JP2006058621A - 電気泳動表示用液、それを用いた表示媒体及び表示装置 - Google Patents

電気泳動表示用液、それを用いた表示媒体及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電界等の作用により可逆的に視認状態を変化させることができる電気泳動表示用液、それを用いた表示媒体及び表示装置を提供する。
【解決手段】 本発明の電気泳動表示用液は、少なくとも,特定の構造単位を有するアルキルポリエーテルアミン、1種類以上の微粒子、分散剤及び分散液媒体として炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素を含有することを特徴とする。
また、電気泳動表示用媒体は、上記電気泳動表示用液がマイクロカプセル又はセルのそれぞれが独立した構造体に封入されていることを特徴とする。
更に、電気泳動表示装置は、少なくとも一方に、光透過性である電極が形成された一対の基板と、該基板間に電気泳動表示媒体を有することを特徴とする。
【効果】 表示面のコントラストが高く、低電圧駆動化、応答速度の高度化にも優れた電気泳動表示液、それを用いた表示媒体及び表示装置が提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電界等の作用により可逆的に視認状態を変化させることができる電気泳動表示用の表示液、それを用いた表示媒体及び表示装置に関する。
近年、情報機器の発達に伴い、表示装置の低消費電力化、薄型化、フレキシブル化等の需要が増してきており、これらの需要に合わせた表示装置の研究、開発が盛んに行われている。
このような表示装置の一つとして、Harold D.Leesらにより発明された電気泳動表示装置が知られている。この電気泳動表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の電極基板を適当なスペーサーを介して対向配置し、この電極基板間に、微粒子(顔料粒子)をこれと異なる色に着色された分散媒中に分散させた表示液を充填して表示パネルとした構成となっており、この表示パネルに電界を印加して透明電極面に表示を得ようとするものである(例えば、特許文献1参照)。
この電極基板間に充填される電気泳動表示用液は、ニ酸化チタン等の微粒子(顔料粒子)、この微粒子と色のコントラストを付けるための染料を溶解させたキシレン、テトラクロロエチレン、パラフィン、シリコーンオイル等の低誘電率の分散媒、界面活性剤等の分散剤、及び電荷付与剤等の添加剤から構成されている。この電気泳動表示用液に電界を印加することにより表示液中の微粒子が透明電極側に移動し、表示面には微粒子の色が現れ、更に、これと逆方向の電界を印加することにより、微粒子は反対側に移動し、表示面には染料により着色された分散媒の色が現れるものである。
このような電気泳動表示装置は、電界の向きを制御することにより所望の表示を得ることができる表示装置であり、低コストで、視野角が通常の印刷物並に広く、消費電力が小さく、表示のメモリー性を有する等の長所を持つことから安価な表示装置として注目されている。
しかしながら、この特許文献1などに記載される電気泳動表示装置の表示液は、一般に染料等を溶解して着色された疎水性で低誘電率の分散媒中に、二酸化チタン等の高屈折率の無機顔料を分散させているため、分散安定性の制御が難しく、凝集等によるコントラストの低下や繰り返し表示特性の低下、表示品質の低下を生じさせるといった欠点を有している。また、染料溶液を用いているため、顔料表面への染料の吸着等によりコントラストを低下させるといった欠点も有している。
そこで、これらの問題点等を解決するために、分散系の安定化や表示特性の向上のための開発がこれまでに数多くなされてきている。
分散安定性を向上させるための手段としては、例えば、染料によって着色された分散媒中にチタネートカップリング剤で表面処理した電気泳動粒子を用いた系において、ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤を添加する技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。
また、帯電状態の異なる2種類の電気泳動性粒子の一方を4級アンモニウム塩化合物で処理し、さらに界面活性剤を添加すること(例えば、特許文献3参照)が知られている。
一方、コントラストを向上させるための手段としては、例えば、分散媒の着色に用いられる染料として顔料表面に対して非吸着性の染料を用いること(非特許文献1参照)や分散媒中の染料濃度を低くすること(非特許文献2参照)などが知られている。
更に、表示面における電気泳動微粒子の偏在による表示の不均一を防止する方法としては、電気泳動表示用表示液をマイクロカプセルに封入して表示粒子として利用する方法(例えば、特許文献4参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献2に記載される技術では、分散安定化の効果は不十分であり、表示のコントラストにおいても十分な効果は得られていないという点に未だ課題がある。
また、上記特許文献3に記載される技術においても十分な分散安定性が得られておらず効果は不十分である。
更に、上記非特許文献1及び2の方法では、上記した染料溶液による欠点を完全に解決するには至っておらず、未だ実用上の課題を有している。
上記特許文献4の方法においても内包される表示液が有色の染料溶液と顔料粒子の分散液を利用しているものであることから、上記の現象と同様にコントラストの点では十分ではない。
そこで、染料で着色された分散媒を用いるシステムの有する課題等を解決する手段としては、染料溶液を用いない電気泳動表示装置が知られている。例えば、無色分散媒中に色調及び電気泳動性が互ぃに異なる少なくとも2種類の電気泳動微粒子を分散した液を少なくとも一方が透明な2枚の対向電極間にスペーサーを介して形成されるセル内に封入した電気泳動表示素子(例えば、特許文献5参照)が知られている。
また、このような色調及び電気泳動性(帯電電荷)が互いに異なる2種類の電気泳動微粒子を分散した液を電気泳動表示用表示液として用いる系において問題となっている粒子間の凝集を防ぐための手段として、電荷調整剤の添加や粒子の表面処理等による立体的反発効果を用いること(例えば、特許文献6参照)が知られている。
更に、無色分散媒中に電気泳動性が同一で色調及び電気泳動速度が互いに異なる少なくとも2種類の電気泳動微粒子を分散した液を用いた電気泳動表示素子(例えば、特許文献7参照)が知られている。
また、分散媒中に表面処理を施された内部に空隙を有する粒子と該粒子とは色調の異なる顔料粒子を含む電気泳動表示用表示液(例えば、特許文献8参照)が知られている。
そして、無色分散媒中に色調及び電気泳動性が互いに異なる少なくとも2種類の電気泳動性徴粒子を分散した液をマイクロカプセル内に内包した技術(例えば、特許文献9参照)も知られている。
しかしながら、上記特許文献5に記載の技術では、異なる電気泳動微粒子の帯電電荷が正と負の組合せであるために、微粒子間に電気的引力が生じ、微粒子の凝集が起きることで分散安定性が低下し、混色によるコントラスト低下なども生じるといった課題を有している。
また、上記特許文献6に記載の技術では、2種類の電気泳動微粒子の凝集を完全に防ぐことは困難であり、良好なコントラストを実現することができないといった課題を有している。
更に、上記特許文献7に記載の移動速度の遅い微粒子であっても、表示面の電極近くに存在するときは、移動距離が少なくてすむために表示面に現れてきてしまうこともあり、また、一般的に色調の同じ粒子間でも帯電電荷は異なり移動速度の分布を持っているため、色調の異なる粒子間でそれらが重なることがないように制御しなければ十分なコントラストを得ることは難しいといった点に課題を有している。
更にまた、上記特許文献8に記載の内部に空隙を有する粒子では、空隙に分散液媒体が入り込むなどしてしまうため、特に白い粒子の屈折率が下がり十分なコントラストを得ることを困難なものとしている。
また、上記特許文献9に記載の場合も、分散液の安定性が維持されず、電気泳動性徴粒子間の電気的な引力による凝集による混色がマイクロカプセル内で発生し、表示の混色を起こしてしまうといった課題は依然として有しているものである。
