JP2006060361A - デジタル・アナログ共用受信機 - Google Patents

Abstract

【課題】ＲＦ信号のレベル差が大きい場合でも、デジタル放送・アナログ放送それぞれに最適なＡＧＣコントロールを行い、受信できるようにすることを目的とする。
【解決手段】デジタル放送、アナログ放送のＲＦ信号が入力されるＵ／Ｖ分波器１１と、ＲＦ信号を増幅するＲＦ増幅器１２と、ＲＦ信号をＩＦ信号に変換する周波数変換部１３と、ＩＦ信号を増幅するＩＦ増幅器１４と、デジタル放送およびアナログ放送のそれぞれの信号を検波し、ＲＦ増幅器１２およびＩＦ増幅器１４にＡＧＣコントロール信号を送る検波回路１９，２０と、ＡＧＣコントロール信号をデジタル放送受信時とアナログ放送受信時とで切り替えるＡＧＣ切替スイッチ２１とを有し、Ｕ／Ｖ分波器１１とＲＦ増幅器１２との間に、デジタル／アナログ選択信号によりＵ／Ｖ分波器１１の出力を選択する選択スイッチ２２を設け、その選択スイッチ２２を切り替えるように構成した。
【選択図】図１

Description

本発明は地上アナログ放送と地上デジタル放送の双方を受信するデジタル・アナログ共用受信機に関するものである。

地上デジタル放送の開始により、地上デジタル放送、地上アナログ放送の双方を受信することができる受信機が必要とされているが、デジタル・アナログ間の妨害等技術的課題が多いため、現在、一般には地上アナログ放送・地上デジタル放送それぞれ専用のフロントエンド部を設けて安定した受信ができるように受信機を構成している。しかし、より合理的に受信機を構成しようとするならば、北米のデジタル・アナログ混在のＣＡＴＶ受信機のように、ＩＦ増幅段までのフロントエンド部を地上デジタル放送・地上アナログ放送で共用化するのが望ましく、各種の特許出願がなされている。

例えば、特許文献１に示すものは、デジタル・アナログ共用チューナのＳＡＷフィルタやＡＧＣ回路の構成について開示され、特許文献２では衛星放送におけるデジタル・アナログ共用受信機の構成について開示されている。また、特許文献３、特許文献４、および特許文献５などでは、デジタル・アナログ共用特有の妨害対策について開示され、特許文献６では、デジタル・アナログ共用受信機の構成簡略化について開示されている。

従来のデジタル・アナログ共用受信機について、図３を用いて説明する。図３において、Ｕ／Ｖ混合のＲＦ入力信号がＲＦ増幅器１に入力されゲインコントロールされた後、周波数変換部２にてＩＦ周波数に変換されＩＦ増幅器３でゲインコントロールされる。その後、地上デジタル放送受信時は、デジタル用ＳＡＷフィルタ４で帯域制限した後、デジタル検波器７で検波し、デジタルベースバンド信号が出力される。また、地上アナログ放送受信時は、デジタルＳＡＷフィルタ４を通過したＩＦ信号をアナログＳＡＷフィルタ５に入力して、隣接チャンネル（ｃｈ）の音声トラップをかけたＩＦ信号をアナログ検波器６で検波し、アナログベースバンド信号を得る。

デジタルベースバンド信号はデジタルＡＧＣ検波回路８に入力され、デジタルＡＧＣ検波回路８では、信号レベルを検出してＡＧＣコントロール信号を発生させる。アナログベースバンド信号はアナログＡＧＣ検波回路９に入力され、アナログＡＧＣ検波回路９では信号レベルを検出してＡＧＣコントロール信号を発生させる。それらのＡＧＣコントロール信号は、デジタル／アナログ選択信号によりコントロールされるＡＧＣ切替スイッチ１０に入力され、デジタル放送受信時はデジタルＡＧＣ検波回路８の出力の信号が選択され、アナログ放送受信時はアナログＡＧＣ検波回路９の出力の信号が選択され、ＲＦ増幅器１のＡＧＣやＩＦ増幅器３のＡＧＣをコントロールする。

以上の構成によりＩＦ増幅器３までをデジタル・アナログで共用化し、それぞれの特性に応じた帯域制限を行い、それぞれの帯域に最適なＡＧＣ制御をかけるように構成している。

ところで、地上デジタルの放送はＵＨＦ帯の一部を利用して送信されるので、そのｃｈをアナログ放送で利用している場合、ｃｈ周波数を移動させるといういわゆるアナログ周波数変更対策が必要になってくる。そのため、地上デジタル放送受信可能範囲を一気に日本全国に広げるわけにはいかず、部分的にしかも最初は弱い電力での送信となり、その後段階的に送信電力を上げていくことになる。また、地域によっては地上アナログ放送の送信所と地上デジタル放送の送信所が異なる場合があり、もともと地上アナログ放送の弱電界地域に地上デジタル放送が強電界で放送されるということもあり得る。すなわち、地上アナログ放送と地上デジタル放送の電界強度が極端に異なって受信されることがあり得る。そして、そのようにレベルの異なったＲＦ信号は、通常Ｕ／Ｖ混合された状態で各受信機に供給される。

