JP2006058822A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 極めて高耐久で電位安定性に優れた電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】 導電性支持体及び該導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、前記電子写真感光体の最外表面を構成する硬化性最表面層を、少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋することにより硬化した化合物を含有させ、且つ硬化性最表面層に含まれるSi及びAlの合計量が200ppm以下とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性最表面層を有する電子写真感光体に関し、より詳しくは少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋することにより硬化した化合物を含有する硬化性最表面層を有する電子写真感光体に関する。
従来、電子写真感光体に用いられる光導電材料としては、セレン、硫化カドミウム及び酸化亜鉛等の無機材料を使用した無機電子写真感光体が主に使用されている。他方、有機材料を用いた有機電子写真感光体は、高生産性や無公害性等の利点が注目され研究開発が活発に行われており、光導電性特性が無機電子写真感光体並みの物が数多く見出され、無機電子写真感光体に代わり近年主力で用いられるようになってきている。これらの電子写真感光体は、電気的及び機械的特性の双方を満足するために、電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型の感光体として利用される場合が多い。
機能分離型の感光体において、初期は勿論、長時間使用した場合に於いても常に安定し高感度な電気的特性を発現するには、電荷輸送層に用いられる電荷輸送化合物の構造及び純度が極めて重要である。そこで、電荷輸送化合物は高純度な材料が要求され、各種精製法が検討されている。電荷輸送化合物の精製法としては、粗製品を再結晶法;シリカ又はアルミナカラムを使用したカラム分離精製法;又は活性炭処理法;活性白土処理法(例えば、特許文献1〜5参照);等が行われ、必要に応じて上記処理法を数回繰り返し行う、又は組み合わせて処理を行う等している。
一方、当然のことながら、繰り返し使用される感光体においては、その感光体表面には帯電、画像露光、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理といった電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、摺擦による表面の磨耗や傷の発生に対する耐久性、帯電による表面劣化(例えば転写効率や滑り性の低下)、更には感度低下、電位低下等の電気特性の劣化に対する耐久性も要求される。
一般に、感光体の表面は薄い樹脂層で構成されており、樹脂の特性が感光体の特性において非常に重要である。上述の諸条件をある程度満足する樹脂として、近年アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等が実用化されているが、前述したような特性のすべてがこれらの樹脂で満足されるわけではなく、特に感光体の高耐久化を図る上では、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂では被膜硬度は十分高いとは言い難い。これらの樹脂を表面層形成用の樹脂として用いた場合でも、繰り返し使用時において表面層の磨耗が起こり、さらに傷が発生するという問題点がある。
更に、近年の有機電子写真感光体の高感度化に対する要求から、電荷輸送化合物等の低分子量化合物が比較的大量に添加される場合が多いが、この場合それら低分子量化合物の可塑剤的な作用により膜強度が著しく低下し、繰り返し使用時の表面層の磨耗や傷発生が一層問題となっている。また電子写真感光体を長期にわたって保存する際に前述の低分子量化合物が析出してしまい、層分離するといった問題も発生している。
これらの問題点を解決する手段として、硬化性樹脂を電荷輸送層用樹脂として用いる試みが提案されている(例えば、特許文献6参照)。電荷輸送層用樹脂に硬化性樹脂を用い、電荷輸送層を硬化、架橋することによって、機械的強度が増し、繰り返し使用時の耐摩耗性及び耐傷性は大きく向上する。しかしながら、硬化性樹脂を用いても、電荷輸送物質
等の低分子量化合物成分は結着樹脂中において可塑剤として作用するため、先に述べたような析出や層分離の問題は根本的な解決になっていない。
また、電荷輸送物質と結着樹脂とで構成される電荷輸送層においては、電荷輸送能は樹脂に対する依存度が大きく、例えば硬度が十分に高いといわれるフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の硬化性樹脂は誘電率が高いものが多く、電荷輸送能に悪影響を及ぼしその特性が十分ではない場合がほとんどで、繰り返し使用時に残留電位の上昇が見られることがあり、電荷輸送能と耐久性の両者を満足させるまでには至っていない。
また、電荷移動層に炭素―炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、電荷移動材の炭素―炭素二重結合と熱又は光エネルギーによって反応させて、電荷移動層硬化膜を形成した電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献7及び8参照)。しかし、電荷輸送材はポリマー主骨格にペンダント状に固定化されているだけであり、先の可塑的な作用を十分に排除できないため機械的強度が十分ではない。また、電荷輸送能の向上のために電荷輸送材の濃度を高くすると、架橋密度が低くなり、十分な機械的強度を確保することができない。さらには重合時に必要とされる開始剤類の電子写真特性への影響も懸念される。
別の解決手段として、主鎖中に電荷輸送能を有する基を導入した熱可塑性高分子を用いて、電荷輸送層を形成させた電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献9参照)。従来の分子分散型の電荷輸送層と比較して、析出や層分離に対しては効果があり、機械的強度も向上するが、あくまでも熱可塑性樹脂であることから、その機械的強度には限界があり、樹脂の溶解性等を含めたハンドリングや、生産性の面で十分であるとは言い難い。
高い機械的強度と電荷輸送能の両立を達成する目的で、本発明者等は、連鎖重合性官能基を有する化合物を電子線照射、紫外線又は熱により架橋/硬化する提案をし(例えば、特許文献10〜15)、このことにより上記課題が大幅に改善されることを見出した。その中でも電荷輸送性化合物に連鎖重合性官能基を有する化合物を使用して電子線や紫外線照射又は熱により、重合/架橋して硬化した膜を最表面層に使用した場合が特に上記課題を大幅に改善することがわかった。しかし、この連鎖重合性官能基を有する化合物を硬化した膜は、通常の膜より大幅に削れなくなる為、硬化膜の表面が耐久により削れてリフレッシュされることが大幅に減り、そこに含まれている不純物の影響をかなり長期にわたって影響を受けてしまい、これまでに問題とならなかった新たな問題が生じてきている。
上記に述べたように、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋することにより硬化した化合物を最表面層に含有した電子写真感光体は、電気特性は勿論耐久性においても極めて優れている。この感光体は従来の表面層に比べ大幅に削れないことも有り、電気特性は連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物の純度に極めて大きく影響される。精製具合により初期の電気的特性(感度や残電等)が変わるのは勿論だが、液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィー等の分析上では同様の純度の化合物であっても、これらの分析法では検出されない不純物が残存することにより、硬化性が変わったり、初期及び耐久を含めての電気的特性が大きく変わったりする場合が有り、通常の低分子の電荷輸送層を熱可塑性樹脂に分散した場合や通常の高分子電荷輸送材料を使用した場合に比べ製造ロットによる各種特性の振れが大きいという問題が有る。特にこの電気的特性の差は、繰り返し使用時の耐久画像流れや環境が変わった場合の電位変動に関し、大きな問題が生じる場合が多い。
