JP2010192649A - 温度検出基板 - Google Patents

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雄二 古村
Shinji Nishihara
晋治 西原
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Yoshiaki Katakura
義明 片倉
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Abstract

【課題】基板の温度情報を検出するシステム、検出基板であって、基板が145℃以上の高温状態であっても温度測定が可能であり、温度情報をケーブルを用いることなくプロセス処理室から取り出しができるものを提供する。
【解決手段】基板にキャパシタ(C)、インダクタ(L)を備えたLC共振回路を有し、キャパシタの片側電極が温度に応じて反ることにより容量変化しやすい空隙を備えた素子を設置する。温度情報はプロセス処理室内に設置されたプローブアンテナからLC共振周波数として取り出し温度表示に変換する。
【選択図】図1

Description

本発明は基板の温度を検出する温度検出基板に関する。
半導体製造装置ではウェハなどの基板上に膜を形成する装置や、基板上に形成された膜をパターンニングするエッチング装置などにおいて、基板の温度を解析し、制御することが重要となっている。
基板を保持する支持台には熱伝対などの温度センサを埋め込み、温度制御を行っているが、基板はプロセス処理のためガスやプラズマに晒され、また基板の支持台と基板との熱伝導性が基板支持台の個体差やプロセス処理条件によって異なるため、支持台の温度と基板の温度は必ずしも一致しない。
従って温度を測定するには、基板に温度センサを設けた基板の温度を測定する装置が提案されている。(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載の装置によれば、温度センサ(熱伝対)で測定したウェハの温度情報を記憶媒体に記憶させる。記憶媒体に記憶されている情報を読み出すことで、温度センサで測定したウェハ温度を解析することができる。
特許文献2に記載の装置によれば、温度でセンサ(熱伝対)は、光ケーブルを介してコンピュータに接続されている。このコンピュータにより、温度センサで測定したウェハ温度を解析することができる。
特表2007−536726号公報 特表2002−520587号公報
特許文献1に記載の装置では、温度センサは、記憶媒体と一体に形成される。このため、特許文献1に記載の装置で測定可能なウェハの温度の上限は、記憶媒体の動作可能な温度の上限である摂氏145度程度に制限されてしまい、ウェハが高温になる環境では、この装置を用いることができなかった。
一方、特許文献2に記載の装置では、ウェハに設けられた温度センサとコンピュータとが光ケーブルにより物理的に接続される。このため、上述の膜形成装置やエッチング装置などの製造装置でウェハに加工を行う際にケーブルがウェハ動作の障害になり、ウェハに対する加工作業の自由度が低下した。
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、基板の温度情報を検出または解析する基板において、基板が高温になる環境化でも用いることができ、かつ、この基板に対する加工作業の自由度の低下を防止できるものを提供することを目的とする。
本出願に係る発明は、温度検出部が設けられた基板であって、この温度検出部は、電極間に中空状態を有したキャパシタとコイルからなるLC共振回路を備え、上記基板の温度に応じて前記LC共振回路の共振周波数が変化することを特徴とする。
また、上記キャパシタを構成する電極材料がP型またはN型にドーピングされたポリシリコンもしくはW(タングステン)、WN(窒化タングステン)、WSi(タングステンシリサイド)、TiN(窒化チタン)、CoSi(コバルトシリサイド)、TiSi(チタンシリサイド)、Al(アルミニウム)、Al(アルミニウム)合金、Ta(タンタル)、TaN(窒化タンタル)、Cu(銅)のいずれかであることを特徴とする。
キャパシタを構成する電極材料は、上記電極材料の複数の組合せであることも可能である。
さらに、キャパシタを構成する電極材料は、上記電極材料と絶縁膜との積層構造であってもよい。
上記基板は、300mmSiウェハを用いることができる。
本発明によれば、基板に設けている素子はキャパシタ、コイル、抵抗といった受動素子であり高温の状態に耐えられる。キャパシタ容量は基板温度に依存し変化する。