米国特許第3612758号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特許第2733687号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平11−119704号公報(特許請求の範囲、実施例等) Philips Lab:Conference Record of 1980 BiennialDisp. Res. Conf. XeroxPaloAlto:Proc.SID,Vol.18 3/4,1977. 特許第2551783号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開昭62−269124号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特表平8−5101190号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開昭63−50886号公報(特許請求の範囲、実施例等) 米開2002−277903号公報(特許請求の範囲、実施例等) WO98/03896号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、電気泳動表示用液の分散安定性を向上させることで、高コントラストな表示の実現と、繰り返し表示時においても高い信頼性を持ってコントラスト表示することができると共に、低電圧駆動化、応答速度の高度化にも優れた電気泳動表示用液、それを用いた表示媒体及び表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題等について鋭意検討した結果、1種類以上の微粒子、特定の分散液媒体を含有せしめると共に、特定の成分を含有することにより、上記目的の電気泳動表示用液、それを用いた表示媒体及び表示装置が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(5)に存する。
(1) 少なくとも下記一般式(I)で表される構造単位を有するアルキルポリエーテルアミン、1種類以上の微粒子及び分散液媒体として炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素を含有することを特徴とする電気泳動表示用液。
Figure 2006058621
(2) 炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素のうちの少なくとも1種類を分散液媒体全量中30重量%以上含む上記(1)に記載の電気泳動表示用液。
(3) アルキルポリエーテルアミンの含有量が、微粒子に対して、1.0〜200重量%である上記(1)又は(2)に記載の電気泳動表示用液。
(4) 上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の電気泳動表示用液がマイクロカプセル又はセルのそれぞれが独立した構造体に封入されていることを特徴とする電気泳動表示用媒体。
(5) 少なくとも一方に、光透過性である電極が形成された一対の基板と、該基板間に上記(4)に記載の電気泳動表示媒体を有することを特徴とする電気泳動表示装置。
本発明によれば、分散安定性に優れると共に、表示面のコントラストが高く、高い信頼性を持ってコントラスト表示することができると共に、低電圧駆動化、応答速度の高度化にも優れた電気泳動表示液、それを用いた表示媒体及び表示装置が提供される。
以下に、本発明の実施の形態を発明ごとに詳しく説明する。
本発明の電気泳動表示用液は、少なくとも下記一般式(I)で表される構造単位を有するアルキルポリエーテルアミン、1種類以上の微粒子及び分散液媒体として炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素を含有することを特徴とするものである。
Figure 2006058621
また、本発明の電気泳動表示用媒体は、上記構成となる電気泳動表示用液がマイクロカプセル又はセルのそれぞれが独立した構造体に封入されていることを特徴とするものであり、更に、本発明の電気泳動表示装置は、少なくとも一方に、光透過性である電極が形成された一対の基板と、該基板間に上記構成となる電気泳動表示媒体を有することを特徴とするものである。
本発明におけるアルキルポリエーテルアミンは、主として電荷制御剤として用いるものであり、上記一般式(I)に表されるような構造式で表されるものであれば良く、例えば、ポリエチレングリコールラウリルアミン、ポリエチレングリコールアルキル(椰子)アミン、ボリエチレングリコールステアリルアミン、ポリエチレングリコールアルキル(牛脂)アミン、ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリエチレングリコールアルキル(鹿脂)アミン、ポリエチレングリコールアルキル(羊脂)アミン、ポリエチレングリコールアルキル(牛脂)プロピレンジアミン、ポリエチレングリコールジオレイルアミン等を挙げることができるが、少なくとも用いる分散液媒体に溶解するものであればこれらに限定されるものではない。
上記一般式(I)に含まれないアルキルポリエーテルアミンなどを用いた場合には、表示面のコントラストが低く、繰り返し表示の信頼性も低くなり、応答性も悪くなる等、好ましくない。
また、用いるアルキルポリエーテルアミンは、各単独(1種)又は2種以上を組み合わせて用いることもでき、その種類によって含有する量が適宜決定されることになるが、後述する微粒子に対して、1.0〜200重量%(以下、単に「%」という)の範囲で含有されることが好ましく、更に好ましくは3〜100%とすることが望ましい。
このアルキルポリエーテルアミンの含有量が、微粒子に対して、1.0%未満であると、アルキルポリエーテルアミンの効果が現れず、表示面のコントラストが低く、繰り返し表示の信頼性も低くなり、応答性も悪くなってしまう。一方、微粒子に対して、200%超過では、溶媒の電気導電性が上がってしまうために、微粒子の移動やコントラスト表示を低下させ、さらに電気分解等により電気泳動表示用液自体が壊れる要因ともなってしまい、好ましくない。
本発明における微粒子としては、例えば、有色または無色(白色)の無機顔料粒子、有機顔料粒子、高分子微粒子等を用いることができ、これらは各単独(1種)又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明では、用いる上記微粒子には、更に、本発明の効果を発揮せしめる点から、親油性表面処理されている微粒子を少なくとも含有することが好ましい。この親油性表面処理されている微粒子が少なくとも1種含むものであれば、該親油性表面処理されている微粒子の他に、表面処理がなされていない微粒子〔有色または無色(白色)の無機顔料粒子、有機顔料粒子、高分子微粒子等〕を含んでもよく、また、全量が該親油性表面処理されている微粒子であってもよい。
本発明において、親油性表面処理されている微粒子を使用すると、繰り返し表示や応答性が更に良好となり、また、液の安定性も更に向上し、本発明の効果を更に発揮するものとなる。
なお、本発明において、上記「顔料粒子」とは、分散液媒体として用いる溶媒との組合せにおいて、溶媒に対する溶解性が極めて低いものであり、溶媒中において分散された粒子状態で存在できるものをいう。
用いることができる無機顔料粒子としては、例えば、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸カルシウム、シリカ、ケイ酸カルシウム、鉛白、亜鉛華、リトポン、酸化アンチモン、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄、クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、黒色低次酸化チタン、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、錫粉、亜鉛粉等が挙げられる。
用いることができる有機顔料粒子としては、例えば、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、プリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、べリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノ二ルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等が挙げられる。
用いることができる高分子微粒子としては、従来公知の方法で製造される有機ポリマーからなる高分子微粒子を使用することが可能であり、例えば、乳化重合を利用した方法、シード乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、懸濁重合法、シード重合法、シード重合+重合収縮を利用した方法、W/O/Wエマルジョンの懸濁重合による方法、スプレードライの液滴の表面乾燥を利用した方法、ポリマーエマルジョンを電解質固体粒子の添加により凝集させるシード凝集法等が挙げられるが、これらの方法によって作製されたものに限定されるものではない。