特開昭60−233156号公報 特開平4−310962号公報 特開平7−56365号公報 特開平7−261423号公報 特開2002−14478号公報 特開平2−127652号公報 特開平5−216249号公報 特開平07−72640号公報 特開平08−248649号公報 特開平11−265085号公報 特開2000−066424号公報 特開2000−066425号公報 特開2000−206715号公報 特開2000−206716号公報 特開2001−166519号公報
本発明の課題は、連鎖重合性官能基を少なくとも1つ以上有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋することにより硬化した化合物を最表面層に含有する電子写真感光体において問題となっている上記感光体特性を悪化する原因を解明し、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋することにより硬化した化合物を最表面層に含有する電子写真感光体の電気特性及び耐久性に極めて優れた電子写真感光体を提供することにある。
本発明者等は上記課題に鑑み鋭意検討した結果、電子写真感光体の硬化性最表面層に用いられる、少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物の精製に由来するSiやAlが、硬化性最表面層中で、ある規定以下の含有量となるようにすることにより、電気特性及び耐久性に優れた電子写真感光体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)導電性支持体及び該導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、
前記電子写真感光体は最外表面を構成する硬化性最表面層を有し、
該硬化性最表面層は、少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋することにより硬化した化合物を含有し、且つ硬化性最表面層に含まれるSi及びAlの合計量が前記硬化性最表面層全質量に対して200ppm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
(2)前記硬化性最表面層に含まれるSi及びAlの合計量は80ppm以下であることを特徴とする(1)に記載の電子写真感光体。
(3)前記連鎖重合性官能基は下記構造式(1)〜(5)のいずれかで表される基であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の電子写真感光体。
Figure 2006058822
(4)前記硬化性最表面層は、フィッシャーの弾性率(We)が45%以上であることを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の電子写真感光体。
(5)前記硬化性最表面層は、フィッシャーの弾性率(We)が48%以上であることを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の電子写真感光体。
(6)前記硬化性最表面層は、少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を放射線照射して、重合又は架橋反応を行うことにより形成されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(7)前記放射線は電子線であり、該電子線の加速電圧が300kV以下であることを特徴とする(6)に記載の電子写真感光体。
(8)前記電子線は、吸収線量率が1×10〜5×10Gy/secであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(9)前記少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物は、シリカ・アルミナ系吸着剤、シリカ・マグネシア系吸着剤及びケイ酸マグネシウム系吸着剤の少なくとも一種を用いて精製されたことを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(10)帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段と(1)〜(9)のいずれかに記載の電子写真感光体とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(11)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
(12)10,000枚の連続通紙耐久後の感光体の削れ量が0.3μm以下であることを特徴とする(11)に記載の電子写真装置。
本発明により、極めて高耐久で電位安定性に優れた電子写真感光体を提供することが可能となる。
連鎖重合官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋して硬化させた化合物を最表面層に含有させた電子写真感光体は、電気特性は勿論、耐久性においても極めて優れている。
一般に少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物は構造上殆どの物が常温では液体であり、従来使用されている低分子の電荷輸送性化合物のように再結晶法による精製が行えず、電子写真感光体に使用する様な高純度な連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を得るには、その化合物を特定の有機溶媒に溶解させ、シリカ・アルミナ系吸着剤である活性白土もしくは酸性白土等、シリカ・マグネシア系吸着剤及びケイ酸マグネシウム系吸着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種と接触させ精製するこ
とで大きな効果があり、これが一般的精製法と成っている。
しかしその際の問題点としては、不純物の有機化合物は殆ど効率よく除去が可能で有るが、シリカやアルミナ等の粒子はかなり細かなフィルターや濾紙を通しても微量ながら通り抜け、不純物として含有されてきてしまうのが現状であり、シリカやアルミナ等の粒子を完全に除去することは極めて難しい。特にSiやAl等の金属化合物は、水との親和性が極めて高く、それらの化合物が硬化性最表面層に含有されると、水分の吸着により環境での変動や耐久時の画像流れに大きな影響を及ぼすことが検討により判った。
本発明者等は、硬化性最表面層を有する電子写真感光体では、最表面層中に含有されるSiやAl等の金属化合物の影響が感光体の物性に顕著であり、それらの化合物が最表面層にどれ位の割合で不純物として混入した場合問題となり、且つどのような物性と相関があるかを検討した結果、以下のことを見出した。
本発明者等の検討の結果、電子写真感光体の硬化性最表面層が少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋して硬化したものを含有し、且つその硬化した硬化性最表面層に含まれる無機金属化合物が、硬化性最表面層全質量に対してSi及びAlの合計量で200ppm以下である場合が機械的強度及び電荷輸送能の両方に良好で、特に好ましくは80ppm以下で有る場合が好ましいことがわかった。そして、特にこの効果が顕著に見られる硬化性最表面層の物性としては、フィッシャーの弾性率が(We)が45%以上であり、特に大きな効果をもたらす場合は48%以上で有る。また、削れ量との相関は10,000枚の連続通紙耐久後の感光体の削れ量が0.3μm以下の場合、特に本発明の効果がある。
