JP2001101976A - ディスプレイ用蛍光体ペースト、ディスプレイ用部材およびディスプレイ - Google Patents
ディスプレイ用蛍光体ペースト、ディスプレイ用部材およびディスプレイInfo
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Abstract
より、輝度が高く高品位の表示の可能なディスプレイを
提供することを目的とする。 【解決手段】蛍光体粉末と樹脂成分を含有する蛍光体ペ
ーストであって、樹脂成分がガラス転移温度80℃以上
のアクリル系樹脂を含有し、かつ焼成後の輝度低下率が
10%以下であることを特徴とするディスプレイ用蛍光
体ペースト。
Description
レイパネル(PDP)、電子放出素子(フィールドエミ
ッション、FE)あるいは蛍光表示管素子(VFD)を
用いた画像形成装置などの蛍光体層を形成するディスプ
レイ用蛍光体ペーストに関する。
ラズマディスプレイパネル(PDP)は、液晶ディスプ
レイに比べて明るい画像が得られると共に、視野角が広
い、さらに大画面化、高精細化の要求に応えられること
から、そのニーズが高まりつつある。
れた放電空間(セル)内で対向する陽極および陰極間に
プラズマ放電を生じさせ、このセル内に封入されている
ガスから発生する紫外線をセル内に設けた蛍光体層にあ
てることにより表示を行うものである。
光体層の発光輝度や発光効率の向上が望まれている。し
かし一方では、蛍光体層を焼成することによる発光輝度
の低下が問題となっている。
報や特開平10−195428号公報には、蛍光体粒子
表面をリン酸系化合物あるいは金属アルコキシドで被覆
処理し、化学的に安定な状態とすることが示されてい
る。
よっても、まだ発光輝度の低下の抑制の効果は不十分で
あった。つまり、蛍光体粒子自体の焼成による劣化のみ
ならず、ペーストの他の成分や外的な要素により蛍光体
層の発光輝度の低下が起こると発明者等は考え、検討の
結果、ペーストの樹脂成分の焼成残分や、異物の付着も
輝度低下の重大な要素であることを見出した。
や蛍光体層への異物の付着を防ぐことにより、焼成して
も発光輝度を維持することができるような蛍光体ペース
トを提供することを目的とする。
体粉末と樹脂成分を含有する蛍光体ペーストであって、
樹脂成分がガラス転移温度が80℃以上のアクリル系樹
脂を含有し、かつ焼成後の輝度低下率が10%以下であ
ることを特徴とする蛍光体ペーストである。
体ペーストを用いて製造したことを特徴とするディスプ
レイ用部材およびディスプレイである。
本発明の蛍光体ペーストについて説明する。本発明の蛍
光体ペーストは、蛍光体粉末と樹脂成分を必須成分とす
る。蛍光体粉末と樹脂成分の含有量は、乾燥状態の蛍光
体ペーストに対して、蛍光体粉末90〜99.5重量%
と樹脂成分10〜0.5重量%であることが好ましい。
より好ましくは、蛍光体粉末95〜99重量%と樹脂成
分5〜1重量%、さらに好ましくは蛍光体粉末97〜9
9重量%と樹脂成分3〜1重量%である。樹脂成分が少
なすぎる場合には、ペースト中の蛍光体粉末の分散安定
性、ペーストの粘度や流動性、塗布膜の膜厚保持性など
を得ることができなくなる傾向にある。また、樹脂成分
が多すぎると、焼成による樹脂成分の除去が不完全とな
る傾向にあり、あるいは焼成で有機成分を除去するのに
時間を要し、蛍光体粉末の劣化を生じる傾向にある。
有することが重要である。
ため、焼成残分の残存をおさえることができる。蛍光体
ペーストの塗布膜の焼成によって、樹脂成分等の有機成
分は熱分解除去されて蛍光体層が形成されるが、この焼
成工程は、できる限り低温かつ短時間であることが蛍光
体粉末自体の劣化、特に輝度低下を防止する点で好まし
い。この観点から、低温で熱分解し除去が容易な有機成
分をできるだけ少量用いることが好ましい。またアクリ
ル系樹脂は、モノマーの種類が多いためガラス転移温度
(Tg)の変更が容易であり、官能基の導入なども簡単
