JP2006059657A - 対向ターゲット式スパッタ装置、有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネセンス素子 - Google Patents

対向ターゲット式スパッタ装置、有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 スパッタ成膜時の高エネルギー粒子による被成膜部材の損傷を低減することができる対向ターゲット式スパッタ装置、並びに、この装置を利用した有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネセンス素子を提供する。
【解決手段】 ターゲット面が空間を隔てて略平行に対向するように設けられた一対のターゲットと、ターゲット面に対して略垂直方向に磁界を発生させる磁界発生手段とを有し、ターゲット間の空間の側方に該空間と対面するように配置された被成膜部材上に膜形成を行う対向ターゲット式スパッタ装置であって、上記対向ターゲット式スパッタ装置は、ターゲット間の空間と被成膜部材との間に、ターゲット面よりも対向するターゲットの方向に突出した部分を有するプラズマ抑制板が設けられたものである対向ターゲット式スパッタ装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、対向ターゲット式スパッタ装置、有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネセンス素子に関する。より詳しくは、トップエミッション型有機エレクトロルミネセンス素子の電極成膜等に利用される対向ターゲット式スパッタ装置、並びに、この装置を利用した有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネセンス素子に関するものである。
有機エレクトロルミネセンス(Electroluminescence;以下、「EL」ともいう。)素子は、少なくとも一方が透光性を有する一対の電極間に、有機化合物からなる発光層、及び、必要に応じてホ−ル注入輸送層、電子注入輸送層等を挟持してなる構造を有するものである。このような有機EL素子は、低電圧駆動、高輝度の発光が可能であるといった特長を有することから、その研究・開発が盛んに行われている。
有機EL素子を用いた表示装置には、素子の駆動方法の違いにより、単純マトリクス方式とアクティブマトリクス方式とがある。単純マトリクス方式は、デューティー比の増加に応じて、各画素の瞬間発光輝度を高くする必要があるため、大型パネルにおいて消費電力の増大を招いてしまう。このため、特に大型パネルでは、アクティブマトリクス方式が主流になりつつある。
アクティブマトリクス方式は、マトリクス状に配置された各画素に設けられる薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下、「TFT」ともいう。)を制御信号でON,OFFすることにより、各々の有機EL素子の発光状態を制御し、画像表示する方式である。しかしながら、アクティブマトリクス方式に必須のTFTは光を透過しないポリシリコン、アモルファスシリコン等で形成され、配線等も光を透過しない金属で形成されるため、従来の基板側から発光を取り出す方式(ボトムエミッション方式)では、画素面積に対する発光面積の割合(開口率)が小さくなる。とりわけ、画素毎の素子特性のばらつきを抑え、かつEL材料の劣化によるパネル表示輝度の低下をより少なくするうえで有機EL素子を用いた表示パネルに適しているとされる電流駆動方式を採用した場合では、画素毎にTFTを4つ程度配置する必要があり、より単純だが画素毎の素子特性のばらつき抑制等で劣る電圧駆動方式において必要なTFT(2つ)の数の倍となるため、開口率が更に小さくなってしまう。
これを解決する技術として、基板と反対の側から発光を取り出す方式(トップエミッション方式)が考案されている。トップエミッション方式では、上部の電極を透光性材料で形成する必要があり、通常では、インジウム錫酸化物(Tin−doped Indium Oxide;以下、「ITO」ともいう。)やインジウム亜鉛酸化物(Zinc−doped Indium Oxide;以下、「IZO」ともいう。)等が用いられる。そして、一般的に、ITO膜やIZO膜の形成にはスパッタ法やイオンプレーティング法が用いられる。しかしながら、これらの方法は、成膜時において(真空)チャンバ内に高エネルギー粒子を発生させるため、先に形成した有機層や電子注入用電極等に損傷を与え、素子特性を劣化させてしまうという点で改善の余地があった。
