JP2006058728A - 反射防止部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、積層総数が少ないことから低コスト化を実現でき、且つ、防汚性、導電性を有する、着色の少ない、耐擦傷性の機械的特性に特に優れた反射防止部材を提供することにある。
【解決手段】基材、ハードコート層、単層または多層からなる反射防止層からなる反射防止部材であって、前記ハードコート層が表面粗さRaが、以下の式(1)および式(2)で示される条件を満たし、かつ前記単層の反射防止層または多層からなる反射防止層のハードコート層と接する層の膜厚が、6〜13nmであることを特徴とする反射防止部材である。
Ra1=最小1.4nm〜最大13nm(エリア5μm×5μm)・・・(1)
Ra2=最小2.2nm〜最大26nm(エリア20μm×20μm)・・・(2)
【選択図】図1
【解決手段】基材、ハードコート層、単層または多層からなる反射防止層からなる反射防止部材であって、前記ハードコート層が表面粗さRaが、以下の式(1)および式(2)で示される条件を満たし、かつ前記単層の反射防止層または多層からなる反射防止層のハードコート層と接する層の膜厚が、6〜13nmであることを特徴とする反射防止部材である。
Ra1=最小1.4nm〜最大13nm(エリア5μm×5μm)・・・(1)
Ra2=最小2.2nm〜最大26nm(エリア20μm×20μm)・・・(2)
【選択図】図1
Description
本発明は、ディスプレイの表示画面表面に設けられた偏光フィルム、あるいはディスプレイ上に適用される反射防止部材に関するものである。
液晶などに代表されるディスプレイは、室内外を問わず様々な環境下で使用されため、蛍光灯等の室内灯や太陽光など自然光が様々な形でディスプレイに入射することになる。これらの外光は、ディスプレイ表面等において反射され、反射像が表示光と混合し表示画像を見にくくする。特に、オフィスのOA化に伴い、コンピュータを使用する頻度が増し、ディスプレイと相対していることが長時間化した。これにより反射像等による表示品質の低下は、目の疲労などを引き起こす要因とも成り得る。 携帯電話やカーナビゲーションシステムの普及により、室外でディスプレイを使用する機会が増える傾向にあり、また、液晶ディスプレイの省電力化に伴い、ディスプレイ表面の反射光を低減し、表示画像を明確することが要求されてきている。
これらの要求を満たす為に、ディスプレイの表面に反射防止の光学理論に基づいて、金属酸化物などからなる高屈折率層と低屈折率層を積層させたフィルム、あるいは無機または有機フッ素化合物などの低屈折率層を積層させたフィルムを貼りつけて可視光の反射防止が行なわれてきた。これらの反射防止部材は、第一に可視光の反射率低減、第二に表示品質を向上させるためにディスプレイの色味を大きく変化させることは望ましくないため着色が少ないこと、第三にディスプレイの最前面に設置されるので、汚れ付着防止(防汚性)があること、第四に加工工程上及び使用中の帯電による塵付着防止の観点から、導電性があることが求められている。
前述の有機フッ素化合物などの低屈折率層のみを積層させた反射防止部材は、層数が少ないために低コスト、且つフッ素成分により汚れが付着しにくい反射防止部材ができるが、低屈折率のフィルム基材では十分な反射防止性能を持たせることが難しい。また、低屈折率層に導電性を付与するには、導電微粒子や4級アミン等を加えることにより可能であるが、低屈折率層の屈折率を上げてしまったり機械強度を下げることにつながり、実質的に反射防止と導電性を同時に付与することは難しい。 単層よりも反射率を低減させ、且つ、最もコストの低い反射防止膜は2層である。この場合、最表面層の低屈折率層として光学的に理想的な無機化合物は、フッ化マグネシウムに代表されるフッ素化合物が挙げられる。しかしながら、フッ素化合物をもちいると反射防止部材の密着性等の機械強度が十分でないためにディスプレイでは用いられていない。強度を持たせる為に、フッ素化合物の代わりに酸化ケイ素が用いると機械強度は向上するが、屈折率がフッ素化合物よりも高い為に色味が青くなり、ディスプレイの表示品質を低下させる。加えてディスプレイの最表面に用いる場合には最表面に汚れ防止等を目的とした防汚層が必要となる。 これまで、ディスプレイ等の最表面に設置され、単層よりも反射率の低い機械強度の必要な反射防止部材は3層以上の構成により作製されてきた。この場合、金属酸化物からなる高屈折率層と低屈折率層を3層以上積層させ、最表面に汚れ防止等の目的とした防汚層設置させるが、層数が多いためにコストが高くなっていた。
上述したように、従来、反射防止膜は屈折率の異なる層を多数積層したものなどが知られているが、コストのみならず性能面においても、反射防止膜におけるハードコート層上に積層する高屈折率層を厚さ10nm程度の薄膜とすることが好ましい場合がある。しか
しながら、高屈折率薄膜層を積層するハードコート層の表面が粗い場合は密着性の点では好ましいが、積層する薄膜の連続性が阻害されてしまうという問題が生じる。
しながら、高屈折率薄膜層を積層するハードコート層の表面が粗い場合は密着性の点では好ましいが、積層する薄膜の連続性が阻害されてしまうという問題が生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、特に、反射防止膜におけるハードコート層上に積層する高屈折率層の厚さが薄い場合の密着性の改善を目的とし、積層総数が少ないことから低コスト化を実現でき、且つ、防汚性、導電性を有する、着色の少ない、耐擦傷性の機械的特性に特に優れた反射防止部材を提供することにある。
上記の課題を解決するために、
請求項1の発明は、基材、ハードコート層、単層または多層からなる反射防止層からなる反射防止部材であって、