にできるといった特徴を有する。
度が80℃以上であることが重要である。ガラス転移温
度が80℃未満であると樹脂自体の粘着性が強く、蛍光
体ペースト塗布膜の取扱いにおいて異物付着などのトラ
ブルを生じる。塗布膜上に付着した異物が残留した場
合、部分的に輝度低下を招いたり、極端な場合にはその
部分が発光しない場合もある。一方、ガラス転移温度を
80℃以上とすれば、樹脂の粘着性が小さく、塗布膜が
硬質なものとなり、異物が付着したとしても例えばエア
ーガンなどの簡便な方法で異物を除去することができ
る。
0万であることが好ましい。アクリル系樹脂の分子量と
熱分解性との関係においては、分子量の高い方がより低
温で熱分解が始まり、終了する。また樹脂成分の分子量
は、ペーストの粘度とも関係するので、上記の範囲の分
子量を有するアクリル系樹脂から適切なものを選択し使
用することが好ましい。
樹脂としては、ホモポリマーとしては、ポリメチルメタ
クリレート(PMMA)、ポリ−i−プロピルメタクリ
レート、ポリ−t−ブチルメタクリレート等を用いるこ
とができる。PMMAの熱減量曲線によると重量減少は
300℃以下の温度で始まり、重量減量率が90%以上
になる温度は400℃以下であり、良好な熱分解性を有
する。また、ポリ−i−ブチルメタクリレートの場合に
は重量減量率が100%に達する温度が350℃以下で
あり、これもまた熱分解性に優れている。これらの性質
は樹脂の焼成後の残存を無くし、また、蛍光体ペースト
塗布膜の焼成工程の低温化と短時間化を可能とし蛍光体
粉末が酸化劣化して輝度低下することを防止する上で非
常に効果的である。
るPMMAを用いることが好ましい。PMMAを樹脂成
分としたペーストは上記の理由に加え、理由は判然とし
ないが、蛍光体に付活元素として加えられている希土類
元素の酸化を抑制するため蛍光体層の発光輝度を高く保
持することが可能である。さらに、PMMAを樹脂成分
とするペーストは、ノズル吐出による塗布法には好適で
あり、スムースな塗布が可能になるなどの特徴がある。
的からアクリル系モノマーの共重合体を用いることも好
ましく、特に塗布性改善のためチキソトロピーを与えた
り、熱分解性を改善するのには、共重合体を用いること
が有効である。また、PMMAに少量のヒドロキシエチ
ルメタクリレートを共重合すると、スクリーン印刷法に
おけるチキソトロピーが改善されるといった効果も得ら
れる。共重合するモノマーとしては、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)ア
クリレート、フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートな
どが例示される。
の場合、有機溶媒としてはベンジルアルコールとテルピ
ネオールとの混合溶媒を用いることが好ましいが、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、
メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘ
キサノン、シクロペンタノン、i−ブチルアルコール、
i−プロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチ
ルスルフォキシド、γ−ブチロラクトンなどやこれらを
1種以上を含有する混合物を用いることもできる。
1-xEuxMgAl14O23(0.03≦x≦0.25)、Ba1-x
EuxMgAl10O17(0.045≦x≦0.25)、Ba1-x-y
SrxEuyMgAl10O17(0.1≦x+y≦0.6)、3
(Ba,Mg)O・8Al2O3:Eu、CaWO4:P
b,Y2SiO5:Ce,YPVO4の群から選ばれた少
なくとも1種を用いることが好ましい。
2SiO4:0.7〜7Mn、BaMgAl12O19:Mn、
BaAl12O19:Mn、YBO3:Tb、(Ba,S
r,Mg)O・5Al2O3:Mn、BaMgAl
