JP2006059767A - アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金及びアルカリ蓄電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 希土類元素とMgとNiとAlとZrとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上の水素吸蔵合金を負極に用いたアルカリ蓄電池において、充放電により水素吸蔵合金が劣化するのを抑制し、サイクル寿命を向上させる。
【解決手段】 アルカリ蓄電池の負極2に、少なくとも希土類元素とMgとNiとAlとZrとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上であって、希土類元素とZrとの合計のモル数に対するZrのモル数の割合が0.002〜0.02の範囲の水素吸蔵合金を用いた。
【選択図】 図1
【解決手段】 アルカリ蓄電池の負極2に、少なくとも希土類元素とMgとNiとAlとZrとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上であって、希土類元素とZrとの合計のモル数に対するZrのモル数の割合が0.002〜0.02の範囲の水素吸蔵合金を用いた。
【選択図】 図1
Description
この発明は、アルカリ蓄電池の負極に使用するアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金及びこのアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を負極に用いたアルカリ蓄電池に係り、特に、アルカリ蓄電池の容量を高めるように、少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとジルコニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金を負極に用いたアルカリ蓄電池において、この水素吸蔵合金を改善して、アルカリ蓄電池におけるサイクル寿命及び容量を向上させるようにした点に特徴を有するものである。
従来、アルカリ蓄電池として、ニッケル・カドミウム蓄電池が一般に使用されていたが、近年においては、ニッケル・カドミウム蓄電池に比べて高容量で、またカドミウムを使用しないため環境安全性にも優れているという点から、負極に水素吸蔵合金を用いたニッケル・水素蓄電池が注目されるようになった。
そして、このようなニッケル・水素蓄電池が各種のポータブル機器に使用されるようになり、このニッケル・水素蓄電池をさらに高性能化させることが期待されている。
ここで、このようなニッケル・水素蓄電池においては、その負極に使用する水素吸蔵合金として、CaCu5型の結晶を主相とする希土類−ニッケル系水素吸蔵合金や、Ti,Zr,V及びNiを含むラーベス相系の水素吸蔵合金等が一般に使用されていた。
しかし、これらの水素吸蔵合金は、一般に水素吸蔵能力が必ずしも十分であるとはいえず、ニッケル・水素蓄電池の容量をさらに高容量化させることが困難であった。
そして、近年においては、上記のような希土類−ニッケル系水素吸蔵合金における水素吸蔵能力を向上させるために、上記の希土類−ニッケル系水素吸蔵合金にMg等を含有させて、CaCu5型以外のCe2Ni7型やCeNi3型等の結晶構造を有する水素吸蔵合金を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記のような結晶構造を有する水素吸蔵合金は、CaCu5型の結晶を主相とする希土類−ニッケル系の水素吸蔵合金に比べて劣化しやすく、充放電を繰り返して行うと、次第にこの水素吸蔵合金が劣化して、アルカリ蓄電池のサイクル寿命が低下するという問題があった。
特開平11−323469号公報
この発明は、希土類−ニッケル系水素吸蔵合金にMg等が含有されてCaCu5型以外の結晶構造になった水素吸蔵合金、特に、少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとジルコニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金を負極に使用したアルカリ蓄電池において、上記のような問題を解決することを課題とするものであり、このようなアルカリ蓄電池を繰り返して充放電させた場合においても、負極に使用した水素吸蔵合金が劣化するのを抑制し、このアルカリ蓄電池におけるサイクル寿命を向上させることを課題とするものである。
この発明におけるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金においては、上記のような課題を解決するため、少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとジルコニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金であって、希土類元素とジルコニウムとの合計のモル数に対するジルコニウムのモル数の割合が0.002〜0.02の範囲になるようにしたのである。
また、この発明におけるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金においては、上記の希土類元素とジルコニウムとの合計のモル数に対するジルコニウムのモル数の割合が0.005〜0.01の範囲になったものを用いることが好ましい。
また、この発明におけるアルカリ蓄電池においては、上記のような課題を解決するため、その負極に上記のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を用いるようにしたのである。
ここで、上記のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金としては、例えば、一般式(Ln1-yZry)1-xMgxNiz-aAla(式中、Lnは希土類元素から選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦x<0.20、0.002≦y≦0.02、2.8≦z≦3.9、0.10≦a≦0.25の条件を満たす。)で表わされるものを用いることができる。また、上記の一般式で示される水素吸蔵合金において、上記の希土類元素LnやNiの一部を、V,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Co,Ga,Zn,Sn,In,Cu,Si,P,Bから選択される少なくとも1種の元素で置換させたものを用いることもできる。