そのような異なるレベルのＲＦ信号を受信した際に、低いレベルのｃｈに合わせてＡＧＣを調整した場合、高いレベルの信号はチューナアンプで非線形歪みを起こしてしまい、混変調妨害が発生する。
特開平８−１８１５５６号公報 特開２００１−２４７２１号公報 特開２０００−１７５１６４号公報 特開平１１−１７７４５６号公報 特開２００３−２０４２７４号公報 特開平１１−３４１４５３号公報

前述したように、地上デジタル放送と地上アナログ放送が受信機にて著しく異なるレベルのＲＦ信号で受信されて、Ｕ／Ｖ混合された状態でチューナに入力された場合、電界強度の高い方を受信してＲＦ増幅器のＡＧＣを調節した場合は問題ないが、電界強度の低い方を受信してＲＦ増幅器のＡＧＣを調節した場合は、電界強度の高い方の信号がチューナアンプで非線形歪みを起こして混変調妨害が発生する。例えば、アナログ放送受信時ならば、ビート等の画面妨害となり、デジタル放送受信時ならば、Ｃ／Ｎ比の悪化によりビット誤り率（ＢＥＲ）が悪化してブロックノイズや受信不能状態になる。

本発明はこのような課題を解決するもので、地上デジタル放送と地上アナログ放送のＲＦ信号のレベル差が大きい場合でも、デジタル放送・アナログ放送それぞれに最適なＡＧＣコントロールを行い、受信できるようにすることを目的とする。

上記課題を解決するために本発明は、ＵＨＦ帯のデジタル放送およびＶＨＦ帯のアナログ放送のＲＦ信号が入力されるＵ／Ｖ分波器と、このＵ／Ｖ分波器からのＲＦ信号を増幅するＲＦ増幅器と、このＲＦ増幅器からのＲＦ信号をＩＦ信号に変換する周波数変換部と、この周波数変換部からのＩＦ信号を増幅するＩＦ増幅器と、このＩＦ増幅器からの信号によりデジタル放送およびアナログ放送のそれぞれの信号を検波し前記ＲＦ増幅器およびＩＦ増幅器にＡＧＣコントロール信号を送るデジタルおよびアナログそれぞれの検波回路と、それぞれの検波回路からのＡＧＣコントロール信号をデジタル放送受信時とアナログ放送受信時とで切り替えるＡＧＣ切替スイッチとを有し、前記Ｕ／Ｖ分波器とＲＦ増幅器との間に、デジタル／アナログ選択信号によりＵ／Ｖ分波器の出力を選択する選択スイッチを設け、その選択スイッチを切り替えることにより、デジタル放送受信時にはＶＨＦ帯のアナログ放送の搬送波がＲＦ増幅器に入力されないようにし、アナログ放送受信時にはＵＨＦ帯のデジタル放送の搬送波がＲＦ増幅器に入力されないように構成したものである。

また、本発明は、請求項１において、Ｕ／Ｖ分波器の出力を選択する選択スイッチとＡＧＣコントロール信号を切り替えるＡＧＣ切替スイッチとを制御する制御部を備えたものである。

本発明によるアナログ・デジタル共用受信機によれば、Ｕ／Ｖ混合のＲＦ信号入力に対応して受信機入力からＩＦ増幅器までの回路をデジタルとアナログで共用することができ、またデジタル放送とアナログ放送のＲＦ信号のレベル差が大きい場合でも、チューナでの非線形歪みを生ずることなく、デジタル・アナログそれぞれに最適なＡＧＣコントロールを行い、受信することができる。

以下、本発明の一実施の形態によるデジタル・アナログ共用受信機について、図１、図２を用いて説明する。

図１に本発明の一実施の形態によるデジタル・アナログ共用受信機の構成を示しており、図１において、１１はＵＨＦ帯のデジタル放送およびＶＨＦ帯のアナログ放送のＲＦ信号が入力されるＵ／Ｖ分波器、１２はこのＵ／Ｖ分波器１１からのＲＦ信号を増幅するＲＦ増幅器、１３はこのＲＦ増幅器１２からのＲＦ信号をＩＦ信号に変換する周波数変換部、１４はこの周波数変換部１３からのＩＦ信号を増幅するＩＦ増幅器である。