そこで、従来の平行平板型スパッタ装置を用いたスパッタ法を改善する手法として、平行平板型スパッタ装置とはターゲット及び被成膜部材の配置構造が異なる対向ターゲット式スパッタ装置が注目されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。例えば、特許文献1では、対向ターゲット式スパッタ装置を用いたスパッタ法により電極を成膜する以下の有機EL素子の製造方法が提案されている。すなわち、所定の空間を隔てて平行に対向する一対のターゲットと、前記ターゲット面に対しほぼ垂直方向に磁界を発生する磁界発生手段と、前記ターゲットの対向する面以外の部分を覆うように設けられたシールドとを有し、前記ターゲット間の空間と対向する位置に基板を配置するように構成した対向ターゲット式スパッタ装置を用い、前記ターゲットとシールド間に所定の電圧を印加し、生じたプラズマをターゲット間に拘束しつつ、基板上に形成された有機EL構造体上に、電極を成膜する方法である。この方法にて使用される対向ターゲット式スパッタ装置によれば、プラズマ生成領域と成膜領域とがほぼ完全に分離されるため、被成膜部材をプラズマに殆ど曝すことなく、すなわち成膜時において、高エネルギー粒子による有機層やその上に堆積した膜等の損傷を回避しながら、プラズマフリーライクな状態で成膜を行うことができる。従って、従来の平行平板型スパッタ装置を用いたスパッタ法の課題が解消され、初期の発光輝度が高くて輝度半減期が長く、また、初期のダークスポットが極めて少なく、駆動後のダークスポットの発生や成長も少ないといった効果を得ることができると記載されている。
特開平10−255987号公報(第1,3,12頁、第1図) 特開2002−332567号公報(第1,10頁、第1図) 特許平5−75827号明細書(第1,10頁、第1図) 特開2002−4041号公報(第1,2頁) 特開2003−301267号公報(第1,2頁)
本発明者らは、対向ターゲット式スパッタ装置を用いたスパッタ法について検討したところ、従来の対向ターゲット式スパッタ装置を用いたスパッタ法でトップエミッション型有機エレクトロルミネセンス(EL)素子の(上部)透明電極を形成した場合、得られた素子は、真空蒸着法で電極形成したボトムエミッション型有機EL素子と比較して、同一輝度の発光を得るための電圧が高く、発光効率が低いことが判明した。更に検討を進めた結果、従来の対向ターゲット式スパッタ装置を用いてトップエミッション型有機EL素子を作製した際、ターゲット間の空間の側方に配置された被成膜部材の成膜領域に、発光特性の分布が見られることが判明した。具体的には、ターゲット間の空間の側方に配置された被成膜部材の成膜領域において、ターゲット間の中間付近の側方からターゲット面の近くの側方にかけて発光特性の低下が見られた。
この結果について鋭意検討したところ、以下の原因が考えられた。すなわち、従来の対向ターゲット式スパッタ装置を用いたスパッタ法では、成膜時において、電気的には各ターゲットが陰極、ターゲット周りに配設されているシールドが陽極として機能し、ターゲット周辺部で強い電界が形成される。このため、ターゲット面近くの側方の領域に位置する被成膜部材は、ターゲット周辺に生じた強電界により加速された高エネルギー粒子によって大きな損傷を受けるため、素子の発光特性に分布が見られると考えられる。なお、ターゲット周りに配設されるシールドは、プラズマを生成するための陽極として機能すると同時にターゲット周りの膜付着による陰極と陽極との電気的な短絡を防止するものであり、ターゲット周りの強電界により加速された高エネルギー粒子の被成膜部材への衝突を防ぐことはできない。なぜなら、通常、シールドは、付着した膜の剥離による陰極−陽極間の短絡を防ぐために、膜付着が過剰に生じるようなターゲットの対向面(前面)よりも突出した位置に配置されないからである。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、スパッタ成膜時の高エネルギー粒子による被成膜部材の損傷を低減することができる対向ターゲット式スパッタ装置、並びに、この装置を利用した有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネセンス素子を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、スパッタ成膜時の被成膜部材の損傷を低減することができる対向ターゲット式スパッタ装置について種々検討したところ、ターゲット面近傍の高エネルギー粒子が被成膜部材に衝突して損傷を与えていることに着目した。そこで、シールドとは別途、ターゲット(陰極)から離れた位置、具体的には、ターゲット間の空間と被成膜部材との間に、ターゲット面よりも対向するターゲットの方向に突出した部分を有するプラズマ抑制板を設けることにより、ターゲット周りに生じる強電界により加速された高エネルギー粒子による被成膜部材の損傷を低減することができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、ターゲット面が空間を隔てて略平行に対向するように設けられた一対のターゲットと、ターゲット面に対して略垂直方向に磁界を発生させる磁界発生手段とを有し、ターゲット間の空間の側方に該空間と対面するように配置された被成膜部材上に膜形成を行う対向ターゲット式スパッタ装置であって、上記対向ターゲット式スパッタ装置は、ターゲット間の空間と被成膜部材との間に、ターゲット面よりも対向するターゲットの方向に突出した部分を有するプラズマ抑制板が設けられたものである対向ターゲット式スパッタ装置である。