また、高分子微粒子の材料としては、従来公知のポリマー材料から選ばれるものを、電気泳動表示用として使用する透明な分散媒に溶解しない組合せにおいて用いることができる。これらの例としては、スチレン系、スチレン−アクリル系、スチレン−イソプレン系、ジビニルベンゼン系、メチルメタクリレート系、メタクリレート系、エチルメタクリレート系、エチルアクリレート系、n−ブチルアクリレート系、アクリル酸系、アクリロニトリル系、アクリルゴム−メタクリレート系、エチレン系、エチレン−アクリル酸系、ナイロン系、シリコーン系、ウレタン系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、フェノール系、フッ素(テトラクロロエチレン)系、塩化ビニリデン系、4級ピリジニウム塩系、合成ゴム、セルロース、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸カルシウム等のポリマー材料及び、これらのポリマー材料に対して架橋を行うことで耐溶剤性機能を向上させたポリマー材料を挙げることができ、特に、架橋アクリル系樹脂を成分に含む材料が耐溶剤性の点から好ましいが、これらのポリマー材料に限定されるものではない。
また、これらの高分子微粒子は、公知の方法によって染料や顔料によって着色されたものであっても良く、例えば、高分子微粒子の合成前にモノマーを着色してから上記手法を用いて製造する方法や、高分子微粒子の製造途中で着色する方法や、高分子微粒子を製造した後に着色する方法等を挙げることができる。
更に、別の方法としては、あらかじめ合成することによって得られた上記ポリマー材料中に染料や顔料を物理的に分散するなどした後に、所望の粒子サイズになるまで粉砕して得ることもできるが、着色された高分子微粒子としては、これら手法によって得られたものに限られるものではない。
本発明において、好ましく用いることができる親油性表面処理されている微粒子は、上記各種微粒子〔有色または無色(白色)の無機顔料粒子、有機顔料粒子、高分子微粒子等〕の表面部が親油性表面処理剤などで処理されているものである。
親油性表面処理剤としては、例えば、カップリング剤、顔料誘導体、親油性界面活性剤などが挙げられ、好ましくは、分散性、流動性の面からカップリング剤の使用が特に望ましい。
用いることができるカップリング剤としては、例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤、クロム系カップリング剤、更には、フッ素系カップリング剤などが挙げられる。
これら各種カップリング剤としては、例えば、以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
チタネート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(n−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、ビス(ジオクチルパオロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパオロホスフェート)ジイソプロピルチタネート、テトラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタネート、テトラプロピルオルソチタネート、テトライソプロピルテトラエチルオルソチタネート、テトラブチルオルソチタネート、ブチルポリチタネート、テトライソブチルオルソチタネート、2−エチルヘキシルチタネート、ステアリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレシルチタネートポリマー、ジイソプロポキシ−ビス−(2,4−ペンタジオネート)チタニウム(IV)、ジイソプロピル−ビス−トリエタノールアミノチタネート、オクチレングリコールチタネート、チタニウムラクテート、アセトアセティツクエスチルチタネート、ジイソプロポキシビス8アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアルミナト)チタン、ジヒドロキシビス(ラクタト)チタン、チタニウム−イソプロポキシオクチレングリコレート、チトラ−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートポリマー、ブチルチタネートダイマー、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコジシアルミニウムジイソプロビレート等が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチルー3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、ジアミノシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、トリアミノプロピル−トリメトキシシラン、3−アミノ−4,5−ジヒドロイミダソールプロピルトリエキシラン、3−メタクロリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリニトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、アミルトリクロロシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(メタクリロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン、長鎖アルキルトリエトキシシラン、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランが挙げられ、
また、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ビニルトリアセトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、メチルクロロジシラン、トリフェニルタロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシランヘキサメチルジシラザン、サイクリックシラザン混合物、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、N−トリメチルシリルアセトアミド、ジメチルトリメチルシリルアミン、ジエチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、N−トリメチルシリルフェニルウレア等が挙げられる。
ジルコニウム系カップリング剤としては、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ジルコニウムラクテート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、テトラ(トリエタノールアミン)ジルコネート、テトライソプロピルジルコネート等が挙げられる。
ジルコアルミネート系カップリング剤としては、楠本化成社製の製品名A,C,C−1,F,M,M−1,S,APG,CPG,CPM,FPM,MPG,MPM及び、テトラプロピルジルコアルミネート等が挙げられる。
クロム系カップリング剤としては、メタクリル酸クロムと塩化クロムの複合体等が挙げられる。
フッ素系カップリング剤としては、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記の各カップリング剤については、各々単独(1種)で用いること以外に、複数(2種以上)のカップリング剤を混合して用いることも、更には、複数のカップリング剤を用いた処理を段階的に施すことも可能である。
また、前記の各種カップリング剤の中でも、特に、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤を用いた場合に更に優れた効果を示す点から望ましい。
本発明におけるカップリング剤等による表面処理は、無機系の顔料だけでなく有機系の材料、例えば、有機ポリマー系の高分子微粒子や有機系顔料粒子等についても対象にしている。これらの母体粒子のなかには、カップリング剤との間でカップリング反応を行うことのできる活性反応部位(例えば、ヒドロキシル基のような)の存在が不明確なものも含まれている。しかしながら、このような母体粒子に対して上記のように各種カップリング剤によるカップリング処理を施した場合にも、母体粒子の表面特性はカップリング剤によって変化させることができる。
この理由については、反応活性な基が存在しない場合でも、母体粒子表面においてカップリング剤が物理的に付着あるいは表面に含浸することによって表面特性や変化が実現していると考えられる。本発明でいうカップリング剤による処理は、上記の表面特性の変化も含めている。
本発明において、親油性表面処理されている微粒子としては、具体的には、ITT−2 TiO CR−50(日光ケミカルズ社製、表面をチタンカップリング剤で処理した酸化チタン、平均粒径約0.4μm)、ITT−7 TiOTTO−S−3(日光ケミカルズ社製、表面をチタンカップリング剤で処理した微粒子酸化チタン、平均粒径約0.05〜0.1μm)、KR−380(チタン工業社製、表面を親油性表面処理剤で処理した酸化チタン、平均粒径約0.5μm)、KR−270(チタン工業社製、表面を親油性表面処理剤で処理した酸化チタン、平均粒径約0.4μm)、タイペークCR−50(石原産業社製、親水性表面となる酸化チタン、平均粒径約0.4μm)をカップリング剤(例えば、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤)で処理した粒子などが挙げられる。
