JP2006058849A - ドラム及びドラムにおけるヘッド調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】チューニング作業を容易に行うことができるとともに、演奏時の振動による調整用ボルトの緩みを効果的に防止してチューニングのずれを極力抑制することのできるドラム、及び該ドラムにおけるヘッド調整装置を提供する。
【解決手段】ラグボルト9の回転操作部としての頭部9aの下面(押圧面)と上側フープ6との間には、ゴム付ワッシャー16が挿入されている。ゴム付ワッシャー16は、ゴム製の弾性体15と、外形形状が弾性体15の外周を覆うように形成された椀型のカバー部14とによって構成されている。カバー部14は、弾性体15の外周を覆う円筒状に形成された筒部を有しており、弾性体15はその下端部がカバー部14の筒部の下面よりも下方に突出した状態に組み付けられる。そして、ラグボルト9が締められると、弾性体15がカバー部14に潰されるため、カバー部14の筒部の下面と上側フープ6の上面とが当接した状態となる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ドラム及びドラムにおけるヘッド調整装置に関する。
バスドラムやスネアドラム等のドラムでは、ドラムの胴体部の外周に複数個設けられたヘッド調整装置にてドラムヘッドの張力を調整するようになっている(例えば、特許文献1参照)。図6(a)は、こうしたヘッド調整装置の代表的な構成の一例を示す要部断面図であって、特に上側ヘッドの張力を調整するヘッド調整装置を示している。
図6(a)に示すように、ドラム22には、上下両端が開放された円筒状の胴体部2が設けられ、その胴体部2の両側開口部を塞ぐように円盤形状の上側ヘッド3、下側ヘッド(図示略)がそれぞれ設けられている。上側ヘッド3はその外周縁を、胴体部2の外周に嵌合される環状の上側ヘッド枠5によって保持されている。上側ヘッド枠5の上側には、同じく上側ヘッド枠5の外周を覆うように形成された環状の上側フープ6が上側ヘッド枠5の上面に当接した状態で且つ胴体部2からは離間した状態で設けられている。
このように配置される上側ヘッド3の張りを調整するヘッド調整装置23は、胴体部2の外周に固定される固定具としてのラグ7と、ラグ7内に組み込まれるようにラグ7の上端に設けられるラグナット8と、そのラグナット8と上側フープ6とを連結するラグボルト9等で構成されている。ラグボルト9は上側フープ6に形成されたボルト用取付孔13に上方から挿入されており、その先端がラグナット8の内部まで到達して螺合している。以上の構成において、上側ヘッド3の張りを調整する際には、ラグボルト9を回転させてラグボルト9をラグナット8に対して進退移動させることにより、上側フープ6を上側ヘッド枠5に押し付けて、上側ヘッド枠5を軸線に沿う下方向へ移動させるようになっている。
ところで、ドラム22の演奏中には、演奏による振動によってラグボルト9が緩み、チューニングが狂ってしまうことがある。このため、従来から、ラグボルト9の緩みを防止する種々の構造が提案されている。例えば、上記のヘッド調整装置23においては、ラグ7内のラグナット8の下に薄いゴムシート11を設けている。ゴムシート11には横長楕円形状の孔12(図6(b)参照)が貫通形成されており、この孔12にラグボルト9の先端に形成されたねじ部9bが挿通されている。したがって、ラグボルト9のねじ部9bの谷部内にゴムシート11が変形して圧入状態となるため、ラグボルト9は不用意に回転しにくくなっている。
特開平05−307383
しかしながら、ゴムシート11は弾力性があり柔軟であるため、上記のようにラグボルト9のねじ部9bの谷部内にゴムシート11が圧入状態とされていても、上側ヘッド3が大きく振動した場合や、長期間演奏を続けているとやはり徐々にラグボルト9が緩んでしまうという問題があった。
