JP2006063146A - 接着剤組成物及びその加工品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 泡立ち等塗工槽内の塗工液の状態が乱れやすく、良好な塗工面が得られにくい高速塗工時でも、各種基材、剥離材に対し平滑な塗工面が得られる水分散型接着剤組成物及びその加工品の提供。
【解決手段】 (メタ)アクリル酸エステルを主成分とした水分散型アクリル樹脂(A)と水分散型樹脂(B)からなり、樹脂(A)と樹脂(B)のうち、より大きい体積平均粒子径を有する樹脂と、より小さい体積平均粒子径を有する樹脂の体積平均粒子径の比が0.15〜0.60であり、ハーキュレス高剪断粘度計の回転数8800rpmまでの間でトルクの低下がなく、かつ、回転数の上昇及び下降の過程の回転数−トルク曲線が滑らかな曲線を有しており、更に塗布速度100〜2500m/分の速度で塗布可能であり、樹脂固形分が60質量%以上であることを特徴とする接着剤組成物、並びに、前記接着剤組成物を用いた粘着加工品。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粘着性のテープ、ラベル、シートあるいは両面テープ等の各種粘着性加工品における粘着剤に使用される接着剤組成物、及びそれを用いた粘着加工品に関するもので、平滑面が得られにくい高速塗工時においても平滑な塗工面を得ることができる、水分散型接着剤組成物及びその加工品に関するものである。
現在、水分散型粘着剤組成物は、無有機溶剤型であるため、有機溶剤型粘着剤と比較して、当該有機溶剤が乾燥等により大気中に飛散・分散することがないので、大気汚染が少ないこと、安全衛生に優れていること等の利点があるため、近年広く普及してきている。
このような利点をもつ水分散型粘着剤組成物は、紙またはフイルム、シート等の基材に直接塗布するか、あるいは剥離材に塗布した後、各種基材に転写することで、粘着性のテープ、ラベル、シートあるいは両面テープ等の各種粘着性製品に加工される。
上記の塗布工程においては、従来は比較的低速(100m/min以下)の塗工速度で行われていたが、粘着加工品の生産性を向上し、製造コストを低下させるためには、各種基材への粘着剤組成物の塗工速度をより高速で行う必要がある。しかしながら、水分散型粘着剤の場合、塗工速度を上げることによって、乾燥効率が低下したり、粘着剤に加わるせん断応力が高くなることにより凝集物が発生しやすくなる、あるいは、塗工剤槽内に気泡が発生しやすくなる等の問題が生じるため、自ずと塗工速度に制限が加わり、十分な生産性の向上に結び付けることは困難であった。
この問題を解決する手段として、水分散型粘着剤の固形分を上げ乾燥効率を向上させたり、機械的安定性を向上させる添加剤を加え凝集物の発生を抑える等の方法が挙げられる。しかしながら、これらの条件を満足する全ての粘着剤組成物が、高速塗工性に優れているとは言えないことが明らかとなっている。この課題に関し、特開平8−218047号公報では、水分散型アクリル系粘着剤組成物に関し、固形分を50重量%以上、重合体粒子の平均粒子径を0.2μm以上、及びせん断速度1.0x10(1/s)における粘度を20mpa・s以上にすることで高速塗工に適した粘着剤組成物を提案しているが、これらの条件を満足するものが全て高速塗工性を有するとは限らなかった。
特開平8−218047号公報
本発明は、泡立ち等塗工槽内の塗工液の状態が乱れやすく、また、良好な塗工面が得られにくい高速塗工時においても、各種基材、剥離材に対し平滑な塗工面を得ることができる水分散型接着剤組成物及びその加工品を提供しようとするものである。
本発明者らは、これらの問題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定の、体積平均粒子径の比を有する2種類の樹脂を主成分とし、高剪断粘度測定時に滑らかな曲線を有する、固形分60%以上の特定組成の接着剤組成物が優れた塗工性を有し、良好な塗工面が得られにくい高速塗工時においても、各種基材、剥離材に対し平滑で良好な塗工面を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とした水分散型アクリル樹脂(A)と水分散型樹脂(B)からなり、前記樹脂(A)と前記樹脂(B)のうち、より大きい体積平均粒子径を有する樹脂の体積平均粒子径に対する、より小さい体積平均粒子径を有する樹脂の体積平均粒子径の比が0.15〜0.60であり、ハーキュレス高剪断粘度計における回転数8800rpmまでの粘度測定において、回転数を上昇させたとき回転数8800rpmまでの間でトルクの低下がなく、かつ、回転数の上昇及び下降の過程の回転数−トルク曲線が滑らかな曲線を有しており、更に基材或いはシリコン等で処理された剥離紙上に塗布速度100〜2500m/分の速度で塗布可能であり、樹脂固形分が60質量%以上であることを特徴とする接着剤組成物、
並びに、前記接着剤組成物を用いた粘着加工品
である。
本発明の接着剤組成物は、高速塗工に適した固形分と粘性挙動を有しており、これを使用して塗工すれば高速塗工時においても平滑な塗工面を得ることができ、従来品より格段に生産性の優れた粘着加工品を製造することができる。
以下、本発明の方法をさらに詳細に説明する。
本発明の水分散型アクリル樹脂(A)の主成分を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、具体的には、例えばメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、sec−ブチル−、tert−ブチル−、n−アミル−、イソアミル−、n−ヘキシル−、シクロヘキシル−、ヘプチル−、オクチル−、2−エチルヘキシル−、2−エチルオクチル−、デシル−、ドデシル−、オクタデシル−、ラウリル−、ステアリル−、等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを含む単量体が挙げられる。これらは単独で、或いは2種類以上混合して用いることができるが、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜10、更にはアルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を2種類以上混合して用いるのがより好ましい。アルキル基の炭素数が長くなりすぎると、重合反応がスムーズに進行しない傾向がある。
水分散型アクリル樹脂(A)中の上記(メタ)アクリル酸エステル単量体の使用量としては70〜99質量%さらには75〜99質量%が好ましい。70質量%未満では粘着剤としての十分な粘着力が得られにくい傾向にある。また99質量%を超えると粘着剤として十分な凝集力が得にくくなり易い傾向にある。
また上記(メタ)アクリル酸エステル単量体との共重合成分である官能基を有するエチレン性不飽和単量体としては、具体的には水酸基を含有する単量体として例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタアクリレート、カルボキシル基を含有する単量体として例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、グリシジル基を含有する単量体として例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルシンナート、アリルグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンモノエポサイド、アミド基を含有する単量体として例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、スルホン酸基を含有する単量体として例えばスチレンスルホン酸及びその塩類、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩類、アリルスルホン酸及びその塩類、メタアリルスルホン酸及びその塩類、等が挙げられ、これらは単独で、或いは2種類以上混合して用いることができる。
共重合体中の上記官能基を有するエチレン性不飽和単量体の使用量としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体100質量%に対して、1〜30質量%さらには1〜10質量%が好ましい。更に好ましくは、1〜5質量%である。
1質量%未満ではエマルションの重合および機械的安定性が低くなり易いため、重合中の粗大粒子の発生やせん断応力下における凝集物発生の原因となり易い傾向にある。また30質量%を超えると粘着剤のガラス転移温度が高くなることによって十分な粘着力が得られにくい傾向にある。