以下に、本発明の内容について詳述する。
本発明の対向ターゲット式スパッタ装置は、ターゲット面が空間を隔てて略平行に対向するように設けられた一対のターゲットと、ターゲット面に対して略垂直方向に磁界を発生させる磁界発生手段とを有し、ターゲット間の空間の側方に該空間と対面するように配置された被成膜部材上に膜形成を行うものである。上記ターゲットとは、スパッタリング(Sputtering)現象を利用した成膜(スパッタ成膜)において、加速されたプラズマ粒子等の高エネルギー粒子によりスパッタされる標的固体材料のことであり、高エネルギー粒子の衝突時における運動量の交換により、固体表面(ターゲット面)より原子(スパッタ粒子)等を放出するものである。上記磁界発生手段は、ターゲット面に対して略垂直方向、すなわち一対のターゲット間に磁界を発生させるものであり、本発明においては、このような磁界発生手段により、スパッタ粒子とともにターゲット面より叩き出された自由電子をターゲット近傍で周回させ、ターゲット近傍のプラズマ密度を高めるとともに、後述するターゲット間の空間内に生成したプラズマを拘束することができる。上記ターゲット間の空間とは、一対のターゲット間に形成される空間のことであり、通常では、成膜前に希薄なスパッタガス等が導入される。そして、通常、成膜時には、負電圧が印加されたターゲットの放電によって、スパッタガスよりプラズマが生成され、当該プラズマがターゲットをスパッタする。上記被成膜部材とは、ターゲット面より叩き出されたスパッタ粒子が堆積し、膜形成される部材のことである。本発明の対向ターゲット式スパッタ装置によれば、被成膜部材はターゲット間の空間の側方に上記空間と対面するように配置されることから、プラズマ発生領域であるターゲット間の空間と位置的に完全に分離され、従来の平行平板型スパッタ装置と比べ、プラズマフリーライクな状態で成膜することができる。また、被成膜部材のセルフバイアスが低減されるため、微妙な電圧制御による膜質制御が可能となる。なお、本発明の対向ターゲット式スパッタ装置を用いて形成される膜としては、スパッタ法により形成することができるものであれば特に限定されるものではない。
上記対向ターゲット式スパッタ装置は、ターゲット間の空間と被成膜部材との間に、ターゲット面よりも対向するターゲットの方向に突出した部分を有するプラズマ抑制板が設けられたものである。これにより、ターゲット周辺部に形成された強い電界により加速された高エネルギー粒子等の被成膜部材への衝突が抑制され、成膜時における被成膜部材の損傷を低減することができる。以下、この作用効果について、従来公知の対向ターゲット式スパッタ装置と比較しながら詳しく説明する。
図2は、プラズマ抑制板を有しない従来の対向ターゲット式スパッタ装置の構成を示す模式図である。なお、図中、Eは電界、Hは磁界を表す。図2に示す装置を用いて、図3に示すようなトップエミッション型有機エレクトロルミネセンス(EL)素子の上部透明電極26を形成した。このとき、被成膜部材を走査させることなく、被成膜部材である有機EL素子の位置(成膜位置)を変えて複数のサンプルを作製し、作製した各サンプルの素子特性を評価した。図4は、プラズマ抑制板を有しない従来の対向ターゲット式スパッタ装置を用いたときの被成膜部材の成膜位置と有機EL素子の電流効率との相関を示した図である。なお、図4において、成膜位置0は一方のターゲット(例えば、50a)の前面(ターゲット面)の側方にあたる位置を表し、成膜位置1とは他方のターゲット(例えば、50b)の前面の側方にあたる位置を表す。また、電流効率の値は、ターゲット50a,50b間の中間点の側方にあたる位置で電極形成した有機EL素子の特性値によって規格化したものである。図4に示す結果から、ターゲット50a,50b間の中間点の側方に比べ、左右各々のターゲット50a,50bの前面の側方で電極形成された有機EL素子の特性が低下していることが分かる。これについては、以下のような理由が考えられる。すなわち、図2に示すような従来の対向ターゲット式スパッタ装置では、電気的には各ターゲット50a,50bが陰極、ターゲット50a,50b周りに配設されているシールド56a〜56dが陽極として機能し、ターゲット50a,50b周辺で強い電界Eが形成される。このため、ターゲット50a,50b周辺の強電界Eで加速された高エネルギー粒子がターゲット50a,50bの前面の側方に配置した被成膜部材55a,55bに衝突し、この領域の被成膜部材55a,55bが大きな損傷を受けたことに起因すると考えられる。