図1は、酸化チタン表面をチタンカップリング剤で処理した酸化チタン微粒子(ITT−2 TiO CR−50)を示すものである。
本発明において、上記親油性表面処理された微粒子は分散媒への分散性や流動性の向上の点から、表面官能基がアルコキシカルボニル基であるものが特に好ましい。この表面官能基がアルコキシカルボニル基を有するものとするためには、例えば、チタンカップリング剤であるトリイソステアリン酸プロピルチタンからイソプロピル基が脱離して、チタンが粉体表面の水酸基に結合することにより、行うことができる。
本発明の微粒子としては、上記構成の各種微粒子や、上記親油性表面処理された微粒子を用いるものであるが、構成する表示媒体との関係で各種粒径のものを用いることが可能であり、中でも表示特性、表示メモリー性や分散安定性の更なる効果を発揮せしめる点から、平均粒子径が0.05〜20μmのものが好ましく用いられ、特に好ましくは、平均粒子径が0.1〜10μmのものが望ましい。
この微粒子の平均粒子径が0.05μm未満であると、微粒子のブラウン運動による拡散の影響が出て表示特性が落ち、凝集傾向が強くなるために分散系が不安定になってしまう。一方、平均粒子径が20μmを越えると、微粒子の沈降が生じやすくなり、表示メモリー性や分散安定性を悪化させる要因となる。
本発明において、用いる微粒子は、更なる本発明の効果を発揮せしめる点から、少なくとも上記微粒子及び/又は親油性表面処理されている微粒子が、微粒子全量に対して、好ましくは、10%以上、更に好ましくは、20〜100%含有されることが望ましい。
また、微粒子の合計含有量は、電気泳動表示液全量に対して、好ましくは、3〜70%、更に好ましくは、10〜50%とすることが望ましい。
この微粒子の含有量が、3%未満では、十分なコントラスト表示が困難となり、一方、70%を越えると、微粒子同士の干渉が起きるなどして移動速度や応答速度が低下してしまうため、好ましくない。
また、例えば、白と黒の2種類の微粒子を用いる場合には、両粒子の合計量が3%〜70%となる範囲で、かつ、十分な白黒のコントラスト表示ができるように、白黒微粒子の比率を変化させて使用することができる。
本発明において、上記微粒子の分散安定性を更に向上させるために、更に、必要に応じて、慣用的に用いられる各種の分散剤、界面活性剤や高分子界面活性剤を用いることができる。
分散剤としての界面活性剤の具体例としては、以下のノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、高分子型界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、ポリオキシポリオキシエチレンビスフェノールA、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ノニルフェノールエトキシレート等のポリオキアルキレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンひまし抽、ポリオキシアルキレンブロックポリマー、ボリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル類、モノオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、ジオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、トリオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、モノオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ジオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ランダムタイプのポリアルキレングリコール等のグリコール類、オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート等の第1級直鎖アルコールエトキシレート及び、第2級直鎖アルコールエトキシレート、多核フェノールエトキシレート等のアルキルアルコールエーテル類、ポリオキシエチレンロジンエステル、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ボリオキシエチレンステアリルエステル等のポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンセスキラウレート、ソルビタンセスキパルミテート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンジパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンジスチアレート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンセスキパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類、飽和脂肪酸メチルエステル、不飽和脂肪酸メチルエステル、飽和脂肪ブチルエステル、不飽和脂肪ブチルエステル、飽和脂肪ステアリルエスチル、不飽和脂肪酸ステアリルエステル、飽和脂肪オクチルエステル、不飽和脂肪酸オクチルエスチル、ステアリン酸ポリエチレングリコールエステル、オレイン酸ポリエチレングリコールエステル、ロジンポリエチレングリコールエステル等の脂肪酸エステル類、テアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類及び、これらの脂肪酸のアミド化合物類、ラウリル酸モノエタノールアミド、椰子脂肪酸ジエタノールアミド等の高級脂肪酸モノエタノールアミド類、高級脂肪酸ジエタノールアミド類、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ヤシジエタノールアミド(1−2型/1−1型)、アルキルアルキロールアミド等のアミド化合物類及び、アルカノールアミド類。
また、R−(CHCHO)mH(CHCHO)nH、R−NH−C−NH〔R=オレイル,オクチル,ドデシル,テトラデシル,ヘキサデシル,オクタデシル等、または.ヤシ,牛脂,大豆等から得られる高級脂肪酸である〕で表されるアルカノールアミン類、R−NH〔R=オレイル,オクチル,ドデシル,テトラデシル,ヘキサデシル,オクタデシル等、または.ヤシ,牛脂,大豆等から得られる高級脂肪酸〕で表される1級アミン類、R1R2−NH〔R1及びR2はオレイル,オクチル,ドデシル,テトラデシル,ヘキサデシル,オクタデシル等、または.ヤシ,牛脂,大豆等から得られる高級脂肪酸〕で表される2級アミン類、R1R2R3−N〔R1,R2及びR3はオレイル,オクチル,ドデシル,テトラデシル,ヘキサデシル,オクタデシル等、または.ヤシ,牛脂,大豆等から得られる高級脂肪酸〕で表される3級アミン類、各種合成系高級アルコール類及び、各種天然系高級アルロ−ル類等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、特殊脂肪酸石鹸、ロジン石鹸等のカルボン酸塩類、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルNa塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルアミン塩、天然アルコール硫酸エステルNa塩、高級アルコール硫酸エステルNa塩等のアルコール系硫酸エステル塩類及び、テウリルアルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルアミン塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルNa塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルNa塩等の硫酸エステル塩類、各種アルキルアリルスルホン酸アミン塩、各種アルキルアリルスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸アミン塩、ナフタレンスルホン酸Na塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸縮合物等のスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸Na塩等のポリオキシアルキレン系スルホン酸塩類、ジアルキルスルホサクシネートアミン塩、ジアルキルスルホサクシネートNa塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートアミン塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートNa塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸モノエステルアミン塩、ポリオキシエチレレンアルキルエーテルスルホコハク酸モノエステルNa塩等のスルホコハク酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル、アルコキシアルキルリン酸エステル、高級アルコールリン酸エステル、高級アルコールリン酸塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、芳香族リン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルリン酸エステルのリン酸エステル類及び、リン酸塩類等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、R−N(CH)3X〔R=ステアリル、セチル、ラウリル、オレイル,ドデシル,ヤシ,大豆、牛脂等/Xはハロゲン、アミン等〕で表されるアルキルトリメチルアミン系4級アンモニウム塩、テトラメチルアミン系塩、テトラブチルアミン塩等の4級アンモニウム塩類、(RNH)(CHCOO)〔R=ステアリル、セチル、ラウリル、オレイル,ドデシル,ヤシ,大豆、牛脂等〕で表される酢酸塩類、ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン、アミン塩等)、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン、アミン塩等)、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン、アミン塩等)等のベンジルアミン系4級アンモニウム塩類、R(CH)N(CO)mH(CO)n・X〔R=ステアリル、セチル、ラウリル、オレイル,ドデシル,ヤシ,大豆、牛脂等/Xはハロゲン、アミン等〕で表されるポリオキシアルキレン系4級アンモニウム塩類等が挙げられる。
両性系界面活性剤としては、例えば、各種べタイン型界面活性剤、各種イミダゾリン系界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン塩酸塩等が挙げられる。
本発明において、用いることができる高分子型界面活性剤は、分子量(数平均分子量、以下同じ)が数百程度の低分子量のものに対して、分子量が大きい重合物を示しており、一般に高分子(ポリマー)と呼ばれている分子量約10000以上の重合体に加えて、分子量10000以下の一般にオリゴマーと呼ばれている低重合体を含めた化合物を含むものである。
高分子型界面活性剤としては、以下のアニオン系高分子型界面活性剤、カチオン系高分子型界面活性剤、ノニオン系高分子型界面活性剤などを挙げることができる。
アニオン系高分子型界面活性剤としては、例えば、スチレン−無水マレイン酸共重合物、オレフィン無水マレイン酸共重合物.ナフタレンスルホン酸塩縮合物、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリアクリル酸ソーダ、ポリカルボン酸型陰イオン活性剤、ポリアクリルアミド部分加水分解物、アクリルアミドアクリル酸ソーダ共重合物、アルギン酸ゾーダ等が挙げられる。
カチオン系高分子型界面活性剤としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダゾリゾン、アミノアルキル(メタ)アクリレート−アクリルアミド共重合物、ポリアクリルアミドマンニッヒ変成物、キトサン等が挙げられる。
ノニオン系高分子型界面活性剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンエーテルエステルのコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリカルボン酸系化合物、ヒドロキシ脂肪酸のオリゴマー、ヒドロキシ脂肪酸のオリゴマー変成物、ポリヒドロキシ脂肪酸、ポリヒドロキシ脂肪酸変成物、ポリ−1,2−ヒドロキシステアリン酸、N−ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、デンプン等が挙げられる。
また、本発明の分散剤において、特に、微粒子表面の正負の帯電に悪影響を与えにくく、電気泳動表示用液をマイクロカプセルに内包させる際にも悪影響を与えにくいノニオン系またはアニオン系界面活性剤、ノニオン系またはアニオン系高分子界面活性剤の使用が好ましい。
これらの分散剤は、1種類でも、2種類以上を組み合わせて用いることも可能であり、その含有量としては用いる微粒子や溶媒種によって適宜決定されるが、特に、電気泳動表示液全量に対して、0.01〜50.0%であることが好ましく、更に好ましくは、0.1〜20%とすることが望ましい。
この分散剤の含有量が0.01%未満であると、分散系の更なる分散安定性を確保することが難しくなり、一方、50%を越えると、分散液媒体の導電性が高くなり、分散系の粘度が高くなるなどして、表示特性に悪影響を及ぼすようになり、好ましくない。
本発明において、炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素を分散液媒体として用いるものである。この炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素を分散液媒体として用いることで、上記アルキルポリエーテルアミンの持つ特性、特に、微粒子の分散性、分散安定性を最大限に発揮せしめることができ、かつ、高コントラス化、低電圧駆動化、応答速度の高速化を併せ持つ電気泳動表示用液が得られることとなる。また、この炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素を溶媒にすると、表示デバイスにおける溶剤バリア性が十分に発揮され、長期に亘って安定した品質を保持することができ、かつ、表示特性が良いという効果を有するものとなる。特に、フレキシブル性を求める場合に、PETのような樹脂フィルムを基板とする場合に、効果的である。
用いることができる炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素としては、例えば、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、イソドデカン、へプタデカン、オクタデカンなど選ばれる少なくとも1種(各単独又は2種以上の混合物)が挙げられる。
好ましくは、表示デバイスにおける溶剤バリア性の更なる発揮、長期に亘って安定した品質を更に保持する点から、炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素、具体的には、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、オクタデカン、イソドデカンのうちの少なくとも1種類の使用が望ましい。
これらの炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素の含有量は、分散液媒体全量中に、好ましくは、30%以上、更に好ましくは、50〜100%(分散液媒体全量が炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素)とすることが望ましい。
この炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素の含有量が30%未満であると、表示面のコントラストが低くなどするため、好ましくない。
その他に用いることができる分散液媒体としては、例えば、従来電気泳動表示に用いられている各種タイプのものを用いることができる。
具体的には、芳香族系炭化水素として、ベンゼンや、トルエン、キシレン、エチルベンゼシ、ドデシルベンゼン等のアルキルベンゼン誘導体、フェニルキシリルエタン、1,1−ジトリルエタン、1,2−ジトリルエタン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニルエタン)(BDMF)等のジアリルアルカン誘導体、ジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン誘導体、モノイソプロピルビフェニル、イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル等のアルキルビフェニル誘導、各種割合にて水素化されたターフェニル誘導体、ジベンジルトルエン等のトリアリルジメタン誘導体、ベンジルナフタレン誘導体、フェニレンオキサイド誘導体、ジアリルアルキレン誘導体、アリルインダン誘導体、ポリ塩素化ビフェニル誘導体、ナフテン系炭化水素等が挙げられる。