本発明の水分散型アクリル樹脂(A)は、上記の主成分の他に、必要に応じて2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体及びその他のモノエチレン性不飽和単量体等を共重合しても良い。
まず、2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、具体的には、例えばブタジエン、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられ、これらは単独で、或いは2種類以上混合して用いることができる。
その他のモノエチレン性不飽和単量体としては、例えば酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、塩化ビニル、ビニルピロリドン等のビニル系単量体が挙げられる。
これら単量体成分の使用量は、一般的には前記2成分100質量%に対して、0〜20質量%の範囲で用いられる。
本発明の水分散型樹脂(B)は、水に不溶な有機物をコロイド状態で水に分散させたものであれば特に制限はないが、有機物の例としては、例えばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ブタジエン系樹脂、ゴム系樹脂、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、粘着付与樹脂、等が挙げられる。中でも粘着剤としての性能を向上させるために、粘着付与樹脂を選択する事が好ましい。
本発明の接着剤組成物中の、水分散型アクリル系樹脂(A)と水分散型樹脂(B)の使用比率としては、樹脂(A)100質量%に対して、樹脂(B)1〜100質量%さらには3〜80質量%が好ましい。さらに好ましくは5〜60質量%である。樹脂(A)と樹脂(B)を上記比率にするための手段は特に制限されるものではないが、通常、樹脂(A)と樹脂(B)を各々製造後、所定比率で混合・撹拌する手段が用いられる。
樹脂(B)の比率が1質量%未満であると、使用比率が少なすぎるために高剪断粘度測定時に滑らかな曲線が得られにくくなり、100質量%を超えると粘着3物性(接着力・凝集力・タック)のバランスがとりにくくなる。
本発明の水分散型アクリル樹脂(A)を構成する、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分としこれに官能基を有するエチレン性不飽和単量体、必要に応じて2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体及びその他のモノエチレン性不飽和単量体(以下アクリル系単量体と称す)の共重合体を製造する方法としては、特に制限はないが、通常、公知の乳化重合法に従って行うことで十分であり、特殊な方法を必要とするものではない。すなわち、水、上記アクリル系単量体混合物、界面活性剤、連鎖移動剤(重合度調節剤)、ラジカル重合開始剤を基本構成とする乳化重合法である。
まず、界面活性剤としては、具体的には例えば脂肪酸石鹸、ロジン石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンコポリマー等のノニオン性界面活性剤が挙げられ、通常アニオン性界面活性剤単独またはアニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤の混合系で用いられる。さらに必要に応じて、ラジカル重合性の界面活性剤またはカチオン性界面活性剤を用いることができる。
また、連鎖移動剤としては、具体的には例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール等のメルカプタン類、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
また、ラジカル開始剤としては過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物、2,2−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾビス化合物等が挙げられるが、特に過硫酸塩が好ましい。
本発明の乳化重合において、重合温度は60〜90℃の範囲が一般的であるが、重亜硫酸ソーダ、アスコルビン酸(塩)、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合開始剤と組み合わせた低温レドックス重合を用いることもできる。また必要に応じて水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、りん酸水素ナトリウム等のPH調節剤、あるいはPH緩衝剤等の重合調節剤を添加することもできる。
また、本発明の接着剤組成物は、アルカリ中和を行うことによって安定性を向上させることもできる。中和剤としては例えばアンモニア水溶液、水酸化ナトリウム等の水酸化物、アミン等を用いることができる。
上記乳化重合により得られた水分散型アクリル樹脂(A)と、水分散型樹脂(B)の体積平均粒子径の比は、樹脂(A)/樹脂(B)或いは樹脂(B)/樹脂(A)により計算されるが、具体的には[より小さい体積平均粒子径を有する樹脂の粒子径]/[より大きい体積平均粒子径を有する樹脂の粒子径]、により求められる値であり、その範囲としては0.15〜0.60さらには0.17〜0.60が好ましい。更に好ましくは0.20〜0.58である。0.15未満では[より小さい体積平均粒子径を有する樹脂の粒子径]が小さくなりすぎるために固形分が十分に高められなくなる、あるいは、[より大きい体積平均粒子径を有する樹脂の粒子径]が大きくなりすぎるために、接着剤組成物中の粒子が沈降する等の問題が生じる場合がある。又、0.60より大きい場合は粒子径の差が小さいために、高剪断粘度測定時に滑らかな曲線が得られにくくなる。
本発明における高剪断下での粘度測定は、熊谷理機工業(株)製ハーキュレス高剪断粘度計を用い、Fボブ・スイープ時間20秒・最高回転数8800rpmの条件で測定する。
本発明では、回転数−トルク曲線が特定の回転数でトルクが低下する事なく、滑らかに最高回転数まで上昇する必要がある。最高回転数まで滑らかに上昇しない場合は、高速塗工性が劣る場合がある。また、回転数の上昇及び下降の過程の回転数−トルク曲線は滑らかな曲線である。
本発明の接着剤組成物の樹脂固形分(濃度)としては60質量%以上が必要である。また、固形分は75質量%が上限である。固形分の範囲としては、好ましくは60質量%〜70質量%が好ましく、より好ましくは62質量%〜68質量%である。60質量%未満の固形分では乾燥に多くのエネルギーを必要とするため、実用性の面より高速塗工に優れているとはいえない場合がある。75質量%を超えると乾燥効率はあがるものの製造時の粘度が高くなり過ぎ、操作性が悪い等の問題が生じ易くなるため実用的ではない場合がある。
以上のようにして得られた接着剤組成物には、要求される物性や性能を付与するために、粘着剤の分野で使用されている種類及び量の配合剤を、本発明の効果を損なうことのない範囲で、必要に応じて添加することができる。
添加できる配合剤としては、例えば増粘剤、機械的安定性付与剤、粘着付与剤、レベリング剤、濡れ剤、造膜助剤、架橋剤、防腐剤、防錆剤、顔料、充填剤、分散剤、凍結防止剤、消泡剤等が挙げられ、これらは単独で、或いは2種類以上組み合わせて使用する事ができる。
本発明の接着剤組成物は、基材或いはシリコン等で処理された剥離紙上に塗工する場合、100m/分から2500m/分まで幅広い塗工速度に対応することができるが、好ましくは100m/分から2000m/分、更には300m/分から1500m/分がより好ましい。100m/分未満の塗工速度でも塗布することは可能であるが、生産性の高い製造方法とは言い難い場合がある。また、2500m/分を超える塗工速度では、粘着剤にかかるせん断応力が大きくなりすぎて、凝集物の発生の原因となり易い傾向にある。
本発明の粘着加工品の製造方法において、上記水分散型粘着剤組成物の塗工作業は、通常、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、ブレードコーター、コンマコーター、キスコーター、スリットダイコーター、リップコーター、カーテンコーター等の塗工機器によって容易に行うことが出来る。
以上、説明してきた通り、本発明の粘着剤組成物は、幅広い塗工速度での塗工が可能であり、特に高速塗工時においても良好な塗工面を得ることができ、生産性の優れた粘着加工品の製造が可能となる。

