレイパネル化された後の長時間点灯において蛍光体が劣化することがしばしば問題となっており、特に発光輝度の低下が指摘されていた。また、プラズマディスプレイパネル化された以降において、長時間点灯時に残光時間が長くなる問題も指摘されていた。
このため、蛍光膜形成工程や長時間点灯時の劣化の少ない蛍光体ペーストの開発が望まれていた。
前述した蛍光膜形成工程の焼成による輝度劣化の問題を改善するために、特許文献1で開示されている蛍光体粉末の酸化抑制を目的とする表面被覆法や、特許文献2で開示されているメタクリル酸結合剤による蛍光体構造の変化抑制、あるいは、特許文献3で開示されている蛍光体自体のスピネルブロック間のIn挿入が試みられている。また、長時間点灯による劣化を改善するために、特許文献4で開示されている蛍光体に含まれる付活剤の調節が試みられている。
特開平10−36827号公報 特開平10−324869号公報 特開平8−85787号公報 特開平8−60147号公報 工業調査会発行、「電子材料誌」1997年12月号
しかしながら、従来のこのような蛍光膜形成時の焼成や長時間点灯による輝度劣化を防止する技術では、これらの劣化を抑制するには不十分であった。また、蛍光体表面に他の化合物を被覆した場合には、蛍光体同士が凝集しやすくなり、蛍光体ペースト中での分散不良となり、ペーストを塗布する際の生産効率が低下しやすいという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、真空紫外線励起発光素子の製造過程における焼成時の輝度劣化の発生を少なくし、さらにプラズマディスプレイパネルが形成された後の長時間点灯における輝度劣化及び残光時間の劣化の発生を少なくさせる蛍光体ペースト及び蛍光体ペーストを使用したプラズマディスプレイパネル並びにその製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、
結合剤樹脂を含む溶剤中に蛍光体粒子を分散させてなる蛍光体ペーストであって、前記蛍光体粒子は液相法により製造されるとともに、前記結合剤樹脂は重量平均分子量Mwが1000〜10000の範囲内から選ばれる少なくとも一種の重合体又は共重合体であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、結合剤樹脂を含む溶剤中に蛍光体粒子を分散させてなる蛍光体ペーストであって、前記蛍光体粒子は液相法により製造されるとともに、前記結合剤樹脂は重量平均分子量Mwが1000〜10000の範囲内から選ばれる少なくとも一種の重合体又は共重合体であるので、液相法により得た均一な組成からなる結晶性の高い蛍光体粒子と、前記の数値に規定される重量平均分子量が小さい結合剤樹脂とを用いて蛍光体ペーストを作製させることができる。
請求項2記載の発明は、
請求項1に記載の蛍光体ペーストであって、前記結合剤樹脂は、乳酸の単独重合体又は乳酸と共重合性単量体との共重合体であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記結合剤樹脂は、乳酸の単独重合体又は乳酸と共重合性単量体との共重合体であるので、結合剤樹脂は重量平均分子量1000〜10000の範囲にある結合剤樹脂の中で、特に乳酸からなる重合体を用いることができる。
請求項3記載の発明は、
請求項1又は請求項2に記載の蛍光体ペ−スト組成物であって、下記式(1)で表される前記蛍光体粒子の単分散度が0.1〜40%であることを特徴とする。
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 (1)
請求項3記載の発明によれば、下記式(1)で表される前記蛍光体粒子の単分散度が0.1〜40%であり、このような特殊な形状を有することにより、結晶化させて最密充填構造を形成させた際に、充填率をあげることができる。
請求項4記載の発明は、
請求項1〜請求項3いずれか一項に記載の蛍光体蛍光体ペーストであって、前記蛍光体粒子の最短径を1とした場合の最長径の比率が1.5〜5.0であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記蛍光体粒子の最短径を1とした場合の最長径の比率が1.5〜5.0であり、このような特殊な形状を有することにより、結晶化させて最密充填構造を形成させた際に、充填率をあげることができる。
請求項5記載の発明は、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の前記蛍光体ペーストを用いて製造されるプラズマディスプレイパネル。
請求項5に記載の発明によれば、前記蛍光体ペーストを用いて製造されるプラズマディスプレイパネルであるので、プラズマディスプレイパネルは、蛍光体ペーストのもつ特性を如何なく発揮することができ、請求項1〜4と同等の作用を発揮することができる。
請求項1に記載の発明によれば、液相法により得た均一な組成からなる結晶性の高い蛍光体粒子と、前記の数値に規定される重量平均分子量が小さい結合剤樹脂とを用いて蛍光体ペーストを作製させることができるので、これを用いた蛍光体ペーストでは、蛍光体ペーストを焼成する際の酸化耐性を向上させ、結合剤燃焼時の気泡の混入、ピンホール・クラックの発生等、外圧の影響を抑制することができる等の焼成時の熱収縮を緩和し、輝度劣化を大幅に抑制することができる。
また、結合剤樹脂の蛍光体粒子への親和性を増加させ、蛍光体の充填密度を向上させることができ、分散性及び塗布性を向上させることができる。さらに、ペースト焼成時に結合剤樹脂を完全燃焼させることができ、不完全燃焼した炭素系物質の吸着や外圧の影響を低減させることができる。これらにより、焼成後も高い輝度を得ることができる。
したがって、このような蛍光体ペーストでは、真空紫外線励起発光素子の製造過程における焼成時の輝度劣化の発生を少なくし、さらにプラズマディスプレイパネルが形成された後の長時間点灯における輝度劣化及び残光時間の劣化の発生を少なくさせることができる。
請求項2に記載の発明によれば、結合剤樹脂は重量平均分子量1000〜10000の範囲にある結合剤樹脂の中で、特に乳酸からなる重合体を用いることができるので、請求項1に規定された重量平均分子量をもつ結合剤樹脂の中でも、さらに焼成による輝度の劣化、長時間稼動による輝度、残光性を改善することができる。
請求項3に記載の発明によれば、このような特殊な形状を有することにより、結晶化させて最密充填構造を形成させた際に、充填率をあげることができるので、蛍光体の発光輝度を向上させ、且つ、残光時間を短くさせることができる。
請求項4に記載の発明によれば、このような特殊な形状を有することにより、結晶化させて最密充填構造を形成させた際に、充填率をあげることができるので、蛍光体の発光輝度を向上させ、且つ、残光時間を短くさせることができる。
請求項5に記載の発明によれば、プラズマディスプレイパネルは蛍光体ペーストのもつ特性を如何なく発揮することができ、請求項1〜4と同等の作用を発揮することができるので、請求項1〜4と同等の効果を発揮することができ、長時間点灯における輝度劣化及び残光時間の劣化の発生を少なくすることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明に係る蛍光体ペーストについて説明する。本発明の蛍光体ペーストは、結合剤樹脂を含む溶剤中に蛍光体粒子を分散させている蛍光体ペーストであって、蛍光体粒子は液相法により製造されるとともに、結合剤樹脂の重量平均分子量Mwは1000〜10000の範囲内から選ばれる少なくとも一種の重合体又は共重合体である。
すなわち、蛍光体ペーストは、液相法により製造された蛍光体を結合剤樹脂を含む溶剤に分散させて構成されている。そこで、まず、蛍光体ペーストを構成する各成分について説明する。
まず、結合剤樹脂について説明する。
結合剤樹脂は、その重量平均分子量Mwが1000〜10000であり、好ましくは1000〜5000である重合体又は共重合体である。
結合剤樹脂の含有割合としては、蛍光体に対して1〜50%であることが好ましく、より好ましくは3〜50%である。結合剤樹脂の含有割合が過小である場合には、蛍光体を確実に結着保持させることができず、一方、過大であると形成される蛍光体層における発光輝度及び残光時間の劣化を招いてしまう。
前記分子量に該当する結合剤樹脂の具体例として、特に好ましいのは乳酸の単独重合体(以下、ポリ乳酸という。)、及び乳酸と共重合性単量体との共重合体(以下、乳酸共重合体という。)から選ばれる少なくとも1種の重合体又は共重合体(以下、乳酸系(共)重合体という。)である。ここで、乳酸(CH3CH(OH)COOH)は不斉炭素原子を有し、3種の光学異性体が存在するが、乳酸系(共)重合体を得るためには、使用する乳酸はL体、D体、DL体のいずれであってもよく、また、これらの光学異性体の混合物であってもよい。ポリ乳酸は乳酸を単独で脱水重縮合させることにより調整する。