以上のように、この発明においては、正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、その負極における水素吸蔵合金として、少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとジルコニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金を用いるようにしたため、前記のようにこのアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金における水素吸蔵能力が高く、アルカリ蓄電池における容量が高められる。
また、この発明においては、負極における水素吸蔵合金として、上記のように希土類元素とジルコニウムとの合計のモル数に対するジルコニウムのモル数の割合が0.002〜0.02の範囲になったものを用いるるようにしたため、アルカリ蓄電池の容量がさらに高められると共にサイクル寿命も向上し、特に、希土類元素とジルコニウムとの合計のモル数に対するジルコニウムのモル数の割合が0.005〜0.01の範囲になったものを用いると、より一層アルカリ蓄電池の容量が高められると共にサイクル寿命も向上する。ここで、このような水素吸蔵合金を用いた場合に、アルカリ蓄電池の容量が高められると共にサイクル寿命が向上する理由は明確ではないが、ジルコニウムの量を上記の範囲に設定することにより、水素吸蔵合金の結晶が安定化し、充放電を繰り返して行った場合においても、水素吸蔵合金が劣化するのが抑制されるためであると考えられる。
以下、この発明の実施例に係るアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金及びアルカリ蓄電池について具体的に説明すると共に、比較例を挙げ、この発明の実施例に係るアルカリ蓄電池においては、容量が向上すると共にサイクル寿命も向上することを明らかにする。なお、この発明におけるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金及びアルカリ蓄電池は、下記の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
実施例1においては、負極に用いるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を製造するにあたり、合金組成が(La0.200Pr0.495Nd0.295Zr0.010)0.83Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10になるようにして、希土類元素のLa,Pr及びNdと、Zrと、Mgと、Niと、Alと、Coとを混合した後、これをアルゴン雰囲気中においてアーク溶解させ、これを冷却させて水素吸蔵合金のインゴットを作製した。なお、この合金組成をICPにより分析した結果、上記のように(La0.200Pr0.495Nd0.295Zr0.010)0.83Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10の合金組成になっており、希土類元素Ln(La,Pr及びNd)とジルコニウムZrとの合計のモル数に対するジルコニウムZrのモル数の割合Zr/(Ln+Zr)は0.010になっている。
実施例1においては、負極に用いるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を製造するにあたり、合金組成が(La0.200Pr0.495Nd0.295Zr0.010)0.83Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10になるようにして、希土類元素のLa,Pr及びNdと、Zrと、Mgと、Niと、Alと、Coとを混合した後、これをアルゴン雰囲気中においてアーク溶解させ、これを冷却させて水素吸蔵合金のインゴットを作製した。なお、この合金組成をICPにより分析した結果、上記のように(La0.200Pr0.495Nd0.295Zr0.010)0.83Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10の合金組成になっており、希土類元素Ln(La,Pr及びNd)とジルコニウムZrとの合計のモル数に対するジルコニウムZrのモル数の割合Zr/(Ln+Zr)は0.010になっている。
そして、この水素吸蔵合金のインゴットを不活性雰囲気中において機械的に粉砕し、これを分級して、平均粒度が65μmになった上記の組成の水素吸蔵合金粉末を得た。
ここで、このようにして得た水素吸蔵合金の粉末について、Cu−Kα管をX線源とするX線回折測定装置(RIGAKU社製:RINT2000)を用い、スキャンスピード2°/min,スキャンステップ0.02°,走査範囲20°〜80°の範囲でX線回折測定を行い、2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBを求めたところ、強度比IA/IBは0.51であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
そして、負極に用いる水素吸蔵合金電極を作製するにあたっては、上記の水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、ポリビニルピロリドンを0.5重量部、ポリエチレンオキシドを0.5重量部、水を20重量部の割合で加え、これらを混練させてスラリーを調製し、このスラリーをニッケル鍍金したパンチングメタルの両面に均一に塗布し、これを乾燥させてプレスした後、所定の寸法に切断して水素吸蔵合金電極を作製した。
一方、正極を作製するにあたっては、亜鉛を2.5重量%,コバルトを1.0重量%含有する水酸化ニッケル粉末を硫酸コバルト水溶液中に投入し、これを攪拌しながら、1モルの水酸化ナトリウム水溶液を徐々に滴下してpHが11になるまで反応させ、その後、沈殿物を濾過し、これを水洗し、真空乾燥させて、表面が水酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粉末を得た。なお、上記の水酸化ニッケル粉末に対する水酸化コバルトの被覆量は5重量%になっていた。