16O26:Eu,Mn、一般式(1−a)(bMO・6A
l2O3)・a(MMg1-cMncAl10O17)(MはB
a,Srのうち少なくとも1種であり、a,b,cはそ
れぞれ0.05≦a≦1.0、0.64≦b≦0.86、0.05≦c≦1.0
および0.05≦a×c≦0.3なる条件を満たす数)のマン
ガン付活アルミン酸塩、一般式(MxCeyTbz)PO4
(MはLa,Y,Gdのうち少なくとも一種であり、
x、y、zはそれぞれ0.50.≦x≦90、0≦y≦0.3、0.0
4≦z≦0.16)の群から選ばれた少なくとも1種を用い
ることが好ましい。
ux)2O3 (0.025≦x≦0.060)、(Y1-xEux)BO
3(0.025≦x≦0.060)、Y2SiO5:Eu、(Y,G
d,Eu)BO3、Y(P,V)O4:Eu、GdB
O3:Eu、ScBO3:Eu、一般式Lm2O3:R(L
mはGd,Y,La,Luのうち少なくとも1種であ
り、RはEu,Tb,Pr,Dy,Tm,Ce,Ybの
うちの少なくとも1種)の内、少なくとも1つを使用す
ることが好ましい。2種を混合して用いることもある。
末は、初期輝度が高く、また熱処理に対する安定性の高
いものを用いることが好ましい。熱処理に対する安定性
の高い蛍光体粉末は、例えば化学量論的組成を有し、良
好な結晶性を有するものから得ることができる。化学量
論的組成を有するとは、物質を構成する各元素の原子の
比が簡単な整数比で表されることをいう。化学量論的組
成を有する蛍光体の熱処理に対する安定性が高くなるの
は、Eu、Mn等の付活元素が安定した状態で結晶格子
内に入るためと推定される。
するには、例えば所望の金属元素比相当の原料を仕込ん
だ上で、1500℃以上、好ましくは1550℃以上の
高温で合成することが好ましい。また例えば、青色蛍光
体における付活元素Euを2価の状態でドープするため
には、還元性雰囲気にて合成することが好ましい。
物などを付着し被覆するなどの表面処理をしたものを用
いることも輝度低下の少ない蛍光体ペーストを得るため
に好適である。リン酸系化合物としては、酸化リン、リ
ン酸およびリン酸塩などを用いることができ、リン
(P)に換算して蛍光体に対して0.003〜5重量%
用いることが好ましい。リン酸系化合物の被覆を施した
蛍光体粉末は、リン酸系化合物の少なくとも一種と、蛍
光体粉末を溶剤中で混合してスラリー化し、乾燥するこ
とで。このリン酸系化合物の被覆を施した蛍光体粉末
を、さらに200〜1000℃の温度範囲で焼成するこ
とが望ましい。焼成は、中性あるいは還元性雰囲気であ
ることが好ましい。この焼成により、蛍光体表面のリン
酸系化合物は分子内脱水され、より安定化される。
ことも好ましい。蛍光体の表面を金属酸化物の緻密な被
膜で被覆することで焼成による輝度の劣化のみならず経
時的な輝度の劣化をも抑制することができる。被覆に用
いる金属酸化物としてはCaO、BaO、SiO2など
が好ましい。また金属酸化物の量は、蛍光体粉末に対し
て0.01〜5重量%、さらには0.01〜2重量%の
範囲が好ましい。0.01重量%以上とすることで、輝
度低下の抑制の更なる効果を得ることができる。また5
重量%以下とすることで、蛍光体の発光を阻害しない。
にして施すことができる。金属アルコキシドを純水また
はアルコール水溶液に加えて溶解させ、濃度0.01〜
15重量%の溶液を調製し、これに蛍光体粉末を投入し
撹拌すると、金属アルコキシドが加水分解および縮合し
て金属酸化物を生じ、金属酸化物は蛍光体粉末表面に付
着する。次いでろ過・乾燥した後、大気中300〜50
0℃で熱処理して金属酸化物の緻密な被膜を形成するこ
とができる。金属アルコキシドとしては、直鎖状または
分岐状のアルキル基を有するものが好ましい。また熱処
理は、有機物を分解した後はアルゴン、窒素などの中性
雰囲気が好ましい。
るために、用いる蛍光体粉末の粒子の性状が重要で、ペ
ーストの性状、塗布性および焼成工程においての挙動に