また、図示を省略した別な緩み防止構造としては、上記のゴムシート11に替えナイロン製のリング状部材を用いるものがある。このナイロン製のリング状部材にはラグボルトの外径よりやや小径の孔が穿設されており、この孔にラグボルトをねじ込む構成とされているため、リング状部材とラグボルトのねじ部との間に大きな摩擦力が生じ、この摩擦力が衝撃や振動を抑えるためラグボルトの回転を防ぐことができる。この点、上記のようなゴムシート11を設ける構成と比べて、リング状部材を用いる構成の場合には、長時間演奏してもその振動によってラグボルトは緩みにくいものとなる。しかし、その一方で、リング状部材を用いる構成の場合には、調整時においても摩擦力が大きい分ラグボルトの締め込みに際して必要なトルクが大きくなり、専用のドラムキーを使用しないとラグボルトを回せないためチューニング作業が非常にやりにくい。また、長期間使用しているとリング状部材が塑性変形して摩擦力が小さくなり、やはり次第にリング状部材とラグボルトとの間に緩みが生じてしまうという問題もあった。
さらに別の緩み防止構造として、ラグナットの外側に別のロックナットを備えてダブルナット構造とする方法や、ラグボルトの頭部にプラスチック製の薄板部材をセットしてその薄板部材を上側フープに連結することでラグボルトの回転を防止する方法等がある。しかし、チューニングが狂って再度のチューニングが必要な際には、ロックナットを緩めたり薄板部材を取り外したりしなければならず、いずれの構成にしてもチューニング時の作業行程数が多くなり作業が煩雑であった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、チューニング作業を容易に行うことができるとともに、演奏時の振動による調整用ボルト(ラグボルト)の緩みを効果的に防止してチューニングのずれを極力抑制することのできるドラム、及び該ドラムにおけるヘッド調整装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係るドラムは、開口部を備えた筒状の胴体部と、当該胴体部の外周に配置された複数個の固定具と、前記胴体部の開口部を覆うヘッドと、当該ヘッドを保持して前記胴体部の外周に嵌合され且つ前記胴体部の軸方向に移動可能なヘッド枠と、前記ヘッドの外周に前記ヘッド枠を挟んで前記固定具と対抗するように嵌合されるフープと、当該フープに設けられたボルト用取付孔に挿通される調整用ボルトであって、その頭部が前記固定具に設けられたナットと前記フープを挟んで対向すると共に、その先端に設けられたねじ部が前記ナットに螺合し、当該ナットに対する前記ねじ部の螺合量が変化させられることにより、その頭部が前記フープを介して前記ヘッド枠を押圧する押圧力が変化する調整用ボルトとを有し、当該調整用ボルトの進退により前記ヘッドの張力が調整されるドラムにおいて、前記調整用ボルトの頭部と前記フープとの間に配置される緩み止め装置を備え、当該緩み止め装置は、前記調整用ボルトの外周に嵌合する環状の弾性体と、当該弾性体の前記調整用ボルトの進退方向における潰し量を一定にする潰し量設定部とを含んで構成されることを特徴とする。
請求項2に係るドラムは、請求項1に記載のドラムにおいて、前記緩み止め装置は、前記弾性体の前記調整用ボルトの径方向外方側への弾性変形を抑制する抑制部を有することを特徴とする。
請求項3に係るドラムは、請求項2に記載のドラムにおいて、前記緩み止め装置は、前記弾性体の外周を覆う筒部を備えたカバー部を有し、当該カバー部の筒部の内側面によって前記抑制部が構成されるとともに、前記カバー部の筒部によって前記弾性体の潰し量を一定にする前記潰し量設定部が構成されることを特徴とする。
請求項4に係るドラムは、請求項3に記載のドラムにおいて、前記弾性体の内径は、弾性変形しない状態において前記調整用ボルトの外径より僅かに小さいことを特徴とする。