乳酸共重合体を得るために乳酸と共に、使用される共重合性単量体としては、乳酸と共重合可能な単量体であれば、特に限定されるものではない。このような共重合性単量体としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、フマル酸等のジカルボン酸類、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、プロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオール類、蛍光体ペースト−ヒドロキシ酪酸、β−ヒドロキシ酪酸、γ−ヒドロキシ酪酸、蛍光体ペースト−ヒドロキシイソ酪酸、蛍光体ペースト−ヒドロキシ吉草酸、蛍光体ペースト−ヒドロキシイソ吉草酸、蛍光体ペースト−ヒドロキシ−蛍光体ペースト−メチル酪酸、蛍光体ペースト−ヒドロキシカプロン酸、蛍光体ペースト−ヒドロキシイソカプロン酸、蛍光体ペースト−ヒドロキシ−β−メチル吉草酸、蛍光体ペースト−ヒドロキシヘプタン酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸類、4−テトラノリド、5−ペンタノイド、6−ヘキサノイド、7−ヘプタノイド、8−オクタノイド、9−ノナノイド、10−デカノリド、11−ウンデカノリド、12−ドデカノリド等の環状ラクトン類を挙げることができる。共重合性単量体は、単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
乳酸共重合体は、乳酸と共重合性単量体とを、脱水重縮合又は開環重合させる方法により調整することができる。ここで、乳酸共重合体における乳酸の共重合割合は、通常10重量%以上とされ、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上とされる。
これらの乳酸系(共)重合体の好ましい分子量は、重量平均分子量Mwで3000〜100000であり、特に5000〜50000であることが好ましい。
この場合において、結合剤樹脂の含有割合としては、蛍光体に対して1〜50重量%であることが好ましく、さらに好ましくは3〜40重量%とされる。
なお、結合剤樹脂に従来から用いられているエチルセルロース等の結合剤樹脂を添加させてもよい。
次に、溶剤について説明する。溶剤は、乳酸系(共)重合体との相溶性が良好なものであれば、特に限定されるものではない。このような溶剤の具体例としては、酢酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、カルビトール等のジエチレングリコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル(酪酸メチル)、ブタン酸エチル(酪酸エチル)、ブタン酸プロピル(酪酸プロピル)、ブタン酸イソプロピル(酪酸イソプロピル)等の脂肪族カルボン酸のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等のエステル類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、テルピネオール等のモノテルペンアルコール類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。溶剤の含有割合は、蛍光体ペーストの可塑性又は流動性(粘度)が、後述するプラズマディスプレイの製造過程における成形処理又は塗布処理に適したものとなる範囲で適宜調整することができる。
なお、蛍光体ペーストに、蛍光体及び結合剤樹脂並びに溶剤の他に、任意成分として各種の添加剤を配合含有させてもよい。このような添加剤としては、例えば界面活性剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、低融点ガラス、顔料、染料等を挙げることができる。また、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂及び多官能(メタ)アクリレート等を組み合わせて配合含有させることにより感光性を付与することもできる。
また、蛍光体ペーストに含まれる蛍光体粒子の単分散度は、下記式(1)で示される単分散度が0.1〜40%であり、好ましくは0.1〜30%以下であり、更に好ましくは0.1〜20%である。
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 …(1)
また、蛍光体ペ−ストに含まれる蛍光体粒子は、その最短径と最長径の比率が1.5〜5.0からなる微粒子である。ここで、最短径とは、蛍光体粒子の表面の任意の2点a、b間の距離が最小となるaとbとをつないだ距離とし、最長径とは、蛍光体粒子の表面の任意の2点a、b間の距離が最大となるaとbとをつないだ距離を指しており、最短径と最長径の比率とは、最短径を1とした場合の最長径の大きさを指している。
前述したような単分散性と最短径及び最長径の比率を有する蛍光体粒子は後述する製造方法を用い、液相法の過程で蛍光体粒子を調節することにより制御することができる。その結果、このような蛍光体粒子を結晶化させて最密充填構造を形成させた際に、充填率をあげることができ、高輝度を達成し、焼成による蛍光体ペ−ストの劣化を少なくさせることができる。
ここで、本発明の蛍光体ペーストを作製するにあたって用いられる蛍光体として、以下のものを使用するのが好ましく、蛍光体を作製する際には、このような蛍光体を得ることができる蛍光体原料を用いることが好ましい。
赤色蛍光体として、例えば、(Y1-xEux23(0.025≦x≦0.060),(Y1-xEux)BO3(0.025≦x≦0.060),Y2SiO4Eu,(Y,Gd,Eu)BO3,Y(P,V)O4:Eu,GdBO3:Eu,ScBO3:Eu、一般式Lm2O3:R(Lmは、Gd,Y,La,Luのうち少なくとも1種であり、RはEu,Tb,Pr,Dy,Tm,Ce,Ybのうち少なくとも1種である。)で表される群から選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
また、緑色蛍光体として、例えば、Zn2SiO4:0.7〜7Mn,BaMgAl1219:Mn,BaAl1219:Mn,YBO3:Tb,(Ba,Sr,Mg)O・5Al23:Mn,BaMgAl1626:Eu,Mn、一般式(1−a)(bMO・6Al23)・a(MMg1-cMncAl1017)(Mは、Ba,Srのうち少なくとも1種であり、a,b,cは、それぞれ0.05≦a≦1.0,0.64≦b≦0.86,0.05≦c≦1.0,0.05≦a・c≦0.3の条件を満たす数)のMn付活アルミン酸塩、一般式(MxCeyTbz)PO4(Mは、La,Y,Cdのうち少なくとも1種であり、x,y,zはそれぞれ0.50≦x≦0.90,0≦y≦0.3,0.04≦z≦0.16)の群から選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
青色蛍光体としては、例えば、BaMgAl1423:Eu,Ba1-xEuxAl1017(0.045≦x≦0.25),Ba1-x-ySrxEuyMgAl1017(0.1≦x+y≦0.6),3(Ba,Mg)O・8Al23:Eu,CaWO4:Pb,Y2SiO5:Ce,YPVO4の群から選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
また、mM1O・nM2O・(M32-2XxAlx)O4(M1は、Ca,Sr,Baのうち少なくとも1種であり、M2は、Mg,Znのうち少なくとも1種であり、M3は、Si,Geのうち少なくとも1種であり、m,n,xはそれぞれ、0.5≦m≦3.5,0.5≦n≦2.5,0<x≦0.2)で表される化合物と、付活剤として挙げられるCe,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Mnからなる群から選ばれた少なくとも1種とを挙げることができる。
以下に、本発明の蛍光体ペーストの製造方法について説明する。本発明に係る蛍光体ペーストは、蛍光体の構成金属元素を含む溶液を混合して蛍光体の前駆体を形成する前駆体形成工程と、前駆体形成工程により得られた前駆体を固液分離した後、焼成して蛍光体を形成する焼成工程と焼成工程で得られた蛍光体を分散させて蛍光体ペーストを調整する蛍光体ペースト調整工程とを含む製造方法により得られる。
まず、前駆体形成工程について説明する。
前駆体形成工程では、液相法(「液相合成法」ともいう。)により前駆体を形成させる。
