JP2006060090A - 温度評価方法及びそれを用いた半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高融点金属とシリコン基板中のシリコンとを熱処理により反応させてシリサイド層を形成する際のシリコン基板の温度を非破壊の測定方法により正確に評価する。
【解決手段】 シリコン基板101の上に高融点金属膜107を形成した後、非破壊測定方法を用いて高融点金属膜107の膜厚を測定する。高融点金属膜107が形成されたシリコン基板101に対して熱処理を行なって、シリコン基板101の上にシリサイド膜108を形成する。第2の非破壊測定方法を用いてシリサイド膜108の膜厚を測定した後、高融点金属膜107の測定膜厚と、シリサイド膜108の測定膜厚とに基づいて、熱処理中のシリコン基板101の温度を算出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高融点金属とシリコン基板中のシリコンとを熱処理により反応させてシリサイド層を形成する際のシリコン基板の温度を評価する方法及びそれを用いた半導体装置の製造方法に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化、高機能化及び高速化に伴い、集積回路上の配線の電気抵抗を低抵抗化する技術が提案されている。その中の1つの技術として、高融点金属と基板中のシリコンとを反応させてシリサイド層を形成する技術がある。
以下、非特許文献1に記載されている、シリコン基板上にシリサイド層を形成するプロセスについて、チタンシリサイド(TiSi2 )層の形成を例として図面を参照しながら説明する。
図8(a)〜(d)は、非特許文献1に記載された従来のシリサイド層形成方法の各工程を示す断面図である。
まず、図8(a)に示すように、シリコン基板1におけるSiO2 からなる素子分離領域2に囲まれた素子形成領域の上に、ゲート絶縁膜3を介して、ポリシリコンからなるゲート電極4を形成した後、シリコン基板1におけるゲート電極4の両側に不純物拡散領域5を形成すると共に、ゲート電極4の側壁上に、絶縁膜からなるサイドウォール6を形成する。その後、シリコン基板1の上に全面に亘って、Ti(チタン)からなる高融点金属膜7をスパッタ法等により堆積する。
次に、図8(b)に示すように、RTA(Rapid Thermal Annealing)法等により、シリコン基板1に対して第1の熱処理(温度:600〜700℃)を行なう。この第1の熱処理により、高融点金属膜7中のTiと、不純物拡散領域5中のSi及びゲート電極4中のSiとが反応し、ゲート電極4の上及び不純物拡散領域5の上にチタンシリサイド(TiSi2 )膜8aが選択的に形成される。尚、第1の熱処理後の時点で、チタンシリサイド膜8aはC49の相構造を有しており、そのシート抵抗は約20Ω/□以上と高い状態にある。
次に、図8(c)に示すように、素子分離領域2及びサイドウォール6等の上に残存する、未反応の高融点金属膜7を除去する。
次に、図8(d)に示すように、RTA法等により、シリコン基板1に対して第2の熱処理(温度:800℃以上)を行なう。この第2の熱処理により、チタンシリサイド膜8の相構造がC49からC54へと転移する。すなわち、C49の相構造を持つチタンシリサイド膜8aから、C54の相構造を持つチタンシリサイド膜8bへと相転移する。この相転移の結果、チタンシリサイド膜8bのシート抵抗は約10Ω/□以下に低抵抗化される。以上の工程により、シリコン基板上にシリサイド層を形成するプロセスは完了する。その後、シリコン基板上に層間絶縁膜や電極を形成する、いわゆるバックエンドプロセスを経てLSI等の半導体装置を完成させる。
以上に説明した、シリサイド層を形成するプロセスにおいて、第1の熱処理及び第2の熱処理のそれぞれにおけるシリコン基板の温度の制御は極めて重要である。これらの基板温度は、第2の熱処理後のシリサイド層のシート抵抗に大きな影響を及ぼす。特に、第1の熱処理における基板温度が低すぎる場合には、第2の熱処理後におけるシリサイド層のシート抵抗が十分に低い値にならない場合がある。また、第1の熱処理における基板温度が高すぎる場合には、未反応の高融点金属膜(図8(b)に示す、素子分離領域2及びサイドウォール6等の上の未反応の高融点金属膜7)を除去することが難しくなる。
第1の熱処理におけるシリコン基板の温度を所定の温度に制御するためには、第1の熱処理におけるシリコン基板の温度を正確に測定し、該測定温度と設定温度(例えばRTA装置に対する設定温度)との相関関係を算出する必要がある。
しかしながら、RTA法による熱処理中のシリコン基板の温度を直接測定する方法として、熱処理中のシリコン基板から放射される光学信号を測定する方法を用いた場合、シリサイド層形成が行なわれる温度範囲においては該光学信号の強度が極めて小さくなる。すなわち、この方法は実用的ではない(例えば特許文献1参照)。
そこで、第1の熱処理におけるシリコン基板の温度を間接的に測定する方法として、以下の2種類の温度評価方法が提案されている。
まず、第1の従来の温度評価方法は、図8(a)〜(d)に示す方法と同様にシリコン基板上にシリサイド層を形成すると共に第1の熱処理後又は第2の熱処理後におけるシリサイド層のシート抵抗を測定することにより、第1の熱処理中におけるシリコン基板の温度を見積もる方法である(例えば特許文献1〜4及び非特許文献2〜3参照)。
次に、第2の従来の温度評価方法は、図8(a)〜(d)に示す方法と同様にシリコン基板上にシリサイド層を形成すると共に第1の熱処理後又は第2の熱処理後におけるシリサイド層の厚さをエリプソメトリ法等によって測定し、その測定厚さに基づいて、第1の熱処理中におけるシリコン基板の温度を見積もる方法である(例えば特許文献4参照)。
特開2003−22981号公報 特開昭63−281407号公報 特開平9−257593号公報 特開平3−167430号公報 Shi-Li Zhang and Mikael Ostling, Critical Reviews in Solid State and Materials Sciences, vol.28(1), p.1-129,2003 S.P.Murarka, Silicides for VLSI Applications, ACADEMIC PRESS, New York, 1983 T.Amazawa,H.Oikawa and N.Shino, Extended Abstracts of the 16th Conf. Solid State Devices and Materials, p.269,1984
しかしながら、前述の第1及び第2の従来の温度評価方法には、以下のような問題点が存在する。