影響を与える。これらは結果的に輝度の低下と関連する
ものである。
らには2〜4.5μmであることが好ましい。平均粒径
を1μm以上とすることで、粉末の凝集性を抑え、ペー
ストの塗布性を良好なものとし、塗布膜および焼成後の
蛍光体層の緻密性や均質性を良好なものとすることがで
きる。5μm以下とすることで、焼成後の蛍光体層表面
の凹凸を抑え、発光の乱反射による輝度の低下や輝度の
ばらつきを防ぐことができる。
下、さらには20μm以下とすることが好ましい。最大
粒径を30μm以下とすることで、焼成後の蛍光体層表
面の凹凸を抑えることができる。さらに20μm以下と
することは、粉末の充填性にも好ましい。また、最大粒
径は、蛍光体ペーストの塗布方法とも関わり、スクリー
ン印刷法の場合はメッシュの開口率と関係し、ノズル吐
出法などではノズル径と関係してくるので、これらの点
考慮することが肝要である。
点から球状に近いものの方がより好ましく使用できる。
状にも関係するが、1.2〜4.0m2/gであること
が好ましい。1.2m2/g以上とすることで、粒子が
粗くならずペースト塗布膜を緻密なものとし、また蛍光
体層表面の凹凸を抑えることができる。比表面積を4.
0m2/g以下とすることにより、粒子が細かくなりす
ぎず凝集を抑えることができる。
/cm3以上、さらには0.7g/cm3以上とすること
が好ましい。タップ密度とは、JIS Z2500(2
045)に記載の通り、振動させた容器内の粉末の単位
体積当たりの質量である。タップ密度を0.6g/cm
3 以上とすることで粉末のペーストへの充填性や分散性
がよくなり、気泡や凝集物を生じにくくなるため、緻密
かつ均質な塗布膜の形成に寄与する。またスムーズな脱
バインダーが可能となり、蛍光体層の焼成時間を短く抑
え、輝度低下を抑えることができる。
体粉末以外の有機成分(樹脂成分、溶剤、可塑剤などの
添加剤等)の含有比率は、40〜5重量%とすることが
好ましい。
ースト中の蛍光体粉末の分散安定性、塗布に適した粘度
の付与、塗布した場所での流動性と膜厚保持性などを良
好に保つことができる。また、有機成分40重量%以下
とすることで、焼成で有機成分除去に長い時間を掛け
ず、蛍光体の劣化を防ぎ、また有機成分の除去も充分に
行うことができる。さらに、焼成による減量分が少なく
てすむため内部ボイドの発生を抑え、蛍光体層の緻密性
を保つことができる蛍光体ペーストは、通常、バインダ
ーとなる有機成分を溶剤に溶解した溶液に蛍光体粉末を
混合し分散して形成される。塗布方法に応じた粘度の調
整は、溶剤量のコントロールで行われるが、分散剤、増
粘剤などが用いられることもある。
進んだ状態としておくことが肝要である。これはすなわ
ち塗布膜中の蛍光体粉末の分散状態が良好となり、有機
成分の熱分解除去性が輝度低下を抑制するように作用す
る。つまり、蛍光体微粒子の周囲に存在する有機成分が
熱分解する際に酸素が消費され、蛍光体微粒子の周囲は
局所的に還元性雰囲気となり、蛍光体微粒子の酸化を抑
制することが推察される。
ペーストは、焼成後の輝度低下率が10%以下であると
いう重要な特徴を有する。焼成後の輝度低下率とは、厚
み20μmで形成した塗布膜を500℃で15分間焼成
した後の輝度の低下率であると定義し、詳細には次のよ
うに測定することができる。
の輝度を測定する。蛍光体粉末約600mgを直径24
mm、深さ1mmの金属製の皿に盛り、ガラス板を押し
当てて平らにする。この試料をチャンバー内に入れ、3
×10-3m3/分の流速で純度99.9%以上の窒素ガ
スを流し、30分間放置してチャンバー内を窒素ガスで
置換する。その後、ウシオ電機社製のエキシマ光発光ラ
ンプH0012(照射口:直径27mm)を内蔵したエ
キシマ光照射装置から146nm紫外光を入射角20度
で試料面から25cm離れたところから照射する。輝度
の測定は、試料面の真上25cmに設置した輝度計(ミ
ノルタ社製LS100)で行う。