また、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル等のハロゲン化炭化水素類、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクテルジフェニル、リン酸トリシクロへキシル等のリン酸エステル類、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロへキシル等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレレグリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクテル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類、塩素化パラフィン、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
更に、本発明においては、これらの脂肪族飽和炭化水素を含む分散液媒体を各単独で又は2種類以上混合して用いることができる。分散液媒体は、特に、誘電率の低い(5.0以下)溶媒が好ましく用いられ、微粒子の比重と同じになるように選択されることが好ましい。
これらの分散液媒体の含有量としては、用いる微粒子や分散剤種によって適宜決定されるが、特に、電気泳動表示液全量に対して、25〜85%であることが好ましく、更に好ましくは、30〜60%とすることが望ましい。
この分散液媒体の含有量が25%未満であると、液の粘度が高くなり、応答速度が低下することとなり、一方、85%を越えると、十分なコントラストを表示することができないこととなり、好ましくない。
また、本発明においては、上記分散液媒体に対して各種油溶性染料を溶解して着色して用いることが可能である。この場合、用いることのできる染料としては、以下のものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
用いることのできる染料としては、例えば、スピリットブラック(SB,SSBB,AB)、ニグロシンベース(SA,SAP,SAPL,EE,EEL,EX,EXBP,EB)、オイルイエロー(105,107,129,3G,GGS)、オイルオレンジ(201,PS,PR)、ファーストオレンジ、オイルレッド(5B、RR,OG)、オイルスカーレット、オイルピンク312、オイルバイオレット♯730、マクロレックスブルーRR、スミプラストグリーンG、オイルブラウン(GR,416)、スーダンブラックX60、オイルグリーン(502,BG)、オイルブルー(613,2N,BOS)、オイルブラック(HBB,860,BS)、バリファーストイエロー(1101,1105,3108,4120)、バリファーストオレンジ(3209,3210)、バリファーストレッド(1306,1355,2303,3304,3306,3320)、バリファーストピンク2310N、バリファーストブラウン(2402,3405)、バリファーストブルー(3405,1501,1603,1605,1607,2606,2610)、バリファーストバイオレット(1701,1702)、バリファーストブラック(1802、1807,3804,3810,3820,3830)等が代表的なものとして挙げられる。
これらの染料は、用いる微粒子とコントラスト表示可能な色のものを選択して用いることが好ましく、2種以上を用いて色調整することもできる。
本発明の電気泳動表示用液は、少なくとも上記一般式(I)で表される構造単位を有するアルキルポリエーテルアミン、1種類以上の微粒子及び分散液媒体として炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素を含有するものであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、電気泳動表示用液に用いられる任意成分を適宜量含有することができる。
用いることができる任意成分としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、防菌防黴剤等が挙げられる。
本発明の電気泳動表示用液は、少なくとも上記一般式(I)で表される構造単位を有するアルキルポリエーテルアミン、1種類以上の微粒子及び炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素を含む分散液媒体を混合撹拌後、超音波分散などのメディアレス分散方法、湿式ビーズミルなどによるメディアを使った分散方法等による各種分散処理を行うことにより、調製することができる。また、必要に応じて、微粒子の粒度を制御するために、遠心分離の原理を応用した分級処理や、フィルトレーション法による粒度調整方法を実施することもできる。
このように構成される本発明の電気泳動表示用液では、少なくとも上記一般式(I)で表される構造単位を有するアルキルポリエーテルアミン、1種類以上の微粒子及び分散液媒体として炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素を含有するものを用いることで、分散安定性に優れると共に、表示面のコントラストが高く、高い信頼性を持ってコントラスト表示することができると共に、低電圧駆動化、応答速度の高度化にも優れたものを提供することができるものとなる。
次に、本発明の電気泳動表示用媒体は、上述の電気泳動表示用液がマイクロカプセル又はセルのそれぞれが独立した構造体に封入されていることを特徴とするものである。
図2(a)及び(b)は、電気泳動表示用液をマイクロカプセルからなる構造体に封入した一粒子型、ニ粒子型の各実施形態である。
図2(a)は、酸化チタン粒子又は親油性処理した酸化チタン粒子を油溶性染料で黒色に着色した溶液に所定配合で分散した電気泳動表示用液を尿素−ホルムアルデヒド樹脂でマイクロカプセル化したものであり、図示符号1はプラス帯電(酸化チタン)白粒子、2は黒色溶媒、3はカプセル壁である。
図2(b)は、酸化チタン粒子又は親油性処理した酸化チタン粒子とカーボンブラックを内包したアクリル系ポリマー架橋粒子とを所定配合で分散媒に分散した電気泳動表示用液をウレタン−尿素樹脂でマイクロカプセル化したものであり、図示符号4はプラス帯電(酸化チタン)白粒子、5は無帯電黒粒子(カーボンブラックを内包したアクリル系ポリマー架橋粒子)、6は無着色溶媒、7はカプセル壁である。
図3(a)〜(c)は、電気泳動表示用液をセルからなる構造体に封入した各実施形態であり、各セルのパターンをそれぞれ模式的に表したものである。また、(d)〜(f)は対向電極間にマイクロカプセルやセル構造シートを配置した場合の断面図をそれぞれ模式的に表したものであり、(d)〜(f)中、図示符号10は透明電極、11はバインダー樹脂層、12はマイクロカプセル、13は対向基板、14はセル形成シートである(図4中も同様)。
本発明の電気泳動表示用媒体に用いるマイクロカプセルは、一般的に用いられているin−situ重合法、界面重合法、コアセルベーション法等により調製することが可能であり、その際マイクロカプセルの壁材としてはポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ボリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシリ、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン等が挙げられる。
更に、本発明の電気泳動表示用表示粒子に用いられるマイクロカプセルの粒径は、10〜200μm程度であることが好ましい。
このマイクロカプセルの粒径が10μm未満では、コントラストが十分に得られない不都合があり、一方、200μmを越えると、印加電圧を上げなければ十分な応答速度が得られないといった不都合を生じることとなり、好ましくない。
また、マイクロカプセルの粒度は、なるべくある分布に収まっていることが望ましい。不均一であると表示ムラが発生し、表示特性が低下することとなる。
本発明における電気泳動表示用表示媒体に用いられるマイクロカプセルは、少なくとも、表示装置に付随する対向電極間への組み込みの際に、マイクロカプセル間に空隙を生じさせないためにも、カプセルが高密度に配列するべく柔軟性を持っていることが好ましい。
このことにより表示に寄与しない領域の割合が非常に少なくなりコントラストが大きくなると共に、更に対向電極にもマイクロカプセルが面接蝕することになり、表示ムラが生じにくくなり、高品質な表示特性を有する電気泳動表示装置が得られることになる。
また、マイクロカプセルが柔軟性を持っていることで、機械的強度も結果的に上がることになり、マイクロカプセルの表示用電極へのコーティング法により配列させる場合の特性等も向上することとなる。
本発明における電気泳動表示用媒体に用いられるマイクロカプセルの基板電極へのコーティングに用いられるコーティング液は、水分散型樹脂系バインダー、溶剤溶解型樹脂系バインダー等を用いることができるが、基板への塗布する際に均一にマイクロカプセルを配列させるためにもマイクロカプセルのコーティング液への分散性が良好であることが望ましい。
更に、乾燥工程でマイクロカプセル同士が互いに均一に接触し、最終乾燥工程でマイクロカプセルが面接触することを阻害しないことが好ましい。