前記ハードコート層が表面粗さRaが、以下の式(1)および式(2)で示される条件を満たし、かつ前記単層の反射防止層または多層からなる反射防止層のハードコート層と接する層の膜厚が、6〜13nmであることを特徴とする反射防止部材である。
請求項1の発明は、基材、ハードコート層、単層または多層からなる反射防止層からなる反射防止部材であって、
前記ハードコート層が表面粗さRaが、以下の式(1)および式(2)で示される条件を満たし、かつ前記単層の反射防止層または多層からなる反射防止層のハードコート層と接する層の膜厚が、6〜13nmであることを特徴とする反射防止部材である。
Ra1=最小1.4nm〜最大13nm(エリア5μm×5μm)・・・(1)
Ra2=最小2.2nm〜最大26nm(エリア20μm×20μm)・・・(2)
請求項2の発明は、前記反射防止層が、膜厚6〜13nmの高屈折率層、膜厚110〜135nmの低屈折率層の2層からなることを特徴とする請求項1記載の反射防止部材である。
Ra2=最小2.2nm〜最大26nm(エリア20μm×20μm)・・・(2)
請求項2の発明は、前記反射防止層が、膜厚6〜13nmの高屈折率層、膜厚110〜135nmの低屈折率層の2層からなることを特徴とする請求項1記載の反射防止部材である。
請求項3の発明は、前記高屈折率層の光の波長550nmにおける屈折率が1.92〜2.15、前記低屈折率層の光の波長550nmにおける屈折率が1.33〜1.40であることを特徴とする請求項1または2記載の反射防止部材である。
本発明により、反射防止膜におけるハードコート層の表面粗さRaを、微小エリア(5μm×5μm)において1.4〜13nm、小エリア(20μm×20μm)において2.2〜26nmの範囲に制御することで、ハードコート層上に積層する第1層の高屈折率層が6〜13nmの非常に薄い場合であっても、第1層の高屈折率層の連続膜性を阻害し、不均質部、未成膜部が生じたり、それに伴う光学的な曇り(ヘイズが高くなる)を生じたりする問題を解消することが可能となった。
また、ハードコート層表面に導電性を有する高屈折率層を積層し、その高屈折率層上に、有機珪素化合物組成物中に多孔質シリカ微粒子を含む低屈折率コーティング剤からなる低屈折率層を形成することにより、単層の反射防止部材よりも低反射率が低く、一般的な2層反射防止部材と比較して反射色の着色が少なく、更に導電性を付与されているため帯電による埃及び塵が付着し難く、加えて、擦過などによる傷が非常に付きにくい、剥離がなく、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚れが容易に拭き取れやすい反射防止部材を得ることが出来る。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明するが、これに限るものではない。図1は、本発明の反射防止部材の一例を示した断面図である。図1の反射防止部材1は、フィルム基材2、ハードコート層3、反射防止層4から構成されている。更に反射防止層4は、高屈折率層(第1層)4aと、低屈折率層(第2層)4bからなる。
本発明における基材は、ガラスや種々の有機高分子からなる基材を挙げることができる。一般的に、ポリエチレンレテフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリル(PMMA)、ナイロン(Ny)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロール(TAC)等のプラスチックフィルムが汎用されている。これらのフィルム基材2を構成する有機高分子に、公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を含有させた物も使用することができる。また、このフィルム基材2としては、単層、あるいは、複数の有機高分子を積層したものでもよい。また、その厚みは特に限定されるものではないが、50〜200μmが好ましい。
N)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリル(PMMA)、ナイロン(Ny)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロール(TAC)等のプラスチックフィルムが汎用されている。これらのフィルム基材2を構成する有機高分子に、公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を含有させた物も使用することができる。また、このフィルム基材2としては、単層、あるいは、複数の有機高分子を積層したものでもよい。また、その厚みは特に限定されるものではないが、50〜200μmが好ましい。
本発明では、ハードコート層3を設ける。ハードコート層3としては、基材2の表面の硬度を向上させ、鉛筆等の荷重のかかる引っ掻きによる傷を防止し、また、基材がフィルム基材である場合の屈曲による反射防止層のクラック発生を抑制することができ、反射防止部材の機械的強度が改善できる。ハードコート層3は電離放射線や紫外線照射による硬化樹脂や熱硬化性の樹脂が使用でき、特に紫外線硬化型であるアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類等のアクリル系や、有機珪素系の樹脂、熱硬化型のポリシロキサン樹脂等が好適である。ハードコート層3は基材1と屈折率が同等若しくは近似していることがより好ましく、基材の屈折率に対する屈折率差で±0.02以内であれば、光学的に基材とハードコートが等質と見なすことが出来るため、ハードコート層に起因する干渉縞が目立たなくなり、反射防止機能を付与した後も視認性を損ねることがない良好な反射防止特性が得られる。膜厚は3〜20μmの範囲であれば十分な機械強度が発現するが、透明性、塗工精度、取り扱いから、より望ましくは5〜15μmの範囲が好ましい。