図1は、本発明の対向ターゲット式スパッタ装置の構成の一例を示す模式図である。本発明の対向ターゲット式スパッタ装置では、図1に示すように、シールド16a〜16dとは別途、陰極であるターゲット10a,10bから離れた位置に、ターゲット10a,10bの前面よりも対向するターゲットの方向に突出した部分を有するプラズマ抑制板13a,13bが設けられている。このように本発明においては、ターゲット10a,10bの周辺に形成される強電界Eによるプラズマ生成に影響を与えることなく、強電界Eによって加速された高エネルギー粒子の被成膜部材15への衝突を防ぎながらスパッタ成膜を行うことが可能となる。また、プラズマ抑制板13a,13bは簡単な構造であるため、本発明の実施は容易であり、その修理・取替え等のメンテナンスも容易である。なお、プラズマ抑制板13a,13bは、従来から用いられているシールドとは別に設けられるものであり、付着した膜の剥離によるスパッタ装置の陽極と陰極との短絡は従来通りシールドで保護することができる。プラズマ抑制板13a,13bの材質としては、例えば、ステンレス等が挙げられる。プラズマ抑制板13a,13bの表面は、成膜時に付着する膜の剥がれ防止の観点から、ブラスト処理により粗化されていることが好ましい。プラズマ抑制板13a,13bの配置場所としては、ターゲット間の空間と被成膜部材との間であれば特に限定されないが、プラズマ抑制板−ターゲット間の電界発生を防止する観点から、ターゲットから離れた位置であることが好ましい。また、プラズマ抑制板の形状としては、単なる板状に限定されるものではなく、例えば、メッシュやパンチング穴が形成されたものであってもよい。
本発明の対向ターゲット式スパッタ装置の構成要素について以下に詳しく説明する。
上記ターゲットの構成材料としては、有機エレクトロルミネセンス(EL)素子に用いられる電極材料等が用いられ、反応性スパッタリングを行う場合には反応性ガスとの反応により電極材料等となる材料が用いられる。ターゲットの形状は被成膜部材の大きさや形状に応じて適宜設定されることが好ましく、四角形であってもよいし、円形であってもよい。
上記磁界発生手段としては、所定の磁束密度でターゲット面に対し略垂直方向に磁界を発生し得るものであれば特に限定されず、永久磁石、電磁石等が挙げられるが、経済性の観点から永久磁石が好ましい。このような永久磁石としては、例えば、ネオジウム磁石(Nd−Fe−B)、サマリウムコバルト磁石(Sm−Co)、フェライト磁石、アルニコ磁石等が挙げられる。永久磁石の形状としては特に限定されず、通常は柱状のものが用いられる。
上記ターゲット間の空間に導入されるスパッタガスとしては、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等の不活性ガスが用いられるが、反応性スパッタリングの場合には、これらの不活性ガスに加えて、酸素(O)、窒素(N)、一酸化二窒素(NO)等の窒素酸化物(NO、通称:ノックス)、アンモニア(NH)、アセチレン(C)、メタン(CH)、エタン(C)、一酸化炭素(CO)、水素(H)、硫化水素(HS)等の反応性ガスが用いられる。なお、成膜時におけるスパッタガス圧は、10-3以上、102Pa以下であることが好ましく、10-2以上、10Pa以下であることがより好ましい。また、上記被成膜部材としては、例えば、基板、有機薄膜素子等が挙げられる。
本発明の対向ターゲット式スパッタ装置は、ターゲットの周りにシールドが設けられていることが好ましい。これにより、陽極部と陰極部とを隔てる絶縁部材への膜付着やチャンバー壁やシールド等の部材からの膜剥離による陽極と陰極との短絡を防止することができる。また、シールドを陽極として利用することで、成膜時において、ターゲットに負電圧を印加して、シールド(陽極)−ターゲット(陰極)間に強電界を発生させることができ、ターゲット近傍のプラズマ密度を高め、スパッタ速度を向上することが可能である。この形態において、シールドは接地されていることが好ましい。
スパッタ成膜時の投入電源としては特に限定されないが、導電材料の成膜時には直流(DC)電源、絶縁材料の成膜時には交流(RF)電源を用いることが好ましい。投入電力は、0.1W/cm以上、100W/cm以下であることが好ましい。更に、スパッタ電圧を下げるために直流(DC)電力に対して交流(RF)電力を重畳することもできる。
本発明の対向ターゲット式スパッタ装置の構成としては、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。
以下、本発明の対向ターゲット式スパッタ装置の好ましい形態について説明する。
上記対向ターゲット式スパッタ装置は、ターゲット間の空間の側方で被成膜部材を走査させる手段を有することが好ましい。本発明の対向ターゲット式スパッタ装置が備えるプラズマ抑制板は、ターゲット面近くの被成膜部材の高エネルギー粒子による損傷を低減したスパッタ成膜を可能ならしめるものの、プラズマ抑制板がターゲット面より突出した分だけ均一に成膜することができる範囲を狭めてしまうため、ターゲット間の空間の側方で被成膜部材を走査させることにより、被成膜部材の成膜領域が制限されることなく、大面積のスパッタ成膜が可能となる。
上記プラズマ抑制板は、ターゲット面から対向するターゲットの方向に突出した部分の長さが、対向するターゲット間の距離の1/10以上、1/3以下であることが好ましい。1/10以上であることにより、ターゲット面近傍の強電界により加速された高エネルギー粒子の被成膜部材への衝突を充分に防ぐことができるとともに、1/3以下であることにより、量産等にも充分に対応し得る成膜時間内に、所望の膜形成を行うことができる。以下に、この作用効果について詳しく説明する。