LC共振回路の周波数はキャパシタ容量の変化に伴い変化する。このコイルと電磁結合するプローブアンテナを半導体製造設備内に設置することで基板温度情報をアンテナから取り出すことができる。
共振周波数の変化量と温度との対応データに従い、データ解析を行うことで基板の温度を表示することが可能となる。
キャパシタ容量の温度依存性を示すグラフである。 共振周波数の温度依存性を示すグラフである。 LC回路を複数個設置したウェハを示す概念図である。 LC回路パターンを示す概念図である。 容量パターンレイアウト図である。 LC共振回路の断面構造説明図である。 LC共振回路の製造工程説明図である。 LC共振回路の完成断面図である。 共振周波数と温度の校正装置を示す概念図である。 LC回路毎の共振周波数の温度依存性を示すグラフである。 半導体製造装置に設置した温度測定システム構成図である。 静電チャックに設置したプローブアンテナの概念図である。 基板内温度のコントアマップ表示図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
尚、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。従って、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
ウェハの温度を測定する方法(温度センサ、温度感応部)としては、熱伝対による起電力変化、各種材料の抵抗率変化、PN接合の耐圧変化などがあるが、ここではメタル材料の反りを利用したキャパシタ容量変化を用いる。
キャパシタ部に誘電率の温度変化率が高い材料を用いる方法も考えられるが、この種類の材料は誘電率の温度変化に対し、ヒステリシスを持つため広範囲の温度センサとしては不向きである。
キャパシタ容量の温度変化率を大きくするため、キャパシタ電極間に空隙を設け、片側の電極が容易に変形するのを助ける。
温度センサと半導体設備の処理室外部とを繋ぐケーブルがない状態でウェハの温度情報を収集する方法として、温度センサの情報をLC共振回路を用いた電磁結合でプローブアンテナへ情報を伝達させる。
ここでLC回路のキャパシタと上記で説明した温度感応性の強いキャパシタを共有することでシステム全体が簡便なものとなる。
アンテナは半導体設備のプロセス処理室の中に設置する。ウェハ上のLC回路と強い電磁結合を得るためウェハ近傍のウェハ支持台に設けるのが好ましい。
LC回路の共振周波数は、下記式(1)により表される。
Figure 2010192649
ここでキャパシタ容量Cは温度依存性を持つ。図1にキャパシタ容量の温度依存性グラフを示す。
空隙のあるキャパシタの上部電極は同じ材料であっても成膜条件により異なる膜質を示す。成膜時圧縮内部応力を持つ材料は温度上昇に従い下部電極に近づくため容量は大きくなる。一方引っ張り内部応力を持つ材料は温度上昇に従い下部電極から遠ざかるため容量は小さくなる。図1は温度上昇に従いキャパシタの上部電極と下部電極の距離が拡大する場合を示している。
LC回路の共振周波数は温度上昇に伴い高周波数側へ変化して行く。図2に温度変化による共振周波数の変化例を示す。
プローブアンテナから取り出された共振周波数変化の情報は図2の様な温度対応データを用いて基板温度にデータ変換する。
基板に設けられた抵抗成分も温度依存性があるため、共振周波数のピーク強度変化として情報を取り出すことができ、これを温度変換データとして用いることも可能である。
図3は温度依存を持ったLC共振回路(1)を複数設置したウェハ(2)の例である。ウェハ内に複数設置し個別のデータを取得することで基板面内の温度分布のデータを取得することが可能となる。
図4はLC回路のパターン例を示している。
図5は中空構造を持った容量の拡大図で、上部電極(202)中に電極間の空隙(203)を形成するためのスリット(204)を設けている。下部電極(201)と上部電極(202)の対向部分幅Wと長さLの容量が構成される。
図6は図5のA−A’断面構造図である。Siウェハ(11)上にSiO2(シリコン酸化)膜(12)とSiN(シリコン窒化)膜(13)が連続して形成され、その上に下部電極パターン(タングステン)(201)が配置され、下部電極パターン(201)上の容量を構成する領域に空隙(204)を設けたP−TEOS SiO2膜(14)が形成されており、少なくとも一部が絶縁膜(14)上に形成され、上記下部電極パターン(201)と対向するように形成された熱膨張率の異なる2種類の材質(301、302)が積層され少なくとも1層が導電体である上部電極パターンが配置されている。上部電極と同じ材質でコイル(101)パターンが構成されている。
温度検出用基板の製造方法を図7(a)〜(d)に従って以下に示す