上記ハードコート層は表面粗さRaが、下記の条件
Ra1=最小1.4nm〜最大13nm(エリア5μm×5μm)
Ra2=最小2.2nm〜最大26nm(エリア20μm×20μm)
の範囲の条件を満足するようにする。一般的に密着性を向上させるために表面粗さを荒くすることはその手段として有用なことが言われている。しかし、本発明のように第1層が非常に薄い場合、5μm×5μmの様な微小エリアにおいて第1層の厚みを大きく越える表面粗さRaでは、第1層の連続膜性を阻害し、不均質部、未成膜部が生じたり、それに伴う光学的な曇り(ヘイズが高くなる)を生じたりすることがある。また、エリア20μm×20μm小エリアでは、中心面平均粗さとして第1層の膜厚の2倍程度まで粗さを持つことが出来る(微小エリアおよび小エリアについては図2参照)。これより大きい大きいエリアでの表面粗さは、特に密着性向上には寄与しない。上記のような表面粗さを得る手段として、特には限定されないが、セラミックスや有機樹脂からなる超微粒子をハードコート層の成分に分散させハードコート層を形成するとコスト的にも優位で好適である。上記のハードコート層の上に高屈折率層(第1層)、さらに低屈折率層(第2層)を順次積層した反射防止部材の機械的強度、特にスチールウールや化学雑巾に対する耐擦過性は著しく向上させることが出来るだけでなく、光学的にも表面粗さが非常に小さい均質面と同様の優れた反射防止特性が得られる。
Ra1=最小1.4nm〜最大13nm(エリア5μm×5μm)
Ra2=最小2.2nm〜最大26nm(エリア20μm×20μm)
の範囲の条件を満足するようにする。一般的に密着性を向上させるために表面粗さを荒くすることはその手段として有用なことが言われている。しかし、本発明のように第1層が非常に薄い場合、5μm×5μmの様な微小エリアにおいて第1層の厚みを大きく越える表面粗さRaでは、第1層の連続膜性を阻害し、不均質部、未成膜部が生じたり、それに伴う光学的な曇り(ヘイズが高くなる)を生じたりすることがある。また、エリア20μm×20μm小エリアでは、中心面平均粗さとして第1層の膜厚の2倍程度まで粗さを持つことが出来る(微小エリアおよび小エリアについては図2参照)。これより大きい大きいエリアでの表面粗さは、特に密着性向上には寄与しない。上記のような表面粗さを得る手段として、特には限定されないが、セラミックスや有機樹脂からなる超微粒子をハードコート層の成分に分散させハードコート層を形成するとコスト的にも優位で好適である。上記のハードコート層の上に高屈折率層(第1層)、さらに低屈折率層(第2層)を順次積層した反射防止部材の機械的強度、特にスチールウールや化学雑巾に対する耐擦過性は著しく向上させることが出来るだけでなく、光学的にも表面粗さが非常に小さい均質面と同様の優れた反射防止特性が得られる。
本発明における反射防止層4は高屈折率層(第1層)4aと低屈折率層(第2層)4bを、順次、所定の膜厚で積層させることにより機能を発現するものである。単層構成の反射防止部材よりも反射率が低く、且つ、反射防止部材自身の着色を少なく抑えるには、高屈折率層(第1層)の光の波長550nmにおける屈折率が1.90〜2.15の範囲であり、かつ低屈折率層(第2層)の光の波長550nmにおける屈折率が1.33〜1.40の範囲にあるとよい。また、高屈折率層(第1層)の厚みが6〜13nmの範囲であり、さらに、低屈折率層(第2層)の厚みが110〜135nmの範囲内であるとよい。
本発明の高屈折率層(第1層)を形成する材料としては、高屈折率であり且つ、可視光
において透明と言う観点から、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)、酸化亜鉛、酸化亜鉛−酸化アルミニウム(AZO)、酸化亜鉛−酸化ガリウム(GZO)、酸化インジウム−酸化セリウム、酸化インジウム−酸化セリウム−酸化錫−酸化チタニウム(ICO)若しくはこれらの混合物がよい。また、前記高屈折率層(第1層)は、導電性を有することが好ましい。このようなものとしては、上記したようなものがあげられる。導電性を有することにより、帯電防止機能などが付与できる。
において透明と言う観点から、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)、酸化亜鉛、酸化亜鉛−酸化アルミニウム(AZO)、酸化亜鉛−酸化ガリウム(GZO)、酸化インジウム−酸化セリウム、酸化インジウム−酸化セリウム−酸化錫−酸化チタニウム(ICO)若しくはこれらの混合物がよい。また、前記高屈折率層(第1層)は、導電性を有することが好ましい。このようなものとしては、上記したようなものがあげられる。導電性を有することにより、帯電防止機能などが付与できる。
前記高屈折率層(第1層)の形成方法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法並びにCVD(Chemical Vapor Deposition)法の様な公知の方法が挙げられる。
前記高屈折率層(第1層)の膜厚は、6〜13nmの範囲が好ましく、これよりも薄くなると、帯電防止及び反射防止の機能を発現しなく、また、これよりも厚くなるとフィルムに着色が生じる。また、必要であれば、第1層の形成前に基材若しくはハードコート層に密着性向上させる前処理を行ってもよい。前処理方法として、高周波放電プラズマ法、電子ビーム法、イオンビーム法、蒸着法、スパッタリング法、アルカリ処理法、酸処理法、コロナ処理法、大気圧グロー放電プラズマ法等を挙げることができる。特に、アルカリ処理が有効である。アルカリ処理法に使用するアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液、それらに更にアルコール等の各種有機溶媒を加えたアルカリ水溶液等を挙げることができる。アルカリ処理の条件は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合、0.1〜10Nの濃度の水溶液として使用することが望ましく、更には、1〜2Nの濃度が望ましい。また、アルカリ水溶液の温度は、0〜100℃、好ましくは、20〜80℃である。アルカリ処理の時間は、0.01〜10時間、好ましくは、0.1〜1時間である。