まず、第1の従来の温度評価方法においては、シリサイド層のシート抵抗の値が高融点金属膜の膜質及び膜厚により影響され、その結果、シリサイド層形成プロセスにおける第1の熱処理の処理温度を正確に測定することができない。また、シート抵抗の測定には主として四探針法が用いられるが、この方法では、測定プローブを装置表面に直接接触させてシート抵抗値を測定する必要があるため、シリコン基板上に形成されたトランジスタ等の素子に悪影響が生じてしまう。すなわち、シート抵抗の測定のために、トランジスタ等の素子が形成されていない、評価用のシリコン基板を用いる必要がある。
また、第2の従来の温度評価方法の問題点は次の通りである。
すなわち、第1の熱処理後又は第2の熱処理後におけるシリサイド層の厚さは、熱処理の温度に加えて、高融点金属膜の膜厚にも依存する。よって、熱処理の温度を正確に算出するためには、シリサイド層を形成する前の高融点金属膜の膜厚が正確に分かっている必要がある。特許文献4においては、シリサイド層を形成する前の高融点金属膜の膜厚の測定方法については具体的には記載されていないが、通常、高融点金属膜の膜厚は段差測定等によって測定される。ところが、段差測定は破壊検査であるため、該検査に使用したシリコン基板を製品として使用することはできないので、段差測定による高融点金属膜の膜厚の測定のために、評価用のシリコン基板を用いる必要が生じる。
また、段差測定用のシリコン基板と、シリサイド層が形成されるシリコン基板とを互いに異なる基板とする必要があるため、シリサイド層となる高融点金属膜の膜厚を直接測定することはできない。従って、高融点金属膜の堆積工程においてトラブルが発生し、その結果、実際にシリサイド層形成の対象となるシリコン基板上に形成された高融点金属膜の膜厚が所定値になっていない場合、熱処理温度の算出を正確に行なうことはできない。
さらに、特許文献4においては、第2の熱処理後におけるシリサイド膜の膜厚をエリプソメトリ法により測定することが記載されている。ところで、エリプソメトリ法は非破壊の評価方法ではあるが、これを用いて高融点金属膜の膜厚の測定を行なうことはできない。また、第1の熱処理後のシリサイド膜が例えばC49構造を持つチタンシリサイド膜である場合、結晶構造上、このチタンシリサイド膜の膜厚をエリプソメトリ法により測定することはできない。このため、第2の熱処理後のシリサイド膜の膜厚に基づいて、第1の熱処理におけるシリコン基板の温度を見積もることになる。しかし、第2の熱処理において、第1の熱処理後と比べてシリサイド膜厚が増加するため、基板温度の見積もりに誤差が生じやすくなる。
本発明は、以上の課題を鑑みて、高融点金属とシリコン基板中のシリコンとを熱処理により反応させてシリサイド層を形成する際のシリコン基板の温度を非破壊の測定方法により正確に評価できる温度評価方法を提供することを第1の目的とし、この温度評価方法を用いた、シリサイド層を有する半導体装置の製造方法を提供することを第2の目的とする。
前記の第1の目的を達成するために、本発明に係る温度評価方法は、シリコン基板の上に高融点金属膜を形成する金属膜形成工程と、第1の非破壊測定方法を用いて高融点金属膜の膜厚を測定する第1の膜厚測定工程と、高融点金属膜が形成されたシリコン基板に対して熱処理を行なって、シリコン基板の上にシリサイド膜を形成する熱処理工程と、第2の非破壊測定方法を用いてシリサイド膜の膜厚を測定する第2の膜厚測定工程と、第1の膜厚測定工程で測定された高融点金属膜の膜厚と、第2の膜厚測定工程で測定されたシリサイド膜の膜厚とに基づいて、熱処理工程におけるシリコン基板の温度を算出する温度算出工程とを備えている。
本発明の温度評価方法によると、高融点金属膜の膜厚、及び熱処理により形成されたシリサイド膜の膜厚の両方を測定することによって、両膜厚間の変化量に基づいて、熱処理工程におけるシリコン基板の温度を正確に算出することが可能となる。また、両膜厚の測定方法として非破壊の測定方法を用いるため、第1の膜厚測定工程で膜厚測定の対象となった高融点金属膜から形成されたシリサイド膜の膜厚を第2の膜厚測定工程で測定することが可能となる。このため、これらの膜厚以外の余分なパラメータを含めずに、熱処理工程におけるシリコン基板の温度を極めて正確に算出することが可能となる。さらに、トランジスタ等の素子が形成されるシリコン基板、つまり製品となるシリコン基板を温度測定の対象とすることが可能となる。
本発明の温度評価方法において、第1の非破壊測定方法は、蛍光X線分析法を用いた測定方法であり、第2の非破壊測定方法は、エリプソメトリ法又は蛍光X線分析法を用いた測定方法であることが好ましい。
このようにすると、高融点金属膜及びシリサイド膜のそれぞれの膜厚を正確に測定することが可能となる。さらに、第1の膜厚測定工程及び第2の膜厚測定工程の両工程において蛍光X線分析法を用いた場合には、各膜厚の測定誤差をより小さくすることができる。
本発明の温度測定方法において、熱処理工程におけるシリコン基板の温度はシリサイド膜の相転移温度未満の温度であって、第2の膜厚測定工程において、第2の非破壊測定方法として蛍光X線分析法を用いてシリサイド膜の膜厚を測定することが好ましい。
このようにすると、エリプソメトリ法等の光学的な測定方法によっては測定できない、相転移前のシリサイド膜(比較的低温の熱処理によって形成されたシリサイド膜)の膜厚を正確に測定することが可能となる。
本発明の温度測定方法において、第1の膜厚測定工程と熱処理工程との間に、高融点金属膜の上に保護膜を形成する工程を備え、熱処理工程と第2の膜厚測定工程との間に、保護膜、又は保護膜と高融点金属膜との反応により生じた膜を除去する工程を備えていることが好ましい。
このようにすると、シリサイド膜形成を安定的に行なうことが可能となる。
本発明にかかる温度測定方法において、高融点金属膜は、タングステン、チタン、コバルト及びニッケルの中から選ばれた1つ又は2つ以上の金属からなることが好ましい。
このようにすると、低抵抗なシリサイド膜を形成することが可能となる。
前記の第2の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置の製造方法は、温度評価用シリコン基板の上に第1の高融点金属膜を形成する第1の金属膜形成工程と、第1の非破壊測定方法を用いて第1の高融点金属膜の膜厚を測定する第1の膜厚測定工程と、第1の高融点金属膜が形成された温度評価用シリコン基板に対して熱処理を行なって、温度評価用シリコン基板の上に第1のシリサイド膜を形成する第1の熱処理工程と、第2の非破壊測定方法を用いて第1のシリサイド膜の膜厚を測定する第2の膜厚測定工程と、第1の膜厚測定工程で測定された第1の高融点金属膜の膜厚と、第2の膜厚測定工程で測定された第1のシリサイド膜の膜厚とに基づいて、第1の熱処理工程における温度評価用シリコン基板の温度を算出する温度算出工程と、ゲート電極が形成されたシリコン基板の上に第2の高融点金属膜を形成する第2の金属膜形成工程と、第2の高融点金属膜が形成されたシリコン基板に対して熱処理を行なって、シリコン基板の上に第2のシリサイド膜を形成する第2の熱処理工程とを備え、第1の熱処理工程における設定温度と、温度算出工程で算出された温度評価用シリコン基板の温度とに基づいて、第2の熱処理工程における設定温度が決定される。