請求項5に係るドラムにおけるヘッド調整装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のドラムにおける調整用ボルトと、緩み止め装置とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、チューニング作業を容易に行うことができるとともに、演奏時の振動による調整用ボルトの緩みを効果的に防止してチューニングのずれを極力抑制することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。なお、従来技術(図6参照)と同様の構成については同様の符号を付して説明することとする。
図1は、本実施形態におけるドラム1の全体平面図であって、図2はその全体側面図である。各図に示すように、ドラム1は上下両端が開放された円筒状の胴体部2を備え、円盤形状の上側ヘッド3、下側ヘッド(図示略)が胴体部2の両端開口部2aを塞ぐようにそれぞれ設けられている。胴体部2の外周には、上側ヘッド3及び下側ヘッドの張りを調整するためのヘッド調整装置4が等角度間隔をおいてそれぞれ複数個(本実施形態では上下各8個ずつ)設けられている。
図3は、図2のA−A線における部分断面図であって、ヘッド調整装置(上側ヘッドの張力を調整するヘッド調整装置)4を説明する図である。また、図3は、ドラム1の演奏時の設置状態における態様を示している。図3に示すように、上側ヘッド3はその外周縁を、胴体部2の外周に嵌合される環状の上側ヘッド枠5によって保持されている。上側ヘッド枠5の上側には、同じく上側ヘッド枠5の外周を覆うように形成された環状の上側フープ6が上側ヘッド枠5の上面に当接した状態で且つ胴体部2からは離間した状態で設けられている。
このように配置される上側ヘッド3の張りを調整するヘッド調整装置4は、胴体部2の外周に固定される固定具としてのラグ7と、ラグ7内に組み込まれるようにラグ7の上端に設けられるラグナット8と、そのラグナット8と上側フープ6とを連結するラグボルト9等で構成されている。中空体として形成されるラグ7は、その一側面が胴体部2の外周面に密着するように形成されており、胴体部2の内側から挿通された2つのねじ18によって胴体部2の外周に対して前記上側ヘッド枠5を挟んで前記上側フープ6と対向するように固定されている。ラグ7の上端に設けられるラグナット8は、その上端部がラグ7の上面から突出しており、ラグナット8の下に設けられる脱落防止用のゴムシート11によって回転止めされた状態で、その下端部がラグ7の内部に固定されている。また、ゴムシート11には横長楕円形状の孔12(図6(b)参照)が貫通形成されている。
また、ラグボルト9は、上側フープ6に形成されるボルト用取付孔13に上方から挿入されており、その頭部(回転操作部)9aが前記ラグナット8と前記上側フープ6を挟んで対向すると共に、ラグボルト9のねじ部9bとして形成された先端がラグナット8及びゴムシート11の孔12を貫通している。これにより、ラグボルト9のねじ部9bの谷部内にゴムシート11が変形して圧入状態となるため、ラグボルト9は不用意に回転しにくくなっている。さらに、ラグボルト9の回転操作部としての頭部9aの下面(押圧面)と上側フープ6との間には、ゴム付ワッシャー16が挿入されている。ゴム付ワッシャー16は、ゴム製のリング状の弾性体15と、外形形状が弾性体15の外周を覆うように形成された全体が椀型のカバー部14とによって構成されている。このカバー部14は、中央にラグボルト9を挿通するための挿通穴14cが形成された底部14aと、その底部14aの外周縁から下方へ延びる筒部14bとからなり、その筒部14bは前記弾性体15の外周を覆う円筒状に形成されている。
図4は、ラグボルト9の頭部9a近傍、特にゴム付ワッシャー16の構成を示す側面図である。なお、図4は、演奏時の設置状態等の一般的態様を示す図3とは異なり、ラグボルト9単体にゴム付ワッシャー16を取り付けたときの態様を示している。図4に2点鎖線で示すように、本実施形態では、弾性体15の内径は、ラグボルト9に装着前の、弾性変形しない状態において、ラグボルト9の外径より僅かに小さい。そしてラグボルト9に装着した状態では弾性体15の内周は、ラグボルト9の周面に沿って伸ばされるように変形し、その内周面がラグボルト9の表面に密着するように環装される。カバー部14の内径となる前記挿通穴14cの内径はラグボルト9の外径より僅かに大きくなっている。そして、弾性体15の下端部はカバー部14の筒部14bの下面より下方へ突出している。こうした構成により、ラグボルト9の外周に取り付けられたゴム付ワッシャー16は、弾性体15の内向きへの弾性復帰の力によってラグボルト9に固定される。このため、上側ヘッド3を交換する際にラグボルト9を外した場合でも、ゴム付ワッシャー16がラグボルト9から脱落しないようになっている。
また、ラグボルト9がなんら締められていない状態では図4に示すように、カバー部14の筒部14bの下面と上側フープ6の上面との間には隙間Sが形成されている。なお、この隙間Sが、ラグボルト9の進退方向(図4において上下方向)における弾性体15の潰し量に相当する。また、図3に示すように、演奏時の設置状態等でラグボルト9が適度に締められた場合、弾性体15は、ラグボルト9の頭部9aの下面と上側フープ6との間で圧縮されて、隙間Sに相当する潰し量分だけ潰れた押圧状態で設置される。そして、弾性体15が潰し量(隙間S)分だけ潰れた押圧状態では、カバー部14の筒部14bの下面と上側フープ6の上面とが当接して隙間Sはなくなり、カバー部14の底部14aはラグボルト9の頭部9aの下面に当接し、上側フープ6の上面はカバー部14の筒部14bの下面及び弾性体15の下面に当接するようになっている。
この図3の状態においては、カバー部14と上側フープ6には、潰れた弾性体15が上下方向に弾性復帰しようとする力が常に作用している。これらのゴム付ワッシャー16の作用効果については本発明の要部であるため、後に詳述することとする。なお、カバー部14の底部14aがラグボルト9の頭部9aの下面に当接し、カバー部14の筒部14bの下面と上側フープ6の上面との隙間Sが一定とされることで、本実施形態では前記カバー部14の筒部14bにより潰し量設定部が構成されている。また、本実施形態では、カバー部14の筒部14bの内側面14dが抑制部に相当するものであって、前記ゴム付ワッシャー16にて調整用ボルト(ラグボルト9)の緩み止め装置が構成されている。さらに、本実施形態では、ラグボルトの外径は5mm、カバー部14の外径は12mm、厚みは3mm程度となっている。また、隙間Sは1mm程度となっている。
以上の構成により、ラグボルト9の頭部9aを回転させてラグボルト9とラグナット8との螺合量を調整することで上側ヘッド3の張りを調整できるようになっている。具体的には、例えば上側ヘッド3を張る方向にチューニングする場合、図3における態様から、ラグボルト9の頭部9aを時計方向Cに回転させてラグナット8との螺合量が増加するよう調整する。すると、ラグボルト9はその回転量に応じて下降し、それに伴いラグボルト9の頭部9aの下面が上側フープ6を下方へ押し付けて、さらに上側フープ6が上側ヘッド枠5を下方へ押し付けて、上側ヘッド枠5を軸線に沿う下方向へ移動させる。よって、上側ヘッド枠5に保持された上側ヘッド3は、下方へ引っ張られるようにして張る方向に調整される。また、上側ヘッド3を緩める方向にチューニングする場合は、ラグボルト9の頭部9aを時計方向Cと反対方向に回転させれば、上記と逆の作用により上側ヘッド3を緩める方向に調整することができる。
