JP2006061004A - 畦形成機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 畦上面を形成する円筒状回転具と畦側面を形成する円錐面を有する回転板とからなる畦形成装置において、吸着性の強い粘土質土壌等においても畦の形成ができる畦形成装置を提供する。
【解決手段】 畦形成装置の畦側面を形成する円錐面を放射状の分割片に分割し、分割片は側面視において、回転方向の前方側は前進角を設けた曲面部と、後方側は曲面と接する平面部とから形成されて互いに端部を重ね合せて連結し円錐面を形成した。また、分割片の前方側は前進角を設けた曲面部と後端部は曲面部外周より外側に折り曲げて突設部を形成しても良い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、畦形成機の畦形成ディスクの構成に関する。
従来の畦形成機の畦形成ディスクの構成として、同一出願人による特許第3148678号公報によるものが知られている。この公報による畦形成機は、トラクタに装着され畦形成箇所に沿って移動され、畦形成箇所に土を盛り上げ状態に供給する土盛装置と、土盛装置の移動方向の後方に設置される畦形成装置とを有し、畦形成装置は土を盛り上げ状態とされた畦形成箇所の上を回転しながら通過させる円筒回転体と、円筒回転体の回転駆動力供給側に取り付けられ回転駆動供給側にいく程径大となり、円筒回転体の中央に向けた傾斜面を有するとともに、表面は放射状の分割片に分割され各々の分割片は進行方向に対して前進角を設けてなり、隣接する分割片の相互は逃げ角をもち、側面視にてジグザグ状に連結される円錐回転体とからなるものである。
特許第3148678号公報
従来の畦形成装置は、畦と直交して回転して畦上面を通過する円筒状回転具と、畦側面を通過し畦側面を形成する円錐面を有する内側回転板とからなり、前記畦形成回転体の周速を走行車の走行速度よりも速く設定し、スリップ作用によって畦を締め固めようとするものである。前記従来技術では、さらに畦を堅く締め固めるために円錐回転体を放射状の分割片とし、側面視ジグザグ状としたり、進行方向に対して前進角を設け隣接する分割片相互は逃げ角をもって連結させ断続圧を加えて練り込んでいた。
しかしながら、土質が吸着性の非常に強い粘土質土壌等においては、一旦圧力を加えて押し付けられた土壌は、円錐回転体に吸着し土の離れが悪くなり、またスリップ作用が起きにくくなるため、一度塗り付けた畦の表面を剥ぎ取るように作用し、畦の形成ができなくなるという課題を有していた。このことから、本発明の目的は吸着性の強い土壌においても畦の形成ができる畦形成装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、畦形成箇所に沿って移動され、畦形成箇所に土を盛り上げ状態に供給する土盛装置と、土盛装置の移動方向の後方に設置される畦形成装置とを有し、畦形成装置は、土を盛り上げ状態とされた畦形成箇所上を回転しながら通過させる円筒回転体と、円筒回転体の回転駆動力供給側に取り付けられ回転駆動力供給側にいく程径大となり、円筒回転体の中央に向けた傾斜面を有するとともに、表面は放射状の分割片に分割され、分割片は側面視において、回転方向の前方側は前進角を設けた回転軸芯に対して略円弧状の曲面部と、後方側はこの曲面と接する平面部とから形成されて、互いに隣接する分割片の前方側に後端部を重ね合せて連結された円錐回転体とからなることを特徴とする畦形成機。
また、畦形成箇所に沿って移動され、畦形成箇所に土を盛り上げ状態に供給する土盛装置と、土盛装置の移動方向の後方に設置される畦形成装置とを有し、畦形成装置は、土を盛り上げ状態とされた畦形成箇所上を回転しながら通過させる円筒回転体と、円筒回転体の回転駆動力供給側に取り付けられ回転駆動力供給側にいく程径大となり円筒回転体の中央に向けた傾斜面を有するとともに、表面は放射状の分割片に分割され、分割片は側面視において、回転方向の前方側は前進角を設けた回転軸芯に対して略円弧状の曲面部と、後方側はこの曲面と接する平面部とから形成されて、互いに隣接する分割片の前方側に後端部を重ね合せて連結された円錐回転体とからなることを特徴とする畦形成機を提供するものである。