本発明の半導体装置の製造方法によると、温度評価用シリコン基板について、高融点金属膜(第1の高融点金属膜)の膜厚、及び第1の熱処理により形成されたシリサイド膜(第1のシリサイド膜)の膜厚の両方を測定することによって、両膜厚間の変化量に基づいて、第1の熱処理工程における温度評価用シリコン基板の温度を正確に算出することが可能となる。また、両膜厚の測定方法として非破壊の測定方法を用いるため、第1の膜厚測定工程で膜厚測定の対象となった第1の高融点金属膜から形成された第1のシリサイド膜の膜厚を第2の膜厚測定工程で測定することが可能となる。このため、これらの膜厚以外の余分なパラメータを含めずに、第1の熱処理工程における温度評価用シリコン基板の温度を極めて正確に算出することが可能となる。
また、以上のように算出された温度評価用シリコン基板の温度と、第1の熱処理工程における設定温度とに基づいて、第2の熱処理工程(ゲート電極が形成されたシリコン基板上でのシリサイド層形成のための熱処理工程)における設定温度を決定するため、次のような効果が得られる。すなわち、何らかの原因により、熱処理工程における設定温度と熱処理工程中のシリコン基板の温度との相関関係(予め求められており、熱処理工程で利用される)にずれが生じる場合においても、該ずれ量(算出された温度評価用シリコン基板の温度と、第1の熱処理工程における設定温度との差)を考慮して、第2の熱処理工程において適切な温度で熱処理を行なうことが可能となる。これによって、RTA装置等における不安定要因の影響を受けることなく、第2の熱処理工程後のシリサイド膜(第2のシリサイド膜)のシート抵抗の値を所定値に制御することができるため、均一な性能を有する半導体装置を安定して製造することが可能となる。
本発明の半導体装置の製造方法において、第1の非破壊測定方法は、蛍光X線分析法を用いた測定方法であり、第2の非破壊測定方法は、エリプソメトリ法又は蛍光X線分析法を用いた測定方法であることが好ましい。
このようにすると、温度評価用シリコン基板について、高融点金属膜及びシリサイド膜のそれぞれの膜厚を正確に測定することが可能となる。さらに、第1の膜厚測定工程及び第2の膜厚測定工程の両工程において蛍光X線分析法を用いた場合には、各膜厚の測定誤差をより小さくすることができる。
本発明の半導体装置の製造方法において、第1の熱処理工程における温度評価用シリコン基板の温度は第1のシリサイド膜の相転移温度未満の温度であって、第2の膜厚測定工程において、第2の非破壊測定方法として蛍光X線分析法を用いてシリサイド膜の膜厚を測定することが好ましい。
このようにすると、温度評価用シリコン基板について、エリプソメトリ法等の光学的な測定方法によっては測定できない、相転移前のシリサイド膜(比較的低温の熱処理によって形成されたシリサイド膜)の膜厚を正確に測定することが可能となる。
本発明の半導体装置の製造方法において、第1の膜厚測定工程と第1の熱処理工程との間に、第1の高融点金属膜の上に保護膜を形成する工程を備え、第1の熱処理工程と第2の膜厚測定工程との間に、保護膜、又は保護膜と第1の高融点金属膜との反応により生じた膜を除去する工程を備えていることが好ましい。
このようにすると、温度評価用シリコン基板について、シリサイド膜形成を安定的に行なうことが可能となる。
本発明の半導体装置の製造方法において、第1の高融点金属膜及び第2の高融点金属膜は、タングステン、チタン、コバルト及びニッケルの中から選ばれた1つ又は2つ以上の金属からなることが好ましい。
このようにすると、第1のシリサイド膜及び第2のシリサイド膜のそれぞれを低抵抗化することができる。
本発明の温度評価方法によると、高融点金属とシリコン基板中のシリコンとを熱処理により反応させてシリサイド層を形成する際のシリコン基板の温度を非破壊の測定方法により正確に測定することが可能となる。
また、本発明の半導体装置の製造方法によると、高融点金属とシリコン基板中のシリコンとを熱処理により反応させてシリサイド層を形成する際のシリコン基板の温度を所定の温度に正確に制御することができるので、均一な性能を有する半導体装置を安定して製造することが可能となる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る温度評価方法について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る温度評価方法のフローチャートである。また、図2(a)〜(d)は第1の実施形態に係る温度評価方法の各工程を示す断面図である。
まず、第1のステップS101において、図2(a)に示すように、シリコン基板101における例えばSiO2 からなる素子分離領域102に囲まれた素子形成領域の上に、ゲート絶縁膜103を介して、例えばポリシリコンからなるゲート電極104を形成する。その後、シリコン基板101におけるゲート電極104の両側に不純物拡散領域105を形成すると共に、ゲート電極104の側壁上に、絶縁膜からなるサイドウォール106を形成する。その後、シリコン基板101の上に全面に亘って、例えばTiからなる高融点金属膜107を例えばスパッタ法等により堆積する。
次に、第2のステップS102において、高融点金属膜107の膜厚を蛍光X線分析法により測定する。尚、蛍光X線分析法による高融点金属膜の膜厚測定方法の詳細については例えば特開平5−209847号公報に記載されている。
次に、第3のステップS103において、高融点金属膜107の上に例えばSiN膜等の保護膜(図示省略)を形成した後、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)法等により、チタンシリサイドの相転移温度よりも低い温度、具体的には600〜700℃程度の温度でシリコン基板101に対して第1の熱処理を行なう。この第1の熱処理により、高融点金属膜107中のTiと、不純物拡散領域105中のSi及びゲート電極104中のSiとが反応し、その結果、図2(b)に示すように、ゲート電極104の上及び不純物拡散領域105の上にチタンシリサイド(TiSi2 )膜108aが選択的に形成される。尚、第1の熱処理後の時点で、チタンシリサイド膜108aはC49の相構造を有しており、そのシート抵抗は約20Ω/□以上と高い状態にある。また、図2(b)に示す第1の熱処理工程においては、素子分離領域102の上及びサイドウォール106の上に未反応の高融点金属膜107が残存する。一方、保護膜であるSiN膜中のSiと高融点金属膜107中のTiとが反応してチタンシリサイド膜108aの一部分が形成されると共に、残存するSiN膜の全部又は一部がTiN層109となってチタンシリサイド膜108aの上及び未反応の高融点金属膜107の上に残存する。