以下に実施例、及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、例中の部は質量部を、%は質量%をそれぞれ表す。さらに各物性値の測定は次の方法で行った。
1)固形分(単位:%)
水分散型粘着剤組成物約2gをシャーレに精秤し、105℃で3時間乾燥後再び精秤し、次式により算出した。
固形分(%)=(A−B)/A×100
ここで、Aは乾燥前の重量であり、Bは105℃で3時間乾燥した後の重量である。
2)粒子径(μm)
大塚電子(株)製LPA−3100を使用し、動的光散乱方式により測定した体積平均粒子径。
3)粒子径の比
上記装置で測定した樹脂(A)及び樹脂(B)の体積平均粒子径に関して、[より小さい体積平均粒子径を有する樹脂の粒子径]/[より大きい体積平均粒子径を有する樹脂の粒子径]にて算出。
4)高剪断粘度
熊谷理機工業(株)製:ハーキュレス高剪断粘度計を使用し、Fボブ・スイープ時間20秒・最高回転数8800rpmの条件で測定した時の、回転数−トルク曲線を測定した。
5)塗工性
スロットダイコーターにて350m/分の速度で塗工し、塗工面の平滑性及び塗膜の乾燥性を観察した。
6)樹脂保存安定性
本発明の接着剤組成物を室温で1週間保管時に、樹脂の沈降状態を観察。
7)粘着3物性バランス
JIS Z0237に準拠し粘着3物性(接着力・保持力・ボールタック)を測定し、樹脂(B)を配合後の粘着3物性バランスの変化を確認。