液相法とは、液体の存在下又は液中で蛍光体前駆体を作製することにより蛍光体を得る方法である。液相法では、蛍光体原料を液相中で反応させるので、反応は蛍光体を構成する元素イオン間で行われ、化学量論的に高純度な蛍光体が得やすく、表面にクラックの少ない均一な組成からなる結晶性の高い蛍光体粒子を得ることができる。そのため、焼成時の酸化耐性が向上し、結合剤燃焼時の気泡の混入、ピンホール・クラックの発生等、外圧の影響を抑制することができる。また、固相間反応と粉砕工程とを繰り返し行いながら蛍光体を製造する固相法と比して、粉砕工程を行わずとも微少な粒径の粒子を得ることができ、粉砕時にかかる応力による結晶中の格子欠陥を防ぎ、発光効率の低下を防止することができる。
本発明において、液相法として特に限定はないが、蛍光体の種類・用途に応じて従来公知の共沈法やゾルゲル法、反応晶析法を用いてもよく、好ましくは共沈法や反応晶析法を用いることであるが、特に好ましくは反応晶析法を用いることである。
共沈法とは、共沈現象を利用して、蛍光体の原料となる元素を含む溶液を混合し、さらに沈殿剤を添加することによって、蛍光体前駆体の母核の周囲に賦活剤となる金属元素等を析出させた状態で、蛍光体前駆体を合成する方法をいう。ここで、共沈現象とは、溶液から沈殿を生じさせたとき、その状況では十分な溶解度があり、沈殿しないはずのイオンが沈殿に伴われる現象をいう。蛍光体の製造においては、蛍光体前駆体の母核の周囲に、賦活剤を構成する金属元素などが析出する現象を指している。本発明における共沈法では、2種類以上の蛍光体原料溶液を 溶媒中に液中添加することが好ましく、より微小で粒度分布の狭い蛍光体を製造することができる。このとき、蛍光体の種類や所望の性能を得るために添加速度や添加位置、攪拌条件、pHなどの諸物性値を調整することが好ましい。
反応晶析法とは、晶析現象を利用して、液相中又は気相中で蛍光体の原料となる元素を含む原料溶液又は原料ガスを混合することにより蛍光体前駆体を作製する方法であるが、本発明における反応晶析法は液相中での反応であり、液相中での原料溶液の反応である。晶析現象とは、冷却、蒸発、pH調節、濃縮等による物理的または化学的な環境の変化、或は化学反応によって混合系の状態に変化を生じる場合等に液相中から固相が析出する現象を指している。したがって、本発明における反応晶析法による蛍光体前駆体の製造方法は、前述したような晶析現象発生の誘因となりえる物理的、化学的操作による製造方法を意味するものである。
なお、反応晶析法を適用する際の溶媒は反応原料が溶解すれば何を用いてもよいが、過飽和度制御のしやすさの観点から水が好ましい。複数の反応原料を用いる場合は、原料の添加順序は同時でも異なっていてもよく、活性によって適切な順序を適宜組み立てることができる。
また、反応晶析法を用いて前駆体を作製する際のいずれの工程においても、反応原料の添加速度、攪拌速度、反応中の温度、pH等の諸物性値を制御するのが好ましく、反応中に超音波を照射してもよい。また、粒径制御のために保護コロイドや界面活性剤等を添加してもよい。さらに、原料を添加し終えたら、必要に応じて溶液を濃縮又は熟成のうちのどちらか一方、あるいは両方行うことも好ましい態様の一つである。
なお、保護コロイドを用いて蛍光体前駆体形成を行う場合、保護コロイドは、原料溶液の一つ以上に添加させることができる。また、原料溶液の全てに添加させてもよい。保護コロイドの存在下で、前駆体を形成することにより、前駆体同士が凝集するのを防ぎ、前駆体を十分小さくすることができる。それにより、焼成後の蛍光体をより微粒子で、粒径分布が狭く、発光特性を良好にするなど、蛍光体の種々の特性を向上することができる。なお、保護コロイドの存在下で反応を行う場合には、前駆体の粒径分布の制御や副塩等の不純物排除に十分配慮することが必要である。
そのような保護コロイドとしては、天然、人工を問わず各種高分子化合物を使用することができるが、特にタンパク質が好ましい。その際、保護コロイドの平均分子量は10,000以上が好ましく、10,000以上300,000以下がより好ましく、特に10,000以上30,000以下が好ましい。
タンパク質としては、例えば、ゼラチン、水溶性タンパク質、水溶性糖タンパク質が上げられる。具体的には、アルブミン、卵白アルブミン、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパク質、遺伝子工学的に合成されたタンパク質等がある。中でも、ゼラチンを特に好ましく使用できる。
ゼラチンとしては、例えば、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチンを挙げることができ、これらを併用してもよい。更に、これらのゼラチンの加水分解物、これらのゼラチンの酵素分解物を用いてもよい。
また、前記保護コロイドは、単一の組成である必要はなく、各種バインダーを混合してもよい。具体的には、例えば、上記ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマーを用いることができる。
上記の共沈法、反応晶析法、ゾルゲル法いずれの液相合成法を利用する場合であっても、前駆体形成工程において、各液を均一に混合することが望ましい。各液の混合方法は特に限定されるものではないが、例えば、攪拌による混合方法は、混合状態等を制御しやすく、低コストであるので好ましい。また、混合方法としてはバッチ式、連続式、外部循環混合等どのような方法でもよい。
各液を均一に混合しながら前駆体を形成することにより、反応時のケイ酸亜鉛系蛍光体を構成する各イオンの分散が極めて良好になり、組成の均一な蛍光体を得ることができる。
このようにして得られた蛍光体前駆体は、本発明の蛍光体の中間生成物であり、この蛍光体前駆体を後述するような所定の温度に従って焼成することにより蛍光体が得られる。
なお、前駆体形成工程終了後、脱塩工程を行い、前駆体から副塩などの不純物を取り除くことが好ましい。脱塩工程としては、各種膜分離法、凝集沈降法、電気透析法、イオン交換樹脂を用いた方法、ヌーデル水洗法などを適用することができる。
脱塩工程終了後、濾過、蒸発乾固、遠心分離等の方法で固液分離して前駆体を回収する。
その後、回収された前駆体について乾燥工程を行うと好ましい。
乾燥温度としては20〜300℃の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは90〜200℃である。乾燥する方法としては、エバポレーションや、顆粒化しながら乾燥させるスプレードライを挙げることができる。
次に、蛍光体形成工程について説明する。
蛍光体形成工程では、上記蛍光体形成工程により得た蛍光体前駆体を焼成処理することにより蛍光体を形成させる。
蛍光体前駆体を焼成する際には、焼成温度は1000〜1700℃の範囲で行い、焼成時間は蛍光体の種類に合わせ、最も性能が高くなるように適宜調整する。また、焼成雰囲気は必要に応じて、不活性雰囲気(N2ガス雰囲気、不活性ガス雰囲気)、大気雰囲気(若しくは酸素雰囲気)、還元雰囲気のいずれか一つあるいはこれらを組み合わせたものなど用いることができ、適宜選択することができる。例えば、前駆体を所定のガス雰囲気中、前記の温度の間で0.5〜40時間で1回焼成するという方法は好ましい態様である。また、焼成装置については特に限定がなく、現在知られているあらゆる装置を使用することができる。例えば箱型炉、坩堝炉、円柱管型、ボート型、ロータリーキルン等が好ましく用いられる。
また、焼成時に必要に応じて焼結防止剤を添加してもよい。焼結防止剤を添加する場合は、蛍光体前駆体形成時にスラリーとして添加することができる。また、粉状のものを乾燥済前駆体と混合して焼成してもよい。
焼結防止剤は特に限定されるものではなく、蛍光体の種類、焼成条件によって適宜選択される。例えば、蛍光体の焼成温度域によって800℃以下での焼成にはTiO2等の金属酸化物が、1000℃以下での焼成にはSiO2が、1700℃以下での焼成にはAl23が、それぞれ好ましく使用される。
このように、液相法を経て作製した蛍光体粒子、特に反応晶析法を用いて作製した蛍光体粒子では、晶析中に保護コロイドや吸着物質を注意深く共存させることで、針状、円柱状、棒状、6角円柱状及び卵型状のような異方性の高い長径短径比が1.5より大きい粒子を形成することができ、蛍光体の結晶構造に応じて平滑な結晶面に囲まれたさまざまな多面体粒子を形成することができる。多面体粒子には、6面体・8面体・14面体等さまざま存在するが、その結晶構造は反応晶析法の晶析条件・吸着物質等で決定される。これは、多面体粒子が公知の球状の蛍光体とは、全く異なる平滑な結晶面で成り立っていることからも理解される。