本発明の低屈折率層(第2層)は、一般式(3)で示される有機珪素化合物、もしくはこの有機珪素化合物の重合体のいずれかからなる組成物Aと、下記一般式(4)で示される有機珪素化合物、もしくはこの有機珪素化合物の重合体のいずれかからなる組成物Bの共重合体を含むマトリックス中に、平均粒径0.5〜200nm、屈折率1.10〜1.34の多孔質シリカ微粒子を含むことを特徴とする。また低屈折率層(第2層)は、防汚性を有することを特徴とする。
Si(OR)4・・・(3)(但し、Rはアルキル基である)
R’mSi(OR)4-m・・・(4)(但し、R’はフッ素含有置換基、Rはアルキル基であり、mは置換数である)。
Si(OR)4・・・(3)(但し、Rはアルキル基である)
R’mSi(OR)4-m・・・(4)(但し、R’はフッ素含有置換基、Rはアルキル基であり、mは置換数である)。
また、組成物Aと組成物Bに加え、さらに下記一般式(5)で示される有機珪素化合物を加えても良い。
R”nSi(OR)4-n・・・(5)(但し、R”はビニル基、もしくはアミノ基、エポキシ基、クロル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、イソシアナート基などの官能基のうち少なくとも1つを有する置換基、Rはアルキル基でありnは置換数である)
前記組成物Aに用いられる一般式(3)Si(OR)4(但し、Rはアルキル基である)で表される有機珪素化合物としては、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si〔OCH(CH3)2〕4、Si(OC4H9)4等が例示でき、それらを単独に、あるいは2種類以上併せて用いてもよい。
R”nSi(OR)4-n・・・(5)(但し、R”はビニル基、もしくはアミノ基、エポキシ基、クロル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、イソシアナート基などの官能基のうち少なくとも1つを有する置換基、Rはアルキル基でありnは置換数である)
前記組成物Aに用いられる一般式(3)Si(OR)4(但し、Rはアルキル基である)で表される有機珪素化合物としては、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si〔OCH(CH3)2〕4、Si(OC4H9)4等が例示でき、それらを単独に、あるいは2種類以上併せて用いてもよい。
前記組成物Bに用いられる一般式(4)R’mSi(OR)4―m(但し、R’はフッ素含有置換基、Rはアルキル基であり、mは置換数である)で表される有機珪素化合物としては、CF3(CH2)2Si(OCH3)3、CF3CF2(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)2(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)3(CH2)2Si(OCH3
)3、CF3(CF2)4(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)6(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)8(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)9(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3CF2(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)2(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)3(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)4(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)5(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)6(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)8(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)9(CH2)2Si(OC2H5)3等が例示でき、それらを単独に、あるいは2種類以上併せて用いてもよい。