以下、本発明の電子写真感光体について詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体及び該導電性支持体上に感光層を有し、電子写真感光体の最外表面は、少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋して硬化した化合物を含有する硬化性最表面層で構成されている。
本発明の電子写真感光体の好ましい態様を述べる。
感光層は単一の層から構成されているか、又は積み重ねられた複数の層から構成されている。より具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一の層に含有する単一層から構成されているか、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層させて構成されている。なお、本発明では、積層型の感光層からなる感光体がより好ましく、電荷輸送層を複数層(例えば、第一の電荷輸送層、第二の電荷輸送層)の構成とすることも好ましい。
本発明の電子写真感光体において、単一の層で構成される単層型感光層又は複数の層で構成される積層型感光層の構成のいずれであっても、電子写真感光体の最外表面を形成する最表面層は、少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋することにより硬化した化合物により形成される。より詳しくは、少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋し、硬化膜を形成させることにより硬化性最表面層を形成させる。なお、本発明でいう最表面層は、感光層が単層型感光層である場合には単層型感光層そのものが相当し、感光層が前記積層型感光層である場合には、最表面の電荷輸送層が硬化性最表面層に相当する。
いずれの場合であっても、硬化性最表面層は、少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋することにより硬化した化合物を含有し、且つ硬化性最表面層に含まれるSi及びAlの合計量が200ppm以下であることを特徴とする。硬化性最表面層に含まれるSi及びAlの合計量を200ppmとするには、硬化
性最表面層に用いる、少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を特定の方法で精製を行うことにより達成できる。それについては、後述する。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、導電性支持体のムラや欠陥の被覆を目的として、及び画像入力がレーザー光の場合には散乱による干渉縞防止を目的として導電層を設けることが好適である。また、導電性支持体又は導電層と感光層との間に下引き層を設けてもよい。
まず、本発明に本発明における連鎖重合性官能基について説明する。本発明における「連鎖重合」とは、高分子物の生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合の前者の重合反応形態を示し、詳しくは、例えば技報堂出版、三羽忠広著の「基礎 合成樹脂の化学(新版)」1995年7月25日(1版8刷)P.24に説明されているように、その形態が主にラジカル又はイオン等の中間体を経由して反応が進行する不飽和重合、開環重合そして異性化重合等のことをいう。「連鎖重合性官能基」とは、前述の反応形態が可能な官能基を意味するが、本発明においては特に不飽和重合性官能基が好ましい。
「不飽和重合」とは、ラジカル、イオン等によって不飽和基、例えば下記に示す基を有する化合物(モノマー)が重合する反応であるが、
Figure 2006058822
主には、下記の基の重合による場合が大部分である。
Figure 2006058822
本発明で使用するのに好ましい不飽和重合性官能基としては、具体的には下記一般式(6)で示される基が挙げられる。
Figure 2006058822
(上記式中、Eは水素原子;フッ素、塩素及び臭素等のハロゲン原子;置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基;置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラ
ルキル基;置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基及びフリル基等のアリール基;メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基;−COOR;CONRを示す。
Wは置換基を有してもよいフェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基等のアリーレン基;置換基を有してもよいメチレン基、エチレン基、ブチレン基等の2価のアルキレン基;−COO−;−CH−;−O−;−OO−;−S−;−CONR−で示される。
、R、R及びRは水素原子、フッ素、塩素及び臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基;置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等のアリール基を示し、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、fは0又は1を示す。)
E及びW中で有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;水酸基;メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基等が挙げられる。
上記一般式(6)で示される不飽和重合性官能基の具体例を下記に示すが、本発明においてこれらに限定されるものではない。
Figure 2006058822
上記に示す不飽和重合性官能基中、Rは置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基;置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基;置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及びアンスリル基等のアリール基;又は水素原子を示す。
なお、Rが有していてもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;水酸基;メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基等が挙げられる。
本発明において、特に好ましい不飽和重合性官能基としては、下記構造式(1)〜(5)で示されるものが挙げられ、最も好ましい物としては構造式(1)のアクリロイルオキシ基及び構造式(2)のメタクリロイルオキシ基が重合速度等の面から好ましい。
Figure 2006058822
本発明における「連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物」は、連鎖重合性官能基と電荷輸送性を有する構造とによって構成される。
本発明における、連鎖重合性官能基として一般式(6)で示される不飽和重合性官能基を有する「電荷輸送性化合物」は、その構造単位の繰り返しより、モノマーとオリゴマーに大別される。モノマーとは一般式(6)で示される不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返しが無く、比較的分子量の小さいものを示し、オリゴマーとは一般式(6)で示される不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である。またポリマー又はオリゴマーの末端のみに一般式(6)で示される不飽和重合性官能基を有するマクロノマーも、本発明における硬化性最表面層用の硬化性化合物として使用可能である。