本発明における電気泳動表示用表示媒体において、図3に示すように、電気泳動表示用液を独立分割されたセルからなる構造体に封入したものにあっては、電気泳動表示用液が充填されるセルの構造には、電気泳動粒子との親和性のコントロールの点から、電気泳動表示用液が接する電極部、セル部には、オゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、UVイトロ処理、スパッタリング処理、ポロマー層形成処理、無機層形成処理、有機又は無機ハイブリッド層形成処理から選ばれる親水化処理がなされていることが望ましい。
オゾン処理としては、セルシートをオゾン分子と接触させて、ヒドロキシペルオキシ基や水酸基やカルボニル基等の官能基(親水基)を導入することを目的とし、セルシート表面をオゾンに暴露することにより親水化処理が行われる。暴露方法としては、オゾンが存在する雰囲気に所定時間保持する方法、オゾン気流中に所定時間暴露する方法等が挙げられるが、特に限定されない。
プラズマ処理としては、上記セルシートを空気、酸素、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ネオンなどを含む容器内におき、グロー放電により生じるプラズマに晒すことにより行われ、セルシート表面部に酸素、窒素などを含むカルボン酸基、カルボニル基、アミノ基などの官能基(親水基)を導入することを目的とし、プラズマ発生の放電形式は、直流放電、低周波放電、ラジオ波放電、マイクロ波放電などがあるが特に限定されない。好ましくは、酸素原子を含む親水性官能基を導入する点から、空気プラズマ処理、酸素プラズマ処理である。
コロナ処理としては、コロナ放電が生じる電界内に上記セルシートを通過等させることにより、セルシートの内側表面部を親水化処理することができる。
また、UVイトロ処理としては、アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、アルキルチタン化合物、アルコキシチタン化合物、アルキルアルミニウム化合物、アルコキシアルミニウム化合物からなる群から選択される少なくとも一つの改質剤化合物、好ましくは、沸点が10〜100℃である改質剤化合物の少なくとも一つを含む燃料ガスの火炎を上記セルシートに吹き付け処理(ケイ酸化炎処理、チタン酸化炎処理、アルミニウム酸化炎処理)することにより、セルシートの内側表面部を親水化処理することができる。なお、吹き付け処理する際の火炎温度は、500〜1500℃、処理時間は0.1〜100秒程度である。
更に、電気泳動表示用液が接する電極部、セル部を、スパッタリング処理、ポリマー層形成処理、無機層形成処理、有機又は無機ハイブリッド層形成処理によっても親水化処理することができる。
本発明における電気泳動表示用表示媒体において、図3に示すように、電気泳動表示用液を独立分割されたセルからなる構造体に封入したものにあっては、独立分割されたセルの容積は1×10−9cc〜1×10−3ccであることが好ましい。
この容積が1×10−9cc未満であると、表示コントラストの低下等が生じやすくなり、一方、セルの容積が1×10−3ccを越えると、セルごとに内部で濃集が起きやすくなり、表示ムラ等の不具合を生じることとなる。
このように構成される本発明の電気泳動表示用表示液をマイクロカプセル又はセル内に内包した電気泳動表示用表示媒体においても、表示面のコントラストが高く、繰り返し表示時においても高い信頼性を持ってコントラスト表示することができと共に、低電圧駆動化、応答速度の高度化にも優れた特性が実現されるものとなる。
更に、本発明の電気泳動表示装置は、少なくとも一方に、光透過性である電極が形成された一対の基板と、該基板間に上記構成となる電気泳動表示媒体を有することを特徴とするものである。
本発明の電気泳動表示装置としては、例えば、次のイ)〜へ)のような形態のものが挙げられるが、本発明の電気泳動表示装置は、これらに限定されるものではない。
イ) 基板の片面に電極を設けた一対の表示用基材を、スペーサーを介して電極面を対向配置させて空間を形成し、その空間に本発明の電気泳動表示用液を充填し、更に、少なくとも一方の表示用基材を透明基板の片面に透明電極を設けたものとした電気泳動表示装置。
ロ) 基板の片面に電極を設けた表示用基材にスペーサーを介して絶縁フィルムを対向させて空間を形成し、その空間に本発明の電気泳動表示用表示液を充填し、更に、表示用基材と絶縁フィルムの少なくとも一方を透明とした電気泳動表示装置。
ハ) 基板の片面に電極を設けた一対の表示用基材を、スペーサーを介して電極面を対向配置させて空間を形成し、その空間に本発明の電気泳動表示用表示粒子を充填し、さらに、少なくとも一方の表示用基材を透明基板の片面に透明電極を設けたものとした電気泳動表示装置。
ニ) 基板の片面に電極を設けた表示用基材にスペーサーを介して絶縁フィルムを対向させて空間を形成し、その空間に本発明の電気泳動表示用表示粒子を充填し、さらに、表示用基材と絶縁フィルムの少なくとも一方を透明とした電気泳動表示装置。
ホ) 透明又は不透明な基板の片面に透明又は不透明な電極を施した表示用基材に本発明の電気泳動表示用媒体がバインダーとともに塗布されている電気泳動表示装置。
へ) 基板の片面に電極を設けた一対の表示用基材を、スペーサーを介して電極面を対向配置させて空間を形成し、さらに、その空間が格子状等の壁によってセルに独立分割された中に本発明の電気泳動表示用液を充填し、さらに、少なくとも一方の表示用基材を透明基板の片面に透明電極を設けたものとした電気泳動表示装置。
この表示装置において、上記独立分割されたセルは、その容積が1×10−9cc〜1×10−3ccとすることが好ましい。
図4(a)は、図2(a)の一粒子型の電気泳動表示用液をマイクロカプセルからなる構造体に封入した表示媒体を用いた電気泳動表示装置であり、図4(b)は、図2(b)のニ粒子型の電気泳動表示用液をマイクロカプセルからなる構造体に封入した表示媒体を用いた電気泳動表示装置である。
図5では、厚さ(D1,D3)1100μmのITOガラス電極を対向電極として用い、厚さ(D2)500μmのスペーサシートを用い電圧を印加した場合の電気泳動表示装置の模式図を表したものであり、d1及びd2はITO薄膜の厚さ(0.15μm)である。
また、本発明における電気泳動表示装置には、前記マイクロカプセルタイプの他に、電気泳動表示用液を収容した多数のセルを有したフィルム状シートを対向電極間に挟み込むことも可能である。
この電気泳動表示用液収容シートの形成方法は、各種UVレーザー加工技術の応用や、フォトエッチング法、各種印刷法により、薄膜シートに微細なセルを加工形成させることにより作製できる。
このように構成される本発明の電気泳動表示装置は、コントラストが高く、高い信頼性を持ってコントラスト表示することができると共に、低電圧駆動化、応答速度の高度化にも優れた特性が実現される。
次に、本発明を実施例及び比較例により本発明を詳述するが、本発明は下記に限定されるものではない。
(実施例1〜8及び比較例1〜4、電気泳動表示用液の調製)
下記表1に示すそれぞれの実施例、比較例の配合組成を、ガラスビーズを用いてペイントシェイカーで60分間分散し、電気泳動表示用液を調製した。
用いた微粒子(A−1〜A−2)、着色剤B(染料)、分散液媒体(C−1〜C−9)、分散剤D、アルキルポリエーテルアミン(E−1〜E−2)は下記のものを用いた。
微粒子A:
A−1:ITT−2 TiO CR−50(日光ケミカルズ社製)、表面をチタンカップリング剤で処理した酸化チタン、平均粒径約0.4μm
A−2:ラブコロール220(MD)ブラック(大日精化工業社製、アクリルコポリマー着色ビーズ)、平均粒径約10μm
着色剤B(染料): Oil Blue N(和光純薬社製)
分散液媒体C:
C−1:オクタン
C−2:デカン
C−3:ウンデカン
C−4:ドデカン
C−5:テトラデカン
C−6:オクタデカン
C−7:イソドデカン
C−8:キシレン
C−9:日石ハイゾール SAS296(ジアリルアルカン、新日本石油社製)
分散剤D:ソルビタントリオレエート
アルキルポリエーテルアミンE:
E−1:ナイミーンL−201(ヒドロキシエチルラウリルアミン、日本油脂社製)
E−2:ナイミーンS−202(ポリエチレングリコールステアリルアミン、日本油脂社製)
Figure 2006058621
上記表1で得られた各電気泳動表示用液を用いた電気泳動表示媒体を下記方法により作製し、下記各評価方法により、白色表示面の反射率、目視白色表示面の評価、着色表示面の反射率、目視着色表示面の評価、微粒子の凝集・付着、応答性、コントラストを評価した。
これらの電気泳動表示媒体の物性評価の結果を下記表2に示す。
(電気泳動表示用液を用いた電気泳動表示媒体の作製)
片面に電極を設けた基板として、片面に透明導電膜(ITO膜)を0.15μm形成したガラス基板(厚さ1.1mm)を用い、このガラス基板を一対、100μmのスペーサーを介して対向配置させ、セルを形成した。
この空間内に、上記表1にて調製した電気泳動表示用液を封入することにより電気泳動表示媒体を作製した。