次いで、このように水酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粉末に25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を1:10の重量比になるように加えて含浸させ、これを8時間攪拌しながら85℃で加熱処理した後、これを水洗し、65℃で乾燥させて、上記の水酸化ニッケル粉末の表面がナトリウム含有コバルト酸化物で被覆された正極活物質を得た。
そして、この正極活物質を95重量部、酸化亜鉛を3重量部、水酸化コバルトを2重量部の割合で混合させたものに、0.2重量%のヒドロキシプロピルセルロース水溶液を50重量部加え、これらを混合させてスラリーを調製し、このスラリーを、面密度約600g/m2,多孔度95%,厚み約2mmのニッケル発泡体に充填し、これを乾燥させ、正極活物質の充填密度が約2.9g/cm3−voidになるように調整して圧延させた後、これを所定の寸法に切断して非焼結式ニッケル極からなる正極を作製した。
また、セパレータとしてポリプロピレン製の不織布を使用し、アルカリ電解液としては、KOHとNaOHとLiOHとが15:2:1の重量比で含まれ、比重が1.30になったアルカリ電解液を使用し、図1に示すような円筒型になった設計容量が1800mAhのアルカリ蓄電池を作製した。
ここで、上記のアルカリ蓄電池を作製するにあたっては、図1に示すように、正極1と負極2との間にセパレータ3を介在させ、これらをスパイラル状に巻いて電池缶4内に収容させると共に、この電池缶4内に上記のアルカリ電解液を2.3g注液した後、電池缶4と正極蓋6との間に絶縁パッキン8を介して封口し、正極1を正極リード5を介して正極蓋6に接続させると共に、負極2を負極リード7を介して電池缶4に接続させ、上記の絶縁パッキン8により電池缶4と正極蓋6とを電気的に分離させた。また、上記の正極蓋6と正極外部端子9との間にコイルスプリング10を設け、電池の内圧が異常に上昇した場合には、このコイルスプリング10が圧縮されて電池内部のガスが大気中に放出されるようにした。
(実施例2〜4及び比較例1,2)
実施例2〜4及び比較例1,2においては、負極を作製するにあたり、上記の実施例1の場合と使用する水素吸蔵合金の組成だけを変更し、それ以外は上記の実施例1の場合と同様にして、実施例2〜4及び比較例1,2の各アルカリ蓄電池を作製した。
実施例2〜4及び比較例1,2においては、負極を作製するにあたり、上記の実施例1の場合と使用する水素吸蔵合金の組成だけを変更し、それ以外は上記の実施例1の場合と同様にして、実施例2〜4及び比較例1,2の各アルカリ蓄電池を作製した。
ここで、実施例2では、水素吸蔵合金として合金組成が(La0.200Pr0.503Nd0.295Zr0.002)0.83Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10になったものを用いるようにした。なお、この水素吸蔵合金においては、希土類元素LnとジルコニウムZrとの合計のモル数に対するジルコニウムZrのモル数の割合Zr/(Ln+Zr)は0.002になっている。また、この水素吸蔵合金について、上記の実施例1の場合と同様にして、2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBを求めたところ、強度比IA/IBは0.57であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
実施例3では、水素吸蔵合金として合金組成が(La0.200Pr0.500Nd0.295Zr0.005)0.83Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10になったものを用いるようにした。なお、この水素吸蔵合金においては、希土類元素LnとジルコニウムZrとの合計のモル数に対するジルコニウムZrのモル数の割合Zr/(Ln+Zr)は0.005になっている。また、この水素吸蔵合金について、上記の実施例1の場合と同様にして、2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBを求めたところ、強度比IA/IBは0.52であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
実施例4では、水素吸蔵合金として合金組成が(La0.200Pr0.490Nd0.290Zr0.020)0.83Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10になったものを用いるようにした。なお、この水素吸蔵合金においては、希土類元素LnとジルコニウムZrとの合計のモル数に対するジルコニウムZrのモル数の割合Zr/(Ln+Zr)は0.020になっている。また、この水素吸蔵合金について、上記の実施例1の場合と同様にして、2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBを求めたところ、強度比IA/IBは0.48であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
比較例1では、水素吸蔵合金として合金組成が(La0.200Pr0.475Nd0.275Zr0.050)0.83Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10になったものを用いるようにした。なお、この水素吸蔵合金においては、希土類元素LnとジルコニウムZrとの合計のモル数に対するジルコニウムZrのモル数の割合Zr/(Ln+Zr)は0.050になっている。また、この水素吸蔵合金について、上記の実施例1の場合と同様にして、2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBを求めたところ、強度比IA/IBは0.50であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