本発明においては、電子写真感光体の耐久性と電気的な特性の両立という点から、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物としては、モノマーを使用することが好ましい。また、上記一般式(6)で示される不飽和重合性官能基を有する電荷輸送性化合物としてのモノマーにおいては、一分子中の官能基数において更に分類が可能であり、一分子に不飽和重合性官能基が一つのものは単官能モノマーと呼ばれ、二つ以上の場合には多官能モノマーと呼ばれる。本発明において、電子写真感光体の硬化性最表面層の硬度を十分に確保するために多官能モノマーを使用することが好ましい。
一般式(6)で示される不飽和重合性官能基をもつオリゴマー又はマクロマーは、本発明において感光層の硬度と感光体特性の両立を計る上で、モノマーと混合して使用することが好ましい。この場合、モノマーの量はオリゴマーまたはマクロマーに対して80質量%以上で使用するのが好ましい。
連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物、特に不飽和重合性官能基を有する電荷輸送性化合物としては、不飽和重合性官能基を有する公知の電荷輸送性化合物や、公知の電荷輸送性化合物の一部に不飽和重合性官能基を付加した化合物等であればよい。電荷輸送性化合物としては、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルアミン化合物等を挙げることができるが、特にこれ等に限定されるものでは無く、電荷輸送機能を有する化合物であれば、いかなる化合物を用いることも可能である。
先にも述べた様に、電子写真感光体の最表面層の硬度を十分に確保するために、電荷輸送機能を有し且つ不飽和重合性官能基を有する化合物において、一分子中に複数の不飽和重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を用いることが好ましい。
本発明においては、少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物
を放射線照射により、より好ましくは電子線照射により重合又は架橋し硬化させることが好ましい。放射線照射により、好ましくは電子線照射により重合又は架橋し硬化される、少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物は、例えば特開2001−175016号公報に示されている連鎖重合性官能基を少なくとも一つ以上有する化合物が挙げられる。
表1−1及び表1−2に、少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物の代表例を示すが、勿論、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2006058822
Figure 2006058822
本発明における少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物は、電子写真感光体の硬化性最表面層中のSi及びAlの合計量が200ppm以下となるように、硬化性最表面層の原料として用いる前に、例えば硬化性最表面層の原料に含まれるSi及びAlの合計量が200ppm以下となるように以下のように精製処理をすると電気的特性の点から好ましい。まず、後述の溶媒に溶解させシリカ・アルミナ系吸着剤である活性白土もしくは酸性白土、シリカ・マグネシア系吸着剤及びケイ酸マグネシウム系吸着剤の少なくとも1種と接触させると精製効果が高い。接触させる方法としては、電荷輸送性化合物を後述の溶媒に溶解させ、粉状の上記吸着剤を添加して攪拌後、濾過により吸着剤を濾過後、濾液の溶媒を濃縮する方法や、電荷輸送性化合物を溶媒に溶解させ、粉状の上記吸着剤をカラム等に充填したところを通し、溶出液を濃縮する方法等が挙げられる。
硬化性最表面層中に含有されるSi及びAlの量は、ICP発光分光分析装置SPS1700(セイコーインスツルメント(株)製)を用いて以下のようにして定量分析を行う。まず、硬化性最表面層を削り取り、一定量(20mg)を測定する。次に、これをマイクロウェーブハイパワー試料前処理装置ETHOS1600(マイルストーンゼネラル(株)製)により内部温度220℃/1時間密封容器内で前処理し、これを王水(0.2g)に溶解しサンプルとした。この時の王水添加量は、正確に測定し、濃度がわかるようにしておく。このサンプルを、上記ICP分析装置を用いて高周波出力1kWで分析し、S
i及びAlの定量分析を行う。硬化性最表面層の原料に含有されるSi及びAlの定量も、同様に行う。
本発明における、少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を溶解するための溶媒及びカラム等で展開に使用する溶媒としては、該電荷輸送性化合物を溶解するものであれば特に制限が無い。例えば、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化物類、アルコール類、酸アミド類、アルデヒド類、ニトリル類、ケトン類、芳香族ニトロ化合物類、アルキルスルホキシド類等いずれでもよい。その中でも特に好ましくは、トルエン、キシレン、シメン等の芳香族炭化水素類;クロロフォルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化合物類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;等が挙げられ、単独でも混合して使用しても良い。
シリカ・アルミナ系吸着剤である活性白土又は酸性白土、シリカ・マグネシア系吸着剤及びケイ酸マグネシウム系吸着剤又はケイ酸マグネシウム吸着剤について以下に説明する。
酸性白土とは、モンモリロナイトを主成分とし、少量のクリストバル石が混入した物で主成分はシリカ/アルミナである。粉末又は粒状の市販品が使用でき、例えば水澤化学工業株式会社製のミズカエース(商品名)やキシダ化学株式会社製の酸性白土等が挙げられ、その他一般に製造販売されているものも使用できる。
活性白土とは、カオリン、ベントナイト、パーライト、ボーキサイト、酸性白土等の天然鉱物及び酸性白土等を硫酸処理により活性化させた活性白土等が使用できる。好適には、活性白土とカオリンやモリロン石を主体とする白色粘土を酸処理して活性を高めた物であり、主には天然の酸性白土を希酸で加熱処理した物である。例えば、日本活性白土株式会社製の活性白土(商品名)や水澤化学工業株式会社製のガレオンアース(商品名)やガレオナイト(商品名)等が挙げられ、その他一般に製造販売されているものも使用できる。
シリカ・マグネシア系吸着剤としては、例えば二酸化ケイ素と酸化マグネシウムを主成分とした多孔質吸着剤が挙げられ、水澤化学工業株式会社製のミズカライフ(商品名)等が挙げられ、その他一般に製造販売されているものも使用できる。
ケイ酸マグネシウム系吸着剤としては、ケイ酸マグネシウムを主成分とした吸着剤であり、例えばフロジリン社製のクロマト用フロリジル、富田製薬(株)製のトミタAD600シリーズ等が挙げられ、その他一般に製造販売されているものも使用できる。
前記処理剤の中でも活性白土とシリカ・マグネシア系吸着剤が特に好ましい。
前記吸着剤は、精製処理する電荷輸送化合物に対して5質量%以上が効果的であり、好ましくは10〜500質量%、特に好ましくは10〜200質量%である。処理温度は使用する溶媒が固化しない温度以上であれば良く、好ましくは5〜200℃、特に好ましくは20〜120℃である。接触時間は任意に選択できるが、5分以上が好ましく、5〜120分程度で十分効果が発現される。
精製に用いる溶媒量に限定は無いが、精製する電荷輸送化合物に対して50〜1000質量%が精製の効果および収率の両方の観点より好ましい。