図1に示す本発明の一実施形態である対向ターゲット式スパッタ装置を用いて、図3に示すトップエミッション型有機EL素子の上部透明電極26を形成した。なお、図3中の白抜き矢印は、発光を取り出す方向を表す。図5は、図1の対向ターゲット式スパッタ装置において、ターゲット10a,10b間の空間と被成膜部材15との間に配置したプラズマ抑制板13a,13bのターゲット間距離に対するターゲット面からの突出部分の長さ(以下、「突出長さ」ともいう。)と作製された有機EL素子の発光特性との相関を示す図である。図5に示す電流効率は、(プラズマ抑制板13a,13bのターゲット10a,10bの前面から突出した部分の長さ)/(ターゲット間距離)の比が0.4のときの有機EL素子の特性値(最大値)によって規格化したものである。図1に示すように、左右のターゲット10a,10bの各々の上方にプラズマ抑制板13a,13bを配置し、プラズマ抑制板13a,13bの突出長さは左右同じとした。また、ターゲット10a,10b間の空間の側方で均一な膜厚となるように被成膜部材15を一定速度で複数回走査しながらスパッタ成膜を行うことにより有機EL素子の電極形成を行った。
図5より、プラズマ抑制板13a,13bの突出長さが、ターゲット間距離の1/10以上のときに良好な素子特性を得ることができることが分かる。従来のように、プラズマ抑制板がない形態では、図4に示すように、ターゲット50a,50bの前面からターゲット50a,50b間の中間点までの約1/2のターゲット50a,50b側の領域(ターゲット50a,50b間距離に対するターゲット50a,50bの前面からの距離の割合が約0.25の領域)で特性の低下が見られたが、本発明では、プラズマ抑制板13a,13bについて、ターゲット10a,10b間距離に対しターゲット10a,10bの前面から各々1/10以上突出させるだけで本発明の作用効果を充分に得ることができた。これは、ターゲット面10a,10b近傍の強電界Eによって加速された高エネルギー粒子の飛行方向は、被成膜部材15に対して垂直方向だけでなく大きく拡がっていることに起因していると考えられる。一方、プラズマ抑制板13a,13bの突出長さが大きくなるに伴って、1走査当たりの成膜量は減少し、同膜厚を得るためには、より多くの走査が必要となる。つまり、左右のプラズマ抑制板13a,13b間に形成される開口の大きさにおよそ反比例して、被成膜部材15の走査回数は増大することとなる。量産で用いるためには、可能な限り、短時間で成膜できることが好ましく、従って、プラズマ抑制板13a,13bの突出長さはターゲット10a,10b間距離に対して各々1/3以下にすることが好ましい。プラズマ抑制板の突出長さは、ターゲット間距離に対して、1/8以上、1/4以下であることがより好ましい。なお、プラズマ抑制板の突出長さは、ターゲット空間とプラズマ抑制板との距離、及び、プラズマ抑制板と被成膜部材との距離にも応じて適宜設定される。プラズマ抑制板の配置としては、対向するターゲット間に生成したプラズマへの影響を抑えるためにターゲット空間(ターゲットの被成膜部材側の端部)と被成膜部材との距離の1/10以上の距離をターゲット空間から離して配置することが好ましい。
本発明はまた、上記対向ターゲット式スパッタ装置を用いて電極を形成する有機EL素子の製造方法でもある。本発明の有機EL素子の製造方法によれば、ターゲット面近傍の側方における有機EL構成部材の有機層等の高エネルギー粒子による損傷を低減しながら電極の形成を行うことができ、高発光効率の有機EL素子を製造することができる。上記電極としては特に限定されないが、透明電極が好ましく、透明電極材料としては、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等が挙げられる。なお、有機EL素子の電極構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、本発明の有機EL素子の製造方法は、積層構造を有する電極のうちの1層のみをプラズマ抑制板を備える対向ターゲット式スパッタ装置を用いて形成するものであってもよい。
本発明は更に、上記有機EL素子の製造方法により製造されてなる有機EL素子でもある。このような有機EL素子は、電極のスパッタ成膜時において、高エネルギー粒子による有機層等の損傷を防止することができ、優れた発光特性を有することができる。本発明の有機EL素子の好ましい形態としては、本発明の対向ターゲット式スパッタ装置を用いて、基板と反対側の透明電極を形成したトップエミッション型の素子等が挙げられる。
本発明の有機EL素子の形態としては、例えば、基板、陽極層、ホール注入層、高分子発光層、透光性金属層、透明電極層をこの順に積層してなる形態等が挙げられる。
本発明はそして、上記有機EL素子を備えてなる有機EL表示装置でもある。このような有機EL表示装置によれば、本発明の対向ターゲット式スパッタ装置を用いて電極形成された有機EL素子の特性ばらつきが少ないので、良好な表示を実現することができる。