１５はこのＩＦ増幅器１４からの信号を地上デジタル放送の周波数帯域に帯域制限するためのデジタルＳＡＷフィルタ、１６はこのＩＦ増幅器１４からの信号を地上アナログ放送の周波数帯域に帯域制限するためのアナログＳＡＷフィルタ、１７はデジタルＳＡＷフィルタ１５で帯域制限した信号からデジタル放送信号を検波するためのデジタル検波器、１８はアナログＳＡＷフィルタ１６で帯域制限した信号からアナログ放送信号を検波するためのアナログ検波器、１９はデジタル検波器１７からのベースバンド信号から信号レベルを検出して前記ＲＦ増幅器１２およびＩＦ増幅器１４にＡＧＣコントロール信号を送るデジタルＡＧＣ検波回路、２０はアナログ検波器１８からのベースバンド信号から信号レベルを検出して前記ＲＦ増幅器１２およびＩＦ増幅器１４にＡＧＣコントロール信号を送るアナログＡＧＣ検波回路である。

２１はそれぞれの検波回路１９、２０からのＡＧＣコントロール信号をデジタル放送受信時とアナログ放送受信時とで切り替えるＡＧＣ切替スイッチで、デジタル／アナログ選択信号によりコントロールされ、デジタル放送受信時とアナログ放送受信時とでＡＧＣコントロール信号を切り替えて前記ＲＦ増幅器１２およびＩＦ増幅器１４に入力する。

２２は前記Ｕ／Ｖ分波器１１とＲＦ増幅器１２との間に配置したＵ／Ｖ分波器の出力を選択するスイッチで、デジタル／アナログ選択信号およびＵ／Ｖ選択信号によりＵ／Ｖ分波器１１の出力を選択するものである。このスイッチ２２は、デジタル放送信号の有無を選択するデジタル有無選択信号により制御されるコントロール信号選択スイッチ２３からの信号により制御されるように構成されている。

この図１に示す回路において、Ｕ／Ｖ混合のＲＦ信号がチューナに入力され、Ｕ／Ｖ分波器１１に入力されると、ＵＨＦ帯とＶＨＦ帯に分離されて選択スイッチ２２に入力される。選択スイッチ２２で選択されたＲＦ信号は、ＲＦ増幅器１２に入力されてゲインコントロールされた後、周波数変換部１３にてＩＦ周波数に変換され、ＩＦ増幅器１４でゲインコントロールされる。その後、地上デジタル放送受信時は、デジタルＳＡＷフィルタ１５で帯域制限を受けたあと、デジタル検波器１７でデジタル検波され、デジタルベースバンド信号を得る。

また、地上アナログ放送受信時は、デジタルＳＡＷフィルタ１５を通過したＩＦ信号をアナログＳＡＷフィルタ１６に入力して隣接ｃｈ音声トラップをかけたＩＦ信号をアナログ検波器１８で検波し、アナログベースバンド信号を得る。デジタルベースバンド信号は、デジタルＡＧＣ検波回路１９にて信号レベルを検出してＡＧＣコントロール信号を発生させ、アナログベースバンド信号はアナログＡＧＣ検波回路２０にて信号レベルを検出してＡＧＣコントロール信号を発生させる。

それらのＡＧＣコントロール信号をＡＧＣ切替スイッチ２１にてデジタル／アナログ選択信号により切り替えてＲＦ増幅器１２、ＩＦ増幅器１４に入力される。すなわち、デジタル放送受信時はデジタルＡＧＣ検波回路１９の出力の信号が選択され、アナログ放送受信時はアナログＡＧＣ検波回路２０の出力の信号が選択され、これによりＲＦ増幅器１２とＩＦ増幅器１４のＡＧＣが制御される。

ここで、選択スイッチ２２とＡＧＣ切替スイッチ２１をコントロールする信号について説明する。まず、コントロール信号は、受信機は地上デジタル放送が無い場合、地上デジタル放送が有ってＵＨＦ帯に地上デジタル放送しかない場合、地上デジタル放送が有ってＵＨＦ帯にアナログ放送もある場合の３種類それぞれに対応できなければならない。

地上デジタル放送が無い場合は、コントロール信号選択スイッチ２３により切替スイッチ２２のコントロール信号はＵ／Ｖ選択信号となり、ＵＨＦ／ＶＨＦ受信に応じて選択スイッチ２２を切り替える。また、ＡＧＣ切替スイッチ２１はアナログ放送側に固定される。

地上デジタル放送が有ってＵＨＦに地上デジタル放送しか無い場合は、コントロール信号選択スイッチ２３により選択スイッチ２２のコントロール信号はデジタル／アナログ選択信号となり、デジタル放送受信時はＵＨＦを選択し、アナログ放送受信時はＶＨＦを選択するように選択スイッチ２２を切り替える。ＡＧＣ切替スイッチ２１は、上述のようにデジタル／アナログ受信に応じてＡＧＣ信号を切り替える。