前記処理剤の接触処理は何れか一種を用いて行えば良いが、場合によっては数種類を連続して並行処理してもよく、混合して処理してもよい。更に、前記処理剤の接触処理前後に再結晶処理、活性炭処理、アルミナ処理又はシリカ処理等を組み合わせて行うことにより更に効果が高くなる場合もある。いずれにしても、硬化性最表面層の原料に含まれるSi及びAlの合計量が200ppm以下となるように精製をすることが重要である。
上記のように精製処理した、少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を用いて電子写真感光体の硬化性最表面層を形成することで、硬化性最表面層中に含有されるSi及びAlの合計量が200ppm以下である、電気特性及び耐久性に極めて優れた電子写真感光体が得られる。それ以外の電子写真感光体の構成(導電性支持体、単層型感光層又は電荷発生層及び電荷輸送層から構成される積層型感光層等)は通常の電子写真感光体と同様の構成で構わない。
具体的に硬化性最表面層の形成方法としては、目的の塗布面に、前記の少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物をモノマー、オリゴマー又はマクロマーとして含有し、その他必要により任意の成分を含有した硬化性最表面層用塗料を塗布し、該モノマーを放射線照射により重合又は架橋して硬化させることにより行う。前記放射線は、好ましくは加速電圧が300kV以下の電子線であることが好ましい。また、該電子線は1×10〜5×10Gy/sec、より好ましくは1×10〜1×105
y/secの吸収線量率であることが良好な電子写真特性と硬化性の両立の点でよい。
硬化性最表面層の塗布方法としては、通常の電荷輸送層等を塗工する際に使用されている浸漬塗布、スプレー塗布、リング塗布等どれを用いても良く特に限定はないが、浸漬塗布方法が膜の均一性や電子写真特性の面からも好ましい場合が多い。
また、例えば図2に示す様な電子線照射装置で電子線を照射する事が出来る。
本発明で用いられる電子線照射装置は図2に示すように、電子線を発生させる電子線発生部10と、電子写真感光体に電子線を照射する照射部20と、電子線発生部10及び照射部20を連通する照射窓部30とを備える。
電子線発生部10は、電子線を発生するターミナル12と、ターミナル12で発生した電子線を真空空間で加速する加速管14とを有するものである。また、電子線発生部10の内部は、電子が気体分子と衝突してエネルギーを失うことを防ぐため、図示しない油拡散ポンプなどにより10−4〜10−5Paの真空に保たれている。ターミナル12は熱電子を放出する線状のフィラメント12aで発生した熱電子をコントロールするグリッド12cとを有する。フィラメント12a及びグリッド12cの図1における奥行き方向の長さは少なくとも試料よりも長い。
電子線発生部10には、フィラメント12aを加熱して熱電子を放出するための不図示の加熱用電源と、フィラメント12aとグリッド12cとの間に電圧を印加する同じく不図示の制御用直流電源と、グリッド12cと照射窓部30に設けられた窓箔32との間に電圧を印加する加速用直流電源とが設けられている。
照射部20は電子写真感光体表面1に電子線を照射する照射空間22を含むものである。後述の実施例のように、電子写真感光体の表面層を硬化させる場合には、硬化を安定させるために照射部内部を脱酸素の雰囲気としている。また、本発明の電子写真感光体1は照射部20の内をコンベア等の搬送手段により矢印Aの方向に搬送され照射部で搬送を止め、照射部で回転しながら照射する。照射終了後、また矢印Aの方向に搬送され外部に搬出される。
電子線発生部10及び照射部20の周囲は電子線照射時に二次的発生するX線が外部に漏出しないように、鉛遮蔽されている。
照射窓部30は金属箔からなる窓箔32と、窓箔32を冷却するとともに窓箔32を支持する窓枠構造体34とを有するものである。窓箔32は、電子線発生部10内の真空雰囲気と照射部20内の空気雰囲気とを仕切り、窓箔32を介して照射部20内に電子線を取り出すものである。
加熱用電源によりフィラメント12aに電流を流し、加熱するとフィラメント12aは熱電子放出し、この熱電子はフィラメント12aとグリッド12cとの間に印加された制御用直流電源の制御電圧により四方八方に引き寄せられる。このうちグリッド12cを通過したものだけが電子線として有効に取り出される。そして、このグリッド12cから取り出された電子線はグリッド12cと窓箔32との間に印加された加速用直流電源の加速電圧により加速管14内の加速空間で加速された後、窓箔32を突き抜け、照射窓部30の下方の照射部20内を搬送される電子写真感光体に照射される。なお通常は加熱用電源と加速用直流電源とを所定の値に設定し、制御用直流電源を可変にすることで、電子線の電流の調整を可能にしている。
なお、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を用いて硬化性最表面層用塗布液を作製する際、溶液状態とすることも可能であり、用いる溶剤としてはトルエン、キシレン及びモノクロルベンゼン等の芳香族系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メチルセルソルブ等のエーテル類、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール等のアルコール類等が使用可能である。
本発明の電子写真感光体は、硬化性最表面層のフィッシャーの弾性率(We)が45%以上であることが好ましく、より好ましくは48%以上である。硬化性最表面層のフィッシャー弾性率が45%以上とすることにより、耐摩耗性に優れた感光体が得られ、本発明の効果が得られる。また、硬化性最表面層のフィッシャー弾性率を45%以上とするには、硬化手段や選択する少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物の種やその他の添加モノマー等を適時選択すればよい。
フィッシャーの弾性率(We)は、電子写真感光体を25℃/湿度50%の環境でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時の値とする。
以下に、本発明の電子写真装置の一つの実施の形態として、上記電子写真感光体を用いた電子写真装置の概略構成例を示す。
図1において、1は像担持体としての本発明におけるドラム型電子写真感光体であり、矢印x方向に所定の周速度で回転駆動される。前記感光体1は回転過程で帯電手段2により、その周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部にての像露光手段3により光像露光(スリット露光・レーザービーム走査露光等)Lを受ける。これにより感光体1周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
その静電潜像は次いで現像手段4でトナー現像されたトナー像が転写手段5により不図示の給紙部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材Pの面に順次転写されていく。
像転写を受けた転写材Pは感光体1から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を
受けて複写物(コピー)として機外へ出力される。
像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段7の前露光光により除電処理されて繰り返して像形成に使用される。
光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光、又は原稿を読取り信号化し、この信号によりレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動等により行われる。ファクシミリのプリンターとして使用する場合には、光像露光Lは受信データをプリントするための露光になる。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版等、電子写真応用分野にも広く用いることができる。