光体ペーストをスクリーン印刷法(スクリーン版:SU
S#200)を用いてガラス基板上に乾燥後に厚み20
μmになるように形成した塗布膜を、80℃のオーブン
で30分間乾燥させ、その後、焼成炉に入れ、3.5℃
/分の昇温速度で加熱し、500℃で15分間焼成した
ものを用いる。輝度の測定は上記と同じ方法で行い、こ
れを焼成後の輝度とする。
成後の輝度Lsとした場合、(1−Ls/Lp)×10
0(%)で示したものである。
蛍光体層の輝度が、蛍光体粉末の輝度に比べて低下する
ことはある程度不可避であるが、本発明のディスプレイ
用蛍光体ペーストは、その輝度低下率が10%以下であ
ることが好ましく、5%以下であることがより好まし
い。焼成後の輝度低下率が10%越えると、赤、緑、青
それぞれの色バランスがくずれることになり、高品位な
表示が得られなくなる。
スプレイ)次に、本発明の蛍光体ペーストを用いたディ
スプレイ用部材およびディスプレイについて、PDPの
作製手順に沿って説明する。また本発明の蛍光体ペース
トは、電子放出素子(フィールドエミッション、FE)
あるいは蛍光表示管素子(VFD)を用いた画像形成装
置などにも好ましく適用することができる。
る背面板に用いる基板としては、一般的なソーダライム
ガラスやソーダライムガラスをアニール処理したガラ
ス、または、高歪み点ガラス(例えば、旭硝子社製“P
D−200”)等を用いることができる。ガラス基板の
サイズは、1〜5mmの厚みのガラスを好ましく用いる
ことができる。
ケル、酸化錫、ITO等をスクリーン印刷や感光性導電
ペーストを用いたフォトリソグラフィー法によって、ア
ドレス電極層をパターン形成する。
極層の上に誘電体層を設けても良い。
に、電極層と平行に位置した隔壁をサンドブラスト法、
型転写法、フォトリソグラフィー法等によって形成す
る。本発明に使用する隔壁の材料としては特に限定され
ず、珪素およびホウ素の酸化物を含有する公知のガラス
材料が適用される。また、屈折率が1.5〜 1.68
のガラス材料を70重量%以上含むことがフォトリソグ
ラフィー法によって形成する場合有利である。
本発明の感光性蛍光体ペーストを塗布し、焼成して蛍光
体層を形成する。
リーン印刷法等を適用できるが、ディスペンサー法は均
一塗布がスムースに行われ輝度ムラの少ない蛍光体層の
形成が可能であり、特に好ましい。
まで加熱速度50〜300℃/時間で加熱し、450〜
530℃で10〜30分保持して行うと良い。
ストの点や放電空間を充分にとるという点からはある程
度薄いことが好ましく、5〜30μm、さらには5〜2
0μmで、またさらには5〜10μmであることが好ま
しいのだが、従来は焼成後の輝度低下率が大きくなる理
由から、実質的には蛍光体層を薄くすることは困難であ
った。しかし本発明により、10μm程度の薄い蛍光体
層も、実用に供し得る特性のレベルで得ることが可能と
なった。
するが、これらに限定されるものではない。
た粒度分布計(マイクロトラックHRA粒度分析計 M
ODEL No.9320−X100)を用いて測定し
た。測定条件は下記の通りで行った。 試料量 :1g 分散条件 :精製水中で1〜1.5分間超音波分散、分
散しにくい場合は0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム
水溶液中で行う。 粒子屈折率:無機粉末の種類によって変更する(リチウ
ム系ガラス粉末では、1.6、ビスマス系ガラス粉末で
は、1.88の値を使用した。) 溶媒屈折率:1.33 測定数 :2回。
を用い、粉末を入れた100cc容器を5分間振動した
後、粉末を摺りきり、100cc当たりの粉末質量を測
定した。
した。また、塗布膜の厚さを変更して測定したものもあ
り、その場合は塗布膜の厚さを明記している。尚、前述
のように、本検討の範囲内(塗布膜の厚さが20μm以
下)においては、塗布膜の厚さが薄くなると輝度低下率
は大きくなる傾向にある。
および水素からなる還元雰囲気中1450℃で合成した