以上のような構成にしたことにより、放射状の分割片後方側の平面部の作用により、土を畦側に直線状に押し付けるため、従来の曲面部のみのものより接触面積も少なく土の離れが良くなり、さらに分割片表面の連続した滑動面を平面部で切り上げて吸着した土を切断する効果もあり、吸着性の強い土質においてもより良い畦の形成ができる。
さらに放射状の分割片後端部は、前方の曲面部外周より外側に折り曲げて突設させることで、後端面が畦面より離れる時に畦面と分割片後端面の角度が大きくなり、前記平面部よりさらに土の剥離を積極的に行うことができて、吸着性の強い土質においてもより良い畦の形成ができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明を実施した畦形成機の平面図、図2は同畦形成機の畦形成装置を一部断面した斜視図、図3は畦形成装置の分割片の後側が平面の場合の断面図、図4は畦形成装置の分割片の後端を折り曲げ突設させた断面図、図5は分割片の後端を折り曲げ突設させた別実施例の断面図を示したものである。
図1において、畦形成機の一例として、1の装着部、2の土盛装置、3の畦形成装置から構成される。1の装着部は、水平方向に延設したフレーム11と、このフレーム11より前方に突設され、図示されていないが走行車であるトラクタの三点リンクに装着される装着マスト12と、フレーム11の略中央部にはミッションケース13が配置され構成される。
ミッションケース13には前方に向けた入力軸13aが設けられ、この入力軸13aは、図示されていないがトラクタPTO軸よりユニバーサルジョイント14を介しトラクタの駆動力を畦形成機へ入力するものである。
2の土盛装置は、砕土爪21を爪軸22の軸芯に対し放射状に複数設けたロータリ23と、このロータリ23を回転駆動するためのロータリ23の一端を固着するロータリ出力軸24を有したロータリ駆動ケース25により構成され、前記装着部1のフレーム11の一端にロータリ23を作業進行方向に対し前方に配置するよう支持される。前記ロータリ駆動ケース25の内部には、チェーン減速部26が備えてある。
3の畦形成装置は、前記土盛装置2の後方に配置され、旧畦の上面を形成する上面形成体31と、旧畦の側面を形成する側面形成体32と、この上面形成体31と側面形成体32を回転駆動するための畦形成出力軸33を有した畦形成駆動ケース34とから構成され、前記装着部1のフレーム11の一端に前記ロータリ駆動ケース25とともに支持される。前記畦形成駆動ケース34の内部には、チェーン減速部35が備えてある。
駆動伝達について説明すると、前記ミッションケース13より前方に突設させた入力軸13aに図示されていないが、トラクタPTO軸よりユニバーサルジョイント14を介し駆動力が入力されると、ミッションケース13の内部に設けたベベルギヤ13b,13cを介し減速され、水平方向に延設したパイプ体にて構成されたフレーム11の内部に回転可能に設けた駆動軸13dへと伝達する。
ロータリ駆動ケース25内部に備えたチェーン減速部26は、前記駆動軸13dに固着されたスプロケット26aと、前記ロータリ出力軸24の内方端に固着したスプロケット26bと、これらスプロケット26a,26bに巻架したチェーン26cから構成され駆動軸13dが駆動することにより、ロータリ出力軸24に固着されたロータリ23をチェーン減速部26により減速し回転させる。
畦形成駆動ケース34の内部に備えたチェーン減速部35は、前記駆動軸13dに固着したスプロケット35aと、畦形成駆動ケース34から水平方向に突出する畦形成出力軸33の内方端に固着したスプロケット35bと、これらスプロケット35a,35bに巻架したチェーン35cから構成され、駆動軸13dが駆動することにより、畦形成出力軸33に固着された上面形成体31及び側面形成体32をチェーン減速部35によりさらに減速し回転させる。
側面形成体32は、円錐形状を呈し円錐面を放射状に分割した分割片32cを連結して組み合せ構成されている。
図2及び図3に基づいて畦形成装置3について説明する。上面形成体31は、前記畦形成出力軸33の外方端部に取り付けられるボス31aと、このボス31aに嵌合する円筒形状の上面ローラ31bから構成され、側面形成体32は、前記上面形成体31の一端部となるボス31aの外周部より畦形成出力軸33側となる外方へ向け徐々に径大となる円錐面を形成するよう放射状に複数設けたスポーク32aと、このスポーク32aの外周端を連結するリング32bと、スポーク32aを基盤とし円錐面となる表面を放射状に分割し連続させた複数の分割片32cを着脱自在とし構成される。