地上デジタル放送が有ってＵＨＦにアナログ放送もある場合は、ＶＨＦの地上アナログ放送受信時と地上デジタル放送受信時は、上述の動作をし、ＵＨＦアナログ放送を受信する際は、デジタル／アナログ選択信号はアナログ放送受信側にしてＡＧＣ切替スイッチ２１でアナログ放送のＡＧＣコントロール信号を選択し、コントロール信号選択スイッチ２３ではＵ／Ｖ選択信号を選んで選択スイッチ２２をＵＨＦ放送選択に制御する。

このようにＵ／Ｖ分波器１１とＲＦ増幅器１２との間に、デジタル／アナログ選択信号によりＵ／Ｖ分波器１１の出力を選択する選択スイッチ２２を設け、その選択スイッチ２２を切り替えることにより、デジタル放送受信時にはＶＨＦ帯のアナログ放送の搬送波がＲＦ増幅器１２に入力されないように制御し、アナログ放送受信時にはＵＨＦ帯のデジタル放送の搬送波がＲＦ増幅器１２に入力されないように制御することができる。

図２は本発明の他の実施の形態を示す図であり、この図２に示す実施の形態においては、コントロール信号選択スイッチ２３に代えて、Ｕ／Ｖ分波器１１の出力を選択する選択スイッチ２２と、ＡＧＣコントロール信号を切り替えるＡＧＣ切替スイッチ２１とを制御するマイクロコンピュータなどからなる制御部２４を備えたものである。

この制御部２４は、地上デジタル放送が無い場合はＵ／Ｖ選択信号として機能し、地上デジタル放送がある場合はデジタル／アナログ選択信号として機能する。また、地上デジタル放送があって、かつそれ以外のＵＨＦのチャンネルに地上アナログ放送があり、それを受信する場合は、ＵＨＦを選択するように機能する。なお、この制御部２４以外の部分の動作については、上述した図１と同様な動作を行う。

本発明にかかるデジタル・アナログ共用受信機によれば、地上放送のシステム特有の電界レベルの相違による非線形歪みという課題を解消し、地上放送受信機の簡素化、小型化、省コスト化を図る上で有用な発明である。

本発明の一実施の形態におけるデジタル・アナログ共用受信機の構成を示すブロック図 本発明の他の実施の形態におけるデジタル・アナログ共用受信機の構成を示すブロック図 従来のデジタル・アナログ共用受信機の構成を示すブロック図

符号の説明

１１ Ｕ／Ｖ分波器
１２ ＲＦ増幅器
１３ 周波数変換部
１４ ＩＦ増幅器
１５ デジタルＳＡＷフィルタ
１６ アナログＳＡＷフィルタ
１７ デジタル検波回路
１８ アナログ検波回路
１９ デジタルＡＧＣ検波回路
２０ アナログＡＧＣ検波回路
２１ ＡＧＣ切替スイッチ
２２ 選択スイッチ
２３ コントロール信号選択スイッチ
２４ 制御部

Claims (2)

1. ＵＨＦ帯のデジタル放送およびＶＨＦ帯のアナログ放送のＲＦ信号が入力されるＵ／Ｖ分波器と、このＵ／Ｖ分波器からのＲＦ信号を増幅するＲＦ増幅器と、このＲＦ増幅器からのＲＦ信号をＩＦ信号に変換する周波数変換部と、この周波数変換部からのＩＦ信号を増幅するＩＦ増幅器と、このＩＦ増幅器からの信号によりデジタル放送およびアナログ放送のそれぞれの信号を検波し前記ＲＦ増幅器およびＩＦ増幅器にＡＧＣコントロール信号を送るデジタルおよびアナログそれぞれの検波回路と、それぞれの検波回路からのＡＧＣコントロール信号をデジタル放送受信時とアナログ放送受信時とで切り替えるＡＧＣ切替スイッチとを有し、前記Ｕ／Ｖ分波器とＲＦ増幅器との間に、デジタル／アナログ選択信号によりＵ／Ｖ分波器の出力を選択する選択スイッチを設け、その選択スイッチを切り替えることにより、デジタル放送受信時にはＶＨＦ帯のアナログ放送の搬送波がＲＦ増幅器に入力されないようにし、アナログ放送受信時にはＵＨＦ帯のデジタル放送の搬送波がＲＦ増幅器に入力されないように構成したデジタル・アナログ共用受信機。
2. Ｕ／Ｖ分波器の出力を選択する選択スイッチとＡＧＣコントロール信号を切り替えるＡＧＣ切替スイッチとを制御する制御部を備えた請求項１に記載のデジタル・アナログ共用受信機。

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