また、この場合において、多面体粒子だけでなく、平板状粒子を形成することも可能である。平板状の形状には、円盤、楕円、多角形、多角形の一部又は全部の角が欠けているもの、多角形の一部又は全ての角に微粒子がエピクキシャル成長したもの等さまざまな形状が含まれる。この中でも、4角形平板・6角形平板からなる蛍光体は高輝度であり、好ましく用いられる。
また、本発明の蛍光体粒子は、同一の形状をもって蛍光体を構成しているため、蛍光体粒子及びその粒子からなる蛍光体は高輝度であり、特に蛍光体層を形成したときに従来の蛍光体に比較して高い発光輝度を示すことができる。
前記のような蛍光体粒子は蛍光体中に50%以上含有される場合に優れた性能を発揮し、より好ましくは70%以上含有される場合であり、更に好ましくは80%以上含有される場合である。また、粒子径については最短径が、0.5μm以下であることが好ましく、粒径分布は平均粒径の50%以内に80%以上の粒子が存在することが好ましい。なお、平均粒径とは、例えば球状、棒状、あるいは平板状の粒子の場合には粒子の体積と同等な球を考えたときの直径を示すものであるが、このような粒径分布を示す蛍光体粒子では、蛍光体層を形成したときの輝度を著しく上昇させることができる。
これは、板状の蛍光体粒子では板径と板厚の比が大きい、いわゆる扁平な粒子ではプラズマディスプレイを形成させた場合に、蛍光膜として隔壁や底部への被覆率が高くなるため、蛍光体層の紫外線吸収量を増大させることができるからであるが、これは、波長が143nm、173nmの紫外線は、CRTに用いられている電子線とは異なり、放電空間のごく表面にある蛍光体の最表面から0.1μm以下の層にしか侵入することができないため、蛍光体層の充填率や被覆率を高めれば、紫外線がより多く表面から吸収することができるからである。また、蛍光体自身が可視光の反射膜として作用しており、蛍光体の充填率を高めることにより反射強度の向上も同時に計ることができる。この効果は、全色の蛍光体層に板状の蛍光体粒子を用いることにより顕著に得ることが可能である。
なお、この場合において、板厚が薄すぎたり、板径が小さすぎると、蛍光体粒子が凝集するため、かえって輝度を低下させてしまう。実際には板厚0.1〜0.3μm、板径0.3〜0.6μmに設定するのが好ましい。
このようにして焼成工程を終了させた後、得られた焼成物に水洗、乾燥、篩い分け等の処理を施してもよい。
次に、蛍光体ペースト調整工程について説明する。
蛍光体ペースト調整工程では、焼成工程により得られた焼成物である蛍光体を分散処理することにより蛍光体ペーストを調整する。
蛍光体ペーストの調整は、蛍光体ペーストを構成する必須構成成分である蛍光体を結合樹脂が含有されている溶剤に下記の混練機を用いて混練させることにより行われる。この際、必要に応じて添加剤を添加させてもよい。その結果、蛍光体が結合樹脂及び溶剤に分散された蛍光体ペーストを得ることができるとともに、蛍光体ペーストは成型加工に好適な可塑性を有し、又は塗布に適した流動性、例えば5〜5000ポイズを有するペースト状の組成物に調整させることができる。
混練機としては、例えば、例えば、図1に示すようなダブルジェット式反応装置1や、高速攪拌型のインペラー型の分散機、コロイドミル、ローラーミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライタミル、遊星ボールミル、サンドミル等の媒体メディアを装置内で運動させてその衝突及び剪断力の両方により微粒化するもの、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル等の乾式型の分散機、超音波分散機、高圧ホモジナイザー等が挙げられる。なお、図1に示すダブルジェット式反応装置1では、2種類以上の液体を同時に等速添加し、分散することができるものであり、液体を混合させる反応容器2と、反応容器2の内部を攪拌する攪拌翼3とが備えられており、この反応容器2の底部には、反応容器2の内部と連通可能な2本のパイプ4,5が取設されている。各パイプ4,5には、ノズル6,7が設けられているとともに、各パイプ4,5の他端は図示しないタンクに接続されており、各タンクに、図示しないポンプが接続されて反応容器2の内部に液体の同時等速流入を可能にさせている。
なお、前述したような方法で調整された可塑性を有する本発明の蛍光体ペーストは、カレンダーロールや押出成形機等の各種の成形装置によって所定の形状、例えばシート状、フィルム状等に成形することができる。
次に、図2を参照して、本発明に係るプラズマディスプレイパネルを説明する。なお、プラズマディスプレイパネルには、電極の構造及び動作モードから大別すると、直流電圧を印加するDC型と、交流電圧を印加するAC型のものとがあるが、図2には、AC型プラズマディスプレイパネルの構成概略の一例を示した。
図2に示すプラズマディスプレイパネル8は、表示側に配置される基板である前面板10と前面板10に対向する背面板20とを備えている。
まず、前面板10について説明する。前面板10は、可視光を透過し、基板上に各種の情報表示を行うもので、プラズマディスプレイパネル1の表示画面として機能するものであり、前面板10には、表示電極11、誘電体層12、保護層13等が設けられている。
前面板10として、ソーダライムガラス(青板ガラス)等の可視光を透過する材料を好ましく使用できる。前面板10の厚さとしては、1〜8mmの範囲が好ましく、より好ましくは2mmである。
表示電極11は、前面板10の背面板20と対向する面に複数設けられ、規則正しく配置されている。表示電極11は、透明電極11aとバス電極11bとを備え、幅広の帯状に形成された透明電極11a上に、同じく帯状に形成されたバス電極11bが積層された構造となっている。なお、バス電極11bの幅は、透明電極11aよりも狭く形成されている。なお、表示電極11は所定の放電ギャップをあけて対向配置された2つの表示電極11で一組となっている。
透明電極11aとしては、ネサ膜等の透明電極を使用することができ、そのシート抵抗は、100Ω以下であることが好ましい。透明電極11aの幅としては、10〜200μmの範囲が好ましい。
バス電極11bは、抵抗を下げるためのものであり、Cr/Cu/Crのスパッタリング等により形成することができる。バス電極11bの幅としては、5〜50μmの範囲が好ましい。
誘電体層12は、前面板10の表示電極11が配された表面全体を覆っている。誘電体層12は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することができる。誘電体層12の厚さとしては、20〜30μmの範囲が好ましい。誘電体層12の表面は保護層13により全体的に覆われる。保護層13は、MgO膜を使用することができる。保護層13の厚さとしては、0.5〜50μmの範囲が好ましい。
次に、背面板20について説明する。
背面板20には、アドレス電極21、誘電体層22、隔壁30、蛍光体層35R、35G、35B等が設けられている。
背面板20は、前面板10と同様に、ソーダライムガラス等が使用できる。背面板20の厚さとしては、1〜8mmの範囲が好ましく、より好ましくは2mm程度である。
アドレス電極21は、背面板20の、前面板20と対向する面に複数設けられている。アドレス電極21も、透明電極11aやバス電極11bと同様に帯状に形成されている。アドレス電極21は、平面視において、表示電極11と直交するように、所定間隔毎に複数設けられている。
アドレス電極21は、Ag厚膜電極等の金属電極を使用することができる。アドレス電極21の幅は、100〜200μmの範囲が好ましい。
誘電体層22は、背面板20のアドレス電極21が配された表面全体を覆っている。この誘電体層22は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することができる。誘電体層22の厚さとしては、20〜30μmの範囲が好ましい。
誘電体層22上のアドレス電極21の両側方には、長尺に形成された隔壁30が背面板20側から前面板10側に立設されており、平面視において隔壁30は表示電極11と直交している。また、隔壁30は、背面板20と前面板10との間をストライプ状に区画した複数の微少放電空間(以下、放電セルという)31を形成しており、各放電セル31の内側には、希ガスを主体とする放電ガスが封入されている。
なお、隔壁30は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することができる。隔壁30の幅は、10〜500μmの範囲が好ましく、100μm程度がより好ましい。隔壁30の高さ(厚み)としては、通常、10〜100μmの範囲であり、50μm程度が好ましい。