分割片32cは、回転方向fに対して後端縁は隣接する分割片32cの始端部の前縁に重ね合せてボルト36によって組み合せスポーク32aに固着されている。分割片は弾性力のある樹脂部材等で構成されていても良い。
分割片32cの回転方向fの前方側は、前進角Gを設けた曲面部Aで形成され、後方側はこの曲面と接する平面部Bで形成されて、それぞれの分割片32cは互いに端部を重ね合せて連結されて円錐状の回転体を構成している。
前記後方側の平面部Bの作用により土を畦側に直線状に押し付けながら離れ吸着面を切り上げて切断するように働くため、土の離れが良くなり吸着性の強い土質においてもより良い畦の形成ができる。
図4と図5は、分割片32cの回転方向後端を折り曲げて前方側の曲面部外周より端部を外側に突設させた場合の断面図を示したもので、図4において分割片32cの回転方向前方側は、前進角Gを設けた曲面部Aで形成され、後端部は曲面部の外周より外側に折り曲げて突設部cを設けてある。図5は後端部の折り曲げを曲線状に折り曲げて突設部cを設けた別実施例を示したものである。
前記突設部cにより強制的に土を畦面側に押し付け、走行車の速度よりも速く回転させて起きるスリップ作用と相俟って分割片32cに吸着した土を剥離させることができ、吸着性の強い土質においてもよりスムーズに畦の形成ができる。
本発明を実施した畦形成機の平面図 同畦形成機の畦形成装置を一部断面した斜視図 畦形成装置の分割片の後側が平面の場合の断面図 畦形成装置の分割片の後端を折り曲げ突設させた断面図 分割片の後端を折り曲げ突設させた別実施例の断面図
符号の説明
1 装着部
11 フレーム
12 装着マスト
13 ミッションケース
13a 入力軸
13b,13c ベベルギヤ
13d 駆動軸
14 ユニバーサルジョイント
2 土盛装置
21 砕土爪
22 爪軸
23 ロータリ
24 ロータリ出力軸
25 ロータリ駆動ケース
26 チェーン減速部
26a,26b スプロケット
26c チェーン
3 畦形成装置
31 上面形成体
31a ボス
31b 上面ローラ
32 側面形成体
32a スポーク
32b リング
32c 分割片
33 畦形成出力軸
34 畦形成駆動ケース
35 チェーン減速部
35a,35b スプロケット
35c チェーン
36 ボルト

Claims (2)

  1. 畦形成箇所に沿って移動され、畦形成箇所に土を盛り上げ状態に供給する土盛装置と、土盛装置の移動方向の後方に設置される畦形成装置とを有し、畦形成装置は、土を盛り上げ状態とされた畦形成箇所上を回転しながら通過させる円筒回転体と、円筒回転体の回転駆動力供給側に取り付けられ回転駆動力供給側にいく程径大となり、円筒回転体の中央に向けた傾斜面を有するとともに、表面は放射状の分割片に分割され、分割片は側面視において、回転方向の前方側は前進角を設けた回転軸芯に対して略円弧状の曲面部と、後方側はこの曲面と接する平面部とから形成されて、互いに隣接する分割片の前方側に後端部を重ね合せて連結された円錐回転体とからなることを特徴とする畦形成機。
  2. 畦形成箇所に沿って移動され、畦形成箇所に土を盛り上げ状態に供給する土盛装置と、土盛装置の移動方向の後方に設置される畦形成装置とを有し、畦形成装置は、土を盛り上げ状態とされた畦形成箇所上を回転しながら通過させる円筒回転体と、円筒回転体の回転駆動力供給側に取り付けられ回転駆動力供給側にいく程径大となり円筒回転体の中央に向けた傾斜面を有するとともに、表面は放射状の分割片に分割され、分割片は側面視において、回転方向の前方側は前進角を設けた回転軸芯に対して略円弧状の曲面部と、後端部は前記曲面部外周より外側に折り曲げて突設部を形成し、互いに隣接する分割片の前方側に後端部を重ね合せて連結された円錐回転体とからなることを特徴する畦形成機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015065819A (ja) * 2013-09-26 2015-04-13 株式会社ササキコーポレーション 畦形成機
JP2017074063A (ja) * 2016-12-13 2017-04-20 小橋工業株式会社 畦塗り機用整畦体

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