また、実施例・比較例中で使用した単量体は、下記の略称で表す。
2−エチルヘキシルアクリレート・・・2EHA
メチルメタアクリレート・・・MMA
アクリル酸…AA
n−ドデシルメルカプタン・・・nDM

[実施例1]
窒素導入管、攪拌機を設置した温度調節可能な反応器に蒸留水120部、過硫酸カリウム4.2部を仕込み窒素気流下で80℃まで昇温した後、2EHA546部、MMA108部、AA6部、nDM0.2部からなる単量体混合物をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム9部、蒸留水211部に乳化分散させた単量体乳化物を4時間で連続的に添加し、さらに80℃で3時間反応を継続し、重合を完結させた後冷却した。完結させたエマルションをアンモニア水にてPHを7.5に調整後、得られたアクリル共重合体エマルジョンに対し、ノプコ8034(消泡剤:サンノプコ(株)製)を0.2部、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム(ネオコールSW−C:第一工業製薬製)を1.0部加え、会合型増粘剤(アデカノールUH−420:旭電化工業(株)製)を23℃におけるB型回転粘度計での60回転の粘度が3000mPa・sとなる量を添加し、固形分65.1%、体積平均粒子径が540nmの水分散型アクリル樹脂(A)−1を得た。
得られた水分散型アクリル樹脂(A)−1に、水分散型樹脂(B)として、重合ロジン系粘着付与樹脂−1(体積平均粒子径303nm,固形分56.2%)を、樹脂(A)/樹脂(B)=100部/20部の比率で配合し、接着剤組成物を得た。