(電気泳動表示媒体の物性評価)
上記方法にて作製した実施例及び比較例の各電気泳動表示媒体について、媒体の電極を介して+100V又は−100Vの電圧を印加して電気泳動させ、形成された白色または着色表示面の反射率をMSC−5N(スガ試験機社製、以下同様)を用いて測定した。
また、同時に、目視による白色表示および着色表示の評価、粒子の凝集、付着状態の評価、コントラスト比の評価は下記方法により行った。
(目視による白色表示および着色表示の評価)
電圧を印加して表示させた白表示面の白さ及び着色表示面の色の濃さについて、目視にて下記評価基準により官能評価を行った。
目視による白色表示面の評価基準:
○:白い
△:やや色味がかっている
×:色味が強い
目視による着色表示面の評価基準:
○:きれい、色が強い
△:やや白みがかっている
×:白っぽい
(粒子の凝集・付着状態、並びに、応答性の評価)
粒子の凝集と電極面への付着は、+100V又は−100Vの電圧を交互に1秒間隔で100回印加して、表示を切り替えた後、表示部分の色調の変化及び状態を目視で観察し下記評価基準で評価した。
更に、電圧の切り替えに応じた表示変化の応答性に関しても下記評価基準で評価を行った。
粒子の凝集・付着状態の評価基準:
◎:全く凝集・付着なし
○:ほとんど凝集・付着なし
△:やや凝集・付着がみられる
×:凝集・付着している
応答性の評価基準:
○:速やかに変化
△:やや反応が遅れる
×:反応は遅め
(コントラスト比の評価)
コントラスト比は、+100V又は−100Vの電圧を印加して一方の視認表示部を白色表示として最外側表示面に焦点を合わせて45度照射−垂直受光により白色反射を測定した後、最初とは逆の極性の−100V又は+100Vの電圧を印加して視認表示部を着色表示にして、同様に着色面の反射率を測定し、その比(白色表示面の反射率/着色表示面の反射率)から算出した。
Figure 2006058621
上記表2の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜8の電気泳動表示用媒体は、本発明範囲外となる比較例1〜4の電気泳動表示用媒体に較べて、白色表示面及び着色表示面の反射率に優れ、目視による白色表示、着色表示の色あいにも優れ、しかも、微粒子の凝集・付着もなく、応答性及びコントラストに優れることが判明した。
次に、マイクロカプセルタイプ(MC)、並びにシートタイプ(S)の電気泳動表示用装置を下記方法により作製し、上述の各評価方法で白色表示面の反射率、目視白色表示面の評価、着色表示面の反射率、目視着色表示面の評価、微粒子の凝集・付着、応答性、コントラストの評価、並びに、50℃ドライ1ヶ月(1M)保存後のデバイスの状態を初期状態と比較して評価した。
これらの電気泳動表示装置の物性評価の結果を下記表3に示す。
マイクロカプセルタイプ実施例1
(1)電気泳動表示用液の調製
前記実施例2記載の配合比で100gの電気泳動表示用液を調製した。
(2)マイクロカプセル化
5重量%のゼラチン水溶液200gと5重量%のアラビアゴム水溶液200gを撹拌しながら混合し、50℃に昇温し、水酸化ナトリウム水溶液で溶液のpHを9.0に調整した。この水溶液に上記(1)の電気泳動表示用分散液をゆっくり撹拌しながら添加し、乳化系を調製した。
次いで、所定の撹拌条件下で酢酸水溶液を用いてpHを4.0まで低下させ、ゼラチン/アラビアゴムコアセルベートを形成させた後、約30分かけて約5℃まで冷却した。
次に、ホルマリン35%水溶液を10g加え、50℃まで昇温し、約2時間硬化反応を実施しマイクロカプセルのスラリーを調製した。
得られたマイクロカプセルの平均粒径は80μmであった。
(3)デバイス評価
上記(2)で得られたマイクロカプセルスラリー1部に対して、水性ウレタン系バインダー溶液1.5部の割合で混合し、PET基材のITO透明電極上にアプリケーター塗工機を用いてコーティングし、50℃ドライの条件下で十分に乾燥させた。
この表示用セルを対向電極基板上に接着させ、対向電極間ギャップが60μmになるよう真空圧着して表示デバイスを作製し評価を実施した。
シートタイプ実施例1
(1)電気泳動表示用液の調整
前記実施例2記載の配合比で100gの電気泳動表示用液を調製した。
(2)シートタイプインク収容スペーサデバイス評価
図3(f)に示すような、サイズバターンでPET基材のITO透明電極上にフォトエッチング法によりパターン形成されたセルギャップ80μmのセルシートに電気泳動表示液を充填し、対向電極を配置し、UV硬化接着剤(UV3400、東亜合成化学社製、以下同様)によりシールした表示デバイスを作製し、評価を実施した。
シートタイプ実施例2
(1)電気泳動表示用液の調整
前記実施例3記載の配合比で100gの電気泳動表示用液を調製した。
(2)シートタイプインク収容スペーサデバイス評価
図3(f)に示すような、サイズバターンでレーザー加工法によりパターンニングされた厚さ50μmのポリイミド製セルシートに電気泳動表示液を充填し、対向電極を配置し、UV硬化接着剤によりシールした表示デバイスを作製し、評価を実施した。
シートタイプ実施例3
前記シートタイプ実施例1において、セルパターン形成されたITO透明電極と対向電極をオゾン処理〔三菱オゾナイザOS―IN、三菱電機社製、オゾン濃度20g/mで60分間〕した後、電気泳動表示液を充填し、表示デバイスを作製した。
シートタイプ実施例4
前記シートタイプ実施例2において、ITO透明電極、セルシート、対向電極をUVイトロ処理した後、電気泳動表示液を充填し、表示デバイスを作製した。UVイトロ処理は、燃料ガスとして、沸点27℃のテトラメチルシランを0.0001モル%、沸点122℃のテトラメトキシシランを0.00001モル%を含む燃料ガスを用いてガラス基板にケイ酸化炎処理を0.5秒間実施した。
シートタイプ比較例1
(1)電気泳動表示用液の調整
前記比較例4記載の配合比で100gの電気泳動表示用液を調製した。
(2)シートタイプインク収容スペーサデバイス評価
シートタイプ実施例2に示す構成にて、表示デバイスを作製し、評価を実施した。
Figure 2006058621
上記表3の結果から明らかなように、マイクロカプセルタイプ(MC)の実施例1、並びにセルシートタイプ(S)の実施例1〜4の電気泳動表示用装置は、白色表示面及び着色表示面の反射率に優れ、目視による白色表示、着色表示の色あいにも優れ、しかも、微粒子の凝集・付着もなく、応答性及びコントラストに優れることが判明した。
また、シートタイプの実施例1及び3において、更にオゾン処理を行った実施例3、並びに、実施例2及び4において、更にUVイトロ処理を行った実施例4では、長時間の連続した繰り返し表示においても、微粒子の凝集、付着が発生せず、より高い表示信頼性が発揮できることが判った。
これに対して、シートタイプの比較例1の電気泳動表示用装置は、分散液媒体として、脂肪族飽和炭化水素に包含されない、キシレン等を使用したものであるので、50℃ドライ1ヶ月(1M)保存後のデバイスの状態は初期状態と比較して劣ることが判明した。
酸化チタン表面をチタンカップリング剤で処理した酸化チタン微粒子の説明図である。 (a)及び(b)は、電気泳動表示用液をマイクロカプセルからなる構造体に封入した一粒子型、ニ粒子型の各実施形態を模式的に表した図面である。 (a)〜(c)は、電気泳動表示用液をセルからなる構造体に封入した各実施形態であり、各セルのパターンをそれぞれ模式的に表した図面であり、(d)〜(f)は対向電極間にマイクロカプセルやセル構造シートを配置した場合の断面図をそれぞれ模式的に表した図面である。 (a)は、一粒子型の電気泳動表示用液をマイクロカプセルからなる構造体に封入した表示媒体を用いた電気泳動表示装置の模式図であり、(b)は、ニ粒子型の電気泳動表示用液をマイクロカプセルからなる構造体に封入した表示媒体を用いた電気泳動表示装置の模式図である。 電気泳動表示装置の使用状態を示す断面図である。

Claims (5)

  1. 少なくとも下記一般式(I)で表される構造単位を有するアルキルポリエーテルアミン、1種類以上の微粒子及び分散液媒体として炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素を含有することを特徴とする電気泳動表示用液。
    Figure 2006058621
  2. 炭素数10〜18である脂肪族飽和炭化水素のうちの少なくとも1種類を分散液媒体全量中30重量%以上含む請求項1に記載の電気泳動表示用液。
  3. アルキルポリエーテルアミンの含有量が、微粒子に対して、1.0〜200重量%である請求項1又は2に記載の電気泳動表示用液。
  4. 請求項1〜3の何れか一つに記載の電気泳動表示用液がマイクロカプセル又はセルのそれぞれが独立した構造体に封入されていることを特徴とする電気泳動表示用媒体。
  5. 少なくとも一方に、光透過性である電極が形成された一対の基板と、該基板間に請求項4に記載の電気泳動表示媒体を有することを特徴とする電気泳動表示装置。
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