上述の帯電手段2、現像手段3、クリーニング手段5、像露光手段等の構成要素のうち、複数のものを感光体1と一体に支持して装置ユニットとして構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在としたプロセスカートリッジも本発明の範囲内である。図1において、本発明のプロセスカートリッジは、感光体1と帯電手段2とクリーニング手段6とを、支持部材100を用いて一体化してひとつのプロセスカートリッジとし、装置本体のレール110等の案内手段を用いて着脱自在の構成にしても良い。
本発明の電子写真装置は、10,000枚の連続通紙耐久後の感光体の削れ量が0.3μm以下であることが好ましい。
以下、本発明を実施例により説明する。なお、実施例において配合量の「部」とあるのは、「質量部」を意味する。
(実施例1)
ポリアミド樹脂(6−60−64−124元ナイロン共重合体)1部、8−ナイロン樹脂(メトキシメチル化ナイロン、メトキシ化率約30%)3部をメタノール50部、ブタノール40部に溶解し、中間層用塗料を調整した。この塗料をホーニング処理した直径30mmのアルミシリンダー上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、0.55μmの中間層を形成した。
CuKαのX線回折におけるブラック角2θ±0.2°において7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を3部、ポリビニルブチラ−ル(商品名:エスレックBM2、積水化学(株)製)1.0部及びシクロヘキサノン35部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で16時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して105℃で10分間乾燥し、膜厚0.10μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送化合物として下記構造式(D−1)を4.0部及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(粘度平均分子量45,000)5.5部をモノクロロベンゼン38部に溶解し、第一の電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を前記の電荷発生層の上に浸漬塗布方法で塗布して100℃で60分間乾燥し、膜厚16μmの第一の電荷輸送層を形成した。
Figure 2006058822
次いで、表1−1の化合物例No.13の連鎖重合性官能基を有する粗製品の電荷輸送性化合物50gをトルエン200mlに溶解し、展開溶媒としてトルエンを使用し、シリカゲルカラム(富士シリシア化学(株)製:商品名BW−200:400gを直径200mmカラムに充填)にて分離精製を行い38g得た。得られた38gをトルエン100gに溶解し、そこへ活性白土(キシダ化学(株)製)30gを添加し30分間室温で攪拌処理した。活性白土を1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)を使用し濾過後更に1.0μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:T100A)を用い濾過した。濾液を減圧下で除去し精製品32g得た。
精製処理した化合物例No.13の電荷輸送性化合物60部をエタノール50部及びイソプロピルアルコール20部の混合溶媒中に溶解し、第二の電荷輸送層用塗料を調整した。この塗料を前記第一の電荷輸送層上に浸漬塗布方法で塗布し、40℃で10分乾燥後、図2に示す電子線照射装置を用いて電子線を照射した。サンプルは電子線照射窓部の下部までベルトコンベアーで搬送され、照射部で搬送を止めサンプルを回転しながら照射した(照射開始時のドラム温度は約25℃)。照射終了後再び搬送され外部に搬出される。このとき、電子線照射部における有効電子線照射幅(サンプル面での電子線密度分布において、そのピーク位置の1/e以上)である幅は4cmであった。電子線照射条件は吸収線量率1×10Gy/sec(有効電子線照射幅内での吸収線量/サンプル面上の任意の一点が有効電子線照射幅内に存在する時間)、加速電圧150kV、吸収線量(電子線照射工程においてサンプルが受ける全吸収線量)1×10Gyであった。なお、電子線の照射開始から終了までの時間は1.5秒であった。以上の条件にて電子線を照射して電荷輸送性化合物を硬化することにより膜厚4μmの第二の電荷輸送層を形成し、更に150℃1時間加熱処理を行って電子写真感光体を得た。
上記で得られた電子写真感光体ドラムについて、硬化性最表面層中のSi及びAlの合計量、フィッシャー弾性率(We)について評価した。
また、電子写真感光体の初期特性についても以下のようにして評価した。ヒューレットパッカード社製 Laser Jet9000n改造機(帯電のDC成分及び光量を変化出来るように改造)に装着し、常温低湿(23℃/10%)条件下で、帯電のDC成分と光量を変化させ初期暗部電位(Vd)が−650(V)になるように帯電設定をし、これに波長780(nm)のレーザー光を照射して−650(V)の電位を−170(V)まで下げるのに必要な光量(明部電位Vl)を測定し、感度とした。さらに、20(μJ/cm)の光量を照射した場合の電位を残留電位(Vr)として初期特性を測定して評価した。なお、電位は現像器の位置にプローブを装着し測定した。更にこの感光体を高温高湿(32℃/85%)条件下で同様な方法で初期特性を評価した。
次に、高温高湿(32℃/85%)条件下で10、000枚の通紙耐久を行って、耐久画像の評価と、削れ量及び初期と耐久直後の明部電位の変動量ΔVlを測定した(なお、初期の電位設定は先と同じで、暗部電位:−650(V)、明部電位:−170(V))
。それぞれの評価結果を以下の表2に示す。
(実施例2〜5)
実施例1で使用した表1−1の化合物例NO.13の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を実施例1と同様に精製し、その後の後処理で濾過に使用する濾紙やメンブランフィルターの保留粒子径の違う物を使用したり、又は濾過工程を省略したり等の工夫をして、表2に示すようなAl+Siの含有率が異なる硬化性最表面層として、第二の電荷輸送層を作製した。
具体的には、実施例2において1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)を使用し濾過後更に0.8μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:T080A)を用い濾過処理した。実施例3においては、1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)を使用し濾過後更に0.45μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:T045A)を用い濾過処理した。実施例4においては、1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)を使用し濾過後更に0.20μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:T020A)を用い2回濾過処理した。実施例5においては、1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)を使用し濾過後更に0.1μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:T010A)を用い濾過処理して、それぞれ電荷輸送性化合物を得た。
それ以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様な評価を行った。その結果を表2に示す。なお、電荷輸送性化合物中に含まれるSi及びAlの量は、表2に記載される硬化性最表面層中の含有量と略同一とする。