次に、演奏時の振動によるラグボルト9の緩み防止作用について、本発明の要部構成であるゴム付ワッシャー16の作用を中心に説明する。演奏時の振動を詳しく見ると、図3において、演奏中上側ヘッド3を叩くと上側ヘッド3は瞬間的に張られる方向に力を受けるため、上側ヘッド枠5には上方への力が働く。さらにこの上方への力を受けた上側ヘッド枠5が上側フープ6を上方へ押し上げることによりラグボルト9及びゴム付ワッシャー16等も同様に上方へ押し上げられる。次いで、上側ヘッド3を叩いた直後は、上側ヘッド3は張られる方向に受けていた力の開放により瞬間的に緩むことになる。この場合、上記と逆の作用により上側ヘッド枠5及び上側フープ6は下方へ移動してもとの位置(上側ヘッド3を叩く前の図3に示す位置)に復帰する。
このとき、ラグボルト9及びゴム付ワッシャー16も併せて下降するが、慣性によりこれらの部材は上側ヘッド枠5等と比べて瞬時遅れて下降するため、ラグボルト9の頭部9aの下面と上側フープ6との間隔は瞬間的に広くなる(図3、図4においてS1<S2)。ここで、上記したようにカバー部14には潰れた弾性体15が上下方向に弾性復帰しようとする力が常に作用しているため、間隔が広くなった場合(即ち、S2の場合)には図4に示すように弾性体15が上下に拡大するように弾性復帰変形する。このため、カバー部14の底部14aはラグボルト9の頭部9aの下面に当接し、弾性体15の下面は上側フープ6に当接した状態が維持されることとなる。その後、ラグボルト9とカバー部14は再び元の位置(図3の状態)に下降することになるが、併せて弾性体15は再び上下方向に潰されて図3の設置状態に戻ることとなる。
このように、振動によりラグボルト9が上下動する際にも、予め隙間Sに相当する潰し量分だけ弾性体15を潰しているため、ラグボルト9の頭部9aの下面及び上側フープ6には弾性復帰による力が作用し続けている。このため、弾性体15が振動を吸収するように作用し、ラグボルト9の頭部9aの下面とカバー部14との間、弾性体15と上側フープ6の上面との間に振動によって隙間が生じることがない。よって、ラグボルト9の不用意な回転を抑制してラグボルト9の緩みを防止することができるため、演奏時にチューニングが狂うこともない。また、予め隙間Sにて弾性体15のラグボルト9の進退方向(軸線に沿う方向)における潰し量を一定にしているため、ラグボルト9の締め込みに伴い弾性体15が塑性変形することがなく、常に一定の反力が得られ繰り返し使用することができる。
また、弾性体15の内径はラグボルト9の外径より僅かに小さくなっており、弾性体15の外周を覆うカバー部14の筒部14bの内側面14dによって外方向(ラグボルト9の径方向外方)への弾性変形が内側へ押し戻されるようにして抑制されている。このため、弾性体15の内径部がラグボルト9を押し付けるように作用し、弾性体15のラグボルト9に対する摩擦力が高まるためラグボルト9をさらに緩みにくくすることができる。
さらに、弾性体15が潰れ始めるまではラグボルト9を締めるために必要以上のトルクがかからないため、所定のチューニングキーを使わなくてもある程度までは手でラグボルト9を回転操作することができる。なお、これまで上側ヘッド3の張りを調整するヘッド調整装置4に着目して説明したが、下側ヘッドの張りを調整するヘッド調整装置4も同様の構成であって上記上側ヘッド3のヘッド調整装置4と同様に緩み止め構造体(ゴム付きワッシャー16)を採用することができる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ラグボルト9の回転操作部としての頭部9aの下面(押圧面)と上側フープ6との間に、ゴム製の弾性体15がカバー部14に組み込まれて構成されたゴム付ワッシャー(緩み止め構造体)16が挿入されている。この構成により、演奏における振動が生じた際には弾性体15が弾性復帰して振動を吸収し、ラグボルト9の頭部9aの下面とカバー部14との間、弾性体15と上側フープ6の上面との間には振動によって隙間Sが生じることがない。従って、ラグボルト9の不用意な回転を抑制してラグボルト9が緩まないようにすることができる。演奏時の振動によってチューニングが狂うことを極力防止できる。