次に、第4のステップS104において、図2(c)に示すように、チタンシリサイド膜108a等の上に残存するTiN層109及び保護膜、並びに素子分離領域102の上及びサイドウォール106上に残存する未反応の高融点金属膜107を除去する。
ここで、図3(a)〜(c)を参照しながら、第1の熱処理におけるシリサイド反応について詳しく説明する。
図3(a)は、保護膜であるSiN膜110を高融点金属膜107の上に形成した時点における半導体装置の断面構成の拡大図である。ここで、高融点金属膜107の膜厚はd1であるとする。図3(a)に示す状態の半導体装置に対して、前述の第1の熱処理を行なうことによって、図3(b)に示すように、高融点金属膜107中のTiと、下地(ゲート電極104又は不純物拡散領域105)のSiとが反応してチタンシリサイド膜108aが形成される。このとき、チタンシリサイド膜108aは下地のSiを侵食するように形成される。また、前述の第1の熱処理により高融点金属膜107中のTiとSiN膜110中のSiとが反応し、それによってもチタンシリサイド膜108aが形成される。この場合も、チタンシリサイド膜108aはSiN膜110を侵食するように形成されると共に、図3(b)に示すように、SiN膜110の一部又は全部はTiN膜109となる。尚、図3(c)は、図3(b)に示す状態の半導体装置からTiN膜109を除去した様子を示す断面図である。ここで、チタンシリサイド膜108aの膜厚はd2であるとする。
次に、第5のステップS105において、チタンシリサイド膜108aの膜厚を蛍光X線分析法により測定する。尚、蛍光X線分析法によるシリサイド膜の膜厚測定方法の詳細については例えば特開平5−209847号公報に記載されている。
次に、第6のステップS106において、第2のステップS102で測定された高融点金属膜107の膜厚と、第5のステップS105で測定されたチタンシリサイド膜108aの膜厚とに基づいて、図2(b)に示す第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度を算出する。
以下、図3(a)〜(c)を参照しながら、第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度を算出する方法について詳しく説明する。
図3(a)に示すように、高融点金属膜107の膜厚はd1であり、図3(c)に示すように、チタンシリサイド膜108aの膜厚はd2であるとする。ここで、チタンシリサイド膜108aの膜厚d2は、第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度に大きく依存する。
本願発明者が、シート抵抗に基づいて見積もった、第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度T1と、高融点金属膜107の膜厚d1及びチタンシリサイド膜108aの膜厚d2との関係を実験により求めた結果、以下の(式1)の関係が成立することがわかった。
T1=(d2+A−(B×d1))/C ・・・ (式1)
尚、(式1)において、A、B及びCはそれぞれ定数であり、高融点金属膜107の形成に用いるスパッタ装置又は第1の熱処理工程に用いるRTA装置によって異なる値となるため、使用する装置に応じて定数A、B及びCを決定する必要がある。
すなわち、本実施形態の第6のステップS106においては、予め(式1)で表される温度T1と膜厚d1及びd2との相関関係を求めておき、第2のステップS102で測定された高融点金属膜107の膜厚d1と、第5のステップS105で測定されたチタンシリサイド膜108aの膜厚d2とを(式1)に代入することによって、第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度T1を算出する。
次に、第7のステップS107において、例えばRTA法等により、チタンシリサイドの相転移温度以上の温度、具体的には800℃程度以上の温度でシリコン基板101に対して第2の熱処理を行なう。この第2の熱処理により、チタンシリサイド膜108の相構造がC49からC54へと転移する。すなわち、図2(d)に示すように、第2の熱処理により、C49の相構造を持つチタンシリサイド膜108aから、C54の相構造を持つチタンシリサイド膜108bへと相転移する。この相転移の結果、チタンシリサイド膜108bのシート抵抗は約10Ω/□以下に低抵抗化される。
次に、第8のステップS108において、C54構造に相転移したチタンシリサイド膜108bの膜厚を蛍光X線分析法又はエリプソメトリ法により測定する。尚、エリプソメトリ法によるシリサイド膜の膜厚測定方法の詳細については例えば特開平5−209847公報に記載されている。
次に、第9のステップS109において、第2のステップS102で測定された高融点金属膜107の膜厚と、第8のステップS108で測定されたチタンシリサイド膜108bの膜厚とに基づいて、図2(b)に示す第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度を算出する。具体的には、第6のステップS106と同様に、予め(式1)で表される温度T1と膜厚d1及びd2との相関関係を求めておき、第2のステップS102で測定された高融点金属膜107の膜厚d1と、第8のステップS108で測定されたチタンシリサイド膜108bの膜厚d2とを(式1)に代入することによって、第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度T1を算出する。但し、第9のステップS109においては、d2はチタンシリサイド膜108bの膜厚を表すものとする。すなわち、第9のステップS109においては、第2の熱処理により形成されたチタンシリサイド膜108bの膜厚から、第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度がわかる。尚、前述の相転移の前後での膜厚の変化量は極めて小さいので、チタンシリサイド膜108bの膜厚をd2として用いる場合にも(式1)並びにその定数A、B及びCは第2のステップS102の場合と同様でよい。