(比較例1〜3)
実施例1で使用した表1−1の化合物例NO.13の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を実施例1と同様に精製し、その後の後処理で濾過に使用する濾紙やメンブランフィルターの保留粒子径の違う物を使用したり、又は濾過工程を省略したり等の工夫をして、表3に示すようなAl+Siの含有率が異なる硬化性最表面層として、第二の電荷輸送層を作製した。
具体的には、比較例1において1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)のみを使用し濾過処理し、比較例2において3.0μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:A300A)のみ使用し濾過し、比較例3において5.0μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:A300A)のみ使用し濾過し、それぞれ電荷輸送性化合物を得た。
それ以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様な評価を行った。その結果を表3に示す。なお、電荷輸送性化合物中に含まれるSi及びAlの量は、表3に記載される硬化性最表面層中の含有量と略同一とする。
(実施例6〜7)
実施例1の電子線照射条件の吸収線量率をそれぞれ1×10Gy/sec、2.5×10Gy/secに変更した以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様な評価を行った。その結果を表2に示す。
(実施例8〜10)
実施例1で使用した表1−1の化合物例No.13の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を、表1−1の化合物例No.17に換え実施例1と同様にシリカゲルカラムを用い精製後更に活性白土とトルエン溶媒中で分散処理を行って精製し、その後の後処理で濾過に使用する濾紙やメンブランフィルターの保留粒子径の違う物を使用したり、又は濾過工程を省略したり等の工夫をして、表2に示すようなAl+Siの含有率が異なる硬
化性最表面層として、第二の電荷輸送層を作製した。
具体的には、実施例8において1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)を使用し濾過後更に1.0μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:A100A)を用い濾過処理し、実施例9において1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)を使用し濾過後更に0.45μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:A045A)を用い濾過処理し、実施例10において1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)を使用し濾過後更に0.2μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:A020A)を用い濾過処理し、それぞれ電荷輸送性化合物を得た。
それ以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様な評価を行った。その結果を表2に示す。なお、電荷輸送性化合物中に含まれるSi及びAlの量は、表2に記載される硬化性最表面層中の含有量と略同一とする。
(比較例4〜5)
実施例1で使用した表1−1の化合物例No.13の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を、表1−1の化合物例No.17に換え実施例1と同様にシリカゲルカラムを用い精製後更に活性白土とトルエン溶媒中で分散処理を行って精製し、その後の後処理で濾過に使用する濾紙やメンブランフィルターの保留粒子径の違う物を使用したり、又は濾過工程を省略したり等の工夫をして、表3に示すようなAl+Siの含有率が異なる硬化性最表面層としての第二の電荷輸送層を作製した。
具体的には、比較例4において3.0μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:A300A)のみ使用し濾過し、電荷輸送性化合物を得た。比較例5は比較例4の電子線照射条件の吸収線量率を1×10Gy/secに変更して照射を行った。
それ以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様な評価を行った。その結果を表3に示す。なお、電荷輸送性化合物中に含まれるSi及びAlの量は、表3に記載される硬化性最表面層中の含有量と略同一とする。
(実施例11〜12)
実施例1で使用した表1−1の化合物例No.13の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を、表1−1の化合物例No.19に換え実施例1と同様にシリカゲルカラムを用い精製後更に活性白土とトルエン溶媒中で分散処理を行って精製し、その後の後処理で濾過に使用する濾紙やメンブランフィルターの保留粒子径の違う物を使用したり、又は濾過工程を省略したり等の工夫をして、表2に示すようなAl+Siの含有率が異なる硬化性最表面層としての第二の電荷輸送層を作製した。
具体的には、実施例11において1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)を使用し濾過後更に1.0μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:T100A)を用い濾過し、実施例12において1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)を使用し濾過後更に0.1μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:T010A)を用い3回濾過を繰り返し行い、それぞれ電荷輸送性化合物を得た。
それ以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様な評価を行った。その結果を表2に示す。なお、電荷輸送性化合物中に含まれるSi及びAlの量は、表2に記載される硬化性最表面層中の含有量と略同一とする。
(比較例6)
実施例1で使用した表1−1の化合物例No.13の連鎖重合性官能基を有する電荷輸
送性化合物を、表1−1の化合物例No.19に換え実施例1と同様にシリカゲルカラムを用い精製後更に活性白土とトルエン溶媒中で分散処理を行って精製し、その後の後処理で濾過に使用する濾紙やメンブランフィルターの保留粒子径の違う物を使用したり、又は濾過工程を省略したり等の工夫をして、表3に示すようなAl+Siの含有率が異なる硬化性最表面層としての第二の電荷輸送層を作製した。
具体的には、3.0μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:A300A)のみ使用し濾過し電荷輸送性化合物を得た。
それ以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様な評価を行った。その結果を表3に示す。なお、電荷輸送性化合物中に含まれるSi及びAlの量は、表3に記載される硬化性最表面層中の含有量と略同一とする。
(実施例13〜14)
実施例1で使用した表1−1の化合物例No.13の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物60部を、表1−1の化合物例No.16、No.18各々30部に換え実施例1と同様にシリカゲルカラムを用い精製後更に活性白土とトルエン溶媒中で分散処理を行って精製し、その後の後処理で濾過に使用する濾紙やメンブランフィルターの保留粒子径の違う物を使用したり、又は濾過工程を省略したり等の工夫をして、表2に示すようなAl+Siの含有率が異なる硬化性最表面層としての第二の電荷輸送層を作製した。