放電セル31には、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに発光する蛍光体から構成された蛍光体層35R、35G、35Bのいずれかが規則正しい順序で設けられている。一つの放電セル31内には、平面視において表示電極11とアドレス電極21が交差する点が多数存在するようになっており、これら一つ一つの交点を最小の発光単位として、左右方向に連続するR、G、Bの3つの発光単位により1画素を構成している。各蛍光体層35R、35G、35Bの厚さは特に限定されるものではないが、5〜50μmの範囲が好ましい。
なお、蛍光体層35G,35R,35Bの形成に当たっては、前述の方法により製造した蛍光体ペーストを放電セル31に塗布又は充填し、その後乾燥及び焼成することにより隔壁側面30a及び底面30aに本発明の蛍光体ペーストが付着した蛍光体層35G,35R,35Bを形成させるものとする。
なお、蛍光体ペーストを放電セル31R、31G、31Bに塗布又は充填する際には、スクリーン印刷法、フォトリソグラフィー法、フォトレジストフィルム法、インクジェット法など種々の方法で行うことができ、例えばスクリーン印刷法によって蛍光体ペーストをガラス基板の表面に所定のパターンに印刷し、形成された塗布膜を乾燥させることにより、本発明の蛍光体ペーストによるパターン層を形成することができる。このスクリーン印刷法は、蛍光体やガラスフリットが無機物質として含有されている組成物において特に有用な塗布法である。また、印刷形成された塗布膜の乾燥条件としては、例えば、60〜100℃で5〜30分間とされる。また、乾燥後におけるパターン層の厚さは例えば5〜200μmとされる。
また、インクジェット法は、隔壁30のピッチが狭く、放電セル31が微細に形成されている場合であっても、隔壁30間に低コストで容易に精度良く均一に蛍光体ペーストを塗布又は充填できるので、特に好ましい。
このようにして、所定の形状に成形された本発明の蛍光体ペースト又は本発明の蛍光体ペーストにより形成されたパターン層は焼成されることにより結合剤樹脂、残留溶剤、有機系添加物等の有機物質が熱分解されて除去される。なお、結合剤樹脂として含有されている乳酸系(共)重合体は400℃〜600℃の温度で完全に熱分解されるため、焼成温度が比較的低い温度であっても得られる蛍光膜中に結合剤樹脂に由来する有機物質が残留することがない。また、焼成時の発熱量を少なくさせることができ、蛍光膜に結合剤樹脂の発熱による欠陥を生じさせることもない。
このようにプラズマディスプレイパネル8を構成させることにより、表示の際には、アドレス電極21と一組の表示電極11、11のうちいずれか一方の表示電極との間で選択的にトリガー放電を行わせることにより、表示を行う放電セルを選択させる。その後、選択された放電セル内において一組の表示電極11、11間でサステイン放電を行わせることにより放電ガスに起因する紫外線を生じさせ、蛍光体層35R、35G、35Bから可視光を生じさせることを可能にする。
以上のことから、本発明では、液相法により製造された蛍光体粒子から蛍光体ペーストを作製する際に、結合剤樹脂を含む溶剤中に蛍光体粒子を分散させるとともに、結合剤樹脂の重量平均分子量Mwを1000〜10000の範囲内から選ばれる少なくとも一種の重合体又は共重合体にさせることにより、液相法により得た均一な組成からなる結晶性の高い蛍光体粒子と、前記の数値に規定される重量平均分子量が小さい結合剤樹脂とを用いて蛍光体ペーストを作製することができる。
その結果、蛍光体ペーストを焼成する際の酸化耐性を向上させ、結合剤燃焼時の気泡の混入、ピンホール・クラックの発生等、外圧の影響を抑制することができる等の焼成時の熱収縮を緩和し、輝度劣化を大幅に抑制することができる。
また、このように重量平均分子量が小さい結合剤樹脂を用いたことで、結合剤樹脂の蛍光体粒子への親和性を増加させ、蛍光体の充填密度の高い蛍光体ペーストとさせることができ、蛍光体ペーストの分散性及び塗布性を向上させることができる。さらに、ペースト焼成時に結合剤樹脂を完全燃焼させることができ、不完全燃焼した炭素系物質の吸着や外圧の影響を低減させることができる。これらにより、焼成後も高い輝度を得ることができる。
また、蛍光体ペーストに含まれる結合剤樹脂に、乳酸の単独重合体又は乳酸と共重合性単量体との共重合体を用いることにより、前記したように規定された重量平均分子量をもつ結合剤樹脂の中でも、さらに焼成による輝度の劣化、長時間稼動による輝度、残光性を改善することができる。
また、前記式(1)で表される蛍光体粒子の単分散度が0.1〜40%である蛍光体ペ−スト及び蛍光体粒子の最短径と最長径の比率が1.5〜5.0である蛍光体ペ−ストを用いることにより、結晶化させて最密充填構造を形成させた際に、充填率をあげることができ、高輝度を達成することができるばかりでなく、焼成による蛍光体ペーストの劣化を少なくさせることができる。
したがって、本発明の蛍光体ペーストを用いて製造されたプラズマディスプレイパネルでは、製造過程における焼成時の輝度劣化の発生を少なくし、長時間点灯における輝度劣化及び残光時間の劣化の発生を少なくさせることができる。なお、本実施形態では、蛍光体ペーストを適用させた真空紫外線励起発光素子の一例としてプラズマディスプレイをとりあげたが、この他の真空紫外線励起発光素子に適用させた場合においても、本実施形態と同等の効果が得られるのは勿論である。
なお、前述した効果を評価するにあたって、以下の項目を検討した。
ペースト焼成劣化を評価するにあたって、前述した方法で製造された蛍光体を焼成させたときに焼成前後の蛍光体の輝度を測定し、焼成の前後で輝度が低下する程度(輝度維持率)を評価した。
また、経時輝度劣化を評価するにあたって、前述した方法で製造されたプラズマディスプレイの電極に同等維持電圧を印加させてから連続で長時間経過したときの輝度を測定し、電圧を長時間印加させた前後の蛍光体の輝度を測定し、電圧の長時間印加で輝度が低下する程度(輝度維持率)を評価した。
また、相対残光時間を評価するにあたって、蛍光体の残光時間を蛍光体寿命測定器(Photon technology international社製)を用いて測定した。
その際、蛍光体粒子の形状を観察するにあたり、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて蛍光体粒子の長径及び短径を測定した。
また、重量平均分子量を測定するにあたり、ゲル浸透クロマトグラフ分析装置GPCV2000(WATERS社製)用いて測定した。
また、単分散度を求めるにあたり、蛍光体に対して、レーザー回析散乱法を利用した粒度分布形(マイクロトラックHRA粒度分析計Model No.9320−X100)を用いて、粒度分布を測定した。
以下、本発明に係る実施例1〜実施例4を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例1では、緑色蛍光体としてZn2SiO4:Mn:Mg(母体原料がZn2SiO4であり、付活剤がMn)からなる本発明の蛍光体1及び比較例の蛍光体2を作製し、ペースト焼成劣化試験及び経時輝度劣化試験、残光時間経時劣化試験を行い、各処理において劣化の前後の相対発光輝度を評価するとともに、相対残光時間を評価した。まず、蛍光体1,2の合成について説明する。
1.蛍光体の作製
(1)液相法による蛍光体1の作製
水1000mlをA液とした。水500mlにSiのイオン濃度が0.5000mol/lになるようにNa3SiO3を溶解し、これをB液とした。水500mlにZnのイオン濃度が0.9500mol/l、付活剤(Mn)のイオン濃度が0.0500mol/lとなるようにZnCl2とMnCl2・4H2Oを溶解し、これをC液とした。
まず、図1に示す蛍光体の製造装置であるダブルジェット式反応装置1の反応容器2に溶液Aを入れ、40℃に保ち、攪拌翼3を用いて攪拌を行った。その状態で、同じく40℃に保った溶液B,Cを反応容器1の下部にある各ノズル6,7からポンプを用いて100ml/minの速度で等速添加を行った。添加後10分間熟成を行い、蛍光体の前駆体を得た。
その後、濾過乾燥して乾燥前駆体を得た。これを1200℃でN2雰囲気下で2時間焼成し、蛍光体No.1−1を得た。
また、前述した蛍光体No.1−1の作製方法において、等速添加を行う際の溶液A,B,Cの温度を45℃とし、添加速度を120ml/minに変更して等速添加を行う以外は同様の方法で蛍光体の作製を行い、これにより得られた蛍光体を蛍光体No.1−2とする。
(2)比較例の固相法による蛍光体2の作製
母体原料として、ZnOとSiO2をモル比2:1となるように配合する。次にこの混合物に対して、所定量のMn23を添加し、ボールミルで混合後、1200℃で、N2雰囲気下で2時間焼成し、蛍光体No.2−1を得た。