本発明の対向ターゲット式スパッタ装置によれば、ターゲット空間と被成膜部材との間にプラズマ抑制板が設けられていることから、スパッタ成膜時において、ターゲット面近くの側方に位置する被成膜部材の高エネルギー粒子による損傷を低減することができる。このような本発明の対向ターゲット式スパッタ装置は、例えば、トップエミッション型有機EL素子の上部電極の形成等に好適に用いることができるものである。
本発明の対向ターゲット式スパッタ装置を用いて、以下に詳述する有機EL素子を作製した。具体的には、有機EL素子の製造工程のうち、第2電極(陰極)の透明電極層を形成する際に、本発明の対向ターゲット式スパッタ装置を用いた。図3は、本発明の対向ターゲット式スパッタ装置を用いて作製した有機エレクトロルミネセンス(EL)素子の断面構成の一例を示す模式図である。
本実施形態の有機EL素子は、図3に示すように、基板21上に第1電極(陽極)22、有機層30、第2電極40をこの順に積層した構造を有する。第2電極40は透光性を有する金属層25と透明電極層26とからなる。
有機層30を構成する材料は、低分子材料でも高分子材料でも構わない。本実施形態においては、図3に示すように、有機層30は正孔注入層23と有機発光層24との積層構造としているが、単層構造であっても上述した以外の多層構造であってもよく、例えば、以下に示す(1)〜(5)のような構造が挙げられる。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)有機発光層
(2)正孔輸送層/有機発光層
(3)有機発光層/電子輸送層
(4)正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(5)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
上記(1)〜(5)に示す有機発光層は、単層構造であっても多層構造であってもよい。また、母体材料に添加共存物質(ドーパント)を添加(ドープ)した層であってもよい。以下、本実施形態では、有機発光層の形成に高分子材料を用いた有機EL素子について記載するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
図3に示す有機発光層24は、従来公知の方法で成膜することが可能であり、例えば有機発光層形成用塗液を用いて、スピンコート法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等のウェットプロセスで成膜することが可能である。
有機発光層形成用塗液は、発光材料を含有する溶液である限り、含有する発光材料は一種類であっても多種類であってもよい。また、その他に湿潤・浸透剤(レベリング剤)、発光アシスト(EA)剤、添加剤(ドナー、アクセプター等)、電荷輸送剤、発光ドーパント等を含有していてもよい。発光材料としては、有機EL素子用の従来公知の発光材料を用いることができる。このような発光材料は、高分子発光材料、高分子発光材料の前駆体等に分類される。以下に、具体的な化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
高分子発光材料としては、例えば、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)(DO−PPP)、ポリ[2,5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニルレン]ジブロマイド(PPP−NEt3+)、ポリ[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)等が挙げられる。また、高分子発光材料の前駆体としては、例えば、ポリ(p−フェニレンビニレン)前駆体(Pre−PPV)、ポリ(p−ナフタレンビニレン)前駆体(Pre−PNV)等が挙げられる。また、塗液用溶剤としては、発光材料を溶解又は分散できるものであればよく、例えば、純水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等が挙げられる。
正孔輸送層及び電子輸送層(以下、両者を合わせて「電荷輸送層」ともいう。)は、単層構造であってもよいし多層構造であってもよい。電荷輸送層は発光層と同様、従来公知の方法で成膜が可能である。電荷輸送材料としては、従来公知の材料が使用可能である。以下に具体的な化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