(2)上記実施形態では、ゴム付ワッシャー16は、ゴム製の弾性体15と、外形形状が弾性体15の外周を覆うように形成された椀型のカバー部14とによって構成され、そのカバー部14は、中央にラグボルト9を挿通するための挿通穴14cが形成された底部14aと、その底部14aの外周縁から下方へ延びる筒部14bとからなる。このため、カバー部14の筒部14bの内側面14dが弾性体15の外方向(ラグボルト9の径方向外方)への弾性変形を抑制して当該弾性体15を内方向へと変形するように導き、弾性体15はラグボルト9を押し付けるように作用する。よって、弾性体15のラグボルト9に対する摩擦力が高まるためラグボルト9をさらに緩みにくくすることができる。
(3)また、カバー部14の筒部14bの下面と上側フープ6の上面との間には隙間Sが形成され、弾性体15のラグボルト9の進退方向(軸線に沿う方向)における潰し量を一定にしている。このため、ラグボルト9の締め込みに伴い弾性体15が塑性変形することがなく、繰り返し使用することができる。
(4)上記実施形態では、弾性体15の内径はラグボルト9の外径より僅かに小さい。このため、ゴム付ワッシャー16は、弾性体15が内向きへ弾性復帰する力によってラグボルト9に固定される。よって、ラグボルト9を外した場合でも、ゴム付ワッシャー16がラグボルト9から脱落することがなく、ゴム付ワッシャー16を紛失することもない。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、ラグボルト9の回転操作時に抵抗が大きければ、図5に示すようにゴム付ワッシャー20(16)の下側に平ワッシャー17を設けてもよい。この構成によれば、平ワッシャー17によって弾性体15の回転による摩擦抵抗が軽減されるため、チューニング操作を良好にできる。また、弾性体15が摩擦により摩耗したり破損したりすることを極力防止できる。なお、平ワッシャー17は金属製、樹脂製等いずれであってもよい。また、金属製の平ワッシャー17とする場合は、平ワッシャー17を焼付けにより弾性体15と一体に固定してもよい。この場合、ゴム付ワッシャー20(16)と平ワッシャー17とが一体化され、ラグボルト9を外した際にそれぞれの部材が離散することがない。
・さらに、樹脂製の平ワッシャー17の内周に径方向内方に突出する複数のリブ21(図5参照)を設ける構成としてもよい。具体的には例えば、平ワッシャー17のリブ21の内方向先端における内径はラグボルト9の外径より僅かに小さくなるようにし、リブ21は平ワッシャー17の内周に沿って複数箇所に所定ピッチ間隔をおいて点在形成することにより実施できる。この構成によれば、樹脂製の平ワッシャー17のリブ21が弾性変形してラグボルト9を内方向(径方向内方)に押し付けるように作用するため、ラグボルト9を外した場合でも平ワッシャー17が脱落することがなく紛失することもない。
・上記実施形態では、弾性体15の内径は、ラグボルト装着前の弾性変形しない状態において、ラグボルト9の外径より僅かに小さいものとしたが、ラグボルト9と同径もしくは僅かに大きい内径の弾性体19としてもよい(図5参照)。この場合であっても、弾性体19が弾性復帰して演奏時の振動を吸収することによる上記詳述したラグボルト9の緩み止め効果を十分に奏することができる。さらに、上記別例で記載したようにリブ付きの平ワッシャー17と組み合わせて実施すれば、ゴム付ワッシャー20及び平ワッシャー17が共にラグボルト9から脱落することを防止できる。
・ゴム付ワッシャー16におけるカバー部14の上下の向きは逆でもよい。また、その場合、カバー部14の筒部14bの下面がラグボルト9の頭部9aの下面に当接しカバー部14の底部14aが上側フープ6に当接する態様にて実施することができ、上記と同様の効果を奏する。もちろん、この構成において、上記別例の平ワッシャー17をラグボルト9の頭部9aの下面とゴム付ワッシャー16の間に設けてもよい。