)3、CF3(CF2)4(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)6(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)8(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)9(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3CF2(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)2(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)3(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)4(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)5(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)6(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)8(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)9(CH2)2Si(OC2H5)3等が例示でき、それらを単独に、あるいは2種類以上併せて用いてもよい。
前記組成物Cに用いられる一般式(5)R”nSi(OR)4―n(但し、R”はビニル基、もしくはアミノ基、エポキシ基、クロル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、イソシアナート基などの官能基のうち少なくとも1つを有する置換基、Rはアルキル基であり、nは置換数である)で表される有機珪素化合物としては、ビニル基含有珪素化合物〔ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等〕、アミノ基含有珪素化合物〔N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等〕、エポキシ基含有珪素化合物〔3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等〕、クロル基含有珪素化合物〔3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン等〕、メタクリロキシ基含有珪素化合物〔3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等〕、アクリロキシ基含有珪素化合物〔3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等〕、イソシアナート基含有珪素化合物〔3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等〕等が例示でき、それらを単独に、あるいは2種類以上併せて用いてもよい。
前記一般式(3)と、一般式(4)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体を用いて共重合体を作製する方法、又は一般式(3)と一般式(4)に、さらに一般式(5)で表される有機珪素化合物、若しくはその重合体を用いて共重合体を作製する方法は、特に限定されるものではないが、加水分解によって作製するにあたっての触媒としては、公知の、塩酸、蓚酸、硝酸、酢酸、フッ酸、ギ酸、リン酸、蓚酸、アンモニア、アルミニウムアセトナート、ジブチルスズラウレート、オクチル酸スズ化合物、メタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフロロ酢酸等が例示でき、それらを単独に、或いは2種類以上併せて用いてもよい。
前記組成物Aと前記組成物Bのモル比は、前記組成物A:前記組成物B=1:0.01〜1の範囲内であることが好ましい。また、さらに組成物Cを含む場合、前記組成物Aと前記組成物Bと前記組成物Cのモル比は、前記組成物A:前記組成物B:前記組成物C=1:0.01〜0.4:0.01〜0.6であることが好ましい。前記組成物Bがこの範囲より少ないと防汚性が低下し、多いと機械強度が弱くなる。また、前記組成物Cがこの範囲より少ないと密着性が低下し、多いと機械強度が弱くなる。
前記の有機珪素化合物から成るマトリックス中に、多孔質シリカ微粒子を添加することにより、低屈折率化が可能となる。多孔質シリカ微粒子は嵩密度が小さいため、それ自身の屈折率は、通常のシリカ(屈折率=1.46)と比較して著しく低く(屈折率=1.10〜1.34)することが可能で、更に多孔質シリカ微粒子を有機珪素化合物等で表面を被覆し、その細孔入口を閉塞して作製することにより、マトリックスがシリカ微粒子内部に浸漬することが無く、屈折率の上昇を防ぐことも可能である。多孔質シリカ微粒子の平
均粒径は、0.5〜200nmの範囲内であれは良い。 この平均粒径が200nmよりも大きくなると、低屈折率層の表面においてレイリー散乱によって光が散乱され、白っぽく見え、その透明性が低下する。また、この平均粒径が0.5nm未満であると、多孔質シリカ微粒子が凝集しやすくなってしまう。
均粒径は、0.5〜200nmの範囲内であれは良い。 この平均粒径が200nmよりも大きくなると、低屈折率層の表面においてレイリー散乱によって光が散乱され、白っぽく見え、その透明性が低下する。また、この平均粒径が0.5nm未満であると、多孔質シリカ微粒子が凝集しやすくなってしまう。
前記コーティング溶液は、通常、揮発性溶媒に希釈して塗布される。希釈溶媒として用いられるものは、特に限定されないが、組成物の安定性、ハードコート層に対する濡れ性、揮発性などを考慮して、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。また、溶媒は1種類のみならず2種類以上の混合物として用いることも可能である。
前記低屈折率コーティング剤は、ウェットコーティング法(ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等)により表面処理を行ったハードコート層上に塗工される。塗工後、加熱乾燥により塗膜中の溶媒を揮発させ、その後、加熱、加湿、紫外線照射、電子線照射等を行い塗膜を硬化させる。