BaMgAl10O17:Eu(Eu10%)を用いた。こ
の粉末の平均粒径は3.8μm、最大粒径は18μm、
タップ密度0.65g/cm3、比表面積は2.2m2/
gであった。
A(Tg:105℃)を用いた。
を、テルピネオール/ベンジルアルコール(重量比1
2.5/87.5)に溶解分散した蛍光体ペーストを、
スクリーン印刷法で乾燥厚み20μmの塗布膜とし、こ
れを500℃で15分間焼成した。この青色蛍光体ペー
ストの輝度低下率は6%であった。
緑色発色蛍光体としてZn2SiO4:Mn(Mn:0.
7重量%)を、赤色発光蛍光体として(Y1-xEux)B
O3(x=0.06)を用いて、上記の青色蛍光体ペー
ストと同様にして作製した。
0μm、高さ120μm、幅30μmのストライプ状隔
壁961本が形成されたガラス基板(電極形成済み)上
の隔壁間に塗布した。
するノズルにより行った。ノズルは赤、緑、青色の蛍光
体ペーストのそれぞれに1基ずつ使用した。ノズルを隔
壁と平行に一定速度で走行させながら蛍光体ペーストを
一定量吐出して隔壁間に1本ずつ塗布した。まず、赤色
蛍光体ペーストを所定の隔壁間に1本ずつ塗布した。こ
のとき、1本塗布が終了した位置において隔壁方向と垂
直方向にノズルを660μm移動させ、次は1本目と逆
方向にノズルを走行させながら2本目の隔壁間に塗布し
た。これを繰り返して、赤色蛍光体の所定位置の320
本を塗布した。塗布終了後、塗布面を上にして80℃で
40分間乾燥した。次に赤色蛍光体を塗布したとなりの
隔壁間に緑色蛍光体ペーストを同様に320本塗布して
乾燥した。さらに、緑色蛍光体を塗布した隣の隔壁間に
青色蛍光体を同様に320本塗布して乾燥した。その
後、得られたガラス基板を500℃で15分間焼成し
た。焼成後の蛍光体層の側面厚み、底部厚みを電子顕微
鏡により観察したところ、各色蛍光体が側面に20±3
μm、底部も同じく20±3μmの厚みでストライプ状
に形成されて、本発明のディスプレイ用部材としてプラ
ズマディスプレイ用の背面板を得ることができた。
ラズマディスプレイ用の前面板とを張り合わせ封着し、
ガス封入し、駆動回路を接続してプラズマディスプレイ
を作製した。このパネルに電圧を印加して表示を行っ
た。全面点灯時の輝度を大塚電子社製の測光機MCPD
−200を用いて測定した。輝度は350cd/m2で
あり、コントラストは300:1であり、満足のいく表
示特性が得られた。
リレート95重量%と2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート5重量%からなる分子量7万の共重合体(Tg:約
100℃)を用いた他は実施例1を繰り返した。実施例
1に比してスクリーン印刷での塗布性が改善された。こ
の青色蛍光体ペーストの輝度低下率は6%であった。
び水素からなる還元雰囲気中1450℃で合成したBa
MgAl10O17:Eu(Eu15%)を用意した。この
粉末の平均粒径は3.5μm、最大粒径は15μm、タ
ップ密度0.63g/cm3、比表面積は2.2m2/g
であった。この蛍光体粉末を次のように処理して酸化バ
リウム被膜を形成した。すなわち、純水500重量部に
バリウムエトキシド12重量部を加え、30分間撹拌し
て溶解させた。これに青色蛍光体粉末100重量部を投
入して60分間撹拌してからろ過して、蛍光体粉末を回
収・乾燥し、大気中において400℃で1時間焼成し
た。
光体粉末を青色蛍光体粉末として用いた以外は実施例1
を繰り返した。この青色蛍光体ペーストの輝度低下率は
5%であった。また、塗布膜厚さ15μmの場合の輝度
低下率は7%であった。
3で用いたのと同じものを用い、樹脂成分として実施例
2で用いたのと同じ共重合体を用い、青色蛍光体粉末と
樹脂成分の比率を99重量%:1重量%とした以外は、
実施例1を繰り返した。実施例1に比してスクリーン印
刷での塗布性が改善された。この青色蛍光体ペーストの
輝度低下率は5%であった。