[実施例2]
実施例1で得られた水分散型アクリル樹脂(A)−1に、水分散型樹脂(B)として、重合ロジン系粘着付与樹脂−1(体積平均粒子径303nm,固形分56.2%)を、樹脂(A)/樹脂(B)=100部/60部の比率で配合し、接着剤組成物を得た。

[実施例3]
実施例1で得られた水分散型アクリル樹脂(A)−1に、水分散型樹脂(B)として、重合ロジン系粘着付与樹脂−2(体積平均粒子径208nm,固形分50.1%)を、樹脂(A)/樹脂(B)=100部/20部の比率で配合し、接着剤組成物を得た。

[実施例4]
実施例1で得られた水分散型アクリル樹脂(A)−1に、水分散型樹脂(B)として、アクリル共重合エマルション−3(体積平均粒子径97nm,固形分40.0%)を、樹脂(A)/樹脂(B)=100部/20部の比率で配合し、接着剤組成物を得た。

[比較例1]
実施例1で得られた水分散型アクリル樹脂(A)−1に、水分散型樹脂(B)として、重合ロジン系粘着付与樹脂−1(体積平均粒子径303nm,固形分56.2%)を、樹脂(A)/樹脂(B)=100部/0.5部の比率で配合し、接着剤組成物を得た。

[比較例2]
実施例1で得られた水分散型アクリル樹脂(A)−1に、水分散型樹脂(B)として、重合ロジン系粘着付与樹脂−1(体積平均粒子径303nm,固形分56.2%)を、樹脂(A)/樹脂(B)=100部/120部の比率で配合し、接着剤組成物を得た。

[比較例3]
実施例1で得られた水分散型アクリル樹脂(A)−1に、水分散型樹脂(B)として、重合ロジン系粘着付与樹脂−4(体積平均粒子径556nm,固形分58.5%)を、樹脂(A)/樹脂(B)=100部/20部の比率で配合し、接着剤組成物を得た。

[比較例4]
実施例1で得られた水分散型アクリル樹脂(A)−1に、水分散型樹脂(B)として、アクリル共重合エマルション−5(体積平均粒子径71nm,固形分30.4%)を、樹脂(A)/樹脂(B)=100部/20部の比率で配合し、接着剤組成物を得た。