正孔輸送材料としては、例えば、ポルフィリン化合物、N,N−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N−ビス−(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N−ジフェニル−ベンジジン(NPD)等の芳香族第三級アミン化合物、ヒドラゾン化合物、キナクリドン化合物、スチルアミン化合物等の低分子材料、ポリアニリン、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルスルフォン酸(PEDOT/PSS)、ポリ(トリフェニルアミン誘導体)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)等の高分子材料、ポリ(p−フェニレンビニレン)前駆体(Pre−PPV)、ポリ(p−ナフタレンビニレン)前駆体(Pre−PNV)等の高分子材料前駆体が挙げられる。電子輸送材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、フルオレノン誘導体等の低分子材料、ポリ[オキサジアゾール]等の高分子材料が挙げられる。また、溶剤としては、発光材料の形成に使用する溶剤が使用可能である。
電極の各層には、従来公知の電極材料を用いることが可能である。また、電極層と有機層との界面に必要に応じてキャリア注入層等の膜を挿入することも可能である。
陽極22としては、仕事関数の大きな金属材料(アルミニウムAu,ニッケルNi,白金Pt等)や導電性金属酸化物(インジウム錫酸化物ITO、インジウム亜鉛酸化物IZO、酸化亜鉛ZnO、酸化第二錫SnO等)からなる単層膜又は複数の材料の積層膜を用いることができる。また、陽極22上に導電性を大きく妨げない程度の厚み(例えば1nm程度)の酸化物を有機層30に接する側に積層したものを用いてもよい。例えば、SiO等の薄い酸化物層の付加により、有機発光材料塗液やキャリア輸送材料塗液の被覆性を更に良好なものにすることができる。
陰極となる透光性金属層25としては、例えば、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、セシウム(Cs)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)等の仕事関数が4.0eV以下の低仕事関数金属を用いることができるが、発光層として高分子有機発光層24を適用した場合には、中でもCa、Baが好適に用いられる。通常、透光性金属層25は、酸素や水等による低仕事関数金属の変質を抑えるために、ニッケル(Ni)、オスミウム(Os)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、金(Au)、ロジウム(Rh)等の化学的に比較的安定な金属と低仕事関数金属との合金からなる単層膜又は複数の材料の積層膜が好適に用いられる。
また、トップエミッション型有機EL素子では、陰極に透光性を与えるために薄く形成し、かつ電極として充分な導電性を確保する必要があるため、ITO、IZO、ZnO、SnO等の導電性金属酸化物を透明電極層26として透光性金属層25上に形成する。透明電極層26は、単層又は複数の材料の積層膜としてもよい。
本発明の有機EL素子の構成としては、第1電極22、少なくとも発光層24を含んだ単層又は複数層からなる有機層30、第2電極40を有するものではあればよく、例えば上述した酸化物層(SiO層)のように、第1電極22、有機層30、第2電極40以外の層を含んでいてもよい。
以下に実施例を掲げ、本発明について図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
〔実施例1〕
図3は、本発明に係る実施例1の有機EL素子の断面構成を示す模式図である。
図3を参照しながら、実施例1の有機EL素子の製造方法について説明する。
5cm×5cm角の絶縁性の基板21上に、電子ビーム(EB)蒸着装置を用い、厚さ約150nmのPt電極22を幅2mm、長さ5cmのストライプ状に形成した。次に、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルフォン酸(PSS)との混合水溶液をスピンコート法により塗布し、150℃で20分間乾燥して、ホール注入層23を形成した。ホール注入層23の膜厚は溶液の濃度、スピンコート時の回転数を制御することにより、約60nmの厚さにした。次に、ポリフルオレン誘導体の溶液を同様にスピンコート法で塗布し乾燥することにより、発光層24を形成した。次に、透光性金属層25をPt電極22と交差する向きに幅2mm、長さ5cmのストライプ状に形成した。透光性金属層25は、カルシウムCaを5wt%含むアルミニウムAlからなる膜を抵抗加熱蒸着法で膜厚が10nmになるように形成した。最後に、本発明の対向ターゲット式スパッタ装置を用いて、被成膜部材をターゲット間の空間の側方で複数回走査することにより、ITO膜26を透光性金属層25上に同じストライプパターンになるように膜厚100nmで形成した。ITO膜26の形成にはターゲットとしてITO焼結ターゲットを用いた。本実施例における対向ターゲット式スパッタ装置を用いたスパッタ法におけるITO膜26形成の際の詳細な成膜条件について、表1に示す。なお、表1中のスパッタガス流量単位sccmは、標準条件(standard;1013hPa、25℃)におけるcc(cm)/minの略称であり、プラズマ抑制板のターゲット間距離に対する突出割合とは、プラズマ抑制板のうちターゲット面から突出した部分の長さのターゲット距離に対する割合を表す。