以上に説明したように、第1の実施形態によると、Tiからなる高融点金属膜107の膜厚、及び熱処理により形成されたチタンシリサイド膜108a又は108bの膜厚の両方を測定することによって、両膜厚間の変化量に基づいて、第1の熱処理工程(第3のステップS103)におけるシリコン基板101の温度を正確に算出することが可能となる。また、両膜厚の測定方法として、蛍光X線分析法又はエリプソメトリ法等の非破壊の測定方法を用いるため、第2のステップS102で膜厚測定の対象となった高融点金属膜107から形成されたチタンシリサイド膜108a又は108bの膜厚を第5のステップS105又は第9のステップS109で測定することが可能となる。このため、これらの膜厚以外の余分なパラメータを含めずに、第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度を極めて正確に算出することが可能となる。さらに、シリコン基板101が、トランジスタ等の素子が形成される製品となるシリコン基板である場合にも、当該製品となるシリコン基板101を温度測定の対象とすることが可能となる。
また、第1の実施形態によると、第5のステップS105において、チタンシリサイド膜108aの膜厚を蛍光X線分析法により測定するため、次のような効果が得られる。すなわち、比較的低温(相転移温度未満の温度)での第1の熱処理によって形成されたチタンシリサイド膜108a、つまりエリプソメトリ法等の光学的な測定方法によっては測定できない、相転移前のチタンシリサイド膜108a(C49の相構造を有するチタンシリサイド膜108a)の膜厚を正確に測定することが可能となる。また、第2のステップS102、第5のステップS105及び第8のステップS108のそれぞれにおける膜厚測定を蛍光X線分析法により行なった場合には、各膜厚の測定誤差も極めて小さくなる。
さらに、第1の実施形態によると、第1のステップS101において高融点金属膜107を形成した後、高融点金属膜107の上に保護膜(図3(a)のSiN膜110)を形成し、その後、第3のステップS103においてシリコン基板101に対して第1の熱処理を行なってチタンシリサイド膜108aを形成する。その後、SiN膜110、及びSiN膜110と高融点金属膜107との反応により生じたTiN層109等を第4のステップS104において除去する。このため、チタンシリサイド膜108aの形成を安定的に行なうことができる。
図4は、高融点金属膜107の膜厚d1が40nmである場合において第5のステップS105で蛍光X線分析法により測定したチタンシリサイド膜108a(C49構造)の膜厚と、第6のステップS106で算出した、第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度との相関を調べた結果を示す図である。具体的には、図4の破線は、高融点金属膜107の膜厚d1が40nmであるとした場合において(式1)により算出された結果を示している。また、図4において、黒丸は実験値を示している。
図4に示すように、第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度が640℃から690℃までの範囲(実験値の範囲)において、第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度と、チタンシリサイド膜108a(C49構造)の膜厚との間に極めて良好な相関関係があることがわかる。すなわち、図4は(式1)の妥当性を示している。
また、図5は、エリプソメトリ法により測定したチタンシリサイド膜108b(C54構造)の膜厚と、蛍光X線分析法により測定したチタンシリサイド膜108b(C54構造)の膜厚との相関関係を調べた結果を示す図である。尚、エリプソメトリ法による膜厚測定及び蛍光X線分析法による膜厚測定のいずれも、本実施形態の第8のステップS108で実施した。
図5に示すように、チタンシリサイド膜の膜厚が50nm程度までの範囲においては、両測定方法による測定結果の間にほとんど差は見られないが、チタンシリサイド膜の膜厚が50nmを超える範囲においては、蛍光X線分析法による測定膜厚の方がエリプソメトリ法による測定膜厚と比べて厚くなっていることがわかる。この傾向は、チタンシリサイド膜の膜厚が厚くなるに従って顕著になる。その理由は、蛍光X線分析法に用いられるX線の方が、エリプソメトリ法に用いられるレーザ光よりもチタンシリサイド膜の深い位置まで届くためであると考えられる。すなわち、蛍光X線分析法によれば、エリプソメトリ法と比較して、より厚いチタンシリサイド膜に対しても正確な膜厚測定を行なうことができる。
尚、第1の実施形態において、素子分離領域102、ゲート絶縁膜103、ゲート電極104及び不純物拡散層105が形成されたシリコン基板101においてシリサイド膜形成を行なった。しかし、これに代えて、素子分離領域、ゲート絶縁膜、ゲート電極及び不純物拡散層の一部又は全部が形成されていないシリコン基板においてシリサイド膜形成を行なってもよい。また、シリコン基板に代えて、シリコンゲルマニウム基板等のシリコン含有基板を用いてもよい。
また、第1の実施形態において、高融点金属膜107の上に、保護膜としてSiN膜を形成したが、これに代えて、他の種類の保護膜を形成してもよいし、又は保護膜を形成しなくてもよい。
また、第1の実施形態において、第5のステップS105及び第6のステップS106を行なった場合には、第8のステップS108及び第9のステップS109を省略してもよい。逆に、第8のステップS108及び第9のステップS109を行なった場合に第5のステップS105及び第6のステップS106を省略してもよい。また、図2(b)に示す第1の熱処理工程におけるシリコン基板101の温度の算出のみを目的とする場合、該温度の算出を第6のステップS106で実施した後、第7のステップS107、第8のステップS108及び第9のステップS109を省略してもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。尚、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1の実施形態に係る温度評価方法を用いて、ゲート電極が形成されたシリコン基板の上にシリサイド層を形成するための半導体装置の製造方法である。
図6は、第2の実施形態に係る温度評価方法のフローチャートである。また、図7(a)〜(c)は第2の実施形態に係る温度評価方法の各工程を示す断面図である。
まず、第1のステップS201において、図7(a)に示すように、シリコン基板200の上に全面に亘って、例えばTiからなる高融点金属膜207を例えばスパッタ法等により堆積する。
次に、第2のステップS202において、高融点金属膜207の膜厚を蛍光X線分析法により測定する。