また、前述した蛍光体No.2−1の作製方法において、ボールミルで混合する際の混合時間を2時間とし、焼成する際の焼成温度を1300℃に変更して行う以外は同様の方法で蛍光体の作製を行い、これにより得られた蛍光体を蛍光体No.2−2とした。これは、蛍光体No.2−1に比べ、単分散度が広く、結晶形状が異なる(短径、長径比)粒子を得るような結晶生成がわざと不均一になる条件を想定したものである。
このようにして得られた各蛍光体に対して、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、蛍光体粒子の形状を観察した。蛍光体粒子の形状を観察するにあたり、蛍光体粒子を無作為に200粒子ずつ選定し、各蛍光体粒子の長径及び短径を測定し、その結果を表1に示した。
また、各蛍光体に対して、レーザー回析散乱法を利用した粒度分布形(マイクロトラックHRA粒度分析計Model No.9320−X100)を用いて、粒度分布を測定し、その結果から前記式(1)に基づき、単分散度を求め表1に示した。
2.蛍光体ペーストの作製
次に前述した方法で得られた蛍光体1,2について、蛍光体ペーストを作製する。
まず、前記1の過程で得た各蛍光体と、溶剤と、下記表1に示す結合剤樹脂とを用い、下記に示す組成で調合を行い、蛍光体懸濁液を得た。この際に、無作為に選定した各蛍光体に対して、ゲル浸透クロマトグラフ分析装置GPCV2000(WATERS社製)を用いて重量平均分子量Mwを測定し、下記表1に示すような分子量からなる蛍光体を、蛍光体ペーストの作製に使用した。
蛍光体 45質量%
結合剤樹脂 5質量%
ターピネオール 50質量%
得られた懸濁液を横型連続式メディア分散機(VMA−GETZMANN社製 DISPERMATT SL−C5)を用いて分散処理し、蛍光体ペーストNo.1〜蛍光体ペーストNo.14を得た。分散処理をするにあたっての分散条件は以下のとおりである。
ディスク回転数 5520rpm
ビーズ種 ジルコニア
ビーズ径 0.3mm
3.プラズマディスプレイの製造
次に前述した方法で得られた蛍光体ペーストNo.1〜蛍光体ペーストNo.14を用いて、図2に示した、ストライプ型のセル構造を持つ、交流面放電型のプラズマディスプレイパネル8を以下のように製造した。
まず、前面板10となるガラス基板上の所定の位置に、透明電極11aとして透明電極を配置する。次に、Cr−Cu−Crをスパッタリングし、フォトエッチングを行うことによりバス電極11bを透明電極11a上に形成し、表示電極11とする。そして、前記表面ガラス基板10上に、表示電極11を覆うように低融点ガラスを印刷し、これを500〜600℃で焼成することにより誘電体層12を形成する。さらに誘電体層12の上に、MgOを電子ビーム蒸着して保護膜13を形成する。
一方、背面板20上には、Ag厚膜を印刷し、これを焼成することにより、アドレス電極21を形成する。そして、前記背面板20上で、且つ、アドレス電極21の両側方に隔壁30を形成する。隔壁30は、低融点ガラスをピッチ0.2mmで印刷し、焼成することにより形成できる。さらに、前記隔壁30により区画された放電セル31内に前記2の過程で得た蛍光体ペーストNo.1〜蛍光体ペーストNo.14のうちいずれか一つを乾燥膜厚が30μmとなるようにスクリーン塗布法により塗布した。その後、蛍光体ペーストを120℃で乾燥を行い、次いで500℃で1時間焼成して、ペースト中の有機成分を除去し、放電セル31に蛍光体層35を形成した。
そして、前記電極11、21等が配置された前記前面板10と背面板20とを、それぞれの電極配置面が向き合うように位置合わせし、約1mmのギャップを保った状態で、その周辺をシールガラス(図示略)により封止する。そして、前記基板10、20間に、放電により紫外線を発生するキセノン(Xe)と主放電ガスのネオン(Ne)とを混合したガスを封入して気密密閉した後、エージングを行う。以上によって、プラズマディスプレイパネルを製造し、プラズマディスプレイパネル8とした。
4.蛍光体ペーストの評価
(1)ペースト焼成劣化試験
前述した方法でプラズマディスプレイパネルを製造する際の、蛍光体ペーストを塗布して蛍光体層を焼成させるときに焼成の前後で輝度が低下する程度(輝度維持率)を測定した。輝度維持率(%)をペースト焼成を行う前の粉体の状態で測定した輝度(初期輝度)に対する、焼成後の蛍光体層の状態で測定した輝度の比で表し、下記表1に示した。なお、初期輝度を蛍光体ペーストNo.9を100%としたときの相対値(%)で表し、合わせて表1に示した。
また、輝度の測定には、光源として146nmのエキシマランプ(ウシオ電機社製)を使用し、真空チャンバー内に各蛍光体ペーストから作製された蛍光体膜を設置して、真空度0.1torrにて一定距離から光線を照射し励起発光をした際の輝度計で測定した。
(2)経時輝度劣化試験
蛍光体ペーストNo.1〜蛍光体ペーストNo.14を用い、前述した方法で得られたプラズマディスプレイパネルに対して、電極に同等維持電圧(170Vの交流電圧)を印加させたときの緑色の輝度を測定した。電圧を印加させてから連続10000時間経過したときの輝度を測定し、印加直後の輝度を100%としたときの輝度維持率(%)を下記表1に示した。
(3)残光時間経時劣化評価
蛍光体ペーストNo.1〜蛍光体ペーストNo.14を用い、前述した方法で得られたプラズマディスプレイパネルに対して、前記の(2)と同様に、電圧を印加させてから連続10000時間経過させたときの残光時間と前述した方法で得られたペースト焼成前の粉体状態の蛍光体の残光時間を蛍光体寿命測定器(Photon technology international社製)を用いて測定した。残光時間は励起光を遮断した後の発光輝度が遮断直前の発光輝度の1/10になるまでの時間とし、蛍光体ペーストNo.9を100%としたときの相対残光時間(%)を下記表1に示した。
Figure 2006063220
表1に示すように、本発明の蛍光体ペースト蛍光体ペーストNo.1〜蛍光体ペーストNo.8及びこの蛍光体ペーストを用いて製造されたプラズマディスプレイパネルでは、ペースト焼成劣化及び経時輝度劣化、残光時間経時劣化に対して改善効果に優れていることがわかる。また、特にペースト焼成での改善効果に優れていることがわかる。
〔実施例2〕
実施例2では、赤色蛍光体として(YxGd1-x)BO3:Eu(母体原料が(YxGd1-x)BO3であり、付活剤がEu)からなる本発明の蛍光体3及び比較例の蛍光体4を作製し、得られた蛍光体3、4に対し、実施例1と同様に、ペースト焼成劣化試験及び経時輝度劣化試験、残光時間経時劣化試験を行い、各処理において劣化の前後の相対発光輝度を評価するとともに、相対残光時間を評価した。まず、蛍光体3,4の合成について説明する。
1.蛍光体の作製
(1)液相法による蛍光体3の作製
水1000mlをD液とした。水500mlにYのイオン濃度が0.4659mol/l,Gdのイオン濃度が0.2716mol/l、付活剤(Eu)のイオン濃度が、0.0388mol/lとなるようにY(NO33・6H2O,Gd(NO33,Eu(NO33・6H20を溶解し、これをE液とした。水500mlにBのイオン濃度が0.7763mol/lとなるようにH3BO3を溶解し、これをF液とした。
その後、実施例1で使用した図1に示す蛍光体の製造装置であるダブルジェット式反応装置1の反応容器2に溶液Dを入れ、40℃に保ち、攪拌翼3を用いて攪拌を行った。その状態で、40℃に保った溶液E,Fを溶液Dの入った反応容器1の下部にある各ノズル6,7からポンプを用いて100ml/minの速度で等速添加を行った。添加後10分間熟成を行い、蛍光体の前駆体を得た。
その後、前駆体を濾過乾燥して乾燥前駆体を得た。その後、これを1400℃で酸化雰囲気下(大気中)で2時間焼成し、蛍光体No.3−1を得た。
また、前述した蛍光体No.3−1の作製方法において、等速添加を行う際の溶液A,B,Cの温度を48℃とし、添加速度を130ml/minに変更して等速添加を行う以外は同様の方法で蛍光体の作製を行い、これにより得られた蛍光体を蛍光体No.3−2とする。
(2)比較例の固相法による蛍光体4の作製
母体原料として、Y23とGd23とEu23とH3BO3とをモル比0.6:0.3:0.1:1.0となるように配合する。次にこの混合物に対して、適量のフラックスを添加してボールミルで混合し、1400℃で、酸化雰囲気下(大気中)で2時間焼成し、蛍光体No.4−1を得た。
また、前述した蛍光体No.4−1の作製方法において、ボールミルで混合する際の混合時間を2時間とし、焼成する際の焼成温度を1450℃に変更して行う以外は同様の方法で蛍光体の作製を行い、これにより得られた蛍光体を蛍光体No.4−2とする。