300mmSiウェハ(11)にTEOSを材料とするプラズマCVD(P―TEOS)法でSiO2膜(12)を3um形成し、連続してSiN膜(13)をプラズマCVD法で100nm成膜する。
上記SiN膜(12)上にW(タングステン)膜(15)をスパッタ法で400nm成膜する。
通常用いられる露光プロセスでW膜上に1層目電極パターンを形成する。
SF6等のガスを用いたドライエッチングを行った後レジスト剥離処理にてW上に残ったレジストやポリマーを除去し1層目電極を形成する。このパターンはキャパシタの一方の電極の役割をなす。(図7(a))
上記1層目電極パターン上にP―TEOS法でSiO2膜(14)を1um形成する。(図7(b))
上記SiO2膜上にWSi2(タングステンシリサイド)膜(21)をスパッタ法で300nm成膜し、連続してSiN膜(22)をプラズマCVD法で100nm成膜する。
通常用いられる露光プロセスで上記SiN膜上にコイルとキャパシタの2層目電極パターンを形成する。
CF4等のフロロカーボン系ガスを用いたドライエッチングでSiN膜(22)をエッチングした後連続してSF6等のガスを用いてWSi2(21)をエッチングする。レジスト剥離処理にて残ったレジストやポリマーを除去しコイル(101)とキャパシタの2層目電極を形成する。(図7(c))
通常用いられる露光プロセスでキャパシタの中空部分を形成する部分にレジストがのこらないパターン形成(32)を行い、HF等を含む薬液でキャパシタ電極間のSiO2膜(14)をウェットエッチング、リンス、乾燥後、アッシング装置でレジストを剥離する。上部電極内にスリット(204)を形成しておくことで上部電極下のウェットエッチングが容易となる。(図7(d))
上記工程によりキャパシタ電極間に中空部分を有するLC回路が設けられた基板が得られた。(図8)
上記工程で形成された温度測定用基板はプロセス工程中の各種バラツキ(膜厚、電極寸法、中空領域の面積等)を含んでいるため、共振周波数と温度を対応付ける校正が必要となる。
図9に温度校正装置に温度測定基板を設置した状態を示す。基板支持台に設けられた加熱機構で温度を変化させる。各LC回路近傍にある熱伝対温度とプローブアンテナから取り出した共振周波数の対応データを取得し、各LC回路の共振周波数と温度の変換データベースとする。
図10に温度校正装置で取得された温度の変換データの例を示す。
図11は本発明の実施形態に係わる半導体製造装置内に設置された温度検出基板と温度測定システムの構成図である。
半導体製造設備はウェハをプラズマを用いてエッチングする。この半導体製造装置はプロセス処理室、ガスソース、ガス流量コントローラ、排気ポンプ、電源、マッチングネットワークを備える。
プロセス処理室には内部に電極と電極に対向する位置にウェハを保持する静電チャックを備える。静電チャックは基板保持台上に設けられ、この静電チャック上面にプローブアンテナを埋め込んでいる。(図12)プローブアンテナは温度検出基板上に設けられたLC回路と強い電磁結合ができる様配置する。
プローブアンテナから取り出された共振周波数情報はコンピュータで温度情報に変換され図13に示す様な基板内温度コントアマップとして表示される。
本発明は、基板の温度情報を検出するシステム、検出基板に適用できる。

Claims (5)

  1. 温度検出部が設けられた基板であって、
    前記温度検出部は、電極間に中空状態を有したキャパシタとコイルからなるLC共振回路を備え、
    当該基板の温度に応じて前記LC共振回路の共振周波数が変化することを特徴とする温度検出基板。
  2. 前記キャパシタを構成する電極材料がP型またはN型にドーピングされたポリシリコンもしくはW(タングステン)、WN(窒化タングステン)、WSi(タングステンシリサイド)、TiN(窒化チタン)、CoSi(コバルトシリサイド)、TiSi(チタンシリサイド)、Al(アルミニウム)、Al(アルミニウム)合金、Ta(タンタル)、TaN(窒化タンタル)、Cu(銅)のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の温度検出基板。
  3. 前記キャパシタを構成する電極材料が、請求項2に記載の電極材料の複数の組合せであることを特徴とする請求項1に記載の温度検出基板。
  4. 前記キャパシタを構成する電極材料が、請求項2に記載の電極材料と絶縁膜との積層構造であることを特徴とする請求項1に記載の温度検出基板。
  5. 前記基板が300mmSiウェハであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の温度検出基板。
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