次に、第3のステップS203において、高融点金属膜207の上に例えばSiN膜等の保護膜(図示省略)を形成した後、例えばRTA法等により、チタンシリサイドの相転移温度よりも低い温度、具体的には600〜700℃程度の温度でシリコン基板200に対して第1の熱処理を行なう。この第1の熱処理により、高融点金属膜207中のTiと、シリコン基板200中のSiとが反応し、その結果、図7(b)に示すように、シリコン基板200の上に、C49の相構造を有するチタンシリサイド膜208が形成される。また、保護膜であるSiN膜中のSiと高融点金属膜207中のTiとが反応してチタンシリサイド膜208の一部分が形成されると共に、残存するSiN膜の全部又は一部がTiN層209となってチタンシリサイド膜208の上に残存する。尚、第3のステップS203における第1の熱処理の設定温度(例えばRTA装置に対する設定温度)をT1とする。
次に、第4のステップS204において、図7(c)に示すように、チタンシリサイド膜208の上に残存するTiN層209、及び(もし存在するならば)未反応の高融点金属膜207を除去する。
次に、第5のステップS205において、チタンシリサイド膜208の膜厚を蛍光X線分析法により測定する。
次に、第6のステップS206において、第2のステップS202で測定された高融点金属膜207の膜厚(d1)と、第5のステップS205で測定されたチタンシリサイド膜208の膜厚(d2)とに基づいて、図7(b)に示す第1の熱処理工程におけるシリコン基板200の温度Teを算出する。具体的には、第1の実施形態における第6のステップS106で用いた(式1)と同様の温度算出式(例えば(式1)においてシリコン基板101の温度T1をシリコン基板200の温度Teに置換し、高融点金属膜107の膜厚d1を高融点金属膜207の膜厚d1に置換し、チタンシリサイド膜108aの膜厚d2をチタンシリサイド膜208の膜厚d2に置換することによって得られる式)を用いて温度Teを算出する。
一方、第7のステップS207において、第1の実施形態の第1のステップS101と同様に、図2(a)に示すように、例えばSiO2 からなる素子分離領域102、ゲート絶縁膜103、例えばポリシリコンからなるゲート電極104及び不純物拡散領域105が形成されたシリコン基板101(本実施形態ではシリコン基板200とは別の基板)の上に全面に亘って、例えばTiからなる高融点金属膜107を例えばスパッタ法等により堆積する。
次に、第8のステップS208において、第1の実施形態の第3のステップS103と同様に、高融点金属膜107の上に例えばSiN膜等の保護膜(図示省略)を形成した後、例えばRTA法等により、チタンシリサイドの相転移温度よりも低い温度、具体的には600〜700℃程度の温度でシリコン基板101に対して第2の熱処理(第1の実施形態では第1の熱処理)を行なう。この第2の熱処理により、高融点金属膜107中のTiと、不純物拡散領域105中のSi及びゲート電極104中のSiとが反応し、その結果、図2(b)に示すように、ゲート電極104の上及び不純物拡散領域105の上に、C49の相構造を有するチタンシリサイド膜108aが選択的に形成される。また、図2(b)に示す第2の熱処理工程においては、素子分離領域102の上及びサイドウォール106の上に未反応の高融点金属膜107が残存する。一方、保護膜であるSiN膜中のSiと高融点金属膜107中のTiとが反応してチタンシリサイド膜108aの一部分が形成されると共に、残存するSiN膜の全部又は一部がTiN層109となってチタンシリサイド膜108aの上及び未反応の高融点金属膜107の上に残存する。
次に、第9のステップS209において、第1の実施形態の第4のステップS104と同様に、図2(c)に示すように、チタンシリサイド膜108a等の上に残存するTiN層109及び保護膜、並びに素子分離領域102の上及びサイドウォール106上に残存する未反応の高融点金属膜107を除去する。
次に、第10のステップS210において、第1の実施形態の第7のステップS107と同様に、例えばRTA法等により、チタンシリサイドの相転移温度以上の温度、具体的には800℃程度以上の温度でシリコン基板101に対して第3の熱処理(第1の実施形態では第2の熱処理)を行なう。この第3の熱処理により、チタンシリサイド膜108の相構造がC49からC54へと転移する。すなわち、図2(d)に示すように、第3の熱処理により、C49の相構造を持つチタンシリサイド膜108aから、C54の相構造を持つチタンシリサイド膜108bへと相転移する。この相転移の結果、チタンシリサイド膜108bのシート抵抗は約10Ω/□以下に低抵抗化される。以上の工程により、シリコン基板101上におけるシリサイド層形成プロセスは完了する。その後、シリコン基板101上に層間絶縁膜や電極を形成する、いわゆるバックエンドプロセスを経てLSI等の半導体装置を完成させる。
本実施形態の特徴は、第8のステップS208における第2の熱処理の設定温度(例えばRTA装置に対する設定温度)T2を、第3のステップS203における第1の熱処理の設定温度T1と、第6のステップS206で算出されたシリコン基板200の温度Teとに基づいて決める。すなわち、算出温度Teに相当する熱処理設定温度Te’(予め準備されている、熱処理設定温度と熱処理中の基板温度との相関関係により決められる)と、設定温度T1との間にずれがあった場合には、該ずれ量ΔT(=Te’−T1)を考慮して、設定温度T2を決定する。
以上に説明したように、第2の実施形態によると、シリコン基板(温度評価用シリコン基板)200について、高融点金属膜207の膜厚、及び第1の熱処理(第3のステップS203)により形成されたチタンシリサイド膜208の膜厚の両方を測定することによって、両膜厚間の変化量に基づいて、第1の熱処理工程におけるシリコン基板200の温度Teを正確に算出することが可能となる。また、両膜厚の測定方法として非破壊の測定方法を用いるため、第1の膜厚測定工程(第2のステップS202)で膜厚測定の対象となった高融点金属膜207から形成されたチタンシリサイド膜208の膜厚を第2の膜厚測定工程(第5のステップS205)で測定することが可能となる。このため、これらの膜厚以外の余分なパラメータを含めずに、第1の熱処理工程におけるシリコン基板200の温度Teを極めて正確に算出することが可能となる。