光体粉末を用意し、カルシウムエトキシドを用いて実施
例3と同様に被覆処理を施し、酸化カルシウムが被覆さ
れた青色蛍光体粉末とした。
−ブチルメタクリレート(Tg:107℃)を用いた。
色蛍光体ペーストの輝度低下率は5%であった。
光体粉末を用意し、テトラエトキシシリコーンを用いて
実施例3と同様に被覆処理を施し、酸化ケイ素が被覆さ
れた青色蛍光体粉末とした。そして青色蛍光体粉末と樹
脂成分の比率を99重量%:1重量%とした。これら以
外は実施例1を繰り返した。
%であった。
ィスプレイ用の背面板およびプラズマディスプレイを作
製した。全面点灯時の輝度を大塚電子社製の測光機MC
PD−200を用いて測定した。輝度は320cd/m
2であり、コントラストは280:1であった。
リレート90重量%とt−ブチルアクリレート10重量
%からなる分子量8万の共重合体(Tg:約90℃)を
用い、青色蛍光体粉末と樹脂成分の比率を99重量%:
1重量%としたほかは、実施例1を繰り返した。
可能であった。この青色蛍光体ペーストの輝度低下率は
5%であった。
00℃とし、青色蛍光体粉末と樹脂成分の比率を97重
量%:3重量%とした以外は実施例1を繰り返した。こ
の粉末の図平均粒径は3.9μm、最大粒径は19μ
m、タップ密度0.73g/cm3、比表面積は2.0
m2/gであった。
%であった。また、塗布膜厚さ15μmの場合の輝度低
下率は5%であった。
50℃とした以外は実施例1を繰り返した。この青色蛍
光体は、平均粒径4.1μm、最大粒径19μm、タッ
プ密度0.75g/cm3、比表面積1.8m2/gであ
った。
%であった。また、塗布膜厚さ10μmの場合の輝度低
下率は3%であった。
n2SiO4:Mn(Mn:2.5%)を用いた。この
粉末の平均粒径は2.8μm、最大粒径は11μm、タ
ップ密度0.70g/cm3、比表面積は3.0m2/g
であった。また、緑色蛍光体粉末と樹脂成分の比率を9
6重量%:4重量%とした。これ以外は実施例1を繰り
返した。
%であった。
l12O19:Mn(Mn2%)を用意した。この粉末
は、平均粒径3.4μm、最大粒径13μm、タップ密
度0.71g/cm 3、比表面積は2.5m2/gであっ
た。この蛍光体粉末に対してバリウムエトキシドを用い
て実施例3と同様に被覆処理を施し、酸化バリウムが被
覆された緑色蛍光体粉末とした。
−i−プロピルメタクリレート(Tg:81℃)を用い
た。
緑色蛍光体ペーストの輝度低下率は3%であった。
施例10で用いたのと同じものを用いた。また樹脂成分
としては分子量13万のポリ−t−ブチルメタクリレー
ト(Tg:107℃)を用いた。また、緑色蛍光体粉末
と樹脂成分の比率を97重量%:3重量%とした。これ
ら以外は実施例1を繰り返した。
%であった。また、塗布膜厚さ10μmの場合の輝度低
下率は5%であった。
施例10で用いたのと同じものを用いた。また樹脂成分
としては、分子量8.5万のポリ−i−プロピルメタク
リレート(Tg:81℃)を用いた。また緑色蛍光体粉
末と樹脂成分の比率を95重量%:5重量%とした。こ
れら以外は実施例1を繰り返した。
%であった。また、塗布膜厚さ10μmの場合の輝度低
下率は6%であった。
のポリ(4−クロロスチレン)を用いた他は実施例1を
繰り返した。
分間焼成した後、樹脂成分による残存炭素が認められ
た。また、輝度低下率は10%を越えた。
イ用部材およびプラズマディスプレイを作製した。全面
点灯時の輝度を大塚電子社製の測光機MCPD−200
を用いて測定した。輝度は200cd/m2と低く、コ
ントラストは100:1であった。
ポリ−n−プロピルメタクリレートを用いた他は実施例
1を繰り返した。取扱中に蛍光体層に異物の付着が認め
られたためこれを除去すべくエアーガン処理を行った
が、焼成後の蛍光体層に異物に帰因する発光しない部分
が認められた。
維持することができるような蛍光体ペーストを提供する
ことが可能であり、従って表示特性の良好なディスプレ