本発明について、代表的な実施例をあげて詳細に説明する。本発明は請求の範囲で自由に組み合わせることが出来、下記の実施例に限るものではない。
<実施例1>
基材としてトリアセチルセルロース(TAC)を用い、それぞれライトアクリレートDPE−6A(共栄社製)45重量部、MEK分散シリカゾル50重量部(MEK−ST:日産化学製)と光重合開始剤としてイルガキュア184(チバガイギー製)5重量部をメチルエチルケトン中に混合溶解し、バーコート法によりおよそ5μm塗工し、オーブンにて溶媒除去後、 高圧水銀ランプにより発生した紫外線を400mJ/cm2の積算光量にて照射し硬化させ、PET及びTAC基材上にハードコート層を作製した。
基材としてトリアセチルセルロース(TAC)を用い、それぞれライトアクリレートDPE−6A(共栄社製)45重量部、MEK分散シリカゾル50重量部(MEK−ST:日産化学製)と光重合開始剤としてイルガキュア184(チバガイギー製)5重量部をメチルエチルケトン中に混合溶解し、バーコート法によりおよそ5μm塗工し、オーブンにて溶媒除去後、 高圧水銀ランプにより発生した紫外線を400mJ/cm2の積算光量にて照射し硬化させ、PET及びTAC基材上にハードコート層を作製した。
次に、前記フィルムをそれぞれ、真空槽にいれ、10〜3Paまで排気し、100mL/minの流量にてArガスを該真空槽に導入し、圧力を1.0Paに調整した。酸化インジウム−酸化スズをターゲットとして、ターゲットに電圧を印可してスパッタリングにより、該ハードコート層上に550nmにおける屈折率が1.99の酸化インジウム−酸化スズ層を10nmの膜厚にて成膜し、第1層とした。
更に、低屈折率層(第2層)の組成物AとしてSi(OC2H5)4を89mol%、組成物BとしてCF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3を5mol%、組成物CとしてOCN(CH2)3Si(OCH3)3を1mol%で混合したマトリックスに対して、平均粒径60nm、屈折率1.30の多孔質シリカ微粒子を50wt%添加し、1.0N−HClを触媒に用いた低屈折率コーティング剤を作製した。上記酸化インジウム−酸化ス
ズ層の上にマイクログラビア法を用いてコーティング溶液を123nmの膜厚にて塗布し、120℃で1分間乾燥を行うことにより、第2層を形成し、反射防止部材を作製した。得られた反射防止部材について以下の評価を行った。その評価結果を表1に記す。
ズ層の上にマイクログラビア法を用いてコーティング溶液を123nmの膜厚にて塗布し、120℃で1分間乾燥を行うことにより、第2層を形成し、反射防止部材を作製した。得られた反射防止部材について以下の評価を行った。その評価結果を表1に記す。
<比較例1>
基材としてトリアセチルセルロース(TAC)を用い、それぞれライトアクリレートDPE−6A(共栄社製)70重量部、MEK分散シリカゾル25重量部(MEK−ST:日産化学製)と光重合開始剤としてイルガキュア184(チバガイギー製)5重量部をメチルエチルケトン中に混合溶解し、バーコート法によりおよそ5μm塗工し、オーブンにて溶媒除去後、 高圧水銀ランプにより発生した紫外線を400mJ/cm2の積算光量にて照射し硬化させ、PET及びTAC基材上にハードコート層を作製した。
基材としてトリアセチルセルロース(TAC)を用い、それぞれライトアクリレートDPE−6A(共栄社製)70重量部、MEK分散シリカゾル25重量部(MEK−ST:日産化学製)と光重合開始剤としてイルガキュア184(チバガイギー製)5重量部をメチルエチルケトン中に混合溶解し、バーコート法によりおよそ5μm塗工し、オーブンにて溶媒除去後、 高圧水銀ランプにより発生した紫外線を400mJ/cm2の積算光量にて照射し硬化させ、PET及びTAC基材上にハードコート層を作製した。
次に、実施例1と同様に第1層、第2層を順次積層し、反射防止部材を作製し、得られた反射防止部材について以下の評価を行った。その評価結果を表1に記す。
<比較例2>
基材としてトリアセチルセルロース(TAC)を用い、それぞれライトアクリレートDPE−6A(共栄社製)95重量部と光重合開始剤としてイルガキュア184(チバガイギー製)5重量部をメチルエチルケトン中に混合溶解し、バーコート法によりおよそ5μm塗工し、オーブンにて溶媒除去後、 高圧水銀ランプにより発生した紫外線を400mJ/cm2の積算光量にて照射し硬化させ、PET及びTAC基材上にハードコート層を作製した。
基材としてトリアセチルセルロース(TAC)を用い、それぞれライトアクリレートDPE−6A(共栄社製)95重量部と光重合開始剤としてイルガキュア184(チバガイギー製)5重量部をメチルエチルケトン中に混合溶解し、バーコート法によりおよそ5μm塗工し、オーブンにて溶媒除去後、 高圧水銀ランプにより発生した紫外線を400mJ/cm2の積算光量にて照射し硬化させ、PET及びTAC基材上にハードコート層を作製した。
次に、実施例1、比較例1と同様に第1層、第2層を順次積層し、反射防止部材を作製し、得られた反射防止部材について以下の評価を行った。その評価結果を表1に記す。
評価の方法を以下に記す。
<光学特性>
(反射率測定)
フィルム面をサンドペーパーでこすり、艶消しの黒色塗料を塗布した後、入射角5゜にて積層面の可視光における分光反射スペクトルを測定した。
(透過率測定)
反射防止部材の分光透過スペクトルを測定した。
<光学特性>
(反射率測定)
フィルム面をサンドペーパーでこすり、艶消しの黒色塗料を塗布した後、入射角5゜にて積層面の可視光における分光反射スペクトルを測定した。
(透過率測定)
反射防止部材の分光透過スペクトルを測定した。
<防汚性>