比較例2では、水素吸蔵合金として合金組成が(La0.200Pr0.450Nd0.250Zr0.100)0.83Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10になったものを用いるようにした。なお、この水素吸蔵合金においては、希土類元素LnとジルコニウムZrとの合計のモル数に対するジルコニウムZrのモル数の割合Zr/(Ln+Zr)は0.100になっている。また、この水素吸蔵合金について、上記の実施例1の場合と同様にして、2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBを求めたところ、強度比IA/IBは0.53であり、CaCu5型とは異なる結晶構造を有していた。
次に、上記のようにして作製した実施例1〜4及び比較例1,2の各アルカリ蓄電池を、それぞれ180mAの電流で16時間充電させて1時間放置させた後、360mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて1時間放置させ、各アルカリ蓄電池を活性化させた。
そして、このように活性化させた実施例1〜4及び比較例1,2の各アルカリ蓄電池を、それぞれ1800mAの電流で90分間充電させた後、1800mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させ、これを1サイクルとして、5サイクルの充放電を繰り返して行い、各アルカリ蓄電池の放電容量が安定した時点における放電容量を初期容量として求めた。
次いで、このように放電容量が安定した実施例1〜4及び比較例1,2の各アルカリ蓄電池を、それぞれ1800mAの電流で充電させ、電池電圧が最大値に達した後、10mV低下するまで充電させ、これを1時間放置した後、1800mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて1時間放置させ、これを1サイクルとして、充放電を繰り返して行い、それぞれ放電容量が上記の初期容量の60%になるまでのサイクル数を求め、これをサイクル寿命として下記の表1に示した。
また、上記の実施例1〜4及び比較例1,2の各アルカリ蓄電池において使用した上記の各水素吸蔵合金粉末を用い、それぞれ水素吸蔵合金粉末25重量部に対して、Niパウダーを75重量部の割合で加え、ペレット状に加圧成形して、各水素吸蔵合金粉末を用いた各負極を作製した。
一方、正極としては、3mol%の硝酸コバルトと3mol%の硝酸亜鉛とを加えた硝酸ニッケル水溶液を、多孔度85%のニッケル焼結基板に化学含浸法により含浸させて作製した円筒状になった焼結式ニッケル極を使用し、アルカリ電解液としては、30重量%の水酸化カリウム水溶液を用い、図2に示すような試験用アルカリ蓄電池を作製した。
ここで、この試験用アルカリ蓄電池においては、図2に示すように、容器20内に上記のアルカリ電解液23を収容させ、上記の円筒状になった正極21内に負極22を位置させるようにして、上記の正極21と負極22とを上記のアルカリ電解液23中に浸漬させると共に、参照極24として酸化水銀電極を浸漬させた。
そして、上記の各負極22を使用し、150mA/gの電流で160%まで充電させた後、150mA/gの電流で参照極24に対する負極22の電位が−0.5Vになるまで放電させ、このような充放電を7回繰り返して行い、各負極22に用いた各水素吸蔵合金における最大容量(mAh/g)を求め、その結果を表1に合わせて示した。
この結果、負極に前記の強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金を用いた実施例1〜4及び比較例1,2のアルカリ蓄電池において、上記の水素吸蔵合金における希土類元素LnとジルコニウムZrとの合計のモル数に対するジルコニウムZrのモル数の割合Zr/(Ln+Zr)が0.002〜0.02の範囲になった水素吸蔵合金を使用した実施例1〜4の各アルカリ蓄電池は、前記のZr/(Ln+Zr)が0.02を超える水素吸蔵合金を使用した比較例1,2のアルカリ蓄電池に比べてサイクル寿命が向上すると共に、水素吸蔵合金における最大容量も大きくなっており、特に、希土類元素LnとジルコニウムZrとの合計のモル数に対するジルコニウムZrのモル数の割合Zr/(Ln+Zr)が0.005〜0.01の範囲になった水素吸蔵合金を使用した実施例1,3のアルカリ蓄電池においては、さらにサイクル寿命が向上すると共に、水素吸蔵合金における最大容量も大きくなっていた。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池缶
5 正極リード
6 正極蓋
7 負極リード
8 絶縁パッキン
9 正極外部端子
10 コイルスプリング
20 容器
21 正極
22 負極
23 アルカリ電解液
24 参照極
2 負極
3 セパレータ
4 電池缶
5 正極リード
6 正極蓋
7 負極リード
8 絶縁パッキン
9 正極外部端子
10 コイルスプリング
20 容器
21 正極
22 負極
23 アルカリ電解液
24 参照極
Claims (3)
- 少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとジルコニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金であって、希土類元素とジルコニウムとの合計のモル数に対するジルコニウムのモル数の割合が0.002〜0.02の範囲であることを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
- 請求項1に記載したアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金において、上記の希土類元素とジルコニウムとの合計のモル数に対するジルコニウムのモル数の割合が0.005〜0.01の範囲であることを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
- 正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、その負極に請求項1又は請求項2に記載したアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を用いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
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