イ及びその部材を提供することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】蛍光体粉末と樹脂成分を含有する蛍光体ペ
ーストであって、樹脂成分がガラス転移温度80℃以上
のアクリル系樹脂を含有し、かつ焼成後の輝度低下率が
10%以下であることを特徴とするディスプレイ用蛍光
体ペースト。 - 【請求項2】アクリル系樹脂の分子量が5万〜30万で
あることを特徴とする請求項1記載のディスプレイ用蛍
光体ペースト。 - 【請求項3】アクリル系樹脂がポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)であることを特徴とする請求項1、2の
いずれか記載のディスプレイ用蛍光体ペースト。 - 【請求項4】プラズマディスプレイパネルの蛍光体層の
形成に用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
記載のディスプレイ用蛍光体ペースト。 - 【請求項5】電子放出素子を用いた画像形成装置の蛍光
体層の形成に用いることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれか記載のディスプレイ用蛍光体ペースト。 - 【請求項6】蛍光表示管素子を用いた画像形成装置の蛍
光体層の形成に用いることを特徴とする請求項1〜3の
いずれか記載のディスプレイ用蛍光体ペースト。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれか記載のディスプレ
イ用蛍光体ペーストを用いて製造したことを特徴とする
ディスプレイ用部材。 - 【請求項8】請求項1〜6のいずれか記載のディスプレ
イ用蛍光体ペーストを用いて製造したことを特徴とする
ディスプレイ。
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---|---|---|---|
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ID=17637924
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JP28135299A Expired - Fee Related JP4258075B2 (ja) | 1999-10-01 | 1999-10-01 | ディスプレイ用蛍光体ペースト、ディスプレイ用部材およびディスプレイ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006139989A (ja) * | 2004-11-11 | 2006-06-01 | Jsr Corp | プラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法 |
JP2009167241A (ja) * | 2008-01-11 | 2009-07-30 | Toray Ind Inc | 蛍光体ペースト及びそれを用いたプラズマディスプレイパネルの製造方法。 |
CN112639570A (zh) * | 2018-07-31 | 2021-04-09 | 东丽先端素材株式会社 | 颜色转换片和包括其的背光单元 |
-
1999
- 1999-10-01 JP JP28135299A patent/JP4258075B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2021533404A (ja) * | 2018-07-31 | 2021-12-02 | 東レ先端素材株式会社Toray Advanced Materials Korea, Inc. | 色変換シート及びこれを含むバックライトユニット |
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