Figure 2006059657
プラズマ抑制板の位置は、対向するターゲット間の空間と被成膜部材との間であれば、本発明の作用効果は得られる。本実施例において、プラズマ抑制板の取り付け位置は、図1に示すように、ターゲット10a,10b上端と被成膜部材15との間のほぼ中間とした。また、本実施例においては、プラズマ抑制板13a,13bには膜剥がれ防止のために表面にブラスト処理によって凹凸を施したステンレス板を用いたが、本発明は何らこれに限定されるものではない。更に、板の代わりにメッシュやパンチング穴が形成されたプラズマ抑制板13a,13bを用いた場合でも、同様の作用効果は得られる。
このようにして作製した有機EL素子に、Pt電極22が正、ITO電極26が負になるように直流電圧を印加すると、発光層24からの緑色発光が蛍光灯下で観察された。この素子は、4.3cd/(A・m・cm)の電流効率が得られた。なお、電流効率は、輝度計を用いて測定した有機EL表示装置の発光輝度と、輝度測定時の有機EL表示装置に流れている電流値と、有機EL表示装置の発光面積とから、下記式より算出した。
電流効率(cd/(A・m・cm))=発光輝度(cd/cm)/{電流値(A)×発光面積(m)}
〔比較例1〕
第2電極40の透明導電層であるITO膜26について、プラズマ抑制板を有しない従来の対向ターゲット式スパッタ装置を用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の電流効率は2.4cd/(A・m・cm)であった。
実施例1と比べて、比較例1で作製した有機EL素子の発光特性が低い原因は、対向ターゲット式スパッタ装置のターゲット近傍の高エネルギー粒子によるダメージによるものと考えられる。
本発明の対向ターゲット式スパッタ装置の断面構成を示す模式図である。 従来の対向ターゲット式スパッタ装置の断面構成を示す模式図である。 本発明のトップエミッション型有機エレクトロルミネセンス(EL)素子の断面構造を示す模式図である。 従来の対向ターゲット式スパッタ装置を用いて上部透明電極を形成した有機EL素子の電流効率とその成膜位置との関係を示す図である。 本発明の対向ターゲット式スパッタ装置を用いて上部透明電極を形成した有機EL素子の電流効率とプラズマ抑制板の突出長さとの関係を示す図である。
符号の説明
10a,10b,50a,50b:ターゲット
11a,11b,51a,51b:ターゲット支持部材
12a〜12d,52a〜52d:磁界発生手段
13a,13b,53a,53b:プラズマ抑制板
14,54:スパッタ粒子
15,55:被成膜部材又は基板
16a〜16d,56a〜56d:シールド
17,57:電源
18,58:アース
21:基板
22:白金(Pt)電極
23:ホール注入層
24:高分子発光層
25:透光性金属層
26:透明電極層
30:有機層
40:第2電極
55a,55b:高ダメージ領域
61:強いプラズマ領域
62:弱いプラズマ領域

Claims (6)

  1. ターゲット面が空間を隔てて略平行に対向するように設けられた一対のターゲットと、ターゲット面に対して略垂直方向に磁界を発生させる磁界発生手段とを有し、ターゲット間の空間の側方に該空間と対面するように配置された被成膜部材上に膜形成を行う対向ターゲット式スパッタ装置であって、
    該対向ターゲット式スパッタ装置は、ターゲット間の空間と被成膜部材との間に、ターゲット面よりも対向するターゲットの方向に突出した部分を有するプラズマ抑制板が設けられたものである
    ことを特徴とする対向ターゲット式スパッタ装置。
  2. 前記対向ターゲット式スパッタ装置は、ターゲット間の空間の側方で被成膜部材を走査させる手段を有することを特徴とする請求項1記載の対向ターゲット式スパッタ装置。
  3. 前記プラズマ抑制板は、ターゲット面から対向するターゲットの方向に突出した部分の長さが、対向するターゲット間の距離の1/10以上、1/3以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の対向ターゲット式スパッタ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の対向ターゲット式スパッタ装置を用いて電極を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  5. 請求項4記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法により製造されてなることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  6. 請求項5記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えてなることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス表示装置。
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