このようにして得られた各蛍光体に対して、実施例1と同様に、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、蛍光体粒子の形状を観察し、各蛍光体粒子の長径及び短径を測定し、その結果を表2に示した。
また、各蛍光体に対して、実施例1と同様に、粒度分布形を用いて、粒度分布を測定し、その結果から前記式(1)に基づき、単分散度を求め表2に示した。
2.蛍光体ペーストの作製
次に前述した方法で得られた蛍光体3,4について、蛍光体ペーストを作製する。
まず、前記1の過程で得た各蛍光体と、溶剤と、下記表2に示す結合剤樹脂とを用い、下記に示す組成で調合を行い、蛍光体懸濁液を得た。この際に、無作為に選定した各蛍光体に対して、ゲル浸透クロマトグラフ分析装置GPCV2000(WATERS社製)を用いて重量平均分子量Mwを測定し、下記表2に示すような分子量からなる蛍光体を、蛍光体ペーストの作製に使用した。
蛍光体 45質量%
結合剤樹脂 5質量%
ターピネオール 50質量%
得られた懸濁液を実施例1と同様に分散処理し、蛍光体ペーストNo.15〜蛍光体ペーストNo.28を得た。
3.プラズマディスプレイの製造
次に前述した方法で得られた蛍光体ペーストNo.15〜蛍光体ペーストNo.28を用いて、図2に示した、ストライプ型のセル構造を持つ、交流面放電型のプラズマディスプレイパネル8を実施例1と同様に製造した。なお、本実施例においては、放電セル31内に蛍光体ペーストを塗布させる際に、実施例1で用いた蛍光体ペーストNo.1〜蛍光体ペーストNo.14を前記2の過程で得た蛍光体ペーストNo.15〜蛍光体ペーストNo.28に変更する以外は実施例1と同様の方法を用いて製造させている。
4.蛍光体ペーストの評価
(1)ペースト焼成劣化試験
前述した方法で得られた蛍光体ペーストNo.15〜蛍光体ペーストNo.28について、実施例1と同様にペースト焼成を行う前の粉体の状態で測定した輝度(初期輝度)及び焼成させたときの焼成の前後で輝度が低下する程度(輝度維持率)を測定し、その結果を下記表2に示す。なお、初期輝度は蛍光体ペーストNo.23を100%としたときの相対値(%)で示した。
(2)経時輝度劣化試験
蛍光体ペーストNo.15〜蛍光体ペーストNo.28を用い、前述した方法で得られたプラズマディスプレイパネルに対して、実施例1と同様に電極に同等維持電圧(170Vの交流電圧)を印加させ、そのときの赤色の輝度を測定した。電圧を印加させてから連続10000時間経過したときの輝度を測定し、印加直後の輝度を100%としたときの輝度維持率(%)を下記表2に示した。
(3)残光時間経時劣化評価
蛍光体ペーストNo.15〜蛍光体ペーストNo.28を用い、前述した方法で得られたプラズマディスプレイパネルに対して、実施例1と同様に、電圧を印加させてから連続10000時間経過させたときの残光時間とペースト焼成前の粉体状態の蛍光体の残光時間を測定した。残光時間は励起光を遮断した後の発光輝度が遮断直前の発光輝度の1/10になるまでの時間とし、蛍光体ペーストNo.23を100%としたときの相対残光時間(%)を下記表2に示した。
Figure 2006063220
表2に示すように、本発明の蛍光体ペーストNo.15〜蛍光体ペーストNo.22及びこの蛍光体ペーストを用いて製造されたプラズマディスプレイパネルでは、ペースト焼成劣化及び経時輝度劣化、残光時間経時劣化に対して改善効果に優れていることがわかる。また、特にペースト焼成での改善効果に優れていることがわかる。
〔実施例3〕
実施例3では、青色蛍光体としてBaMgAl1017:Eu(母体原料がBaMgAl1017であり、付活剤がEu)からなる本発明の蛍光体5及び比較例の蛍光体6を作製し、得られた蛍光体5,6に対し、実施例1、2と同様に、ペースト焼成劣化試験及び経時輝度劣化試験、残光時間経時劣化試験を行い、各処理において劣化の前後の相対発光輝度を評価するとともに、相対残光時間を評価した。まず、蛍光体5,6の合成について説明する。
1.蛍光体の作製
(1)液相法による蛍光体5の作製
水1000mlをG液とした。水500mlにBaのイオン濃度が0.0900mol/l,Mgのイオン濃度が0.1000mol/l、付活剤(Eu)のイオン濃度が0.01mol/lとなるようにBaCl2・2H2O,MgCl2・6H2O,EuCl3・6H20を溶解し、これをH液とした。水500mlにAlのイオン濃度が1000mol/lとなるようにAlCl3・6H2Oを溶解し、これをI液とした。
その後、実施例1,2で使用した図1に示す蛍光体の製造装置であるダブルジェット式反応装置1の反応容器2に溶液Gを入れ、40℃に保ち、攪拌翼3を用いて攪拌を行った。その状態で、同じく40℃に保った溶液H,Iを溶液Gの入った反応容器1の下部にある各ノズル6,7からポンプを用いて100ml/minの速度で等速添加を行った。添加後10分間熟成を行い、蛍光体の前駆体を得た。
その後、濾過乾燥して乾燥前駆体を得た。その後、これを1600℃で還元雰囲気下(H2中)で2時間焼成し、蛍光体No.5−1を得た。
また、前述した蛍光体No.5−1の作製方法において、等速添加を行う際の溶液A,B,Cの温度を45℃とし、添加速度を130ml/minに変更して等速添加を行う以外は同様の方法で蛍光体の作製を行い、これにより得られた蛍光体を蛍光体No.5−2とする。
(2)比較例の固相法による蛍光体6の作製
母体原料として、BaCO3とMgCO3と蛍光体ペースト−Al23とをモル比1:1:5となるように配合する。次にこの混合物に対して、所定量のEu23を添加する。その後、適量のフラックス(AlF2,BaCl2)を添加してボールミルで混合し、1600℃で、還元雰囲気下(H2中)で2時間焼成し、蛍光体No.6−1を得た。
また、前述した蛍光体No.6−1の作製方法において、ボールミルで混合する際の混合時間を2時間とし、焼成する際の焼成温度を1650℃に変更して行う以外は同様の方法で蛍光体の作製を行い、これにより得られた蛍光体を蛍光体No.6−2とする。
このようにして得られた各蛍光体に対して、実施例1と同様に、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、蛍光体粒子の形状を観察し、各蛍光体粒子の長径及び短径を測定し、その結果を表3に示した。
また、各蛍光体に対して、実施例1,2と同様に、粒度分布形を用いて、粒度分布を測定し、その結果から前記式(1)に基づき、単分散度を求め表3に示した。
2.蛍光体ペーストの作製
次に前述した方法で得られた蛍光体5,6について、蛍光体ペーストを作製する。
まず、前記1の過程で得た各蛍光体と、溶剤と、下記表3に示す結合剤樹脂とを用い、下記に示す組成で調合を行い、蛍光体懸濁液を得た。この際に、無作為に選定した各蛍光体に対して、ゲル浸透クロマトグラフ分析装置GPCV2000(WATERS社製)を用いて重量平均分子量Mwを測定し、下記表3に示すような分子量からなる蛍光体を、蛍光体ペーストの作製に使用した。
蛍光体 45.2質量%
結合剤樹脂 4.3質量%
ターピネオール 50.5質量%
得られた懸濁液を実施例1と同様に分散処理し、蛍光体ペーストNo.29〜蛍光体ペーストNo.42を得た。
3.プラズマディスプレイの製造
次に前述した方法で得られた蛍光体ペーストNo.29〜蛍光体ペーストNo.42を用いて、図2に示した、ストライプ型のセル構造を持つ、交流面放電型のプラズマディスプレイパネル8を実施例1と同様に製造した。なお、本実施例においては、放電セル31内に蛍光体ペーストを塗布させる際に、実施例1で用いた蛍光体ペーストNo.1〜蛍光体ペーストNo.14を前記2の過程で得た蛍光体ペーストNo.29〜蛍光体ペーストNo.42に変更する以外は実施例1と同様の方法を用いて製造させている。
4.蛍光体ペーストの評価
(1)ペースト焼成劣化試験
前述した方法で得られた蛍光体ペーストNo.29〜蛍光体ペーストNo.42について、実施例1と同様にペースト焼成を行う前の粉体の状態で測定した輝度(初期輝度)及び焼成させたときの焼成の前後で輝度が低下する程度(輝度維持率)を測定し、その結果を下記表3に示す。なお、初期輝度は蛍光体ペーストNo.37を100%としたときの相対値(%)で示した。
(2)経時輝度劣化試験
蛍光体ペーストNo.29〜蛍光体ペーストNo.42を用い、前述した方法で得られたプラズマディスプレイパネルに対して、実施例1と同様に電極に同等維持電圧(170Vの交流電圧)を印加させ、そのときの赤色の輝度を測定した。電圧を印加させてから連続10000時間経過したときの輝度を測定し、印加直後の輝度を100%としたときの輝度維持率(%)を下記表3に示した。
(3)残光時間経時劣化評価