(接触角測定)
接触角計〔CA−X型:協和界面科学(株)製〕を用いて、乾燥状態(20℃−65%RH)で直径1.8μlの液滴を針先に作り、これを積層した表面に接触させて液滴を作った。接触角とは、固体と液体が接する点における液体表面に対する接線と固体表面がなす角で、液体を含む方の角度で定義した。液体には、蒸留水を使用した。
(油性ペンの拭き取り性)
積層した表面に付着した油性ペンをセルロース製不織布〔ベンコットM−3:旭化成(株)製〕で拭き取り、その取れ易さを目視判定にて行った。判定基準を以下に示す。
○:油性ペンを完全に拭き取ることが出来る。
△:油性ペンの拭き取り跡が残る。
×:油性ペンを拭き取ることが出来ない。
(指紋の拭き取り性)
基材表面に付着した指紋をセルロース製不織布〔ベンコットM−3:旭化成(株)製〕で拭き取り、その取れ易さを目視判定にて行った。判定基準を以下に示す。
○:指紋を完全に拭き取ることが出来る。
△:指紋の拭き取り跡が残る。
×:指紋の拭き取り跡が拡がり、拭き取ることが出来ない。
(接触角測定)
接触角計〔CA−X型:協和界面科学(株)製〕を用いて、乾燥状態(20℃−65%RH)で直径1.8μlの液滴を針先に作り、これを積層した表面に接触させて液滴を作った。接触角とは、固体と液体が接する点における液体表面に対する接線と固体表面がなす角で、液体を含む方の角度で定義した。液体には、蒸留水を使用した。
(油性ペンの拭き取り性)
積層した表面に付着した油性ペンをセルロース製不織布〔ベンコットM−3:旭化成(株)製〕で拭き取り、その取れ易さを目視判定にて行った。判定基準を以下に示す。
○:油性ペンを完全に拭き取ることが出来る。
△:油性ペンの拭き取り跡が残る。
×:油性ペンを拭き取ることが出来ない。
(指紋の拭き取り性)
基材表面に付着した指紋をセルロース製不織布〔ベンコットM−3:旭化成(株)製〕で拭き取り、その取れ易さを目視判定にて行った。判定基準を以下に示す。
○:指紋を完全に拭き取ることが出来る。
△:指紋の拭き取り跡が残る。
×:指紋の拭き取り跡が拡がり、拭き取ることが出来ない。
<機械強度>
(表面硬度)
JIS K 5400に準拠した鉛筆引っ掻き試験機(3H 500g荷重、10mmストローク5回)で評価した。
(耐擦傷性)
基材表面をスチールウール〔ボンスター#0000:日本スチールウール(株)製〕により250g/cm2で20回擦り、傷の有無を目視判定にて行った(スチールウール試験)。判定基準を以下に示す。
○:傷を確認することが出来ない。
△:数本傷を確認できる。
×:傷が多数確認できる。
(密着性)
JIS K 5400に準拠した碁盤目法にて評価した。
(表面硬度)
JIS K 5400に準拠した鉛筆引っ掻き試験機(3H 500g荷重、10mmストローク5回)で評価した。
(耐擦傷性)
基材表面をスチールウール〔ボンスター#0000:日本スチールウール(株)製〕により250g/cm2で20回擦り、傷の有無を目視判定にて行った(スチールウール試験)。判定基準を以下に示す。
○:傷を確認することが出来ない。
△:数本傷を確認できる。
×:傷が多数確認できる。
(密着性)
JIS K 5400に準拠した碁盤目法にて評価した。
<導電性>
JIS K6911に準拠して行った。
JIS K6911に準拠して行った。
<表面粗さ>
原子間力顕微鏡(AFM) NanoscopeIIIa(Digital Insturuments社)
測定エリア 5μm×5μm、20μm×20μm
原子間力顕微鏡(AFM) NanoscopeIIIa(Digital Insturuments社)
測定エリア 5μm×5μm、20μm×20μm
図3から明らかなように、実施例1で得られた本発明の反射防止部材は、比較例1及び比較例2で得られた反射防止部材と同じ分光スペクトルが得られ、反射防止性に優れかつ透明性の非常に高い反射防止部材である。また、表1から明らかなように、比較例1及び比較例2で得られた反射防止部材と比較して、実施例1で得られた本発明の反射防止部材は、nmサイズで表面粗さが大きくなっている。さらに、耐擦傷性が非常に高い結果が得られた。それ以外の特性は、本発明の反射防止部材は、比較例1及び比較例2の反射防止部材と同様反射防止部材としては非常に高い性能を有している。
<実施例2>
次に、実施例1で用いたスパッタリングターゲットと異なる酸化亜鉛−酸化アルミニウム(AZO)スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様のハードコート層の上に、同様の膜厚で第1層を形成し、ついで実施例1と同様に第2層を形成し、機械強度を測定した。その結果を表2示す。
次に、実施例1で用いたスパッタリングターゲットと異なる酸化亜鉛−酸化アルミニウム(AZO)スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様のハードコート層の上に、同様の膜厚で第1層を形成し、ついで実施例1と同様に第2層を形成し、機械強度を測定した。その結果を表2示す。
<実施例3>
実施例1で用いたスパッタリングターゲットと異なる酸化亜鉛−酸化ガリウム(GZO)スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様のハードコート層の上に、同様の膜厚で第1層を形成し、ついで実施例1と同様に第2層を形成し、機械強度を測定した。その結果を表2示す。
実施例1で用いたスパッタリングターゲットと異なる酸化亜鉛−酸化ガリウム(GZO)スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様のハードコート層の上に、同様の膜厚で第1層を形成し、ついで実施例1と同様に第2層を形成し、機械強度を測定した。その結果を表2示す。