また、以上のように算出されたシリコン基板200の温度Teと、第1の熱処理工程(第3のステップS203)における設定温度T1とに基づいて、第2の熱処理工程(第8のステップS208:ゲート電極104が形成されたシリコン基板101上でのシリサイド層形成のための熱処理工程)における設定温度T2を決定するため、次のような効果が得られる。すなわち、何らかの原因により、熱処理工程における設定温度と熱処理工程中のシリコン基板の温度との相関関係にずれが生じる場合においても、該ずれ量を考慮して、適切な温度で第2の熱処理を行なうことが可能となる。これによって、RTA装置等における不安定要因の影響を受けることなく、第2の熱処理工程後のチタンシリサイド膜108aのシート抵抗の値を所定値に制御することができるため、均一な性能を有する半導体装置を安定して製造することが可能となる。
また、第2の実施形態によると、第5のステップS205において、チタンシリサイド膜208の膜厚を蛍光X線分析法により測定するため、次のような効果が得られる。すなわち、比較的低温(相転移温度未満の温度)での第1の熱処理によって形成されたチタンシリサイド膜208、つまりエリプソメトリ法等の光学的な測定方法によっては測定できない、相転移前のチタンシリサイド膜208(C49の相構造を有するチタンシリサイド膜208)の膜厚を正確に測定することが可能となる。また、第2のステップS202及び第5のステップS205のそれぞれにおける膜厚測定を蛍光X線分析法により行なった場合には、各膜厚の測定誤差も極めて小さくなる。
さらに、第2の実施形態によると、第1のステップS201において高融点金属膜207を形成した後、高融点金属膜207の上に保護膜(例えばSiN膜)を形成し、その後、第3のステップS203においてシリコン基板200に対して第1の熱処理を行なってチタンシリサイド膜208を形成する。その後、SiN膜、及びSiN膜と高融点金属膜207との反応により生じたTiN層209等を第4のステップS204において除去する。このため、チタンシリサイド膜208の形成を安定的に行なうことができる。
尚、第2の実施形態において、第1〜第6のステップS201〜S206の実施対象となるシリコン基板として、例えばSiO2 からなる素子分離領域、ゲート絶縁膜、例えばポリシリコンからなるゲート電極及び不純物拡散領域が全く形成されていないシリコン基板200を用いた。しかし、これに代えて、前述の構成要素の全部又は一部が形成されているシリコン基板を用いてもよい。すなわち、第1〜第6のステップS201〜206の実施対象となるシリコン基板は温度評価用のシリコン基板であるが、該基板は温度評価専用基板であってもよいし又は製品となる基板であってもよい。また、第1〜第6のステップS201〜206の実施対象となるシリコン基板が製品となる基板の場合、ステップS207〜210は他の製品となる基板に対して実施される。
また、第2の実施形態において、第1の熱処理(第3のステップS203)後のチタンシリサイド膜208の膜厚を用いて、第1の熱処理におけるシリコン基板200の温度を算出した。しかし、これに代えて、第1の熱処理の後に、チタンシリサイド膜208を低抵抗化するための高温(例えば800℃以上)の熱処理(第1の実施形態における第7のステップS107の第2の熱処理に相当する熱処理)をシリコン基板200に対して行ない、その後のチタンシリサイド膜208の膜厚を用いて、第1の熱処理におけるシリコン基板200の温度を算出してもよい。この場合、第1の実施形態における第8のステップS108と同様に、チタンシリサイド膜208の膜厚の測定にエリプソメトリ法を用いることができる。
また、第2の実施形態において、第7のステップS207と第8のステップS208との間に高融点絶縁膜107の膜厚を測定する工程(第1の実施形態の第2のステップS102と同様の工程)を行なうと共に、第8のステップS208と第9のステップS209との間にチタンシリサイド膜108aの膜厚を測定する工程(第1の実施形態の第5のステップS105と同様の工程)を行なうか、又は第10のステップS210の後にチタンシリサイド膜108bの膜厚を測定する工程(第1の実施形態の第8のステップS108と同様の工程)を行なってもよい。さらに、測定された各膜厚に基づいて、第2の熱処理(第8のステップS208)におけるシリコン基板101の温度を算出する工程を行なってもよい。このようにすると、算出されたシリコン基板101の温度を、他の半導体装置の製造(具体的には熱処理工程における設定温度)にフィードバックすることができる。
また、第2の実施形態において、高融点金属膜207の上に、保護膜としてSiN膜を形成したが、これに代えて、他の種類の保護膜を形成してもよいし、又は保護膜を形成しなくてもよい。
また、第1及び第2の実施形態において、高融点金属膜及びチタンシリサイド膜のそれぞれの膜厚測定に蛍光X線分析法を用いたが、これに代えて、X線を用いる他の非破壊測定方法、又は高融点金属膜若しくはシリサイド膜を透過するエネルギー波を用いた他の非破壊測定方法を用いてもよい。
また、第1及び第2の実施形態において、C54の相構造を持つチタンシリサイド膜の膜厚測定にエリプソメトリ法を用いたが、これに代えて、光を用いた他の非破壊測定方法を用いてもよい。
また、第1及び第2の実施形態において、高融点金属膜の材料として、Tiを用いたが、これに限られず、例えばタングステン、チタン、コバルト及びニッケルの中から選ばれた1又は2つ以上の金属から高融点金属膜を構成してもよい。高融点金属膜の材料としてタングステンを用いた場合、形成されるシリサイド膜はタングステンシリサイド膜となり、高融点金属膜の材料としてコバルト又はニッケルを用いた場合、形成されるシリサイド膜はそれぞれコバルトシリサイド膜又はニッケルシリサイド膜となる。後者の場合、C49の相構造を持つチタンシリサイド(TiSi2 )と対応するシリサイドはCo2 Si若しくはCoSi2 又はNiSiであり、C54の相構造を持つチタンシリサイド(TiSi2 )と対応するシリサイドはCoSi2 又はNiSi2 である。尚、高融点金属膜の材料として第1及び第2の実施形態のTiと異なる材料を用いた場合、シリサイド形成のための各熱処理における設定温度(つまりシリコン基板の温度)が第1及び第2の実施形態とは異なることはいうまでもない。
以上に説明したように、本発明は、高融点金属とシリコン基板中のシリコンとを熱処理により反応させてシリサイド層を形成する際のシリコン基板の温度評価及びシリコン基板上におけるシリサイド層形成に適用した場合に特に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る温度評価方法のフローチャートである。 (a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る温度評価方法の各工程を示す断面図である。 (a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る温度評価方法を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る温度評価方法により得られた、第1の熱処理工程におけるシリコン基板の温度と、チタンシリサイド膜(C49構造)の測定膜厚との相関を調べた結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る温度評価方法においてエリプソメトリ法及び蛍光X線分析法のそれぞれを用いて測定したチタンシリサイド膜の膜厚同士の相関関係を調べた結果を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る温度評価方法のフローチャートである。 (a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る温度評価方法の各工程を示す断面図である。 (a)〜(d)は従来のシリサイド層形成方法の各工程を示す断面図である。