・上記実施形態のカバー部14は、底部14aを有する椀型形状としたが、底部14aを有さない環状の部材としてもよい。この場合であっても、環状の部材の下面より弾性体15の下面が下方に位置するようにすれば、環状の部材の下面と上側フープ6との間に所定の隙間が形成されるため、上記実施形態と同様に潰し量設定部としての機能・効果を奏すことができる。
・また、図3、図4に示すようにカバー部14は弾性体15の外周に密着する形態としたが、弾性体15の外周と所定の隙間を有する構成としてもよい。弾性体15の弾性係数によっても変わるが、演奏中の振動に対して所定の潰し量による弾性復帰作用が得られれば、密着もしくは隙間を有するか否かは適宜変更することができる。
・上記実施形態のヘッド調整装置4は、胴体部2の外周に固定されるラグ7とラグナット8、ラグボルト9等を有する構成としたが、その他、テンションパイプ等によって構成されるタイプのヘッド調整装置においても、上記の緩み止め構造体(ゴム付ワッシャー16)は同様に採用することができる。
本実施形態におけるドラムの全体平面図。 本実施形態におけるドラムの全体側面図。 図2のA−A線における部分断面図であって、ヘッド調整装置を説明する図。 ラグボルトの頭部近傍、特にゴム付ワッシャーの構成を示す側面図。 別の実施形態におけるラグボルトの頭部近傍の構成を示す側面図。 (a)は従来におけるドラムの部分断面図であって、(b)は(a)におけるB−B線矢視断面図。
符号の説明
1…ドラム、2…胴体部、2a…開口部、3…上側ヘッド、4…ヘッド調整装置、5…上側ヘッド枠、6…上側フープ、7…ラグ(固定具)、8…ラグナット、9…ラグボルト(調整用ボルト)、9a…頭部、9b…ねじ部、11…ゴムシート、13…ボルト用取付孔、14…カバー部、14a…底部、14b…筒部、14d…内側面(抑制部)、15,19…弾性体、16,20…ゴム付ワッシャー(緩み止め装置)。

Claims (5)

  1. 開口部を備えた筒状の胴体部と、当該胴体部の外周に配置された複数個の固定具と、前記胴体部の開口部を覆うヘッドと、当該ヘッドを保持して前記胴体部の外周に嵌合され且つ前記胴体部の軸方向に移動可能なヘッド枠と、前記ヘッドの外周に前記ヘッド枠を挟んで前記固定具と対向するように嵌合されるフープと、当該フープに設けられたボルト用取付孔に挿通される調整用ボルトであって、その頭部が前記固定具に設けられたナットと前記フープを挟んで対向すると共に、その先端に設けられたねじ部が前記ナットに螺合し、当該ナットに対する前記ねじ部の螺合量が変化させられることにより、その頭部が前記フープを介して前記ヘッド枠を押圧する押圧力が変化する調整用ボルトとを有し、当該調整用ボルトの進退により前記ヘッドの張力が調整されるドラムにおいて、
    前記調整用ボルトの頭部と前記フープとの間に配置される緩み止め装置を備え、当該緩み止め装置は、前記調整用ボルトの外周に嵌合する環状の弾性体と、当該弾性体の前記調整用ボルトの進退方向における潰し量を一定にする潰し量設定部とを含んで構成されることを特徴とするドラム。
  2. 前記緩み止め装置は、前記弾性体の前記調整用ボルトの径方向外方側への弾性変形を抑制する抑制部を有することを特徴とする請求項1に記載のドラム。
  3. 前記緩み止め装置は、前記弾性体の外周を覆う筒部を備えたカバー部を有し、当該カバー部の筒部の内側面によって前記抑制部が構成されるとともに、前記カバー部の筒部によって前記弾性体の潰し量を一定にする前記潰し量設定部が構成されることを特徴とする請求項2に記載のドラム。
  4. 前記弾性体の内径は、弾性変形しない状態において前記調整用ボルトの外径より僅かに小さいことを特徴とする請求項3に記載のドラム。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のドラムにおける調整用ボルトと、緩み止め装置とを備えたことを特徴とするドラムにおけるヘッド調整装置。
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