<実施例4>
実施例1で用いたスパッタリングターゲットと異なる酸化インジウム−酸化セリウム−
酸化錫−酸化チタニウム(ICO)スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様のハードコート層の上に、同様の膜厚で第1層を形成し、ついで実施例1と同様に第2層を形成し、機械強度を測定した。その結果を表2示す。
実施例1で用いたスパッタリングターゲットと異なる酸化インジウム−酸化セリウム−
酸化錫−酸化チタニウム(ICO)スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様のハードコート層の上に、同様の膜厚で第1層を形成し、ついで実施例1と同様に第2層を形成し、機械強度を測定した。その結果を表2示す。
<比較例3>
次に、比較例2と同様のハードコート基材上に実施例2のスパッタリングターゲットを用いて比較例2と同様の構成で反射防止部材を作製し、機械強度を測定した。その結果を表2に示す。
次に、比較例2と同様のハードコート基材上に実施例2のスパッタリングターゲットを用いて比較例2と同様の構成で反射防止部材を作製し、機械強度を測定した。その結果を表2に示す。
<比較例4>
比較例2と同様のハードコート基材上に実施例3のスパッタリングターゲットを用いて比較例2と同様の構成で反射防止部材を作製し、機械強度を測定した。その結果を表2に示す。
比較例2と同様のハードコート基材上に実施例3のスパッタリングターゲットを用いて比較例2と同様の構成で反射防止部材を作製し、機械強度を測定した。その結果を表2に示す。
<比較例5>
比較例2と同様のハードコート基材上に実施例4のスパッタリングターゲットを用いて比較例2と同様の構成で反射防止部材を作製し、機械強度を測定した。その結果を表2に示す。
比較例2と同様のハードコート基材上に実施例4のスパッタリングターゲットを用いて比較例2と同様の構成で反射防止部材を作製し、機械強度を測定した。その結果を表2に示す。
表2から明らかなように、実施例2〜4で得られた本発明の反射防止部材は、耐擦傷性に優れた反射防止部材である。これに対して、表面の平滑な比較例2〜5で得られた反射防止部材のハードコート表面では耐擦傷性が充分得られなかった。
1・・・反射防止部材
2・・・基材
3・・・ハードコート層
4・・・反射防止層
4a・・・導電性を有する高屈折率からなる層
4b・・・防汚性を有する低屈折率からなる層
2・・・基材
3・・・ハードコート層
4・・・反射防止層
4a・・・導電性を有する高屈折率からなる層
4b・・・防汚性を有する低屈折率からなる層
Claims (3)
- 基材、ハードコート層、単層または多層からなる反射防止層からなる反射防止部材であって、
前記ハードコート層が表面粗さRaが、以下の式(1)および式(2)で示される条件を満たし、かつ前記単層の反射防止層または多層からなる反射防止層のハードコート層と接する層の膜厚が、6〜13nmであることを特徴とする反射防止部材。
Ra1=最小1.4nm〜最大13nm(エリア5μm×5μm)・・・(1)
Ra2=最小2.2nm〜最大26nm(エリア20μm×20μm)・・・(2) - 前記反射防止層が、膜厚6〜13nmの高屈折率層、膜厚110〜135nmの低屈折率層の2層からなることを特徴とする請求項1記載の反射防止部材。
- 前記高屈折率層の光の波長550nmにおける屈折率が1.92〜2.15、前記低屈折率層の光の波長550nmにおける屈折率が1.33〜1.40であることを特徴とする請求項1または2記載の反射防止部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004242015A JP2006058728A (ja) | 2004-08-23 | 2004-08-23 | 反射防止部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004242015A JP2006058728A (ja) | 2004-08-23 | 2004-08-23 | 反射防止部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004242015A Pending JP2006058728A (ja) | 2004-08-23 | 2004-08-23 | 反射防止部材 |
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JP (1) | JP2006058728A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008268328A (ja) * | 2007-04-17 | 2008-11-06 | Toppan Printing Co Ltd | 反射防止フィルムおよびそれを用いた偏光板 |
JP2010113090A (ja) * | 2008-11-05 | 2010-05-20 | Hoya Corp | プラスチックレンズとその製造方法 |
US10809419B2 (en) | 2015-12-03 | 2020-10-20 | Lg Chem., Ltd. | Antireflection film for a display device |
CN112415638A (zh) * | 2015-05-27 | 2021-02-26 | 迪睿合株式会社 | 层叠薄膜的制造方法 |
-
2004
- 2004-08-23 JP JP2004242015A patent/JP2006058728A/ja active Pending
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