[比較例5]
実施例1同様な装置で、反応器に蒸留水242部、過硫酸カリウム3.0部を仕込み窒素気流下で80℃まで昇温した後、2EHA576部、MMA78部、AA6部、nDM0.3部からなる単量体混合物をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム9部、蒸留水199部に乳化分散させた単量体乳化物を4時間で連続的に添加し、さらに80℃で3時間反応を継続し、重合を完結させた後冷却した。完結させたエマルションをアンモニア水にてPHを7.5に調整後、得られたアクリル共重合体エマルジョンに対し、ノプコ8034(消泡剤:サンノプコ(株)製)を0.2部、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム(ネオコールSW−C:第一工業製薬製)を1.0部加え、会合型増粘剤(アデカノールUH−420:旭電化工業(株)製)を23℃におけるB型回転粘度計での60回転の粘度が3000mPa・sとなる量を添加し、固形分58.5%、体積平均粒子径が227nmの水分散型アクリル樹脂(A)−2を得た。
得られた水分散型アクリル樹脂(A)−2に、水分散型樹脂(B)として、重合ロジン系粘着付与樹脂−4(体積平均粒子径556nm,固形分58.5%)を、樹脂(A)/樹脂(B)=100部/20部の比率で配合し、接着剤組成物を得た。

[比較例6]
実施例同様な装置を用いて、反応器に蒸留水120部、過硫酸カリウム6.0部を仕込み窒素気流下で80℃まで昇温した後、2EHA546部、MMA108部、AA6部、nDM0.2部からなる単量体混合物をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6部、蒸留水211部に乳化分散させた単量体乳化物を4時間で連続的に添加し、さらに80℃で3時間反応を継続し、重合を完結させた後冷却した。完結させたエマルションをアンモニア水にてPHを7.5に調整後、得られたアクリル共重合体エマルジョンに対し、ノプコ8034(消泡剤:サンノプコ(株)製)を0.2部、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム(ネオコールSW−C:第一工業製薬製)を1.0部加え、会合型増粘剤(アデカノールUH−420:旭電化工業(株)製)を23℃におけるB型回転粘度計での60回転の粘度が3000mPa・sとなる量を添加し、固形分64.9%、体積平均粒子径が690nmの水分散型アクリル樹脂(A)−3を得た。
得られた水分散型アクリル樹脂(A)−3に、水分散型樹脂(B)として、重合ロジン系粘着付与樹脂−2(体積平均粒子径208nm,固形分50.1%)を、樹脂(A)/樹脂(B)=100部/20部の比率で配合し、接着剤組成物を得た。

上記実施例および比較例で得られた各接着剤組成物の配合表を表1に、塗工性及び粘着物性バランス等評価結果を表2に示した。
Figure 2006063146
Figure 2006063146
本発明の粘着剤組成物は、幅広い塗工速度での塗工が可能であり、特に高速塗工時においても良好な塗工面を得ることができ、生産性の優れた粘着加工品の製造が可能となる。
実施例3で得られた接着剤組成物の、高剪断粘度測定による回転数−トルク曲線である。 比較例1で得られた接着剤組成物の、高剪断粘度測定による回転数−トルク曲線である。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とした水分散型アクリル樹脂(A)と水分散型樹脂(B)からなり、前記樹脂(A)と前記樹脂(B)のうち、より大きい体積平均粒子径を有する樹脂の体積平均粒子径に対する、より小さい体積平均粒子径を有する樹脂の体積平均粒子径の比が0.15〜0.60であり、ハーキュレス高剪断粘度計における回転数8800rpmまでの粘度測定において、回転数を上昇させたとき回転数8800rpmまでの間でトルクの低下がなく、かつ、回転数の上昇及び下降の過程の回転数−トルク曲線が滑らかな曲線を有しており、更に基材或いはシリコン等で処理された剥離紙上に塗布速度100〜2500m/分の速度で塗布可能であり、樹脂固形分が60質量%以上であることを特徴とする接着剤組成物。
  2. 水分散型樹脂(B)が、水に不溶な有機物を水に分散させたものである請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 水に不溶な有機物が、粘着付与樹脂である請求項2記載の接着剤組成物。
  4. 請求項1に記載の接着剤組成物を用いた粘着加工品。
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