蛍光体ペーストNo.29〜蛍光体ペーストNo.42を用い、前述した方法で得られたプラズマディスプレイパネルに対して、実施例1と同様に、電圧を印加させてから連続10000時間経過させたときの残光時間とペースト焼成前の粉体状態の蛍光体の残光時間を測定した。残光時間は励起光を遮断した後の発光輝度が遮断直前の発光輝度の1/10になるまでの時間とし、蛍光体ペーストNo.37を100%としたときの相対残光時間(%)を下記表3に示した。
Figure 2006063220
表3に示すように、本発明の蛍光体ペーストNo.29〜蛍光体ペーストNo.36及びこの蛍光体ペーストを用いて製造されたプラズマディスプレイパネルでは、ペースト焼成劣化及び経時輝度劣化、残光時間経時劣化に対して改善効果に優れていることがわかる。また、特にペースト焼成での改善効果に優れていることがわかる。
〔実施例4〕
実施例4では、青色蛍光体としてBaMgAl1017:Eu(母体原料がBaMgAl1017であり、付活剤がEu)からなる本発明の蛍光体7及び比較例の蛍光体8を作製し、得られた蛍光体7,8に対し、実施例1〜3と同様に、ペースト焼成劣化試験及び経時輝度劣化試験、残光時間経時劣化試験を行い、各処理において劣化の前後の相対発光輝度を評価するとともに、相対残光時間を評価した。まず、蛍光体7,8の合成について説明する。
1.蛍光体の作製
(1)液相法による蛍光体7の作製
水1000mlをJ液とした。水500mlにCaのイオン濃度が0.10mol/l,Mgのイオン濃度が0.10mol/l、付活剤(Eu)のイオン濃度が0.005mol/lとなるようにCa(NO32,MgCl2・6H2O,EuCl3・6H20を溶解し、これをK液とした。水500mlにSiのイオン濃度が0.30mol/lとなるようにNa3SiO3を溶解し、これをL液とした。
その後、実施例1,2で使用した図1に示す蛍光体の製造装置であるダブルジェット式反応装置1の反応容器2に溶液Jを入れ、40℃に保ち、攪拌翼3を用いて攪拌を行った。その状態で、同じく40℃に保った溶液K,Lを溶液Jの入った反応容器1の下部にある各ノズル6,7からポンプを用いて100ml/minの速度で等速添加を行った。添加後10分間熟成を行い、蛍光体の前駆体を得た。
その後、濾過乾燥して乾燥前駆体を得た。その後、これを1600℃で還元雰囲気下(H2中)で2時間焼成し、蛍光体No.7−1を得た。
また、前述した蛍光体No.7−1の作製方法において、等速添加を行う際の溶液A,B,Cの温度を50℃とし、添加速度を130ml/minに変更して等速添加を行う以外は同様の方法で蛍光体の作製を行い、これにより得られた蛍光体を蛍光体No.7−2とする。
(2)比較例の固相法による蛍光体8の作製
母体原料として、CaCO3とEu23とMg(OH)2とSiO2とをモル比0.98:0.01:1.00:2.00となるように配合する。次にこの混合物に対して、1200℃でH22%−Ar98%の雰囲気下で4時間焼成した。得られた焼成物に対して、乳鉢で粉砕し、再度1200℃でH22%−Ar98%の雰囲気下で2時間焼成した。このようにして、組成式がCa0.98Eu0.02Mg1Si26で表される蛍光体No.8−1を得た。
また、前述した蛍光体No.8−1の作製方法において、ボールミルで混合する際の混合時間を2時間とし、焼成する際の焼成温度を1250℃に変更して行う以外は同様の方法で蛍光体の作製を行い、これにより得られた蛍光体を蛍光体No.8−2とする。
このようにして得られた各蛍光体に対して、実施例1と同様に、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、蛍光体粒子の形状を観察し、各蛍光体粒子の長径及び短径を測定し、その結果を表4に示した。
また、各蛍光体に対して、実施例1と同様に、粒度分布形を用いて、粒度分布を測定し、その結果から前記式(1)に基づき、単分散度を求め表4に示した。
2.蛍光体ペーストの作製
次に前述した方法で得られた蛍光体7,8について、蛍光体ペーストを作製する。
まず、前記1の過程で得た各蛍光体と、溶剤と、下記表4に示す結合剤樹脂とを用い、下記に示す組成で調合を行い、蛍光体懸濁液を得た。この際に、無作為に選定した各蛍光体に対して、ゲル浸透クロマトグラフ分析装置GPCV2000(WATERS社製)を用いて重量平均分子量Mwを測定し、下記表4に示すような分子量からなる蛍光体を、蛍光体ペーストの作製に使用した。
蛍光体 45質量%
結合剤樹脂 5質量%
ターピネオール 50質量%
得られた懸濁液を実施例1と同様に分散処理し、蛍光体ペーストNo.43〜蛍光体ペーストNo.56を得た。
3.プラズマディスプレイの製造
次に前述した方法で得られた蛍光体ペーストNo.43〜蛍光体ペーストNo.56を用いて、図2に示した、ストライプ型のセル構造を持つ、交流面放電型のプラズマディスプレイパネル8を実施例1と同様に製造した。なお、本実施例においては、放電セル31内に蛍光体ペーストを塗布させる際に、実施例1で用いた蛍光体ペーストNo.1〜蛍光体ペーストNo.14を前記2の過程で得た蛍光体ペーストNo.43〜蛍光体ペーストNo.56に変更する以外は実施例1と同様の方法を用いて製造させている。
4.蛍光体ペーストの評価
(1)ペースト焼成劣化試験
前述した方法で得られた蛍光体ペーストNo.43〜蛍光体ペーストNo.56について、実施例1と同様にペースト焼成を行う前の粉体の状態で測定した輝度(初期輝度)及び焼成させたときの焼成の前後で輝度が低下する程度(輝度維持率)を測定し、その結果を下記表4に示す。なお、初期輝度は蛍光体ペーストNo.51を100%としたときの相対値(%)で示した。
(2)経時輝度劣化試験
蛍光体ペーストNo.43〜蛍光体ペーストNo.56を用い、前述した方法で得られたプラズマディスプレイパネルに対して、実施例1と同様に電極に同等維持電圧(170Vの交流電圧)を印加させ、そのときの赤色の輝度を測定した。電圧を印加させてから連続10000時間経過したときの輝度を測定し、印加直後の輝度を100%としたときの輝度維持率(%)を下記表4に示した。
(3)残光時間経時劣化評価
蛍光体ペーストNo.43〜蛍光体ペーストNo.56を用い、前述した方法で得られたプラズマディスプレイパネルに対して、実施例1と同様に、電圧を印加させてから連続10000時間経過させたときの残光時間とペースト焼成前の粉体状態の蛍光体の残光時間を測定した。残光時間は励起光を遮断した後の発光輝度が遮断直前の発光輝度の1/10になるまでの時間とし、蛍光体ペーストNo.51を100%としたときの相対残光時間(%)を下記表4に示した。
Figure 2006063220
表4に示すように、本発明の蛍光体ペーストNo.43〜蛍光体ペーストNo.50及びこの蛍光体ペーストを用いて製造されたプラズマディスプレイパネルでは、ペースト焼成劣化及び経時輝度劣化、残光時間経時劣化に対して改善効果に優れていることがわかる。また、特にペースト焼成での改善効果に優れていることがわかる。
本発明で使用したダブルジェット反応装置の概略構成図である。 本発明に係るプラズマディスプレイパネル一例を示した斜視図である。
符号の説明
1 プラズマディスプレイパネル
10 基板
20 基板
30 隔壁
31R、31G、31B 放電セル
35R、35G、35B 蛍光体層
40 隔壁

Claims (5)

  1. 結合剤樹脂を含む溶剤中に蛍光体粒子を分散させてなる蛍光体ペーストであって、前記蛍光体粒子は液相法により製造されるとともに、前記結合剤樹脂は重量平均分子量Mwが1000〜10000の範囲内から選ばれる少なくとも一種の重合体又は共重合体であることを特徴とする蛍光体ペースト。
  2. 前記結合剤樹脂は、乳酸の単独重合体又は乳酸と共重合性単量体との共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体ペースト。
  3. 下記式(1)で表される前記蛍光体粒子の単分散度が0.1〜40%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蛍光体ペ−スト。
    単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 (1)
  4. 前記蛍光体粒子の最短径を1とした場合の最長径の比率が1.5〜5.0であることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか一項に記載の蛍光体ペースト。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の前記蛍光体ペーストを用いて製造されることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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