具体的には、実施例13において1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)を使用し濾過後更に0.65μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:A065A)を用い濾過し、実施例14において1μmの濾紙(ADVANTEC:5C)を使用し濾過後更に0.10μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:A010A)を用い繰り返し2回濾過し電荷輸送性化合物を得た。電子線照射条件の吸収線量率をそれぞれ3×10Gyに変更した。
なお、それ以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様な評価を行った。その結果を表2に示す。なお、電荷輸送性化合物中に含まれるSi及びAlの量は、表2に記載される硬化性最表面層中の含有量と略同一とする。
(比較例7)
実施例1で使用した表1−1の化合物例No.13の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物60部を、表1−1の化合物例No.16、No.18各々30部に換え実施例1と同様にシリカゲルカラムを用い精製後更に活性白土とトルエン溶媒中で分散処理を行った。その後3.0μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:A300A)のみ使用し濾過し電荷輸送性化合物を得、電子線照射条件の吸収線量率を実施例13と同様に3×10Gyに変更した。
それ以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様な評価を行った。その結果を表3に示す。なお、電荷輸送性化合物中に含まれるSi及びAlの量は、表3に記載される硬化性最表面層中の含有量と略同一とする。
(実施例15)
実施例1と同様にホーニング処理した直径30mmのアルミシリンダー上に中間層及び電荷発生層を形成した。次いで、表1−2の化合物例No.32の連鎖重合性官能基を有する粗製品の電荷輸送性化合物50gをトルエン100mlに溶解し、そこへケイ酸マグネシウム系吸着剤(トミタAD600、富他製薬(株)製)50gを添加し30分間室温で攪拌処理した。その後ケイ酸マグネシウム系吸着剤を1μmの濾紙(ADVANTEC
:5C)を使用し濾過後、濾液を濃縮し42g得た。次いで、得られた42gをトルエン200mlに溶解し、展開溶媒としてトルエンを使用し、アルミナカラム(Merck社製:商品名Aluminium Oxide 90,active neutrul:300gを直径200mmΦカラムに
充填)にて分離精製を行い30g得た。得られた30gをトルエン100gに溶解し、0.2μmのメンブランフィルター(ADVANTEC:T020A)を用い濾過した。濾液を減圧下で除去し精製品31g得た。
そして化合物例No.32の電荷輸送性化合物60部をエタノー50部及びイソプロピルアルコール20部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調整した。この塗料を前記の電荷発生層上に浸漬塗布方法で塗布し、実施例1と同様な電子線照射条件で硬化し15μmの電荷輸送層を形成して、電子写真感光体を得た。それ以外は実施例1と同様な評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例8)
実施例15でのアルミナカラム精製後のメンブランフィルターでの濾過の後処理をしなかった以外は実施例15と同様に感光体を作製し同様な評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2006058822
Figure 2006058822
本発明の電子写真装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の電子写真感光体を作製するために用いられる電子線照射装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電手段
3 像露光手段
4 現像手段
5 転写手段
6 クリーニング手段
7 前露光手段
8 像定着手段
9 転写材搬送装置
10 電子線発生部
12 ターミナル
12a フィラメント
12b ハウス
12c グリッド
14 加速管
20 照射部
22 照射空間
30 照射窓部
32 窓箔
34 窓枠構造体
100 支持部材
110 レール(案内部材)
L 光像露光
P 転写材

Claims (12)

  1. 導電性支持体及び該導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、
    前記電子写真感光体は最外表面を構成する硬化性最表面層を有し、
    該硬化性最表面層は、少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋することにより硬化した化合物を含有し、且つ硬化性最表面層に含まれるSi及びAlの合計量が前記硬化性最表面層全質量に対して200ppm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記硬化性最表面層に含まれるSi及びAlの合計量は80ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記連鎖重合性官能基は下記構造式(1)〜(5)のいずれかで表される基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
    Figure 2006058822
  4. 前記硬化性最表面層は、フィッシャーの弾性率(We)が45%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記硬化性最表面層は、フィッシャーの弾性率(We)が48%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記硬化性最表面層は、少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を放射線照射して、重合又は架橋反応を行うことにより形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記放射線は電子線であり、該電子線の加速電圧が300kV以下であることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
  8. 前記電子線は、吸収線量率が1×10〜5×10Gy/secであることを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体。
  9. 前記少なくとも1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物は、シリカ・アルミナ系吸着剤、シリカ・マグネシア系吸着剤及びケイ酸マグネシウム系吸着剤の少なくとも一種を用いて精製されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  10. 帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段と請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子写真感光体とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
  12. 10,000枚の連続通紙耐久後の感光体の削れ量が0.3μm以下であることを特徴とする請求項11に記載の電子写真装置。
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