符号の説明
101 シリコン基板
102 素子分離領域
103 ゲート絶縁膜
104 ゲート電極
105 不純物拡散領域
106 サイドウォール
107 高融点金属膜
108a チタンシリサイド膜(C49構造)
108b チタンシリサイド膜(C54構造)
109 TiN層
110 SiN膜
200 シリコン基板
207 高融点金属膜
208 チタンシリサイド膜
209 TiN層

Claims (10)

  1. シリコン基板の上に高融点金属膜を形成する金属膜形成工程と、
    第1の非破壊測定方法を用いて前記高融点金属膜の膜厚を測定する第1の膜厚測定工程と、
    前記高融点金属膜が形成された前記シリコン基板に対して熱処理を行なって、前記シリコン基板の上にシリサイド膜を形成する熱処理工程と、
    第2の非破壊測定方法を用いて前記シリサイド膜の膜厚を測定する第2の膜厚測定工程と、
    前記第1の膜厚測定工程で測定された前記高融点金属膜の膜厚と、前記第2の膜厚測定工程で測定された前記シリサイド膜の膜厚とに基づいて、前記熱処理工程における前記シリコン基板の温度を算出する温度算出工程とを備えていることを特徴とする温度評価方法。
  2. 前記第1の非破壊測定方法は、蛍光X線分析法を用いた測定方法であり、
    前記第2の非破壊測定方法は、エリプソメトリ法又は蛍光X線分析法を用いた測定方法であることを特徴とする請求項1に記載の温度評価方法。
  3. 前記熱処理工程における前記シリコン基板の温度は前記シリサイド膜の相転移温度未満の温度であって、
    前記第2の膜厚測定工程において、前記第2の非破壊測定方法として蛍光X線分析法を用いて前記シリサイド膜の膜厚を測定することを特徴とする請求項1又は2に記載の温度評価方法。
  4. 前記第1の膜厚測定工程と前記熱処理工程との間に、前記高融点金属膜の上に保護膜を形成する工程を備え、
    前記熱処理工程と前記第2の膜厚測定工程との間に、前記保護膜、又は前記保護膜と前記高融点金属膜との反応により生じた膜を除去する工程を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の温度評価方法。
  5. 前記高融点金属膜は、タングステン、チタン、コバルト及びニッケルの中から選ばれた1つ又は2つ以上の金属からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の温度測定方法。
  6. 温度評価用シリコン基板の上に第1の高融点金属膜を形成する第1の金属膜形成工程と、
    第1の非破壊測定方法を用いて前記第1の高融点金属膜の膜厚を測定する第1の膜厚測定工程と、
    前記第1の高融点金属膜が形成された前記温度評価用シリコン基板に対して熱処理を行なって、前記温度評価用シリコン基板の上に第1のシリサイド膜を形成する第1の熱処理工程と、
    第2の非破壊測定方法を用いて前記第1のシリサイド膜の膜厚を測定する第2の膜厚測定工程と、
    前記第1の膜厚測定工程で測定された前記第1の高融点金属膜の膜厚と、前記第2の膜厚測定工程で測定された前記第1のシリサイド膜の膜厚とに基づいて、前記第1の熱処理工程における前記温度評価用シリコン基板の温度を算出する温度算出工程と、
    ゲート電極が形成されたシリコン基板の上に第2の高融点金属膜を形成する第2の金属膜形成工程と、
    前記第2の高融点金属膜が形成された前記シリコン基板に対して熱処理を行なって、前記シリコン基板の上に第2のシリサイド膜を形成する第2の熱処理工程とを備え、
    前記第1の熱処理工程における設定温度と、前記温度算出工程で算出された前記温度評価用シリコン基板の温度とに基づいて、前記第2の熱処理工程における設定温度が決定されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記第1の非破壊測定方法は、蛍光X線分析法を用いた測定方法であり、
    前記第2の非破壊測定方法は、エリプソメトリ法又は蛍光X線分析法を用いた測定方法であることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記第1の熱処理工程における前記温度評価用シリコン基板の温度は前記第1のシリサイド膜の相転移温度未満の温度であって、
    前記第2の膜厚測定工程において、前記第2の非破壊測定方法として蛍光X線分析法を用いて前記シリサイド膜の膜厚を測定することを特徴とする請求項6又は7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第1の膜厚測定工程と前記第1の熱処理工程との間に、前記第1の高融点金属膜の上に保護膜を形成する工程を備え、
    前記第1の熱処理工程と前記第2の膜厚測定工程との間に、前記保護膜、又は前記保護膜と前記第1の高融点金属膜との反応により生じた膜を除去する工程を備えていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記第1の高融点金属膜及び前記第2の高融点金属膜は、タングステン、チタン、コバルト及びニッケルの中から選ばれた1つ又は2つ以上の金属からなることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109387299A (zh) * 2018-11-15 2019-02-26 深圳网联光仪科技有限公司 一种衬底的温度测量装置
CN115132604A (zh) * 2022-08-30 2022-09-30 广州粤芯半导体技术有限公司 硅化物工艺监测方法
CN115621148A (zh) * 2022-12-20 2023-01-17 广州粤芯半导体技术有限公司 形成金属硅化物的工艺参数的检测方法

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